ずいったー

そうそう、理屈はともかくただそうしたいからするんだってだけだと理解してくれればそれでいい。なんて、結果が変わらない話をわざわざまどろっこしくする必要はないのか

なるほど、それもそうだ。必要な準備や努力もせずに不安を感じたり憂うのは違うよな、鈴谷からのその高評価に見合うだけのいい男ってやつになれるようにせいぜい頑張るよ

まあ、それはそれで鈴谷の意外な一面知れて良かったけどな。鈴谷の今までのイメージだとお洒落な店とか可愛い店とかそういう店に連れて行って欲しいタイプかなと思ってたし実は結構庶民的なんだな？…まあ、一人でのんびりしたい時、休日なんかにお忍びで行ってたんだ。女の子は元より他の誰かを連れてくってこと自体が初めてだよ

提督が頑張るなら鈴谷も提督にもっと気にいってもらえるように頑張るよー。……でもちょっと弱味を見せちゃう辺り鈴谷に心を許してくれてるんだなーって、ちょい照れ嬉しくなりましたー、なんて。

どっちかって言ったらそりゃ可愛いお店の方がもちろん大好きだからね？庶民派を否定しないだけだからね？？枯れてるんじゃないからね？？？(あせあせ)……おぉー！女の子はおろか男の人ともないなんて！随伴艦は鈴谷が初めてってことなんだね。んんん♪これはうれしなぁ、へへー♪

はは、まあ少し…いや、かなりみっともなかったかもしれないけどな…この先の長い付き合いで提督としてはともかく男としてはいつまでもカッコつけていることは出来ないしこれもまた俺の一部ってことでさ

わかってるよ、それでも俺から誘った最初のデートでいきなり鈴谷の好み優先で行き慣れない店に行って鈴谷にフォローされたりなんてしたらカッコつかないからさ、今回は俺を立てるってことでここは一つ、な？…大切な相手が出来たらその人と一緒に行きたいと思ってたんだ、それが鈴谷で良かったよ

ん……あ、あー……そっか、そういえば男の人っていつまでもカッコつけたい生き物なんだったっけ……ここは言わずに甘えさせるのがオトナの女よ、なんて如月が言ってた気がする……鈴谷もまた経験値が足りないなぁ

ん、もちオッケーだけども。提督にフォローが必要な場面って思い浮かばないなぁ……無理矢理思い込むならメニューに何故か英語とイタリア語が混じってるスタバくらい……？……ん、いやー、大切な相手だなんて、えへへ、鈴谷を照れさす気ですかぁー？……ふふふ、顔が勝手にニヤけるー……ほら、あんまり鈴谷のだらしない顔見ないでいこいこ！

そうだな、まあ個人差はあるだろうけど少なくとも恋人に対していいところ見せたいと感じるのは男女関係なくそういうものじゃないか？とはいえそうやって気を回してくれるのは嬉しい反面気を遣わせてるのがわかった時は逆に惨めな気持ちになったりもするからあくまで鈴谷らしく自然に対応してくれた方がいい気もする…なんて、意外に男ってのも面倒な生き物なんだ

そういう部分だけじゃなくて、俺みたいなタイプが普段行かないような可愛らしい店とかだと雰囲気に圧倒されてお、おう…みたいな感じになる可能性もあるからなー…そういう可能性も含めて行き慣れた店をチョイスしたんだ。…と、この角を曲がれば…あった、あそこだ(指差した先にレトロな雰囲気のカフェがあって)

あー、そだね。鈴谷も提督にいっぱいイイトコみせたいから頑張って出撃したりするし……なるほど、男の人もイロイロあるのかー………男の人って遠慮無しでガンガン本音をぶつけ合ってなんなら拳もぶつけあってやがて友情がー…なんてイメージだったんだけど、そんな単純じゃないならよく見て考えてじっくり……なーんて研究するのは性に合わないので鈴谷らしさで柔軟に自然に対応していこってトコだね。うん、何も変わらない

……あぁ、そういう…ファンシーなぬいぐるみとかふわふわパステルカラーなお店に行くとどうしていいかわかんなくなる感じかー……提督にネコミミつけて楽しんじゃうのも有りだけど…まぁそういうのは追々。……おお、なんかシックでレトロな感じのお店じゃん。へー……ちょっとわかりにくい道の隠れ家的名店の予感！なんか渋いマスターとかがやってそー！提督センスイイじゃーん♪

話しが早くて助かる、計算ずくで男を掌の上で転がすような魔性の女なんていうのも異性を惹きつける要素の一つではあるだろうけど、仮に俺がそういうのに嵌るような人間なら多分そもそも鈴谷を選んでないだろうしなあ…

そういうこと、最初ぐらいは自分の身の丈に合った選択をしないとそれで自爆したら恥ずかしいだろ？…まあ、そのうち鈴谷が好きな世界なんていうのも見てみたいと思ってるし、少し照れるけどそんなデートもしてみたいよな。……そうそう、正にその隠れ家的な雰囲気が好きでずっと通ってるんだよ。それにしても鈴谷にもこの良さがわかるのは少しだけ意外だったな。なんとなく鈴谷の好みとは違うような気もしたんだけど

魔性の女…語感はカッコイイんだけども、まず鈴谷には荷が重いしね。難しい計算は苦手だし。…提督がそんな趣味じゃなくて良かったけど、魔性っぽい艦娘って誰かいたっけ？

えへへ、なら鈴谷は提督に似合う大人らしい店に行っても場違い感が出ない様な一面も身につけてみせるよ。なんて。……まあ確かに鈴谷はこーいう店行かないし行ったこともないけどさ、少女マンガとかじゃ隠れ家イケメン渋マスターなんてわりとあったりするから、憧れてって感じのはあるんだよねー……秋雲あたりに聞けば凄いキラキラしながら何処がいいのか説明してくれると思うよ

魔性といえばそれこそ鈴谷がさっき挙げた如月なんかはそうなんじゃないか？悪意はないんだろうけど何を考えてるかわからない発言がいちいち心臓に悪いんだよな…

とか言いながら鈴谷はなんだかんだでどんな場所へ行ってもすぐ順応出来そうな気はするけどなコミュ力お化けだし…いわゆるイケオジってやつか、男から見てもあんな感じにかっこよく歳を重ねたいっていう憧れはあるよな…と、それじゃ中入るか

あー、言われてみると確かに。……鈴谷的には魔性の女ってもっと大人っぽい人のイメージがあったんだけど……あの子が大きくなったらスゴそーだよね。提督ケッコー罠にかけられたりするの？

んー、どうだろう？会話にノッてくれる相手なら対応できそうだけど、やっぱ最初は誰かの仲介が欲しいかなぁ。…鈴谷そんなに万能じゃないよー？……提督があんな感じになったとしたら鈴谷はその頃どーなってるかなぁ…………とりま先頭よろしくっ！最初は黙って様子見するね

罠っていうか…発言が何かと意味深っていうか含みがあるというべきか…まあとにかく末恐ろしい奴だよあいつは。その点鈴谷は発言は素直だし要求とかも直接的で付き合ってて気楽で助かってるよ

そういうもんか？まあ、ここのマスターは寡黙だしそこまで気を使うこともないとは思うぞ(話しながら中へ入ると渋い風貌の初老のマスターが『いらっしゃい』と短く口にして)あそこの窓際が俺のいつもの特等席なんだ

おぉう………提督にそこまで言わせるなんて如月凄い………んだけど、あの子どうなんだろ？提督の事好きなのかなぁ？…ん、鈴谷は素直？でしょでしょ？やっぱ好きなら素直に言った方が伝わると思うんだよねー♪

ん。りょーかい！でも折角こーゆートコだからね、騒がず落ち着いてこーと思う(マスターに小さくお辞儀しつつ、提督の後をついてって)…うん、やっぱ窓際いーよね。ゆっくり外を眺めながらコーヒーとか？…一人ならマスター目当てにカウンターに座るのも有りだけど……で、で、オススメメニュー、どれどれ？

好きにも色々あると思うけど…親愛の気持ちぐらいは持っててもらいたいと思うけどな。勿論それは鎮守府にいる艦娘達にも同じ気持ちでいて欲しいってことであって如月だけが特別そうだという訳じゃないぞ

わかってるじゃないか、賑やかなのも悪くはないけどやっぱその場に合わせた楽しみ方をしたいところだよな……まあ、俺がここを利用する時は一人になりたい時だから自ずとこういう場所に落ち着くな。洋食系は何を頼んでもハズレはないけど俺はここへ来たら大体オムハヤシを頼むな、ちなみにここは食事メニューを頼むと飲み物もセットだからお得だぞ

あっ……鈴谷、荒潮と如月をごっちゃにしてかも……ま、まぁいいよねっ←

艦隊に所属してる子は多かれ少なかれ提督に好意を抱いてると思うけど…好きは好きでも好きの方向が変わってる子なんかだとむずかしーよねぇ……親愛かぁ……鈴谷は親愛の他に恋愛も入ってるよ、なんてー……へへへ

じゃあ鈴谷もオムハヤシにするー！……オムハヤシってさ、ハヤシライスの中にオムレツが入っているのか、オムライスの中がハヤシライスなのかちょっと考え込んじゃうんだよね。

そうだな、人の数だけ愛情表現の形があって一筋縄ではいかないよな、でもどんな形でも慕われるっていうのはやっぱ嬉しいもんだよ。流石に恋愛感情に関しては鈴谷以外から向けられると困るけど…こればっかりは応えられるのは一人が手一杯だしな

オムライスの中身がハヤシライスって発想は無かったな、だけど…確かにそれはそれで美味しそうだし今度試してみたいな。ちなみにここのはオムライスにハヤシライスソースがかかってるタイプだな、半熟卵とソースの相性が最高なんだよな

愛情に正解も決まりもないってコだねー……だからいっぱい悩むんだけど……ま、まぁ提督の恋愛感情独り占めできたことだし、後は順調にゴールを……ごにょごにょ

おぉう、おいしそーじゃん！おなかいっぱいになってもまだ食べたくなるような………って、試して見たいだなんて提督もしかして料理とかするの？執務室以外で見たことない気がするけど…………もしかして提督って万能キャラ！？

それは少し気が早いんじゃないか…いや、まあそういう対象が鈴谷以外には考えられないって意味ではいつにするかなんていうのは些細なことなのかもしれないけどさ

別に料理出来たぐらいで万能なんて大袈裟だとは思うけど、鎮守府での生活だと料理とかもする必要ないからしないってだけで一応はできるぞ。市販のルーとか使えるものは全部使うしそこまで凝ったものはあまりしないけど

う、うん……わー、鈴谷以外考えられないなんてスゴイ殺し文句貰っちゃったよー……こ、これはヤバい、頬がニヤけるー！耳まで赤くなってるかも。……べ、べつに今すぐなんて言わないよ？のちのち、いつかって話で……もー！照れるよ提督ー！

や、だってさー、こんなにカッコよくてさー？指示バッチリで優しいし、紳士だし、頭イイし、その上料理とかできるとかもう最強じゃん？……これはお嫁さんになる前にもっと修行しないとダメだなー………いやいや、ルー使うのなんて普通だって！ルーから自作始めたら万能どころか全知全能神みたいな……鈴谷隣に並べたら見劣りしすぎて恥ずかしくなっちゃうよー

正直俺も今すごく照れ臭い…でも鈴谷がそんな風に照れる姿って新鮮だしそれが見れただけでも言ってみた価値はあったかな？…あ、でもだからといってこれは思いつきとかいい加減な発言じゃなくて俺の本音だからな？

いやいや、褒めすぎだって鈴谷の中で俺のこと相当美化されてないか？それに鈴谷だってこの前執務の合間にサンドイッチ作ってくれたりもしたしバレンタインにはチョコレートも自作してたしそんなに自分を卑下することないんじゃないか？…と、そんなことよりオムハヤシに合わせる飲み物はどうする？俺はいつも紅茶だけど果汁100%のジュースとかコーヒーなんかもあるぞ

提督まで恥ずかしくなっちゃったなんて自爆してんじゃん。いや思いつきでそんなセリフ言えたら恋愛上級者っていうか慣れてるっていうかー……きっと「マジか提督スゴー」ってなるだけだよ。鈴谷、提督好きだから評価なんてそう変わるもんじゃないよ、うん…たぶん

いやいやー、美化じゃなくて事実だからね。んー、卑下っていうか、もっと軽くて、提督凄いから鈴谷も凄くなりたい！みたいな？……あ、飲み物ね。んー……提督と同じの！って言いたいけど、後で一口貰えればいいから、鈴谷りんごジュースにする！……コーヒーは食後でうんと甘くして、かなぁ？