執事長 2020-02-25 19:00:33 |
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>秋天(>>1523)
大丈夫、僕が傍にいるからね。…ふふ、じゃあ次の夜は薔薇を愛でに行こう
(人間界とは様々なものが異なる夜の世界で紅く煌めく湖の水が人体にとって無害と考えるほうが難しい。しかし仔細の説明は湖上のピクニックの夜に話せばよい、先に彼と踏む地が薔薇庭園に決まったのなら今夜の目的の小さな一つを果たした事と同義。ゆえに次の夜の話題には自分からはこれ以上触れないつもりで、彼の真っ黒な瞳が瞠られた事にこちらも緩やかに首に角度を付け加え「 …何かおかしな事言ったかな? 」確信犯の類ではなく心底解らないといった表情で少し困ったように微笑して、しかし続いた彼の言葉には満足したようにふっと吐息を漏らして「 きっと似合うよ 」と眦を細めて。「 ……そういった場所は沢山あるよ。魔界の植物には危険なものもあるからあんまりお薦めは出来ないけれど…君たちの食事用に人間界の果実だけを育てる為の離れなんか良いかもしれないね。ただ少し遠いから、到底一人では行かせられないな 」しっかりと最後まで彼のお願いを聞き届けてから、少しの間を置いてまずは場所があるか否かの問への回答を。しかし彼も気付いている通り全ては魔法を行使できる使い魔の仕事として管理運営されており、そこに手作業しか適わないばかりかいつ喰われて居なくなるか定かではない働き手が乱入する事には屋敷側の立場からして二つ返事を返すわけにはいかなかった。しかし願いを無碍にする事に不慣れな死神は人差し指を第二関節で折り曲げそれを唇に添え暫しの間考え込み「 この部屋にプランターを置く…のだと、きっとチウのお願いは満たされないんだよね? 」真っ直ぐに向けた眼差しは決して彼の様子を下手から伺うのではなく、寧ろ対等な者同士として互いにとって納得出来る妥結点を探す真摯なそれだった。提示した案が最適解には思えるものの、部屋に嗜好品が増えただけで結局籠の中の鳥という状況に変化を齎すことは出来ない。彼にとっての優先順位が土いじりよりもこの個室の外に繋がりを求める事なのであれば別の策が必要で、だからこそ真剣に彼の願いの核がどこにあるかを探ろうとしつつも威圧感を与えないよう柔らかな声音を保ち)
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