きちがいひつじ 2020-01-31 20:15:52 |
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>76 ユーリケ
少し語弊があったかな。好きなのは飼い慣らすことじゃないよ。( どうやら、言葉を間違えてしまったらしい。ゲームのようにやり直しの効かない現実は、取り繕うだけで放った言葉を忘れられやしないだろう。自分は敵ではない、とそう示したくても、この仕事を選んだ時点でそれは不可能に近い。「君の抱える事情は僕にはわからない。でもね、嫌われるのが怖いのはわかるよ」どんな言葉が彼の慰めになるのか、自分にはわからなかった。彼に寄り添ってあげられる語彙を、職員は所持していない。啜り泣く彼の細い肩に手を触れることも、偽善者ぶった「大丈夫」なんて言葉を掛けることも。今の自分に出来ることは、他に見当たらない。「嫌われるのは怖い。捨てられるかもしれないって怯えてたんだ。昔の僕はね、ずっと生きる価値を見失ってた」ぽつり。やや俯き気味に、小さな声で告げる。明かしたくはないけれど、少しでも不安を解消出来ることになるのなら。あの少年にして貰ったように、温かい言葉で持って包み込んであげたいのだ )
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