執事長 2020-02-25 19:00:33 |
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>グルース(>>1559)
どおやろなあ、切羽詰まった奴に迫られたらすぐ君明け渡してしまいそやけど
(顎に添えた指をつつと滑らせ、その頸動脈を長い爪にてくすぐるように横一文字にゆったりとなぞる。どれほど言葉を弄しても所詮悪魔は悪辣なるもの、それをこの短い間に理解したと解釈できる彼の言葉を否定するでも抗弁するでもなく、むしろ危うい綱渡のようなこの夜気を味わい愉しむように密やかな笑気を声に織り交ぜて「 ほんなら人質取らしてもらおか? 」耳を伝って脳を溺れ蕩かす毒の甘露のような声、悪魔でなければそれだけでくらくらしてしまいそうなそれを軽やかに受け止め頬に添う柔らかな手のひらの側面を唇で淡く食みながら家紋の浮かび上がるカメオをコツ、コツと硬く鋭い爪先で指し示し「 それともこっちのンが一生懸命自分守ろうと出来るやろか 」見せ付けるように背後から伸ばした手を彼の眼前に、図鑑を顕現させた時のように手のひらを上に魔力を込めればまたしてもぽむっと空気の弾ける音と共に掌上へ現れたのは精巧な白鷺の模型――否、手のひらサイズだが命あるように動き時折小さく鳴いている。「 俺がカナニトと仲直りして君の部屋に来た時、もぬけの殻やったら…… 」声には相変わらずの笑気を幽かに交えながら、ゆぅっくりと拳を握ってゆく――当然身体を押し潰す圧力を感じた小さな白鷺は苦し気に一声高らかに鳴き、それを契機にふっと力を緩め再度手のひらを開いて見せて)
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