執事長 2020-02-25 19:00:33 |
![]() |
通報 |
>ナミル(>>1592)
(眩しい、と。会ったばかりの相手に、あまつさえ同胞でもなくただの食事として据えられた対象に率直にそんな感想を抱いたのはきっと初めてで。目的のためにはきっと手段を択ばず、けれど決して独り善がりではない彼のスタンスから導き出された形容は「 …世が世なら一国の王様になってそう 」言い終えて、ふと吐息を漏らすだけの笑いを零して。民衆の心をすっかり惹きつける名君を小さな猫や鳥のように茨の檻へ閉じ込め縛り付けてしまう黒薔薇への憎悪をいっときでも忘れようと煙草の先へ点火されるのを待ち焦がれ、胸いっぱいに煙を吸い込んで――甘いような辛いような、エキゾチックな香りの紫煙を薄い唇の隙間から吐き出し「 最っ…高 」ぞくり背筋が粟立つような色めきをふんだんに含む旨味と苦み、その刺激に溺れそうになった所で息継ぎをさせてくれるように時折顔を覗かせる甘味。二本指の間に煙草を挟み、ぐぐっと顎を引いて噛み締めるように味わってから嘘偽りも飾り気もない感想を落として「 ねえ、これに名前付けてよ。そんであの子たちに頼んで量産させてもいい? 」彼を見上げて乞うのは傑作が無題のままではあまりに勿体ないと湧き出た願い。直後、こちらを見守るように棚や天井を這うトカゲたちを見遣ってから、この最高に美味なレシピの生みの親へ一応の許可取を。「 それで、あんたの望みは何だっけ 」元を辿れば仮称・試作二号が生みだされたのは彼が持ち掛けた〝交渉〟に帰結すると。期待を裏切らない、否、期待以上のパフォーマンスを発揮してくれた彼に何らかの形で報いたい、元来ギバー寄りの性格上辿り着いた思考から交渉の事を思い出して、問い掛けを投げてからまた一口旨そうに紫煙を燻らせて)
トピック検索 |