執事長 2020-02-25 19:00:33 |
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>秋天(>>1528)
(次いで強請られた品はよもや今まで考え付きもしなかったもの。永久に陽光へ晒されないこの地に日傘が不要なのと同じ、ただ繰り返される聖餐と夥しい数の死に塗れた刹那の営みを連綿と織り紡いでゆくだけの屋敷には記録を残すための特別な媒体はまさに夏炉冬扇そのもの。穏やかな微笑を答えあぐねたような力ない色に染めてから浅く左右にかぶりを振って、しかし投げられた要求を否決の網で叩き落とすだけではなく代替案を柔らかい調子で返そうと「 とびきりの一輪を選んで写生大会…というのはどう?チウがどんな絵を描くか見てみたいな 」それが苦し紛れの提案でないことは、心底楽しそうに柔らかに微笑む様相から感じ取れるだろうか。思い出を増やすことが即ち美食の仕込みとなる死神は、全く悪意なく彼に楽しい時間を過ごして欲しいと考えを巡らせ「 それで帰りにプランターを見に行こう。花は株分けしようか?それとも種から育てたいかな、 」死んでしまうまで同じ部屋で寄り添うのだから、ただの余り物ではなく気に入った鉢を選ぶ方がいいだろう。ならそれを彩る花もできるだけ彼の意向に添えるようにと、視線を斜め上に向け楽しそうに思案を肉声に乗せて)
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