きちがいひつじ 2020-01-31 20:15:52 |
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>66 ユーリケ
びっくりさせてしまったかな。新しく来たアルバートだ。とはいえ、エトワールの担当だといえばわかるかもしれないけれど。( ふわり、ふわり。甘い声色で言葉を紡ぐ。それは初対面の相手に見せるもので。拒否されなかっただけでも充分。ゆっくりと扉を押し開けて入室し、しかし距離を詰めることなく扉の近くでストップしたまま。彼の知っているであろう同胞の名前を挙げ、警戒心を解いて貰おうと。「勉強の為の本も持ってきたんだ。大丈夫、悪いことはしないよ」机に並べたのは三冊の本。どれかに興味を示して貰えたのなら、少しだけ近寄って説明を始めようか )
>アルバート(>67) : ユーリケ
エトワールの先生が、なんでぼくに…。( 前の担当者は嫌いだった…時折、兄のように支配欲に満ちた眼をギラつかせるから。待ちに待った担当替えかと僅かに期待したが、職員の口から紡がれたのはほかの少年の名。不機嫌そうに眉を寄せれば、並べられた本には目もくれず、抱き締めた枕に鼻先を埋めて視線を逸らし。「 ……どうしても、お勉強しなくちゃだめ…? 」けれど甘い声音には無意識のうちに幾ばくか騙くらかされ、恐る恐るの様子ながらも珍しく控えめにぐずってみせて )
>68 ユーリケ
僕はまだ配属されてあまり時が経っていないからね。等しく見るようにと言われているんだよ。( 担当が固定されているわけではない、とそう伝える。此処は職員の不足が嘆かれているのだ。自分以外の数人もこのように何人かのもとを訪れる。当然そんな大人の事情は口にすることなく、にこりと笑って告げたのは表面上の言葉で。「そうだなあ、君はお利口そうだから……お話でもしようか。それなら良いだろう?」手を顎へと当ててうーん、とわざとらしく考え込む仕草を見せた後、人差し指を立てて違う提案を。こういう子に無理にやらせると信頼を得られない。心の中は暗い闇に染まっているが、表情は柔らかい笑みを湛えて )ユーリケはどんなものが好みかな。出来るだけ好みに合わせよう。
>アルバート(>69) : ユーリケ
ふうん…。( おかしなことを言う先生だ、なんて怪訝は口に出さない。職員と少年の担当は原則固定、何故ならそれが最も少年との信頼関係を築くのに適しているから。それは言い換えれば懐柔の近道でもあるが。いけ好かない担当者が口軽く明かしていた失楽園の規則、それを知っているのは少なくとも瑠璃色の目をした職員よりこの檻に閉じ込められている期間が長いからで「 …ほんと?ぼくからなにもあげなくていいの?あとで命令やお仕置きもなし? 」耳に甘い言葉を吐く者を簡単に信用してはならない、というのも下劣な担当者から学んだことの一つ。無償で我儘を通すどころか、あまつさえこちらの好みを訊いてくる、不自然とも言える優しさには戸惑いに近い警戒を覚えて、おずおずと上目遣いに見上げ )
>70 ユーリケ
( 自分の話す内容が誤りであるとは気付かないまま、それでもこの話は続ける気はないのかあっさりと切り上げて。「本当さ。命令もお仕置きもしやしないよ。お仕置きなんてしてたらエトワールに怒られてしまうよ」不自然なまでの優しさは彼に警戒心を植え付けてしまうだろうか。さすがに初対面で嫌われてしまうのは良くない。たとえ自分が彼の担当でないとしても、苦手意識を向けられることは本能が嫌っている。ゆったりと、少しふざけた調子で口に出したのは以前会った少年の名前。「安心して良いよ。僕は指一本君に触れないから」顔の前で掲げた手を軽く振って、警戒心を解くべく柔らかな声音で続けて )
>アルバート(>71) : ユーリケ
……なら、とりあえず今夜は、先生をしんじる。( 見知った少年の名前を出されれば、途端に甘い言葉に説得力が増す。担当の少年との関係が悪くなるのを望む職員はいないだろう。もしそうなれば、上手く少年を躾けられない能無しだと上に烙印を押されることになる。「 もし嘘だったら、エトワールにいいつけちゃうからね 」それが偽りの優しさでも、それに飢えた羊の警戒心は徐々に薄れてゆく。生意気を吐ける程度には心を許したようで「 ぼく、外のお話をききたい。この壁のむこうの、ひろいせかいのこと―― 」くるりと背を向け、鉄格子に小さい両手を添える。月夜を縋るように見上げ )
>72 ユーリケ
ああ、それで良いよ。( 信じてくれること。自分が無意識のうちに求めているそれが与えられるだけでも充分。だからそれ以上何かをして貰おうとは望んでいない。「うん、大丈夫。約束」彼の言葉は最初よりも柔らかく、段々と少しずつ警戒を解いてくれているのが伝わる。良かった、と自然と頬は緩むばかり。「外のお話ね。わかった。じゃあまず、この星のことから話そうか。地球や月のことを──」立ったまま視線を辿り、月を見据える。鉄格子に添えられた細い手が酷く白い。虐待を受けた色濃い首輪の痕が痛々しく、幼少期が思い起こされる。しかし顔に出すことなく、ゆったりとした口調で話を続けて )
>アルバート(>73) : ユーリケ
……先生、なんか嬉しそう。( 訝しげに片方の眉を山なりに曲げる。今、目の前の職員が浮かべる穏やかな表情は、最初の作り上げられた笑顔とは別人のような自然な柔和さで。星、地球、月、その単語には辟易するように小さくかぶりを振り「 ちがう、ぼくがしりたいのはそんな本を読めばわかるようなことじゃなくて――っ、 」控えめで、小さくて、怒られる恐怖から微かに震える声。それでもはっきりと言葉に乗せたつもりだったが、続けられる話に一度諦めて。拗ねるように再度枕に顔を埋めれば、存外良い子に静かに話が終わるのを待ち。そうして職員の言葉が途切れれば、暫しの沈黙の後「 …やっと終わった? 」なんて、ボーイソプラノで皮肉を奏で )
>74 ユーリケ
そうかな。でもまあ……楽しいのかもね。( 自分がこの時をとても楽しく感じているとの自覚ははっきりとしていない。ゆえに口から出てきたのは他人事の様。彼の言葉が聞こえていても説明の言葉は止まらず、一頻り終わってから口をつぐみ。枕に埋められた顔は拗ねているようで、それでも止めようとしないのが素直で愛らしい。「ああ、すまないね。君の聞きたい話をしようか。広い世界のことを。何から聞きたい?」一般常識、人の行き交う街、現在の世界情勢。少年の期待するのはどんな話だろうか。少しだけずれている己の対応出来る話題についてならば、何でも語って聞かせよう )
>アルバート(>75) : ユーリケ
たのしい…?( さあっと急激に体温が冷めるのをはっきりと知覚した。職員の口から愉悦の言葉が吐かれることに、少年である自分にとって良いことなんて一つもない。オッドアイを零れんばかりに瞠り、ふるふるとか弱く震える手で薄いブランケットを手繰り寄せ、身を守るようにぎゅっと握り締め「 先生は、このおしごとがすきなんだ。ぼくらを閉じ込めてひつじみたいに飼いならすのがすきなんだ 」声すらも震えるその理由が、怒りか恐怖か哀しみかも幼い己には分からない。ただただ、信じかけていたのを裏切れらたような、繋ぎかけた手を振り払われたような気がして「 大人に、ぼくらの味方なんていないんだ。やっぱりぼくの味方は、ぼくをまもってくれるのは…っ 」ぽろり、双眸から真珠がひとつずつ零れ落ちた。自分に言い聞かせるような言葉に呼び起こされるのは、恐怖の象徴である双子の兄の記憶。縋りたくないけれど縋らざるを得ない、この世でたったひとりの片割れ。嗚呼でも。もう彼の手も取りたくはない。筆舌に尽くしがたい恐怖と孤独に苛まれ、肩も膝も全てを縮こまらせ、震えながら自分の薄い身体を抱き締め、声を押し殺して啜り泣き )
>76 ユーリケ
少し語弊があったかな。好きなのは飼い慣らすことじゃないよ。( どうやら、言葉を間違えてしまったらしい。ゲームのようにやり直しの効かない現実は、取り繕うだけで放った言葉を忘れられやしないだろう。自分は敵ではない、とそう示したくても、この仕事を選んだ時点でそれは不可能に近い。「君の抱える事情は僕にはわからない。でもね、嫌われるのが怖いのはわかるよ」どんな言葉が彼の慰めになるのか、自分にはわからなかった。彼に寄り添ってあげられる語彙を、職員は所持していない。啜り泣く彼の細い肩に手を触れることも、偽善者ぶった「大丈夫」なんて言葉を掛けることも。今の自分に出来ることは、他に見当たらない。「嫌われるのは怖い。捨てられるかもしれないって怯えてたんだ。昔の僕はね、ずっと生きる価値を見失ってた」ぽつり。やや俯き気味に、小さな声で告げる。明かしたくはないけれど、少しでも不安を解消出来ることになるのなら。あの少年にして貰ったように、温かい言葉で持って包み込んであげたいのだ )
>アルバート(>77) : ユーリケ
もうやだ…、こんなところ。なにもききたくない――( 焦がれるほど誰かに縋りたいのに、甘い優しさに包まれたいのに。そう願うことすら許されない失楽園で、ひつじは耳を塞いだ。そのまま弱々しくいやいやをするように首を振り「 ぼくはただ、ヴィルケ以外のひとにまもってほしかっただけなんだ… 」誰かの過去は慰めになどならない。けだものに同情やシンパシーは無用。そんなものではもう満たされない、綺麗事は豚の餌。吐露されたのは、自分の心の中にある現時点で最も本音に近い望み。「 ぼくのかたわれを…ヴィルケを、ころして 」貴方の中に眠る人間性を証明したいのなら。自分の腕で自分を抱き締め俯いたまま、疲れ切ったように呟いた )
>どこかでひつじが鳴いた。
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***これにてギムナジウムは閉鎖、病棟は炎に包まれ全てが灰と化しました***
需要不足が否めず、これ以上募集上げを繰り返すのもお目汚しになると思い閉鎖を決意しました。
覗いてくださった方、参加してくださった方、本当に有難うございました!
また別の世界でお会いできたら、とてもとても幸せです――。
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