執事長 2020-02-25 19:00:33 |
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>クォーヴ ( >>1486 )
( 意識がぼんやりと浮上する。布団の中で寝返りを打って、しばらく微睡んだ後ゆっくりと身体を起こした。殺風景な部屋をぐるりと見渡し窓を見つけるとベッドから降りてカーテンを開ける。外が真っ暗なことに驚き早く起きすぎたのかはたまた寝すぎたのかと数秒思考するも、そういやこの世界はずっと"こう"なのだと思い出すと強張った肩から力が抜けた。太陽は登らない。季節も巡らない。では窓枠に絡みつくこの黒薔薇たちは一体何を糧に呼吸しているのだろうと考えて、わかるはずもないなとすぐに手放した。「朝焼けが見たいな……」心の声が口を出る。普段僕の一日は朝の陽射しを浴びることから始まっていたから、あの真っ白い光は二度と拝めないのかと切なくなった。沈みかけた思考を振り払うとシャワーを浴びるべくバスルームに向かって歩き出す。上着を脱ぐと鎖骨の辺りで首飾りが跳ねる感覚がして動きを止めた。小ぶりなターコイズがぶら下がった華奢なネックレス。去年のクリスマスに母から貰った大切な贈り物だが、意匠が中性的な気がして普段は服の下に忍ばせる形で身に着けていた。室内灯を反射した濃い水色の宝石にそっと触れて目を閉じる。耳鳴りがしそうなほどの静寂にのしかかられて、半端に服を脱いだまま一歩も動けなくなってしまった。僕はこの静かな部屋で一生を過ごすのだ。夢じゃない。夢になってはくれやしない。そうしてしばらく立っていたが、首飾りの冷たさに促されてゆっくりと動き出した。熱い湯で髪を洗い、全身を流してバスルームを出る。備え付けのタオルで水気を拭き取って、いつの間にか洗って畳まれていた制服のシャツに袖を通した。スラックスを履いて、手に取ったネクタイは数秒考えた結果元の場所に置き直す。学校にいるときよりラフな着こなしで適当に髪を乾かすと、これまたいつの間にか昨晩のシチューとスープが配膳されていたテーブルに腰を下ろした。「カラスくんだよね?ありがとう」姿は見えなかったので虚空に向かって呟いて食卓の香りを吸い込んだ。美味しそうにできてよかった、一人じゃなければ完璧なのに。そう考えたところで思い浮かんだのは彼の姿。また明日、を強請ったのできっと向こうから部屋を訪れてくれるはず。でもそれっていつ頃だろう。まだ眠っているかな、起きているなら何をしてるだろう……そんなことを考えながらパンを千切り、蔦で覆われた窓を見ながら口に含んで。 )
僕が……いいのかな。とても光栄だよ。演者の名に恥じないよう、一生懸命いのちを描こうと思う。
初回文はこんな感じで大丈夫かな。何かご指摘があれば遠慮なく言ってもらえると助かるよ。
何もないようであればこちらに返事は大丈夫。僕はすっごく楽しいから、あなたも楽しめるようなやりとりができたらいいな。改めて、これからもよろしくお願いします。
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