雄太郎 2020-01-21 03:40:27 |
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…ちゃんと寝れたかしら。おはようございます、コウくん。俺の最愛の人がきっと良い1日になる様にって、ヒモらしく家に籠もって祈ってますよ。…愛してます、行ってらっしゃい。(恋人の腕へと頭を載せ、睡眠の妨げにならない様にと配慮しつつも寝顔を眺め時折頬や首を撫で数時間の時を過ごしては、アラームが鳴り出す前にそっと口付けを贈り耳元で愛しげな声で囁いた後に元の位置へと戻り、睫毛を伏せて眠りへと就き)
(久方振りに首の痛みに苛まれる事なく一日過ごせば堰を切った様に疲労感が一気に顔を出し、電車に乗る事すら億劫になり会社の前でタクシーを捕まえて自宅へ向かい。緩やかな揺れの中、夢の中で聞こえた恋人の声音を思い出してはスマホを取り出し『今から帰るよ、昨日も遅かったし眠かったら先寝ちゃってて。』とだけ送信して薄暗い車内で目を瞑り)
(リビングで寛ぐ最中、恋人からの連絡を確認しては表情を緩め『了解です。じゃあ先に寝てますね。今日は良く眠れそうですか?おやすみなさい。』と送信し、寝室へと向かい)
(タクシーを降りて時刻を確認しようとした所で恋人からのメッセージに気付くと目を通すも返信は控えて。自宅へと辿り着けば真っ先にシャワーを浴び、湯上りの状態でリビングで眠る愛猫の背を暫し撫でて満足気な息と共に寝室へ。恋人の姿に頬を緩めてから寝具に潜り込み)…ただいまぁ。
(寝具に入りスマホで動画を見ていれば恋人が室内に現れ、驚き肩を揺らし。直ぐに嬉々とした表情を浮かべれば端末をヘッドボードへと載せ、相手に緩い力で抱き付き頬へと口付けを贈り)おかえりなさい。今日は体調いかがでした?
(相手が起きている事に気がつくと不服そうに口唇を尖らせるも頬への口付けを甘受し抱擁を返しては抱き枕宛らに片足を絡ませて。頬擦りをしつつ双眸を閉ざし、落ち着いたら口調でポツポツと言葉を返して)寝てろって言ったのに。…ん今日は全然首痛くなかったわ、今も平気。お陰で久々にクソ眠ぃし、上手く寝付けりゃあよく寝れそう。
(双眸を伏せ脚を載せられれば寛いでいると見受け、穏やかに唇に弧を描き受け止め。後頭部へと手を伸ばすと、ゆったりとしたリズムで撫でつつ)まあこれでも自称深夜の男ですから。…お、回復してきたみたいっすね。安心しました。じゃあ今日はこの儘寝ましょう。絶対に蹴ってくださいね、約束。おやすみなさい、愛してますよ。
おはよ、雄太。…いっつも心配掛けてごめんなぁ。今日は早く帰ってくると思うから。愛してるよ、行ってきます。(アラームの音が鳴り響けば眉間に皺を寄せつつ起き上がり、チルアウト系の音楽を止めて。感覚を確かめる様に首を動かし違和感の無い事に安心し小さく頷くと、出勤すべく身支度を整えた後に傍らで眠る恋人の額へと口付けを贈り小さく囁いてから会社へと向かい)
(アラームの音で目覚めると憂鬱な顔付きで身支度を始め、普段よりも素顔に近いメイクを施すと、『今日は少し帰りが遅くなるんで、先に寝てくださいね。じゃあバイト行ってきます。コウくんも1日頑張ってください。』と送ると、小雨が降る外へと出て)
(定時きっかりに仕事を終え些か混み合う喫煙室でスマホを確認している最中、同僚から飲みに誘われ恋人からの連絡を開いた儘悩まし気に視線を動かすも断りを入れれば日の落ちるのが遅くなった往来を歩いて自宅へと。スーツを着替え甘い声で鳴く愛猫を抱き上げると共にソファーへと寝転がり映画を見始め)Hey,Baby.ひっさしぶりに2人っきりだなぁ。
(アルコールと煙草の匂いを纏いつつ些か疲弊気味に帰宅すると、手早く手洗いとうがいを済ませて走る様にしてリビングへと。恋人と猫共々覆い被さる様にして抱き締めると、切実な声色で愛の言葉を告げ頬擦りをし)ただいまっす。んー、コウくん会いたかったっすわー。今日の体調はいかがです?
(何本目かの映画を流し見終わったところで玄関方面から物音が聞こえてくれば小さく頭を上げてそちらを見遣り、自分と同じ動きをする愛猫と目が合えばニヤニヤと笑みを深めて。直ぐに恋人の姿を認め抱擁に応えるべく背中へと腕を回すも相手の纏った香りには苦笑を示し)おかえり雄太。…お、飲みだった?お疲れさん、悪酔いはしてなさそうで安心したわ。…ん、体調は──…まぁ、んなこまめに確認しなくても意外と平気よ。
…あ、すんません。酒臭いっすよね。今日は仲良し数人で送別会だったんで、しゃーなしの参加っすわ。ま、しこたま飲んだけどブルウォッカでキメたんで楽勝っすわぁ。(相手の苦笑に気付けば慌てて身体を離し、済まなそうに眉を下げつつトップスを脱ぎ寝室へと進みルームウェアへと着替えて相手の側へと腰を下ろし。恋人の口真似をして一笑しては、安堵した様に目を細め)恋人の事気に掛けねー訳無いっしょ。でもまあ回復したなら何よりっすわ。暫く寝れなかった分、蹴って休んじゃってくださいね。
ふ…いや、酒臭いってよりかは俺も酒飲みてぇなぁってだけよ。ダチとの飲みか、楽しめたんなら何よりだわ。んでまぁ俺の影響でブルウォッカハマっちまって。あーんまカフェインキメまくると俺みてぇになんぞ。(緩慢に上腿を起こし愛猫を解放しては戻ってきた相手の肩に片腕を回し髪に頬擦りを与え。自分の口調を真似ている事に気が付けば思わず吹き出し言葉とは裏腹に揶揄染みた口調で)フハ…あんがとな、やべぇ時はちゃあんと言うから大丈夫。…あらやだ、久々にガン定時で帰ってきて雄太の事構う体制万全なのにもう寝かし付けられちまう訳ぇ?浩二クンったら悲しー。
今俺とキスしたら酔えるかもしんねーっすよ、なーんて。…仲良しって可愛い表現しましたけど、辞める人のお気に入りの犬数人って感じっすかね。楽しませるためにそりゃもうしこたま飲みましたとも。今んとこ一生酒なんて飲みたくないっすわ。…彼氏恋しさに、大概酔ってんのにデカいジョッキで何杯もブルウォッカ呷ったんですけども。皆まで言わせます?(キャットタワーへと向かう猫の背を撫でつつ頬擦りを享受しては、相手の鼻の先をつんと突きつつ甘い声を出し悪戯に一方の口角を上げ。緩慢に立ち上がると相手の手を握り寝室へと向かい)まあ定時に帰ってもいかんせん休みまで先は長いっすからねぇ。寝れる内に寝なきゃ。
悪ぃな、んな簡単に酔わせられる程お手軽な男じゃねぇもんで。あー…まぁそりゃあ飲まなきゃなんねぇなぁ、犬の悲しい性だわ。お疲れさん。俺の場合ウォッカは体質に合ってるし、調子良けりゃ1瓶空けられるから良いけど気ぃつけろよなぁ。…ま、俺も飲み方汚ぇし帰って来れる内はあーんま口出ししねぇけど。(口調とは似つかわしくない不穏な言葉を口にする相手の姿に片眉を上げては己の後頭部を乱暴に掻きつつ鼻から息を漏らし。寝室まで手を引かれれば不満気な色を全面に出すも諦めた様に寝具へと横たわりキツ目を瞑って)時間があっても無くても寝る時間なんか大して変わりゃあしねぇのに。…つっても酔っ払いは適当に寝かしとかねぇと二日酔いになっからなぁ、しゃーなし。おやすみ、雄太。蹴って寝ちまってな。愛してるよ。
酒に酔えて俺には酔えないんすか?…ってな理不尽なクレーム入れときます。げっ、ウォッカ1瓶はすげーなぁ。つか酒飲み自慢してー訳じゃなくて、コウくんのお得意の酒で気分を紛らわせねーとやってらんねーくらい会いたかったって言いたかっただけなのに。ぴえん。(相手の所作を認めてはしょんぼりと肩を落とし、寝具の中へと入り。不服げな相手を目の前に躊躇いげに頬へと口付けを贈っては、布団の中に潜り込み瞼を伏せ)おやすみなさい、愛してますよ。
(残業後に学生の頃からの友人から連絡が入っているのに気が付けば言葉少なに誘いに応じる旨を伝え、恋人へと『ちょいダチと飲みに行ってくるなぁ。終電までには帰るつもりだけど、待ってなくていーよ。愛してる。』と送信してはネックレスに収まった指輪を左手に嵌めてから踵を返し目的地へと向かい)
(弁当の下拵えをした後にソファーへと腰を下ろし恋人からの連絡を確認しては、『了解です。せっかくの機会ですから楽しんで来てくださいね。おやすみなさい。』とメッセージを送信し、寝支度をすべくバスルームへと向かい)
あー…クッソ、結局この時間じゃん。(酒気を漂わせて帰宅すれば嘆息と共に愚痴を漏らし、酔いを覚ます様に目を瞑りシャワーを浴びては幾分覚めた頭で布団へと潜り込み、眠る恋人を抱きしめつつ瞼を閉じて)…ただいま、んでおやすみ雄太。愛してるよ。
(アラームの音で目覚めると恋人の姿があり、安堵し短く嘆息を溢しては起こさない様にそっと寝具を抜け出し、キッチンへと向かい。クラフト製の使い捨てランチボックスに英字のシートを敷き、水玉模様のオムライスと唐揚げ、エビフライ、ポテトサラダ、彩にレタスとトマトを添え、別のカップ容器にシーザーサラダを入れ紙袋に入れた状態でテーブルに載せると、慌てて身支度をしアルバイトに向かい)
(二日酔いの身体を引き摺る様にして恋人手製の弁当を片手に出勤を果たし、昼休みに入る頃には難なく体調も回復すれば、同僚らからの揶揄に平然としたり顔で返しつつ弁当をペロリと平らげて。殆ど残業せずに業務を終えては喫煙室で一服しながら『バイトお疲れさん。んで弁当あんがと、めっちゃ美味かったわ。今日は寄り道せず真っ直ぐ帰りまぁす。』と送信しては短くなった吸殻を捨て、会社を後に)
(寝室で一寝入りするつもりだったものの、スマホを手繰り寄せ時刻を確認しては頭を抱え。寝具から降りると緩慢な歩みでリビングへと向かい)…コウくん帰ってますかー…?
ただいまぁ。…お、悪ぃ悪ぃ。タイミング悪かったな、向こう顔出してたわ。(仕事から帰り簡単に着替えを済ませてから喫煙所で一服してから再び自宅へと戻ると起き抜けの恋人の背中が視界に映り。緩く笑みを浮かべながら近寄ってはくしゃりと頭を撫でて)
(視界に広がる人っ気のない室内に不思議そうに首を傾げているも、不意に背後から触れられれば驚いて肩を揺らし。心臓が早鐘を打つ中振り向き、恋人の姿が目に入れば安堵し表情を緩め)…うわっ、吃驚したー…。お帰りなさい、すんません爆睡してて。
(小動物染みた反応に愉快気に喉を鳴らしながら指に相手の髪を絡めては振り向いた額へと口付けを贈り。双眸を細め手を離し寝室の入り口横の壁に凭れ掛かると誘う様に手をひらめかせて戯けた様に間延びした声を出し)ハッ、お化けかと思った?別に気にしてねぇよ、今日弁当作って貰ったし早起きして疲れてたんだろ。めちゃくちゃ美味かったよ、あんがとなぁ。…さぁて、おねむのかわい子チャンはベッドに行きますぅ?
生憎お化けにここまでガッツリ触られた事はないんだよなぁ…生身の人間の方がよっぽど怖いって言いますし?あは、弁当作りは楽しかったっすわ。お粗末様でした。本当はクマが卵の布団を掛けて寝てるすげー可愛いオムライスにしようかと思ったんすけど、良心で辞めときましたわ。(双眸を伏せ額への口付けを享受しては、誘われる儘に頷き扉を開き寝室へと。寝具へと再び横たえると欠伸を溢し、暫しガラス玉の様な目で天井を見据え)コウくんもお疲れでしょうから寝ましょ。あと一踏ん張りで週末ですし。…俺は土日もバイト確定。おまけに連休前に早朝から夜遅くまでのシフトも入れられたもんだ。…ダルッ。
ふ、違いねぇなぁ。お化けのがまだ良心的かも知れねぇレベルよ、なんせ俺なんかは節操無しだからさぁ。…いや、あのファンシーなドット柄でも充分揶揄われたんだけど。まぁでも美味かったから文句ねぇわ、手ぇ込んでるの伝わってきて嬉しかったし。(寝室へ足を踏み入れ衣服を脱ぎ、相手の隣へと腰掛けると虚ろ気な表情に眉を下げるも辛うじて苦笑の体を保てば、そっと目の上に手を添え瞼を閉じさせ。己も寝転び恋人を抱き寄せて緩やかなテンポで頭を撫でて)お、マジか。俺も連休は日曜以外は仕事だしもう暫くはお互いバタバタするかもなぁ。…まぁ応援してっからさ、無理せず頑張っておいで。んでその口振りだと明日も早起きなんだろ、このまま蹴って寝ろよ。お願いだなんて可愛いモンじゃなくて、命令…雄太が寝不足になんのはマジで嫌。
それは節操無しに誰にでも触るって事です?…ふっ、マジっすか。弁当なんて生まれて初めて作ったから、返って気合い入れすぎちゃったみたいっすね。でも喜んで貰えたなら何よりっすわ。──長かった連勤も後2日っすね。終わったらゆっくり体休めてください。でもって応援あざっす。明日は大学の講義なんで適当に起きりゃ良しっすわ。只単に連勤明けのコウくんと擦れ違いになるのがダリーってだけで、体力云々は楽勝なんすよ。でも命令されたんで寝ておきます。勿論コウくんもそう言ったからには蹴ってくださいね。(誘導される儘に瞼を伏せ抱擁を享受しては、薄く目を開き唇を触れさせてから再び目を閉じ。髪を撫でる手に落ち着きを覚えては、次第に微睡み)おやすみなさい、愛してますよ。
嫌だなぁ、身につき始めたなけなしの節操もお前の前じゃあ皆無だって話よ。…ん、また機会がありゃ作って。あんだけ美味い飯食ったら仕事張り切るしかねぇからさ。──そーね、やっと終わりが見えてきたわ。雄太が支えてくれてっからなんとか頑張れたよ。だから今度はバイトに講義にって頑張ってるお前を俺が労ってやる番。(与えられた柔な口付けに片眉を上げて憎まれ口を叩くも自然と口角が緩めば諦めが混じり。規則正しい寝息が聞こえてきた所で髪を撫でる手を止めて確りと相手を抱き締め直し瞼を伏せて)…本っ当にこーゆー時だけ聞き分け悪ぃんだから。そんな相手に俺が態々良い子チャンしてやる義理はねぇわ。…おやすみ、雄太。愛してるよ。
…やっべー、今日はツイてんなぁ。(想定外に必要な業務が早く終われば急遽午後休を申請し悠々と会社を出て。『朗報、午後休み取れた。適当にのんびりしてるわ。』と恋人へと送信し、時間に追われない感覚に覚えた喜びを噛み締める様に口元を緩ませては自宅へと進み)
ココちゃーん、今日はパパ早く帰って来るって。良かったねー。(オンライン授業を終え恋人からの連絡に気付くと、表情を綻ばせ猫の元へと向かい抱き上げて頬擦りをし。ソファーに腰を下ろすと『やったっすね。久々に日中にフリーな時間が取れるでしょうし、ゆっくり帰って来てください。家で待ってますよん。』と返信をし、嬉々としながら猫を腹部に載せて横たえ)
ただいまぁ。久々にダラダラ出来るわ、マジで最っ高。(嬉々として帰宅を果たせば一先ず手洗いうがいを済ませ、鬱陶しいスーツを脱ぎ払いTシャツへと着替えてキッチリとセットした髪までもを崩しつつ足早にリビングへ。恋人と愛猫の姿を見つけると猫を抱き上げ柔らかな毛並みを堪能するかの如く頬擦りをしては眼下の恋人へ得意気な笑みを向けて)…な、俺めちゃくちゃ頑張って仕事終わらせてきたの。偉くね?
お帰りなさい。良かったっすね、何とか体を休める時間が出来て。お昼寝しなくて大丈夫ですか?添い寝なら喜んでしますよ。(恋人が帰宅すれば穏やかに目を細めつつ視線を向け迎えるも、すっかりと寛ぎムードな格好を見ては小さく吹き出し。徐に上体を起こすとソファーの端へと腰を移し手招きをして)偉いし凄いっすわ。じゃあこっち来てくれたら、沢山褒めて差し上げますね。
良いんだよ、寝るのなんか後ででも幾らでも出来んだから。俺はもう、ここ最近酒飲んでムラムラしてんのにはお前とイチャつけなくてストレスヤバかったし、スキンシップ優先。(手招きをする恋人を見つめつつ、迅る気持ちを抑えるべく細く長い息を吐いてから愛猫諸共ソファーへと腰を下ろし。腕の中の小さな額に口付けを贈ってからそっと座面へと解放してやれば空になった腕を相手へと回し)…ふ、そりゃもう心ゆく迄褒めて労ってくれんだろーなぁ。マジで長かったわ。
体力凄いっすね。俺ならきっと過労死してんじゃねーかってくらい活動してるんですもん。…ふ、ムラムラしてたんですか?でも浮気しなかったのも偉い。全部纏めて褒めて差し上げますね。(相手がソファーへと腰を下ろせば己からも迎え入れる様に腕を伸ばし、首裏を捕えると胸元へと引き寄せ愛しげにゆったりと髪を撫でて、柔な口調で)よしよし、偉いですね。明日1日で終わるんですもん。良く頑張りました。
あー、まぁ後半の方が寧ろ楽だったから。首の痛みも収まってきたし、酒とエナドリでブースト掛けまくれたし、割と平気。…だぁって、美味い酒と激しい夜っつーのはセットだって脳味噌に刷り込まれてんだもん。気付いたらホテルのベッドとか洒落になんねぇから、すーげぇ気ぃ張ったのよ。(子供をあやす様な口調に擽ったさを覚えつつ小さく肩を揺らし髪を撫でられる感触に甘んじて。相手の胸元へと埋めていた頭を唐突に上げては頬へと口付けを贈り甘ったるい声音にて)ふ、25歳児にゃあちと物足りねぇなぁ。…キスして。
首が治ってきたなら何よりっすわ。…ふ、チャラいなぁ。俺は幾ら飲んでもダーリンが居るから失敗しねー自信あるのに。やっぱり俺の方がコウくんへの愛情が上みたいっすわ。──あれ、ここでキスしちゃって大丈夫ですか?ムラムラしてるなら幾らでも慰めるのに。…そりゃもう、他の奴じゃ役に立たねーってなるくらい激しくして貰って。(頭を撫でつつ冗談めかした口調をしては、不意を突く様な頬への口付けを驚いた表情で享受し、次いで湧き上がる笑いの儘くすくすと肩を揺らし。脚をソファーへと載せ相手の腰元を挟む様にすると、首に腕を回した儘後方へと倒れ挑発する様に薄い笑みを刻んだ後に、掠めるだけの口付けを贈り囁く様な口調をして頬を撫で)
ん、心配掛けてごめんな。もう余裕だから安心して。…しゃーないだろ、俺元々一途なタイプとは掛け離れてんだから。でもかわい子チャンの為に必死こいてんのよ、努力の賜物っしょ。俺みてぇな奴が自分の事過信したらいよいよやべぇわ。──…あらやだ、煽ってる?俺がしおらしく強請ってやるなんてレアなのに。それとも激しいキスはするよりされる方がお好みかしら。(首元を引き寄せられてはバランスを崩し、自ずとソファーへと手を付く形になり己の腕の中に閉じ込められる様な相手の姿に揶揄染みた視線を投げつつ微かに残った唇の余韻を確かめる様に舌先で舐め上げ。片手を服の裾から滑り込ませ柔らかさの増した脇腹に手を這わせつつ低く笑いを溢して互いの鼻先を突き合わせ)
好きな人を想う気持ちは別に謝って貰う様な事じゃねーっすわ。…ヤダ。俺じゃねーと詰まんねーとか抱きたくねーとか思って貰えなきゃ満足しねーっすよ。余所見しないで、ちゃんと俺だけ見ててくれなきゃイヤ。──…ん、誘ってますよ。勿論キスだけじゃなくて、ぜーんぶ。…今ね、きっとコウくんが思ってる以上に妬いてるんですよ。だから俺だけだって思わせてくれるくらい、激しくして欲しいんすけど。(思惑通り相手を巻き込み横たえる事に成功すれば、嫉妬の感情を隠そうともせず口唇を立て頬を膨らませ、甘ったれた口調で我儘な感情を紡ぎ相手の眼をじっと見据え。ふと色香を振り撒く様に微笑を浮かべては首筋を撫でるも、腹部の脂肪に触れられれば途端に恥じらいげに視線を逸らし再び口唇を立て、相手の気を逸らすべく双眸を伏せ幾度か音を立てて唇を啄み、舌を口腔へと滑り込ませて味わう様に深く舌を絡め)──…ン、
ハハ、んじゃあんがと。どんなに痛くても気ぃ紛らわしてられたのは雄太のお陰。…未だにお前の嫉妬のスイッチ分かんねぇ時あんだよなぁ。俺的には他を選べないから止む無くっつーよりは、他にも選択肢があるのにぜぇんぶ捨てて良いっつー方が上だと思ってるってだけだよ。どっちにしろ結果は一緒、雄太しか触んねぇからキッツイの。──…ハッ何よ、理性も何もかなぐり捨てて良いって?随分寛容じゃねぇの。そんなん俺の得意分野だぜ。(忌み嫌う筈の自分を推し量る様な言葉すら恋人の口から紡がれたものであれば感じるのは充足感でしか無く、口角を上げて諭す様な口調で機嫌を取るべく言い含め。手指に伝わる温柔さを堪能する様に指の腹へと力を込めて軽く揉みつつ、口内へと侵入してきた滑った舌を自分の内側に篭る熱気を発散する捌け口とばかりに音を立てて吸い上げてから前歯を食い込ませると直ぐに解放し、相手の首元へと顔を埋めて軽く歯を宛てがい)──っ、……煽られたからには手加減しないでやんねぇとなぁ。
俺の嫉妬のポイントなんて解り易いと思うんだけどなぁ。コウくんが男前だから声掛けられたり誘惑されんのはしゃーなし、でもそれを跳ね除けてくれるって確信が無きゃ不安になっちゃうんすよ。勿論コウくんを信頼してねー訳じゃないっすけど、さっきは気が緩んだらホテルで目覚めるパターンもあるの?って拗ねちった。──…ん、コウくんの全部を受け止め切れんのは俺だけになりたいもんで。…でもって今はお兄さんが欲しくて限界なんすよ。手優しくされたくらいじゃ満たされないくらいに。(機嫌を取る様な口調で語り掛けられれば言葉とは裏腹に容易く心は解かされ、表情を緩めて。口付けを交わす中腹部に触れられればそれすらも愛撫に感じ次第に肌の温度を上昇させ、不意に舌を吸い上げられ次いで歯列が食い込む感覚を覚えれば息を詰めつつ背をしならせ。被虐心が煽られた状態で歯を首元へと宛てがわれれば欲情を宿した顔に薄く笑みを刻み歓迎し、片手で相手の髪を撫でつつ更に煽る様な甘い声遣いで)──…脳味噌が気持ち良くなるくらい噛んじゃってくださいよ。キッチリ受け止めてるんで。
あれは言葉の綾っつーか…。昔なら兎も角、お前と付き合ってからはホテルで目ぇ醒ました事なんか一度もねぇし、俺が帰巣本能強いの知ってんだろ。記憶無くしてたって雄太の所にちゃあんと帰って来るわ。只、俺みたいな飲み方してりゃあ酒の席なんか一歩間違うと何があってもおかしくねぇし未然に防いどきてぇの。こちとら今じゃあダチが適当な女を飲みの席に呼ぶのすら断ってんだよ。──ン…、(拗ねた表情が緩んだのを認めては然程根深いものでは無いと判断し内心胸を撫で下ろしつつ、戯け混じりに自嘲を浮かべて。素肌に載せた歯列を受け入れる様に髪を撫でられては自分の欲に生唾を飲み込んだのとほぼ同時に喉奥から熱を帯びた息を漏らし、相手の身体をソファーへと縫い付けるべく腹部に這わせた手に体重を乗せ肺一杯に息を吸い込んでから顎に思い切り力を込め、暫し容赦なく食いしばるも皮の弾ける感覚と舌の上に広がる鉄の味に気づけば直ぐ様顔を離し)あ、…やっべ、悪ぃ噛みすぎた。血ぃ出させねぇ様に毎回気ぃ付けてたのに。
ん、それなら良いっすわ。コウくんが浮つくつもりがないなら責める必要もなし。…つか野郎だけで飲んでてくれたんすね。最高っすわ。──くッ……ぅ……ンッ、(穏やかな心情で言葉を紡いでは、相手の自嘲を解くべく頬へと口付けを贈り。相手の熱い息遣いと抵抗させまいとばかりに抑え付ける手に胸を高鳴らせるも束の間、嘗て感じた事が無い程の刺す様な痛みが走れば双眸を強く閉じ無意識に逃れようと悶絶するも叶わず、束の間の時間も長く続く様に感じながらひたすらに耐える事に意識を集中し、途切れ途切れに呻き声を溢し。解放されると視界が滲み涙が溢れていた事を自覚し、朦朧とする意識の中熱く脈打つ感覚の傷に触れ、少量の血液が溢れている事に気付くと乱れた呼吸の合間に小さく笑いを零し)…はっ…俺、バンパイヤと付き合ってたっけ。
最近は女が居る飲みなんか仕事関連と、あとはマジで頼まれたってお互いヤらねぇって豪語出来るダチ位なモンよ。俺バイだっつっても割とノンケ寄りだし、その方が雄太の為かなって。(腫れ上がった痛々しい傷口だけを見つめている間は眉を下げていたものの、視線を上げ気怠気な色っぽさを醸し出す相手の表情に背中を震わせては無意識の内に口角は歪み、煽られた嗜虐心の下ではトラウマ染みた血の味すら背徳的な興奮を呼び起こし。辛うじて力を抜き優しく素肌を撫でる手と選んだ言葉こそ労わる様な体裁はあるものの、薄く笑みを浮かべた儘白い肌を伝う赤い液体に吸い寄せられる様に舐め取り、より強い刺激を与えるべく音を立てて傷口へと吸い付き)…ごめんなぁ、痛かったよな。可哀想に。優しくしてやるつもりだったんだけど。
…ちと虐め過ぎたかなぁ。ま、こんなんも久々だし悪かねぇわ。(眠った恋人を寝具へと運び、首筋の傷痕を軟膏とガーゼで簡単に手当てしてから寝顔に掛かる前髪を軽く掻き分け額へと口付けを落とし。自分の衣服を脱いで同様に寝具へと横たわると背中に両手を回し、満足気に笑みを浮かべつつ微睡み)おやすみ、雄太。明日もバイト頑張っておいで。愛してるよ。
随分と俺の為に我慢してくれてるんすね。そこまで自衛してくれてるなら安心っすわ。…独占欲の強い奴と付き合うと大変っすよねぇ…コウくんは自由なのが好きでしょうに、すんません。──…ええ、そりゃもう頭が真っ白になるくらい痛かったですよ。でも俺が望んだ事ですし…って、えっ、嘘、──……はっ…あ、んンっ……、…だめ、気持ちいい…っ、(恋人の優しい言葉に愛情が湧き上がるのを感じれば、ずきずきと疼く傷すらも愛しく感じ表情を緩め。相手のトラウマを気にして溢れ出る血液を幾度も拭うも、想定外に舐め取られれば驚いた様に見開き。次いで傷口をきつく吸い上げられれば再び訪れる激痛に喉元を逸らすも、肉を引き裂く様な痛みは同時に快楽となり、声量を控える事も忘れて色めいた声を揚げ。脳髄に直に響く様な吸引音で高揚し次第に羞恥心はなくなり快感をその儘言葉にすると、更に己を窮地に追い込んで欲しいと強請る様に相手の手を己の首元へと導き熱に浮かされた視線を相手の方へと向け)…ん……もっと、虐めてくださいっ…、
反応遅れちゃってすんません。ふわっとしちゃったもんで本当に申し訳ないんで、遠慮なく休んでくださいね。お休みなさい、愛してますよ。
…やべ、またやらかした。(寝具の中で目覚めると状況が上手く飲み込めず、首元を撫でてガーゼで手当てが施されている事に気付けば己が気を失った事を察し、隣で眠る恋人に済まなそうに視線を向けて。傷口がずきずきと痛むのを感じつつ相手を愛しげに抱き締めては、唇を触れさせて耳元で囁く様に)おやすみなさい、コウくん。愛してますよ。明日1日頑張ってくださいね。
やっと終わったぁ…。(平生のスーツ姿より幾分ラフなジャケパンスタイルでアテンドを終え帰宅すれば喉奥から低い声を絞り出し、手洗いうがいを済ませリビングへと進み。キャットタワーで丸くなる愛猫の額へと口付けをしてからソファーへと深く座り込み)
(ペイズリー柄の開襟シャツを黒のスキニーにシャツインして纏い、首元の傷は大判の傷テープで覆い気持ちばかりの目隠しとしてチョーカーを着け帰宅すれば、手洗いうがいをした後にリビングへと。恋人の隣へと腰を下ろすと脚を組み、久々に丹念にメイクを施した顔を見せ付ける様に目を細め笑んで見せ)ただいまっす。連勤お疲れ様でした。…つか昨日は又気絶してすんません。起きたら可愛らしい手当てをしてて貰ったもんで、朝っぱらからニヤニヤしちゃいましたわ。
(気怠さを前面に出した表情でスマホを眺めているも玄関から物音が聞こえてくれば反射的に顔を上げる己の愚直さに堪らず笑みを浮かべる口元を隠し、恋人の姿を視界に捉えては端末を手放し代わりに隣に落ち着いた腰を抱き。粧し込んだ華やかな顔に込み上げる愛おしさに任せる様に頬擦りをして)おかえり、雄太もお疲れさん。…ふ、痛すぎて気絶したのか悦すぎて気絶したのかで俺の反応は変わってくるんですけどぉ。まぁでも傷痕が残るのは本意じゃねぇのよ、綺麗に治りゃあ良いけど。
あざっす。ゆーくんヒモ気質だからもう一生土日に働きたくないっすわ。コウくん俺の上司にクレーム付けて。──…つかウケる、そんな野暮な事聞きます?悦過ぎたに決まってるじゃないっすか。…あーでも、結局致す事致せなかったのだけが残念っすわ。今日お兄さんが寝た後にオイタしても良いです?傷はまあ治るんじゃないっすかね。でも暫く隠すモンがないや。首輪買ってください。(着座するなり腰を抱かれ頬擦りをされれば愛しげに小さく笑いを溢し、肩へと手を載せ唇を啄んだ後に視線を絡め甘い声を出し強請り。徐にチョーカーを外すと、傷を覆っていたテープを剥がし血がすっかりと止まった歯型を見せ)
ハハ、そもそも土日なんか働く為の日じゃねぇもんなぁ。俺が癒してやれねぇ程疲れて帰ってきたらバリバリにクレーム付けてやるわ。──そりゃあ分かり切ってても雄太の口から言わせてぇのよ、なんせ意地悪ぃから。…ハッ、寝た後はダーメ。そんなんされる位ならお宝写真で発散してから寝てやるわ。あー…意外とガッツリいってんなぁ、いや…うん、ちゃんと傷塞がるまではあんま触んなよ。つか、首輪嫌なんじゃなかった?(己を絆す様な口付けには満足気に目を細めるも次ぐ甘ったるい声色には無情な返答と共に舌を出し。相手の手によって暴かれた裂傷に背筋を震わせ、歪む口元を生唾を飲み込む所作ごと片手で覆い隠しては一度視線を外し心を落ち着けるべく息を吐いてから自分に言い聞かせる様な口調で視線を戻し)
コウくんに癒し切れねーなんて事起こり得ないんだよなぁ…しゃーなし、諦めて明日もワンワン稼ぎますわ。…ふ、マジで意地悪。2週間近くもオイタしないで耐えたのに実物使ってくれねーとか、酷い仕打ちっすよ。──…ね、俺としちゃ全くもって構わないんすけど…あーでも、コウくん血にトラウマがあるのに見せちゃったのだけが気掛かりっすわ。首輪はグッチにレザーの太くて洒落たのがメンズ用であるんすよ。それなら欲しいっす。まあ一応、首輪以外にも首を隠す秘策は考えてるんすけど。(己を揶揄う様な相手の表情に拗ねた様に口唇を立てるも、傷を見てからの表情の変化を認めては済まなそうに眉を下げて頬を撫で。徐にスマホを取り出し首の大部分が隠れる幅のシンプルな黒のチョーカーの画像を表示させては、己の小遣いでは買えない金額にも拘らず欲しがる様な視線を注ぎ)
フハ、頑張れ会社の犬っころ。まぁでも…明日頑張ってきたら久々に飯でも作ってやろっか。偶に料理しとかねぇと鈍るし。…あらやだ、いつでも使ってやるけど俺が玩具にしてぇんだから寝てる時に襲われてもなぁんも楽しくねぇじゃん。それとも大人しいマネキンがお好み?──や、トラウマっつーか。…元々血ぃ見るくらいなら全然平気だし、なんなら……それ見ると、まぁた噛みたくなるんだよ。…あー、確かにこれなら隠せそうだし、雄太は似合いそうだな。でもこんなん一回付けたらマジで外せない首にするけど、良いの?(自らを痛まし気に見遣る視線に罪悪感を覚え後頭部を乱暴に掻いては暫し逡巡し、虫の良過ぎる自分の反応にバツの悪さを感じつつ顔を顰め。次いで相手の表示した画面を覗き込めば納得した様に小さく頷けば唇を耳元へと寄せ脅し染みた言葉を低く囁き)
まだ入社前だから子犬みたいなモンな筈なんすけどねぇ…まあ連休は俺だけ免除だからしゃーなし、頑張って来ますわ。でもってご飯やった。何でも喜んで食うんで、カロリー高めで宜しくっす。…ふ、マジで俺の扱いが上手いんすから。玩具にしてーなんて言われたら、俺から悪戯する気になんてならねーっすわな。──ははっ、この傷見て又噛みたくなるって相当のSだ。上等だ、幾らでも噛んで良いっすよ。俺だけ見ててくれるなら、幾らでも好きな様にしてください。俺は痛いのが好きっつーか、コウくん好みにカスタマイズされんのが堪らなく好きなんすよ。…だから、首輪外すだけでコウくんが盛るくらいに、是非ともやっちゃってください。(相手の表情の変化を見ては両手で頬を包み込み、言外に気にしないで欲しいとの意思を伝えるべく優しく唇を触れさせて。耳元で囁かれた言葉に愉快げに肩を揺らすも、想像しては体が疼くのを感じつつ耳元で囁きお返しと。ちゃっかりと購入ページのURLを相手の連絡先に送信すると、欠伸を溢してソファーに横たえ瞼を伏せ)…やべ、急に電池切れになっちゃいました。寝ちゃう…お休みなさい。明日は店が空いてたらバイトは早々に帰される筈なんで、そうなる様に祈っておいてください。蹴って休んじゃってくださいね。愛してますよ。
…折角だし俺ももう少し連休に合わせて休み取れるように根回しすっかな。オッケー、なんかスタミナ付きそうなモン食おうぜ。今の時期免疫力下がると良くねぇし。…扱いが上手いっつーか俺の自己中な本音だけどな。悪戯なんかされるよりした方が楽しいじゃん。──だぁってめちゃくちゃ痛そうなんだもん。こんな酷ぇ事されて、それでもデレデレしてるお前が可哀想で可哀想で…すーげぇ可愛い。…ふ、最高。そこまで言われちまったら遠慮なんかするの申し訳ねぇもんなぁ。(贈られた唇に眉間の皺を緩めては自分が言葉を紡ぐ度に込み上げる下卑た笑いを隠す様に相手の肩口に顔を埋めるも低い笑声混じりの声は隠し切れず。次いで傍らのスマホが振動するのを横目で見遣りつつも目の前の相手が眠りに就けば抱き上げ、寝室へと運び。簡単な着替えをさせて自分も身軽な姿になれば恋人に腕枕を施しながら頭を撫で、暫くした所で次第に重くなる瞼に抗う事なく目を閉じ)ん、無理せず頑張っておいで、雄太が帰ってくんのちゃんと待っててやるから。今日も疲れてるだろーに遅くまであんがとな。おやすみ、雄太。愛してるよ。
…っと、お疲れ様でしたー。又宜しくお願いしますね。(アルバイトを終えると慌ただしく店舗を去り、帰宅の電車へと乗り込み。わくわくとする気持ちを抑え切れない表情でスマホを取り出すと、『今から帰ります。遅くなってすんません。お腹減ったー!ご飯は何ですか?』と手早く恋人へと送り、イヤホンを付けると恋人好みの音楽を再生し双眸を伏せ)
了解、来週中には贈るわ。…おー、んじゃなぁ。(弟とテレビ通話をしながらクローゼットの中の半分程を段ボールへと詰め込んだ後、昨夜恋人から送られてきたURLを開き配送の日付指定を済ませた所で日が暮れ始めれば漸くキッチンに立ち。揚げ物後の油の処理を済ませ、籠った熱気から逃げる様にエアコンの下で涼みつつ届いたメッセージを確認し『お疲れさん、気をつけて帰っておいで。今日はガッツリカツ丼でぇす。』と送信しては料理の続きをすべく再びキッチンへと戻り)
(電車から降り足早に街灯が灯る往来を進む中、スマホが振動すればポケットから取り出しメッセージを確認し嬉しげに表情を緩め。『やったー、急いで帰りますねん。』と手短に送ると、小走りでマンションへと向かい。帰宅すると手洗いうがいを済ませた後にキッチンを覗き込み、食欲を唆る香りを堪能する様に瞼を閉じ息を吸い込み)ただいまっす。…わー、旨そうな香りだ。最高。
おかえり、今日もお疲れさん。丁度出来た所だからリビングで待ってな。(恋人からの返信を横目で見つつ、フライパンの中に溶き卵を流し入れて丼へと白米を盛り付けて居れば扉の開く音に小さく笑みを溢し。背後から声を掛ける恋人へと振り返りくしゃりと頭をひと撫でしてはフライパンの中身を丼へと移し、上に切った三つ葉を添え。盆の上に豆腐と油揚げの味噌汁を用意し満足気に笑みを浮かべ)
コウくんとご飯があるから頑張れましたわ。…おー、すげー美味そう。折角のお休みなのにありがとうございます。油使って暑くなかったっすか?(嬉々として頭を撫でる手を享受しては、目の前の品々に感嘆の声を揚げ小さく拍手をし。冷蔵庫の前へと向かうとビールを2本手にして、悪戯に笑みながら首を傾げ言外に飲むかを尋ね)
ふ、ちゃあんと頑張ってきて偉い。ご褒美にあーんでもしてやろっかぁ?…折角の休みだから雄太が喜ぶ事したかったんだよ。つって俺が食いたかったのもあるけど。ま、クソ暑かったから暫くやんねぇ。(料理をリビングへと運び、首筋に残った汗の鬱陶しさを拭いつつソファーへと腰を下ろしては相手の手元のビールに笑みを深め、緩く頷きつつ手招きして)
まあ本来の倉庫業務サボって手前の作った服ばっかり売ってたんで、ズルっちゃズルなんすけどね。あーんは勿論喜んで。それだけで1日の疲れが全部吹っ飛びそうっすわ。──…全く、俺の彼氏は本当に優しいなぁ。うんうん、どうせ同じく暑いなら次はBBQやりましょ。…さて、いただきまーす。(相手に続きリビングへと向かいソファーに着座すると、ビールの栓を開け瓶の儘相手に差し出し。手を合わせると、睫毛を伏せ食べさせて貰うことを強請る様に口を開けて待ち)
え、何よ。もうお前の作った服並んでんの?なぁんでそんな大事な事教えてくれねぇかなぁ。しかも売上まで取ってきて…流石俺の可愛い彼氏だわ。──…そりゃお前にベタ惚れだから。てかBBQめっちゃ良いな…今年はまだダチとも出来てねぇからやりてぇわ。……ふ、(ビールを受け取り口を付けようとするもこちらを向いて目を閉じる恋人の姿に小さく吹き出しては瓶をテーブルへと置き。顎を支える様に軽く掴み戯れに唇を甘噛みしてから箸を手に取り、カツを摘むと誤魔化す様な甘ったるい声と共に相手の口の中に入れ)ほら、あーん。
まあ厳密には企画して作って貰ってるだけなんすけどね。それでもここ何週間か連続で売れ筋ランキングに載ってるんで、この調子でキープしてやろうって目論みっすわ。──…ふっ、何でこんな男前に愛されてんのか未だに理解不能っすわ。BBQ、暑くなり過ぎる前にやりましょ。BBQできるビアガーデンとかなら一石二鳥なんで、探しておきますわ。……んっ、(想定外に唇に甘い痛みが走れば喉元で上擦った声を溢し、目を薄く開くと恥じらいげに視線を逸らし。口内へと差し出されたカツを食すと、衣のサクッとした食感と出汁の香りに表情を綻ばせつつ咀嚼し、興奮気味な声で)やべー、すげー美味いんすけど。作り立てのカツ丼なんて久々に食いましたわ。こりゃ箸が止まんねーぞ。
お、すげぇじゃん。恋人が仕事頑張ってると俺も頑張らねぇとなって思うし、雄太が好きな事で本領発揮出来てんなら嬉しいわ。応援してっから目に物みせてやれよ。──ハハ、そりゃあこんな男前に対してクソ生意気だったからじゃないっすかねぇ。あー、BBQできるビアガーデン最高。なんだかんだで準備とか面倒だもんなぁ、用意してくれる所のが楽でいーわ。…あら、意外。オイタに文句の一つでも飛んでくるかと思ってたのに。ま、口に合ったんなら何よりだわ。しっかり食って明日も頑張ってもらわねぇと。(返ってきたウブな反応に片眉を上げるも直ぐに口元をニヤつかせれば自ずと揶揄混じりに肩を揺らし。自分の料理を嬉々として食す姿に目を細めつつ相手の顎から手を離し、ビールを一口飲んでから丼を手に待ち中身を大口で頬張り)
あざっす。まあヒモ気質には変わりないもんで、頑張るくらいなら家でココちゃんの執事やってたいっすわ。──…あー、あんまり生意気に話し掛けて来る奴居ないんすか?ノリ良いから俺みたいなガキンチョに絡まれてそうなモンっすけどねぇ。よし決まり、じゃあ近々休みが合ったらBBQ行きましょ。…ふっ、強いて文句言うならもっとオイタしてくださいよーってなトコっすかね。マジで美味いっすわ。何でも出来る彼氏にメロメロで胸が苦しくなっちゃう。…明日はオンライン授業なんで、今日の分はしっかり脂肪にしときますわ。でも水曜が早朝から夜までビッチリのバイトなんで、そこで消費しますね。(揶揄されれば一瞬思案した後に冗句で返し、箸を持つとカツ丼を再び食してご機嫌に表情を緩め。味噌汁を啜ってからビールに手を伸ばすと、一息に半分程を飲み干し)
フハ、それはそれで願ったり叶ったりってなもんで、どっちに転んでも俺にとっちゃあ旨味しかねぇなぁ。でもやっぱ俺の可愛い子に箔が付くのは自慢よ。──流石に半分冗談だけど…まぁ実際、初っ端から雄太程気さくにってぇのは珍しいわな。基本柄悪ぃから警戒心持たれる方が多い気ぃするわ。やべぇなぁ、海もナイトプールも行くっつってんのにBBQまでとは…夏満喫してんじゃねぇの。こりゃ意地でももうちょい休み取らねぇとだわ。…これ以上オイタすると俺が止まんねぇからなぁ、お預け喰らうの目に見えてるし却下。つってもカツ揚げるのなんか初めてだけどなぁ。1人なら既製品のが全然楽だし。良い肉買って来たのが勝因よ。…ふ、そこで太るって気にしなくなったのがマァジで可愛すぎ、餌付けの甲斐あったわ。水曜は多分俺のが早く帰って来れると思うからヘトヘトだったら迎えに行ってやんよ。(相手の紡ぐ魅力的な句に丼を持った手を僅かに揺らすも経験則から低い唸り声でつれなく返してはカツ丼を掻き込みビールで流し)
箔が付くって言っても、忙しくなってコウくんとの時間が取れなくなったら本末転倒っすわ。家でお兄さんの帰りを今か今かと待ち詫びてる時が至福なんで、引き続きヒモでいますわ。…ははっ、コウくんに限らずいきなり馴れ馴れしく話し掛ける俺みたいな奴なんて滅多に居ないっすわな。ん、俺もうちょいで短い短い夏休みなんで、連休取れたらどっかに連れてって欲しいっす。…ちぇー、1日の時間が足りな過ぎて敵わないっすわ。こちとらコウくん不足で堪らないって言うのに。つかスゲー、初めてでこのクォリティっすか。しかも態々高い肉用意してくれたんすね…やべー、泣ける。やった、じゃあ遠慮無くお迎えお願いしちゃいます。つっても多分23時過ぎるんで、お疲れでしたら先に寝ちゃってくださいね。(つれない言葉を聞けば絆す様に肩を触れ合わせて凭れるも、ビール瓶を置けば再び器を手に取り食べ進め)
今日も遅くまですんません。フワッとして来たんで、申し訳ないんすけど置きでお願いしても良いっすか?もうちょいコウくんの手料理を堪能したくて。連勤明けでお疲れでしょうから、お願いですから蹴って休んでくださいね。おやすみなさい、愛してますよ。
ふ、まぁそーね。雄太が忙しくって構ってくんなくなったら俺外で飲み歩いちまうかもだし?野良犬上がりは楽しく無けりゃあ家に帰って来ないロクデナシだからなぁ。…まぁ良んじゃね?お前が最初に居なかったら俺ぁもうちょい品行方正面してたかもだけど、お陰でこのスタンス貫けて楽しかったし。うーわ、夏休みか…羨ましい、もうそんな時期かよ。つか、それこそ俺1週間遅れで4連休取る予定だから近々だとその辺とか…あとは後半は希望日ありゃ幾らでも。…そりゃこっちのセリフだわ、仕事さえ無けりゃあ一日中掴んで離さない位には飢えてる自覚あるし。高い肉使っときゃ大抵食えるモンになんだろっていう浅はかな考えよ。あとは雄太には良いモン食わせたくなるし。…俺の愛情感じて美味さ倍増した?水曜は面倒な会議もねぇし、トラブルさえ起きなきゃ多分定時だから眠かったら帰ってきて一眠りしてから迎えに行くし余裕。(食事を進める横顔を一瞥しては歯を剥き出し相手の鼻先に噛み付く振りをした所で作った表情を保つ事が出来なくなり愉快気に破顔し、肩を揺らしながら味噌汁を啜り)
勿論置きレス大歓迎よ。つか雄太こそバイトで疲れてんのに遅くまであんがと、ゆっくり寝てちゃあんと学生の本分全うしておいでな。んで、俺は一日ダラダラすりゃあ体力なんか直ぐ回復するし余裕よ。お約束のをちゃんと言っとかねぇとなかなか寝付けねぇしそろそろ諦めて。おやすみ、雄太。愛してるよ。
飲み歩いて万が一知らねぇ香水の匂いでも付けてきたモンなら、俺っち拗ねて実家に帰りますわ。探さないでくださいね。えへ、ずっと休んでる様なもんなんで、特にありがたみもないんすけどねぇ。…お、苦労して勝ち取った連勤っすか。じゃあその時に何処かに行きましょ。──…ふ、俺は金掛けたらその分バッチリ肥えて行くんで、マジで養豚みてーなモンっすよ。美味しく召し上がって頂きたい。じゃあ水曜は楽しみに帰って来ますね。過労で動けなかったらおんぶ宜しくっす。(鼻先を噛まれそうになれば大袈裟なまでに肩を揺らして驚き、頬を膨らませると相手の鼻を加減しつつ摘んで仕返しをし。再びカツ丼を食べ進めては、ビールを呷った後に嘆息を溢し)
ハッ、言ったろ?最近の俺の飲みなんか信じられねぇ位むさ苦しいのばっかなんだって。万が一甘ったるい香水の匂いしても仕事関係だし、雄太がそれを理由に実家に帰る機会なんてねぇのよ。つっても最後の夏休みだろ?満喫しとけよ、社会人になったらどんなに望んでも夏休み取れねぇ可能性だってあんだから。…そ、上司にゴネまくって勝ち取った連休。元々は予定があったんだけど中止になったから殆どニート生活よ。まぁでも雄太と出掛けられんなら棚ぼただわな。──フハ、食う準備されてんのに殊勝な事で。でもマジで最近柔っこくなって来てついつい触りたくなるんだよなぁ、可愛い。ふ、この時期のおんぶとか汗だくになりそー。可愛く強請ってきたらやってやんよ。(己の戯れへの幼子の様な意趣返しに喉奥で唸り声を上げて椀から口を離し顔を背ける事で逃れ。再び丼に箸を伸ばすと残りをみるみる内に頬張り咀嚼して)
仮に野郎の飲みだとしても、連日飲み歩かれちゃったら寂しくてしゃーないっすよ。やっぱりコウくんの興味を繋ぎ止めておくためにも俺はヒモじゃなきゃ。…まあ折角の最後の夏休みとは言え派手な事はできねーですし、その分目の前のイケメンなお兄さんとゆっくり過ごせりゃ満足っすわ。社会人になったらそうっすねぇ…休み貰えなきゃ拗ねて辞めてやりますわ。──…ウケる、太って可愛いなんて言うのこの世にコウくんくらいしか居ないっすわ。それこそおんぶしたら可愛いなんて言ってられなくなるんじゃないっすかね。じゃあ、上手にお強請りできる様に明後日はばっちり稼いできます。──…あー、美味しかった。御馳走様でした。(ゆっくりと食べ進めてカツ丼の器を空にすると、味噌汁とビールも飲み干し満足げに手を合わせて。深く嘆息を吐くと横目で相手が食す姿を眺めて)
お前が寂しい思いする内はそんな事しねぇよ、現に今だって大抵は早めに帰って来て──…って思ったけど最近は夜中に帰って来るとかもあったから説得力ねぇなぁ。…ふ、派手な事する代わりに派手な顔見て補うって?そんな可愛い事言う子には休み取れたらいの1番に教えてやろ。つか休み貰え無かったら辞めるってやーべぇなぁ、笑える。まぁ雄太には第二の就職先あるしお前が社畜になんのは俺が嫌だしな。──…だぁって、抱いてる時に掴んだ所が柔っこいと思いっ切り掴めて良いじゃん。骨張ってたり硬ぇと加減しなきゃいけないからさぁ。まぁカッコつけだもんで、余裕の顔しておぶってやりますよって。──ん、お粗末さんでした。…流石にこの年になるとガッツリ飯とビールはキッツイな。(満足そうな相手の表情を横目で捉えつつカツ丼を食し終えては味噌汁を飲み干し、残ったビールを手に取りちびちびと口を付けながら空いた食器類を盆へと載せソファーから立ち上がってシンクに片し。戻ってきても尚瓶の中に残っている液体を翳し見ては苦笑して)
偶になら楽勝っすわ。自由にしてるコウくんが好きなもんで、寂しいけど寂しくないんすよ。それにちゃーんと埋め合わせもしてくれますし。…ウケる、確かにここ半年はこの派手なお顔を拝んでる時が一番ドキドキするし楽しいっすわ。じゃあ休み教えて貰ったら真っ先に予約入れますね。…ふっ、寧ろその第二の就職先が俺のメインの就職先なもんで。ヒモとして養って貰う代わりにご主人様の好み通りになりますよって、何かエロくないです?──…ん、思いっきり掴んで貰えるなんて最高だ。想像しただけで疼くくらい。つかまだ若いのにウケる。じゃあ、ビールは俺が頂いちゃいますね。(下げ膳までもして貰えば慌てて頭を下げるも、次ぐ相手の表情を見ては口元に手を添えつつ笑いを溢しビール瓶を手に。口元へと運び一息に呷ると、ベタに酔ったフリをしてベッドに上体を倒し、くすくすと笑いつつも誘う様な眼差しを相手へと注ぎ)…んー、酔った。あっつい。
まぁ前に比べりゃあ劇的に減ったから大目に見て貰うっつー事にしといて。んで埋め合わせってか…俺が雄太の事構い倒したくなるから埋め合わせって体にしてるだぁけ。…ハハ、お手軽過ぎんだろ。本当、ストライクとは真逆のデッドボール並なのになぁんでそんな好きかねぇ。…ハッご主人様って、それこそAVのネタじゃあるまいし。まぁでもお前が甲斐甲斐しく俺の世話焼いてくれんのは可愛いからいつでも履歴書送っておいで。──マージでドMだなぁ。多分加減しねぇと腕とかは痣残るし困るの雄太だけど。…お、イイ飲みっぷり。流石に20代後半の胃袋はもーダメ、ビール腹膨れるんだもん。(持て余していたビールを一気に飲み干す姿へと囃し立て口笛を鳴らし、満腹感を訴えてくる胃袋に小さくため息を漏らすも些か態とらしい所作に喉奥を笑声で鳴らし。誘いに乗る様にベッドへ手を突きゆっくりと相手のシャツの釦を外しては胸元に手を這わせニヤついた口元で)…どーよ、暑く無くなった?
気が合いますね。俺もコウくんとあんまり過ごせなかった後暫くは充電のために随分とイチャイチャしないと満たされないんすわ。…んー、俺がここまでコウくんにハマるのは寧ろ、ドンピシャ好みとは逆だったからかもしれないっすね。だって誰とも被らないんですもん。全てが新鮮。まあ理屈抜きに好きってのが一番デカいんすけどね。──すげー力で押さえ付けられて痣が出来るなら本望。それこそ腕なんて隠せば良いだけですし。…マジで小食っすよねぇ。20代後半つっても寿命までまだ相当あるのに。もっと沢山食って飲みましょ。一緒にデブ活。(相手がボタンに手を掛ければ喉を鳴らし言葉なく胸元を暴く手を受け入れ、素肌へと触れられれば短く息を飲み。自らシャツを肩口から下ろすと立ち上がり、相手の手を取り寝室へと向かい)…ん…、…やば、冗談のつもりだったのに盛りそう。そろそろ寝ましょうか。
そりゃだって雄太とは付き合う前からほぼ毎日駄弁ってたし、イチャついてたしなぁ。もうお前見るとそーゆーモンだって刷り込まれてるわ。…あー、なるほど。確かにそれ聞いて腑に落ちた…そーいや、よく初めて初めてって言ってるもんなぁ。ま、過去の恋愛と重ねられるなんざ死んでも御免だし役得だわ。──冷静に考えると恋人に怪我させてばっかなのどーかと思うけど…でも、酷ぇ事されてんのに嬉しそうなの見ると興奮しちまうから辞めれる気がしねぇんだよな。んじゃ、今度は手形も付けてやろーなぁ。…あー、少食っつか食いムラがあんだよな。昼間めちゃくちゃ食う分、夜になると胃袋働かねぇんだわ。ファスティングとかやると逆に反動で暫くは食いまくるけど。(自分の手から逃れる様に立ち上がる恋人に不満気な表情を見せるも大人しく後ろに着いて歩き、寝室へと着けば衣服を脱ぎ捨て暑さから掛け布団の上に寝転がり緩い笑みを浮かべながら手招きし)ちぇ、結局お預けじゃねぇの。…ま、いーや。多分明日はちと残業になるけど、日付は越える前に帰ってくるから待っててくれりゃあ嬉しいわ。勿論無理しない程度にって前提で。…さぁて、寝よ寝よ。かわい子チャンはおねむの時間だろ?蹴ってこのまま寝ちゃってくれよ。
イチャイチャするのが習慣になってるっつー事っすか。まあそれも勿論あるんすけど、俺の場合はコウくんが居ない時間に愛が募って欲する感じっすわ。…過去の恋愛ねぇ…無理矢理思い出そうとしねーと思い出せないくらい霞んじゃいましたわ。今好きな人のタイプを聞かれたら迷わず、ハーフ顔の長身な男前って答えますもん。──ここ最近は痛いが気持ち良いに直結する様になったんでヤベーっすよ。もう普通のお遊びは無理っすわ。…ふっ、コウくんを変態って言ってた時が嘘みたいだ。…あー、羨ましい体質っすね。俺は昼食ったとて夜腹減るもんで。ファスティングか…体に良さそうっすね。今度やる時は俺も誘ってくださいよ。(寝室に辿り着き相手が衣服を脱ぎ捨てると、己も真似て下着一枚の姿に。隣へ横たえると唇を触れさせた後に腕を拝借し、身を寄せながら瞼を伏せ)了解っす。勿論待っていますとも。今日も遅くまですんません。おやすみなさい、愛してますよ。
うわ…やっべ!あー…いやスンマセン、お先っす。(仕事に没頭している最中、静けさの増したオフィスにふと気がつくと時計を見遣り苦い表情を浮かべ、幾らか残った業務に後ろ髪を引かれるも明日に回す事を決めてはジャケットを羽織りながら会社を後に。閉店間際の花屋へと駆け込みつつスマホを取り出すと『今仕事終わった。ちょい寄る所あるけど、すぐ帰るよ。』と恋人へ送信し)
──…やべっ、急がなきゃ。(寝支度を済ませた格好で猫を膝に抱きアルバムに写真を差し込んでいる最中、スマホが振動すれば慌てて内容を確認し『了解です。ゆっくゆ帰って来てくださいねん。』と送信し。焦った様子で独りごちると、時計を確認した後に作業の手を早めて)
(八重咲きのガーデニアで作られた花束を持ちつつ思いの外ウェディングブーケの様になったその装いにはにかみを溢し、道中のコンビニに立ち寄り小包みを2つ受け取ってからポケットの中で振動したスマホを取り出し。内容を確認して表情を綻ばせると足早に自宅へと進み、そっと玄関を開けて手洗いうがいを済ませてから小包みの中身をそれぞれ付属の紙袋に入れればリビングへと)ただいまぁ、いい子にしてたぁ?
…よし、間に合った。──おかえりなさーい、ちゃんと良い子にしてましたよ。…あれ、お土産ですか?(恋人が帰宅する前に手作業を完了させれば、厚めのハードカバーの本の様な見た目のそれをテーブルへと載せ。猫を愛でて時間を潰しては、玄関扉が空く音がするなり嬉々と表情を緩めた後に猫を床へと下ろし、恋人を呼ぶべく両腕を広げるも相手が手にする紙袋に気付き視線を止め)
お、偉いじゃねぇの。んじゃそんな偉い子には先ずはこっち──御所望のチョーカー。これでその痛そうな傷ちゃあんと隠しといて。(キャットタワーに登っていく愛猫へと軽く手を振り手元の花束と深い青色の紙袋をテーブルに置きながら、同様にテーブルの上に置かれた見覚えのない冊子に片眉を上げるも恋人へと向き直り。ブラウンの紙袋を相手の頭の上に載せてはしたり顔で自らの首元を軽く指差し)
わー、やったぁ!すげー嬉しいっす。あんな高いモンをまさか本当に買って貰えるだなんて。…まさか、半年記念だからっすか?(目を輝かせつつ頭へと載せられた紙袋を両手で押さえては、そっと下ろして嬉しげに表情を綻ばせ。テーブルに鎮座する花束も見遣り控えめな声で問うては、丁寧に開封した後にチョーカーを手に取りレザーの高級な質感に溜息を溢し、傷が瘡蓋で塞がった首元へと着け薄く笑んで見せ)…どう、似合います?
ま、ボーナス出たしなぁ。正直、前から雄太の首元飾るモンは何かしら渡したかったのよ、そしたらいいタイミングで強請ってきたからさぁ。──ふ、めちゃくちゃ可愛い。肌白いからよく映えるわ。(眩しい表情を見せながら開封していく姿に目を細め、艶やかなチョーカーと白く柔らかな線を描く肌のコントラストを満足気に見ては堪らず肩口へと腕を回し頬擦りを贈り、それでも尚気が済まず額と頬に口付けを落として漸く一呼吸置いて)でーも、そっちは雄太が欲しがってたモン。俺がプレゼントしたかったのは他にあんのよ。
ふっ、一生懸命稼いで手に入れたボーナスなのに、こんなに俺に使って大丈夫ですか?──やった、俺の首輪。艶感がすげーエロい。これを貰えたって事は、きっと後で沢山可愛がって貰えるんですよね?(相手の反応を見ては、嬉しげな表情を深めて抱擁と頬擦りを享受。更に顔の二箇所へと口付けを与えられれば照れた様にはにかんで薄く頬を染め、小声でそっと問い掛けて。次ぐ台詞に見開いては、幾度か目を瞬かせた後に心底驚いた口調で)えっ、まだあるんすか?既に貰い過ぎだって言うのに…。…コウくんが贈りたいもの…、んー、何でしょ。すげー気になる。
ハッ、雄太に使わなくなったら俺の金なんて今やほぼ使い道ねんだよなぁ。酒に消えるよか百倍マシっしょ。──そりゃまぁ、その首輪の下がどんどん可哀想な事になってくのも含めて可愛いっつってんだから当たり前だろ。(囁く様な声色を聞き留めては悪戯に笑みを深め、革に隠された傷口を刺激する様に力を込めて指の腹で押し。一度身体を離し、角張ったフォルムのシルバーのボールペンが入った紙袋を手に取っては相手の膝に載せて隣へと腰を下ろし)ま、物自体は大したモンじゃねぇよ。最近仕事頑張ってるからさぁ…頑張り屋のお前がまぁた変な虫付けて来ない様にってだけ。…流石にティファニーのロゴが入ったボールペン使ってたらお察し下さいって感じだろ?
カッケー台詞。散々ヒモだなんだって言っておいて、こう言う瞬間には早く稼いで俺もコウくんに良いものプレゼントしたいって思うんだよなぁ。──…ふっ、最高だ。俺が首を見せれるのはコウくんだけってくらい、酷くやっちゃってくださいよ。(革越しに届く指の感触は甘い痛みを齎し、煽る様な台詞を紡いでいた唇を閉ざしては小さく喉を鳴らし。膝へと載せられたティファニーブルーの紙袋を見れば心底驚いた表情で手に取り、丁寧に包みからボールペンを取り出すと高級感溢れる品に感嘆の息を溢し、喜びと泣きそうな感情が入り混じった表情で相手を見ては、ゆっくりと首裏に腕を回し抱き付き)…うー…こんな良いものまでありがとうございます。学生がこんなもん買える訳ないっすもんね…やべー、スゲー嬉しい。物自体も嬉しいっすけど、コウくんが俺に執着してくれてるのが何より。
ハハ、雄太に貰ったモンはなんでも大事にしてるし、別にお前がくれたってだけでとびっきりの価値になんのよ。ドンキのジッポですら未だにちゃあんと手入れしてんだから。──悔しい事にそーゆー事言われるとめちゃくちゃ虐めたくなんだよな。…ま、それは後日かなぁ。(ぱたりと押し黙った相手に底意地の悪さが滲み出た笑いを溢しては白々しく肩を竦め。感極まったのか、初めて見る恋人の表情に緩く微笑みを浮かべては柔く唇を啄み、自らが酷く甘ったるい声色を出している自覚はありつつも堪え切れずに言葉を紡ぎ)雄太が仕事用の靴くれたの嬉しかったのよ、アレ見りゃ仕事キッツい時も頑張れんの。だからお前にも仕事で使えるモンやりたくて。…つーかね、執着なんて今更よ。マジで最初は…正直、半年続くなんて想像もしてなかったんだわ。俺は恋愛向いてねぇと思ってたし。でも、今じゃあ付き合った時の何倍も好きだし、もう半年経っても何年経ってもずっと好きな自信しかねぇわ。
さぁて、雄太明日は朝早くから夜遅くまでバイトだろ?もうこんな時間になっちまったし、頼むから無理しないでな。置きにしても明日お迎え行ってやってから雄太からのプレゼント貰ってもどっちでもめちゃくちゃ嬉しいし、なんなら幸せ噛み締める日なんか何日続いても困る事なんかねんだから。んで、世間様の4連休全部とはいかなかったけど、木日は普通に休みになったからある程度は俺融通効くと思うし、ご参考までって事で。
すげー、まだアレ保管してくれてたんすか。これからプレゼントなんてまだ沢山するんですから、アレは捨てちゃってください。でもありがとうございます。交換しただけなのに、そんなに大事にしてくれて。──ちぇーっ、またお預け食らうのか。もうそろそろ待ての限界っすわ。馬鹿犬なんで、主人を押し倒しちゃいたいくらいに。(優しい口付けを贈られれば目元が熱くなるのを感じるも、涙を目に留めようと唇を結び堪え。己を甘やかす様な口調をされれば感情は高まり、自らも小さく音を立てて口付けを贈れば深く抱き締め、相手の肩に顎を載せこっそりと目元を指で拭い)…だって雨で大切なコウくんの足を濡らしたくなかったんですもん。でも仕事中も俺を思い出してくれるなら大成功っすわ。こんな心の籠もったプレゼント貰っちゃったら、バイトの度にコウくんが恋しくなって集中できないかも、…なんて。ありがとうございます。大事にしますね。──…ん、きっと最初は情で付き合って貰ったんだろうなって何となく感じてました。大好きだったけど俺も俺でコウくんに釣り合える自信無かったし…ああでも、末長く一緒に居たいとは思ってました。…俺もコウくんじゃなきゃ嫌です。愛してます。ずっと大切にしますね。
お気遣いありがとうございます。じゃあお言葉に甘えて爆睡するんで、コウくんも気にせず休んでくださいね。…明日は終電過ぎの時間になる可能性も出て来たんで、じゃあお迎えはまた今度お願いしても良いっすか?でもってやった、言わずもがな俺も木曜は休みっすわ。イチャイチャしましょ。ひとまずおやすみなさい。愛してますよ。
やーだよ、ぜってぇ捨てない。それこそ思い出なんか幾らあっても多すぎる事なんかねぇのよ、全部大事でぜぇんぶ俺のモン。一個だって手放してやるかよって。──ふ、まぁそんな事言いつつマジで俺もそろそろ限界なんですけど。良いんだぜ?付き合う前みたいに必死こいてキスして気ぃ惹きに来ても。(口付けの後の強い抱擁に片手を腰へ、もう一方を頭へと回して緩く後頭部を撫でると髪の毛に幾度となく口付けを落とし、相手のシルエットが描く輪郭を脳裏に刻み込む様に肌で感じつつも己が一等好いている顔を見たくなれば顔を覗き込み。潤んだ瞳を認め、胸が締め付けられる程の愛おしさを感じ眉を下げ反対に口角を綻ばせ)最近仕事量が目に見えて増えたからさぁ…マジで時々キャパオーバーしそうになんだけど、雄太の事考えてりゃ余裕。いつだって頭ん中にお前が居るの、ウケるっしょ。ん、大事にしてくれりゃ嬉しい。しんどくなったら最悪そのボールペンで俺に渡す履歴書書きゃ良いとでも思っといて。…って、なぁに泣いてんの?可愛いなぁ、もう。──情っつか…好きだったし、お前の事気になってしゃーなかったのはマジだよ。悩んでたのは俺の問題。ご存知の通りのちゃらんぽらんさだったから真面目に誰かとちゃんと向き合うなんざして来なかったし、真っ当に生きれるか不安しかなかった訳。んで雄太はいつだって俺には勿体ねぇ位、最高の恋人だよ。一回お前に愛される幸せ知っちまったらもう本当、他なんて無理。霞んで見える。大好き、愛してるよ。これからも傍に居てくれなぁ。
うーわ、んな遅くなるのにこんな時間までマジでごめんな。でも半年記念日をこうやって過ごせたのはめちゃくちゃ嬉しいよ、ありがと。んで、お迎えなんかいつでも行くし、時間なんか幾らでも作ってやるから、明日も無理だけはしないでくれな。久々に休み合うんだしお互い万全でイチャつきてぇじゃん?だから、約束。おやすみ、愛してるよ。
…ふっ、可愛いなぁもう。俺としては生身の俺をこれだけ大事にしてくれてるんだから満足なんすけど、じゃあ折角なんで全部大事にして貰います。俺もコウくんから貰った物は全部全部大事にしますよ。──…やだ。だってキスするだけで尚更盛っちゃうんですもん。それでいて相手にされなかったら尚更欲求不満になっちゃう。(感情が高まり目頭が熱くなる中、幾度となく恋人から髪へと口付けを贈られれば相手を愛しく想う気持ちは増し、己を覗き込む目に視線を絡めた後に頬へと手を添え、角度を変えつつ幾度も口付けを贈り)…仕事に忙殺されてるんすね。そんな中でも俺を思い出して貰えるのは嬉しいっすわ。…無理しないでくださいとか無責任な事は言えないっすけど、それでも俺の大事な人なんで俺の為に休みも大事にしてくれると更に嬉しいっすわ。…ふっ、じゃあ履歴書だか婚姻届だかわからないけど素敵な書類を書く時にはこのボールペンを使わせて貰いますね。でもってコウくんがガチで疲れた時にはこれでラブレターを書きます。──ちゃらんぽらんなんて嘘。コウくんは最初から完璧な彼氏でしたよ。俺が勿体ないだなんてとんでもない。こんなドMを扱い切れるのはコウくんだけっすわ。是非とも、これからもずっと宜しくお願いしますね。
予告通り遅くなっちゃってすんません。全くアルコール入れてないとは言えすぐに爆睡する可能性もあるんで、先にいつものお決まりを言っておきます。おやすみなさい、愛してますよ。時間も時間なんで、コウくんも休んじゃってくださいね。言い足りないからもう一度。愛してますよ。
──…俺の事絆す方法なんか腐る程知ってるクセに。雄太に色気出されたら頭が動く前にガッツいちゃうのよ、なんせ本能に忠実だからさぁ。(唇を啄まれる度に恋人の体温を一層感じたい衝動が湧き起こり、背中伝いに回した腕を徐々に腰元へと滑らせるも視界の端を白い花が掠めれば不意に思い出した様に身体を離し。自分と不釣り合い過ぎる花束を手に取り面映さからくしゃりと歪な笑みを浮かべて己好みの香りで肺を満たしてから相手に差し出し)狡いなぁ、そんなん言われたらちゃあんと休み取らなきゃなって思うじゃねぇの。まぁでも自分の限界値は理解してるつもりだから大丈夫、マジで無理ってなったら無理でぇすって言えるんだよなぁ、俺。うっわ、雄太からのラブレターめちゃくちゃ好きだけど益々好きになりそう。俺も筆豆だったらお前にラブレターの幸せっぷり伝えてやれんのになぁ。…っと、やべ忘れる所だったわ。こっちは毎回恒例の添え物な。白い花束とティファニーとか俺プロポーズでもしてんのかしらって感じだけど。──最初から完璧だったなんて有り得ねぇよ、お前を不安にさせてた時点で既に落第点。ま、最初から低けりゃ上がる一方だし上等ってな感じだけど。…ハッ、そりゃ俺好みに仕立ててるから他の奴の手に負える訳ねぇだろ。そもそも他の手に渡る事すらねぇ。
マジで疲れてんのに態々向こうまで顔出してくれてあんがとな。本当お疲れさん、こんな時間までバイトしてぜってぇしんどかったろ、めちゃくちゃ偉いよ。んで最近悉く俺のタイミングが悪ぃなぁ、もうちょい堪え性のある男になりまぁす。今日はゆっくり寝てしっかり休んで少しでも体力回復させてくれよなぁ。おやすみ、愛してる。俺の愛情はぜぇんぶ雄太のモンだよ。
俺にそれだけの色気があったら苦労しないっすよ。…でもコウくんにがっつかれたい。欲の儘に喰らってくれてる時のコウくんって格好良くて可愛いくて最高なんですもん。(唇を啄みつつ恋人の手が腰へと降りるのを感じれば、誘惑すべく腰を擦り付ける様に自らしならせ口腔へと舌を滑り込まそうと。目論見は叶わず相手が口付けから逃れれば遣り場の無い熱で身体を熱らせた儘不服げに口唇を立てるも、想定外にブーケを差し出されれば感情が吹き飛んだ様に見開き硬直し、次いで相手の些かの照れが入り混じった様な笑顔を見ては片手で口元を覆いつつ泣きそうな顔をし、堪え切れず目元から涙を溢し空の手で花束を受け取り)…えー…完全にプロポーズじゃないっすかー…。──…ありがとうございます。まだまだ半年記念なのにこんなに沢山幸せを貰っちゃいました。…幸せ過ぎてどうにかなっちゃいそうっすよ。──…本当、コウくんは俺を幸せにばっかりしてくれてますよ。不安になるくらい良い男だから付き合えた時にすげー幸せでしたし、俺の為に頑張ってくれるのが目に見えて解るから尚更幸せ。…マジで大好き。冷めた俺を泣かせれるのはコウくんだけです。
折角休み被ったっつーのにすんません。お察しの爆睡でやらかしましたわ…後悔後に立たずっすわ。でもって昨日は俺がどうしても会いたくて行った挙句、電池切らして連れて帰ってくださいなんて図々しい事やらかしただけなんで寧ろすんません。堪え性がないだなんてとんでもない。寧ろ我慢しないで出歩いてください。いつでもナンパしに参上するんで。じゃあ、こっちは蹴ってくださいね。
色気は日々増してんじゃん、それこそ俺が耐え切れずガッツいてグロい痣ドンドン残すくらい。んで、まぁたそーゆー可愛い煽り方する…俺がどんだけ我慢してるか知らねぇっしょ。(欲を掻き立てる様な言葉に自然と劣情が鎌首を擡げるのを自覚しては自分の浅はかさに表情を渋くさせ口元を手で隠すも、次ぐ花束への反応に目を奪われては暫し呆けた様に注視し。早まる鼓動が甘い痛みを訴え掛けてくる事に眉を下げ、光を乱反射させる瞳に吸い込まれる様に唇を寄せて塩辛い水滴を舐め取りながら口にするのはまるで熱に浮かされた口調で)まぁ、本番のプロポーズはまだ先だからこんなんで満足しねぇで欲しいけど。──…幸せにしてもらってんのは俺の方。俺みてぇな奴を、こんだけ真っ直ぐ一途に愛してくれたのは後にも先にもお前だけだよ。きっとお前に愛情与えられなけりゃ未だに恋人の愛し方なんか分かんなかった。…こんな綺麗な涙流せるお前だから、とてつもなく惹かれたんだろうなぁ。好きだよ、すげぇ綺麗。
グロい痣は俺も口に出して欲しがってるんで、ネ。でもってコウくん我慢してくれてるなんて全く知りませんわ。いっつも余裕の顔してるのに頭ん中じゃあんな事こんな事考えてくれてるんだ。…嬉し。──…これが本番じゃないなら、俺その時には心臓が壊れちゃうんじゃないっすかね。…だって嬉しくて勝手に泣けてくるんですもん。そうさせてくれるコウくんは凄いっすよ。世界中に自慢したい、最高の彼氏です。(涙を唇でもって拭われると恥じらいげに唇を結び、花束を胸に抱いて両手で目元をごしごしと擦り。小さく鼻を啜り上げては双眸を伏せ一際愛情を込めて口付けを贈ると、暫し花束を嬉しげな表情で眺めた後にはっと思い出した様にいっけん本の様なハードカバーの分厚いアルバムを差し出し、今までスマホで撮影した写真が差し込まれているものの、まだ空ページが多いそれを説明すべく視線を宙へと遣り、もたついた口調で)…えっと…すげープレゼント貰った後で恥ずかしいんすけど、これは俺からのっす。アルバムなんすけど…これからもずっとずっと、沢山思い出を作りたいなって思って。半年って節目だし、これにしてみました。
当たり前じゃん、俺だって健全なオトコノコだもん、本命にはカッコ付けて置きたいから必死なだけ。お前に余裕に見えてんなら成功してるって事だなぁ、良き良き。──ふ、んじゃ本番は寧ろ手加減してやった方が良いかしら。いや、無理だな。多分俺がそんな気も回らない位浮かれ過ぎてて。…雄太がそうやって思ってくれるだけで充分、俺には勿体ねぇ位だわ、ありがと。本当幸せ過ぎて頭ん中ふわふわする。(後々腫れる事を懸念して目元を擦る相手の手首を掴んで止めるとその表情を再び網膜に焼き付けながら愛情の篭った口付けに堪らず破顔し。差し出された冊子を不思議そうな面持ちで受け取っては表紙を捲り、半年間の記憶を反芻する様に写真の数々に目を落としつつも空白のページに辿り着けば目を細め)…最高じゃん。俺との未来になんの懸念も持たないで信じてくれてるって事っしょ。…やだなぁ、マジで…めちゃくちゃ嬉しい。これからも一緒に埋めてこ、雄太の色んな一面見せてよ。
健全かどうかはさて置き、コウくんの本命とやらはどんなコウくんだって愛すのに。…余裕に見え過ぎて俺の方が絶対に好きで好きで好きで、すっげー愛してるって思うんすけど、今日みたいな日にはやっぱ敵わねぇなーって思いますわ。──まさか。プロポーズで手加減されたら別の意味で泣いちゃいますよ。因みに俺からプロポーズするかもしれませんし、お互い楽しみにしておきましょ。…俺も幸せ過ぎておかしくなりそうっすわ。コウくんとの未来は俺がどうしても繋いでいたい事なんで。でもってコウくんもきっと受け入れてくれるって思ってました。──俺だけが一方的に好きな恋なら絶対に贈れていないプレゼント。当たり前ですけど、こんな物を贈ったのはコウくんだけですよ。──…ねぇ、幸せな気持ちの儘抱かれたいって言ったら呆れます?(相手がアルバムのページを捲るのを一緒に眺めて表情を緩めては、そっと手中から抜き取り花束と共にテーブルへと戻し。未だに涙で潤む眼で相手を捉えつつ膝元へと跨り肩口へと片手を回すと、空の手でチョーカーを外した後に気を引こうと幾度か唇を啄み。甘える様な声遣いをすると、相手の衣服の胸元を解放し己がして欲しい様に首筋を痕が残らない程度に幾度か吸い上げ、痛まない程度の力で歯を立て)
だぁっていつだってデレデレしてたら恥ずいだろ、中坊じゃねんだ。だから普段は自分からはあんま行かねぇ、お前が尻尾振ってんの見るの大好きだし尚更。でも、記念日って免罪符がある日は別。…自制しねぇとなんねぇ程雄太の事好きで好きでベタ惚れなのよ、俺。──ハハ、俺がプロポーズされる側になるかもなぁんてミリ程も考えた事無かったなぁ。まぁでも、俺の彼氏ったら男前だから無くもねぇのか…ま、いーや。お互い予想付かない方が楽しいもんなぁ?…ん、出来上がったアルバム渡して、ハイおしまいってしない所が雄太らしくてめちゃくちゃ好き。写真増えてく度にこの気持ち思い出せるし、そーゆー所が最っ高にセンスあるわ。ありがと、本当に嬉しいよ。雄太が色々考えてこれ渡してくれたんだろうなって事含めて。(だらしなく緩んだ口元と熱さの感じる頬を纏めて片腕で隠しながらも多幸感に溢れた笑みは止まらず、くつくつ喉を鳴らしながら相手がアルバムと花束を避けるのを見届け、硝子の輝きを閉じ込めた双眸と視線が絡めば両腕で迎え入れて唇への柔な刺激を締まりの無い表情で甘受し。恋人の唇が自分の首元へと移れば自ずと内包した熱は高まり吊り上がる口角を舌先でなぞってから相手の頭を自分の肩口へ縫い止める様に腕を回し、柔らかさを主張してくる目の前の首筋に舌を這わせ)──呆れる訳ねぇじゃん、俺だって同じ気持ちだし。…でーも、今日はめちゃくちゃに甘やかしてぇ気分よ、俺。
まあ偶にデレてくれるからこそ破壊力がパネェってのはありますわな。…ふっ、だから今日はこんなに甘いんですね。その事を知れただけでも暫く上機嫌に過ごせそうっすわ。──ウケる、ヒモの癖に出しゃばってプロポーズ。何て言えば良いんでしょ。やっぱり一生養ってください、とかっすかね。プレゼントのセンスは皆無なんすけど、マジで一緒に居たい人だからスッと浮かんだだけっすわ。今のコウくんへのプレゼントでもあるんすけど、将来の俺等へのプレゼント。(相手を求めてがつがつと振る舞う己を包み込む様に抱き締められれば、徐々に高ぶりは治まりしおらしく相手の首裏へと両腕を回し双眸を伏せリラックスし。首筋に這う舌の感触に僅かに背を震わせては、心臓が早鐘を打つのを感じつつ小さく頷き)──…ん、今甘やかして貰ったらすげー感じそうっす。沢山声出したいんで…ベッドに行きます?
後は酒飲んでるとやっぱお前相手にはデレデレしちまうよなぁ。今まで酔っ払ってスキンシップ増える奴の気持ちなんか理解出来なかったけど最近漸く分かったわ、好きな子には触りたくってしゃーなくなる。──ふ、締まらねぇプロポーズな筈なのに悪かねぇって思っちまう辺り末期だよなぁ。…良いな、未来の俺らへのプレゼントとかロマンチストの雄太にぴったりじゃん。これが埋まる頃にゃ俺も写真慣れしてるかしら。(普段であれば途端に大人しくなる相手に揶揄の言葉の一つでも投げるものの高揚感に思考を支配されてしまってはそんな気は起きず、愛情を発散させる様に肩口へと額を押し付けてから抱き上げるとその儘寝室へと進み。そっと寝具へと下ろした身体に覆い被さり、上衣の裾から手を差し込みつつ口付けを贈り)──あー、やっべ可愛い。そんな事言われたら骨抜きにされるわ…困る。
成る程、じゃあ一緒に酒飲む機会を増やさないと。沢山触って欲しいですし、酔ったコウくんをうんと甘やかしたいですし。何よりコウくんと飲む酒が世界一美味い。──ウケる、このプロポーズで満足してくれるって相当俺に毒されてますよ。これ以上に情けないプロポーズなんてないでしょうに。… まぁ、こんな俺を許してくれるコウくんだからこそ一緒に居て心地が良いんですけどね。──…そっすねー、最後のページ辺りでは照れ隠しに中指立てたりしなくなるんじゃないっすかね。ニッコニコに笑って写る様になってたらウケますね。(宙へと浮く感覚を感じれば漸く己の欲望が満たされると言う事が現実味を帯び、先刻までの饒舌さを失い黙した儘寝室へと運ばれて。覆い被さられる際に軋む寝具の音で無性に昂りを覚えては、感情を誤魔化す様に両手を相手の後頭部へと。上体を愛撫されつつ贈られる口付けに脳が甘く痺れる感覚を感じては、喉元で上擦った声を溢しつつも愛しさを伝える様に柔な手付きで髪を撫で)──…ん……っ、
明日も仕事でしょうに、遅くまですんません。体の負担にならねーかすげー心配なんで、お願いですから休んでくださいね。おやすみなさい、愛してますよ。
雄太は酔っ払った俺の事好きだもんなぁ、尚更酔っててもちゃんと帰ってやろって気持ちにさせられる。んで、お前と飲む酒が1番美味いのは完全に同意見だわ。雄太と一緒なら嫌いなスト缶でも気持ち良く酔えそうだし。──だぁってめちゃくちゃ可愛いお強請りじゃん。養ってくれだなんて、生活の全部俺に委ねるって言ってる様なモンだろ。そんな告白男冥利に尽きるなぁ、死ぬ気で金稼いで来てやるって思う。──…ハッ、似合わねぇ…でも雄太のおしゅしスマイルの隣でならアリっちゃアリだわ。(指先から伝わる滑らかな肌の感触に陶酔しながら手を滑らせ服を捲り上げ、己を欲する様に髪を撫でる手に身体の火照りを感じるも、平然を装いそれを逃す余裕すら無く自然と息は上がり。唇を甘噛みし舌で輪郭をなぞってから小さな水音を立て、より一層相手を求める様に舌を差し込み)──は、……っ
あー、心配してくれてあんがとな。明日は仕事っつっても午後から行って最低限の報告書済ませれば良いし割とフリーダムだから安心して。寧ろ幸せに浸れて明日のやる気が出たから余裕。つか雄太こそ遅くまでごめんな、ついつい俺の夜更かしに付き合わせちまってるわ。ゆっくり寝て、体調崩さない様に気ぃ付けてな。おやすみ、愛してるよ。
だって酔ったコウくんは何か可愛いんですもん。あれ、スト缶嫌いなんですね。意外でしたわ。じゃあ近々ベランダにテーブルと椅子を組み立てておくんで、一緒に楽しく飲みましょ。──…ふっ、コウくんは働き者だなぁ。俺としては生活どころか人生を委ねても構いませんよ。そのくらいの気持ちでプロポーズするなり待つなりするんで、いつまでも愛してくださいねん。(腹部が外気へと晒されれば、恥じらいげに片手で己の脂肪を隠すべく広げた掌を置き。間近で感じる相手の息遣いに己も高揚し僅かに呼吸を乱すと、唇に甘く立てられた歯の感触に小さく背を震わせた後に口内へと差し込まれた舌を柔く吸い上げ迎え入れ、ゆったりとしたテンポで焦らす様に舌を絡め。奥から熱が広がる感覚に焦ったく時折身体を捩らせては、呼吸の合間に抑え切れず上擦った甘ったるい声を溢し、蕩けそうな目を薄く開き相手の様子を窺い)……ふ…ン……んっ…、
スト缶はなんか、やっすい酒の味がして好きじゃねぇわ。手っ取り早く酔いてぇなら別にショットキメてりゃ良いし。…お、やった。楽しみにしてだんだよなぁ、折角だしガンガン飲も。──ハハ、当たり前じゃん。いつまでも雄太の事だけ見て愛してやんよ。そもそも…まぁ惰性で別れらんなかったのは抜きにして、俺が半年続いてるのってお前だけだもん。(深い口付けの中で相手の嬌声が響けば直接脳髄を揺さぶられた様に腹の奥が一際熱を帯びる感覚にキツく目を閉じ、水音で掻き消すべく激しく舌を絡ませて。一頻り満足した所で鬱陶しいシャツを脱ぐ為に上腿を起こすと腹部を隠す様な相手の手に漸く気が付き、釦を外すのとは反対の手を緩く絡ませて甘ったるい声で囁くも薄ら笑いの消えた表情では揶揄というより懇願に近い声音になり)…だぁめ、隠さないで。雄太の全部、ちゃんと俺に見せて。
…ふっ、普段良い酒飲んでるからっすかね。斯く言う俺も缶の酎ハイはあんまり飲まないっすわ。折角酔うならやっぱり良い酒が良いんでね。ん、コウくんの連休までには組み立てておきますね。煙草吸いながら飲んで、酔っ払ったら直ぐに寝れるって何気に最高っすよね。──やった、遂に俺が最長になりましたか。確かに半年もあればコウくんにベタ惚れになるには十分過ぎる期間っすわ。元カノさんの気持ちが解る。(薄く開いた視界に閉ざした相手の眼が入れば、口付けに集中してくれていると受け取り胸を高鳴らせ再び双眸を伏せて甘く舌を吸い上げ。不意を突くように激しい口付けへとなれば一層身体が熱くなるのを自覚しつつくぐもった声を溢し、されるが儘に委ね。唇が解放されれば僅かに息を乱しつつ唾液を飲み下し、普段見る事のない懇願する様な相手の表情に敵う筈もなく手を握り返すと空の手で相手の頬を撫で)──…ん…っ、…狡い。そんな顔で言われたらどんな事でも許すに決まってるじゃないですか。…愛しいなぁ、もう。
そういや雄太ってあっまいヤツ飲んでるイメージあるけど、自分で作るカクテルとか以外は大抵ビールだよなぁ。まぁ俺がビール好きだから付き合ってくれてんのもあんだろーけど。いやー、マジですぐ寝れるってのが最高だよなぁ。宅飲みならそれこそ外での自制心とかも要らないからなぁんにも考えずに飲めるもんな。──最初の奴以外は大抵、半年もすりゃ俺が面倒になるか、向こうが愛想尽かすかだったからなぁ。多分、半年っつーのは俺ん中で一個の基準なんだと思うわ。ふ…まぁ今回は半年で俺がベタ惚れにされちまってんですけど。(片眉を上げつつ相手の言葉を聞き、一拍おいてから自分の余裕の無さが顔に現れて居るのだと気が付けば上擦った笑いを溢し、辛うじて上がった口角が欲に崩れる前にシャツを脱ぎ払って相手の首筋に唇を寄せ。譫言の様に甘ったるい愛を囁きつつ、未だに消えない痣とは反対側に繰り返し短い音を立て唇を触れさせ薄ピンクの痕を散らしながら相手の素肌に這わせていた手をボトムへと掛け)……ハ、今更。狡い俺が好きだろ?──なぁ好きだよ、雄太。俺のモンだ、もう離してやれねぇの。
すげーよく見てますね。酎ハイは身体に合わない奴が多いんで飲まない様にしてるんすわ。生意気に体内だけはお高く出来てるんで、コウくんが用意してくれる酒なら何一つ問題ないんですけど。…ふっ、酔う気満々っすね。俺の大好きな酔っ払いコウくん。なら気持ち良く酔って貰える様に、美味しいつまみも用意しておきますね。──…半年が基準ねぇ…確かに俺も大半が半年経たず終わってましたわ。1番長い奴で1年半くらいっすかねぇ…でも同棲してるコウくんと過ごしてる時間の方が既に圧倒的に長いんですよ。冷静に考えたら笑えますよね。だって付き合った瞬間から同棲みたいなモンっすもん。誰だって敵う訳ないっすわ。──…離してやらないじゃなくて、やれねぇなんですね。…心臓がきゅんてしました。マジで俺の欲しい言葉をくれるんですから。…はっ……ぅ…、…コウくん、愛してますよ。…ずっと俺だけを見ていてください。(相手の笑いに釣られて己も小さく吹き出しては、幾度となく見ても目を奪われる恋人の肉体を恍惚と眺めて生唾を飲み。首筋へと口唇を寄せられれば喉元を逸らし、吸い上げられる度に切ない声を溢し相手を欲しがる様な眼差しを注ぎ。ボトムへと手を掛けられれば自ら腰を浮かせ相手の背中に両腕を回し、耳元で甘く囁いた後に双眸を伏せ/暗転)
──あっつ…。(湿度のせいとも先程までの行為のせいとも検討の付かない蒸し暑さに吐き捨てるも恋人へと回した片腕を解く事はせず空いた手でクーラーのリモコンを手繰り寄せ、設定温度を下げてから満足した様に手放し。何とは無しに明るい色の髪を指に絡ませていれば行為中絶え間無く口にした胸焼けを催す様な甘ったるい愛の句を想起しながら1人小さく肩を揺らし)…ふ、やーべぇなぁ。正にバカップルじゃねぇの。
──…ね、すげー暑いっす。俺がずっと引っ付いてたせいっすかね。…ほーんと、笑っちゃうくらい馬鹿ップルっすよ。でもすげー幸せ。ありがとうございます。(行為で感情が高まり声を控える余裕がなかった故に声は些か枯れ、幾度か果てた事もあり気怠い目で恋人へと身体を寄せていれば、双眸を伏せ告げられた言葉を回想し微かに表情を緩ませ。徐に上体を浮かせると口付けを贈った後に頬擦りをし)──…んー…好き。明日も仕事ですか?どうしよう、離れたくない。俺も連れてってください。
雄太体温高いもんなぁ。この時期クーラーガンガンにしとかねぇとだわ。…まぁ、汗だくでヤんのもそれはそれで悪かねぇけど。(流れてくるひやりとした空気に表情を緩ませつつ恋人の身体が冷える事を懸念しては直に当たらない様にと薄手のタオルケットを掛け、労わる様に腰元を摩るも不意の口付けに破顔しては擦り寄ってくる横顔に唇を寄せて戯れの様に音を立てて。唐突に眠気に襲われれば相手を再び抱き寄せ目を瞑り)──ん、俺も好き。雄太と一緒に居られて幸せだわ。…ふ、明日は店舗に抜き打ちで検温チェックしに行くからワンチャンマジで一緒に来る?…ま、来たかったら明日決めりゃ良いよ、多分昼間でも反応出来るし。今日は悪ぃ、気付いたらうとうとしてたしすーげぇ眠い。お前も頼むから蹴って寝てくれな。…おやすみ、雄太。愛してるよ、半年もずっと離れず傍に居てくれてあんがと。これからも俺の隣に居てくれな。
(目覚めると昨夜恋人が掛けてくれたタオルケットを纏っており、夢ではない事を自覚し悶えて。スマホを手に取り恋人へと『おはようございます。今起きました。…昨日はお休みなさい言わないで寝ちゃってすんませんでした。でもってコウくんと一緒にお仕事行きたいでーす。えへ、邪魔にならなそうだったら呼んでくださいねん。』と送り。次いで寝具を抜け出すと、花束を手に取り茎の先端を切り花瓶に挿して玄関に飾った後にバスルームへと向かい)
──あー。スンマセン、追加しても良いっすか?どうしようかな…んじゃ、これも一緒に。(昼前に家を出て店舗への差し入れを購入している最中、恋人からの連絡に気付き店員へと声を掛けてマドレーヌの詰め合わせを手渡し『おはよ。ちゃんと寝れた?もうちょいしたら前に雄太が来た店に顔出すから入り口で待ち合わせよっか。』と恋人へと送り、念の為店舗の地図を添え。会計を済ませると目的地へと足を向け)
…ウケる、俺もやればできんじゃん。(シャワーを浴び終えるとベースを整える程度の化粧を施し、ナチャラルなダークブラウンのカラコンを入れるとヘアアイロンでパーマ風にセットし、スプレーで黒髪にして。入学式に袖を通して以来着ていなかったチェック柄のスリムスーツを纏い恋人のネクタイを拝借し鏡の前に立つと、ややスーツに着慣れていない新社会人の様な仕上がりに満足げに笑んで恋人の連絡を確認し。『お陰様で爆睡でしたわ。じゃあ、今から出発します。しっかり見つけてくださいねん。』と送ると、傘を持ちタクシーを呼び指定の場所へと急いで向かい。目的地に到着すれば、壁に凭れつつスマホを操作して恋人の到着を待ち)
(安定しない空模様に辟易しながら目当ての商業施設に到着し、周囲を軽く見渡してはスマホへと視線を落とそうとした所で妙な違和感と共に再び視線を上げ。漸く壁際の恋人の姿を視認するも様変わりしたその見た目に片眉を上げつつ、思考が追いつかない儘声を掛ければ少ない言葉の中にも戸惑いは顕著に現れ、己好みの髪色に視線を揺らしながら戸惑いがちに後頭部を掻いて)──……どーしたの、その髪。や…可愛いけど…染めちまったの?
(スマホを眺めるも時折視線を上げつつ恋人を待っていれば、一際整ったスタイルと男性な顔立ちの恋人は見つける事は容易く嬉々と表情を綻ばせ、スマホをポケットへと仕舞い。次ぐ相手の表情に愉快げに笑いを溢しては、普段バイト先の上長にしている新人らしい明るく謙虚な口調で)あははっ、染めてないですよ。スプレーなんで洗ったら直ぐに落ちます。…万が一、一緒に歩いてるとこを会社の人とかデベロッパーさんに見られたら困ると思ったんで、インターンのガキなり取引先なり誤魔化せる様にしてきましたよ。…似合ってます?
──あーね。正直、めちゃくちゃ似合ってる。すっげぇ可愛い。けど…別にんな気ぃ遣わなくても良いのに。今日はマジでプライベート扱いみてぇなモンだし。ま、誤魔化すんなら精々OB訪問のガキンチョって所かしら。(腑に落ちたといった面様で頭を掻く手を下ろしてはどこか余所余所しさの垣間見える恋人の口調に初々しさを、好みの見た目には愛おしさを感じ、揺さぶられる感情に照れ臭そうに笑みを溢し。つい相手へと伸ばしたくなる手を紙袋を握る事で抑えては気持ちを切り替える為に肺の中の空気を入れ替え、顎で入り口を示し言外に中に入る旨を伝えてから大股で自社ブランドのブースへと進み)
…ふっ、結構気楽な出勤だったんですね。でも今日はコウくんの部下気分で歩くって言う裏目標もあるんで、こうしたかったんです。…OB訪問かー…じゃあ、臣永せーんぱいって呼ばなきゃ。(相手の笑みにつられて穏やかに目を細めては、歩み出すとつい癖で伸ばし掛けた手にはっとして己の手を制し歩調を合わせ些か早足で館内を進み。恋人のブランドのブースが近くなれば足を止め、邪魔にならない位置で待機すべくにっこりと笑みを浮かべて手を振り)
そ、店舗冷やかして適当に菓子押し付けて頑張れよーって無責任に言うだけの仕事。じゃなけりゃ仕事に集中出来なくなるからお前連れて来たりしねぇよ。…うーわ、似合わねぇなぁ。こそばゆいわ。(視界の端から相手が消えると自ずと足を止め振り返り、手を振る姿に間近まで来る気はない事を理解すれば軽く手を振り返して再び歩き始め。こちらに気が付き僅か緊張の張る表情を見せる販売員らとは対称的に軽薄そうなと笑みを浮かべブースへと辿り着くと最初に目が合った女性スタッフに声を掛け、客の邪魔にならない様に売り場の端で話し始め)篠原さーん、お疲れ様。…や、悪ぃな急に来て。抜き打ちで毎日検温してるかチェックシート確認しなきゃなんなくてさぁ…って事で、見せて。
良いなぁ、こんな男前がお菓子持って来てくれるなんてクリスマスみたいなもんじゃないっすか。…じゃあお仕事の邪魔にならない様に、ちゃーんと良い子で待ってますね。でも本心はコウくんと片時も離れたくないんで、早く来てくださいね。(手を振り返して貰えば胸が僅かに高鳴るのを感じつつ見送り、遠巻きから恋人が仕事をする様子を眺め。いかにも遣り手と言った風貌の相手に誇らしさを覚え見惚れているも、会話の内容が聞こえないが故に見慣れた笑みも女性と楽しそうに話しているものと受け取っては僅かに嫉妬した様に眉を下げ、頬を膨らませて)
──お、偉い。ちゃあんとみんな付けてんじゃん、流石。これご褒美なぁ、みんなで仲良く分けて。(手渡されたチェックシートに視線を落としつつ、各々の出勤毎に沿って埋められた表に満足気に笑みを深めては傍らのスタッフの緊張が解れるのを肌で感じ、菓子の入った大きめの紙袋を手渡して。ついでに今日の売上を確認しようと顔を上げるも自然と恋人へと目が向き、その表情に吹き出してしまえば恋人へ見せまいと顔を逸らして肩を揺らし。視線の先を追うスタッフを適当に誤魔化しながら呼吸を整え手短に業務連絡を済ませ)フハッ──ちとツレが…や、なんでもない。大丈夫。…今日の売上は、まぁいいや。月曜日の内に4日間の纏めてくれりゃあ問題ねぇから。
──…やっべ、見付かる。(恋人が微かに肩を揺らし笑えば嫉妬の熱は更に増し唇を突き立てるも、女性スタッフと目が合いそうになれば慌てて近くの店の商品に触れて誤魔化し。己の存在がバレていないと判断しては安堵し胸を撫で下ろし、物陰から恋人へとウィンクをしながら指ハートを送り戯れて)
んじゃお疲れ。こんな状況だしあんま無理せずになぁ。…ハハ、どーもぉ。(話を切り上げ立ち去ろうとした折に『仕事忘れて楽しんで下さいね』という言葉と共に投げ掛けられたハッタリの様な笑みに曖昧な返事だけを残し、恋人の元へと戻り。緩く振り返れば先程まで話していたスタッフ以外にも何人かの視線に軽く手を振って、恋人へと向き直れば白々しく真面目な表情で)…どうよ、社会科見学。
お疲れ様でした。そうですね…兎に角臣永さんが格好良くて見惚れてました。気になる点があったとしたら綺麗なお姉さんと楽しそうに話していた事くらいで…そうだ、おやつ食べたいです。噂のフラペチーノなんていかがでしょうか。お荷物は俺が持ちますね。(恋人の業務が終わったと見受ければ指で象ったハートを崩し、スタッフ達の視線がこちらに向いている事を察して好印象な笑みを浮かべ、頭を下げて相手を迎えて。真面目な表情で感想を告げる仕草を見せるもその内容は至ってプライベートなもので、鞄持ちの様に相手の荷物を預かると店内から視線を向ける人物達に会釈をし、ブースから離れるべく足を進め)
ふ、話してたのなんか業務連絡だけだってのにどっかの誰かさんが可愛い顔してたから楽しくなっちゃった。…お、良いじゃん。暑いし冷たいモン飲みたい。…多分近くスタバあった気がする、荷物持ちのお礼に奢ってやんよ。(恭しく迎え入れられれば居心地の悪さに苦笑するもその言葉の内容の擽ったさに表情も徐々に軟化し。大人しく鞄を預けてはスタッフらに柔な表情を向ける恋人の姿に目を細めてから緩慢に歩き出し商業施設を抜け駅前のコーヒーショップに向かい)
…あー、さては意地悪しましたね?笑ってたから何楽しい話してるのかなーって思いましたよ。──…やった、奢りだ奢り。じゃあちょっとだけ休憩しましょ。因みに今日は他にも業務あるんですか?(興味津々と施設を見渡しつつ足を進めては、野外へと出るなり手を繋いでも良いかを尋ねるべく控え目に手を掠めさせて視線を送り。互いがスーツ姿で出歩くと言う珍しいシチュエーションに気分を弾ませながら目的地へと足を進めては、到着するなりメニューへと視線を滑らせ)んー…じゃあ俺はピーチフラペチーノにします。美味そう。コウくんは何にします?
ハハ、その分早めに切り上げて来たじゃん。かわい子チャンが拗ねちまうと困るなってさぁ。だから大目に見て。──あー、今日は…まぁ仕事忘れろって言われたからおしまい。(一瞬言い淀むも急ぎの仕事は無いと判断しては言葉と共に相手の手を取りこれ見よがしに肩の高さまで上げると漸く恋人へと触れられる事に嬉々として笑みを湛え。カウンターのメニューを眺めつつ以前同僚から教えてもらったカスタマイズを記憶から呼び起こす様に暫し唸り)出た、新しいモン好き。俺は…なんだっけ。コーヒーフラペチーノにエスプレッソショット追加…だっけかな。
やだ、もう拗ねちゃいました。…でもデートしてくれるなら許します。そうだ、アロハシャツ欲しいっすわ。──…つか仕事忘れてって、優しいっすね。嫉妬しちゃったのが申し訳ないっすわ。(相手の口調からやる事はまだある事を察して口を開き掛けるも、楽しげに手を握られれば断る事は出来る筈もなく釣られて破顔し。相手のオーダーを記憶すると店員に告げ、これからの出費も考慮し小さなカードを差し出し会計を済ませ)やっぱ季節物は飲んでおかなきゃ。…お、カスタマイズカッケー。じゃあやっぱり俺の奢りで。貰ったギフトカードあるの忘れてましたわ。
今日も遅くまですんません。眠気がきたんで、置きにして貰えると嬉しいっす。コウくんも休んでくださいね。おやすみなさい、愛してますよ。
そんな可愛いデートのお誘い断れる訳ねんだよなぁ。アロハもなんだかんだ買えて無かったし、クローゼット大分空いたし喜んで。──アレは多分鎌掛けられたんだと思うけど…でも店舗の子らはやっぱ、俺がよく顔出すの知ってるから気ぃ遣ってくれんだよ。申し訳ねぇ反面有り難いわ。(手の感触を確かめる様に幾度か柔く握り、出会った頃の様を彷彿とさせる恋人の風貌に懐かしさを感じながら満足気に目を細め。手際良く相手に注文から会計まで済まされてしまえば不満気に眉根を寄せるも束の間、恋人なりの気遣いと捉えては普段と色の異なる髪にさり気なく唇を寄せ)ついこの間までイチゴじゃなかった?雄太好きそうだからその間にって思ってたけど…変わるの早ぇんだよな、全然覚えてらんねぇ。あー…んじゃ、あんがと。折角だから甘えるわ。
毎度毎度夜遅くまで付き合わせてんのは俺なんだよなぁ。いっつも眠気ギリギリまで夜更かしさせてごめんな。んで、明日は休みだし置きも大歓迎。でも…願わくば、俺は可愛い恋人の「スンマセン」より「ありがとう」を毎晩聞きてぇかなって我儘だけ言っとくわ。おやすみ、雄太。愛してるよ。
クローゼットが空いたって、もしかしてナンパの時に使った服を整理してくれたんですか?──…鎌かけられたかー…もしかして俺の存在バレちゃいましたかね。それにしても気が利く方々なんですね。まあそれだけコウくんが頑張ってるって事ですわな。良き事っすわ。──…ねー、苺もありましたな。あれ意外と酸味が強いんでコウくんも飲めるかもっすわ。まあ甘党にとっての甘さ控え目なんでイマイチ参考にならないんすけどね。俺も今年は飲めなかったんで、来年一緒に飲みましょ。…あははっ、これマジで貰い物のカードなんで礼に及ばないっすわ。それに後でアロハ買って貰うんで、ネ。──…あっつい。急に暑くなって来たなー…どうしたんだろ。(横目で恋人の表情を窺えば、予想通りの不服げな表情をしており小さく吹き出し。髪へと口付けを贈られれば驚いて見開きつつ耳を朱に染め、慌てて顔の熱を冷ますべく手で顔を扇いだ後に出来上がったドリンク2つを手に取り対面で座る2人掛けのテーブルへと移動し。ストローを挿してから相手の分を差し出しては)はい、これがコウくんの。
ご名答。…まぁ、俺の記憶にある限りって感じだけどな。弟が喜んでたし丁度良かったわ。──バレたって困るモンじゃねぇから良いんだけどさ。ん、俺持ちの店舗の子らはみぃんな良い子よ。仕事も出来るしめちゃくちゃ助けられてる。──あ、マジ?ガチのフルーツっぽい奴なら結構平気だと思うし来年チャレンジしてみるか。…いやぁ、だってそれ渡した人は雄太にってプレゼントしてくれたんだろ。それに肖るんならやっぱ感謝しとかねぇと。でもってアロハは俺が着せたいんだから全然良いのよ。…ふ、もう蝉が鳴き始める季節だしなぁ。夏だから暑いのはしゃーないんじゃないっすかねぇ。(照れ隠しの所作に素知らぬ顔を決め込んでは相手の後へと続き、テーブルへと腰を落ち着かせ。恋人の手慣れたエスコートにくつくつ笑いを溢しながら差し出されたドリンクに口を付け、口の中に広がる苦味と身体の内側から冷えていく感覚に頬を緩め)あんがと。…ん、美味い。やっぱこれなら飲めるわ。
えー、コウくんも洋服好きなのにすんません。…とか言っておきながら、すげー嬉しいんすけど。やべー、尚更コウくんを大事にしなきゃ。──皆の憧れの臣永さんさんが男と付き合ってるってバレたらスタッフさん達が拗ねちゃうかもしれないんで、出来る限り隠しておきましょ。それこそコウくんのために一生懸命仕事してくれてるかもしれないですし。…んー、まあ見た目よりかは甘くねーってだけなんすけど、来年はもっともっと甘い物が食える様になってるかもしれないって期待して予約しておきます。…まあ貰い物だからこそ、デートに使った方が送り主も本望ですわな。次会ったら自慢しておきます。でもってこれからアロハを着る俺は、黒髪の方が似合うと思います?(恋人がフラペーノを飲む珍しい姿を嬉しそうに眺めるも、思い掛けない洋服の整理の件には口元を手で覆い隠し頬を赤らめ照れた様に視線を外し。再び手で顔を煽ぐとジャケットを脱ぎシャツの袖を捲り涼んだ格好で己の分のフラペチーノを吸い、口内に広がるさっぱとした甘さに表情を綻ばせ、調子を取り戻した様に己の髪色を指差しつつ悪戯な口調で問い掛け)
雄太が喜んでくれんならそれだけで釣りが出るわなぁ。服が好きつっても別にお前にだけ良く見えてりゃ今は充分な訳だし。…まぁでも折角だから一緒に服買いに行きまくってお前の好みもっと教えてデレデレしてて。──…あら、ちょい談笑してただけで拗ねてたお口がよく言うわ。実際俺が色恋営業なんかしたら嫌なクセに…恥ずかしいだけなんだろ?ん?素直に言ってみ。…ふ、確かに大分慣らされてはいるしな。でも今まで食ってこなかった分甘いモン食えるようになったら一気に太りそうで怖ぇ。…ん、俺の分もお礼言っといて。アロハは…そうだなぁ、悩ましい所だわ。黒髪マジで可愛いし…付き合う前の悠チャンとデートしてるみてぇで、すーぐ手ぇ出したくなるけど…。でもアロハ着てんなら髪は明るめでチャラそうな見た目のが好きかも。(半年前より心情を素直に表に出し、目まぐるしく表情を変える様子が何とも可愛らしくも、髪色が暗いせいか最初からそうだったかの様な錯覚すら感じ。含み笑いの伴った問い掛けに真剣に思案する間、口元のストローに軽く歯を立てながら、唸りと共に口から出た言葉を裏付けるかの如く手慰みとばかりに相手の掌を指の腹で撫でて)
嬉しい言葉っすわ。まあ俺の彼氏は何着てもサマになっちゃうんで、俺以外の誰が見ても目を奪われちゃうんですけどね。因みに俺の好みはコウくんの全部なんで、何着ててもデレッデレですよ。──…ふっ、確かに。仮にコウくんがスタッフさんから告られたなんて事が起きたら拗ねて激痩せしそうっすわ。俺だけが特別扱いじゃなきゃ嫌なの。…じゃあコウくんが太りそうになったら一緒にジム行きましょ。俺運動好きじゃねーけど、彼氏が味覚合わせて肥えてくれるなら喜んでお付き合いしますよ。──…あっは、意外な答えでしたわ。コウくんがいつも以上に見てくれるから思い切って黒にしちゃおうっかなーとも思ったんすけど、チャラい方がお兄さんの好みってならこの儘でいますわ。でも手は出して欲しいんで、沢山誘惑するからお願いしますね。(己の投げ掛けた問いに対する答えは意外なもので見開くも、真剣に思案する様子に表情を緩めては相手の手を取り己の口元へと運び甲に口付けを。軟派にウィンクをしては直ぐに解放し、再びドリンクを吸い上げ)
別に普通だって、寧ろ身持ち堅くしてからモテ無くなってんだから。その分目の前の子が愛情腹一杯くれるから良いんですけど。──ヤダ…いや、痩せてても可愛いんだけどさぁ。折角俺の為に肉付けてんだし、万が一んな事あっても墓場まで持ってくわ。つっても特別扱いは割とずっと前から雄太だけじゃね?俺恋人っての抜きにしてもかなり依怙贔屓してる自覚あるけど。…んー、まぁもうちょい筋肉付けんならどーせウェイト増やさなきゃだしな。でも俺、雄太が一緒ならめちゃくちゃお前の事追い込みそう…息上がってしんどそうにしてんのとかぜってぇエロいもん。──多分、片想いしてた時期を思い出すんだよな…お前の気ぃ惹きたくてしゃーなくなる。(図星を指されバツの悪さから重心を後ろへと移動させて視線を逸らしながらドリンクを飲むも、横目で手の甲への口付けを見ては小さく鼻で笑い。冷えた舌先を唇の隙間から覗かせてはニヤニヤと口角を歪めて再び視線を外し)…あー、でもそうだ。雄太は兎も角、悠チャンはこーゆーチャラい奴だった。前言撤回、気ぃ惹きたくなるってか遇らいたくなる。
モテないんじゃなくて、コウくんが一方的に相手にしなくなったんじゃないですか?でも良いんすわ、その分俺が誰よりも良い男になって、100人束になっても敵わねーくらい愛すんで。──隠し事されたらされたで気になる、ぴえん。…あっは、確かにコウくんは随分と付き合う前から甘くしてくれましたよね。初めて貰ったジッポだって、過去に何人に強請られたか解んないんじゃないっすか?…ふっ、ウケる。俺のエロいとこなんてイメージ映像じゃなくても沢山見てる筈なのに。それでも見たいってなら、一緒にジム行きましょ。──…可愛いなぁもう、俺の心は全部コウくんのものだって言うのに。…あーうん、売れっ子バーテンダーの悠くんはチャラいフリしてガッチリ稼ぐ子ですから。…そう言えばコウくんにも俺の事を好きになって貰うための口説き文句言ったなー…まあ失敗に終わったんですけどね。(悪戯に笑む恋人の顔を見れば胸が擽られる感覚を覚え、周囲を見渡し此方へ視線がない事を確認した後に相手のバッグを拝借し目隠し代わりに翳しては、片目を閉じつつ己の唇を指先で叩いて示し口付けを求めては双眸を伏せ)
ハハ、最高。こんな良い男が俺の為に益々磨き掛けてくのを特等席で見られてるとか…いーねぇ、彼氏冥利に尽きるじゃねぇの。──…まぁ確かにそうか。隠すなんて後ろめたいって言ってる様なモンだしなぁ。…ま、でも俺がベタ惚れなんだし問題なくね?…ふ、流石にあそこまで露骨にジッポ強請られた事は無かったわ。そもそも簡単に渡す様なタイプじゃねぇしな。まぁでも…今思えば交換になったのはちと意外だったわ、結果的に棚ぼただけど。…恋人のセクシーな所なんか幾らでも見てぇじゃん。しゃーないのよ、頭ん中大抵スケベな事考えてんだから。──ハッ、口説き文句より手ぇ出されまくった記憶のが残ってるんですけどぉ?因みにどれの事言ってんのよ、俺が寝惚けながら聞いてたやつ?──…なぁに?こっち飲みてぇの?しゃーないなぁ。(鞄に隠れる様に双眸を伏せる姿に頬を緩めるも一度顔を出した底意地の悪さは簡単には消えず、態とらしい口調で周囲の目を集める様に声を大にしては目の前の恋人しか眼中にないとでも言いたげな柔らかい微笑みを浮かべながら手元のフラペチーノのストローを相手の唇に触れさせて)
しかもたった1人の為に努力するってんですから、沢山愛して貰わなきゃ困りますよ。──…まあ、墓に持ってくくらい俺に痩せねーで欲しいって事ですよね。なら俺がぽっちゃりしてる内は問題ないか。じゃあ俺も同じ墓に入った時に色々な暴露話教えてくださいね。…だって初任給で買ったジッポですもんね。それだけのモンをくれたのに俺に興味なかったってのが信じられませんわ。俺のジッポを渡したのは、そりゃまあ俺の事少しでも思い出して欲しいなーって言う邪な気持ちはありましたよ。──…ふっ、俺もあそこでしたキスは一生忘れらんねーかな。…そ。すげースペック高い奴紹介するって言って、オチは俺でしたーって奴。100%何だお前かよって突っ込まれるんすけど、忘れた頃にまた同じネタを繰り返して言うんすよ。最初は完全に冗談だって思ってた奴も、段々あれ、本気?ってなってきて、勝手に俺の事意識してくれる様になんの。最終的に落ちなかったとしてもぜーんぶ冗句で済む狡い技っすわ。(想定外に大きな声を出されれば肩を揺らし目を開け、周囲の視線に耳を朱にしつつおずおずと鞄を下げて差し出されたストローを咥えて吸い上げ。甘いドリンクを飲んだ後では一層ほろ苦く感じ、虚しげに肩を落としすんと鼻を啜ってはぽつりと悲しげな声で)…にがい。
勿論、言われずともそのつもりよ。俺全方位に愛情振り撒ける様な器用な人間じゃねぇしな、雄太に全振りしてんのよ。俺がやれるモンはぜぇんぶお前にあげる。──うっわ、同じ墓に入った時ってのは…ちと狡くね?……結構、グッときた。まぁでも…そんなら墓に入った後も退屈させねぇ様に話のネタはある程度残しておかなきゃ。…そりゃ他のモンよりは思い入れはあったけど、別に良いかなって思ったんだよなぁ。恋愛感情は無かったけど、お前とは仲良くやれそうな気はしてたからそこじゃねぇかな。ハハ、下心ねぇ貰いモンは大事にするタイプだったから使ってたけど、下心アリアリだったなんてなぁ。ま、今となっちゃどちらにせよ変わんねぇけど。──…あれなぁ、懐かしいわ。冗談にしろ本気で口説いてんにしろ、触らぬ神に祟りなしってんでスルー決め込もうと思ったから次会った時覚えてねぇフリしたんだよなぁ。ふ、そうじゃなきゃ今頃金蔓にされてたかも。(含み笑いをしつつテーブルへと頬杖を突き、失敗した策に項垂れる相手を見ては尚も愉快気に肩を揺らし。視線を下ろし相手の飲んだドリンクを己の元へと戻して酷く緩慢に、見せつける様にストローに舌先を宛てがい咥えて中身を飲むと厭らしい笑みと共に視線を戻し)ま、そりゃそーだ。…して欲しい事があんならちゃあんと口に出して言わなきゃなぁ?俺可愛く強請ってくる子にはベタ甘よ。
お陰様で毎日ときめきっぱなしですよ。きっと俺程彼氏にベタ惚れな奴、この世に存在しないですもん。──…やった、コウくんのハートを擽れた。でも態々話のネタを用意して貰う必要はないっすわ。その分愛でも伝えて貰った方が安らかに眠れそうなんで。…もう、ジッポ貰って舞い上がってた俺がアホみたいっすわぁ。他の誰にも酒以外の物をあげてた感じなかったですし、コウくんに好きになって貰えるとは思わねーにしろすげー喜んでたんですから。──…触らぬ神ってウケる。まああの日の段階じゃ流石に冗談の割合が大分強かったっすわ。どんな反応されても嘘だよって言ってましたし。…やっぱり今思うと悠くんはロクでもねーっすわ。俺の黒歴史。──…もう、意地悪。…でも我慢出来ないからまんまと乗っちゃいます。…コウくん好き。キスしてください。(己を揶揄う様な所作で再びドリンクを飲む相手に切なげな視線を注ぐも、次ぐ言葉に顔の火照りが覚め切らぬ儘僅かに口唇を立てると再び相手の鞄で仕切りを作り、周囲を気にした些か恥じらいげな口調ながらも甘い声で強請り、双眸を伏せ)
今日も遅くまでありがとうございます。恒例の眠気が来たんで、コウくんも一緒に寝ましょ。おやすみなさいするんで、蹴ってくださいね。──おやすみなさい。愛してますよ。
ふ、分かんないじゃん。目の前に大穴が居るかも知れねぇだろ?本当、俺に惚気させたら止まんねぇのよ。だから実際の所俺のが彼氏にはベタ惚れだと思うわぁ。──ハハ、悪ぃな墓の下でも安らかに寝かせる気なんかねんだわ。いつだって雄太とピーチクパーチク駄弁っててぇの、時間なんか幾らあっても足りない位。…だぁってそんな素振りちっとも見せなかったじゃん。精々高いジッポに浮かれてインスタで自慢してたイメージしかねぇわ、俺。だからお前が大事にしてくれてたのが意外だったレベルだし。──翻弄すんのは好きだけど、翻弄されんのは嫌いっつー傍若無人っぷりなのよ、俺。だから、多分碌でも無さ悠チャンより俺のが勝ってたと思うわ。俺の方が多分…全然狡い手使うし。人の優しさに漬け込むのとか大得意だったからさぁ。──…かーわいいなぁ。ちゃんと出来んじゃん。(意地の悪い言葉すら拒まれず、密やかに強請られればその従順さに満足気に笑みを深め。頬杖を解き軽く身を乗り出すと周囲に聞こえない程度の音を立てて相手の唇を啄んでからおまけに唇をひと舐めして再び上腿を元の位置へと。軽くなったカップを持ち上げストローを咥えつつ悪戯に問うは)…満足した?アロハ買いに行くんだろ、これ以上はもうちょい待てだな。
やーべぇ、最高に可愛い。その言葉ひとつでめちゃくちゃ良い夢見れそうだし、明日も余裕で頑張れる位好きな言い方だわ。こっちこそ遅くまであんがと。少しでもゆっくり寝て、明日も元気でいてな。おやすみ、愛してるよ。
あら、俺も惚気なら自負してるんすけど。ときめかされてる回数が多いだけに、絶対に俺の勝ち。…なーんて、すげー馬鹿ップルの会話じゃないっすか。──…ふっ、あと60年くらいは生きるはずなのに死んだ後の話してウケる。でも時間が足りねーのは同意。俺のピーチクパーチク滑る口を嫌がらないでいてくれるのはコウくんだけっすわ。…つか普通貰い物を一々インスタに上げませんって。それきっかけに連絡先交換してぇとか、アップするくらい嬉しいですよってアピールに決まってるじゃないですか。もっとどストレートにいくべきだったかしら。──…あーうん、下衆さは完全に彰さんの方が格上でしょうな。商売抜きの遊びの時でも敵わねぇ。俺は寧ろ軟派な身形してる分まともに見られようとして人一倍真っ直ぐ過ごしてきたつもりなんで、真逆っすわ。だからこそバーテン時代は黒歴史。──ん…、…欲しい物の前ではお利口になれるんすよ。アロハも欲しいけどコウくんも欲しい…欲しい物だらけでやんなっちゃいますわぁ。(密やかに交わす口付けは背徳的で高揚が走り。微かに背を震わせ口付けを享受しては、鞄を元の位置へと戻し熱を帯びかけた体を冷ますべくフラペチーノを強く吸い上げ中身を空にし。再びジャケットを纏うと相手に手を差し出し、柔に目を細めつつ立ち上がり)さて、行きますか。デートはまだ始まったばっかりですから。
ハハ、他所様のカップル見てラブラブって茶化してた俺らが今じゃこんなんよ。笑っちまうよなぁ。──口が止まんねぇ位話したい事とか俺の反応を見たい話があるって事っしょ。いじらしいじゃん、嫌がる理由なんか1個もねぇわ。…ハッそりゃ気付かなかったわぁ、生憎回りくどいのは不得手なモンでなぁ。──まぁ彰クンは…マジで1番スレてた時だから若気の至りなんか数え切れねぇし、クズ過ぎてネタにすらなんねぇわ。でも目の前に雄太よりもっと恥の多い生涯送ってきた奴が居るって考えたらまだマシに思えねぇ?──…ハハ、欲張りだなぁ。(公共の場で黒髪の相手との口付けに自ずと喫煙所での戯れを彷彿とさせながらも当時とは決定的に違う関係性にほくそ笑む口角を誤魔化す様に残りのフラペチーノを飲み切っては鞄を手に立ち上がり、ゴミを捨ててから恋人と手を繋ぎつつ店の外へと出て)なぁんか目当ての店ある?俺アロハはデザインさえ良けりゃ拘りねぇけど。
今なら馬鹿ップル勝負はお任せくださいって感じっすよ。勝ち負け決めるモンじゃないにしろ、誰にも負けません。──いじらしいっつーか、コウくんが聞き上手だから何でもベラベラ話しちゃうんすもん。好きだから聞いて聞いてーってなるのもありますけど。…まあホストなんてやってりゃ擦れますわなぁ。俺が彰さんと会ってたら今と同じ愛でよしよししたのに。でもって恥だなんて嘘でも思わないですよ。全部今のコウくんを作ってくれたもんなんで。──店ならバッチリ。やっぱりコウくんなら本格的な店の方が良いと思って調べておきました。(恋人に続きゴミ箱へと器を捨てると店の外へと出て。次ぐ問いに細く笑んで見せると、スマホで地図アプリを表示しナビゲーションに従って道を進み。恋人を信頼し切っているが故に進行方向の確認を些か疎かにしつつ道を進んでは、小振りな店構えのハワイアングッズばかりを扱う路面店へと足を踏み入れ。豊富なアロハシャツの品揃えを満足げに眺めてては)じゃーん、現地のものから有名ブランドのものまで揃えてあるらしいんで、選びましょ。
すんません、うっかり暑さに負けて昼寝こいて遅くなっちゃいましたわ。謝りたかっただけなんで、こっちはスルーしてくださいね。
悪ガキが2人で騒いでるみてぇな関係だったのにな。多分様変わりって意味じゃあ俺らが1番だろ、こんな骨抜きにされるなんて当事者ですら想像もしてなかったんだから。──別に聞き上手って訳でもねぇけどなぁ。俺、興味ねぇ話は適当に話合わせつつ聞き流しちまうタイプだし…まぁでも雄太の話は何でも記憶に刻み込みたいから聞いてるだけ。…ふ、彰クンにお前は勿体なさ過ぎるし、そもそもお前に惚れられる要素が1つもねぇわ。今となっちゃ後悔ばっかだから、あの頃に出会ってなくてマジで良かった。──マァジ?もしかしてめちゃくちゃ楽しみにしてた?可愛いなぁ。(スマホに視線を落とす恋人に頬を緩めるも、その儘歩を進める姿を認めるとさり気なく車道側に気を配りつつ隣を歩き。相手の言葉に違わず専門店然とした店に着くと自然と声を弾ませながらハンガーに掛かったアロハシャツの数々を眺め)…お、すっげぇ。スーツ姿の野郎2人っつーのがちと場違いな気ぃするけど。…雄太に着せんなら可愛いヤツが良いなぁ。
悪ぃ、俺も昨日はガッツリ寝てたわ。夜更かしばっかさせてるし疲れ溜まってたんだろ、マジで何度だって言うけど無理しないで眠い時は寝てくれな。俺もそうするから約束。んじゃ、こっちは蹴ってくれなぁ。今日も愛してるよ。
そっすねぇ…正直付き合い始めの頃はこんなに好きだの愛してるだの甘やかして貰えるとは思ってませんでしたわ。ましてやお揃いのものを身に付けたりしてくれるなんて、冷静に考えたら夢の様っすわ。つか話合わせれるなんてモロ聞き上手じゃないっすか。記憶して貰えるかはさて置き、くっちゃべる側としてはありがてーっすよ。…彰さんに惚れる要素?顔と体。──…なーんてのは半分冗談としても、きっといつ会っても俺はコウくんを好きになってましたよ。その自信はあります。で、彰さんは一体どんな悪さをしてたんですか?──ええ、俺ちゃんとコウくんとの約束は全部楽しみにしてますよ。こうなると可愛いどころかウザ可愛いでしょ?(店へと着くなり楽しげに服を見る恋人の姿に嬉しげに目を細めては、隣で己も眺めて。無難なデザインに手を伸ばしそうになるも自らの手で制すれば、自身の視線は恋人へと向け)…ふっ、可愛い奴良いっすね。お揃いで着てたら尚馬鹿ップルらしくなれる。
ハハ、まぁ俺もこんな付き合い方するなんて思ってなかったわ。でも言いたくなっちまうし、雄太が喜んでくれんなら大抵の事はなぁ…流石に揃いのアロハはちと小っ恥ずかしいけど。あー…内容聞いてなくてもバレねぇ程度に真面目に相槌打つのはやっぱ経験上身に付けてはいるけど、ただ相槌打つのと話掘り下げんのは違うじゃん?──…フハ、半分しか冗談じゃねぇのがまた小癪だけど、きっとんな事言ってくれんのは世界中探したって雄太だけだよ。…いやぁ…彰クンはぜってぇお前の事拗ねさせたり不安にさせる様なエピソードしか無ぇよ。今は全くクリーンだって信じてくれんなら話すけど…。──ふ、嫌な気は全くしねぇけど俺の事大好き過ぎて見ててちょい恥ずかしくなるわ。でも俺もそれで絆されちまうんだから同じ穴の狢ってなもんで。(緩い足取りで店内を進みつつ、ネオンカラーのデフォルメされた恐竜のイラストが散りばめられたデザインと複数パターンのハンドサインが描かれたデザイン、リアルテイストのキスマークがプリントされたデザインをそれぞれ手に取っては相手へと見せ)この辺とかキャッチーで良くね?態々揃いで着てたらウケるっしょ。
揃いのアロハはくっそウケますよね。コイツらどっかのリゾートにでも行って頭狂ったんじゃねーのかって感じのハッピー感が好き。…あら、俺はコウくんは随分とリアクション上手の掘り下げ上手と思ってるんですけどねぇ。だからこそ一緒に喫煙所に行って色んな人と喋ってるのを見て見惚れてるのに。──小癪だなんて言って、俺がそのくらいコウくんのルックスに惚れ込んでるのは喜ばしいでしょ?でもってよくご存知じゃないっすか。俺は過去の事でも妬きますよ。とは言えそれが今の事じゃねーくらいはちゃーんと理解できるんで、面倒じゃなけりゃ聞かせてください。──…ん、俺のウッザイウッザイ愛情を受け止め切れるって事は、コウくんも同等に愛してくれてるって事ですもんねー。(恋人の後を追う様にして店内を歩き、時折職業病で服の陳列を直したりしているも、セレクトされた商品に視線を向けては男前な顔立ちの下にある恐竜のイラストに微笑ましい感情が溢れ口元を掌で覆い隠し。キスマークプリントのシャツを受け取ると恋人の体に宛て、満足げに目を細め)──…わ、すっげー可愛い。家の中でコウくんを独占するなら迷わず恐竜ちゃんなんすけど、セクシーなお兄さんに似合うのはこっちかな。
確かに頭ん中お花畑ってな感じの見た目になりそうだわ…ふ、悪かねぇな。喧しい事大好きな俺ららしいっちゃらしい気ぃしてきた。…ま、あそこは話上手い人が多いからなぁ、そりゃこっちとしても興が乗るけど。多分、俺マジで興味ない女とかと話してる時なかなか露骨よ。──まぁな、雄太に惚れられ続ける為にこの顔と身体維持してかなきゃなんねぇなって思うわ。…墓の下で大暴露位のエピソードだってのに。まぁいーや、隠してもしゃーないし。他にも色々下世話なネタはあるけど…ダントツなのはアフターピル常習犯だったり、彼氏抱いたその足でやっば女のが良いっつって遊びに行ったり…とか。1番クズだった時代よ、なんも面白くねぇ話。──うーわ、俺がボカしたのに態とそーゆー言い方する辺り良い性格してるわぁ。…ま、お察しの通りですけどぉ。執着したくねぇって豪語してた奴がこんなんなってんだから。(屈託なく表情を綻ばせる恋人の姿に手応えを感じてはどこか自慢気に口角を上げ、2種類のアロハシャツのカラーバリエーションを確認しつつそれぞれ相手の顔と見比べながら返答を促す様に緩く首を傾げ)──んじゃどっちも買お。服なんか出会った時に買わなきゃ後々後悔すんだから。…因みに雄太が着るんなら恐竜は白、キスマークは黒が俺は見てぇかなぁ。流石にまるっきり一緒ってのはアレだから俺は逆に恐竜黒にしてキスマーク白にしようと思うんだけどどーよ。
海外のゲイとかにいそうっすよね。一周回って洒落てますわ。…ねー、久々に皆さんと話したくなってきたなー。つかウケる、女相手の商売人なのに女の話は聞かないんすね。それこそ相槌打ってりゃぺらぺら話してくれるでしょうに。──もうこれだけ惚れちゃったんだから意識高く過ごさなくたって大丈夫っすよ。俺と居るせいで気が緩んで顔も体型も緩んでくれたならそれはそれで一興だってのに。…あー、不健康な生活してたんすね。そりゃ彰さんに会ったらメッて叱り付けてましたわ。自分の体は大事にしなきゃダーメって。つか彼氏居たんすね。俺抱いた後もやっぱり女が恋しくなります?──やべー名言来た、ウケる。でもコウくんが後悔するかもしれねーくらい気に入ったなら、マストバイっつー事ですな。言わずもがな、カラーも問題無しっす。俺、どんなカラーでもコーデ組める自信あるんで。(真剣な表情でカラバリを選んでくれる恋人を見れば、己がセレクトするよりも信頼が置けるが故に問いには即座に頷き。ウィンクをし冗談めかしつつ自信たっぷりな科白を告げては商品を受け取り、レジへと進んで財布を取り出し)
酒片手にグラサン掛けて洒落たツーショ撮ってインスタとかに載せてそうじゃね?ウケる、やる?…お、そんじゃ今度また一緒に行くか。つっても最近仕事帰りに覗くと大体静かだから皆忙しいのかもだけど。あー、仕事関連はそりゃちゃあんとやるけど、それ以外は別よ。実りのねぇ話聞いてるよかダチと下らねぇ話してた方が楽しいじゃん。──やぁだ、いつだってお前が自慢に思ってくれる俺で居てぇのよ。ときめいてくれてんならそん時の反応を最大限味わわねぇと。…ま、ホストの時点で健康的ではねぇからさぁ。彼氏っつってもまぁ…さっき言った通りだから俺ノンケ寄りだなぁって感じたし、3ヶ月保ったかどーかってレベル。つか、お前抱いた後に女の事なんか微塵も考えねぇわ。そんなんだったらここまで続かねぇし。前にも言ったろ、お前とすんのが1番なの。──ふ、流石。肌白い奴が色の濃いセクシーなデザインの服着てんの好きなんだよなぁ。夏は露出増えるから特に良い。(茶目っ気溢れる返答にくつくつと肩を揺らすも束の間、その足がレジへと向かっている事に気が付けば低い声で制止を掛け。背後から腕を伸ばし相手の手ごと財布を掴んで自分のカードを店員へと手渡すと戯れの範疇としてこれ見よがしに舌を出し)おいコラ。…アロハは俺が買うっつー約束だろ。俺ちゃあんと約束守る賢い子が好きよ。
うわぜってーいる、そう言うカップル。勿論やりますよ。そう言う遊びをする為のお揃いですからねん。…ねー、俺もたまに覗きますけど静かっすよねー。まあそう言う時こそ顔だそうかなーって。コウくんとの思い出の場所だから大事にしたいんすよ。──なぁに言ってるんだか。見た目が変わっても自慢の彼氏っすわ。まあそれを前提としつつの話っすけど、確かに今のコウくんは毎日見ても慣れねーくらいときめきますわ。美人は3日で飽きてもイケメンは一生飽きないんだなぁ。──…ふっ、大多数の男が金払ってでも女と話すっつーのに、マジで体しか興味ねーんだ。ウケる。…そこまでノンケ寄りだったコウくんが今こうして俺を好いてくれてるのは素直に喜ばしいっすよ。ま、女に負ける気なんて微塵も無かったんですけどね。なにせ男の悦いトコは熟知済みですし、そこらの女よりもよっぽどコウくんの為に磨いてるもん。(恋人の過去の話は想定の通り嫉妬心を擽るもので、往生際悪く落ち着いた口調を心掛けているも最終的に堪え切れず子供の様な口調をしては、一方の頬を膨らませ。財布を取られる事は予期して構えているものの手ごと握られれば心臓は高鳴り、己の内心を露知らず悪戯な表情を見せる恋人を愛しげに見ては小さな声で礼を告げ、店員が会計を済ませるのを待ち)──…あっ、……ありがとうございます。…じゃあ、賢くなります。
今日も遅くまでありがとうございます。お疲れでしょうからそろそろ寝ましょうか。勿論一緒に。蹴って貰えりゃコウくんが寝たって安心するだけなんで、遠慮なく休んじゃってくださいね。おやすみなさい、愛してますよ。
よっしゃ、そーゆーインスタならめちゃくちゃ好き。勿論ツーショも撮るけど、なんなら猫用のグラサンも買ってココと3人でも撮ろうぜ。…分かる、俺らが居たら2人でも騒がしくなるしなぁ。やっぱあそこがワイワイしてねぇとちと寂しいんだよな。──ふ、自論だけど美人が3日で飽きるのは粗が出た時に目立つからだと思う訳よ。その点雄太は俺の粗はんかめちゃくちゃ知ってるから飽きねぇで居てくれるんじゃねぇかな。女好きに酒好き、ヤニ中……いや、自分で言って威張る事じゃねぇな、これ。──あらやだ、冷静に分析されるとクズだな。でもまぁ実際、仕事関連とダチ以外の相手ってそーゆー認識で生きてきたわな。…多分俺は雄太が女でも好きになってたよ、性別関係なくお前だから好きなんだわ。昔は自分でも勘違いしてたけど、こうして考えると俺が好きになったのってお前が初めてだし…他のはぜぇんぶ情とか惰性だったんだなって雄太と付き合ってから理解したんだよなぁ。(拗ねた様に膨らまされた頬は暗い髪色のせいか常時より恋人を幼い印象へと変え、堪らず愛しさが込み上げれば機嫌を取る様に丸く主張する頬へと己の頬を摺り寄せながら甘ったるく囁き。次いで掴んだ手を離すと暗証番号を打ち込み、返されたカードを仕舞ってからショッパーを用意する店員を尻目に随分と大人しい相手に片眉を上げつつ笑声混じりに冗談めかしてから品物を受け取り)…なぁに?借りてきた猫みたいだぞ。可愛くってキスしたくなっちゃう。
雄太こそ遅くまであんがとな、お陰で明日も頑張れるわ。でも悪ぃけど寝落ちてる時以外は蹴りたくねぇのよ、定期的に愛を囁いておかねぇと胸焼けしちまう体質なもんで。おやすみ、雄太。愛してるよ。ゆっくり寝てくれな。
あははっ、グラサン掛けてるココちゃんぜってー可愛いっすね。是非ともやりましょ。にゃんこ用のグラサンってペットショップに売ってるかなぁ…通販で買います?──…えー、美人が多少の粗があったら最高じゃないっすか。しかも俺のコウくんはチャラかった事以外は完璧ですし。単に飽きる余地がないくらい顔も性格も体も俺好みって事じゃねーっすかね。──ふっ、多分俺が女だったらそれこそガキンチョ止まりだったんじゃないっすかね。我ながら色んな奴の彼氏やってきて、苦労が多かったからこそ今の俺がある訳なんで、それがなきゃもっと我儘でウザい奴でしたわな。…でも甘い言葉に免じて許しちゃいます。でもって、あわよくば最初よりも最後が欲しいんですけど。(露骨な機嫌取りで頬擦りされれば小さく吹き出し、あっさりと元の表情へと戻し。次いで告げられた冗句に恥じらいげに視線を逸らすも、相手の空の手を握ると店内の人目に付かない位置でこっそりと頬へと口付けを贈り、悪戯に笑んで見せた後に礼の言葉を告げて店の外へと)──…ありがとうございます。また宝物が増えちゃいました。早くアロハ着たいですね。…さて、行きましょうか。
ふ、ココがグラサン掛けてるとマジで海外セレブ感出そうだよなぁ。夏とかはペットショップでもちらほら見るけど通販のが可愛いのある気はする。──あー…程度によるかなぁ。女ばっかの環境で働いてっと顔は良いのに勿体ねぇなって思う事ねぇ?てか…ハハ、いよいよ欲目ヤバくね?散々俺に憎まれ口叩いてたクセに欠点がチャラかった事だけって…もっとあるのよ、俺のダメな所。そのおめめには映らねぇのかしら。──そりゃ苦労してきた分深みは増してるとは思うけど、雄太の本質的な所は多分変わらないっしょ。拗ね易いけど優しいからすーぐ許してくれる所とか、明るくて俺に元気くれる所とか…あとめちゃくちゃ顔が可愛い所とか。やだなぁ、最初も最後もお前のモンって言ってんだけど?俺の初恋で、俺の最後の恋だ。…雄太が好きそうなクッセェ話じゃん。(表情に笑みが戻ったのを認めて目を細めるも口をついて出た想定外に気障ったらしい言葉は些かむず痒く、柄にもない照れ臭さから半笑いの儘視線を逸らし。揶揄の句への意趣返しの様な口付けにまんまと面を喰らえば悪戯が失敗した時に似た心持ちで唇を僅かに尖らせつつも相手に続き店を出て大通りへと向かうと返答を待たずにタクシーを捕まえ)…まぁ、可愛かったからいーや。──…ん、この夏はこれ沢山着ようぜ。残暑だっつーし、丁度良いだろ。ん、帰るか…あっつい中スーツで歩くの怠いからタクシーで。
遅くまで向こう付き合ってくれてあんがとな。程々で切り上げるつもりだったのに雄太が可愛くて可愛くてつい長居しちまったわ。明日からは連休だし、お前の空いてる時間に適当に返してくれりゃあ良いから重ね重ね無理しないでくれよな。おやすみ、雄太。愛してるよ。
(スマホアプリでタクシーを呼び終えると、先刻の恋人の所作や声を回想し悶える様に口許を抑えてはその場に屈み込み。早鐘を打つ心臓に恋人への愛情を改めて自覚しては、頬を擽る夜風に乗せる様に深く息を吐き出した後に立ち上がり、相手が室内から出て来る頃合いを見計らい背後を顧みて)…俺が喫煙所来たいって言った我儘、叶えてくれてありがとうございます。…好き、大好き。愛してます。人前で言えなかった分、どんな言葉でも表せないくらい気持ちが溢れちゃいました。──タクシーは直ぐ来ますよ。コウくんと同じ家に帰れるのが幸せ。
本筋飛ばしてすんません。でも愛を伝えなきゃ寝れなくて。蹴ってくださいね。おやすみなさい、愛してますよ。
うわ、すげー擦れ違って笑っちゃいましたわ。本筋は多分明日になるんで、上のはマジでスルーしてください。それじゃあ今度こそ。愛してますよ。
フハ、雄太の我儘じゃなくて俺が顔出したかったのよ。いっつも迎えに来てくれてあんがと。──…ッ、アハ…急にそんな可愛い事言うの狡ぃわぁ…。俺も好きだよ、大好き。心の底から愛してる。人前であんま触れねぇと反動でめちゃくちゃ触って所構わずキスしたくなるわ。この可愛い子は俺のモンだって世界中に知らしめたくなんの。(喫煙所の扉を開けて外へと出た途端に不意打ちで囁かれた愛の句は構えていない心持ちには些か強烈過ぎる程で、締め付けられる心臓に眉根を寄せた儘照れた様に破顔しては額と頬、鼻先へと順番に口付けを落としてから肩口へと頭を預け背中へと腕を回し。その儘恋人の温もりを堪能しているもタクシーが着けば一緒に乗り込み)…この先ずっと、俺の帰る場所が雄太の帰る場所だよ。安心してゆっくりおやすみ。
やだなぁ、マジでこんな可愛い事されたらスルーなんて無理よ。だって返したくなるし、俺は欲に忠実だから返すに決まってんじゃん。本筋蹴る程恋人が想ってくれてるっつーのに舞い上がらない奴がどこに居んのよ。本当、言葉なんかじゃ1%も伝えきれない位愛してる。
確かに。ココちゃんは只でさえ気品溢れる猫ちゃんなんでパネェっすわ。じゃあ通販で買いましょうか。ついでなんで色々な猫ちゃんグッズも買っちゃおーっと。──まあ性格悪いとかの粗ならウゼーっすね。ウチのバイト先は割と顔面重視なもんで美男美女がゴロゴロ居るんすけど、目が慣れると別に綺麗とか思わねーんで見てくれで期待値上げたりしなくなりましたわ。…そっか、俺がコウくんにときめくのは外見然り、内面にも惚れ込んでるからか。自己完結しましたわ。──お、随分と褒めてくれるんすねぇ。でもって下衆い話聞いた後で初恋なんて言われても認めないっすわぁ…なーんて言おうとしたのに、もう、どうしてそんな可愛い顔をするんですか。…ほーんと、俺を絆すのが上手いんだから。(成人男性の初恋を真に貰えるとは思わないが故に冗談めかした口調で弄ろうとするも、照れた表情を見れば言葉は事実なのかと心は揺らぎ、自ずと緩む表情の儘恋人の髪を一撫でし柔な声色で。道路の脇へと停車したタクシーへと乗り込むと行き先を告げ、車内で再びジャケットを脱ぎ手で顔を煽ぎ)…あっつー…コウくんいっつもこんな格好で歩いてるんすね。タクシーマジで最高。
──あざと過ぎたりすんのもあんま好みじゃねぇんだよなぁ、自然な可愛気がある子がやっぱ1番よ。あら、じゃあいつかは俺の顔の濃さにも慣れちまうのかしらぁ。今のまんま雄太が一々照れたりしてくれんのもめちゃくちゃ可愛いけど、俺がスキンシップ取るのに慣れて当たり前みてぇな顔してんのもそれはそれでオツだわ。…自己完結っつってめちゃくちゃ恥ずかしい事言うのやめろよなぁ。まぁ、お前に惚れられる為だけになけなしの真面目さで取り繕ってるから万々歳なんだけどさぁ。──こんな程度まだ序の口、俺がお前の事褒め出したら止まんねぇのよ。好きな所しか見当たらねぇもん。…いや、流石に自分で言ってて似合わなさにビックリしてんのよ。口が回るのも考えモンだな、無意識に出た言葉ってのが1番照れ臭い。マジでいっその事、笑い飛ばしてくれりゃあさぁ…。(柔な相手の声に自分の情け無い表情を自覚すれば気恥ずかしさは助長され、言い訳がましく言葉を紡ぎつつも熱くなる頬ごと口元を片手で隠しては苦し紛れに眉間にだけ皺を寄せて。冷房の効いた車内に深く息を吐きつつスーツの首元を緩めては隣の恋人を横目で見遣り、体重を預ける様に肩を寄せ)そーよ。お前に洒落たネックレス付けられてる時なんか襟すら緩めらんねぇんだから。…つってもそろそろジャケットは会社に放置しようかなって思うけど。
あー、コウくんはあざとく振り回されんの嫌いそうっすね。俺みたいなドM犬にとっちゃご馳走みたいなモンっすけどねぇ。…んとねー、自問自答したらコウくんがオッサンになる頃には見慣れるらしいっすわ。でもいっそう渋く男前になるでしょうから、結局溺愛には変わりねーですって。──…ふっ、コウくんこそ恋人の欲目が凄いっすわ。適当、ルーズ、気が利かねぇ、忘れっぽい、つまんねー男、…ってのが専らの俺の評判なのに。全部好きなんて言われたの、ガチでマジで初めてっすわ。…つかあれ、マジだったんすか。全く…俺まで恥ずかしくなるじゃないですか。…たまーにコウくんがすげー可愛いくて仕様が無くなるんすよ。チャラい殻被ってても内側は純粋でいんの。…じゃあ初めてを頂いたからには、俺が大事に大事にしますね。(火照った頬と些か饒舌に言葉を並べる様を見れば全ては本心である事は明白で、イメージとは正反対の純情さに愛しさが湧き上がれば抱き締めたい衝動を堪え頬を撫でて。車内で肩へと体を預けられれば日頃の疲れを癒すべく、穏やかに髪を撫で続け)あっは、そうでした。ほら、ネクタイ緩めてんのってセクシーなんで虫除け大成功だ。…ん、会社に置いておけるなら是非ともそうしてください。俺のコウくんが熱中症にでもなったら…えへっ、学校もバイトも休んで看病しまっす。
ま、基本他人のケツ追っ掛けるなんて趣味じゃねぇからなぁ。自分が尻尾振るより他人が尻尾振ってんの見る方がだぁいすきだし、雄太が俺に振り回されてんの見ると可愛くってしゃーねぇもん。…ハハ、そんじゃあ期待に応えられる様なオッサン目指さなきゃなぁ。隣のかわい子チャンに絆されて腑抜けたオッサンになる気しかしねぇんだけど。──ふ、どれ1つとして感じた事ねぇわ。毎回俺のツボ押さえてるし気遣い屋、出会った頃の事すらよく覚えてて、どんだけ一緒に居ても飽きる気しねぇ位楽しいんだよなぁ。全部好きっつーと安っぽくて嫌なんだけどさぁ、でも雄太に欠点が無いのが悪ぃわな。…だぁって、しゃーねぇじゃん。お前と付き合うまでは最初の彼女だけは好きだったと思ってたけど、でもそれすら別に特筆する程の感情は無かったから…俺恋愛得意じゃねんだなぁ、じゃあいっそ恋愛じゃなけりゃ良いかぁ、って思って遊びまくってた訳だし。雄太のせいで俺の今までの恋愛観って完全に逆転したのよ。だから責任取れよな。(明らかな責任転嫁だと頭の中では理解しつつも子供染みた気恥ずかしさは姿を消さず、頬を撫でる感触に抗わない儘口唇を小さく尖らせつつ不遜な物言いをすれば言い知れぬバツの悪さから逃れられる気がして。慈しむ様な手付きで髪を撫でられる心地よさに双眸を伏せつつ冗句の応酬に肩を揺らし)フハ、普通毎日スーツ見てりゃあそんなんに今更色気とか感じねぇだろ。寧ろ…お前のチョーカー然り、隠してる方がずっとエロいわ。…やーべぇ、看病されてぇな。でもざぁんねん、生憎体調悪くても気力で押し通してる間に治ってるっつー体育会系なんだよなぁ。勿体ねぇわぁ。
男らしいなぁ。俺はリードを引かれる儘に、感情の儘に尻尾振って追っかけるのが性に合ってるんで需要と供給がピッタリなんすよ。…まぁた褒めてくれる。じゃあ仕返し。気遣いに関しちゃコウくんの方が上手ですし、記憶力なんて言わずもがな知能高いコウくんの方が上。一緒に居て楽しいどころか幸せだし、ドキドキさせてくれるし、それでいて落ち着くし。結論、コウくんしか勝たん。──ウケる、つか可愛い。たった1回の恋愛で諦める事自体がピュアなんすよ。…責任ねぇ…こう、たまーに俺の男気が復活する瞬間があるんすけど、正に今っすわ。御所望通り責任取って、傷付いて遊んでた過去なんて思い出せねーくらい俺に夢中にさせてみますよ。…俺にこれだけの事言わせたんすから、コウくんも諦めて俺に全部を預けといてください。(愛らしい姿を見せてくれる恋人は己の愛情を深めるばかりで、思わず微笑を溢すと胸元へと顔を招き包み込む様にして抱き締め、暫し経つと解放し触れるだけの口付けを贈り、悪戯にウィンクをして。程なくしてタクシーがマンションへと着けばカードで会計をした後にジャケットとショッパー、相手の鞄を持ってタクシーを降り)…え、コウくんのスーツはエロいっすよ。身体が良いからパネェ。だから俺がネクタイ外し…っと、何でもないっす。さーて、着いた。ココちゃん寂しがってないかしら。
雄太はどっちもイケるんじゃねぇかなぁ、他人手玉に取るのも俺にするみてぇに可愛く尻尾振るのも。だから尚更可愛い訳だし…他にはオラつける奴が俺の前で媚びてんのめちゃくちゃ好きなの知ってるだろ?…ハッ買い被りすぎ、そんな出来た男じゃありませぇん。でもまぁ、悪い気はしねぇわ。お互いベタ惚れだからお互いが1番に見えてしゃーねぇって事で手打ちにしとこ。──ピュアっつーか、しんどい事に労力割くの怠いじゃん。他に楽しい事なんかいくらでもあるし、恋愛嫌いだっただけよ。…まぁお前のそーゆー所も好きだよ。年下の度量のデカさ痛感するっつーのは癪だけど。…フハ、つか今でも充分夢中だってのにこれ以上俺の事骨抜きにしてどーするつもりぃ?でも悪いな、預けるモンなんてねぇの。俺の全部雄太にくれてやるんだから。(釈然としない表情で居たものの、恋人の胸元へと誘われれば次第に絆されるのは必然で、頬を緩め冗談めかした言葉を口にしては解放される頃には軽薄な笑みを取り戻し、柔な口付けにお返しとばかりに鼻先を擦り合わせ。荷物を全て相手が持ち出した事に僅かに居心地の悪そうな表情を見せるも直ぐに思い直しタクシーを降りては先導する様に手を引き自宅へ進み、玄関の扉を開けて)それはさぁアレじゃね、パブロフの犬的な。雄太とイチャつく時って俺仕事終わりでスーツのが多いから、そーゆーイメージ付いてる気ぃするわ。あー、あんがと。んじゃ扉開けるのは俺の役目っつー事で。…ココ起きてるかも微妙な気ぃするわ、連休中に埋め合わせして可愛がってやんねぇと。
まあ恋人以外にはオラつけるんすけど、付き合うと案外そうでもないっすよ。姫様姫様って尽くすんで、完全に嫁の尻に敷かれるタイプっすわ。イマイチ足りてねー部分があるからキレられるし、どうせ何しても許すだろうからってナメられて浮気されるし。…尚、夜の時間はご想像にお任せします。──…まあ恋愛以外に楽しい事が山程あるのは事実っすけど、それで遊びに走るのは随分とマセたガキでしたねぇ。…コウくんに夢中になって貰えるに越した事はねーっすよ。どうするつもりって、一生離さないつもり。──…ふ、そうでした。もう貰ってるんだからどう扱うのも俺の自由っすよねぇ。じゃあ今日は抱かせてください。(然程重量がない荷物を持つ事は容易いものの、相手の気遣いが目に見えて解れば思わず吹き出し、丁重に頭を下げてから扉を潜り。手洗いとうがいを済ませては真っ先に猫の元へと向かい眠っている事を確認し、済まなそうに眉を下げた後にソファーへと。発散し切らぬ恋人への想いを宙へと吐き出しては、駄目元で手招きし)あっは、流石にそこまで犬じゃねーっすよ。純粋にコウくんのスーツ姿が唆るんすよ。条件反射で涎垂らすならそうだなぁ…コウくんに覆い被さられた時かしら。ドアあざっす。ただいまー…あー、ココちゃん寝てますわ。…じゃあ俺らの時間っつー訳っすね。カモン。
今日も遅くまでありがとうございます。睡気が…なんで、置きなりこのまま寝た事で飛ばすなりして貰えりゃ幸いっすわ。明日は割とゆとり出るかもなんで、…って事でおやすみなさい。愛してますよ。
うーわ話聞けば聞くほど良い彼氏じゃねぇの、俺には逆立ちしても出来ねぇ芸当だわ。今までのお前の恋人は勿体ねぇ事してんなぁ…だから俺みてぇのにこんなイイ男掻っ攫われるんだよ。ま、姫様でも無けりゃあ雄太の嫁になってやる気も更々ねぇけど。──元々先輩とかに気に入られるタイプだったし年上が多い環境に居たから、オネーサン達に色々教えて貰った訳よ。羨ましいだろ?…ふ、随分と可愛い企みだ事。んな小細工しなくたって俺が離れねぇんだよなぁ、残念ながらさぁ。──…げ。忘れた頃にそれ言ってくるな、お前。…やぁだよ、俺ネコ役デレデレ出来ねぇもん。それとも俺に睨まれて悪態吐かれながら抱くのがお好きかしらぁ。(相手に続き自宅へと入るとジャケットをハンガーに掛けてから手洗いうがいを終え、先に様子を窺いに行った恋人の言葉を聞いてから眠る愛猫を起こさない様に額へと口付けを贈り。次いで自分を呼ぶ声にその場から視線を向け暫し思案し、鼻から小さく息を漏らして緩慢に歩み寄れば隣へと腰を下ろし背凭れへと身体を預けて)ハハ、俺としちゃあスーツより素っぴんとか気ぃ抜いてる格好の方が唆るから相入れねぇわぁ。…でもってそれは押し倒されたいっつーお強請りかしら。…あー、やっぱり?ごめんなぁ、ただいまココ。……いつもならもうちょい可愛く呼ばせる所だけど。まぁいーや。
雄太こそ遅くまであんがとな。気付いたらおねむタイムとっくに過ぎてたなぁ。もうちょい早く寝かしつけてやってりゃ良かったわ、ごめん。んで、一応置きにしたし、言わずもがな明日も無理せずっつー感じで平気だからな。時間なんかその時合わせられる方が合わせときゃ良いのよ。んじゃおやすみ、雄太。愛してるよ。
よく言いますわぁ。先に家に居る時は飯作ってくれるし、俺が風邪引いたら感染るのも厭わねーで側に居てくれるし、嬉しい時も弱ってる時も欲しい言葉くれるし、何よりすっげー甘やかしてくれるし…素でそう言うのをやってのけるからコウくんには敵わねーっすよ。ははっ、今は俺が嫁。末っ子なんで甘やかされる方が圧倒的に性分に合ってるって自覚してるんで、すっげー心地良いポジションっすわ。──羨ましいどころか恨めしいっすわ。コウくんに手出した奴は皆嫌い。当然じゃないっすか。…だーって俺だって男っすもん。可愛いって感じたら襲いたくなりますわぁ。まあ今やどっちが感じるかって言われたらネコ側なんすけどね。──そりゃ俺にしか見せない気の抜けた格好も、裸姿もぜーんぶ好きですよ。けど脱がせたくなるのはやっぱりスーツが優勝。(己の誘いを拒まない恋人に驚き見開くも、心を見透かす様に眼を覗き込んではふと悪戯な笑みを刻み。相手の膝元に跨り両肩の横に手を突き背凭れに追い込む体勢となれば、低い声を出し相手のネクタイへと手を掛けるも立場逆転される事も見込んで敢えて隙を作り)
素っつーか…俺捻くれ過ぎて逆に素直なのよ。耳障りの良い言葉で誤魔化しちゃあいるけど飯作るのは雄太を肉付き良くしたいからだし、体調悪ぃ時に傍に居んのは俺が離れたくないってだぁけ。俺がやりたくねぇ事は雄太相手だって一切しねぇし。…ま、ここまで甘ったれてくれるとは思って無かったけどな。最初ん頃とかはそれを崩すのもめちゃくちゃ楽しかったわ。──ふ、そんなん言い始めたら俺だって。…雄太に手ぇ出した奴も出された奴もぜぇんぶ寝取って形無しにさせてから捨ててやりてぇなとか思うよ。お前が嫌がるからしねぇけど。…ハッ知るかよ。余裕ある奴に抱かせてやる程俺優しかねぇわ、女じゃあるまいし優しく丁寧にとか趣味じゃねぇしな。必死になってから出直せって。──まぁ、正直…脱がされんのは嫌いじゃねぇから良いけど。俺の可愛い犬っころは最後まで上手に出来るかしら。(挑発染みた笑みを浮かべる相手へと小馬鹿にした口調で舌を出せば、好きにしろと言わんばかりに喉元を晒す様に顎を軽く上げ。手慰みの軽い戯れに恋人の太腿へと手を這わせ、柔らかな感触に指を埋め)
とか言って、そんな理屈なら俺が欲しがってる言葉を言ってくれる件とか、甘やかしてくれるとか、そんなのは説明が付かないっすわな。俺はやろうとしなきゃその辺が出来ねーから本気で凄えと思うし、惚れ込んでるとこでもあるんすよ。コウくんがやりたくねー事ねぇ…同色のお揃いのアロハを着るとか?──ね、寧ろ甘ったれられて怠くねぇってのが凄いっすわ。付き合ってからここまでビフォーアフターが変わったら普通興醒めしますよ。…あー、コウくんの身体が元が付く奴に触れんのすら悲しくなりますわ。勿論そいつらには全く興味ねーんでどんな目に遭わせてくれても構わないんすけど…──そう言や結構前に、元カレ元カノ全員の連絡手段を断ちましたわ。我ながらちゃんとデキる子だ。…ふっ、じゃあ切羽詰まった感じで土下座したら抱かせてくれます?女だろうが男だろうが大事な人には変わりないんだから、手荒になんてぜってーしないっすわ。そうされんのが好みなら別ですけど。──…ん、それならご奉仕する様に丁寧に脱がせて差し上げますね。上手く出来たら褒美でもくれるんですか?(不敵に煽られれば思わず吹き出すも嫌な気はせず、誘惑すべく太腿へと触れる手に自らも擦り付けた後に勿体振る様な所作でネクタイを外しては、布を指で摘み床へと落としてからシャツのボタンへと手を掛け。態とらしく吸引音を立て幾度も角度を変えながら唇を啄んでは、その最中に1つ、また1つとボタンを外し、全て開放し終えたところで肩口から布を下ろすと相手の手を己のネクタイへと導き)…あんまり上手く出来なかったなぁ。コウくんもお手本見せてくれます?
やーめて。そんなんも俺がお前に惚れてて、やりてぇからやってんの。俺の行動原理なんてマジでそれだけだからんな言って貰う様な事じゃねぇのよ。…ハハ、同色は確かにちとキツい。つーか小っ恥ずかしいわ、もうイイ歳だし。──まぁダチでもねぇ奴とか気のねぇ奴に甘ったれられんのは嫌いよ。勘違いしてんじゃねぇぞって思うから。でも雄太は知らねぇ部分見えると楽しいし、飽きねぇから良いのよ。…それが許されんならっつー仮定だからしねぇよ。ま、雄太に恋い焦がれんのは許してやるけど、手ぇ伸ばした瞬間にぜぇんぶ後悔させる。それこそどんな手でも使ってやるわ。…つか、あれマジで言ってたのね、偉いわ。そんじゃ俺もちゃんと消してやんなきゃなぁ。…フハ、俺の事抱きたくて土下座すんのはウケる。ネタとしてはちと見たいけど、笑ってそれどころじゃねぇわ。だぁって、手荒な方が楽じゃんか。唯でさえ抱かれるなんて慣れてねんだ、甘ったるくなんかされても可愛く啼いてなんかやんねぇぞ。──…ン、……ハッ俺にご奉仕宜しく脱がせろってぇ?…マジでイイ度胸してんじゃん。(降り注ぐ様に絶え間なく与えられる口付けに開放的になっている筈の上腿へ熱が込み上げ、次第に早まる心音が心地良く薄く笑みを溢すも次ぐ言葉には醜悪なものへと笑みを変え。指先が触れたネクタイを手綱の様に手繰り寄せ、耳元へと低く囁いきながら解いては徐に相手の襟元へと顔を近付けて唇と歯で器用に釦を一つ一つ外しながら手は恋人のベルトを緩めていき。時折態とらしく媚びる様な視線を投げつつ全ての釦を外すと仕上げとばかりにボトムのチャックの引き金を咥え、ゆっくりと下ろしては顔を上げてから口角を歪ませ)…ふ、意外と見様見真似で出来るモンだわ。
ふっ、愛されてるからこそなら尚更口に出したくなるに決まってるじゃないですか。コウくんったら案外照れ屋なんすから。…なんて、意地悪はこの辺にしておきます。──俺からすりゃ、いつまでも元カレ元カノから愛されんのはダリーっすわ。…まあ、万が一連絡の1つでも送って来る奴が居ればコウくんの手を借りるまでもねぇ、俺が撃退してやりますよ。今幸せだから連絡してくんなって突き放すんで、横でニヤニヤ見守っててください。…ほっ…まだブロックしてくれてないんです…?何で…?──やーだ、楽になりたいが為に乱暴にするなんて絶対に御免ですわ。…とか言ってさぁ、本当は単に痛くされんのが好きなんじゃないです?同じ男だもん、啼かねーなら意地でも声聞いてやろうとする心理くらい理解できますもんねぇ。(相手が己の意向を汲んでくれると見受ければ、息を深く吸い男性的な己を自身の中へと落とし込み。挑発的にネクタイを引き寄せる様子を冷たい眼差しで眺めては、その表情の儘後頭部へと手を添え、恋人が巧みに口唇を使いボタンを外す様子を見おろし。此方を見上げる眼差しに確りと視線を絡めるも相変わらずの目を貫いては、ボトムのファスナーを下ろされたところで漸く意地悪く一方の口唇を吊り上げ、静かな口調で言葉を紡いだ後に嫉妬を露わにした表情で相手の口内へと中指を滑り込ませ、舌を嬲る様にして幾度か絡ませ弄び直ぐに引き抜き)…見様見真似ねぇ…で、誰の真似?答えによっちゃ御所望通り酷くしてやるよ。…でさぁ、俺だけ下も脱がせるって事は奉仕してくれるの?それとも俺が好き勝手脱がせて良い?
──…ふ、そーね。んじゃあ俺のかわい子チャンに免じて、もしまた連絡してくる様な奴が居たらラブラブなツーショ送らせる位で我慢しとこ。…あー、いや大抵はブロックしたよ。連絡来るのだりぃし。ただ、基本的に連絡来ないけどブロックして刺激したくねぇ奴ってのが少しだけ居て……まぁいーや。クラブで会った時がネックだったけど、どうせ今年は大して行かないだろうし向こうも忘れんだろ。後で消すの見せてやるから安心して。──フハ、ドMの発想はぶっ飛んでんなぁ。お前じゃねんだし痛ぇ事なんか御免だわ、そもそも雄太が後で心配そうな顔すんの目に見えてるし。つか、声聞きてぇんなら幾らでも聞かせてやんよ。めーちゃくちゃ悪態吐いてやっからさぁ。(己の真似したのが幼い頃の愛猫がシャツに戯れる姿だった故に、露わにされた嫉妬心に自ずと小さく笑いを溢すもおいそれと口にしてはつまらないと判断しながら遠慮無しに口内を弄る指への不快感を示す様にキツく恋人を睨め付け。引き抜かれる指を後追しながら脅しとして歯を鳴らしては普段見る事の少ない相手の男らしい姿に陶然としつつもひたすら煽る様な揶揄染みた笑みを浮かべ、顎へと垂れる唾液を拭った儘、人差し指を口の端へと掛けて口内を見せつけるべく大口を開けて舌を出し)……ふ、…ッハ、誰だと思うんだよ?誰でも大して変わんねぇクセに。…それにしても俺の犬っころは良い子だ事。タチに回ってすら一々飼い主様の許可がいる訳ねぇ。お利口過ぎて喰っちまおうか。
あっは、写真送ったらコウくんにロックオンしそうだから嫌っすわ。ラブラブ写真は俺が見返して幸せになるための物なんで、魔除には使わないの。…ぴえん、コウくんがクラブで元カノの会ってただなんて。しかも多分ヤベー奴だ。ぴえん。──…元は優しくするっつったのにそれはそれで嫌がって、天邪鬼だなぁ。悪態はイラネ。立つものも立たなくなりますわ。──…誰って、どうせ遊んだお友達っしょ。…つか…はぁ。素直に言ってくれりゃぁ沢山褒めて加減したのに。もう良いよ、知らね。俺の好きにする。(己の嫉妬心を嘲笑うかの如く噴き出す相手に感情を見せず目を細め。威嚇する様に濡れた指を歯で追う仕草を認めては思案を巡らせ、短く嘆息を溢しては不本意な事を露骨に表情へと露わにつつ半ば殴る様にソファーの背凭れへと手を突き威圧的な態度で手早く相手のベルトを外しては、躊躇なくボトムを脱がせて床へと落とし今度は2本の指を相手の口腔へと差し入れ加減しつつも唾液を絡め取る様に舌へと絡ませ、先刻までと打って変わって愉悦に浸る意地の悪い笑みを浮かべつつ煽る様に歯列をなぞり)口ん中見せられたから頭引っ掴んで喉シバこうかとも思ったけど、やっぱ綺麗な顔の儘が良いんだよなぁ…。さっさと慣らすから濡らして。噛んでも良いけど指が使い物になんなくなったらご想像の通り。犬ッコロの最後の情けだから、好きにしな。
…ケチ。雄太が俺みたいなのに捕まってんの見せりゃあ対抗心すら芽生えねぇかなって思ったのにさぁ。お前の好みドンピシャの奴らなんかにゃ姑息な手段使わねぇとやってらんねぇのよ。…まぁ、やべぇ奴なのは否定しねぇけど、偶に鉢合わせしてただけだよ。お前と付き合ってからはチャラ箱なのもあって避けてたし。暫くはダチ相手にも大人しくするから。──悪ぃなぁ、野良犬上がりなもんで。誰が素直になんか尻尾振ってやるかよってんだ。そんなんは飼い慣らされた犬っころのがお似合いだわ。──ハハ…さぁて誰だっけ、残念ながら忘れちまったからしゃーないよなぁ。(勢い良く傍らへと突かれた手に怒りの片鱗を垣間見るも相対して己の心中に蔓延る享楽的な感情の前にはこの先の快楽への期待感が勝り、緩む口角は抑え切れず。再び口内へと侵入してくる指に最初こそ反抗的な素振りで甘噛みをするも恋人の表情から相手も楽しんでいると判断しては想像を掻き立てるべく品のない音を立てながら丹念に舌を這わせ、自ずと息が上がった所で最後に一際強く吸い上げてから逃げる様に顔を逸らしてから相手の首裏へと腕を回し低い笑声を織り交ぜながら耳元で囁き /暗転)そーねぇ、それこそ喉シバくつもりでガブッと噛まれたら大変だしなぁ?──ン……ッ…ぅ、…なぁ雄太、早く。お前の好きにして良いからさぁ…頂戴。
(愛しい恋人をぞんざいに扱える筈もなく、言葉で責め立てる以外は至って普遍的に事を済ませ。相手の色気に昂り時折求め過ぎた自覚がある故に身体への負担を慮っては、足早にペットボトルの水と喫煙具一式を手にして寝室へと戻ると手中の品々を一旦ヘッドボードへと載せ、先刻までとは打って変わって甘ったるい声遣いをしつつ抱き締め髪を撫でて)──…戻りましたー。…んー、コウくん身体怠くないですか?お水とお煙草持って来ましたよん。一服します?
(常時とは異なる他者から与えられるが儘になる快楽の余韻に浸る様に立てて座った膝へと頭を預け双眸を伏せているも恋人の声が耳へと届けば薄く目を開き、抱擁に体重を預ける様にしながら汗で額へと張り付く髪を掻き上げてから空の手で自らの唇を軽く示しては悪戯に笑みを浮かべ)…ん、平気。ネコ役だと終わった後に頭切り替えんのに時間かかるだけだから。…あー、タバコ吸いたい…けど、先に欲しいモンあるわ。分かる?
平気なら良かったっすわ。…でもって頭を切り替える必要なんてないっすよ。寧ろ甘えて貰って一緒に余韻に浸りたいんすけど。…ふっ、仰せの儘に。(身体を預けて貰えば愛しさが湧き上がり、穏やかに微笑を浮かべ大胆に髪を掻き上げる所作に小さく吹き出し。示された箇所へと吸い寄せられる様に顔を寄せ、情事の余韻が残るが故に吸引音が響く程の些か熱い口付けを贈り。喫煙具を手に取り相手の前へと差し出すと、己はティッシュを手に取ると恋人の額に滲んだ汗を丁寧に拭いつつ穏やかな声色で)…コウくんがすげーセクシーでした。マージ歳上って最高。…でもってこんなに汗かいて…かーわいい。疲れたでしょ?受け止めてくれて、ありがとうございますね。
…ふ、甘ったれるなんざ得意じゃねぇのよ。それこそ酒が入ってる位の言い訳でもねぇとキッツイわぁ。……ん、…。(戯れ程度の口付けを想定していたものの依然として燻った熱を持つ身体を助長するかの様な行為に小さく吐息が漏れ出ては嗜める様に恋人の唇を甘噛みしてから差し出されたタバコを受け取り。軽く顔を逸らして咥えたタバコに革張りのジッポで火を灯せば相手の手元に配慮しつつも片手でスマホを手繰り寄せ)…だぁって楽しかったんだもん。雄太がこんな顔して他の奴の首締めてたんだろーなってさぁ。そのクセ俺に抱かれる時はめちゃくちゃ可愛いの思い出すとクるよなぁ。…ハッ、受け止めたっつーか好き勝手煽ってただぁけ。だから疲れたってよりは熱気で暑いっつー方が正しいわ。ま、汗だくですんの嫌いじゃねぇし良いけど。──あ、そーだ。連絡先消すの見る?
頭で難しい事色々と考えるからそうなんすよ。…何も考えねーで、楽に過ごしてくれりゃあ嬉しいっすわ。──…ははっ、かーわい。咎められると唆られるんすよ。この感情ご理解いただけます?(唇を甘噛みされれば顔を離すも、己の嗜好を擽る行為に笑みは堪え切れず口元を抑えつつ肩を揺らし、懲りずに唇を首筋へと遣ると幾度も音を立てて口付けを贈り。相手のスマホを一緒に覗き込んでは、余韻に浸る中では恋人の事で頭がいっぱいが故に些か生返事気味に)…だーめ、俺がコウくん以外を抱いた時の事なんて想像なんてしちゃ。目の前の俺だけ見ててください。──…お、消してくれるんすか?じゃあお願いしようかしら。
遅くまでありがとうございます。すんません、眠気がきたんで置きにして貰えると助かりますわ。もうちょいだけお願いしますね。おやすみなさい、愛してますよ。
俺なんかが深く考え無くなったらそれこそ終わり、欲に弱いダメ男の出来上がりってなもんで。この位が丁度良いのよ。──…あー、クッソ。…ったく、やーめろって。…あんまおイタしてると噛むぞ、コラ。(嬉々として首筋へと戯れつく姿に頑として反応しまいとタバコを吸っているも次第に灰が長くなってくれば観念したとばかりに灰皿へと押し付け、空いた手で恋人の頭を些か乱暴に撫でてから冗談めかして歯列を見せつける様に笑みを浮かべ。返答に軽く頷いてはスマホのアプリを開き、並んだアイコンの中から煌びやかなネオンを背景に撮られたロングの黒髪がよく似合う純朴さの垣間見る女性の写真を選んでは拒否設定にして肩を竦め)俺は雄太と違ってそれで嫉妬したりはしねぇし、寧ろ俺が知らない方が嫌ってタイプなんでなぁ。でも俺だけが知ってる事は絶対誰にも教えない…ふ、ご立派なジャイアニズムだろ?でも流石にそんなん考えてんのは戯れ合いん時だけだぜ。──…はい、終わり。SNSの類は教えてねぇし、ダチにも話付けとくからマジで俺への接触方法は無し。…ご満足?
雄太こそ遅くまであんがと。いつだって問答無用で置きにして良いし、俺に付き合わせて連日夜更かしさせてるからマジでちゃんと寝てくれな。おやすみ、愛してるよ。
長い時間一緒に過ごす俺の前でさえ色々考えたら疲れちゃいますよ。欲だらけのコウくんだって受け止めるんで、何の心配もいらねーっすわ。…ふっ、噛めるもんなら噛んでみてくださいよ。(己の戯れに構われずとも愛しさを抑える事が出来ず頬をや髪を撫でて煙草を吸う横顔を眺めているも、大胆な手付きで頭を撫でられれば嬉しげに破顔し、次ぐ挑発にも怯む事なく頬へと手を添えては唇を重ね間髪入れず舌を捻じ込み絡めて。スマホに表示された女性を見ても幸福感の中では気持ちが揺れる事はなく、感謝を伝えるべく一層深く抱き締め)…あー、マジっすか。なら欲を込めて言っときますわ。俺好きな人と居るとすぐ盛るから、大体1日に3回くらいはしてたんすけど。言うまでもなくコウくんにもそうしてーって思ってますよ。例えば今とか。──…あーなんだ、俺の方が顔面イケてんじゃん。あざっす、すげー満足っすわ。これからずっと俺だけ見ててください。約束。
…フハ、俺の彼氏がダメ男ホイホイで困るわぁ。でもやっぱやだね。甘ったれるより甘えさせたいし、主導権も選択権も俺のモンってのが1番性に合ってるんで。…ん、ぅ…(懲りずに贈られる口付けに目を瞑りながら口端から小さく声を溢し、恋人の舌を誘う様に甘ったるく吸い上げるも視線を上げた折に眼前に広がる幸福感に満ちた表情に嗜虐心が擽られれば加減をしつつも甘噛みと呼ぶには強い力で舌に歯を食い込ませてから解放し。次いで手中のスマホに興味が無くなったとばかりに放っては下卑た笑みで両手を相手の肩口へと載せ後方に倒すべく体重を掛けて)ま、そりゃ俺のかわい子チャンのがイケてるに決まってるっしょ。俺がベタ惚れな位だし。…約束なんかしなくても元から雄太しか見えねぇわ。盲目になっちまったのよ。──…で?第二ラウンドのお誘いってんならさぁ、そりゃ吝かではねぇけど。そのデレッデレした顔も勿論可愛いんだけど、やっぱ俺変態だから…酷ぇ事されて訳分かんなくなって頭ん中蕩け切ってるみてぇな顔が1番好きなのよ。
コウくんはちっとも駄目男じゃねーからなぁ…隙がない良い男ですよ。じゃあ甘えたい時はいつでも喜んでって事だけは覚えていてくださいね。──…いってー……ひでぇ、マジで噛まれた。…ぴえん。(相手の溢す声に思わず再び欲望が全身に走りるのを自覚し、行為に持ち込む心算で淫らな水音を立てつつ相手の欲も煽る様に深く舌を絡め徐々に激しくしていくも、強い力で噛まれれば慌てて顔を離し半ば泣きそうな顔で鼻を啜り。押し倒す力に抗う事はないものの、相手が放ったスマホを直ぐ様手に取ると念を押す様に連絡先ごと削除してから丁寧にヘッドボードへと載せ、漸く相手の首裏へと両手を回し)…まあ普通に美人っすけど、コウくんと絡んだ奴は俺っち嫌いだから皆ブス。気持ち的な問題っすわぁ。──…やーだ、頭ん中タチに出来上がってるから入れ替えんの怠いっすわ。それに今ネコになったらタイムラグで妬き出しますよ?今は少なからず野郎の頭に出来てるからそこまで嫉妬してねぇけど…ま、選択権はコウくんのものだから、選んで良いですけどネ。
ん、俺が甘えたくてしゃーないって時はマジで雄太の都合もお構い無しに甘えさせてもらってるから平気。──ハハ!悪ぃなぁ、お行儀良くなんて無理なんだわ。ハナから俺にそんなん期待してる訳でもねぇだろ?(潤む相手の瞳にケラケラと喉を鳴らしては悪びれるどころか満足気に歪む口角へと舌を這わせ。組み敷かれてるにも関わらず抜け目なくスマホを操作する姿を呆れと愛おしさが入り混じった表情で見遣れば、漸く伸びて来た腕に頬擦りをしてから首筋へと顔を埋めて小さくなった瘡蓋へと唇を触れさせ)…ハッ、清々しい程張り切ってんな。まぁ顔は兎も角…嫉妬の仕方は雄太と似てるわ。コイツのがぶっ飛んでたけど。──…あら、俺が大人しく抱かれてやれば妬かないって?贅沢言う様になったなぁ、おい。…でもやっぱクソ反抗的な態度しか取れる気しねぇからダーメ。めちゃくちゃ駄々捏ねても次は俺の番。
俺からしたら全然甘えてる内に入ってませんよ。9対1で俺が甘えてるじゃないっすか。──…うっ…愛してくれてるから噛まないと思ったのに…いたい。(恋人に構って欲しい事もあり大袈裟に眉尻をさげつつ舌先を出しごねるも、楽しんでいる表情を見ては唇を尖らせ。首筋の瘡蓋へと触れられれば行為の感覚が蘇りぞくりと背を震わせるも、己の嫉妬心を煽る様な科白を聞けば拗ねた様にそっぽを向き、じわじわと思考が女々しくなるのを自覚している内に次第に鼻の奥がつんと痛むのを感じては、涙を必死に眼に留め)…この人と一緒にされんのは嫌。コウくんが他の奴の事を思い出したり考えるのも嫌。…嫉妬されたって、付き合ってたんですか?…やっぱ駄目だ、タチだったら土俵が違うから大丈夫でもネコなら辛いっす。…泣きそう。
んな事言ってもさぁ…俺がデレデレ甘えてんの想像出来なくね?精々ハグ求めたりってのが関の山なんだよ、雄太みてぇに上手く出来ねぇの。──違う、違う。ふ、…俺の最大級の愛情表現。身をもって知ってるだろ。(不服気な表情に笑みを絶やさないものの機嫌を取る様に頬へと口付けを落としては緩く頭を撫でながら甘ったるい声を出し。冗談めかした言葉を紡いでいる内に先程までとは打って変わって恋人の様子が拗ねたものになると胸中は愛おしさが勝り、くしゃりと破顔しながら背中に手を回すと抱き起し)…あー、ごめんって。一緒にはしてねぇよ、付き合っても無かったし。だからこそぶっ飛んでたんだけど。…俺が見てんのは雄太だけ。それ以外は全部遊びで暇つぶし、欲の捌け口でしか無かったし、そんなんももう要らねぇ位今満たされてんの。
やだなぁ、想像出来ないからこそ家で2人切りの時に甘えて貰うんじゃないですか。尤も、無理にして貰おうってんじゃないんで安心してください。──…狡い、愛情なら俺が何でも許すのをご存知の様で。(頬への口付けに嬉しげに微笑を浮かべ、僅かに機嫌を直すも口先では生意気な事を言い。抱き起こす手に抵抗せず上体を起こしては、拗ねる事ではないと理解しつつも現実味を帯びてしまった恋人の過去は直ぐに受け入れ切る事が出来ず、相手の興味関心の全てを奪おうと色香を振り撒く様に膝元へと跨り。首裏に回した腕はその儘に、涙混じりに気を引こうと懸命に唇を啄み)…付き合ってもないのに嫉妬なんてしてたなら尚更頭に来ますわ。そんな理由でコウくんのスマホに長く居座った事も。…ふっ…もっと俺だけだって言ってください。不安で死にそう。
まぁ…気が向いたら。本当、これでも俺にしては結構甘えてるつもりなんだから。俺が1番しんどい時に静かに傍に居てくれんのが助かるんだよ。──そりゃ存じ上げておりますとも。んで嘘じゃねぇから狡くもねぇわ。(くつくつと喉を鳴らしながら尚も機嫌を取るべく自分の言葉を裏付ける様に耳朶を甘噛みし。必死に縋ってくる恋人の姿に己の嗜虐心が反応するのを喉元で抑えては啄む唇を軽く舐め上げ、落ち着かせる為に背中を回した手で軽く撫で摩って)元は普通にダチだったから余計に俺の遊びが耳に入ったんだろーな。んで、共通のダチも居るから切っても面倒な事になりそうって思ってたのよ。マジでその程度。…好きだよ、雄太だけしか愛してねぇからそんな顔しないで。俺の最後の恋人なんだから胸張ってりゃ良いんだよ。
コウくんがしんどい想いをしないのが1番なんで、それならそう頼まれる事がないことを祈っておきます。──友達と遊びの関係になるのも解んねーし、……寝ましょ。混乱した時は寝るのが1番だ。(己が必死に気を引こうとする行為を宥められてしまえば、気まずさの様な悲しさの様な感情を覚えて大人しく相手から降り、寝具へと横たえて布団にすっぽりと潜り。暫ししてから目元を出し視線を送ると、寝る前の挨拶を告げた後に再び寝具に潜り双眸を伏せ)…おやすみなさい、愛してますよ。
──それはマジで若気の至り。お互いめちゃくちゃ酔っ払ったせいで…でもコイツの一件からはねぇよ。今連絡先残ってんのは前にも話したみてぇなお互い全く気のねぇ奴だけ。(恋人の体温が離れれば言い訳がましい言葉を口にするも、相手の心には届かないだろう事を察しては次第に覇気は消え嘆息混じりになり。布団に包まる姿を横目に後頭部を掻きながら送られた視線に気が付くと、暫し躊躇ってから横たわり自分の胸元へと引き寄せて瞼を伏せ)…ごめんな。おやすみ、愛してるよ。
(微熱を出し1日の大半を寝具の中で過ごしては、意を決して布団を抜け出した後にシャワーを浴びて何処か違和感を感じる自身のハイトーンの髪を沈んだテンションで乾かし。リビングへと向かうとビーズクッションへと横たえ、猫を呼び腹部へと載せ)おはよーございます。今日もぐーたら寝ちまいました…まぁ、夏休み突入したからしゃーなしっすよねぇ。
(友人からの呼び出しに後ろ髪を引かれる思いで家を出ては僅かに酒気を帯びた罪悪感と共に帰宅し。手洗いうがいを済ませると回転の遅い脳を嗜める様に額を軽く擦り上げてからリビングへと足を進め)…ただいまぁ。悪い、急に連絡入って出掛けてたわ。声掛けてやりゃあ良かったな。
──…んー、お帰りなさーい。いいえー、楽しく遊んで来たなら何も謝る必要なんてないっすよ。俺も1日中寝て過ごしてましたし、楽勝っすわ。(猫を腹部に載せた儘眠りに就いているも、リビングの扉が開く音で目覚めては殆ど意識が回っていない状態で其方へと視線を向け笑んで見せ。欠伸をしつつ上体を起こしては、添い寝してくれた猫の額へ口付けを贈り)
…ふ、今日もよく寝れた?折角の4連休最後の日だったから一緒にダラダラしたかったんだけどなぁ。(寝起き姿の恋人に頬を緩ませ傍らに胡座をかくとくしゃりと頭を撫でるも次第に苦笑を滲ませつつ、相手の腹部に居座る愛猫を抱き上げては帰宅の挨拶として頬擦りを与え)
ええ、爆睡し過ぎて背骨が痛いくらいっすわ。…ふっ、コウくんならダラダラ休んで過ごすよりガソリン入れた方が次の日良く動くんじゃないっすかね。何にせよ、1日楽しかったと思って締め括る方が良いっすわな。(苦笑を浮かべる相手の喉下へと手を伸ばすと擽り、悪戯に一方の口角を上げ)
フハ、床で寝るからだわ。今に床でなんか寝れなくなるからな。…そりゃ酒とレッドブルは俺のガソリンだけど。可愛い恋人との時間がねぇと頑張れるモンも頑張れねぇし。(顎の下を擽る手に顔をくしゃりと顰めては愛猫に助けを求める様に柔らかな毛並みに顔を埋めるも束の間、横目で相手を見遣れば腕の中から解放し。次いで恋人の肩口へと顎を預け)ん…ハグして。
床も床で今の季節は冷たくて気持ち良いんすよ。今日は熱っぽかったもんで尚更。…ふっ、なら次は俺も飲みに連れて行ってください。それでぜーんぶ解決っすわ。(猫と恋人の戯れを微笑を浮かべつつ眺めるも、珍しくも甘える様な言葉を聞けば一笑し背を抱き締め、緩やかなテンポで撫でて)コウくんのお願いなら喜んで。よしよーし。
…は?熱あったの?俺の恋人ったら虚弱体質で困るわぁ…今日は早めに寝るぞ。…あーね、俺のダチと飲むのなんか柄悪ぃったらありゃしねぇから雄太と飲むならサシ一択よ。まぁその前に宅飲みしなきゃだけど。(衣服越しに伝わる相手の温もりに漸く胸の中のしこりが消える感覚に小さく息を吐き、暫し双眸を伏せごねる子供の様に額を徐に擦り付けると相手を抱き上げ)んー……よし、へーき。ベッド行こ。毎日夜更かしさせんのやっぱダメだわ。
まあ風邪引きそうだったトコをギリギリ堪えれたんで、良しっすわ。…睡眠時間よりも飯が食えなくて。折角溜めた皮下脂肪もなくなるんじゃねーのかって勢いっすよ。…あっは、怖い人達と飲んでたんですか?じゃあ、折角2人で行くなら洒落たバーにでも行きましょ。宅飲みもそうっすね。じゃあそれは次の休みで。(相手の普段よりも甘える様な所作に気づいては、背を撫でていた手を頭へと移しいっそう穏やかな手付きで撫でて。次いで抵抗する間も無く抱え上げられると、拗ねた様に一方の頬を膨らませ)…えー、まだ寝たくないっすよー。ケチー。
いや、良くねぇわ。そーやって過信してるとすぐガタが来んの。…つか、それも聞いてねぇわ。皮下脂肪どーこーってより、この時期マジで食えないとすぐ体力尽きんじゃん。無理に食って、食事にすんの嫌になっても良くねぇし…どんなんなら食えるの?…そ、タトゥーガッツリ入った奴らだから他所から見たら俺集られてるみてぇなの。あー、洒落たバー良いな。デートって感じめちゃくちゃするし。(子供染みた不満を漏らす相手を素知らぬ顔で寝室へと運べばそっと寝具に下ろしくしゃりと頭を撫でて僅かに眉を下げ)ダーメ。体調が万全じゃねぇんだろうし、飯食えない分睡眠くらいは充分過ぎるほど取って。…心配になんじゃん。
ウケる、すげー脅されちった。まあガタが来たらコウくんに世話して貰うから良いんすよ。…ん、アイスとかケーキとかは食ってるんで体力は案外余裕っすわ。食えるものかー…そうだなぁ、コウくんと一緒にご飯食べたら何でも食えそうっす。…ふっ、コウくんが集られて見えるってスゲーっすね。偶には静かに美味い酒を味わうのも良いかなーって。(1日の大半を過ごした寝具へと戻されてしまえば詰まらなそうに両方の頬を膨らませるも、観念した様に嘆息を溢しては隣をぽんぽんと叩き)…ちぇー、しゃーなし、言う事聞いておきますわ。でも添い寝は宜しくです。
いや、世話はしてやるけどさぁ…。だからって無理しちゃはダメだろ。つか無理したらした分だけ俺との時間減るんだから。…夏バテかなぁ。最近蒸し暑くなってきたから身体が慣れてねぇのかもな。んじゃ、来週は出来るだけ飯作ってやろっか…つってもそんなに多くは難しいけど。…ウケるっしょ?まぁ俺も一緒にゲラゲラ笑ってんだけど。ふ、大人な酒の飲み方しよ。雄太は兎も角、俺はもうそーゆー歳だわ。(丸く膨らんだ相手の頬を押し潰しては頬を掴んだ儘軽く唇を啄み、隣へと横たわれば相手の背中に腕を回し寝かしつける様に緩やかな手つきで摩り上げ)ん、偉いわ…良い子。勿論添い寝はしてやるから、代わりにもう一個だけ言う事聞いて。…蹴ってこの儘寝ちゃってな。
無理はしてないんで楽勝っすわ。寧ろ寝まくって後悔してるくらいですし。でもコウくんとの時間は減らしたくないんで、早く回復しますね。…そうなんすよ。多分ガキみてーな体温してるんで、人並み以上に暑さにやられるんすわ。来週は…ふっ、俺夏休みだから専業主夫みたいなモンっすよ。その日食いたいモンを用意して旦那さんの帰りを待っておきます。…良いなぁ、俺もタトゥー入れたいなぁ。俺は根は隠キャなんで、静かなとこでしっぽり飲むのも好きなんすよ。(頬の空気を抜かれれば再び膨らませようとするも、不意に口付けを贈られればしおらしくなり、照れ隠しに唇を僅かに立てて。隣へと相手が横たえれば腕を背へと回し、寝かしつけられる儘に双眸を伏せ)やだ、俺悪い子ですもん。…でも気遣ってくださってありがとうございます。ちゃんと寝ますね。おやすみなさい、愛してますよ。
ん、ちゃんと元気になって俺に元気な顔見せて。じゃねぇと俺の調子が出ないし。可愛い可愛いヒモの為に日々頑張ってんだからさぁ。…あー、好きなだけクーラーガンガンにしてって言いたい所だけど、寒暖差あっても後々しんどいだろうしなぁ。んじゃ、嫁さんと飯食う為に1秒でも早く帰ってくるわ。でも飯作るのしんどい時は無理して作らなくて良いからな、なんか買って帰ってくるし。…雄太がタトゥーとか絶対やだ。お前の肌に俺以外のやつがなんか残すの無理。俺がしっぽり飲むのは基本1人でって事が多かったからなぁ…人と静かに飲むって新鮮かも。(聞き分けのない恋人に顔を顰めるも、次第に穏やかな寝息が聞こえてくれば安心感から小さく息を吐いて。瞼の上に口付けを贈ると背中に回した腕に僅か力を込めて)ほんっと、こーゆー時はガキンチョに戻るんだから。…ゆっくり寝てくれな。おやすみ、愛してるよ。
──…うげー、痩せちゃうー…何か食わなきゃ。(家事を終えた後にゲームをして過ごしては、相変わらず食欲は湧かず申し訳程度に恋人のプロテインをくすねて飲み。食事を作る気にもならずぐったりとソファーへと横たえては、スマホを手にして『ゆーくんケーキ食べたいです。』とハートを散りばめて送信し、目に見えて減少した腹部の脂肪を摘み項垂れて)
(仕事終わりの喫煙室で同僚の他愛もない話を聞き流しつつ煙草を片手にスマホへと視線を落とし、恋人からの連絡の内容に昨夜のやり取りを思い出しては眉を下げつつ『オッケー、ご希望あるかしら。俺チョイスで平気?』と送信してから吸殻を捨てると壁から背中を離し)悪ぃな、お先。
…コウくんの事だからなぁ…ふっ、すっげー美味しそうなの買って来そう。ヤベーなぁ。(スマホが振動すれば内容を確認し、要望を伝えるべくケーキの想像を膨らませるも、途中で女性達に紛れてケーキ屋に並ぶ恋人の姿を想像しては思わず吹き出し。『やっぱコンビニのシュークリームで大丈夫ですよん。その代わりにコウくんとビール飲みたいんで、食べたいおつまみもお願いします。』と再びハートを連打し送信し、飲みの準備をすべく上体を起こし)
(ポケットの中のスマホが短い音を立てればデパ地下へと向かう足を止め、内容を確認し暫し思案するも恋人会いたさに負ければ踵を返して。電車内でラグドールのスタンプだけを送信し、最寄駅のコンビニに立ち寄っては頼まれた買い物を済ませて足早に自宅へと着けばうがい手洗いをしてからレジ袋を片手にリビングに進み)ただいまぁ、良い子にしてた?
(ビールを数本冷蔵庫から取り出し、ポテトチップスを少量皿に移し摘みながら恋人の帰宅を待っていれば玄関扉が開くなり表情を輝かせて扉前へと。1日中恋人の帰りを待ち侘びていただけに半ば飛びつく様な勢いで抱き付くと、満面の笑みで頬へと口付けを贈った後に手元の袋へと視線を向け)おかえりなさーい。…えへへっ、ちゃんと家に籠もってお留守番してましたよ。──わー、疲れてるのに我儘言っちゃってすんません。コウくん優しい、好き。流石俺の旦那さんだ。
お…っと。フハ、偉いわ。そんじゃたくさん甘やかしてやんなきゃなぁ。(恋人の姿を視認するなり駆け寄る様にして抱き付かれれば僅かよろめくも片腕を腰へと回し、額へと頬擦りしつつ笑みを浮かべ。腰を抱きながらソファーへと進み、腰を下ろすとテーブルの上に購入した品物を次々と並べてから割り箸を相手へ手渡し)──いーえ。可愛い嫁さんのお願い事ならなぁんでも聞いてあげたくなるから。とりあえず何なら食えるか分かんなかったから、パスタサラダと生ハムと、あとだし巻き卵。んで、御所望のシュークリームなぁ。
やった、そう来なくっちゃ。コウくんに甘やかして貰ったら沢山飯が食えそうな気がしますわ。──…つかやば、どれも俺の好きな奴っすわ。これは全部食える。流石過ぎますわ。(双眸を細めつつ頬擦りを享受しては、幸福感を表情に宿した儘相手に続きソファーへと。好物ばかりがテーブルに並ぶと感嘆の声を揚げ、礼を告げつつ箸を受け取るとパスタサラダを開封しドレッシングを掛けて混ぜてテーブルに載せ。生ハムと卵焼きも封を開け準備を整えると、2本のビールを開栓し乾杯を求めるべく瓶を手に持ち)…さて、乾杯しましょ。お疲れ様でしたー。
…んな事言われたら俺が甘やかさずに居られないの知ってて言ってんだろ…狡ぃなぁ。でもそう思えるのが一番だし乗ってやるわ。──お、マジ?良かった、温め無くても食えるモンのが良いかなって選んできて正解だったわ。(嬉し気に卓上を見遣る横顔に小さく安堵の息を漏らせば手際良く準備する姿を眺めつつ膝へと頬杖を突き、次いで差し出された瓶に破顔して受け取ると軽く相手の手中に残ったものとぶつけてから勢いよく呷り)ん、お疲れさん。乾杯。…っあー…美味いわ。
あっは、狙って言ったって思いました?ざーんねん、本音を言ったまでなんだよなぁ。──すげー気を遣ってくれたんすね。きゅんてしましたわ。この愛情だけでもパスタ3人前くらい食えそうっす。(瓶同士がぶつかり合えば飲み口を唇へと宛て、数口飲み下し。喉を通る炭酸の爽快感に深く息を吐き出しては、生ハムと卵焼きを食して再びビールを呷り)──…はぁ、ウメェ。最近暑いんでマジ最高っすね。…っと、コウくんごはんまだっすよね。パスタ食べてください。俺はあーんして貰ったのを食べるの。
ハハ、なぁんか最近どっかで似たような言葉聞いたわぁ。半年も一緒に居ると思考回路まで似てくるのかしら。──気ぃ遣ったつか、俺が熱いモン食いたくないだぁけ。帰ってくるだけであちーんだもん。ふ、でも雄太が美味そうに飯食ってんの好きだからパスタ3人前食わせてぇけど。(冗句の応酬をしつつ相手の肩口へと凭れ掛かり、食事をする様子をぼんやりと見ては満足とばかりにそれをツマミに瓶の中身を減らしていくも次ぐ言葉には片眉を上げ箸を手に取るとパスタサラダを一口食してから同量相手の口元へと差し出し)いや、この時期の冷たいビールはマジで命の水だよなぁ。んで意外と食えてそうで安心したわ。…あー、俺は夜は酒がありゃ元々そんなに──…つっても一緒に食う約束したっけ…しゃーなし。…ん。
…ふふっ、マジで素で被ってましたわ。思考も口癖も相当似て来てますね、俺達。こりゃ一途にコウくんだけ見てるってのも信憑性が増すでしょ?──…確かにあちーっすよねぇ。つか何ならコウくんの方が外出の機会多いでしょうから、夏バテにならないか心配っすわ。(箸を置き肩口に凭れる相手の髪を愛しげに撫でつつちびちびと酒を飲み、要望通りにパスタを差出されれば嬉々として食して表情を綻ばせ。食欲が弾み次々とつまみを口にしては、途中でシュークリームを開封し齧り付き)命の水はウケる。でもってコウくんと一緒に食べてるから食えるんすわ。去年とか1週間何も食えませんでしたし。──…んー、パスタ美味い。コウくんに食わして貰うとやっぱ美味いっすわ。シュークリーム頂きまーす。
ハッ嫌だわぁ。俺、自分みてぇな奴嫌いだから似ないで良いのに。でも雄太が俺にベタ惚れなのは知ってるし、そもそも他所見する余裕なんかお前にやる気更々ねぇわ。──まぁ多いつってもご存知の通りデスクワークのが多いし、例のアレのせいで店舗周りも今やめてるから全然マシ。寧ろ身体鈍るわ。(笑みを浮かべる表情につられ自ずと眦を下げながらゆっくりとしたペースでパスタサラダを3分の1程食べ進めつつビールを口にするも炭酸による満腹感に苛まれては食事に飽きた子供の様に箸を置き、再び相手に凭れ掛かるとシュークリームを咀嚼して動く頬を指で軽く撫で)だぁって酒がありゃ生き返んじゃん。…つか、一人暮らしで1週間飯食えねぇのヤバくね?マジでぶっ倒れててもおかしくねぇじゃん。──そりゃ、何より。んじゃ雄太が食えねぇときは手掴みでも食わせてやるわぁ。…昼飯食い過ぎたんだよなぁ。あんま入んねぇわ。んでもって俺のツマミはやっぱこっち。
何言ってるんすか、俺のコウくんは世界一ですよ。でもコウくんとコウくんが遭遇したらドS同士だからスゲー事になりそうっすね。ウケる。…ふっ、すげー自信たっぷり。でもそうか、俺達いっつも沢山の出掛ける予定とか未来の話ばっかりしてるから、余所見するつもりも暇もお互いないっすよね。──あー、なら安心っすわ。コウくんが顔と手だけ黒くなるのも嫌だし、室内で優雅にお仕事してくださいね。(食事に飽きた様子の恋人を見れば愛しさが湧き上がり小さく吹き出し、頬に悪戯する様に触れる指を受け入れつつ菓子を全て口に放り込み咀嚼し飲み下して。包装をテーブルへと載せ、ビールを飲んだ後に唇を拭うと相手の首裏へと腕を回し)まあ飯食わない分飲み物とかサプリで補ってたんで死にはしないっすわ。1人だと食う気しないんで、今コウくんが居てくれてマジで良かったっす。…つか可愛い。赤ちゃんの食事量と一緒じゃないっすか。ちゅーしたら頑張ってあと少し食べてくれます?
だって偉そうで自信家、傍若無人に自分本意…はー嫌だわ、無理無理。ふっつーに近寄りたくねぇ。俺自分勝手な奴大っ嫌いな自分勝手さ自覚してんのよ。だから雄太はそのまんま、俺のかわい子チャンでいて。…そりゃそーよ、愛されてる自覚ありますしぃ?つか俺に他所見するつもりがありゃ、指輪渡す約束なんかしねぇわ。学生じゃ無くなったら、なんて言わずに今度なって暈せば良いんだし。──まぁ部分焼けしたら海行った時にちゃあんと焼き直せば良いんだけどさ。汗だくで走り回るっつー事はないから大丈夫。(口付けした時の相手の口内を頭の端で想起しつつ、指から伝わる普段味わう事のない感触に愉快気に含み笑いをして瓶を空にするも、尚も己へと食事をさせようとする相手に不満気に眉を寄せ1日の食事を思い出しては口付けを拒むべく中身の入っていない瓶を唇へと押し当て)あー…冷たいスープとか野菜ジュースなら比較的飲みやすい?明日買って帰ってくるわ。んで俺が居ない時はそれで済ませても良いから一緒ん時は少しでも固形物食べて。──…やぁだ。今日マジで昼…ラーメンに半チャーハン食って、それでも足りなかったから同期からサンドイッチ貰って…あー、あと得意先に貰った煎餅食いながら午後仕事してた。いや、食い過ぎじゃね?もう入りませぇん。
すんません、うとうとしてきちゃったんで本筋は明日にさせて貰えると助かるっす。今日も遅くまでありがとうございます。愛してますよ。おやすみさない。こっちは蹴ってくださいね。
悪ぃ、反応するわ。全然謝らなくて平気、なんなら雄太が本筋は取り敢えず置いといて寝てくれる様になったの嬉しいわ。付き合う前と違っていつでもゆっくり話せるんだからお前の大事な睡眠削る必要なんか無いんだよ。毎日一緒に居んだから。今日も遅くまであんがとな、しっかり寝て。おやすみ、愛してるよ。
それは誰の事っすかね。俺の目の前に居る人は自信を持って当然なくらい完璧で、誰にでもサラッと気遣いできる男前なんでそんな人知らねーっすわ。…あっは、指輪の話されると妙にリアルだなぁ。しっかし随分と早い時期から俺がベタ惚れだってバレてたんすねぇ。妙に恥ずかしいっすわ。──日焼けが馴染むくらいなら結構焼かなきゃですね。コウくんが黒くなったらすげーチャラくなりそうっすわ。マジ室内業務で良かったっす。(口付けを拒む様な所作に拗ねて頬を膨らませると、相手からさっと離れパスタを手に取り、鼻を啜り泣き真似をしながら食し)冷たいスープ飲んだ事ないっすわ。美味そう、飲んでみたいっす。…ぴえん、コウくんにフラれた。しかも朝晩食わないなら全然食い過ぎじゃないっすわぁ。拗ねてやる。
雄太がそーやって俺の事全肯定しちまうから尚更、俺の勝手っぷりに拍車が掛かるんだよなぁ。俺がお前以外の全員から嫌われたらどーしてくれんのよ…つって、お前にだけ嫌われなきゃ良いんだけどさ。…だぁって事実だし、そりゃリアルに決まってるっしょ。まぁあの頃にはもう流石に、俺の事本当に好きで居てくれてんだなとは思ってたよ。毎日毎日全力で愛情伝えてくれんだもん。──海もキャンプもBBQも好きだからさぁ、俺が黒くなんのは夏の風物詩って感じよ。毎年デベロッパーにさえ弄られるわ。(体重を預けていた肩が離れれば自ずとバランスを崩し恨みがましい視線を相手に投げるも、己の弱点である落ち込んだ様な反応に低く唸り声を絞り出しては空き瓶をテーブルへと置いてから渋々口を開け)んじゃ買ってくるわ。冷たいコーンスープとか結構美味いし、ちょっと気分変わるモン口にしたら食欲湧いたりするから。──…あー、ったく。んじゃ残りは半分こで良いだろ。んで、食べたらご褒美にキスして。
生憎俺は尽くすのが大好きなもんで、幾らでも好き勝手振る舞ってくれて構わねーのに旦那さんったら結局誰よりも気遣ってくれるんすもん。…ふっ、ウケる。人気者が何を仰いますか。でもまあ仮に皆がコウくんの敵になっても、俺だけはお側に居ますよ。ベタな言葉ですけど、本当にそうするって自信があるんです。──わー、すげーアクティブ。健康的に焼けた肌は好み過ぎるから参りますわ。でも俺が居ないとこで真っ黒になって来たら妬いちゃう。今年は俺も色んなとこに連れて行ってくださいね。──やったー、じゃあ明日楽しみにしてますねん。…でもってパスタはコウくんがゆーくんに買って来てくれたものだからあげない。暫し成人男性のもぐもぐタイムをお楽しみください。(相手の渋々と言った様子を見受けては本当に余裕が無いのだと汲み取り、敢えて子供じみた態度で告げると普段よりも急ぎ気味で食べ進めて器を空にし。全て食し終えたところで相手に向かって手を合わせ)御馳走様でした。お陰様でお腹いっぱいごはんが食べれましたー。
ふ、自覚ないわぁ…俺の嫁さんったら他にも旦那が居るのかしら。妬けるなぁ。…やだなぁ、人気者なんかじゃねぇよ。俺が人と駄弁りたい時とかに相手してもらってるだぁけ。…ん、俺も雄太におんなじ事思ってる。何があっても俺だけはお前から手ぇ離したりしないよ。──夏はやっぱ動き回らねぇと勿体ねぇじゃん?まぁ日焼けに弱い子が傍に居るから一緒に対策してやっても良いんだけどさ。ハハ、当たり前じゃん。やっと梅雨明けしたんだし色んな所出掛けよ。雄太と行きたい所なんか尽きる気しねぇわ。──なぁんだよ、人が折角……まぁ、可愛いから良いや。キスは勝手にするし。(徐に掌を返す相手にまたもや不満気な表情を浮かべるも、食事風景を見ては次第に軟化し最終的に緩んだ笑みになり。こちらに向かって合わせられた手を取ると待ち侘びたとばかりに引き寄せ胸元へと誘い)ん、安心したわ。ちゃんと食えて偉いから褒めてやんなきゃ。
まさか、俺がコウくん以外の男に抱かれるの想像できます?作るなら嫁かなー…なんて、趣味の悪い冗句は止めとこーっと。…ふっ、男前だなぁ。でもってすげー馬鹿ップルの会話。現実的なとこで言えば、コウくんならきっと俺が悪い事しそうになったらメッてしてくれるんで安心して保護者を任せられますわ。──お、俺が紫外線に弱いの良く覚えててくれましたね。例年夏なんて夜にしか動いてませんでしたけど、きっとコウくんの笑顔が映えるのは昼間の眩しい時だろうなーって思うんで、多少の無理してでも夏を満喫したいっすわ。紫外線対策されたら泣いちゃう。(手を合わせた姿勢から相手の胸元へと招かれれば嬉しげに肩を揺らして笑い、再び首裏へと手を回すと1度唇を触れさせ直ぐに離すも物足りず、お代わりをする様に角度を変え唇を啄んでは、飽き足らず更なる口付けを求めるべく額を重ねて甘ったるい口調で)あっは、飯食って褒められるってきっと幼稚園振りだ。因みにご褒美は何くれるんですか?やっぱちゅーですか?
ハハ、想像出来ねぇわ。お前が今まで誰を抱いてきたとしても、雄太を抱けんのは俺だけっつー、それだけて自尊心保てるんでな。…んー、正直楽しい事とか危ない思いしねぇんなら大抵の悪い事は俺一緒に乗っちゃうと思うけどなぁ。まぁでも保護って意味では間違ってねぇのかしら。──そりゃあな、雄太の事は大抵覚えてる自信あるわ。んで、日焼けすると赤くなるってのも覚えてるから無理はダーメ。俺はしっかり焼くからお前は白いまんまでいて。…ふ、ほらオセロみてぇで悪かねぇだろ?(腕の中にすっぽりと収まる恋人の体躯と、更に身を寄せる様に回された腕に満足気に笑みを湛えては繰り返し贈られた口付けの後、その口が紡ぐ白々しい言葉に喉を鳴らし。触れ合う額を軽く擦り付けてから柔らかな唇へ軽い口付けを落とすと輪郭をなぞる様に舐め上げ)フハ…22歳児の子守してっからさぁ、今。…そりゃ勿論。好きだろ、ちゅー。
あー、マジでごめん。今日は俺の眠気が限界っぽい。全然頭回ってねぇからもうちょい置きにさせてくれな。んで、その分明日は早く帰ってくるわ。今日も遅くまであんがとな。雄太も蹴って寝ちゃってくれよ。おやすみ、愛してるよ。
あ、あと一個だけお知らせ。明後日は休み…つか、暫くは木曜日は休みになったわ。期間未定だけど、雄太の夏休み期間にもしタイミング合えば嬉しいなって感じだから頭の片隅にでも置いといて。そんじゃ今度こそおやすみ。ゆっくり寝てくれよな。
…また可愛い事言って。斯く言う俺もコウくんの初めてを頂いたってのがあるから、タチの時は嫉妬しないで自信持てますわ。同じ気持ちですね。──すげー、よく赤くなるってとこまで覚えてましたね。コウくんの趣味的にはくっきり噛み痕とか残った方が良いでしょうから、じゃあ白い儘にしておきますわ。──ははっ、遂にコウくんに育児される様になっちった。……ん、(額を重ねた状態から口付けを贈られれば、己の希望が叶い嬉しげに口角を上げ。唇の形をなぞる様に舌先を這わせられれば鼻腔から甘い声を溢し、誘われる儘に舌を柔く吸い上げた後に控え目な所作で絡め)
いーえ、コウくんが眠れるなら喜んで。遅くまでありがとうございました。でもって1日お疲れ様です。ゆっくり休んでくださいね。明日楽しみにしてますわ。おやすみなさい、愛してますよ。
お知らせもあざっす。明後日はたまったまバイトがあって遅くなるかもなんすけど、来週以降は週によっちゃ引き籠りなんで、じゃあイチャイチャなりデートなりしましょ。楽しみが増えましたわ。…それじゃあ、2回目ですけどおやすみなさい。愛してますよ。
雄太がタチにしろネコにしろ俺の初めてやったって事実は変わんないのに。ネコやってるとなぁんで不安になるのかね…俺、別にお前がずっと笑顔で居てくれんなら別にこれから先ネコでも良いかって思いさえするわ。──俺の大事な子ですから。んで、やっぱ白い肌にグロい痣ってのがエロくて好きなのよ。日焼け跡くっきり残るならそれはそれで好きだけど。──ふ、なんせ保護者らしいから。(舌を吸われる感触に邪な考えが脳裏を過れば自ずと湧き上がる欲求の儘、絡められた舌ごと押し込む様に相手の口内へと侵入し。粘膜の生暖かさを堪能するべく水音を立てて弄り)
だってネコの立場ならコウくんは比較対象がいっぱい居る訳じゃないっすか。構造的な問題で体じゃ女に勝てる訳もねーし、自信の無さが嫉妬になってる自覚はありますわ。…ふっ、バリネコになります?俺としては全然アリっすけど、ヒモの分際でヤらせて貰うっつマジでクズ感パネェっすね。──俺も痣については全く同感っすわ。つか焼いたら暫く真っ赤に火傷するんで、噛む事自体お預けさせて貰いますけどね。…過保護かぁ…誰かに言われたんですか?──……ふ、ぅ…ン……、(些か強引に侵入してきた舌を受け入れるも、鼓膜を擽る水音と深く絡み合う舌に官能を刺激され瞬く間に身体を火照らせては、腹部の辺りがむずむずとし出した所で顔を離し指で唇を拭い照れ隠しの様な口調で)…もぅ、本当にネコになる気あります?
──…別にヤる為だけに付き合ってんじゃねぇし、好きな奴とすんのとセフレとすんのは違うわ。比較対象ですらねぇのよ、別モンすぎて。…雄太がそっちのが幸せなら別にいーよ。つっても可愛いネコなんざ到底無理だしめちゃくちゃ煽ってクソ生意気な事言いたくなんだけどさぁ。──んなの風呂とかも痛いレベルだろ。黒くなんねぇなら焼く意味微塵もねぇし、噛めないんなら尚更だわ。(気の赴く儘に舌を這わせ満足気に双眸を伏せながら薄く笑みを描いていたものの、不意に相手の唇に逃げられては視線を上げ。悪びれるどころか当たり前と言った口調で紡ぐは)…だぁって、俺の1番身近なネコってキス大好きだからさぁ。この位してきてたと思うんだけどなぁ…違ったっけ?
ヤるためだけじゃないにしろ、コウくんを俺だけが独占していたいから物足りねー思いをさせる訳にはいかないっすわ。でも土俵が違うなら良いっか。──…ふっ、幸せなのはコウくんと居るからであって、タチネコ関係ないっすわ。強いて言ったら両方楽しめるのが至福っすわな。…でもって生意気なのは楽勝。きっとデレッデレにしてみせますよ。──…あっは、何処ぞの誰かさんの真似だったんすね。すんません、キス1つにしろ頭切り替えねーと上手く出来ねーんすわ。じゃあ今日は俺がタチ。(相手の表情と言葉で一歩遅れて流れを理解しては、思考を切り替えるべく双眸を伏せ深く息を吸い。次いで薄く目を開くと、耳元へと顔を寄せ低く囁いた後に焦らす様に幾度か唇を啄み。不意を突き舌を滑り込ませると態とらしく水音を響かせつつ舌を絡め、己の燻る高揚を伝えるべく髪を掻き乱す様にして撫で、鼻腔から低く呼吸を溢し)──…俺聴覚弱いんすよ。盛らせてーなら声聞かして。
ハナから物足りねぇ思いなんざしてねぇし、土俵が違うなんてそんなん…ずっと前から言葉でも態度でも表してるつもりなんだけどなぁ。──でも嫉妬すんの別に楽しくねぇじゃん?楽しく生きてて欲しいんだよなぁ。まぁ…ネコはなぁ。タチのが楽しいのは慣れてっからだし慣れなきゃ良くなんねぇだろーし。ふ、デレデレになってハマったらウケるけど。──…あら、切り替える位なら全然可愛い可愛いネコのまんまでも良いんだけど。俺のスタンスは基本的に変わらねぇし。(普段の可愛らしい雰囲気から突如男らしい表情へと変化する相手に反応に困る様に片眉を上げるも、覚悟を決め小さく息を吐き口付けを享受し。啄むだけのもどかしい行為に己から仕掛けようとするも相手の舌が絡めば与えられる充足感を僅かに感じる自分に歯噛みしつつ)──…ハッ、悪ぃな。易々とんな声出す奴じゃねぇの知ってんでしょ。啼かせられんなら啼かせてみろって。
早く帰って来た割に反応鈍くてごめんなぁ。諸々落ち着いたんで心配しないでってだけ言っとく。んで、こっちは言わずもがな蹴ってくれな。
言葉も態度も有難く頂いてましたけど、それでも不安なんですもん、しゃーないっすわ。元々オネェみてーなもんだし、ネコ側だと女々しい部分が顕著になるんすよ。──そりゃ嫉妬は楽しいもんじゃねーっすけど、確実にコウくんの事を愛してるっつー俺なりの証拠でもあるんすよ。…ぶっちゃけ愛が冷めた奴に浮気された時にはラッキーって思いましたし。好きじゃないと妬かないの、俺。──まあプライドとか自尊心とかかなぐり捨ててデレてくれりゃあ、俺としてもグッときますよ。でもそうさせんのはあくまでも俺の仕事ですし、コウくんは思った儘のリアクションしてくれりゃ充分っすわ。──…ふっ、とか言って。少なからずタチの俺に魅力を感じてくれなきゃ、ネコやっても良いなんて言葉思い浮かびもしませんよね?(口付けを交わす最中、相手が深い口付けを仕掛けようとしたのを目敏く察すれば性悪に一方の口端を吊り上げ焦らす様に歯列をなぞり、物足りない状況を作ったところで顔を離し。己を煽る台詞に態とらしく頷いて見せては、片手を相手の腰元へと。シャツの裾を引っ張り出し肌へと直に触れると、弱点へと手を滑らせつつ来いと言わんばかりに唇を薄く開き舌先を覗かせ)悪いと思ってんなら自分で啼ける様にやってみて。手伝うからさ。──…自分から食らいに来て悦くなる人、すげーエロくて好きなんだけど。如何?
いいえ、俺も鈍くてすんません。でもって今週はお眠がどうも早くて…念の為におやすみなさいを伝えさせてください。愛してますよ。
出来る事なら不安にもさせたくねぇんだもん。力不足なんかなぁって思っちまうからさぁ。…ま、俺のやってきた事の結果だし、身から出た錆だししゃーないんだけど。──…そーゆー言い方されっと絆されんだよなぁ。まぁ勿論、言われずとも俺の事好きだから嫉妬してくれてんのも痛い程分かってんだけど、雄太の口から直接聞くとやっぱ弱いわ。しゃーなし、雄太が嫉妬する度に大丈夫っつってやるわな。──思った儘のリアクションねぇ…ハハ、やだわぁ。ついついどこで形勢逆転してやろっかなって思っちまうのが悪い癖だな。──…俺のかわい子チャンが男前な面してんのそりゃ好きだけどさぁ。…勘違いすんなよ、その面してるお前の上で腰振って余裕奪って形無しにしてやんの楽しそうっつーだけ。(尚も焦らす様に口内で自分から逃げる相手の舌に、己の事は棚に上げ苛立ちにも似た感情が芽生えれば睨め付ける視線を相手に投げ。気付けば腰元に回された手に嫌な予感を感じ侵入を阻む為に手首を掴むも抵抗虚しく、素肌の上を這う快感に肩を揺らしては反射的に逃げる様に腰をくねらせ。忌々し気に短く吐き捨ててから上擦りそうになる声を漏らさない様に唇から覗いた舌に甘噛みをし)…はぁ?手伝うって何…ッ──…、クッソ…
重ね重ねごめん、寝落ちてたわ。雄太も寝ててくれたからちと安心した。3度目の正直って事で明日こそちゃんと構わせてくれな。おやすみ、愛してるよ。
普段から不安になってる訳じゃなくて、偶に俺が勝手にそうなるだけなんでコウくんは何1つ悪くないですよ。そうそう、怠いでしょうけど俺が嫉妬する度に大丈夫大丈夫って嗜めてくれりゃ、その都度もっとコウくんにメロメロになりますわ。──…すげー男前なネコっすね。じゃあ是非とも俺の上でアレコレしてみてくださいよ。可愛いなぁって思いながら下から見物させて貰うんで、上手く出来たらご褒美もあげますわ。──…あーあ、折角手伝ったのに声全然出てねーし、ちゃんとキスも出来てねーじゃん。羞恥心とかプライドとか吹っ飛ぶくらい如何にかしないと駄目?それとも虐められたくて態とやってる?…次ちゃんと声出せたら褒めるから、頑張って。(睨み付ける視線に取り分け動じる訳でもなく目線を返しては、肌に触れた手から逃れようとする腰を空の手で引っ掴み責める言葉を並べ。舌を甘噛みされれば躊躇なく顔を離し、腰元へと触れるか触れないかの加減で指先を往復させつつ顔を首筋へと寄せては、飴と鞭を使い分ける様に穏やかな口調をし、耳の裏へと向かって音を立てつつ幾度も柔く吸い上げ)
寝落ちしたとこ気遣わしてすんませんでした。俺としちゃコウくんが良く寝てくれりゃ満足なんで、次からは朝まで寝ちゃってくださいね。…でもって今日はバイトが遅くなりそうなんで、遠慮なく出掛けちゃってください。じゃあ今度こそ蹴ってくださいね。
まぁベタベタに甘やかすなんか苦手だったけど、誰かさんのお陰でこの半年でそりゃもう上手くなったもんで。お望みとありゃ幾らでもやってやるわな。それで安心出来んなら安いモンよ。──…悪ぃなぁ、ネコになっても染み付いたSっ気は抜けねぇもんで。可愛いなんて思う余裕もねぇくらいにしてやるわ。──ハ、うるっせぇ…そこ、触んのやめろって…ッ…(腰の自由を奪う力強い腕に眉間に皺を寄せ、フェザータッチを繰り返す手を止めようと掴んだ指に力を入れるも背中を走る緩い快感の前では縋り付く事にしかならず。駄々を捏ねる子供の様に幾度か首を振り、噛み締めた奥歯の隙間から時折低い声が漏れる度に反射的に息を止めれば呼吸が荒くなる事すら甘ったるい吸引音に犯された頭では理解が及ばずに相手に体重を預ける様にして目の前の白い首筋に噛み付く事しか出来ず)…ン゛、……っふ……や、め
激しくすりゃするだけ跳ね返って来るんだよなぁ…俺の余裕を奪う頃には自分も相当やられてるんじゃないです?──…止めろって言うからにはさ、どこをどうされたいの。取り敢えず服邪魔。脱がせるまでに答えて。(首筋へと噛み付かれれば痛みが走るも表情を顰めるに留め、首筋から顔を離しては声を堪える相手に態とらしく嘆息を吐いて見せ。ネクタイへと手を掛け外しては、次々とボタンを外し胸元を暴いていき。全てのボタンを外し終えるとベルトへと手を掛け、バックルを外しつつ薄い笑みを浮かべ)…まさか声を我慢出来る程余裕のある人が興奮してる訳なんてねーよな。もしそうならすげー恥ずかしいね。
かっわいくねぇなぁ…いつもの可愛い可愛い俺の大好きな恋人はどこ行ったのかしら。…ぜってぇ泣かす。──…ふ、…どこをどうって…良いから雄太もさっさと脱いで、やる事やりゃあ良いんだよ。(肩で息をしながら腰から手が離れた事への安堵を僅かに表情をへと出し、快楽のせいで靄が掛かる様な頭を必死に巡らせながらも己を抱く為の準備をし始める相手の手に昂りを煽られると、それを指摘する様な言葉に反射的に舌打ちを弾けさせては客観的に判断せずとも分かり切った負け惜しみを口にして)…はぁ?…ったりめぇだろ、なんなら今からでも大胆やりますけど?
(想定外に返って来た淡白な答えに僅かに見開いては、鼻腔から短く息を溢し先刻までとは打って変わって穏やかな口調で言葉を掛けながらボトムを脱がせようとする手を止め両手で相手を抱き締め、後頭部を緩やかな手付きで撫で。徐に頬へと手を添えると愛しげに視線を絡めた後に唇を触れさせ、行為へと進めるべく再びボトムへと手を掛け)──…俺が意地悪したからきっと少し寂しい気持ちにさせちゃいましたね。すんません。ヤる為に付き合ってるんじゃねーし、そんな風に言わせちゃったのは俺の罪っすわ。…今日はコウくんを悦くしてお終い。俺の分までそうなって貰わなきゃなんで、2回は覚悟してくださいよ。…まぁ、欲しくなったら強請ってください。その時は、ネ。──…愛してますよ、コウくん。その事だけは変わんねーから、身を任してください。(/暗転)
…やっぱネコ苦手。気持ち良いけど、雄太甘やかしてくるからどーしたら良いのかわっかんなくなるわ。(行為中の終始甘やかされるように投げ掛けられる言葉と与えられる逃れられない快感に脳漿が溶かされるような感覚を思い起こしつつ、目尻に溜まった僅かな滴を腕で乱暴に拭いながらベッドで寝返りを打ち、塞いだ視界の中で恋人に触れようと腕を伸ばして枯れた声で小さく呟き)
…ふっ、普通甘やかされた方が喜ぶと思うんすけどね。でもってどうしたら良いかなんて言わずもがな、甘えてくれりゃ良いっすよ。…それとも俺じゃ頼り甲斐がありませんか?(幸福感を抱きつつ恋人の姿を隣で眺めているも、手を此方へと伸ばされれば己の背へと回す様に誘導した後に腕枕をし、空の手で目を擦る手を握り。まだ濡れた感触が残る目元へと口付けを贈っては、握っていた手を解放するとその手を背中へと遣り、寝かし付けるべく緩やかなリズムで摩り穏やかな口調で)…声、枯れちゃいましたね。可哀想ですけど、すげー可愛かったっすわ。御馳走様でした。…さーて、そろそろ愛しのハニーを寝かさなきゃ、寝不足で色気を振り撒き兼ねないから大変だ。…おやすみなさい、良い夢を見てくださいね。
…だぁって執着しないさせないで生きてきたから、今更甘えて良いっつわれてもやり方分かんねんだわ。頼り甲斐がねぇとかじゃなくて。…好き勝手して貰えた方がまだ分かりやすくて良いのよ。(瞼から自分の手が穏やかに引き離されれば恋人の手を緩く握り返すも、鼻を啜り上げ子供染みた己を恥じる様に暫し視線を彷徨わせてから、1度視線を絡ませ相手の胸元へと顔を埋め。収まりの良い場所を探す様に幾度か身動ぎをした後瞼を閉じ、次第に寝息を立て)…ん、俺も気持ち良かったよ。次は……もうちょい素直になれる様に頑張る。おやすみ、雄太。愛してるよ。
好き勝手して欲しいって、随分と欲が少ないじゃないですか。俺にはコウくんしかいなくて、コウくんにも俺しかいないんだからやれることは何でもしてあげたいし、精一杯大切にしますわ。まあ尤も、好き勝手されたいって性壁なら別ですけど。──…ふっ、なーに泣いてるんすか。素直じゃねーのも可愛いっすけど、それで胸擽られてお終いって段階の浅い関係でもねーし、その内飾らねーコウくんを見して貰えりゃそりゃもう最高。(胸元へと顔を預けられれば背を摩り続けた儘微笑を溢し、眠りに就いた事を認めると相手の肩まで布団をしっかりと掛け。最後に額に口付けを贈ると己も瞼を伏せ)愛してますよ、コウくん。
スンマセン、連絡だけ良いっすか。(終電間際に上司から投げ掛けられた二軒目の誘いに断り切れず、酒気を帯びた息を密かに吐いてはスマホを取り出し『ごめん、今日帰れねぇかも。先に寝ててな、愛してるよ。』と送信しては気怠気な表情でネクタイを緩め、前方で待つ上司の元へと進み)
(喫煙所のソファーにて恋人からの連絡を確認しては、馴染みのある室内が写り込む様に自身を撮影し送信し。『僕ちゃん託児所に居るんで、たまには羽目を外して来てください。愛してますよ。』と送り、スマホをボトムのポケットへと仕舞い)
(恋人を担ぐ様にして帰宅を果たすと、普段の寝格好にすべく相手の衣服を脱がせて寝具へと横たえさせ。次いで己もパジャマへと着替えると相手の隣へと寝転び腕枕をし、唇へと口付けた後に穏やかな口調で語り掛けて双眸を伏せ)…酔ってるのにお迎えに来ちゃって…かーわい。ありがとうございます、嬉しかったですよ。明日明後日くらいちゃんと待てるんで、楽しんで来てくださいね。じゃあ絶対に蹴って寝てくださいね。おやすみなさい、愛してますよ。
…あー。またやった…。(自宅の寝室で目を覚ませば喫煙所からぷっつりと記憶がない事に盛大に顔を顰めては隣で眠る恋人を見遣り、額へと口付けを落とし。シャワーを浴びてラフなアロハシャツとデニムを纏い身支度を整えては愛猫を抱き上げ頬擦りしつつ寝室へ戻りベッドへと潜り込ませ)行ってきます、ゆっくり寝てくれな。愛してるよ。
…んー、ココちゃんおはよー…。(猫の甘い鳴き声で目覚めては、意識がはっきりしない中でも愛しさが湧き上がり抱き締め頬擦りをし。恋人の配慮である事は明白で笑いを溢しては、猫を抱いた状態でセルフィーを撮り『おはようございます。ココちゃんのお陰で熟睡でしたわ。お出掛け楽しんで来てくださいね。』と送った後に、猫を連れてパジャマの儘リビングへと向かい)さーて、ごはん食べようねー。
(久方振りの友人宅への外泊は楽しさこそあったものの自宅に帰りたい気持ちは拭えずに過ごし、漸く帰宅を果たせば深夜にも関わらずバタバタと玄関扉を開けうがい手洗いを済ませてから眉を下げつつ恋人と愛猫の姿を探すようにリビングへと進み)あー、ただいまぁ。
(猫を腹部へと載せソファーに横たえうたた寝をしているも、物音で目覚めては大きな欠伸を溢し恋人の姿を両目で捉えて。嬉しげに表情を綻ばせては、抱擁を求めるべく両腕を上げ寝起き特有の甘ったるい口調で)…んー…あ、コウくんだ。お帰りなさーい…えへへ、お出掛け楽しかったですか?
ん、楽しかった。雄太は良い子にしてた?お──あ、いや……やっぱやだ。(丸一日以上空けて漸く恋人の姿を捉えれば自ずと破顔し呼ばれるが儘に足を動かそうとするも友人からの助言を思い出しては、ふと思い留まり。柄にもない事を理解している故に暫し逡巡し落ち着きなく頭ごと視線を下げてから視線を相手へと戻せば、居心地の悪さを表情に残しつつ歯切れの悪い言葉で)…寂しかったから、雄太からハグして。つっても、会えなかったのは俺の都合なんだけど…。
楽しんで来たなら何よりっすわ。俺はねー…ココちゃんと遊んだり寝たり、模範的なお留守番をしてましたよん。(相変わらずの間延びした柔らかな口調で言葉を紡ぐも、その場を動かない相手を不思議そうに眺めては、ぎこちなく告げられた言葉に小さく笑いを溢し。眠った猫を起こさない様に上体を起こしてソファーへと載せると、相手の元に歩み寄り背中へと両手を回し穏やかな声色で)俺も寂しかったですよ。改めてお帰りなさい。
(相手の言葉に緩く頷きを返しつつも、耳聡く小さな笑声を鼓膜が拾えば居た堪れなくなり前言撤回しようかと思考を巡らせ再び視線を落としては口唇を立て。視界の上部に相手の爪先が映り込めば頼りなく下げた眉が乗る顔を上げ、背中に回る腕に応える様に腰へと両腕を回して力を込めながら相手の肩口に顎を乗せ)…ん、ごめんな。ただいま。
ごめんついで…っていうと言葉が悪ぃけど、雄太今日まだ起きてられそう?一個だけ相談つーか…ちょい話があって。眠けりゃ蹴って寝ちゃって構わないから無理だけはしないでな。
すんません、話しがあるっつー事なんでそっちだけまず聞いちゃっても良いっすかね。時間は楽勝なんすけど、本筋はまあ置きでもOKかなって思ったんで。何でも聞くんで、遠慮なく聞かしてくださいね。
(暫し与えられた抱擁に目を瞑り恋人の体温を確かめているも後頭部を撫でられたのを合図に相手が距離を取れば僅かなそれにすら不満気に上げた眉は次ぐ口付けに立ち直り。図星を刺されては視線を横へと逸らし再び逡巡して腰元から片手を話すとバツが悪そうに後頭部を掻き)まぁ楽しかったけど、お前といる方が楽しいわ。彼氏と過ごす時間が1番有意義だわな。……いつでも俺は素直ですけど。寂しかったのは事実だし…あとは、ダチにそーゆーのドンドン口に出せって言われた。
…ふっ、すげー甘い事言ってくれますね。嬉しいっすけど、コウくんのお友達すんませんって感じっすわ。でもってどんどん口に出せってのは正解。俺、求められれば求められるだけ喜ぶ馬鹿野郎なもんで。(相手のバツが悪そうな所作を双眸を細め眺めては、再び唇を啄んだ後に相手の手を引き寝室へと。寝具へと横たえると片手を伸ばし腕枕を用意しつつ手招きし)…さーて、きっと疲れてるでしょうから寝ましょうか。土産話は明日ゆっくり聞かせてくださいね。…おやすみなさい、愛してますよ。蹴って休んじゃってくださいね。
良いんだよ、恋人にダチが勝てる訳ねんだから。いつだって一番はお前のモンなのは今に始まった事じゃねぇし。…まぁ、徐々にな。徐々に…やっぱこんなん小っ恥ずかしくて似合わねぇし。(再度与えられた口付けに表情を軟化させては緩む恋人の表情を見つめる内に気恥ずかしさも溶けて消え。手を引かれる儘に寝室へと進めば大人しく用意された腕を枕にして寝具へと寝転がり、相手の腰に腕を回し瞼を閉じ)…ん、夜更かしさせちまったから雄太もゆっくり寝てくれな。おやすみ、愛してるよ。
(睡眠の摂り過ぎで頭が鈍く痛むのを感じつつ寝具を抜け出しバスルームへと向かっては、恋人の為との名目でバスタブに湯を張り丹念に肌のケアをしつつ時間を掛け入浴を終えた後に、ビッグシルエットのカットソーとハーフパンツを纏いリビングへと。扉を開けるなり足元へと駆け寄って来る猫を嬉しげに抱え上げては、恋人へと視線を向け)おはよーございます。昨日は良く寝れました?
(昼前に目覚め最低限身支度を整えてから自宅での緩やかな時間を楽しむべくソファーへと深々座り愛猫を膝に乗せ撫で遣りつつ、なんとはなしに流れる洋画を流し見て。膝上に動きを感じては小さな背中に置いた手を離し、足取りを追う様に視線を向ければその先にある恋人の姿に頬を緩め)おはよ、今日は思ってたより早起きじゃねぇの。…ん、そこそこ寝た。やっぱ家のベッドは落ち着くわ。
ウケる、普通昼過ぎに起きてる時点で寝坊助なのに。俺の期待値の低さっすよ。…あーでも、誰かさんが2日間も居なかったし、その前の日も酔っ払ってたから一緒に居たいって思って頑張って起きましたよ。ちゃんと褒めてください。(猫へと頬擦りをし戯れるも、再び視線を相手へと移しては拗ねた振りをし頬を膨らませつつ隣へと。毒気のない甘ったれた口調で責める言葉を並べた後に猫を床へと下ろしては、打って変わって肩を抱き締め頬を擦り寄せ懐き)ベッドじゃなくて隣にゆーくんが居たからっすよ。…んー、好き。すげー久々な気がしますね。
ふ、だぁって雄太が起きてくるの大抵夕方だと思ってるし。…そーゆー事急に言うのは可愛い過ぎるから狡ぃわ。でも生憎、んな事言わなくても今日は甘やかして可愛がるって決めてたんだわ。(愛猫と戯れる恋人の姿に悪びれる素振りもなく、くつくつと喉を鳴らししつつこちらへと歩み寄る姿に自然と片手を伸ばしては相手の前腕をするりと撫で。甘い口調で告げられた言葉に堪らず照れ隠しで眉を寄せるも隣に並んだ腰に片腕を回し、もう一方の手で緩やかに寄せられた頭を撫でて)違いねぇなぁ…もうお前無しじゃまともに安眠と出来ねぇわ。ん、ゆっくり話すのなんだかんだ久々な気がするな。本当はそんな事ねぇんだろーけどさぁ。
大正解なんすけど、夏休みに入ってからしこたま寝てるんでまあまあ太陽が営業してる時間にも起きれる様になったんすわ。…ふっ、甘やかしてくれるつもりだったなんて、やっぱ俺が駄々捏ねるのは想定済みでした?デキる彼氏だなぁ。(数日振りに確りと見る端正な横顔に仄かに心臓を高鳴らせては、髪を撫でる手に心地良さそうに双眸を伏せ寛ぎ。密着具合に満足出来ず徐に相手の膝元へと跨ると、首裏へと腕を回し唇を幾度か啄んだ後に穏やかな口調にて)俺も同じ。広いベッドなんて快適以外の何でもない筈なのにねぇ…不思議と寝付きが良く無かったんすよ。そう言えば埋め合わせのお約束が未だっすわ。俺早くアロハ着たいっす。
お、マジ?そりゃ俺としちゃあ嬉しい話だけど…つっても睡眠大好き人間だろ。無理すんなよ。…ハッ、ある程度の想定はしてたけど、どっちかっつーと俺がしてぇの。雄太がデレデレしてる顔大好きなの知ってるっしょ?(柔らかな髪を撫でながら満足気に息を吐くも、不意に膝へと相手の体重が掛かればより確りとその存在を感じ。啄まれる唇でお返しとばかりに僅かな吸引音を溢しては相手の首筋に額を擦り付け)ハハ、そんなら毎朝ココを布団中に案内してやってから仕事に行かねぇと心苦しくてしゃーないなぁ。あぁ、そっか…んじゃ揃いのアロハ着てデートしよ。夏真っ盛りだし海でもナイトプールでも…手持ち花火とかも良いなぁ。
んーん、ロングスリーパーも早死にするらしいんで、起きれる時はちゃんと起きてコウくんとイチャイチャしときます。やっぱりダーリンと一緒に長生きしたいもんで。…ん、コウくんがしたいならしゃーなし、デレデレしますわ。特別ですよん。(唇を柔く吸い上げられれば短く鼻腔から甘い声を溢し、くすくすと笑いつつ尊大な冗句を紡ぎ。首元へと寄せられた頭を抱き締めては、緩やかな手付きで撫でて)ウケる、1回寝たら朝まで爆睡なんで大丈夫っすわぁ。…ん、じゃあ花火が良いっす。ナイトプールも行きたいっすけど、今はコウくんを2人切りで独占したいんすよ。
ハハ、そりゃ勿論俺もおんなじ気持ちだけど、酒かっ喰らってパカパカヤニ吸ってた俺らが長生きしたいだなんて贅沢言うようになるとはなぁ。…ふ、何言ってんの。俺以上に特別な奴なんて居ねぇんだから寧ろ当たり前ってなモンだろ。(離れた唇から飛び出す相手の冗句に肩を揺らし、平素の相手を揶揄するかの如く唇をニヤつかせ。頭を緩く撫でられれば自ずと自分の視線を伸び始めた髪へ向ける様に動かし)あらやだ、ウチのお姫様の添い寝じゃご不満?…可愛い理由だ事。そんなん言われりゃ勿論オッケー、手持ち花火しこたま買い込んで遊ぼっか。…それまでに髪切るかな、そろそろうざってぇわ。
それな。楽しく不健康に過ごしてサクッと**りゃ最高だと思ってたんすけど、本気で好きな恋人が出来るとこうも人生観って変わるモンなんすねぇ。…あっは、確かに。俺のこーんな顔を見るのは後にも先にもコウくんだけっすわ。でもデレデレしてる時が、どんな時よりも1番楽で心地良いんです。──お姫様の添い寝は最高っすよ。只、トイレ行きたくなったら可哀想だなぁって。やった、花火とか大分久々っすわ。…あーでも花火ならアロハも良いけど、コウくんの浴衣姿も見たいし…んー、選べない。悩ましい。お、イメチェンですか?結構伸びたから前言ってたソフトモヒカン以外もいけるかもっすね。(相手の言葉に髪へと視線を移しては、指で梳く様に撫でて表情を緩め。触り心地が随分と変わった刈り上げ部分を掌で撫でて弄んでは、反応を窺う様に視線を表情へと移し)
分かるわ、その時その時で今が楽しけりゃそれで良いと思ってたから未来の事なんざミリ程も考えて来なかったけど…雄太とだけは別。考えずには居らんねぇわ。…ハハ、最高の殺し文句。でも同感だわ、俺もお前を甘やかして可愛がってる時がなんだかんだで1番気楽だし小難しい事考えずにらしく生きてられる。──フハ、それは大丈夫っしょ。ココったら結構気まぐれだし、抜けたい時ゃ勝手に抜けて勝手に戻ってくるよ。花火テンション上がんだよなぁ。…にしてもバカップルな悩みだわ。んじゃそれとは別に浴衣デートすりゃ良いんじゃね?今みてぇにあっつい時より少し落ち着いてきた頃に浴衣着て出掛けんの粋じゃん。…そ、もう暫く掛けてねぇからパーマ掛けても良いし、髪色明るくしても良いわな。雄太はどんなんが良い?(瞬きをしながら上げていた視線を元に戻し、自分へと注視する相手へと言外に相手好みの髪型にするつもりの旨を伝えるべく頬に唇を触れさせては企む様な笑みで眉を上げ、小さく首を傾げ)
まあコウくんに健康的な生活を送って貰ってるのは、今まで通り酒と煙草と女に浸った生活をされたら俺が嫉妬するからってのが1番デケーんですけど。…ふっ、そう思って貰えるならヒモのし甲斐もあるってなモンですよ。このペットと同格で居られる心地、最高過ぎますわ。──ん、ココちゃんが大丈夫なら、じゃあ一緒に寝て貰います。でもって折角の夏休みだし、何回かはコウくんより先に起きて弁当作るっつーのが裏目標なんすわ。やったー、じゃあ浴衣デートもしましょ。折角だし昼間の沢山写真が撮れる時間帯に行きましょうか。──んー…コウくんの新しい髪型はねぇ…今みたいにあんまりチャラくない髪型なら何でも嬉しいっすわ。顔が好きだからどんな髪型であれ愛せるんすよ。寧ろお楽しみでイメチェン後に会った時にドキドキしたいっす。(嬉しげに頬への口付けを享受し、首を傾げる所作を愛しげに眺めては両手で相手の頬を包み込みながら本心を告げた後に首を傾け唇を啄み。イチャイチャと身を寄せつつ甘ったるい口調で呟くは)じゃあ俺も同じ日にイメチェンしよーっと。
あら、女は兎も角酒とタバコにまで嫉妬するヤキモチ焼きになっちまったの?ふ、アイツらに俺がうつつ抜かしてると満足にキスが出来ねぇからかしら。…そりゃね。ヒモで犬っころで俺の可愛い可愛い恋人で…良いモン全部お前が持ってってるから俺の最高の癒しになんのは必然じゃん。その分思いっきり噛み締めてくれりゃあ良いよ。──ハハ、最っ高の裏目標じゃん。じゃあ弁当作っちまう前にお知らせしとこ。俺盆休みズラしてるから今週は仕事だけどその分9月の頭は連休。ワンチャン夏休み最後の方だったりする?…お、良いねぇ。写真撮りまくってアルバムのページ増やそっか。夏の思い出にゃピッタリだわ。──…チャラくないって、そりゃまた随分と難しい事言うわぁ。顔が派手な分すーぐチャラさが出ちまうんだよなぁ。まぁでもご期待に添えるように善処しまぁす。(再び唇を啄んでくる相手のそれを軽く舐め上げれば伝わる柔らかさに込み上げる歯列を立てたい気持ちを抑えては代わりに緩む口元を堪えるように己の口唇を食み。次ぐ甘い声音には相手の顔横の髪を一房掬い上げ、耳へと掛けるように梳き)今のも可愛いけどなぁ…。ま、一緒にイメチェンするの楽しかったし捨てがたい所だわ。
ん、俺と一緒に飲んだり吸ったりしねー嗜好品は嫉妬の対象なの。…って、自分で言っときながらヤベー奴。流石に今のは盛って言いましたわ。──コウくんの愛を日々貰って、しっかも程良い外出以外はグータラして、間違いなく俺が世界一の幸せ者ですよ。…ありっ、もしかして明日仕事ですか?それならそろそろベッドにご案内しねーと。9月いっぱいは夏休みの筈なんで、多少バイト入るかもっすけど、じゃあ又イチャイチャチャンスっすね。やった。…えへっ、コウくんがアルバム気にしてくれたのすげー幸せ。旅館の時の浴衣でさえ好み過ぎたんで、ガチの浴衣とかきっとやべーっすわ。それだけで全頁埋める勢いっすよ。──…我儘なのは自覚済みっすけど、全くチャラくないのも寂しいし…んー、結論、コウくんに似合うなら何でも良しっすわ。…ん、(唇に舌先が触れれば疼く様な感覚が走り喉元から短く声を溢し、薄く目を開き物足りな気に眼を揺らし。髪へと触れられればはにかむ様に顎を引き微笑を刻み、絆された切った柔い口調をした後に手を握り緩慢に立ち上がり、寝室へと足を向け)コウくんがこの儘が良いってならそうしますわ。…もし変えるならAW近いしダークトーンか、学生の内に馬鹿やっとくかでハウルみてーな髪にしようかって思ってたんすけど、如何でしょ。…さーて、ベッドに行っておきましょうか。
フハ…そこではぐらかさずに素直に言ってくれりゃあ俺はもう千切れんばかりに尻尾振ってやんだけど、どうかしら?まぁそれでなくともご存知の通り、ぶん回してる訳だけど。──ハッ、グータラが俺の愛情と並び立つのはちょーっと妬けますけどぉ。でも残念、仕事から帰って来ればこんなに可愛い子が家で待ってる俺の方が世界一。…そ、さすがに部署全員まるっとは休めねぇんでな。でも9月は大分余裕出るはずだし雄太の夏休みが続いてるんならガシガシ休み取るわ。…だぁってめちゃくちゃ嬉しかったし。俺との未来を考えてくれてたってだけでいじらしくて堪んない。でも俺も今回はめちゃくちゃ撮るからな、いっつも俺の写真ばっかじゃつまんねぇもん。──ま、例えチャラくても帰る元はもう決まってるんで。雄太が連れ歩いても恥ずかしくねぇ位には仕上げておかねぇと。(僅か鼓膜を揺らした声に更に欲が煽られるも自身を慮る恋人の言葉を思い出しては歪む口元を引き締めて事なきを得。恥じらう様な笑みを向けられれば胸が締め付けられる愛おしさに自然と眉根を寄せつつ子供の染みた口調で願望を主張しながら手を引かれる儘に寝室へ進み、暑さから逃げる様に衣服を脱いでから布団に倒れ込み、恋人へと緩く両手を広げながら次第に微睡み)なんだって可愛いけどさぁ。理由が理由だったから俺のモンって感じがして好きよ。…でも、変えるならハウルみてぇなの。ダークトーンなんかこの先たくさん見る機会あるしな、今の雄太をたくさん見ておきてぇわ。──ん、今日も遅くまであんがと。おやすみ、愛してるよ。蹴ってゆっくり寝てくれよな。
…うー…コウくんが尻尾振ってくれるっつーなら一丁やべー奴認めるのも悪くねぇかなぁ…。でも妬ける一方で良い感じにガス抜きしてくれてるっつーのは安心要素でもあるし…。──だって他の学生達が必死こいてデート代稼いでる時に、俺は家でコウくんの事だけ考えて顔面だの身体だの磨いてりゃ良いのはマジで幸せなんですもん。わー、連休中に仕事なら大変でしょうに、先に気付かなくてすんません。俺もバイトそこそこ休めそうなんで、じゃあ9月は夏の思い出を作り捲りましょうか。…ふっ、お互いがお互いの写真欲しいんすね。じゃあ2人で沢山撮りましょ。コンパクトになる三脚でも用意しておくんで。──ん、コウくんは絶対に俺の所に帰って来てくれるって信頼してるんで大丈夫ですよ。尤も逆ナンにでも遭ったら番犬のゆーくんが吠えてでも威嚇しますけど。…あっは、ハウルを選ばれましたか。これはね、学生云々は体裁上の言い訳で、本当はコウくんに首を好きにアレコレして欲しくて出先で隠すための毛なんですよ。首輪も勿論着けますけど、もーっと愛して欲しくて。(寝室へと辿り着くと寝巻きへと着替え、己の為に用意された特等席へと嬉々として横たえ片手を相手の背へと回し眠りに就くまで撫で続け。寝息が聞こえて来たところで額、鼻先、唇へと口付けを贈ると己も瞼を伏せ)俺こそ、幸せな時間をありがとうございます。愛してますよ、おやすみなさい。
(幾許かの残業を終えては早々に会社を後にし、帰路を歩行く中で茹だる様な気温と湿度の高さに自然に湧き出す朝に低く唸り声を上げつつも歩く速度は変わらず。自宅へと着けば迅る気持ちを抑えながら手洗いうがいを済ませ、いの一番にリビングへ進み、言葉とは裏腹に気怠さ等吹き飛んだ意気揚々とした声音で)ただいまぁ。今日めちゃくちゃ暑かったけど大丈夫だった?浩二クンは帰り道だけで汗やっべぇけど。
…あ、コウくんだ。やった、やっと帰って来たぞ。(ソファーに腰掛け出前で注文したハンバーガーセットのポテトを食しつつテレビを眺めているも、恋人が帰宅すれば表情を綻ばせ慌ててティッシュで指先に付いた油分を拭い。扉が開くなり勢い良く立ち上がり駆け寄って相手に抱き付くと、くすくすと笑いを零しつつ相手の額に滲んだ汗を指先で拭った後に、一層強く抱き締め直し)おかえりなさーい、待ってましたよん。俺はヒモらしく家から一歩も出ずにエアコンと仲良くしてたんで楽勝っすわ。コウくんは帰り道大変でしたねー、可哀相に。…えへっ、でももーっとぎゅーして暑くしてやるー。
(エアコンから送り出される空気に表面温度が下げられていく心地の良さに息吐く暇もなく恋人の腕が身体に回れば最初こそ冷風に晒されていた肌は冷たかったものの自らの体温が移り、次第に生温いじっとりとした質感に変わるも不思議と不快感はなく。汗ばんだ肌を触られる不快感より相手の指に己の汗が付着する事を忌避し、優しく額の汗を拭い取るから逃げるように小さく首筋を揺らすも逃がさないとでも言いたいように一層強く抱きしめる腕に最終的には笑いが溢れ、戯けた口調になり)お、良いじゃねぇの。ヒモ特権って奴だなぁ…家から会社までの道中だけがマージで地獄。──フハ、ちょっとぉ。浩二クン汗臭いって言われたらショックだからやめて下さぁい。…それとも脱がしてくれんのかしらぁ。
しかもウーバーでマック頼んじゃいました。マジセレブっすわ。確かに、この天気じゃ出退勤だけで疲れちゃいますよねぇ。可哀相に…お疲れ様でした。…ふっ、脱がせた方が良いです?コウくんは汗臭いとは無縁ですけど、でもリクエストされたならお応えするしかないっすわな。(恋人の体温が己へと分け与えられる感覚に心地良さを覚え、肩口へと顎を載せつつ待ち侘びた気持ちを満たす様に暫し瞼を伏せ。告げられた言葉に小さく笑いを零しては、抱き締めていた手を緩め悪戯な表情で相手の眼を覗き込み。緩慢にネクタイへと手を掛けると勿体ぶる様な所作で外しつつ、隙を窺い唇を奪い間髪入れず角度を変え啄み)
あら、マック食えるくらいの体調なら安心したわ。俺のかわい子チャンが元気ならそれで充分満足だし。──そーよ。仕事頑張ってきた俺は偉ぇっしょ?そんな俺の些細なリクエストくらい聞いて貰ったってバチは当らねぇもんねぇ。(愉快気に目を細めこちらを覗き込む視線に張り合う様に悪戯な表情を浮かべては喉を揺らしほくそ笑みながら小さく短い笑声を幾度か漏らしているも、不意に唇を落されれば静かに唇を非対称に歪め)
マージでごめん、ガッツリ寝てたわ。申し訳ねぇけど起きにさせてくれな。んで時間も時間だから雄太も寝てくれてると嬉しいわ。明日はもうちょい余裕あると思うから、大目に見てくれな。
この前コウくんとごはん食べてから大分食える様に回復しましたわ。結構腹の肉が減っちゃったから、デブ活しなきゃなんすよ。──ん、今日もお仕事頑張ってすげー偉いっすわ。元々はぎゅーってして癒すつもりだったのに、本当に脱がせちゃって良いんですか?(唇を開放し相手の不敵な表情を認めては穏やかに目を細め、ネクタイを襟から抜き取った後にシャツのボタンを2つ外すに留め。再度肩を抱きつつ後頭部へと手を回しては、相手の疲れを癒したい一心で柔な口調と手付きで髪を撫で)いーこいーこ、コウくんが皆から頼られる存在で俺も誇らしいですよ。俺の自慢の彼氏っすわ。…お疲れの日は目一杯俺に甘えてくださいね。コウくんの役に立てる事が俺の何よりの喜びですから。
おはようございまーす。…なーんて、一回寝たら朝まで爆睡して貰わなきゃメッ、ですよ。暑いだけで体力奪われるでしょうし、体が慣れるまでは特に大変でしょうから、ヒモのお相手は二の次で大丈夫なんでちゃんと休んでくださいね。いっつもお気遣いありがとうございます。置きでも仕切り直しでも大丈夫なんで、ちゃんと朝まで休んでください。おやすみなさい、コウくん。愛してますよ。
ふ、そーね。柔っこい雄太腹が1番好きよ、俺。可愛くってキスしたくなるし、美味そうだから齧りたくなんの。だからもうちょい一緒に飯食うタイミングでも増やそっか。──だぁって、あっちぃんだもん。それとも、自分が脱がせた相手に風呂に連れ込まれるのはお嫌いかしら?(子供染みた口調で冗談めかした言葉は再度髪を撫でられれば途端に止み、耳元を相手の首筋に擦り付ける様に視線を外へと向けつつ優しいその感触を味わうべく腕を恋人の腰へ回し)…ん。最近色々バタバタしてたから、ちっとだけ疲れた。まぁでも今満たされてるから平気、雄太が居りゃあ大抵の事は大丈夫だわ。
…ん、コウくんに愛される為なら幾らでも太りますよ。キスして貰えるって想像しただけでもこんなに胸が高鳴るんですから、早く太りたくてしゃーないっすわ。…夏バテで1日1キロずつ減ってったんで、頑張らないと。でもコウくんにあーんして貰ったら幾らでも食えそうなんで、回らないお寿司とか和牛の鉄板焼きとか行きましょー。──…ふっ、このスケベ小僧がお風呂嫌いな訳ないじゃないっすか。大好物っすわ。俺がお背中しっかり流して差し上げますよ。(相手が素直に己に身を傾ければ日頃の疲労を推し量り、胸が締め付けられる思いを堪えつつ微笑を刻み暫し髪を撫で続け。徐に体を離し頬へと口付けを贈ると、笑みを深めソファーを指差した後にバスルームへと向かい)…ん、よく頑張りました。スーパーマンでも疲れる日はありますわなぁ。今頑張った分は必ず後から返って来るんで、楽しみですね。…じゃあお風呂入れて来るんで、座って休んでてください。コウくんの分のてりやきバーガーありますよん。
ハハ、太れって言われんのって人によっちゃあめちゃくちゃ嫌がるだろーし、今のまんまでもこれでもかって位キスするんだけどなぁ。…そんなに減ってたのかよ、嫌だわぁ。俺のかわい子が消えて無くなっちゃう。回復する為にイイモン食お、寿司も肉も良いし鰻とかでも良いなぁ。──…後から、ねぇ。ふ、まぁ雄太とココにもっと良い生活させてやる為って考えりゃあ良っか。ガシガシ出世してやるわ。…ん、あんがと。適当で良いから早く戻っといでなぁ。(漫然と宙を眺めながら髪を撫でる手がゆっくりと動くのに神経を集中させるも、その手が離れる予感に不満気に顔を上げ。変わりに与えられた口付けを享受しては一先ず溜飲を下し、バスルームへと向かう姿を見送るとソファーへと腰を預け用意された食事を摂り)
俺はコウくんに命預ける覚悟だからいーの。それにこれからずっとお兄さんにしか愛されるつもりはないんで、世間の好みを気にする必要はないっすわなぁ。…ふっ、じゃあ沢山お風呂でキスしてください。──…あー、鰻も食いたいっす。精力付きそうだから変なとこ元気になっちゃうかもしんねーけど。でも今までの食欲が一気に回復しそうっすわ。(バスルームへと辿り着くと浴槽を丁寧に清掃した後に湯を張り始め、収納棚を漁り時折己が使用するラベンダーの香りのバスソルトを入れた後にリビングへと戻り。相手の隣へと腰を下ろすと色気を振り撒く様に薄い笑みを浮かべつつ、片手を背へと回しもう一方の手で相手のシャツのボタンを外していき)さ、お風呂の準備が出来ましたよ、旦那サマ。
ハハ、命って…そりゃまた随分とデカく出たなぁ。まぁでもこないだも一緒の墓入る前提でお互い話してたし、そのつもりじゃなきゃあんな事言わないもんな。…ふ、仰せの儘に。可愛いお強請りする様になったわ。──やっぱ夏バテしてんだから精力付けなきゃだろ?それに変な所元気になったとして困る事もねぇじゃん、俺が居ますし?(てりやきバーガーを些か早めのペースで食べ進め、腹を満たせば口端に付着したソースを舐め取りながら戻ってきた恋人を見遣れば、背を支えられながら艶めかしく外される留め具にくつくつと喉を鳴らしては相手の額に唇を触れさせ)…フハ、ありがと。良い子だわぁ。
ええ、馬鹿みたいな表現ですけど本気ですよ。ずっと居るのはコウくんじゃなきゃ嫌なの。…つか、サラッとお互いって言ってくれるんだもんなぁ。イケメン過ぎて敵いませんわ。──俺お店で鰻食った事ないんで、すげー楽しみっすわ。…あっは、じゃあ鰻食べた後にホテル行きましょー。ってのは半分嘘ですけど、俺田崎ホテル以外あんまり行った事ないんで行ってみたいです。(笑いを溢す相手につられて己も肩を揺らしては、ボタンを外し終えた後に肩口から布を下ろし脱がせて。ベルトへと手を掛けバックルを外し、ボトムの留め具とファスナーを下ろしては手早く己のトップスを脱ぎ、相手の手を握り立ち上がり再びバスルームへと向かい)…ふっ、良い子って褒めて貰えたんで、じゃあNHKでギリギリ放送出来そうなところまで脱がせておきます。さて、行きましょうか。
あら、熱烈。でもそりゃ俺も一緒で雄太以外と一生過ごすんなら早々にぽっくりいった方がマシよ。…だぁって、俺がそう思ってるのある程度お前だって分かんなきゃ口には出さないだろ。んで、言いたい事はどんどん言うって決めたのよ、俺。──鰻重とかも勿論好きなんだけどさぁ、俺鰻巻きがめちゃくちゃ好きなのよね。多分卵料理が大抵好き。…あら、エッチ。でも俺ホテルのあの感じ好きなんだよな、ベッド広くて風呂も広いから快適。だからんな事言うとマジで連れて行きますけど?(揶揄する様に中途半端に脱がされた己のスーツに口唇を立てつつ、手を引かれる儘浴室へと進めばシャツとスラックスを洗濯機に放り投げ、下着も脱ぎ去り)…あらやだ、健全。どーせ脱ぐんだからお子様は見れねえってのに。
コウくんなら俺より良い人なんて山程居るでしょうに、勿体無い。…んーん、お墓の件はまさかお花畑脳の俺の発想にコウくんが乗ってくれるなんて思ってませんでしたわ。たからすげー嬉しかったし、やっぱり俺にはこの人しか居ないって思いましたよ。でもって言いたい事はどんどん言うねぇ…どんな事が聞けるのか楽しみっすわ。──あー、鰻巻き。俺ママの作った奴しか食った事ないっすわ。ちゃんとしたの食べてみたいなぁ。つか卵好きって可愛い。コウくんオムライスも好きですもんね。…ふっ、沢山泊まった事あるコウくんの方がエッチっすわぁ。何なら俺なんてネカフェで憔悴するまでダチとゲームして、致し方なくホテルに泊まるとかの使い方ですし。だからマジで連れて行ってください。ゆーくんプールとか岩盤浴とか露天風呂があるリッチなとこに行きたいです。(脱衣所へと着くなり大胆に脱ぎ始める恋人に思わず笑いを溢しては、さり気無く視線を外しつつ腰にタオルを巻いた後にボトムと下着を脱ぎ浴室へと。軽くシャワーで体を流すとしっかりと湯の溜まった浴槽の隅へと入り、手を広げ相手を待ち)あっは、男前な脱ぎっぷりだなぁ。早く来ーて。
居ねぇから言ってんのよ。お前視点でどう見えようが俺の目に映るのは雄太だけなんだからしゃーないじゃん。…そりゃ、だって正直…雄太とは一緒の墓入るもんだと自然と思ってたから。疑う余地なかったっつーかさぁ。──お、マジ?お袋さん鰻巻き作ってくれんの羨ましいわ。良いな、雄太のお袋さん料理上手そうで。オムライスも卵焼きも煮卵も好き。…あらやだ、生活圏と分けてるだけお行儀良いでしょ?俺も娯楽重視の所は行った事ねぇなぁ。場所によってはテニス出来たりするらしいじゃん、それはそれで楽しいよなぁ。(腰元に律儀にもタオルを巻く恋人に片眉をあげるも然程気にせず浴室へ足を踏み入れ、鼻腔を擽るラベンダーの香りに心を落ち着けては小さく息を溢してから掛け湯をし、相手と対面になるように湯船に浸かっては広げられた手を握り)…あー、めっちゃ良い匂い。疲れとれそうだわ。
俺の目から見たらねぇ、コウくんはスタイル良くて美人で賢くてお金持ちなお嬢様とかと釣り合いそうっすよ。…ふっ、それなのに真逆の俺が良いって言うの。正に可哀想で愛しいっすわ。──…もう、不意打ちでそう言う俺の心臓をぶち抜く様な事を言うんだから。素直なコウくんの威力パネェ。…鰻巻きは所詮夕食の余り物を弁当のおかずにした結果ですわ。あー、煮卵美味いっすよねー。じゃあ今度仕込んでおきますわ。ふっ、テニスコート付きのはやべー。どんだけ広いんすかね。でもそんな感じのトコに行って遊びたいんすよ。(恋人が対面側へと座れば畳んだ脚同士が距離を隔てている感覚に陥り、背中を己へと向ける様に促すべく水面を軽く叩き)癒しのラベンダーの香りなんで。…んー、でももっと密着したいです。こっちにカモン。
今日も遅くまでありがとうございます。疲れてるでしょうから、お願いですから蹴って休んじゃってくださいね。おやすみなさい、愛してますよ。
ごめんな、んじゃ言葉に甘えて本筋は明日にさせて貰うわ。今日も遅くまでありがとうな、明日は休みだからその分ダラダラ出来るはずだし、雄太の余裕がある範囲で構わせてな。おやすみ、愛してるよ。
お生憎様、そんな子連れてりゃ精々俺の毒牙にかかって騙されてるようにしか見えねぇって分かってんよ。その点、うちの恋人ったら真逆だから、なんの心配も要らねぇっしょ?お前を隣に置いてるだけで可哀想とは無縁なのよ。──…つってもそんなときめくような事言ってなくね?考え無しっつーか、思慮不足っつーか。…でも鰻巻きが入った弁当とかテンション上がるじゃん。ウチのお袋が作る弁当なんかほぼサンドイッチだったし。おっやった、サンキュー。そんじゃ煮卵出来たらツマミにしよっと。いーよ、遊びに行こっか。俺も割と仕事余裕出てくるはずだし、雄太が好きな時に連れてってやんよ。(小さな水飛沫を上げて揺れる水面にくつくつと喉を鳴らすと、恋人の手に指を絡めては軽く引いては水面下で胡座をかいて座り直し)ふ、態々入浴剤入れてくれたのね。ありがと。…俺がそっち行くとちゅーしづらいからヤダ。雄太が俺の膝の上おいで。
あっは、俺も随分と恋人に影響されてるねって言われたんだけどなぁ。けど、少なからずお嬢様達よりもコウくんを楽しませるってお約束しますよん。──…だーって、ずっと一緒だよって言われるよりも更にガチで考えてくれてる感じがするじゃないですか。俺からしたら最強の殺し文句っすわ。…わー、ランチにサンドイッチとかスゲーお洒落。俺もそう言うのを食いたかったなぁ。…お、仕事余裕出そうなんすね。それなら良かった。じゃあ落ち着いたら行きましょうか。──ん、コウくんの疲れがちょっとでも取れる様に入れておきましたよ。…ふっ、マジで有言実行の男っすね。じゃあ沢山キスしたら膝の上にお邪魔します。(律儀に約束を守ろうとする恋人に愛しさが溢れくすくすと笑いを溢しては、絡められた指を握り返しその場で膝立ちの姿勢となり、相手の膝に手を突き双眸を伏せながら顔を寄せ小さく音を立てて唇を啄み)
ふ、そりゃ付き合う前からお前に悪影響ばっか与えてたから。雄太は俺が連れ歩いても騙されてるってより一緒に悪巧みしてる位に見えるのが良いのよ、2人でニヤニヤしてさぁ…最高だろ?──ハハ、まぁ雄太にだけぶっ刺されば上々。あんま確証のねぇ事本当は言いたかねんだけどな、お前の前ではつい願望が口に出ちまうのよ。止められねぇし、止める気もねぇわ。…そうかぁ?俺おにぎりとかのが食いたかった学生時代よ。つって他人の握った飯ちょい苦手だからあんま食う機会も無かったし。…ん、来週踏ん張れば後は大分楽なはずよ。そん時にゃあ埋め合わせもするし、ラブホにも連れ込んで…嫌だわ、爛れた夏の始まりってなモンだな。──フハ、雄太が居ればそれだけで極上だってのに。でも余計に色っぽく感じるから悪かねぇわ。…そりゃね、かわい子ちゃんとのお約束ですし?…ン(笑声混じりの声に気をよくしては間近に迫る恋人の顔にゆっくりと瞼を閉じ、迎え入れる様に軽く顎を上げて柔らかな唇の感触と浴室に響く微かな水音に触発され、相手の首裏に片腕を回して小さく息を溢し)
ははっ、側から見りゃガキ大将と子分みたいなモンかもしれないっすねぇ。実際はお互い随分と良い子ちゃんになりましたもんね、俺等。正に最高の関係じゃないっすか。──…ふっ、おにぎり食いたいとかすげー可愛い。手で握ったやつ苦手な人って多いですよねぇ…じゃあ、型でも使っておにぎり弁当でも作ろうかな。勿論卵焼きも入れて。…来週まで忙しいんすねぇ。猛暑日の中大変だー。疲れた体に鰻なんてベストでしょうし、じゃあその時に埋め合わせお願いしますわ。──あら、俺なんかを極上だなんて言ってくれるだなんて嬉しい。コウくんの安眠の為にと思ってラベンダーにしたんだけどなぁ…ちゃんと寝かせれるか自信ないっすわぁ。(深い口付けを求めるかの様に首裏へと腕を回されれば堪らない感情が溢れ生唾を嚥下し、些か強引にも舌先で相手の唇の隙間を割ると態とらしく水音を響かせつつ舌を絡め。直ぐに顔を離し薄く目を開くと悪戯な口調をした後に再び双眸を伏せ、舌先で相手の下唇をなぞり)…あ、いっけね。そう言やコウくんが沢山ちゅーしてくれるんでしたね。お願いしよーっと。
お互いの影響でなんだかんだいい子チャンしてるもんなぁ。俺も雄太も、多分1人のまんまじゃこんなに更生しなかったし俺なんかは他の誰かだったらきっと今も遊んでるし。収まる所に収まったっつー感じあるわ。──あぁ、いや雄太のは全然平気。つか、無理だったらお前の飯なんも食えねぇ位極端に無理なのよ、俺。だから愛情込めて握ってくれた弁当楽しみにしてるわ。…まぁ色々な、年末の事とかをもう決める段取りになってるから。でも終わりゃあめちゃくちゃ楽しみある訳だし余裕。応援しといて。──そりゃそーでしょ。俺のとびっきりの癒しなんだから。…つって、ゆるゆるすんのだけが俺の癒しじゃねぇのも知ってんだろ?──、…あら、いーのぉ?生殺しだから好き勝手するけど。(身体を包む湯のせいか、響く水音と口内を弄る恋人の舌のせいか、自ずと体温が上昇するのを感じては僅か眉間を寄せ。次いで投げられた悪戯な言葉に一瞬間を置くも舐められた唇が下卑た笑みを浮かべれば再び相手の唇へと重ね、強めに甘噛みをしてから押し入る様に舌を進め上顎を舐め上げ)
今やコウくんが浮気してる姿なんて全く想像出来ないっすわ。頼もしくて格好良い俺の彼氏でー、ココちゃんのパパでー…って、ココちゃんとも一緒に住んでなかったのか。やっぱ想像できねー…。──コウくんが他人のご飯食べれないのは伝説のチョコのせいなんでしゃーないっすよ。やった、じゃあ愛情込めて一生懸命握りますね。野郎の手で握るから多分すげーデカくなるんで、楽しみにしててください。…ほっ、もう年末の事してるんすね。でもそっか、クリスマスとかすげー力入ってるイメージありますわ。応援してますね。──…ふっ、コウくんに好き勝手されるの大好きですよ。征服されたいんですもん、ドMだから。──…ふ、ぅ……っ、(唇へ甘噛みと言うには幾分か刺激の強い痛みが走れば、全身に高揚が走り身体を小さく跳ねさせ切ない吐息を溢し。舌を捻じ込まれれば強引に口内を掻き乱される妄想が脳裏を過り再び身体を震わせるも、反して焦ったい刺激のみが与えられれば痺れを切らし、相手をその気にさせようと水音を響かせつつ舌を絡め口腔を貪り)
今更浮気なんかしねぇわなぁ。ココと雄太が居るから早く帰りてぇってそればっか。…ふ、1人ん時はマジで家は偶に寝るだけの場所だったから、居心地悪くて嫌いだったのよ。──マジ?昼飯めちゃくちゃ食う俺にゃピッタリじゃねぇの。デカいおにぎり社食で自慢気に食うわ。…そ、やっぱこのご時世なかなかテコ入れしねぇとコフレとかは厳しくなるだろーからなぁ。応援してくれんなら一丁頭捻って頑張りますかね。──ハハ、最高。俺が仕込んだドMがこの世で1番可愛いわ。(相手身体が痛みに溢した僅かな反応すら水中では波紋となり湯船から覗く体の淵に如実に伝わり。首裏へと回した腕を背中伝いに緩やかに腰のタオルまで下ろしては引き寄せる様に力を込めつつ自分の口内で暴れる舌を窘めるべく中央をなぞり上げてから音を立てて吸い付き)
…偶に寝るって、そんなに毎日遊んでたんですか?やーだ不健康っすわぁ。つか妬ける。──マージです。でも皆が温かくて美味しいご飯食べてる時におにぎりって可哀想な気もしますわ。大丈夫です?…あー、また冬にウィルスが流行るだの何だの言われてますもんねぇ。けどコウくんが仕切るなら安泰でしょうなぁ。じゃあゆーくんはお家のクリスマスの事を今から頑張って考えておきますね。──…んンッ……はっ…。(背筋へと指先が這えばぞくぞくとした感覚が走り、塞がれた唇の隙間から震えた呼気を溢し。引き寄せられる力にさえ高揚を覚えては、媚びる様に相手の手へと腰を擦り付け。生々しく反響する口付けの音と身動ぐ度に生じる水の音に逆上せる程の痺れを脳に感じては、吸い付かれた舌を引き抜き微かに息を乱しつつ口腔へと溜まった唾液を飲み下し、熱が冷め切らぬ目で相手を見据えながら相手の髪へと触れて)…んー、今日こそはコウくんの髪洗ってキューピーちゃんみたいにして遊ぼうと思ってたのに…盛りそう…。
まぁ毎日の様に飲むか遊ぶかの2択だったからな。…でもさぁ、雄太だけは最初っから家に連れてくって決めたんだよ。誰も連れ込んだ事無かったのに。──俺のかわい子チャンが作る飯以上に俺が美味いって喜ぶ飯なんかねぇよ。社食なんかいつでも食えるしもう飽きた、お前の手料理のが良いわ。…お、良いな。クリスマス好きだから雄太プレゼンツめちゃくちゃ楽しみ。俺もアドベントカレンダー買って来てやんねぇと。何入れといてやるか今から考えよーっと。──…は、(吸い付いていた舌が抜き取られれば物足りないと言わんばかりに不服気な息を小さく喉元で鳴らし、再び相手へと顔を寄せようとするも髪にへと伸びる手に一度視線を送り熱の篭った視線へと戻せば底意地の悪い笑みが浮かぶのは堪えられず。徐に立ち上がり、湯船を出ては対面になる様に浴槽の外の小さな椅子へと腰を下ろして顎をバスタブの縁へと載せ)お…良いじゃん。──そんじゃ、髪洗って貰おっかなぁ。勿論約束は約束だからその間もキスするけど。良いだろ?
えー、家に連れ込んでヤラシー事するつもりでした?…なーんて、そう言や一緒にゲームしようとか言ってましたもんね。きっと2人切りで飲んだりしても楽しかっただろうなぁ。──…えっへ、そんな嬉しい事言って貰えたらすげー気合い入っちゃいますわ。本当にコウくんったら俺のモチベ上げるの得意なんだから。…クリスマスはねぇ、ウチ親父が医者でママも看護師だから遅くまで帰って来なくて、ちゃんと過ごした事があんまりないんすよ。だから俺の為にカレンダー用意して貰えたりするのが幸せ。絶対に一生思い出に残るなぁ。──…ん、じゃあ俺が我慢出来なくなるまでキスしてくれたら沢山サービスしちゃいます。(未だ熱を孕んだ儘冗談めかした口調をしては、一旦立ち上がりシャンプーとトリートメントのボトルを側に置き再び浴槽の中に座り。手にシャンプーを取ると相手の髪へと触れ、頭皮を指の腹でマッサージする様に優しく洗っていき)痒いとこないですかー?
…まぁ、ねぇ?そりゃ、付き合う前に連れこんでたらワンチャン…あったかなぁ。でも2人で飲んでたら楽しかっただろうな、付き合う前はんな機会無かったし。──ハハ、得意っつーか俺が言いたくて言ってんのよ、一種の才能かしらぁ。ウケる。マジで楽しみにしてるな。…マージ?クリスマスなんか家族で過ごすモンって思ってたから考えらんねぇわ。…やっぱやめ、雄太プレゼンツは来年。今年は俺に色々用意させて。折角のホリデーだぜ?目一杯やってやるし、仕事も頑張って空けるからさ。──あら、サービスの内容詳しく聞きてぇ所だけど、後でのお楽しみかなぁ。(くつくつと揶揄混じりに肩を揺らし、頭皮を撫ぜる相手の指を楽しむ様に暫し目を瞑って大人しくしているも不意に視線を上げれば眼前の白い肌が火照りで薄く染まっている事に我慢する筈も無く。返答を返しながら洗髪する相手が煩わしく思うだろう事などお構い無しに肩口へと唇を寄せては幾度も軽く口付けて)…ん、無いわ。…洗うの上手いのな。
リアルなトコで言ったら性懲りも無く俺がキス仕掛けて、そう言う雰囲気になったら付き合ってねーとヤダとかゴネたんじゃないっすかね。安易に想像付きますわ。──まあプレゼント貰えるから楽しみな日ではあったんすけど、気合入ったクリスマスは未だにすげー憧れなんすよ。…ふっ、1番忙しい日に臣永さんの貴重なお時間頂いちゃって良いんですか?やった、22歳にしてすげーイケメンなサンタさんが来る。幸せ。──美容師さんの見よう見真似でやってるだけっすわぁ。…ン……、…あははっ、すげー可愛い、キューピーちゃん。(寛ぐ様に瞼を伏せる恋人の様子に満足げに笑みを湛えては、充分に泡立ったところで頭頂部へと髪を寄せ遊んでいるも、肩口へと口付けを贈られれば些か落ち着きを取り戻した欲は瞬く間に煽られ、悟られまいと喉元で小さく声を溢すに留め恥じらいげに視線を逸らしては、誤魔化す様に些か不自然な笑い声を立て再び相手へと視線を戻し)
フハ、そりゃ可愛い。そんな事言うクセにゲームだとかココ見る為だとか理由付けて俺ん家来ようとしてたなんてさぁ…。今となっちゃあ堪んねぇわ。──だぁってクリスマスつったら1ヶ月前には家ん中飾って毎週末ツリーの下のプレゼントが増えて、当日はターキーにグラタン、ミートローフとパンプキンパイっつーのがウチの定番だったからさぁ。今年はお前に1人でクリスマス過ごさせるなんて絶対ナシ。意地でもサンタになってやるわ。何の為に散々今年頑張ったのかっつー話だし。──あらやだ、他に誰の髪洗ってやったんだかって揶揄ってやろうと思ったのに。…キューピーってかソフトモヒカンじゃね?(小さな吸引音を口元から溢している間、頭部を這う手を然程気に留めて居なかったものの告げられたぎこちない冗句に動きを止め片眉を上げて。向けられた視線に己のものを絡めながら否が応でも色気の感じる相手にじわじわと込み上げる欲に喉仏を上下させては頬へと唇を触れさせ)…ふ、可愛い顔。
…ん…だってヤりたいんじゃなくて付き合って欲しかったんですもん。…勿論好きだからキスして貰えたらすげー嬉しかったし、唆られてたのは事実ですけどね。──ひぇー、そりゃキッズ達はクリスマスが大好きな訳っすわ。何気にケンタッキーじゃなくてターキーなのもすげーし、ミートローフに至っては初耳っすわ。婆ちゃんの作った寿司と刺身を楽しみに願い事を短冊に書いてた家とはすげー格差だ。…ん、じゃあクリスマスまでまだ時間あるけど楽しみにしてますね。こう言う時にマジでコウくんと付き合えて最高だって幸せ噛みしめちゃいます。──後はねー、高校時代に一瞬付き合ってた姉さんの5歳の息子とかかな。姉さんとはキス止まりだったし、生憎嫉妬されるネタじゃないんだよなぁ。(相手が己に欲情をしていている様な反応を見せれば心臓は喧しく鳴り始め居た堪れずシャワーへと手を伸ばすも、己の胸中を察しているであろう相手に頬へと口付けを贈られれば瞬く間に顔を紅潮させ、口を衝いて出た言葉にはっとし口を閉ざし)…ん…首筋にはちゅーしてくれないんですか?
今日も遅くまでありがとうございます。明日も早いでしょうから、蹴って休んでくださいね。言わずもがな、置きか仕切り直しかはお任せするんで。おやすみなさい、愛してますよ。
悪ぃ、昨日はガッツリ寝落ちてたし今日も今日で帰るの厳しいと思うから、待ってねぇでしっかり寝るなり遊びに行くなりで一つ宜しく。んでちょい空いちまうし本筋もまた改めて仕切り直させてな、埋め合わせもそん時に。ごめんな、愛してるよ。
了解っす。多忙だって聞いてたんで、気にしないでください。寧ろ休んで貰えた方が俺としても安心なんで、逆にあざっす。コウくんが忙しい時に出歩くのは俺の趣味じゃねーんで、良い子で待ってますね。じゃあ、頑張り過ぎない程度に頑張ってください。コウくんに謝られると胸が辛いんで、これは蹴ってくださいね。お約束。それじゃあ、愛してますよ。
(深い眠りから目覚めると、広々と感じる一人きりの寝具に侘しさを抱きつつ首元へと触れ。痕が付いているかの確認は鏡を見れば済むものの、面倒な事は承知で恋人に確認して貰おうとスマホを手に取っては、『おはようございます。コウくん大変、来て来てー!』と送り、寂しさを紛らわせるべく布団の中へと潜り込み拗ねた様に唇を尖らせ)…早くコウくんに会いたい…ぴえん。
(茹だる暑さの中、ベランダにてタバコを吸えば短時間ながらも肌の表面に薄く汗が滲むのを感じ。手元のスマホが振動すれば視線を送るも表示されたのは未だ寝室にいるはずの恋人からのメッセージ。ものぐさな呼び出しに笑いを溢してはタバコを揉み消し、リビングを抜けて寝室へと進み。寝具の上に見える膨らみの傍らに腰を下ろすと、挟み込むように腕をシーツに縫い止め)…ハァイ、お呼びかしら?なぁにが大変だって?
(メッセージを送信し間も無くして足音が近付いてくれば、拗ねた表情を維持する事は出来ず思わずニヤけてしまい。扉が開けば無性に心臓は高鳴り、布団越しに感じる恋人の存在に心が満たされる感覚を覚え。もぞもぞと身動ぎ顔を出すと再び唇を立て、甘ったるい口調で理不尽な不平を紡いだ後に表情を緩めては、相手の首裏へと腕を回し)…すげー大変でした。起きたらコウくんにぎゅーして貰ってイチャイチャしたかったのに、隣に居なかったんです。寂しくて寂しくて死ぬかと思いました。…えへっ、でも直ぐ来てくれたから許します。んー、好きー。
(僅かな間の後に布団から覗いた表情は形こそ拗ねた体裁を保ってはいたものの、それが本心ではないと判断するのは余りにも容易で、子供の我儘染みた主張が鼓膜を揺らせば思わず破顔し。双眸を伏せ回された腕に猫の様な動きで頬擦りをしてから薄く目を開くと揶揄を含んだ口調で相手の口元近くに鼻を寄せ)フハ、悪ぃ悪ぃ。ヤニ吸いたくなっちまってさぁ、ぐっすり眠ってるかわい子チャンを煙で起こしたくなかったのよ。…そりゃ、好きな子が俺の事呼んでたら飛んで来ちまうわ。でもさぁ、タバコ吸いかけで口寂しいのよ。誰か解消してくれっかなぁ。
…ん、ヤニならしゃーなしっすわ。俺の起きるタイミングが悪かっただけですわな。つか全部吸わないで来てくれたんすね。優しいなぁ…じゃあ、捨てさせた張本人が喜んで責任取らせて貰いますね。(己の腕へと甘く頬擦りする所作に思わず破顔しては、柔らかな手付きで髪を撫で愛しげに目を細め。口付けを誘う言葉にくすくすと肩を揺らし笑っては、ゆっくりと目蓋を伏せ小さく音を立て唇を啄み、角度を変え再び重ね。顔を離してから相手の前髪を愛しげに撫でては、静かな口調で)…ん、寝起きにちゅーしたら盛っちゃいそう。ねぇねぇコウくん、プール行きましょ。俺の首、痕ヤバイです?ナイトプールなら大丈夫かな?
ふ、そりゃね。何を差し置いてでもヤニと一番イチャついてたのはもう昔の話だもんで、今は目の前の彼氏とイチャつくのが最優先なんだよなぁ。…ん、(思惑通りに与えられる柔らかな口付けに短いながらも喜色の帯びた声を漏らしては頬を緩め、口寂しさを埋める様に相手の唇の感触を確かめて。撫でられる前髪の下で片眉を上げ、相手の首筋を覗き込む様に首の角度を変えれば自ずと見えてくる赤黒く染まった痣に顰めた眉は、罪悪感というよりも他人に見られる事から来るもので。対になる様に付けた傷も恐らく同様の色を残してるだろう事は見るまでも無く)でもちゅー好きっしょ。俺も好きよ。痣は──…まぁ、ヤバくねぇ訳ねぇよなぁ。…昼間は絶対ダメだけど…ナイトプールかぁ。…んー、俺から絶対離れないって約束出来るならエロい痣着けててもまぁ…。
マジで最高の彼氏っすわ。こんなに甘やかして貰えたら、只でさえ甘ったれてるのに更に悪化しそうっすもん。…ん、コウくんとするちゅーは大好きですよ。お出掛けしないなら1日中ずっとしていたいくらい。(首筋を見据える相手の眉が顰められればそれに匹敵するだけの痣が鎮座している事は明白で、答えを聞く前から嬉しげに唇に笑みを刻み触れると痛みが走る箇所へと愛しげに触れ。告げられた己好みの台詞には笑みを深め喜んでは、相手の手へと指を絡めつつ)──…あっは、やったー。グロい傷になってて良かったー。…ふっ、じゃあ絶対コウくんから離れないって約束します。でも誰がこの痕作ったか犯人がバレちゃいますねぇ。さーて、じゃあそろそろ準備しましょうか。
良いじゃん、雄太が甘ったれなの今に始まった事じゃねぇし。ホラ、他に甘ったれたりしねぇように俺が甘やかしておかねぇと不安でしゃーないのよ。…ふ、可愛い。んなの聞くとマジで1日中ずーっとキスだけしてやるくらいの意地悪してやりたくなるわぁ。キス以外ダーメっつってさぁ。(自分と相対する様に笑みを浮かべる恋人に釣られて眉間の皺を緩めては指を絡められた手を取り、背中を丸めて甲へと1度唇を触れさせ。次いで背中へと腕を差し込めば相手を抱き起してから寝具を降り、部屋着のTシャツを脱ぎクローゼットの中に巡らせた視線を戻し)──…ふ、そーね。俺にグッロい痣付けられておきながらデレデレして俺の傍から離れねぇんだから…側から見りゃさぞ可哀想だろーな。唆られんじゃねぇの。…あー、そだ。アロハ着てくだろ?
ははっ、コウくん以外は誰も甘やかしてくれないんだよなぁ。でもって俺自身、気障に生きていたいんでこんな甘ったれ晒せるのはコウくんだけっすよ。…つかウケる、間違いなく10分も保たず抱いてって頼み込む未来が見え透いてるんだよなぁ。コウくんもなんやかんや俺に甘いし、…ねぇ。(端正な顔立ちの恋人から手の甲へと口付けを贈られれば、様になる姿に恍惚とし誘導される儘上体を起こして暫し余韻に浸り。問い掛けに頷き応えると緩慢に寝具を降り、クローゼットへと向かい。リップ柄のアロハを取り出し身体に宛てると、楽しげに首を傾げて見せ)ははっ、可哀想とは思わねーでしょうけど、すげープレイしてるんじゃねーかとは思われるかもですねぇ。…ん、勿論着まーす。じゃあ今日はエッロいナイトプールに行くんでー、セクシーにこっちでどうですかー?
ふ、そーだっけ?年下の愛嬌振り撒いて上手い事相手の懐に入り込むイメージしかねぇんだよなぁ。寧ろ個人的にゃ気障な雄太のがレア度高いわ。…ハッ、甘くねぇのがお好みってんならそりゃもう俺の得意分野だし、マジでその日はお預けするくらいの事全然しますけど?…最近はあんま待てさせてねぇしなぁ、その程度我慢出来るっしょ。(隣へと並び立つ人影に自然と重心をそちらへと傾け、相手がアロハシャツを選び取るのを見届ければはしゃぐ姿に小さく微笑み。くしゃりと頭を撫で遣ってから己も揃いの白地のシャツを手に取り袖を通し釦を留めようとするも、ふと首元のネックレスに気がつけばチェーンを外し指輪を嵌め。スマホと財布だけをデニムの尻ポッケに突っ込むとあとは恋人の身支度を待つつもりでベッドに腰掛け)まぁ…そりゃご想像にお任せしまぁすって感じだけど…。それで他の奴がムラッとしたりすんのは気に食わねぇなぁ。…フハ、服もその下の身体もエッロいマークだらけだ事。んじゃ決まり。やっぱ雄太のは黒にして正解だったわ、色っぽい。
マジっすか、ウケる。まあ愛嬌は振り撒きますけど、家でこんなに彼氏にベッタリひっついて、ちゅーだのぎゅーだの言ってるのは誰にも見られたくないっすわぁ。…んー、じゃあ今度必死に誘う男と靡かない男で勝負してみます?待ては相変わらず出来ないっすけど、俺も俺でコウくんが最終的に甘やかしてくれる自信があるんだよなぁ。(徐々にテンションが上がる己を受け入れる様に頭を撫でて貰えば嬉しげに目を細め、早々にパジャマを脱ぎ着替えて。白色のワイドテーパードを纏いチョーカーを着けたところで恋人が指輪を指へと嵌めるのを認めては、嬉しげに破顔した後に己のアクセサリーケースを漁り厳つめのチェーンネックレスを取り出し相手の首元へと。満足げに笑んでから2人分のタオルや水着等をボストンバッグに詰め込むと、ベッドの元へと運んだ後にメイクを施すべく洗面所へと向かい)ね、完全にキスマークだらけの男っすね。あはっ、あざっす。じゃあ褒めて貰えたし、チャラく白いパンツにしときますわ。──…つか、指輪してくれるんですね。すげー嬉しい。じゃあ俺の趣味で、コウくん水着着てネックレスしてたらカッコいいと思うんで、これお貸ししますねん。…さーて、軽く荷物纏めましたよー。コウくんの水着だけ入れといたんすけど、ラッシュガードとか必要だったら入れておいて貰っても良いですか?じゃあちょっと化粧して来ますね。
ハハ、まぁ確かに。向こうで会ってた時は付き合って無かったのも差し抜いてももうちょい澄ましながら誘ってきてたもんなぁ。寧ろ来てもいーよくらいのスタンスだったし。…お、いーねぇ。んで、それ勝者にはどんなご褒美がある訳?そんなに自信あんならとびっきり素敵なモンくれるんだろーなぁ。(相手が取り出したネックレスを見遣れば大人しく顎を上げ己の首元に取り付けられるのを薄く目を開き見つめ、満足気な笑みを横目に手慰みの様にチェーンを弄び。手際良く荷物を纏める恋人の姿を漫然と眺める己の所作には傍若無人さが垣間見えるも、さして気にする風でもなく膝へと頬杖を突き)ふ、良いじゃん。チャラい男連れ歩いてるなんて箔がついて有り難ぇ話よな。──…あー、まぁ。デートん時は覚えてる限りは付けてやろうかなって。…ん、じゃあお言葉に甘えて。ハッ、お互い首輪付けてて笑うわ。…おー、あんがと。ゆっくり化粧しておいで。そりゃもう一つとびっきり可愛い感じで。(戯けた口調で軽く手を振り背中を見送れば寝室にて残されたボストンバッグを見つめ暫し思案。漸く重い腰を上げれば、相手のラッシュガードをその中へと詰めて肩にかけ、リビングへと進むと留守番役の愛猫の機嫌を取るべく抱き上げては頬擦りを贈り)
うん、今やデレッデレなのが当たり前みたいになってますけど元々は甘やかす側の人間ですし、こんなに腑抜けたとこ見せてるのはコウくんだけっすわ。…勝者のご褒美ねぇ…じゃあ、俺が勝ったらコウくんが1日ゆーくんの執事になってくれるチケットを希望します。コウくんが勝ったら何でもしますよ。だーって負ける気がしないんですもん。──ははっ、確かに2人とも首輪だ。まあ俺はプールに着いたらチョーカー外しますけど、飼い主が居るなんて首見りゃ一発ですわな。(洗面所へと着くと、恋人から贈られたアイシャドウを使い写真映えする様に濃い目のメイクを施し、色っぽく仕上げるべく赤めのリップを塗り。髪は強めのウェーブにセットし、オイルとワックスで濡れ髪に仕上げては、リビングに居る恋人の元へと。猫の頭を愛しげな表情で撫でるも、ふと相手の首元へと目を止めては首筋へと顔を寄せ、2日程度で消えそうな程の薄いキスマークを刻み悪戯にウィンクし。バッグを持つと玄関へと向かって歩き出し)お待たせしましたー。さーて、行きましょ。…でもその前にー、えへ。虫除け。──…ん、これで満足だ。
…あらやだ、俺がそーゆー殺し文句に弱ぇの分かってて言ってんだろ。甘え上手過ぎんだよなぁ、もっと甘やかしてやりたくなるから狡ぃわ。…へぇ、何でもなぁ。じゃあ何して貰おっかな…俺が執事やんなら雄太は可愛いメイド服でも着てご奉仕の一つでもして貰おうかしら。──ふ、首輪外した方がエグいの笑うわぁ。まぁ、その為の首輪なんだけどさぁ…下手に寄り付けねぇっしょ、俺のモンに。(洗面所から戻った恋人の色香に思わず目を見張れば囃立てる様に小さく口笛を吹き、腕の中の子へと伸びる手に差し出す様に愛猫を抱え直し。不意に寄せられた唇に塞がった両手ではなす術も無く、首元に生じる吸引音に小さく目を伏せて享受してから愛猫を床へと下ろし。鬱血痕が残ったであろう箇所を摩りつつ玄関でスニーカーを履くとエレベーターに乗り込み駐車場へ)…お、可愛い。良いじゃん、めちゃくちゃ好き。──っと…お前が傍に居るんならそれ以上の虫除けねぇってのに。ほーんと、独占欲強ぇんだから。…あ、バイクで行くから俺は飲まないけど、雄太は多少なら好きに飲めよ。ナイトプールなんか酒あってナンボだろ。
殺し文句っつーか事実なんですもん。やっと俺が素で居られる人に出逢えたって感じ。今が人生で1番幸せですよ。…あっは、メイド服かー。よし乗った、じゃあ俺もコウくんに執事の格好して貰う事にしよーっと。絶対に似合うだろうなぁ…どうせ俺が勝つし、何なら負けても着て欲しいから今から服買って用意しとこうかな。──だってコウくんがモテない訳ないですもん。ワンチャン空気読めねー女とか俺等がナンパ目的と思って近寄って来そうですし、念には念をね。(相手に続き揃いのスニーカーを履いては、外に出るなり猛暑に顔を顰め鞄から愛用のハンディーファンを取り出し涼み。駐車場に向かう最中に相手の言葉でハッとすれば、スマホを取り出しタクシーアプリを起動しつつ首を横に振り)コウくんも酒飲まなきゃダメダメ。寧ろそれメインっすから。じゃあタクシーで行くか、着替えもあるしホテルに泊りましょ。どっちが良いです?
なぁに、それ。…流石に浩二クンったら照れちまうんですけど。俺も、漸くちゃんと愛情注げる奴に出会えたわ。心が満たされるってこーゆー事なんだってお前が教えてくれた。…お、言ったな?悪ぃけど今回はぜってぇ泣いても負けてやんねぇから。可愛く化粧して俺に傅く雄太が見れんの楽しみだわ。万が一負けたらそりゃもうお上品な言葉遣いで執事でもなんでもやってやらぁな。──ふ、まぁそれで雄太が満足なら喜んで。このネックレスの代わりにお得意の奴付けてくれたって良かったのに。(何気ない言葉に思いの外反応が返ってくれば自ずと駐車場手前で足を止め、暫し思案し。先日の相手の言葉を思い返して下卑た笑みを浮かべると取り出されたスマホに手を添え緩く下させてから耳元へと唇を寄せ低い声で悪戯に囁いて、満足とばかりに再びバイクへと進み)あ?……そうだなぁ。んじゃ、ホテル。ホラ、この前行きたいっつってたろ?ナイトプールの周辺なんかそりゃもうたくさんあるだろーし。連れ込まれるまでがセットみてぇなもんじゃん?
ははっ、そりゃ俺が他人より手が掛かるから愛着が湧いたんじゃないっすかねぇ。でもコウくんの心を満たされているなら何より。今の俺にとっての1番の喜びっすわ。…ん、生憎レディース物の服作ってるからか、女装に対して抵抗がないんすよねぇ。…わぁ、丁寧な言葉遣いのコウくんって事はお仕事モードの時みたいな感じかー。最高、それで一緒にご飯行ったり買い物に行って色々お世話して欲しいなぁ。──…あっは、あのネックレスは俺の独占欲のヤバさを晒す様なモンだから却下。多分二度見されちゃいますよ。(スマホへと相手の手が添えられれば抗う事なく下ろすも、告げられた言葉に瞬く間に頬を赤くしては恥じらいを隠す様に唇を尖らせ、ハンディーファンを強風にし顔の火照りを沈めようとし。相手に続きバイクへと着くと手の品々を仕舞いヘルメットを被り、バッグを収納すると後部座席へと跨り)──…うー、普通のホテル想像してたんですけどー。コウくんスケベだー。…でも、酒飲んで色っぽく遊んだ後に連れ込まれるなんて最高っすわ。是非ともそうしましょ。今日が今までの俺の人生で1番セクシーな日かも。
ふ、手が掛かる子程可愛いって言うしなぁ…最初は聞き分け良過ぎて心配だったけど。もっと我儘言っていいんだぜ、可愛いから許すわ。雄太が我儘言ってたり駄々捏ねてるとさぁ、甘えてんだなって嬉しいのよ。……へぇ。マジで後悔すんじゃねぇぞ、今の自分の言葉ちゃあんと覚えておけよ?何でもするっつったのお前だからな。…ま、そんな未来は来ないんですけど。なんせ俺が勝つから。甲斐甲斐しく世話焼くのは雄太の方だわ。──…フハ、そりゃもうとびっきりの独占欲の象徴付けてる奴がなぁに言ってんだか。自分がそれ晒して二度見される立場なの分かってんのかしら。──ハハ、俺がスケベなのなんかお前が一番知ってるクセに。…でも勝負すんなら連れ込まれた所でセクシーな方向には行けねぇなぁ、可哀想に。(拗ねた様に紡がれる相手の言葉を耳にすれば視線を送らずとも脳裏に浮かぶ表情に愉快気に肩を揺らし、どこ吹く風でバイクに着くと自分のヘルメットを取り出し装着し。座席に跨りエンジンを掛けては目的地のプールへと向かうべく発進させ、生温い風を浴びながら徐々にスピードを上げ大通りへ進み。ヘルメットの中の篭る空気に眉を潜めつつ気怠さの滲む声色で)…あっつ。もうちょい涼しけりゃ夜のバイクなんか最高なのに。
これでも大分我儘になったんだけどなぁ。つか可愛いから許すってウケる、成人男性でこんなに甘やかされてんのって世の中できっと俺くらいっすよ。でもすげー幸せ。だってコウくんは言葉通り、俺のお願いを全部叶えてくれるんですもん。…あっは、そこまで脅されると自信無くなってきたなぁ。でも俺がこんなにコウくんの執事姿見たがってるから、きっと折れてくれるって信じてますよん。──まあ俺はドMだし目立つの好きなんで、二度見されてもラッキーくらいっすわ。寧ろ見て見てー、俺このお兄さんに飼われてんのーって自慢したいくらい。──…ふっ、コウくんがお上手って事はよーく知ってますけど、どれだけスケベかは未だ完全には解ってないんだよなぁ。えー、今日勝負するんですかー?折角のホテルですし、素直にイチャイチャしましょー。やりたいやりたい。(相手がバイクに跨ると腰元へと両腕を回し、久々の感覚に嬉しげに目を細め。発進すれば幾分か体温は下がり、気持ち良さそうに風を感じつつ疾走感を楽しみ。ふと夏休みを堪能している事に幸福感を抱き感謝を込め相手の身体へと身を寄せては、移り行く風景をぼんやりと眺め)確かにちょい暑いっすねぇ。でもすげー夏の思い出って感じ。…幸せ。
我儘になったっつーか、お強請り上手になったって感じだけどな。ご褒美やってるだけだから甘やかしてるつもりもねぇし、応えられなきゃ男が廃るってなモンだろ?…やぁだ。別に媚び諂うのなんか仕事で慣れてっし、どーって事ねぇけど俺が雄太のメイド服見てぇから勝負は譲らない。いっつも折れてやってんだろ、今回はダーメ。──ふ、最初の頃の抵抗が懐かしいわな、あーんなツンケンしてて。…それが今じゃあ…ねぇ?俺に捕まらなきゃあのまんまで居れたのに。──…あら、そーでしたっけぇ?つか男なんてみぃんなスケベでしょーよ。マジで勝負しないってんならそりゃ喜んでお誘いお受けしますけど。…嫌だな、気付いたら負けてるの想像出来ちまったじゃねぇの。(盆休みを外れた外出だからか思いの外交通量は少なく、数台の車の脇を抜けて追い越せば赤信号が変わるのを車線の先頭で待ち、手持ち無沙汰なその間臍の辺りに鎮座する恋人の手を取り自分より細い指の輪郭をなぞり上げ。視界の端でライトが青へと変われば再びハンドルを握り高速道路に乗り)…欲がねぇなぁ、この程度で幸せ感じて貰っちゃ困るんですけど。来月頭には浩二クン5連休よ、他にも出掛けんだろ?
いやぁ、大分甘いっすよ。そもそも夏休みにロクにバイトもしねーで寝腐ってるのに咎めない時点で相当ですもん。親でさえ何か言いそうなレベルっすよ。…まあ仮にメイド服着るならガチでやるんで、面白くも糞もないと思いますよ。こう言うのは恥じらう奴にやるから堪らないのであって、俺みたいに乗る気の奴にやってもしゃーないっすわぁ。──ははっ、そう言やよくコウくんに対して拗ねてましたなぁ。俺なりに好きってバレないためにやってたんすけど、逆効果ですわなぁ。コウくんに捕まって心が丸くなれて、すげー幸せですよ。──…うん、今日は勝負しないの。だってまだプールに行ってないけど、コウくんがモテモテになるのは解ってるし、そこでお預けまでされたら俺のメンタルがズタボロになりますわ。(信号で停車する僅かな時間にも手へと触れてくれる恋人の配慮に、表情を見られない事を良い事に上機嫌ににこにこと表情を緩め、背中に額を預け暫しの間を甘えて過ごし。再び発進すれば安全を優先し姿勢を戻すも、折角の連休をさも当然の様に己へと費やしてくれる恋人に胸を高鳴らせては、唇を結び幸福に浸った後に高速道路の走行音に負けじと声を張り上げ)…勿論出掛けるー!コウくんと行きたいところがまだまだ沢山ありますから、帰ったら相談しましょうね!
だってココの遊び相手になって、家事やっといてくれるし別に良くね?寧ろバイトと違って無給なのに働いてて偉いってなレベルだろ。俺の生活水準上げてくれてんのに咎める理由なんか一個もねぇわ。…バッカだなぁ。恥ずかしがらずにやる奴が俺の手でどんどん恥ずかしそうにしてくのが最高に唆られんじゃんか。最初っから恥じらう奴なんか俺がやんなくても一緒だろ。──膨れっ面ばっか見てた気ぃするわ。あれはあれでガキ臭くて可愛かったけどなぁ。あの顔見たくてちょっかい出してた所あるし。…でも、今の方が俺の心臓掴んでるわ。──フハ、モテねぇって言ってんのに。お前と一緒に居るから表情筋緩むだけで、基本的に俺意識してなきゃ人相良くねぇもん。まぁでも、そんならお預けは後日。俺さぁ、出来りゃお前の身体に付いてる痣は俺だけが知っておきてぇから…他の奴に見せんならまた新しいの付けてやりてぇのよ。(高速道路でスピードを上げる最中、後方からの声が大きくなれば彷彿とさせるのははしゃぐ恋人の幼さの垣間見える笑顔で。自ずと肩を揺らし、抱擁して口付けを贈りたい気持ちが込み上げるものの自らの手がハンドルを握っている事実が些かもどかしく、ならばと張り合う様に腹部に力を込めたら声を出し)ハッ…勿論!夏休みはたくさん連れ出すって約束まだ守れてねぇからさぁ。俺らの最初の夏で大学生活最後の夏休みにピッタリにしねぇと!
だってココちゃんは可愛いですから金払ってでも絡みたいですしー、家事もコウくんの為なら全く嫌じゃないんですもん。寧ろ洗濯してる時とかはすげー幸せ。…ふっ、悪趣味だなぁ。俺を恥ずかしがらせても、そんなのもう慣れてるでしょうに。──うん、だってコウくんがガキンチョ扱いするんですもん。振り向いて欲しい俺としては拗ねますわな。でもあの絡みは心地よかったですよ。…モテねーとかぜってー嘘。背高いし顔カッコイイし、ナンパの標的には最適っすわな。俺のコウくんがモテないのはそれはそれで納得がいかないですし。…んー…またそうやって俺のM心を擽る様な事を言うんですから。コウくんに独占されると思うだけですげー嬉しいのに、更に痕も付けて貰えると思うともう最高。この儘真っ直ぐホテル行きましょ。(風に掻き消される事なく確りと届く相手の愛情の籠もった台詞に愉快げに肩を揺らし笑っては、愛しさが募り逸早く抱き付きたい衝動を堪え俯き加減ではにかみ。腰へと回していた手を肩へと移すと、賭けに出る様に今度は風に掻き消されるか否かの声量で恥じらいげに想いを呟き)…本当にコウくんはいつでも俺を世界一の幸せ者にしてくれるんですから。全くお礼し切れないくらい。…好き、泣きそうなくらい愛してますよ。…プールに着いたらぎゅーしてくださいね。
まぁココはお姫様だから分からなくはねぇけどさぁ…正直、他所の猫見てもココが1番可愛いって思っちまうんだよなぁ。でも洗濯…?なぁんでよ、飯作ってる時とかなら俺も楽しいから分かるけど。…慣れる?こんな楽しい事に慣れると思う訳?俺ガキの頃から気に入った玩具は兄貴にも弟にも触らせねぇでずーっと大事に遊んでたタイプよ。──だって拗ねんのが可愛くて可愛くて、そりゃあついついガキンチョ扱いしちまうわな。俺もあの絡み好きだったわ、冗談好きなだけ言い合ってさぁ…ふ、色気は無かったけども。…あぁ、そーいえば喫煙所行く度にナンパしてくる可愛い子が1人居たわ。髪明るめの醤油顔で俺好みの可愛い子。最近覚えてんのはそんくらいかなぁ。…フハ、このまま真っ直ぐホテルとか本心じゃねぇクセに。それにプールで見せびらかしてからじゃねぇと新しく痣付ける口実無くなっちまうだろーが。(不意に感じた腰の開放感と肩に掛かる手に反射的に振り返りそうになる頭を抑えてはハンドルを強く握り。心構えなく耳へ届く甘い言葉に空耳かと思ったものの、それでも照れが生じるのは免れず。喉奥から息の潰れる不格好な音を小さく漏らしては、視線を前方へと縫い止めながら返せたのはごく僅かな言葉のみで)…ん。プール着いたらそりゃハグもキスもしこたましてやるわ。
当然じゃないっすか。ココちゃんは世界一可愛くて賢くて気高い猫ちゃんですから。…洗濯はだって、コウくんの服干してるときゅんてするんですもん。留守番してる時に1番コウくんを思い出せるから好きっすわ。…ふっ、俺もお気に入りの玩具に入れてくれるんすね。それならずっと大事にして貰えそうだし、安心っすわ。──…そのナンパしてたっつー奴は本気で口説き落とそうとしてたんだよなぁ。背とか顔だけで狙ったって思われたら心外っすわぁ。…ん、そりゃ直接ホテルへゴーは冗談に決まってるじゃないっすか。やっぱりしこたまコウくんに酒飲ませて、理性ふっ飛んだところでがっついて欲しいんで。(聞こえていないであろうと呟いた言葉に返答が返って来れば、言葉の内容に対する期待も相まって肌の色を薄く朱に染め、到着までに元の顔色へと戻すべく風景を熱心に眺めて。ふとミラーに映る揃いの服を纏った己達を見ては、どこからどう見てもカップルの姿に思わず吹き出し)…ん、じゃあ楽しみにしてますね。──…ふっ、つかウケる。お揃いの服で一緒にバイク乗ってるといかにもカップルっすね。この儘プール行ったら注目の的だ。
ハハ、いつの間にか親バカまで移っちまったの?雄太が愛情注いでくれてるからココも寂しがらないで済むし、お前に懐いてんだろーなぁ。…うっわ。まーた可愛い事言って…そんなん聞いたらワイシャツとか着る度に意識しちまうじゃん、お前がデレデレしながら洗濯してくれたって。…ふ、バァカ。お前は玩具よりずっと格上に決まってんじゃねぇの。ただでさえ好きで可愛い子が俺を楽しませてくれんなら大事にしねぇ訳ねぇじゃん。…今だって俺に出来る目一杯大事にしてるつもりよ。──フハ、ナンパされたっつってんのはお前と付き合った後よ。だから本気なのも知ってるしホイホイ付いてっちまうの。…しこたま飲まされっとお前時々俺の事抱くの狙って来るからなぁ。ま、つってもMっ気出てる時ゃへーきかな。そんじゃガンガン飲んでやるわ。(照れ臭さはヘルメットの下へと隠し高速道路を降りるべく車線を変えながら緩くスピードを落としていく最中、先程までの淑やかさが垣間見える遣り取りから一変して常時の恋人の笑声が聞こえれば言葉の内容というよりは、その切り替えの早さに釣られて笑いを溢し。目まぐるしい相手の様子に心底愛おしさを覚えては自ずと声色には先程の名残の甘さが乗り)──…ハッ、そーねぇ。身に付けてるモンすっかりお揃いばっかになっちまったし、どっからどー見てもカップルだわ。…前は精々ニコイチの悪ガキ程度にし見えねぇんだろーと思ってたけどなぁ。
ええ、もうメロメロってなモンですよ。大好きな旦那さんと娘ちゃんに囲まれた生活で毎日が幸せっすわ。遊ぶ金欲しさに一生懸命酒飲んで身に付かない金稼いでた日々から一変。改めて思うとスゲーっすよねぇ。…ははっ、そうでした。玩具じゃなくてコウくんの彼氏で嫁でヒモでした。勿論全力で大事にされてる自覚はありますよ。もうコウくんの愛無しじゃ生きていけないくらい。──やっぱ酒入ると男の部分が強く出てきちゃうんすよ。変に気も強くなってガオーッて食らい付きにいける様にもなりますし。でも泥酔までいっちゃったら動きたくねーし、ドMのドネコで滅茶苦茶に虐められたくなるから人間って不思議よねぇ。うんうん、沢山飲みましょ。コウくんの酔ったところは色っぽくて最高ですから。(掴まった肩を通して相手が笑っている事が伝わってくれば嬉しげに目を細め、告げられた言葉の内容に更に笑みを深め。甘ったるい声色で問いを投げると、徐々に走行の速度が緩やかになる中客観的に己達について考え視線を宙へと遣り)確かに今日だけでも服に靴にペアリングに。そこらの仲良しカップルでもなかなかしねーくらいのお揃いっすよ。どっからどう見てもカップルだったら嬉しいなぁ…只のガキンチョが本気出した結果、半年でコウくんにちょっとは釣り合えるくらいに成長しました?
確かにそうな。…それこそ、今だから言うけど付き合いたてん頃とか太陽の下でお前の事見るの慣れなさ過ぎてめちゃくちゃそわそわしたわ。真夜中に会ってどっちかは酔ってるってのが普通だったから。…そ、御名答。俺の可愛い可愛い彼氏で愛しの嫁さんで、囲い込む位ベタ惚れなヒモ。こんななけなしの愛情はぜぇんぶお前にやって、その代わり雄太の全部貰おうって魂胆よ。──あー、まぁ分かんなくもねぇわ。つって俺は多分…雄太の前だけでは他で酔うのとは違う酔い方してる自覚あるからアレだけど。ハッ、飲み過ぎると今度は使いもんになんねぇからある程度気をつけなきゃなんねぇなぁ。(確認するかの様に投げ掛けられた問いに暫し思案したのは恋人が所以する所ではなく寧ろ自分に向けた考えで、半年間の出来事が脳裏を巡り。一般道へと降りれば自然と運転へのある種の緊張感は弱まり、漸くは閉ざしていた唇を開くと1度脇道へと逸れてからバイクを止めては後方を振り返り戯れつく様に互いのヘルメットを軽くぶつけてから再び目的地へと走り出し)うわ、確かに。もう当たり前過ぎて意識して無かったけど改めて考えるとなかなかのモンだわ。──…ガキンチョは元々よく気が回る子だとは思ってたし、きっと本気になったら真面目にやれんだろーなとも思ってたよ。だからマジで何度でも言うけど釣り合えて無かったのは俺の方。…ふ、でもこの半年でんな考えも消えたわ、開き直りかも知れねぇけど。俺にはお前だけでお前にも俺だけ。他の評価なんか二の次でしかねぇの。
うわ、それ俺もすげー思ってましたわ。昼間に見るコウくんが何だか別人みたいで落ち着かなかったもんなぁ…何か懐かしいっすね。いっつも構って遊んでくれるお兄さんがマジで社会人なんだって実感して、格好良いなぁって思いましたもん。──ははっ、俺の前だけで特別な酔い方って嬉しいなぁ。どこでもあんなにセクシーに酔われたら気が気じゃないんでありがたいんですし。逆に他所での酔い方が気になるなぁ。…うんうん、使い物にならなくなったら俺がタチやれば良いだけなんで、遠慮なく飲んじゃってくださいね。軽く酒の入った悠くんは1割増し男前ですよん。(恋人が己の問いに対して口を閉ざすと不安が過り、後悔の念で俯き表情をしょんぼりとさせ。脇道へとバイクが停車すれば一抹の不安が過り眉を下げるも、告げられた言葉は想定外に甘いもので顔を朱に染め。抱き付きたい衝動に駆られるもバイクが発進した後では叶わず、顔の色を冷ます術もなく感情を堪え唇を結び只々相手へと掴まり)──…狡い、そんな事今言うなんて。コウくんが何と言おうと、俺からしたらコウくんは眩しくて手が届かないと思った存在ですよ。何の取り柄もない俺が、こんなに素敵な人と付き合えてるのが自慢ってくらい。でもね、お互いじゃなきゃもう駄目だってのは…俺もそうやって思ってるし、自惚れてますよ。…早くちゃんとぎゅーして欲しいっすわ。コウくんが好き過ぎて心臓が爆発しそう。
あ、やっぱ?夜とかはいつもの『悠チャン』って感じだったけど、デートとかは知らない部分も色々見れたからさぁ。まぁ、その度に惚れ込んでいったからこの有様なんだけど。つか…ふ、俺の事遊び人としか思って無かった訳ぇ?つっても向こうじゃあんま仕事してる感出したくなかったしな。──結局さぁ、ダチの前でも気ぃ張るじゃん?雄太の前でだけそのまんまで居れるから酔いが回るのも早いのよ…落ち着くんだろーな。外でのは酔っ払っててもゲラになるとか、柄悪くなるってのが大抵言われる程度であんま顔に出さねぇ様には気ぃつけてる。…男前なお前も好きだけど。使いもんになんなかったら抱き枕にして寝るつもりだったんですけど。──俺そんなお高い男じゃねぇよ。安い男なつもりもねぇけど…付き合えたのだってお前に奇跡って言われる様なもんじゃねぇの。…ま、でもこの半年で雄太が俺もお前じゃなきゃ駄目ってのを信じてくれる様になったのは嬉しいわ。ちゃんと伝わってんのかなって思う。(再び腰元へと腕が回れば、確かに感じる恋人の体温は夏の気温の中でも煩わしいものではなく。それでも自分から触れられないもどかしさに迅る気持ちをそのままにバイクを走らせつつ、身の内を巡る心音は己のものか、恋人のものか曖昧な感覚で。程なくして目的地のナイトプールがあるホテルが見えてくれば付近の駐車場へとバイクを停車させてヘルメットを外し、軽く前髪を掻き上げながら座した儘振り返り緩く微笑み)…っし。んじゃ思いっ切り遊ぶか。…でもその前にキスして。
寧ろ俺の場合、悠チャンモードじゃねー時のがガキっぽいし甘ったれだと思うんすけど、それでも惚れ込んでくれるんだから優しいよなぁ。…ふっ、遊び人っつーか丁度年末年始あたりに会ったから、最初の方は働いてる感じあんまりなかったっすわ。初めてスーツ姿見た時はおって見惚れましたし、その辺りからは仕事と遊びを両方こなしてる印象でしたけど。──俺と飲んでくれりゃ何があっても家までは運びますから、幾ら泥酔して貰ってもすげー安心ですからね。でもって落ち着き感じて貰えるのは嬉しいなぁ。つかゲラになるのは意外。可愛いなぁ…俺も見てみたいっすわ。…ふっ、添い寝で終わるのは絶対に嫌。とか言って俺が疲れきって爆睡したらどうしましょう。──んーん、だって俺が幾ら惚れてもコウくんがノンケだったら可能性は丸っ切りゼロですし、そもそも色気もへったくれもない俺が駄目元でキス仕掛けてなかったら振り向いても貰えなかった訳ですし、他にも色々な奇跡が重なってたと思いますよ。コウくんが俺じゃなきゃっていけないって思うのはね、…ふっ、こんなに愛情も時間もお金も費やして全部全部貰って、自惚れない訳ないっすわぁ。勿論物好きだなーとは思いますけど。(バイクが駐車場へと停車すればヘルメットを外し、未だ火照った頬を暑さのせいにし誤魔化すべく顔を手で煽ぎ誤魔化し。次いで前髪を手櫛で整えるとこちらを振り向く恋人と目が合い心臓を高鳴らせ、告げられた言葉に1度頷くと触れるだけの口付けを贈り。それでは満たされず角度を変え再び触れ合わせ)…あっつ…運転ありがとうございました。──…ん、ちゅーしましょ。コウくん好き、早くこうしたかったですよ。
ギャップは誰だって好きでしょーよ。最初っから甘ったれられたり、ガキっぽさ全面に出すよりそっちのが俺にゃあ刺さるのよ。寧ろ甘ったれさす為にじわじわ絆していったんだから俺の努力の賜物ってなモンよ。…あぁ、そーいやそーだなぁ。年末のクッソ怠い飲み会の後にあそこ行ったのは覚えてる。…んで、ネクタイ外すのと言い意外とスーツ好きだよなぁ。そんな良いもんかぁ?──ふ、外でどんなに酔っ払っても立派に帰巣本能発揮してんでしょ。まぁでも家でそわそわ待たせる心配ねぇのは良いか。…ゲラになんのはぁ、まぁ下衆い話してる時がメインよ。若い子に聞かせる話じゃありません。…あー、お前が疲れて爆睡だったらそりゃ俺が起こせる訳ねぇわ。大人しく…まぁ、色々アレコレしてから寝るわな。──ノンケな訳…あー、そうか女の話ばっかしてたからか…。でも違ぇわ、最初に吹っ掛けたのは俺。お前がそれに乗ったのよ。だから正直、キスくらいなら最初っから余裕だと思って見てたし。…ハッ、物好きなのは雄太だわ。最初なんか不安しか無かっただろーに、よくもまぁここまで見放さず来たモンよ。多分、不安にさせる事も色々したし、これからもしちまうかも知れねぇし。…それでも傍に居てくれるって信じてもいるけど。…ふ、そーね。ヘルメット篭るから嫌だわぁ。──ん、俺も好きだよ。(仄かに色味を指す恋人の頬に小さくほくそ笑みながらも望み通りに己の唇に柔らかな感触が広がれば双眸を伏せ。一緒離れたものの直ぐに再び角度を変えた口付けが与えられ我慢する気など毛頭無く、満たされる感覚を噛みしめながら緩慢に舌先を伸ばしては打診する様に相手の口唇の輪郭をなぞり)
確かに随分と甘えても良いって感じの事を言って貰いましたなぁ。まあその前からお年玉頂戴だの化粧品サンプルくださいだの、他の人にはしねー様な厚かましいお願いばっかりしてましたけど。うん、スーツのコウくんも好きですよ。ウチの学校もバイト先もスーツ着てる人なんて極限られたおじさんくらいですし、若いコウくんが着てるの見ると何だか特別な感じがするんですよ。勿論私服姿も大好きですけど。…ふっ、コウくんもゲスい話したりするんですね。どんな話するのか想像付かないなぁ…じゃあ、今度俺ともお話しましょ。でもって俺寝込み襲われるのすげー好きなんすよ。意識ない分すげーデカい声で鳴くのは自覚済みですし、万が一の時はお願いしますね。──…ふっ、ぶっちゃけ俺もずっとちゅーしたいって隙狙ってたから、あんまり吹っ掛けられた意識なかったっすわ。でもそうか、煽られましたね。あの時点じゃまだ俺の事好いててくれなかったって言うから酷いっすよねぇ。…んー、最初はねぇ、例えるとすげー好きな芸能人と付き合った感じっつーか…まず付き合って貰えただけでもすげー嬉しいし、釣り合わないの解ってるから兎に角良い思い出にしようって思ってたんです。それこそコウくんが女遊び沢山してたのは聞いてたし、俺自身浮気され易い体質だし。…でも今は俺だけ見てくれないと絶対に嫌。コウくんと付き合って距離が近くなってからは不安を感じた事なんてないですし、俺にはコウくんしか居ないって言い切る事もできますよ。──…ふ…、──……やば、プールに入る前なのにもうラブラブになっちゃいましたね。じゃあ暫くはあんまりイチャイチャできないでしょうし、チャージしておきましょ。(舌先で唇をなぞられればじわりと欲が腹から湧き上がるのを感じ息を飲むも、拒む故などなく目に微かな欲情を宿すと舌を相手の口内へとそっと差し込み、緩慢に深く絡めた後に柔く吸い上げ熱い吐息を溢し。徐々に気分が高まればヘルメットを持った儘首へと腕を回し再び舌を絡め、上顎をくすぐる様に先端でなぞり)
でもお年玉は他にも言ってなかったっけ?だから何となく雄太はこーゆーノリの子って思って気にして無かったわ。でも確かに強請ってくんのは珍しかったっけな…。あー、そっか。雄太も社会人になってもスーツあんまり着なそうだよなぁ…この間の可愛かったのに。俺はどっちかっつーと普段スーツの人の私服とか逆にグッとくるもんで。…げっ。どこまでお前引かねぇかとか、その辺はまだ掴み切れてねぇからなぁ。まぁ探り探りの会話くらいからなら。…あらやだ、寝てる子起こして怒られねぇか心配。つってもんな素敵な煽り方されちゃあ襲っちまうじゃん、悪い子だわ。──あん時仕事でムシャクシャしてたから、つい煽っちまったんだよなぁ。良い思い出来たらラッキー、くらいの気持ちで…でも別に見境なくって訳じゃねぇけど。…あー。…まぁ、俺もいつお前が心変わりして俺から離れてくかって思ってたし、年下なんかどーせ移り気、って思ってたからお互いそーゆー所はやっぱ一緒よねぇ。難儀だわ。…ふ、知ってる。だぁって前よりヤキモチ妬きで可愛いからそりゃ気付かねぇ方がおかしいだろ。そんで満足するまで言ってやるわ、俺だって雄太しかマジで眼中にねぇのよ。──、ン……あら、釘刺されちった。プールサイドでめちゃくちゃイチャイチャしてやろって思ってたのバレた?(僅かに伸ばした舌先へと応える様に相手の舌が口内へと入り込むのを想定しては居たものの、それでもなおざらりとしたその質感に小さく肩を揺らして。焦ったいい動きをする下を捕らえるべく絡ませつつ軽く歯列を宛てがい)
お年玉は強請ってましたけど、軽い冗談みたいなモンっすわ。だってまたいつ会えるか分かんないのに、お強請りしても申し訳ないじゃないですか。…コウくんもいつ会えなくなるのかなって不安でしたよ。会いたいからこそ敢えて手間掛けるって解ってて、コスメお強請りしたんですから。──うん、スーツは基本営業がデベ様に謝りに行く時くらいしか着ないっすわ。まあ着ても良いんすけど、肩凝りますしなぁ。…じゃあ服装の面でコウくんをきゅんてさせる事は難しいかな。代わりと言っては何ですけど、プライベートはコウくん好みの服装をしますねん。…あー、俺割とエグい話でも引かないっすよ。まあ尤も聞く専門っすけど、ボーイズバーなんてディープなスケベ話を話してくる客だらけですわなぁ。──えー、見境あって俺とちゅーしてくれたんですか?えへへ、やっぱり俺にちょっとは興味ありました?それとも学生とちゅーしてみたかったですか?…まあ俺も割とフラフラしてましたからなぁ…そりゃ飽きっぽいって思われてもしょうがない事してた自覚はありますわ。──ふっ、コウくんが人目を憚らずって言うなら喜んで。折角だから有料スペース借りてイチャイチャしましょ。(舌へと歯列が宛てがわれると短く息を飲み、これ以上は腰が立たなくなると判断すれば名残惜しげに顔を離し、最後に触れるだけの口付けを贈るとバイクから降りて。ヘルメットを置き荷物を取り出すと相手の手を握り、フロントへと向かうべく足を進め)…ん…後はホテルでのお楽しみ。さ、行きましょ。
まぁ…確かにそうか。雄太が考え無しにそんな事するタイプじゃねぇの今では分かっちゃいるし。ふ、俺なんか新顔だったし余計にいつの間にか来なくなりそうなタイプだもんなぁ。本当、お前のそーゆー強かな所すげぇ好き。まんまと術中に嵌ってたわ。──クッソ、羨ましいなぁ。俺も出来る事なら私服で出勤してぇってのに。お前がスーツで喜んでくれんのがせめてもの救いかなぁ。…雄太には俺の服着せるのも結構好きよ。同棲してんだなって実感するし、ちょいデカめサイズになるの可愛いし。…あーゆーのはお互いゲラゲラ笑って話すから楽しいのよ。それに俺と酒飲みながらバイトの真似事させるのは嫌だわ、そんならデレデレしながら飲んだ方がずっと有意義。──顔は割とタイプだったし可愛い可愛い言ってたでしょーよ。年下は寧ろ俺に対しては売りにはなんねぇし…うん、マジで顔と反応可愛い子とキスしたかった。…あー、いや。雄太がっつーか学生の頃なんか楽しい盛りじゃん?実際俺がそうだったから、そっちに目が眩んで当たり前だと思ってたのよ。そんだけの話。──折角のデートなのに人目憚る理由なんかねぇだろ。あとあれ、派手な浮き輪借りよ。雄太好きそうな奴。(口付けの途中で相手に逃げられてしまえば不完全燃焼感は拭えず、自ずと立てた口唇に再び口付けを落とされてから渋々バイクから降りてハンドルにヘルメットを引っ提げ。恋人と手を繋ぎつつ回転式扉を抜けフロントに進むとチラホラ視界に入るナイトプールに来たであろう若い男女らを横目に利用手続きを済ませては、渡されたロッカーキーを弄びつつ更衣室へ足を向け)
いつの間にか来なくなるっつーか、仕事忙しくなったら立ち寄れなくなるのが普通かなって。後は彼女出来たりしても来なくなるでしょうし。…ふっ、案外すげー考えてるでしょ?でもってやっぱ片想いしてる人から物貰えるのってすげー嬉しくて、家帰ってから何回もニヤニヤ見たんですから。ウケるでしょ?──まあ私服は私服でダセーって言われねー様に気遣うの怠いっすけどね。…あっは、俺もコウくんの服着るの好きですよ。1日中コウくんの事思い出せるから幸せなんですもん。そうだ、そろそろ秋服もお下がり貰おーっと。…ちぇー、コウくんの趣味を聞くチャンスだったのになぁ。まあいざ色々試せる間柄になったら、下ネタは封じておく方が良いんですかね。コウくんの体験談で聞いたら嫉妬するのは目に見えてますし。──顔が判断基準ってウケる。チャラいなぁ。俺はドキドキしながらちゅーして、暫くキスの感覚思い出して悶えてたのにすげー温度差っすよ。…んーん、俺付き合ってる人が居る時は遊びよりも恋人優先ですよ。不安にさせちゃう様なとこにも一切出掛けなくなりますし、それでもすげー幸せに過ごせるんで。まあそれはもう知ってますよね。──やったー、浮き輪絶対に借ります。光るやつとかあるかなー…やべー、すげー楽しみっすわ。(人目が付く場所にも拘らず厭う事なく手を繋ぎ歩いてくれる恋人に表情を緩めては、扉を抜けた後の手続きは全て相手に任せて高級感溢れる広々とした内装を感嘆しつつきょろきょろと眺め。更衣室へと辿り着くと指定のロッカーの前でバッグを開き水着を探すも、入れた覚えのないラッシュガードを見つけては思わず声を立て笑い。相手の水着を見つけ出すと差し出し)さーて、着替えましょっと…って、これ俺のラッシュガードじゃないっすか。ウケる、コウくん着ます?
仕事に関しちゃ杞憂よ。俺忙しけりゃ忙しい程ストレス発散で出歩きたくなるタイプだし…まぁ、その対象があの時はあそこだったってのはラッキーだったけど。…ハハ!別にそんな大層なモンやってねぇし、すげぇ軽い気持ちで渡してたのにんな喜んで貰えるなんてなぁ。あんなん幾らでもやるわ。──つっても雄太はセンスあるから平気っしょ、やっぱ流行りもちゃんと取り入れてるし。俺はそーゆーの出来ねぇし似合わねぇから普通に尊敬するわ。…あー、秋服は…クッソ派手な柄シャツとかパーカーとかばっかよ、残ってんの。雄太に似合う綺麗めのとかあったかなぁ。…そんなに気になる訳?言っても良いとは思う反面、嫉妬すんのが目に見えてんのは同感。知って精神擦り減らす位なら知らなくて良い事なんか世の中にゃめちゃくちゃあんだろ。──面食いだから仕方ねぇなぁ。つか笑うわ、キスの感覚で悶えちまう程ウブでもねぇクセに…まぁでもそれでまんまと可愛いって思っちまうんだから惚れた弱味よ。…そーね。とっくに知ってるし、別にどこで何して遊んで来ようが俺の元にちゃんと戻って来りゃ良いとかそんな事思ってたのも本当、最初の頃だけ。雄太があんまり律儀だから余計にちゃんとしなきゃなって思えたのはあんじゃねぇかな。──えっ最近光る浮き輪とかもあんの?何それ、めちゃくちゃウケるじゃん。あったらぜってぇ借りよ。(恋人との会話に自然と声を弾ませ嬉々とした色を乗せるも、周囲に漂うどこか浮き足立った空気感の中では寧ろ似合いだろうと気にした風でもなく笑みを湛え。ロッカーキーを差し込み開錠しつつ片手でアロハシャツの釦を半ばまで外した所で聞こえてきた笑声に、自らがバッグの中へと忍ばせた物を思い出しては直ぐに視線を向けるも既に遅く、面映さを滲ませては苦しい言い訳と共に視線を逃し。差し出された黒からオレンジにグラデーションが掛かった水着を受け取り前腕へと垂れ掛けて相手の言葉を遮る様にベルトの金具を音を立てて抜き取り)あ。──……着ねぇよ、バカ。…ホラ、雄太が寒くなったら可哀想だからなぁって思っただけ。念のためってさぁ。
何がすげーって、忙しかった筈なのにそんな素振り見せなかった事っすよ。俺等よく日が昇るまで話し込んでましたからなぁ…話題が尽きねーのも何気に凄いや。いやぁ、サンプルもすげー価値じゃないっすか。今や製品普通に買って貰ってるからなぁ…コウくんマジで太っ腹っすわ。──俺のバイトの時の服装はまあ無難っすよ。お堅くなくチャラくもなく、でも女受け良い自負はありますわ。コウくんは外人っぽい顔立ちだし高身長なんで、日本人向けよりそれこそストリートとか尖った感じの服とかの方が似合うんじゃないっすかね。逆にドシンプルか。でもって俺が綺麗め着るのバイトの時だけですから、今度派手な服お強請りしますね。──だって好きな人とキス出来たら嬉しいじゃないっすか。キス自体に悶えてた訳じゃねーっすよ、重要なのは相手がコウくんだったって事です。…つか、他所で遊びたい気持ちがあるなら態々恋人になって隣陣取ったりしねーっすわ。時間あるなら全部コウくんと過ごしたいし。二股三股とかダルくて100万円貰ってもやりたくねーっすわ。──光るグッズは割とあるイメージっすわ。フロートとかビーチボールとかも。とか言って、レンタルでなかったらウケますね。──…なーんだ、俺っちてっきりコウくんが俺の首の痕を独り占めしたくて持って来てくれたのかと思いましたわ。勿論有難く着ますよ。お気遣いありがとうございますね。(愛しさが溢れ暫し愉快げに声を立て笑うも、相手の表情を見てはウィンクを1つ投げチョーカーを外した後にシャツのボタンへと手を掛け手早く脱ぎ、フロントにワンボーダーが入ったパーカータイプのラッシュガードを纏い。次いでボトムを下ろし、ウエストゴムにブランドロゴが記されたインナーを纏った後にラッシュガードとセットのサーフパンツを纏うと、フードを被り首元が幾分か隠れる様にしつつスマホをストラップ付きの防水ケースに収納し始め)…よし、沢山写真撮れるぞ。コウくんのケースもあるんでスマホ貸してくーださい。
そうかぁ?結構雄太には見せちまってたなぁとは思ってたけど。仕事で鬱憤溜まってたり、連勤で余裕なかったりさぁ。でも話してる内に回復してたのはあるわな、話すの楽しすぎて。つってもアイシャドウは自分で買ってたし、別に太っ腹って程じゃなくね?それに似合う奴に買われる方が化粧品も嬉しいだろ。──そんなん聞くとやっぱバイトしてる時の雄太見たくなんだよなぁ。女受け良い格好しながら愛想振りまいてるお前見ながらほくそ笑みてぇの。そーね、やっぱストリートとか派手なのは好き。んで白ニットみてぇなのは大抵似合わねぇのよね。…ちぇ、恋人が俺の服着ながら働いてんの結構唆られんだけどなぁ。──…まぁ、そーね。雄太と付き合えた時は、確かに俺もそんな感じだったかも。つか、キスとか以前に…俺の好きな子が俺の事好きって分かっただけで、幸せ過ぎたわ。…フハ、俺は20代前半の貴重な時間にも100万円にも勝るって?熱烈だ事。でも二股三股が怠いのは今となっちゃ同意、その分全部雄太に愛情注いでるからカスすら残らねぇし。──もしレンタルで無かったら、来年リベンジすりゃ良いよ。今年全部やんなきゃなんねぇって訳でもねぇしなぁ。──…分かってるクセに。まぁどっちにしろ追加するから別に見せても良いんですけどぉ。…水着でもちゃんと隠せる所に付けてやるわ。(茶目っ気溢れるウィンクに口唇を立て目を細めて一瞬、顔ごと動かし相手の顔を視界から外すも直ぐに向き直れば耳元へと唇を寄せ低く囁いたのは負け惜しみの様な言葉で。ボトムを脱ぎ去り代わりに受け取ったサーフパンツを身につければ、高めの気温にも関わらず自分の下らない独占欲からラッシュガードを見に纏う恋人の姿に暫し思案しては水中に入る時に脱げば良いと結論付けてアロハシャツはその儘に。次ぐ言葉に素直に己のスマホを手渡し、タオルを手に取ってから荷物をロッカーへと仕舞いキーを手首へと付けて)…ん、サンキュ。めちゃくちゃ撮ろ、インスタにも載せてぇし。
今のバイトはオッサンだらけの商談に混ざってくっだらねー雑談してるだけなんで、女ウケなんて微塵も活かせないんすよ。でもってそこはほくそ笑むんじゃなくて妬いて欲しかったなぁ。…ウケる、寧ろ白ニットとかすげーチャラくて似合いそうだと思うんすけど。まあ結局イケメンは何でも似合うんで、好きな服着るのが正解っすわ。──…貴重な20代前半ねぇ…寧ろ学生の内に出会えて良かったっすよ。俺が社会人だったらこんなにデートしたり何なりって難しかったでしょうし。…ふっ、キスマーク追加して貰う時にはもう水着脱いでるし、どこに付けて貰っても大丈夫ですよ。寧ろ目立つとこの方が嬉しいですわ。…あははっ、アロハシャツ着て行くんすね。濡れても知らないですよー。(シャツを纏った儘ロッカーに施錠する恋人を横目で見ては笑いを零し、相手のスマホを防水ケースへと入れ終えてはそっとストラップを首へと掛けて渡し。己もロッカーへと荷物を仕舞うとレンタルコーナーへと向かい、大きな白色の浮輪を指差し頬を膨らませ)…あー、やっぱり光らないやつしかないっすねー。まあ良いや、借りましょうか。2個借ります?
ハッ、女ウケ活かしていきてぇって?その発言にゃあ妬けんじゃねぇの。でもいーの、だあって俺のモンだし誰も手ぇ出せねぇだろ。…いやマジでチャラくなり過ぎんのよ。今は只でさえ脱チャラしてっから着ませぇん、雄太の好きそうな悪ぃ感じの服着んの。──ふ、まぁそーねぇ。やっぱ今程は俺に合わせて貰うのも厳しいだろーし、俺は俺で結構バタバタしてっし。…ま、ご存知のとおりタフなんで出来る限りは俺が合わせるよ。だから来年もたくさんデートしような。…まだ海も行ってねぇからまぁたお前の痣晒すって考えると嫌なんだよ。つっても見える所にゃ付けちゃうんだけどさぁ…見えねぇ所にも付けんの。…ん、まぁ平気っしょ。プール入る時ゃ脱ぐし、この気温だし。──ふ、一個で十分。雄太が乗ってんの見てぇだけなんだから(隣から漏れ聞こえた笑声にごく僅かな気恥ずかしさを滲ませつつ視線を逸らすも首を相手へと伸ばせばネックストラップを掛けられた首元を彩る鬱血痕をふと思い出しては撫で摩りつつ恋人の隣を歩き。コーナーに残されたシンプルな浮き輪に不満気な姿に自ずと眦を下げつつうきわを一つだけレンタルすると小脇に抱えて夜の薄暗さの中プールサイドへと。パラソルの下に置かれたサマーベッドの中から隣に並んだ対のものを見つけるとタオルを置き恋人へと視線を投げて)…さぁて。どうする?先にプール入っても良いし酒飲んでも良いけど。
ははっ、まさか。本当に女ウケ活かしたかったら指輪なんて強請りもしなけりゃ、着けもしないんだよなぁ。今が気楽で最高っすよ。オッサンのゴルフの話とか子供の話聞いてりゃ良いですし。──まあ実際に俺が働いてみないと解んないすわな。何にせよ幾らタフでもコウくんにだけ負担を背負わせるつもりはないっすよ。構って欲しいなら時間を作り出すのは当然の事ですから。だから、今までみたいに沢山デートしましょうね。──わーい、浮き輪ありがとうございます。でもウケる、浮き輪で遊んでるとこ見るだけってパパみたいっすわぁ。折角なんで交代で遊びましょ。…うーわ、張り切った会場ですなぁ。そりゃプールに来たからには泳ぐのが先っすわ。しこたま遊んでから浴びる様に酒飲むんすよ。最高。(相手に続きプールサイドへと辿り着くと、ピンクの照明が照らされた小洒落た雰囲気に感嘆の声を揚げ。EDMが流れ高揚感を覚えつつパラソルの下へと赴くと、人影が疎らなプールを親指で指し悪戯に笑んで見せた後にシャワーへと。軽く身体を流してからプールの中へと入ると、水の冷たさに身を縮め息を飲み)…ひっ、冷てー…慣れるまでが大変なんだよなぁ、水は。
ふ、悪ぃな。んなのとっくの昔に知ってるわ、俺が好きなかわい子チャンったら俺の事大好きなのよ。雄太は聞き上手だもんな、オッサンらも話してて楽しくてしゃーないだろなぁ。…オッサンに共感しちまう年齢になったってのは複雑だけど。──まぁ、どっちにせよ最初はどーしたって環境の変化で疲れるだろうし、気も張るだろうから無理せずな。疲れた恋人癒すのに初挑戦すんの楽しみでもあるのよ、俺。──だあって俺が浮き輪で浮いてんの似合わなくね?精々お前が乗ってるのに掴まる程度が関の山。…ナイトプールなんてクラブみてぇなもんだし、ここが張り切らねぇでどこが張り切んのよ。フハ、流石若いったらねぇなぁ…んじゃ場違いな位はしゃごうぜ。(ライトを反射させる水面を示されては自然とそちらへと視線を向け、含み笑いを一つ溢し。次いでアロハシャツを脱いでサマーベッドに掛け、並び立つ様にシャワーを軽く浴びてから一足先に水中へと入った恋人へと渡すべく、プールサイドにしゃがんで浮き輪を差し出し。爪先から緩慢にプールに入ると水温の低さに小さく身震いしつつ、周囲に視線を這わせ。恋人へと集まる視線に眉根を寄せては無愛想なと物言いで女性の影の少ない場所を探す様に奥へと足を進め)…うっ、わ。暑さに慣れた身体にゃ酷だわ。…奥行こ、奥。人がうじゃうじゃ居んの嫌だわ。
全くもって聞き上手ではないんすけど、割と好奇心旺盛なんでどんな話題でも聞いてられるんすわ。ははっ、コウくんはまだまだお兄さんっすよ。きっと老ける事なくずっと若い儘なんだろうなぁって思いますし。──癒して貰ってるのは今もですよ。どんなに嫌な事があってもコウくんにぎゅーして貰えたら一瞬で回復しますし、素の俺に戻れる居場所があるから嫌な事があっても耐えれるんすわ。だからきっと働き始めても大丈夫ですよん。──確かにコウくんは浮き輪使ってるイメージないっすね。でも楽しけりゃ良いんですよ。どんなに沢山人が居ても、俺としちゃ2人切りの世界なんで。…えへ、プール大好きなんすよ。煙草吸い始める前までは選手目指してたくらいなんで。(徐々に水温に肌が慣れてくれば表情を嬉々とさせ、差し出された浮き輪を受け取り早々に穴に身体を通し。周囲に目をくれる事もなく数秒間水面に浮かび楽しげににこにことしては、先を行く相手を駆け足で追い手を繋ぎ。厚かましくも運んで貰う心算で足を床から離しては、ふわふわと浮く感覚に嬉しげに笑みを深めゆらゆらと脚を揺らすも些か不機嫌に見えた相手の様子に心配げに眉を下げ)ええ、がっつり遊びたいんで賛成っすわ。──ははっ、浮き輪とかすげー久々だけど楽しいなぁ。…コウくんも楽しいですか?
それが聞き上手だって事じゃねぇの。やっぱ興味持って聞いてくれる奴にゃあスルスル言葉出てくるしなぁ。…ふ、まぁ確かに雄太は勿論だけど俺も比較的まだ若い部類だしな。あんま言ってたらもっと年上のオニーサンらに怒られちまうわぁ。でも理想はちょい悪オヤジな感じで年取っていきてぇって所。──どっちかっつーとプールより海のが今まで多かったしなぁ。しかもこうやって入るよかジェットバイクとかで遊ぶ派だったし、プカプカ浮いてるイメージねぇっしょ。まぁでもこれはこれで悪かねぇけど。…あら、初耳。走るのも速くって泳ぐのも速ぇって?羨ましいなぁ、オイ。つーか、なんでタバコなんか始めたんだよ、勿体ねぇなぁ。(人影から逃げる様にして奥へ奥へと進む最中、手を握られる感覚に相手を確かめる必要も無く、水中での牽引感から掛かる緩やかな負荷に思わず笑いを溢し。どこか不安気に投げられた問いに足を止めると身体ごと振り返った動きの反動の儘、繋いだ手を引き寄せては胸元に当たった浮き輪へと両腕を載せて緩く微笑んで下がった眉の上、額へと唇を寄せ)ハハ…まぁナンパするための場所で遊びまくるなんて贅沢な話よな。──…なぁにそんな顔してんの。可愛い子独り占め出来るってだけで十分楽しいよ。
あー、コウくんは確かにちょい悪オヤジになっていきそうっすねぇ。洒落た感じで老けれるなら理想っすなぁ。俺は医療技術の進歩を祈って不老不死で居たいっすけど。──ジェットバイクすげー楽しそう。相当スピード出そうですし、アトラクションみたいなモンっすよねぇ。いいなー、俺も乗ってみたい。──2歳から水泳習ってたんで、寧ろそのお陰で足も速いんじゃないっすかね。ずるずるやってたけど上には上がいるし、飯食える様なモンじゃねーんで妥当なやめ時期だっと思うんすけどね。…ヤニはねぇ、すげー美人なお姉さんと別れた時に好き過ぎて匂いが恋しくて買っちゃったんすよ。最初は煙草すげー嫌いだったから吸わないで匂いだけ嗅ぐつもりだったけど、無理でしたわ。匂いの記憶って強烈ですから。(恋人が歩みを止め振り返ると、その表情につられて穏やかな笑みを刻み双眸を伏せ額への口付けを享受し。恋人へと注がれる視線と、周囲から薄らと聞こえる驚いた様な反応に床に脚を着け不快感を示し毒を吐くも、ふと閃いた様に悪戯な笑みを浮かべると、相手の肩へと手を載せキスを強請るべく再び睫毛を伏せ)…あー、目の前のお兄さん以外ブスしかいねーっすわ。ナンパもワンナイも金貰ったとて無理無理。──…ん、コウくんも楽しいなら良かった。じゃあちゅーしてください。2人きりになりてーの。
雄太は童顔だし医療技術なんかに頼らなくても若い感じで居そうなもんだけど。てか22のガキが老けた時の事なんか気にしなくて良いのよ、まだまだ先じゃねぇか。──めちゃくちゃ楽しいよ。後部座席乗るのはマジで水ん中バイクで走るみてぇな感じだし、バナナボートとかも不安定で。今はもう、乗せる奴も1人しか居ねぇから特等席にご案内してやるわ。──2歳からとかマジで赤ん坊の頃からじゃん、すげぇな。ガンガン泳いでる雄太カッコ良さそうだし見てぇわ。まぁでも、スポーツで食ってくっつーのは賭けみてぇな所あるしな。怪我したらハイ終わりってな感じだし。…あー、それはそーいやチラッと聞いた覚えあるな。匂いが忘れらんねぇってのはそりゃもうマジで好きだったんだろーなぁ…生憎、俺にはそんな経験ねぇけど。…ふ、もし万が一俺と別れたらちゃんと香水変えろよ。まぁそもそも別れる気ねぇけどさぁ。(恋人との僅かな戯れ合いにすら密やかに聞こえた声へ自ずと向けた視線からは表情が消えた鋭いものになりながら、小さく息を吐き浮き輪へと預けた腕を外す傍ら姿勢を正し。視線を戻した先の恋人が企む様な笑顔の後に長い睫毛を下ろせば瞼を飾るアイシャドウが光を集め、吸い寄せられる様にほぼ無意識に額同士をくっつけてから周囲に見せつけるべく角度を変えて2度、3度と唇を啄み)ハッ、俺も1番可愛い子捕まえちまってるから他に食指が動かねぇのなんのってねぇわ。──…ふ、キスしてやりゃあ俺しか視界に入れないでくれんの?まぁいっか。牽制にはなんだろ。
だって俺がオッサン顔になったらコウくんが可愛い可愛いって言ってくれなくなるかもしれないですしー。俺にとっては年齢が増えるって結構シビアな問題っすよ。──えー、じゃあジェットバイク絶対に乗ってみたいっすわ。海行ったら乗りましょー。バナナボートも乗った事ないんで乗ってみたいんすけど、『今は』っつーのがすげー気になっちゃうなぁ。──ええ、そんだけガキの頃からやってりゃ嫌でも上手くなりますわ。今はご存知の通り引き篭りだし肺活量も相当少なくなったんで、ロクに泳げねーっすよ。浮き輪でパチャパチャやってるくらいが丁度良いっすわ。…んー、すげー好きだったっつーか俺が若過ぎたんすよ。全然長く付き合ってねーし、キャバ嬢の姉さんだったからやけに大人な感じがしたっつーか。そもそも俺が浮気相手だったし、遊びだってサクッと振られたから逆に傷付いて忘れらんなかっただけっすわ。…コウくんと別れたら家中に香水ぶち撒けて暫く寝込むんじゃないっすかね。その姉さんどころの付き合いじゃないっすもん。まあ俺も別れる気ゼロっすけど、ウケる。(恋人の額が重なり唇が触れ合った刹那、声を掛けようとしていたらしき女性達が息を飲む声が聞こえれば優越感に浸りつつ己からも角度を変え唇を啄み、顔が離れるなり舌先で己の唇をなぞり周囲へと意地の悪い視線を配らせ。直ぐに恋人へと視線を移すと、打って変わっての満面の笑みで首に掛けたスマホを操作し、セルフィーを撮るべく端末を掲げ)俺がコウくんの事しか見てないのはいっつもですよ。でも、案の定お兄さんを見てる奴が多いんで…ね。──さーて、濡れて顔面が崩れる前に写真撮りましょ。沢山撮らなきゃ。
いやまぁ…雄太の顔はそりゃ勿論言わずもがなめちゃくちゃ好きだけどさぁ。でも別に程よいオッサンになってもそれはそれで嫌いじゃねぇわ。なんせ俺の隣で重ねた年齢分、イイ男になるに決まってんじゃん?──よっしゃ、乗ろ。でも日焼けめちゃくちゃすっからマジで気ぃ付けてな。あー…いやまぁ、ほら…バナナボートはナンパに使いやすかったってだぁけ。サーフィン出来ねぇ男達の苦し紛れの誘い方。──こんなイケメンがプールで泳いでりゃそれだけで視線掻っ攫うんだろーなぁ。あぁでも、だから細めだったし運動嫌いっつー割に筋肉はあったのか、納得したわ。…あらやだ、そんな悪ぃ女に騙されちまうなんて見る目ねぇなぁ。俺の恋人ったら純粋だから心配になっちまうわ。…ハハ!香水ぶち撒けるはやーべぇわ。アレそこそこ匂いキツいしなかなか取れねぇだろーなぁ。んな事させねぇ様にしねぇと。(柔らかな唇の感触を楽しんでから離れた恋人の顔を注視していれば周囲に向けた勝ち誇った様な表情に思わず顔がニヤけ、片手で口元を隠し。掲げられたスマホを視界に捉えては手を外し小さく頷いてから一緒に映り込むべく、背後へと移動しては身体を密着させるのを阻む浮き輪を気にも留めずに胸相手の元へと腕を回しフード越しに頬擦りを)…あらやだ、見られてんのは俺のかわい子チャンなんだよなぁ。ムッカツクからマーキングの痕やっぱ見せてやろうかしら。──ん。上手く撮れよ。そりゃもう、写真見た奴らが悉く嫉妬しちまう位のやつ。
…えへ、そっか。コウくん好みの老け方すりゃ問題ないか。つっても幸いにも就職先はアパレル業界だし、20代にしか見えねー30代後半とかゴロゴロいるんで、ちょい足掻きますわ。──…ぴえん、コウくんがナンパしてたなら乗らない。やだやだ、妬けて死にそう。俺海行っても、お城作って砂に埋れてスイカ叩き割って拗ねてやる。つかウケる、ガチの競泳水着着てキャップ被ってゴーグル着けてるのにモテると思います?大正解、保護者達からすげーモテました。──ね、俺っちピュアでしょ?でもまあそこから俺の凹み易さとか、裏切られた時の痛みを理解して恋愛じゃ真っ当に過ごしたつもりなんで勉強にはなりましたよ。…つか今が幸せ過ぎてそんな過去すっかり忘れてましたわ。コウくんとはずっと一緒に居るつもりだから、香水ぶち撒けるビジョンとかリアルには浮かばないですし。今みたいに楽しく老けていくイメージしか湧かないっすよ。(周囲の関心が恋人から離れる感覚に爽快感を覚え、唇に刻んだ笑みが消える事はなく。背後から腕を回されれば幸福感が胸中へと溢れ、上機嫌ににこにこと笑んだりウィンクしたりし、ころころと表情を変えつつ幾度かシャッターを切り。満足げに一旦スマホを下ろしては、フードを下げ首元の痕を晒しつつ再び端末を掲げ)いや、どう見てもコウくんの体狙いっすわ。パーカー着て泳いでる奴はおまけ。…えへ、じゃあお許しが出たから首出しちゃおーっと。あっは、カメラ越しでもグロい。ウケる。──ん、写真ならお任せください。後でプールサイドに寄り掛かるコウくんも撮りたいっす。
そ、俺が隣で手取り足取り好みの二十代後半やら三十代半ばを教えて育てていくのよ。…いや、自分で言っててめちゃくちゃ唆られんな、コレ。まぁでも、惚れた時と見た目変わらずってのもそれはそれで幸せだし、俺どんな雄太でも美味しく頂ける自信しかねぇわ。──だから雄太は特等席なんだっつーの。後部座席には誰も乗せてねぇから機嫌直せよ、かわい子チャン。それに1人でバナナボートなんか乗っても楽しくねぇだろーし。ふ、ガチでスポーツやってる姿ってだけでハマる層にはハマんだろ。しかも一回陸に上がればこの愛嬌、そりゃ強いわぁ。──お前意外と打たれ弱いもんな、それを必死で隠そうとしちまうくらいには。ソイツのお陰で俺がこんな惚れ込む男が出来上がったってのはちと複雑だけど、まぁ結果的に俺のモンになって美味いところ総取りしてっからいいか。…ハハ、まぁな。俺も雄太とはずっと一緒に居るって信じて疑わねぇわ。もし別れたら多分今までの比じゃねぇ位酒に溺れんのは想像つくけどさ、きっと俺らは面白おかしく何年後も笑ってんじゃねぇかなって思うし、そうしてぇわな。(立て続けに鳴るシャッター音にも幾らか慣れたもので、目まぐるしく表情を変える恋人とは寧ろ真逆でカメラへと視線を向けなければ関係ないとばかりに双眸を細めつつ肩口へと顔を埋めたかと思えば頬へ口付ける等の甘ったるい戯れを繰り返し。不意にフードが外されれば眼前に晒される痛々しい傷に背徳感が湧き上がるのは必須で、小さく笑声を漏らしつつその上へと唇を載せては相手が掲げたスマホへと腕を伸ばし、シャッターを切り)それはお前だろ、俺の身体大好きなんだから欲目マシマシの勘違いってなモン。…ハッやっぱこの痣がありゃあ、下手な奴は近寄って来れねぇだろうなぁ。最っ高。──どーぞ。俺は映え酒飲みながらニッコニコしてる雄太撮りてぇわ、絶対可愛いから。
コウくん好みの大人になれるなら最高っすわ。物覚え悪い子ですけど、ずっとずっと愛したくなる様にカスタマイズしてくださいね、ダーリン。──…うぅー…だってコウくんがこうやって女落として遊んでただーって思ったら妬けちゃうんですもん。風に涙吹き飛ばしながら乗るハメになりますわ。…つか俺の打たれ弱さはやっぱバレてましたか。まあそっか、コウくんが甘やかしてくれるからうっかり弱いトコ見せちゃってるもんなぁ。でもって俺が誰よりも1番影響受けてるのはコウくんですし、嫉く程のモンじゃないっすよ。俺がこんなにデロッデロになってるなんて、…学校の奴ですらビビるんじゃないっすかね。(カメラではなく己へと構う恋人の振る舞いに胸をときめかせ、鼓動が治らぬ内に首筋へと唇を宛てられシャッターを切られれば画面に写る自身は呑気にウィンクをし笑んでいるものの、恥じらいげに眉尻を下げ更に早鐘を打つ心音を悟られない様にと唇を立て拗ねたフリをし。体を反転させ不意を突く様に唇を奪っては、馬鹿っプル宜しく人影のないスペースへと浮き輪を使ってぱちゃぱちゃと水音を立ててゆっくりと泳いで逃げ)解んねーけど女も抱かれんなら俺みたいな普通体型よりも、断然コウくんっしょ。ナンパ目的の奴なら特に。──…っ、…もー…ここでそんなんされたら欲しくなっちゃうからだーめ。…えへっ、でも仕返しー。
嫌だなぁ。もう既にずっと愛してくつもりで居るんだぜ、ハニー。でもそんなおねだりされちゃ堪んねぇわ、そもそもそーゆーのが好きな質だしなぁ。──……じゃあ雄太の為になぁんか他のマリンレジャーでも覚えるかぁ。流石に今年はもう無理だけど来年とかに出来る様に。…まぁ意外にってだけで他と比べりゃ全然強いんだろーけどな。でも寂しかったりしてもその時は完全に隠そうとすっから、余計に気にしておいてやんねぇとなとは思うわ。ハハ!俺の影響受けてんのなんかよーく知ってるわ。口調も前より似てきて偶に俺の癖も出てて、影響受けてねぇって思う方が無理。…だからマジで可愛くて仕方ねぇのよ。もっとデレデレになりゃ良いのにって思っちまう程。(ほんの僅かな悪戯心は拗ねた恋人の表情を以て満たされ、愉快気に喉を鳴らそうとするも肩口から離した唇に贈られる意趣返しの口付けに半端に止まり。派手な首元の痣があれば大凡大丈夫だとは思うものの、戯れて己の元を離れる姿に一抹の不安を覚えては口調こそ茶化しつつも大股で歩み寄って浮き輪が僅か沈むのも気にせず掴んでは体重を乗せ)どーだろなぁ、やっぱ細マッチョのがみんなお好きだろーから。つか狙ってんのがどちらにせよ狩りは成功しねぇから関係ねぇけど。──ハ、……コラ、今日のお約束忘れちまった?俺の傍から離れねえって話だろ?本当、聞き分けねぇガキンチョだわぁ。
バナナボートは嫌だけどジェットバイクは乗りますわ。そっちは流石にナンパには使ってませんもんね?…それが案外強くないんすよ。すげー元気がある一方で、ネガティブな一面も結構あるんすわ。そこは22年間親にすら見せねー様にして来たけど…じゃなきゃこんなに妬いたりしないっすよ。…ん、俺も大人だから寂しがりは封印するんすよ。つかコウくんが忙しくても目一杯構ってくれてるのは知ってるんで、寂しいよりも心配が勝りますわ。…ははっ、口調までも似てきちゃいました?ヤベーっすね、いよいよ夫婦感出て来たじゃねーっすか。これ以上デレッデレになったら私生活で支障が出ますわ。駄目駄目、今でさえ学校とバイトにコウくんとの時間を取られるのが苦痛でしゃーないのに。(呆気なく捕まってしまえば楽しげに逃れようと足をばたつかせるも、告げられた己好みの言葉にしおらしく足を下ろしては再び相手の方を向き、ピンクの照明の下で目立たぬものの頬を染めつつ首の裏へと腕を回し抱き付き。アップテンポなBGMに掻き消される様な小さな声で囁くは)──…ごめんなさい、楽しくてうっかり離れちゃいました。…でもそうやって俺を繋ぎ止めて置いて貰えて、すげーきゅんてしちゃいました。コウくん好き好き、浮き輪が邪魔なくらい。
ん、ジェットバイクの後部座席は誰も乗せた事ねぇよ、陸のバイク乗せた事ねぇからなんかあった時不安で無理だったわ。今はもう大分慣れてるはずだけどなぁ。…まぁ、思ってたよりヤキモチ焼きってのは確かにそうだなぁ。そんなに不安になんなくても良いのにとも思うけど、それが雄太なら別に受け入れる覚悟くらいしてっから大した事じゃねぇけど。…そりゃ健気だけども寂しい時は寂しいって言ってくれた方がすぐにフォロー入れられるから俺としちゃ嬉しいのよ。お前が自由にしてて、そんで笑顔なのが俺は好きだから。我慢させるなんて御免だわ。…まぁ俺が勝手に思ってるだけかも知れねぇけどなぁ、偶にめちゃくちゃツボに入るわ。フハ、天下の夏休みだってのに?その内定番の『仕事と俺どっちが大事なんすか』くらいの言葉言ってくれても良いんだぜ、即答してやるからさぁ。(口をついて出た言葉に直前までのはしゃぎっぷりから一転、相手が大人しくなれば不安は大きくなるも振り返った照れ混じりの表情に堪らず破顔し。正しく2人の世界といった風な状況に周囲を気にするはずも無く水面下で腰元へと腕を回せば頬へと口付けを贈った後に自分のスマホを手に取ると相手へと向け)──ふ、次離れたら意地悪すっから覚悟しとけよ。浮き輪は確かに邪魔だけど…でーも、まだ俺が遊んでる雄太撮ってねぇからこのまま。
俺の場合は何かあったら一緒に沈めば良いからなぁ。気楽に乗せてくださいよ。まあコウくんの運転技術を信じてるんで、心配なんてサラッサラないんですけどね。…んー、不安になってるんじゃなくて只々妬いてるんすわ。ナンパでも何でも、コウくんが興味持った人はみーんな嫌い。ははっ、そりゃ放置プレイでもされたら寂しい寂しいって鳴き声の様に繰り返して差し上げますよ。でも孤独感を感じた事がガチでないんです。そうさせるコウくんはマジで凄いと思いますわ。…あははっ、まーた俺の事を甘ったれに育てようとする。じゃあ敢えて聞きますよ。仕事と酒と煙草と俺、どれが1番大事ですか?(頬へと口付けを贈られれば嬉しげにはにかみ、照れ隠しに腰へと添えられた腕へと凭れつつ浮き輪で浮かび。カメラを向けられれば足を着地させ、首元の痕が隠れる様に両手でピースを作り顎の下へと。視線をカメラから外し口元をにこりとさせ、シャッター音が鳴るのを待ち)──えー、意地悪されたいからまた離れなきゃ。…えへ、じゃあ皆に自慢して欲しいからこんな感じのポーズで如何でしょうか。
ハハ、ジェットバイクで一緒に沈むなんて明るすぎる心中みてぇじゃねぇか。俺らに似合いだわ。…本当、清々しい位それに関しちゃブレねぇよなぁ。俺の興味関心なんか今じゃ全部雄太の総取りだってのに。生憎、放置プレイも興味ねぇしなぁ…そんなんする位なら1秒でも長く俺の可愛い恋人を構い倒したくなっちまうんだもん。しゃーないわ、恋人にベタ惚れの男なんだから。…フハ、笑うわ。自分で選択肢増やすなんて随分強気だ事、そーゆー所嫌いじゃねぇわ。勿論、雄太に決まってんでしょ。酒とタバコなんか比べ物になんねぇ位の上等な嗜好品で、仕事と違って変えの効かねぇ俺の糧。(カメラの向こう側で強かに首元の痣を隠し、目線を外した事によって化粧がより映える相手の姿に自ずと低く喉を鳴らせば2度、3度とシャッターを切り。カメラロールに追加された写真を確認してから問題ないと判断すれば満足気に頷き端末を首から再びぶら下げて)──あら、ホテルに連れ込まないってな意地悪でも良いならどーぞ。……ん、可愛い。ちゃんと痣も隠れたし、後でインスタで自慢しとこ。
えへへ、でももっと長生きしたいっすわぁ。強いて言えばコウくんと世界一周旅行してー、宇宙旅行まで行けたら未練はないかな。…ふっ、ここまで潔く汚ねー本心漏らす奴なかなか居ねーでしょ?幾分か俺がコウくんに本音ばっかりぶち撒けて生きてるって信じて貰えます?──だって何より1番じゃなきゃ嫌なんですもん。…ふっ、仕事だってコウくんの代わりは立てれない重要なポジションでしょうに。ありがとうございます、満足しましたわ。因みに俺も、酒も煙草もゲームもスマホもぜーんぶ捨てたらコウくんとずっと居れるって言うなら、喜んで手放すくらいコウくんが好きですよ。他に何にも要らねーの。(相手が写真を確認するのを一緒に覗き込んでは、照れ臭げに口元へと手を添えつつ一笑し。徐に浮き輪を外してから相手の手を繋ぐと、プールサイド付近へとぐいぐいと引っ張って行き。浮き輪を差し出した後に直ぐ近くのプールサイドへと上ると、スマホのカメラを起動しそちらへとレンズを向け)…やーだ、ホテルは今日のメインの1つでもありますから。あっは、俺だけの写真はアップしないでくださいよー。代わりにコウくんのイケイケ写真撮るんで。…そうだなぁ…じゃあ、浮き輪の上に座って貰って、浮かんでるとこ写真に撮ろうかな。上から撮ったら映えると思うんだよなぁ。
うっわ、良いなそれ。色んな国行って雄太と一緒に色んな新しいモン見てさぁ…ふ、そんで世界中の美味い飯と美味い酒を食い尽くして、めちゃくちゃ楽しそうじゃん。…ハハ!そーね、仰る通り。事俺に対しては欲深いのなんのってねぇし、それ聞く度に心臓鷲掴みにされんだから俺も酔狂だわ。──あら、熱烈。でも雄太より優先する事なんかこの世に一個も存在しねぇわ。…ハッ、んじゃタバコの代わりにストレス解消して、酒の代わりに酔わせて、ゲームとスマホの代わりに雄太を楽しませて?…ウケる、ハードワークだわ楽しそうじゃねぇか。(不意に引かれた腕に、時折垣間見える相手の子供染みた所作を感じ取っては思わず破顔しつつ大人しく身を委ね。手渡された浮き輪と指定されたポーズに僅かな不安は抱きつつ大人しく指示に従い後ろ手に浮き輪を掴んでは軽く跳躍し。思いの外沈む浮き輪に僅かバランスを崩したもののなんとか体勢を立て直せば、顔を飾るのは苦笑いで)バーカ、嫌がる事しねぇと意地悪になんねぇじゃん。…良いじゃん、俺だってかわい子チャン自慢してぇのよ。つっても、俺がこの浮き輪に乗んの?大丈夫?ひっくり返りそうで怖ぇなぁ──…っと、あ、やべぇ。これマジ下手したら沈むって。
そ。豪華客船とかで行きたいなぁ。船の中でカジノとかプールで遊んでー、ご飯いっぱい食べてー、デッキでタイタニックごっこするんすよ。ワンチャンこっちは数百万で行けそうっすけど、問題は宇宙旅行っすよ。生きてる内に行けるかなぁ。──うん、俺の独占欲を笑っていられんのはコウくんくらいっすよ。俺ですら俺とはぜってー付き合いたくないですもん。…ははっ、俺を癒すも酔わすも楽しませるも、コウくんならお茶の子さいさいじゃないっすか。抱き締めてキスして甘い言葉の一言や二言くれりゃあメロメロになるんですから。(相手が浮き輪へと乗れば満足げに目を細め幾度かシャッターを押すも、苦々しい表情に頬を膨らませ口煩いカメラマンの如く指示を出しては再びカメラを向け、幾度も撮影ボタンを押し)ウケる、意地悪する気だったんすね。…大丈夫、この浮き輪デケーんでそう簡単に沈まないっすよ。…もー、にっこり笑わないと撮影終わらないですよー?これが終わったらお酒が待ってますから、頑張ってー。
良いな、オペラとかも見てぇし。しかも豪華客船ならワンチャン結婚式ごっことか出来んじゃねぇかなぁ…雄太好きだろ、そーゆーの。宇宙旅行も…フハ、お前がはしゃいでんの想像しただけで楽しいわ。俺らがイイ歳になった頃にはもうちょい気楽に行けるようになってんじゃねぇかな、楽しみじゃん。──なぁんでよ。お前が独占欲ご立派に披露してくれるだけで、コイツからぜってぇ離れちゃダメだなって毎回思えるってのに。こんなメンヘラメーカーと付き合えるのは雄太位ってなモンだわ。…そりゃ、今は他の娯楽があるから良いけど俺だけってなったらマンネリ必至じゃん?飽きられねぇ様に色々出来る男にならなきゃいけねぇや。(浮遊感に次第に慣れれば依然として鳴り止まないシャッター音に困った様に笑みを深め。気持ちを切り替えるべく一つ息を吐くと浮き輪の上で脚を組み、身体が表す不遜な態度に釣られて表情もしたり顔へと変えれば、好きなだけ撮れと言わんばかりに顎でしゃくり)ふ、寧ろ俺が意地悪じゃなかった時なんかあった?…いやマジ、こちとら成人男性よ、しかも雄太より全然重いってんだから。沈みそうになったらお前ごと引き摺り込んでやるわ。…ハァ、しゃーなし。そりゃもうとびきりのイケメンに撮れよな、ダーリン。
ははっ、結婚式ごっこも確かに。2人で洒落たタキシードでも着て螺旋階段で遊びたいっすねぇ。じゃあコウくんが俺と結婚しても良いなーって思ったら、日本だけの短いクルーズでも良いんで連れて行ってください。宇宙旅行はねぇ、無重力のところでふわふわ遊んでみたいんすわ。ワンチャン行ける可能性があるなら、健康的に歳取らないとですね。──コウくんは懐が深いなぁ。でもって俺はマンネリになったりしないですよ。ぜってー飽きない遊びがあるんですもん。皆までは言わないですけど。(相手が己の求めるポーズと表情をすれば嬉々と角度を変えつつ撮影し、写真を確認しピンクに染まる水面の上で寛ぐ様な画に感嘆の息を。先刻のツーショットと併せて相手のスマホへと送信し満足げに笑んで見せると、ふと悪戯に表情を歪め髪が濡れるのも厭わず相手の乗る浮き輪へとダイブし、恋人を巻き込み水中へと)コウくんはなんやかんやいっつも優しいからなぁ。…おお、すげー良い感じ。洒落た感じに撮れたんで、こっちアップしてください。…さーて、そろそろコウくんにもはしゃいで貰おうかなー…えい!
だろ?雄太好きだと思ったんだよ、それこそ2人ではしゃぎながらプロのカメラマンに撮ってもらって、俺らはゲラゲラ笑ってんの。てか、お高い指輪渡す時点でこちとらそのつもりなんだよ。じゃなきゃ可愛い恋人囲い込む算段付ける訳ねぇだろって。無重力マジで楽しそうだし、俺らは歳取ってもはしゃいでそうだよなぁ…笑うわ。──フハ、分かんねぇじゃん。それこそ一番…ねぇ?まぁ飽きさせない様に努力はしまぁす。(胸元で振動するスマホを見るべく手を伸ばそうとしたところで視界を暗くする相手の影に視線を向ければ、次ぐ行動は想像に難くなく。引きつる様な表情と共に制止の言葉を投げるも手は相手へと伸ばし、そのまま派手な水音を立てて浮き輪諸共水面下へ。難無く床へ足が付けば直ぐ様水面に顔を出して濡れた顔面を片手で拭い、悪ガキ染みた笑みを恋人へと向け)両方アップするからへーき、へーき。…って待て、コラ…なに──……ッブハ!ふ、…マァジでクソガキ!このやろ、後でプールに放り込んでやるからな。
プロのカメラマンとかスゲー。確かにキメキメよりかは爆笑してるくらいのナチュラルな写真にしたいっすねー。じゃあそれまでに頑張ってお金貯めておくんで、指輪貰ったタイミングで行きましょ。俺達の実質の結婚式と新婚旅行。…えへ、すげー楽しみ。──コウくん、ゆーくん早速ヤニとアルコール切れましたー。何とかして欲求を満たしてくださいよぅ。(恋人を巻き込み水中へと潜り込めば、水に慣れているが故に直ぐに目を開き相手の肩へと両腕を回し、赤子の様に脚を相手の腰元へと絡ませ抱き付きながら水面へと顔を出し。片手で顔に付いた水を払った後に愉快げに声を立て笑っては、脚だけでしがみ付きながら両手で水鉄砲を作り相手の顔を目掛けて放物線上の水を飛ばし、再びけたけたと笑い)あはははっ、すっげー楽しい!久々にプールに飛び込みましたわぁ。うんうん、是非とも放り込んで欲しいですけど、その前にー…ははっ、俺水鉄砲うめー。
キメキメなのなんかは外面用で充分事足りるだろーしなぁ、俺らの思い出用は見返して笑える方が良いっしょ。それこそタキシードでプール飛び込むみてぇなさ…怒られっかな。ハハ!マジで?休み勝ち取って来ねぇとじゃん、1週間でも足りねぇ気がする。──あらやだ、燃費悪ぃんだから困るわぁ。キスで足りるかしら。(甘ったれの様に強請る恋人の言葉に相応しい程の甘い笑声で言葉を紡いでから額と頬にそれぞれ音を立てて唇を触れさせ。次ぐ戯れ合いには口唇の隙間から歯を覗かせつつ肩を揺らすも拭ったばかりの顔面目掛けて再び水が掛かれば不敵に眉を寄せ、自分にしがみ付く恋人の腰を片腕で抱き込んで。空の手を己の背後へと回せば狙うのは巻き付いた脚の先、腰元で組まれた足裏を擽るべく手を伸ばし)…ッぷ、わ…やめろって!ハハ、ったく可愛い顔しやがって…俺がなぁにしても許すと思ってんだろクソガキ。痛い目見るせてやるわぁ。
ウケる、タキシード姿でプールに飛び込むって相当シュールっすね。面白いからやりましょ。後は正装姿で泥酔してるトコとかかなぁ…折角2人切りだし、好き勝手やりたいですねぇ。んー、1週間お休み勝ち取って貰えりゃ多分大丈夫っす。コンパクトでもぜってー楽しく過ごす自信があるんで。──…そうだなー、格好良いけどもっとちゅーしてくれなきゃ満足しなーいですよーん。俺ガキじゃねーし、もっと濃らゆーくして貰わなきゃ。(相手が己の調子に合わせて甘い口調をすれば嬉しげに表情を緩ませ口付けを享受するも、くすくすと笑いつつ調子に乗った台詞を告げては小さく音を立て自ら唇を啄み。次いで足を擽られれば弱点故に直ぐ様子供のような笑い声を立てつつ絡めた脚を解き、慌てて手を相手の肩へと載せては沈まない様に体勢を取り)あははっ、足の裏は反則っすわ!溺れますよぅ。
お行儀良くなんてらしくねぇしなぁ、到底出来るとも思わねぇわ。ぜってぇ小っ恥ずかしくて笑っちまうっしょ?他の奴らがやらなさそうな事やりてぇよな。んじゃ気合入れて1週間目一杯楽しむ新婚旅行にしよっか。…半年も先なのに楽しみが多いったらねぇな。──ふ、最近仕事やら何やらでバタバタしてたからなぁんも言い訳出来ねぇなぁ。仰せの儘にってなくらいしか。(一種の挑発の様な言葉を耳にすれば抗う気は到底起きず、啄まれた唇を大人しく重ねるも僅かな悪戯心で相手の口唇を甘噛みし。腰が解放されれば行き場の失った手も相手の腰元へと収め、してやったりとばかりに片側の口角を吊り上げつつ額を寄せて)おイタするからだろ?…ふ、マジでナイトプールでこんな遊び方するの俺ら位じゃん。
うん、結婚写真にありがちな大人しくニッコリとかできねーっすわ。つか半年後にもう連れてってくれるんですか?やったー、すげー嬉しいけどコウくんは俺なんかが相手で本当に本当に良いのかすげー心配。だってもっと良い嫁さんになれる人なんて沢山居るのに…俺はコウくんじゃなきゃぜってー嫌だけど。──ん、愛情不足起こす寸前でした。毎日毎日まーいにち好きって言って沢山甘やかして貰わなきゃ寂しいのに。…っ…酷い、コウくんが俺の唇食べた。もっとちゃんとちゅーしてくれなきゃ拗ねてやる。(恋人が己を気遣う様な言葉をくれれば付け入る様に甘ったるくごねて。唇を甘噛みされれば大袈裟にいちゃもんを付けた後に角度を変えつつ幾度か口付けを贈り、最後に小さく笑い冗句である事を示し。腰元を両手で支えて貰えば懲りずに再び両足を相手の腰元へと絡め付け抱き付き、付近に浮かぶ浮き輪を手繰り寄せるとアルコール飲料が売っているコーナーを指差し、歩き難い水中を歩行する意思がない事を示すべく相手の肩口へと顎を載せ密着し)俺にしては悪戯控えてる方っすよ。…ねー、でも本来のプールの遊び方なんてこんなモンっすからなぁ。ねぇねぇコウくん、喉渇きました。お酒飲みましょー。
そりゃ指輪とセットで──って思ったけど、そうか。普通はプロポーズしてから準備して結婚式だなんだってなんだっけ?嫌だなぁ、マジで雄太に会うまで興味なかったのがバレバレ。そんで?俺にそんな事意識させた原因は、今更そんなツレねぇ事言ってんの?お前相手じゃなきゃ俺にとっては考える価値もねぇのよ。──ん、ごめんな。俺ももっと雄太に時間割きたかったし、俺の可愛い恋人と1秒だって離れたくなんか無かったわ。愛してるって何回言えば許してくれる?…フハッ…だぁって旨そうなんだもん。それにちゃんとキスしたら激しくしたくなんだろ。(抜け目なく駄々を捏ねる恋人に愛おしさが込み上げるのはいつもの事で、気持ちを押し留める様に眉根を寄せつつ笑みを浮かべては気障ったらしい問い掛けを。与えられる口付けにはされるが儘、細やかな程度の啄みで返すも自分の口にした言葉に些か煽られつつ先程噛んだ箇所を軽く舐め上げてから顔を逸らし。恋人に抱き着かれながら浮き輪を携え、歩みを進めれば脳裏に浮かぶのは大衆プールで子供を抱き上げる父親の図で、くつくつ喉を鳴らしながら水中からでもドリンクが買える様に設けられたブースへと進むと、スタッフの好奇の目に然して気にした風でもなく、横向きにメニューを捉えて)…どんどんヤンチャになってくよなぁ、参っちまうわ。ふ、ハイハイ。──んで?何飲むよ。俺モヒートにでもしよっかなぁ。
んーん、俺はコウくんとずっと一緒に居れりゃ順序なんて一切気にならないっすよ。指輪渡されるって解ってて旅に出るのも、いつ渡されるかってワクワク感があって楽しそうですし。…えへっ、本当にコウくんは俺が欲しがってる以上の言葉をくれるんですから。コウくんが俺で良いって言ってくれるなら、喜んでずっとお側に居させて貰いますわ。──んーん、コウくんが仕事の間も俺の事ばっかり考えててくれたならちょっとだけ許します。でもって本当は100回愛してるって言って欲しいですけど、それを1回に凝縮して心から愛してるって言って貰えたらしゃーなし、許しますわ。…あっは、バレちった。今もすっごいちゅーしたいんですよ。ほら、こんな空間ですし?──…お、水も滴る良い男だ。格好良い、好き。(胸を擽られる様な問いに口元が緩むのを隠すべく手を添えつつ生意気な言葉を発し。幾度か口付けを交わすだけで欲がじわりと湧くのを感じては、唇をなぞる舌の感触に更に欲しがる様に揺れた眼を周囲のせいにすべく視線を滑らせ態とらしく笑いを溢し。恋人に運ばれつつ相手の濡れた髪をオールバックにし弄んでは、男前が引き立つ濡れ髪の仕上がりに嬉々とし頬へと口付け。カウンターの前へと辿りけば意外な相手のオーダーに見開き、次いで一方の口角を上げるとメニューを見る事なく同じ物に決め)…お、コウくんがモヒートは珍しい。じゃあ俺も同じので乾杯したいでーす。
ハハ、確かに旅行中に渡すのもアリだなぁ。でもその辺は内緒にしとくわ、折角のお楽しみ奪っちゃつまんねぇし。まだまだ考える時間なんてたっぷりあんだから。…ハッ、こちとらお前が喜ばなくなって頼み込んででも傍に置いておく心算だっての。散々時間も逃げ道もやったんだから今更離すつもりねぇのよ。──俺の頭ん中がどんだけお前でいっぱいか見せてやりてぇ位だわ、見たら納得すんじゃね?…いつだって心から言ってるっつーのに。まぁ御所望とあらば断れる訳ねぇなぁ…愛してるよ、雄太。いつだってお前が俺の1番だし、心の支えだ。…フハ、目の前の俺より空間に煽られちまうって?嫌だな、妬けるわぁ。──…ハハ、悪ぃな知ってるわ。(双眸を伏せ一呼吸置いてから再び相手と視線を絡めれば期待に添えるかは分からないものの小さくはにかみつつ心情を吐露し。鼓膜を揺らす笑声に乗り揶揄染みた言葉を投げては、こちらを見ろと言わんばかりに相手の顎を捉えるのは傍若無人さ故。濡れた髪が額に張り付く不快感が相手の戯れによって取り払われ、頬へと口付けを贈られれば横目でその表情を盗み見て満足気に口角を緩め、離れた瞬間に恋人の頬へと頬擦りを返し。2人分のモヒートを注文すると、片手で相手の臀部を支えつつ出てきた蓋付きの鮮やかなグリーンのプラカップの片方を手に取り差し出し)はいよ。…モヒート2つで。──なぁんかサッパリしたの飲みたくてさぁ。
…ん、多分あっと言う間に半年なんて経っちゃうからすげー楽しみ。今も毎日コウくんと一緒に居れるから、既に新婚感満載なんですけどね。あははっ、俺も頼み込んででも一緒に居たいって思ってるんで、じゃあ滅茶苦茶相思相愛っすね。…幾ら逃げ道作られても、俺から飛び込んだんですから離れる訳ないじゃないですか。…コウくんに離すつもりないって言って貰える度にすげー安心します。俺の居場所になってくれて、本当にありがとうございますね。──コウくんの頭の中かー…ふっ、すげーエロそう。でもって支えになれてるなら幸せですよ。煽られてるのは言わずもがな、目の前のイケメンのせいにきまってるじゃないですか。周りはスパイス程度っすよ。──…ふっ、潔い自信だなぁ。でもマジで似合ってますよ。見惚れちゃうくらい。(はにかみながら告げられた愛の句に心臓が高鳴り、愛情が湧き上がるのは必至で。言葉にならない喜びを抱きつつ俯き加減に表情を緩ませ、肌の温度を上昇させ。顎を捕らえる手に抗う故もなく、己を従わせる様な所作にときめきつつ視線を相手へと向けては、妙な恥じらいが湧き上がり唇を結び。頬への口付けのお返しを貰えば小さく吹き出し、馬鹿ップルらしく更に仕返しとばかりに唇の端へと口付けを贈り。ドリンクを差し出されれば表情を輝かせ受け取り、漸く相手から降りて。カップの蓋を開けると乾杯を求めるべく掲げて)あざーっす。…あー、確かに今日暑いですし、ミントとかぐいっと行きたいっすわなぁ。じゃあ乾杯しましょ。
この半年もめちゃくちゃ早かったもんなぁ。中身は濃かったけど、ついこの間まで小競り合いしてた気ぃするわ。新婚気分強ぇのはそこからここまでお互いベタ甘になってっからってのもあんじゃね?ふ、雄太の場合は頼み込むっつーか駄々捏ねる方が俺には効果絶大よ。…あら、飛び込んだ側が根を上げるなんて別に珍しい話でもねぇだろ。俺みてぇな相手なら尚更。つか、んな熱烈な事言われたら流石に小っ恥ずかしいだろって。そもそも…逆なんだわ。雄太が俺の帰る場所になってくれたのよ。──ハハ、そりゃまぁご存知のとおりってなもんで。ヤニに酒にあと…まぁ、快楽で何とか支えられてた俺がお前一人で事足りるってんだから天地がひっくり返ったみてぇな話よな。…ま、そりゃ当然。それ以外の答えなんか出した日には、マジで一日中家ん中閉じ込めてあの手この手で俺の事しか考えらんねぇ様にしてやるし。──…そーいやソフトモヒカンの時も結構雄太には意外と好評だったよなぁ。何、前髪上げてる方が好き?(心地いい冷たさの残る水中で密着した相手の肌から鼓動が伝わる様な錯覚を覚えては己の心臓までもが浮き足立ち主張を始めて、周囲の人影に恋人の蕩けた表情を自慢したくもあるものの独り占めしたい欲も沸き、二律背反な己の感情を消化し切れない儘くしゃりと眉根を寄せ。抱き上げた状態では満足に相手に触れる事の出来ないもどかしさから解放されれば、空になった手で自分のドリンクを手に取り、もう一方の手で蓋を外してから温もりを求めるように相手の手を握りつつカップを掲げ)だろ?夏っぽいし、偶にはな…折角ならいつもと違う事してぇじゃん。──ん、乾杯。
小競り合いしてた期間がたった1ヶ月くらいだって思うと、付き合ってからの時間がいかに早く過ぎてるか解りますよねぇ。…確かに甘さに関しては新婚のそれに等しいんだろうなぁ。いつまでもこうしてイチャイチャしてたいっすね。…つかウケる、気付いたら物分かりの良い男から駄々捏ねるガキンチョに成り下がっちゃいました。でもって俺が音を上げるなんて絶対にないですよ。仮に今誰かと付き合っても直ぐに捨てられるくらいだらしないヒモに育てられた自覚があるんで、コウくん以外俺を扱うなんて無理無理。…あっは、軟禁してあの手この手ってすげー魅力的。遅ばせながら水着ギャルの胸でも見てりゃ俺の夢が叶うのかなぁ。──…あー、確かに前髪上げてる方が好きかもっす。…おっかしーなー、今まで前髪系のが断然好みだったのに。コウくんと付き合ってから片っ端から好み変わってますわ。(相手の冷えた指先が己の手へと触れればそっと握り返し、カップをぶつけた後に口元へと運び一息に半分程を飲み下し。猛暑で気付かぬ内に水分を奪われていた身体にアルコールが染み渡り、頭が揺れる程の旨みを感じ親父臭く深く嘆息を溢し。同時にふわりと視界が揺れる感覚を覚えては、経験上酔いの回りが早くなるだろうと予想を付け、相手の肩口に凭れつつ制御しながらちびちびとドリンクを口に運び)かんぱーい。──っあー、ウメー。…はぁ、プールで酒飲めるとか最高っすわ。でもヤバ、今日酒の回り早いかもっすわ。
確かになぁ…ふっ、付き合う前は会えりゃラッキーみてぇな感覚だったから、多分余計長く感じてたのはあるかも。…当たり前じゃん、半年以上経っても俺は未だに毎日雄太に毎日惚れてんのよ。それこそ言葉だけじゃあ何年経っても伝え切れねぇ位で、キャリーオーバーが溜まってく一方。ドライな付き合いなんか今更考えらんねぇわ。…ハハ、違ぇよ。物分かりの良い最高の彼氏の駄々なんか聞く以外の選択肢ねぇから効くんだっつの。あらやだ、俺だらしないヒモ飼ってるつもり微塵もねんだけどなぁ。料理上手、気遣い出来て聞き分けも良いっつー感じの世間様に申し訳ねぇ位最高の嫁さんなら居るわ。…お、イーイ度胸してんじゃん。一緒になって巨乳ギャルでも探してやろーか…てのは、まぁ冗談だけどさぁ。他に目移り出来るモンならしてみろって。──フハ、確かに前髪重めのとかのが好きそうなイメージあるわ。でもまぁ、そんなら髪もうちょい伸ばしてツーブロポンパドールにでもしよっかな。(液体の入ったプラカップ同士がぶつかる衝撃が掌へと伝われば、それを皮切りに中身を呷り飲んだ途端広がるミントの爽快感と遅れてくるアルコールの喉を焼く熱さに唸り声を上げつつくしゃりと表情を崩し。もう一口、とカップを傾けたタイミングで聞こえた言葉と肩口に掛かる重みで自然と眉を上げては手中の物を相手の頬に宛てがい)──ッあー…最高。久々にイイ酒とイイ時間で楽しいったらありゃしねぇわ。…お、珍しい。別に無理して飲まなくてもちゃあんとお持ち帰りすっからいーよ。
あー、確かにいつ会えなくなるか解んないし、すげー濃密な時間にしようとしてましたわ。今思うと可愛いっすねぇ。…あっは、ここ最近は毎日毎日腑抜けた面しか見せてないのに、日増しに愛して貰えるなんて俺は幸せ者だ。何年も何年もずっと側に居て、好きって言い続けてくださいね。俺も尽きない愛を差し上げるってお約束しますから。──…ふ、コウくんそれは流石に盲目っすわぁ。だらしねーヒモってのが、この世でコウくんにしか響かねーけど俺のチャームポイントなのに。──お、ポンパドールっすか。すげー外人っぽくなりそうっすね。似合いそう。──まあ酔うっつってからが長いんですけどね。ほら、もう全部飲んじゃった。コウくん早くおかわり飲みましょー。折角だからべろんべろんになってはしゃぎたいですよー。次は何にしよう…やっぱビールかなぁ。(不意に頬へとカップを宛てがわれれば其方を見遣り、気遣いの言葉に笑みつつドリンクを口元へと運び残りを飲み干し。脳がふわりと浮く感覚は心地良いものでにこにこと表情を緩めては、カップの蓋を閉めおかわりを強請りつつ相手が飲み終わるのを待っているも、己の声を聞き付けてか耳打ちをした後にドリンクを強請りに歩み寄って来る女性2人組を認めては露骨に表情を顰め)…げー…変なの来そう。
あんなチャチな戯れ合いで満足してたっつーのが今となっちゃ信じらんねぇよなぁ。欲深いからもう今更、運任せの関わりなんざ物足りなくなる気がするわ。…ハハ、上等だわ。貰った分倍以上にして返してやんよ、死ぬまでに払い切れなきゃ無理矢理地獄に引っ張って行くから覚悟しとけよな。──あらやだ、雄太のだらしねぇ所っつったらその表情位なもんよ。俺の前ですーぐデレデレしちまう所…ふ、確かに間違いなくチャームポイントだわな。──ポンパがガッツリ流行り始める前にやりたかったし丁度いいわ。ギリッギリまで刈り上げて毎朝ビシッとキメてこ。──でーた、酒煽り。そんなん言われたら飲むに決まってんだよなぁ。…っし。俺雄太に映えんの飲ませてぇわ、ブルーハワイとかバタフライとかさぁ…。(告げられた言葉に相手の頬からグラスを離し一気に中身を飲み干せば中に残るのは氷とミントの葉のみに。挙げた手を下ろすのとほぼ同時にブースのメニューを横目で見るも、恋人の不機嫌な様子に気が付けばその矛先へと向けた侮蔑染みた視線は再び恋人へと顔を向ければ溶け消え、クラブでの会話の様に耳元へと唇を寄せつつ揶揄混じりの声色で)…噂をすれば水着ギャルのお出ましじゃん。…胸でも見てくる?ダーリン。
まあ今あの関係に戻るのはキチーっすけど、ちゃんと段階踏んで付き合った感じで楽しかったっすよ。俺大体告られて付き合ってから好きになってくタイプなんで、あーやってもどかしい思いした事あんまりないんすわ。つかウケる、コウくんは地獄行きが決まってるんすね。今から女の呪いをお払いしたら天国に行けるんじゃないです?──あっは、だらしねー表情こそコウくんにしか見せてないっすわぁ。期待値低めのゆるキャラで生きてく方が楽だって誰かさんと付き合ってから学んだんで、俺をしっかり者に仕立てちゃ駄目ですよん。──ん、飲みましょ飲みましょ。映える酒ねー…腹に入りゃ全部同じアルコールだから何でも飲みますわぁ。──…ふ、俺が好きなのは巨乳じゃなくて巨こ…なんでもねーや。ちょい行って来まーす。(相手のカップの中身が空になれば手中から受け取り蓋を閉め、次のオーダーをすべくメニューへと視線を向け。耳元で囁かれた言葉に一笑しては自ら女性達の元へと歩み寄り、驚かれるのも意に止めず肩へと腕を回し軽快な口調で話し笑いを取りつつ羽振りの良さそうな男性の元へと歩み。奢って貰える様に交渉をしては、ちゃっかりと己もカウンターへと行きカットフルーツが入ったサングリアを2つ手にして戻り)えへ、奢って貰いました。
まぁ…確かにあの時間があったから雄太に惚れてんの自覚出来たっつーのはあるし。俺お前と違ってお利口さんじゃねぇから、先に付き合ってたら今までの繰り返しになってた気ぃするしなぁ。…フハ、当たり前じゃん。俺みてぇな奴は地獄直行便でご案内される運命だわ。御祓した所で過去は変えらんねぇのよ、変えられるのは未来だけってなもんで。──生憎俺は期待値低くしてる気なんか更々ねぇのにそれを飛び越えて行く奴が居るんだわ。周りからは俺の恋人は掃き溜めに鶴って専らの噂。──…マァジで行くのかよ。(思いの外すんなりと恋人が離れればその拍子に繋いだ手は解かれ、温もりを失ったその手で呆れた様に前髪を掻き上げた拍子に聞こえて来たのは傍のスタッフの小さな笑い声で、それに苦笑を返しつつ然もつまらないといった表情で恋人へと視線を送りつつプールの壁へと凭れ掛かり。漸く相手が戻って来れば自慢気な手中に収まるドリンクを一瞥してから、味を占めたのか名残惜しさか相手の背中を見つめる女性達を見つめながら思案する様に双眸を伏せて)…俺から離れるなっつったのになぁ。
ははっ、俺だけがベタ惚れで捨てられてた可能性もあるって訳か。それは嫌だなぁ…コウくんが最終的に別の人と結ばれるなんて考えたくもないっすもん。まあ仮にコウくんが地獄に落ちるなら俺もお供しますわ。2人居れば何とかなるっしょ。──ヤバい、それはマジで俺っつー人間を美化し過ぎっすわ。そもそもそんなに俺の事を色んな人に話してくれてたんですか?それは嬉しいなぁ。(呑気な笑みを浮かべつつ一方のドリンクを差し出すも、恋人の浮かない表情を見ては小さく笑いを溢し人目を憚らず相手の肩口へと腕を掛け眼を見据え。些か酒気帯びているが故に気が大きくなり甘く囁いては、唇を啄んだ後に肩を解放し相手の手へとカップを握らせ)すんません、只明らかにコウくんに強請ろうとしてたんでムッとして追っ払ってきちゃいましたわ。ちゃんと言いましたよ、俺とあのお兄さんは付き合ってるから無理って。お前等見る目ねーからこんなトコでフラフラしてんだろってディスったらすげー喜んでたけど。金ねーからタッグ組もうって言う体で違う人に押し付けて来たんで、酒に罪はねーから飲みましょ。
多分雄太とのチャンスを逃してたら俺は一生適当にフラフラして早死にしてたんじゃねぇかな。実際そのつもりだったし最終的に腰を据える場所が俺に出来るなんざ思ってもみなかったわ。ハハ、マジで地獄まで付いて来てくれんの?それだけでもうそりゃ天国じゃねぇの、閻魔様も困っちまうわなぁ。──この間ダチと馴染みの居酒屋に飲みに行って、半年続いてるっつったらそりゃもう祝酒のオンパレードな位俺の彼氏は有名人よ。(肩へと乗る相手の僅かな体重と啄まれた唇に不遜な態度を保つ事は難しく、結果として出来上がったのは眉根は寄せているものの口角の上がったアンバランスな表情。差し出されたカップを取る以外の選択肢は浮かばずに掌には冷たい感触が広がり、正体が明かされた恋人越しに届く視線へと軽くグラスを掲げてから飲めば広がるフルーツの甘さは己でも飲みやすく、難無く喉を鳴らし)へぇ、なるほどねぇ?…まぁ、良いんだけど。雄太があんなん得意なのは弱く知ってるし、誰が払った金でも酒は美味ぇし。……あ、マジで美味ぇじゃん。ワインあんま量飲み過ぎたくねぇけどこれは結構好きかも。
ウケる、それは大袈裟っすわ。コウくんは賢いから何やかんや適齢期に結婚なり何なりして落ち着いてたんじゃねーかなーって思いますよ。勿論俺がそのポジション頂けたのは喜ばしいっすけど。うん、コウくんが大変な時は俺も一緒に苦しむつもりなんで。…つって俺もガキの時は虫で外道な遊びしたりしてたんで、地獄行きでしょうなぁ。──あははっ、半年でそんなに祝って貰えるんすね。じゃあ1年記念とかはもっと凄いんだろうなぁ。(相手の口元が緩んだのを認めては安堵し目を細め、眉間に寄った皺へと指を触れさせ撫でるようにして伸ばし。相手がカップを掲げた方を不思議そうに見遣っては、ワンテンポ遅れてその意図を理解し一方の口端を吊り上げ手を振り。直ぐに恋人へと視線を戻しては、ドリンクを口元へと。品のある果実とワインの風味に満足げな息を溢しては、プールの端へと背中を移動させ凭れ)今日は楽しむために来てるんで、穏便に済ませたかったんすよ。俺1人なら怠いし確実にガン無視してましたわ。…あー、このサングリアは当たりだ。映えそうだからこれにしたんすけど、気に入って貰えたなら何よりっすわ。で、ワインセーブしてるのはあんまり体に合わないとかじゃないですよね?
冗談も程々にしとけって、独身貴族なんか今時珍しくもねぇし、それで開き直れねぇ程柔でもねぇから興味無い奴と結婚する利点なんざ微塵もねんだわ。雄太と出会わなけりゃ俺の中に存在すらしなかった選択肢よ。雄太と一緒なら苦しむ余地すら無さそうだけど。ま、順当に行けば俺が先に行って待ってる事になるだろーから、そん時は地獄巡りの案内でもしてやるわ。──1年記念にゃスペシャルゲストでも連れてってしこたま周りに奢ってもらう?マジでクッソ奢られたらめちゃくちゃ笑うけど。(眉間を撫ぜる指に対する僅かばかりの抵抗は程なくして解かれ、隣へと並ぶ恋人の姿に小さく微笑みを浮かべた折に飛び交う単語に己の魂胆を思い出しては口元からカップを外し。首からぶら下がるケースを手に取れば相手を収めるべくスマホを構え)…まぁ、そーね。そんじゃ更に穏便に済ませる為に、一つ恋人のご機嫌取りでもしとくのは如何?あー、ワインは一本丸っと飲んだりするとグロッキーだけどこのくらいなら全然余裕。──つか、そーだ!映えじゃん。…そのまんま、美人な顔して前向いてて。
まあ独身は独身で楽しそうっすけど、家で好きな人待ってたり一緒にごはん食べたり出掛けたりする喜び知っちゃったからちょっと寂しく感じちゃいますわ。俺っちは柔だ。…あー、コウくんすげータフだから長生きしそう。寧ろワンチャン不死身。──あははっ、コウくんの友達が怖くなさそうな人達なら行きますわ。寧ろ俺が酒を振る舞いますよ。これからも応援よろしくっすっつー感じなんで。(壁に凭れ酒を呷っていると、照明やBGMの効果も相まって徐々に高揚するのを感じ。カメラを向けられれば上機嫌に決め顔を作り、指定の通り目線を前方へと向けた儘ポーズを固定しシャッター音が鳴るのを待ち)勿論、恋人が拗ねたなら1つとは言わず2つでも3つでも機嫌直して貰う努力はしますよ。──ははっ、俺美人じゃねーからそれは難しいなぁ。じゃあカメラマンさんの腕に任せますわ。コウくんが見返したくなるくらい美人に撮ってくださいね。
ハハ、別に雄太はそんなん今までも何度もあっただろ。つっても同棲してみて思ったけど…万が一別れた時はここ引越さなきゃ辛くて無理だわなぁ。…いや、流石に不死身じゃねぇわ。ふ、でも俺も自分が死ぬ時なんてマジで急なのしか想像付かねぇな…ナイフで刺される、急性アル中、後は事故とかその程度。──フハ、年下彼氏に酒奢らせんのはマージでダメ。俺の甲斐性無しがバレちまうわ。(自分の言葉通り横顔を晒す姿に、プラカップを持つ手の甲で相手の耳元の髪を掬う様にして首元の痛々しい傷が画面上から隠れれば二度、三度とシャッターを切り。親指の腹がスマホを叩くのを止めた所で、ハイトーンの濡れた髪が吸い込んだ照明の色に吸い寄せられる様に頭部へと軽く口付けると満足したとばかりに再び酒を口にし)ハハ、そりゃ可愛い恋人の写真ってだけでいつでも見返してぇけど──…ん、可愛く撮れた。水も滴るイイ男だわ。
生憎まだ働いてもねー立場なんで、就職したとてどうせ最初は給料なんて安いだろうし、結婚なんて30歳くらいで出来りゃ御の字くらいの薄ぼんやりしたイメージでしかなかったですよ。タチ…つーか男の立場ならマジでプレッシャーしかねーし、今みたいにお花畑な考えでは無かったっすわ。…あっは、コウくんが必要のない心配してる。別れないから高い指輪貰うつもりでいるのに。──そうだなぁ…今の死際で1番リアルなのがナイフで刺されるっつー奴かな。俺と手繋いで歩いてるトコ見られて俺もセットで…みたいな。怖っ…ちゃんと防弾チョッキ着て歩いてくださいね。(己の首の傷を隠す相手の気遣いに小さく吹き出すも、直ぐに表情を戻しシャッター男が止むのを聞き届けては、髪へと贈られた口付けを享受した後に嬉しげに頬を緩め残りの酒を呷り。楽しげな表情で己のスマホを手に取ると宙へと掲げつつ恋人と肩を触れ合わせては、酔っ払いのテンションで頭を預けたり頬へとキスを送りつつシャッターを連打し)えへ、綺麗に撮ってくれてあざっす。でもやっぱりコウくんとイチャイチャした写真撮りたーい。ちゅーしてるの撮りましょ。ぜってー何よりも映える。
ハハ!それが就職と同時に嫁ぎ先も勝手に決められてんだから人生何が起きるか分かったモンじゃねぇなぁ。でも、お前が思い描いてた幸せの何割俺に用意出来んだろーな、自分の子供抱かせてやる事すら出来ねぇってのに。…ふ、まぁ確かに雄太は別れる前提で高い指輪強請る程は強かじゃねぇし、なんなら律儀に置いてくタイプだろ。──やーべぇな、めちゃくちゃ昼ドラじゃねぇか。笑うわ、そんなん。つか手ぇ繋がないってお手軽な方に思考が行かねぇのが流石すぎる。(戯れと共に引っ切りなしに響くシャッター音の元、最初こそ呆れた表情で酒を飲んでいたものの中身が空になる頃にはほろ酔いの感覚に包まれ、次第に喉を鳴らす笑声を抑える事は出来なくなり。空になったカップをプールサイドへと置くと片腕で恋人の腰を抱き、もう一方で動き回る顎を掴み)うっわ、もう匂わせっつー域じゃねぇじゃん……フハ、まぁいーや。んで?どこにちゅーして欲しいって?ちゃんと上手に撮ってくれんだろーな。
うん、コウくんが歳上のデキる男性だからこうも上手くいってるんすよ。俺の性格に1番しっくりくる形に収まれましたわ。…あー、そういやちょっと前に外人っすけど、顔の似てねー子供をそれぞれ肩車して歩いてるゲイカップル見掛けましたわ。すげー楽しそうだったし、色んな形があって良いんじゃないっすかね。そもそもコウくんと一緒じゃなきゃ幸せじゃないですし。──…あー、手繋がないっつーのは盲点でしたわ。想像したけど寂しくて無理っすわ。そこは元カノさん達に刺されようと譲らねーっす。(スマホを連打するも焦点は定まっておらず、ぶれたデータが多く蓄積されるのも意に留めず楽しげに撮影を続け。相手が漸く乗り気で己の腰を抱くと、分かり易く嬉々とし満面の笑みを浮かべ。幾分かでも周囲の目を遮るべくパーカーのフードを被ると首裏へと腕を回し、甘ったるい口調で口付けを強請り。スマホを持つ手を横へと掲げると、自らキスを仕掛けるもいきなり舌を捻じ込みつつ画面を確認する事もなくシャッターボタンを連打し)やーだ、コウくんと俺はラブラブだから匂わせの関係じゃないの。これからいーっぱい世界中に自慢するんすよー。…えへ、じゃあ口にちゅーしてくださーい。
褒め上手だなぁ…つっても俺はどっちかっつーと外で好き勝手遊んでくるだらしねぇ年上彼氏。古臭い亭主関白染みてて家の事は知った事じゃねぇってタイプだろーに。…ふは、そりゃ確かに想像するだけで幸せそうだわなぁ。俺らが育てたら血ぃ繋がってなくても最強にヤンチャなガキになりそうだし。─事あるごとにくっつこうとするもんなぁ、雄太は。んじゃ今後も外でイチャイチャ出来るように、刺されねぇ為に品行方正に生きてかねぇとだわ。(キスを強請る言葉に答えるより先に唇へと柔らかな感触が伝わり、不意に口内へ侵入してくる濡れた唇と絶え間ないシャッター音に酩酊感はより煽られ、熱を帯びた息を溢すのを皮切りにして相手の舌の感触を確かめるように絡めては顎を捕らえる手に力を込め、相手の顔を周りから隠すべく角度を変えて)ハハ、マジで馬鹿ップル極めてんなぁ。でもそんな色っぽい写真は俺らだけの秘密。…お、良い──…ん、……ッは
んーん、ちゃんと俺のために毎日家に帰って来てくれるじゃないっすか。それに亭主関白だって思った事はないっすけど、俺自身好きな人に尽くすのが好きなんで問題ないですし。…ん、どっちもパパだからこそすげー遊んでやれるんじゃないっすかね。尤も、暫くは俺がコウくんの事独占していたいんですけどね。──だって本当は24時間毎日一緒に居たいっすけど、叶わない分居れる時はイチャイチャしたいんですもん。うんうん、今と同じく過ごしててくれりゃ問題ないっすわな。品行方正じゃなきゃ俺も拗ねて面倒でしょうし。(口付けに応え相手も舌を絡めれば、小さく鼻孔から上擦った声を溢し意識はスマホから離れシャッターを押すのを止め手中からスマホを落とし。顎へと添えられた手によって顔の角度を変えられては主導権を握られている感覚に高揚し、脚に入る力が弱まるのを自覚し腰へと回された腕に頼りつつ夢中で舌を絡め。徐々に欲が深まれば顔を離し、蕩けそうな眼で相手を捉えつつ酔い交じりの強請る様な声で)…んっ、──……んー、コウくんが俺との写真をアップしないってゆーから拗ねた。自棄酒飲んでやるー。アルコール入ってたら何でもいーんで、おかわり買ってくーださい。
そりゃ…まぁ、待っててくれてるっつー安心感があるからだわな。じゃなきゃ俺は一喜一憂すんのダルいから帰らなかったり、すぐ遊びに行ったりしただろうし。尽くしたら尽くした分だけ付け上がる男にんな事しちゃダメだわ、図に乗るでしょーよ。…まぁ俺も暫くは雄太とココで手一杯だわ。お前らの事満足に構ってやれねぇ内は子供居たって余計寂しい思いさせるだけだしなぁ。──ハハ、まぁ確かに飽きたって言われるよりかは求められるだけ求められた方が全然張り合いあるけどな。お陰様で今はマジで仕事男の品行方正マンだもんなぁ…ひっくり返っても浮ついた話の一つも出てこねぇから浩二クンたらこのまんま枯れちまわねぇか心配な位。(周囲の喧騒も流れるBGMも遠く、自分達に関係ないとばかりに鼓膜を揺らすのは口内で響く水音のみで、アルコールの所為か普段より熱く火照った感覚を伝えてくる相手の舌先に吸い付く様に音を立てれば物足りなさが残る中解放され。色香を振り撒く様な表情を浮かべる恋人に欲情を煽られるのは必至で、悩まし気に眉根を寄せ暫し思案してからカウンターでビールを二杯注文すると両手に持ったカップを軽く掲げては是と言うまで渡さないとでも言いたげに諭す口調で)…、ン…は?バッカ、そうじゃねぇって…あぁ、もー……──これ飲んだらプールはおしまい。酔っ払いはちゃんと俺の言うこと聞けるって約束出来んなら飲ませてやんよ。
うん、夕方頃からココちゃんと時計見ながらコウくんの帰りはまだかなーって待ってますよ。だから毎日遊びに行かれたら拗ねてココちゃん連れて家出してたかもです。…あっは、付け上がって貰って大丈夫っすよ。だって俺の身も心も全部コウくんの物なんですから、好きに扱って貰わなきゃ返って寂しいですわなぁ。──飽きるとかこの先起こり得ない感情っすわ。お仕事にコウくん奪われて日々不足してるんですから。…ん、浮気しないで偉い偉い。でもってぜってー枯れさせねー様に俺も身形なり色気なり努力するんで、絶対に余所見しちゃ駄目ですよん。(恋人がカウンターでドリンクをオーダーする最中、プールサイドに凭れ先刻撮影したばかりの写真を流し見ては殆どロクに撮れていない写真ばかりで小さく吹き出し。相手がアルコールを両手に戻れば嬉々と手を伸ばすも、念を押す言葉に敬礼し答えては双眸を伏せ媚びる様にカップを持つ手を引き寄せ指先に口付けを贈り)…わー、ビールだ。流石コウくん、俺の好物解ってる。──はーい、じゃあこれ飲んだらもっとイチャイチャ出来るトコに行きましょー。…早くコウくんが欲しいから、急いで飲まなきゃ。
ハハ!マジでココ置いて行かねぇ辺り、雄太の好きな所だわ。でもまぁ…お前と付き合ったタイミングが良かったのもあるわな、遊びに行くタイミングじゃなかったしさ。…まーたそうやって煽る事俺に言うじゃねぇの。好きな子は大事にしてぇってのは誰でもそうだろ?だから好き勝手になんかしませぇん。──ハッ忙殺され掛けてたけど、んな事言われんなら仕事様々だわぁ。会社でも家でも引っ張りだこなんて男冥利に尽きるわな。…そりゃ上物の味占めちまったら他のモンなんか口に合わねぇわ。しかも俺の好みにずっと変わってってくれるってんだから余所見なんざとてもじゃねぇけど無理。(戯けた様に返された敬礼に失笑し肩を揺らしているも相手の口元へと導かれた手をまじまじと見つめれば、先程の口付けを想起させる仕草に再び肩が揺れたのは今度は笑い以外の理由から。相手の手に押し付ける様にカップを持たせるとその形を歪ませる動きで親指の腹で柔らかな唇を潰し人差し指の横側も使い暫し軽く揉んでから解放しては欲を流し込む為に手元に残ったビールを一息に呷り)フハ、マジで酔っ払いじゃねぇ、か──…どこでそんな色っぽい誘い方覚えて来たんだか。マージで可愛いから嫌んなるわ…、
だってココちゃんが暑くないかとか寒くないかとかお腹空かせてないかとか心配で、直ぐに帰っちゃうんですもん。パパに会えなきゃ寂しい思いさせて、それはそれで辛いですけど。…ふっ、寧ろ自粛時期に俺の独占欲とか寂しがりとか悪化した気がするんで、コウくんにとってはアンラッキーだったかもしれないですよ?──うん、コウくんがお仕事頑張って俺のために早く帰って来てくれるから良いですけどー、大変そうな残業の日は俺とコウくんの時間を横取りされた!ぴえん!ってなりますもん。──えへ、あざっす。コウくん好き。いただきまーす。…あっは、すげー飲みっぷり。俺も負けないぞー。(思惑通りビールを与えられれば大袈裟な迄の笑みを浮かべて喜びを示し、礼とばかりに相手の頬へと口付けを贈り。恋人の飲みっぷりを横目で眺めては楽しげな声を上げ笑い、己も負けじと一息に飲み。相手の手元のカップも受け取りカウンターへと渡すと、ハイペースで飲んだが故にワンテンポ遅れて脳が酔い、プールサイドへと背中を倒し寛ぎ。傍に監視員が寄って来て声を掛けられれば、己ではまともな口調で話している心算でいるも些か辿々しい呂律で受け答えし。スタッフが恋人へと困った視線を向けるのも気に留めずにこにことし)…んー、ぜんっぜん酔ってないですよー。まだねー、3杯しか飲んでねーの。…えへっ、次何飲もうかなー。
つってもママがめちゃくちゃ構ってくれるから、最近は寂しい思いしてねんじゃねぇかな。昔は俺が帰ってくると足元に引っ付いて離れなかったもん、アイツ。…フハ、あの時期に俺が甘やかしすぎたかしらぁ。でも別に困ってねぇからアンラッキーもクソもねぇわ。──ハハ、それでも残業とかの連絡する時は大抵聞き分け良いんだから、本当出来た嫁さんだわな。ヤダヤダ言われたらめちゃくちゃ急いで仕事終わらせるっつーのに。──…いや、マジで結構酔ってんな。珍しい。(音を立ててビールを飲み干し、空のカップを大人しく預けるものの揺れる恋人の身体に過保護なまでの心配が湧き起こり僅か酔いも覚める心地で、案の定監視員に声を掛けられれば辛うじて苦笑の形を作った表情を浮かべながら紛う事なき酔っ払いといった様子の恋人を自分の胸元へと引き寄せ、耳元で囁くのは言い含める様な甘ったるい口調にて)あぁ、いや…スンマセン。完全酔っ払いなんで、もう撤収しますわ。責任持って連れてくんで…──ほら、雄太。俺との約束覚えてる?もうプールはおしまい、二人っきりになれる所行こ。
ははっ、ほぼ毎日家で一緒に過ごしてますからなぁ…ココちゃんが居るから俺も私生活が満たされて、こんなに引き籠もりがちになってるかもしれねーっすわ。つか足元から離れないってすげー可愛いっすね。寂しがってたと思うと可哀想っすけど、メロメロになっちゃいますわ。…うん、誰かさんが俺を滅茶苦茶に甘やかしたから欲深い男になっちゃいましたよ。聞き分け良いのはコウくんにヤダヤダ言っても負担掛けるだけだし、それなら埋め合わせお強請りしようって浅ましい魂胆ですよ。(アルコールで火照る顔を冷やす夜風に心地良さそうに目蓋を閉じるも、相手の胸元へと抱き寄せられれば半ば無意識に首裏へと腕を回し頬を擦り寄せ懐き。甘く囁かれた科白で先刻交わしたばかりの約束を思い出しては、失念してしていた事を悪怯れる事なく上機嫌にくすくすと笑いつつ首を縦に振り。眼に映るのは恋人の姿ばかりで恍惚としては、周囲に目をくれず誘惑する様にラッシュガードを肩口から下げ傷跡を露出させつつ音を立て唇を幾度か啄み。急かす様に相手の腕を両手で捉えると、階段へと向かいぐいぐいと引っ張り)──…あっは、そうでした。もうおかわりはないんでしたー。…んー、コウくん好きー。ねえねえ、コウくんも早く俺と2人切りになりたーい?ゆーくんはもうげんかーい。
ふ、知らず知らずに俺とココの二方向から雄太の事囲い込んでるって訳?ココはマジで俺が甘ったれに育てちまったからか、前にウチで飼ってた時は俺にべったりで俺もメロメロだったけど…最近は雄太にデレデレで妬けちまうったらねぇなぁ。…ハッ、俺が前に言った事よく覚えてんじゃねぇの。埋め合わせ強請ってくるくらい欲が深い方が強かで最高に好みよ。寂しくなったらちゃんと強請っておいで、なんでも応えてやるわ。(間延びしてはいるものの、己の言葉に殊の外確りとした返答を返す恋人に僅か安堵の息を漏らすも人目を憚らない蠱惑的な行為には監視員の呆れ混じりの視線を前にしては狼狽を隠せず、申し訳程度の会釈を残して手を引かれる儘プールから上がるとふらつく身体を支えるべく腰に片腕を回しながら、荷物を置いたサマーベッドへと向かい。半ば強引にそこへ座らせると相手の肩へとタオルを掛け顔を覗き込むように腰を屈め)…あー、うんうん。早く二人っきりになろーなぁ。…その前に、ちょっと水飲もっか。持ってきてやるからさ、良い子で待ってられる?
違いないっすねぇ。コウくんだけでもガッチリ囲い込まれてますけど、ココちゃんのお陰でより強固なものになってますわ。2人から離れるなんて辛過ぎて無理ですもん。あははっ、パパ嫉妬してくれます?言うてコウくんが帰って来たらやっぱり真っ先にご主人様のとこに行くんだよなぁ。…ん、誰かさんの甘やかしのお陰で平気で埋め合わせ強請るような強欲な男になっちゃいましたわ。つっても、ぎゅーして寝て貰えば大体満たされちゃう安い男なんすけどね。(プールの外へと出ると浮力が無くなりふらつきそうになるも、恋人に支えて貰えば呑気にへらへらと笑いながらサマーベッドへと。導かれる儘腰を下ろし、肩に掛けて貰ったタオルで身体を覆い子供の様に脚を揺らすも、告げられた言葉で恋人がどこかに行くつもりだと言う部分だけを理解しては、眉をハの字に下げて首を横に振り、相手を引き止めるべく両手で手首を包み込み酔っ払い宜しく泣きそうな声を出し)…えー、コウくんどこに行くんですか?やだ、俺も行く。置いてかないでくださいよー。
そりゃ上々。雄太に強請られるまんまココ連れ戻してきて正解だったわぁ…つって、お前が居なけりゃ多分ココと一緒に暮らせてもねぇし、マジで感謝してんのよ。だからその辺加味すりゃココが雄太にベタ惚れなのもまぁ…頷けるわなぁ。…寧ろ埋め合わせ強請って来る方がいじらしくて可愛いし、十割聞き分けの良さ発揮されるよか安心出来るじゃん。まぁでも強請られなくたって雄太を抱き枕にして寝るのは変わらねぇから他のにしとけ、とは思うけど。(見るからにアルコールの所為で上機嫌といった様相の恋人に悪酔いしてる気配もなく、一瞬離れるだけなら問題無いと判断し背筋を伸ばしつつ身体の向きを変えようとするも掴まれた手首にそれを拒まれ。先程までとは一変、捨てられた子犬のような表情を見せられれば困ったようにくしゃりと眉根を寄せ、諦めて僅かな嘆息を漏らすと相手の隣へと腰を下ろし)っ…ハァ、マジでその顔に弱いからダメだわ。分かった、どこにも行かないからちょっと酔い覚まそうぜ、酔っ払いボーイ。
それ言うなら俺もコウくんが居なきゃココちゃんと一生会う事すら出来ませんでしたし、すげー感謝してますよ。でもってココちゃんがすげー懐いてくれるのは、猫ちゃんって飼い主に雰囲気似てると懐き易いみたいですし、俺が割とコウくんの癖とか口癖とか移ってるからかもですねぇ。…だーって俺っちの心は金じゃ絆す事は出来ないですし、そう言う意味じゃお高いんですよ。コウくんが愛情込めて側に居てくれないと寂しいから、寝る前はスマホとか他の物に構わないで俺だけに集中して貰えて好きなんです。(恋人が己の隣へと腰を下ろせば満足げに笑みを浮かべるも、次ぐ台詞に不服げに唇を立てると肩を両腕で抱き肩口へと顎を載せ。甘ったるい声で駄々を捏ねては、誘惑すべく首筋から耳元へと小さく音を立てて口付けを送り)…んー、酔ってないですよー。それに2人切りのトコに早く行きたいです。…俺は今直ぐにでもコウくんとイチャイチャしたくて堪らないのに…コウくんは平気ですか?
ハハ、そう言ってくれると親馬鹿としちゃあ嬉しい限りだわ。ココも絶対お前に会えて良かったと思ってる筈だし。んで俺らは最初からノリとかは割と似てたしなぁ…後はおんなじ匂いさせてるってのもあるのかもな。…ふ、確かに寝る前はいっつも雄太だけの時間だなぁ。スマホとか他のモンに気ぃ向けてると一緒に寝るタイミング逃して寝付けなかったりするし、どっちかっつーと俺の為にそうしてんのよ。(素面であれば、人目を気にしてここまで大胆な事をしないであろう恋人が己を絆そうと懸命になる姿に嗜虐心が擽られるも、喉奥から潰れた音を絞り出し飲み下せば緩くその頭を撫でつつ暫し思案し。苦笑混じりに立ち上がればロッカーへと向かう心算で手を差し伸べ)いや…俺だってそうだけど……ぜってぇ酔ってんじゃねぇか。…まぁ、良いか。二人っきりの方が聞き分け良さそうだし…立てる?抱っこしてやっても良いけど?
確かにノリは似てますからなぁ。俺はココちゃんと2人きりの時はすげー猫なで声でベタベタに可愛がってますけど、コウくんもやってそうですし。匂いは確かにデカいかもしれねーっすね。懐かれる条件が色々整ってますねぇ。──えー、俺はコウくんと1日の最後にイチャイチャして充電して、幸せな気持ちで寝る為にスマホ触らないでいるのにー…ぷん、拗ねた。(苦笑交じりに頭を撫でられれば相手が困り果て宥めようとしていると捉え、忽ち頭が冷える心地を感じ。俯き加減に謝罪の言葉を告げては、反省の面持ちでサマーベッドへと横たえ情けない表情を隠すべく目元をタオルで覆い隠し、酔いを覚ますべく深い呼吸を繰り返し)…ごめんなさい…ちょっと調子に乗ってハイペースで飲んじゃいました。酔いが覚めたら行きますから、良かったら先に着替えて休んでてくださいね。
…うーわ、なんでバレてんの。つってもそうか、俺がココに甘ったるいのなんか見てりゃ分かるよなぁ。俺ら二人を形無しにしてるお姫様は罪深いったらねぇわ。──バァカ、寝るギリッギリまで雄太の事構って一緒にうとうと出来りゃ最高に幸せだと思わねぇ?拗ねる要素なんか一つもねぇだろって。(何を思ってか目に見えてしおらしくなる恋人の姿を視界に収めつつ黒目を左右に揺らし、取られる事なく所在を無くした手で後頭部を掻いてからサマーベッドの傍らに膝をつき、前腕を相手の腹部へと預けたのは僅かばかりの触れ合いを求める心持ちから。タオルの下に隠された表情を覗き見る事が出来ないと悟れば頭すらも相手に預け、内容とは不釣り合いの落ち着いたトーンの声を出し)…なぁんで俺の可愛い恋人はそーゆー事言うかなぁ。──そりゃ、はしゃいで酔っ払ってちょい心配ではあったけど、尚更こんな可愛い子一人置いてけねぇわ。そんな色っぽい所見せてたらグラッとくるの俺だけな訳ねぇもん。
ね、俺はまだしも人間がなかなか絆す事が出来ねーコウくんをメロメロにするとは、お姫様ったらすげーっすよ。…えー、だって寝るタイミング逃すからスマホ弄らないだけだって言ってたじゃないですかー。まあコウくんがちゃんと寝てくれりゃ俺も安心出来るんで、確かに拗ねる様な事でもないんですけどね。冗句ですよん。(視界が暗くなり背を預ける場所が確保されれば頭が回る心地がし、酔いを実感し。頭を預けられれば半ば反射で髪を撫で、ふと己を言い含める様な言葉に疑念を覚えてはストレートに口にし)…つかコウくん酔ってなくないっすか?あれ、もしかして酒が足りないんじゃ?
ハッなぁに言ってんだか、雄太だって俺の事ベタ惚れにさせて絆してんだろ。…だから、一緒に寝るタイミングつってんだろ。そもそも雄太と一緒じゃなきゃ俺は大して寝ようともしねぇし、寝なくったってなんだかんだで平気だしなぁ。(頭を撫でられる感触に双眸を伏せ腹部から伝わる濡れた低い体温を吸い取る心地でいれば、不意に図星を差され肩を揺らし。窺い見る様に恋人へと視線を向けつつ言葉尻には僅か後ろめたさに似た感情が滲み、歯切れ悪くなりつつも言い訳がましく言葉を並べ上げて)あー……いや、まぁ酔ってはいるけど、マジでほろ酔いっつーか…だってほら、プールでどっちも酔っ払ったら危ねぇだろ?その代わりホテルで酔わせてくれんでしょ。
ええ、俺も愛されてる自覚はありますから、ココちゃんと姪っ子ちゃん以外に絆す存在が出てきたら敵対しちゃいますわ。…あー、そもそも俺が居ないと寝ないっつー事ですね。俺が心配になっちゃうんで、これからもちゃんと寝ましょうね。(双眸を伏せる中、恋人の肩が揺れたのを感じては一笑し。相手の背に片手を添えつつ緩慢に上体を起こしては、目元からタオルは落ち眩しげに眉間に皺を寄せ。未だに鈍い頭を幾度か叩くとサマーベッドから降り、相手の分のタオルを肩へと掛けると、手を引きシャワールームへと向かい)まあ確かにねぇ…それは否めねーっすわ。けどそもそもコウくんが酔える様にホテル泊まろうっつってるのに、ほろ酔いじゃあんまり意味をなしてないっすわぁ。じゃあホテル着いたら安心して沢山飲んでくださいね。今度は俺がセーブする様にしとくんで。
ふ、姪っ子に絆されてるかっつーと微妙な所だけど、愛娘と血縁者に並び立つ奴がそんなホイホイ出てきて堪るかよ。自分ですら雄太以外の奴にデレデレ甘ったるい事言ってんの想像付かねぇし。…そ、大好きな抱き枕が居ないと満足におねんねも出来ねぇの。だから万が一、俺が夜にスマホなんかに現抜かしてたら奪い取って寝かし付けてくれねぇと。(背中を触れる手へと己の指を絡め、起き上がる身体ごと引き寄せ距離を詰めては機嫌をとる様にタオルの隔たりが無くなった目元へと唇を寄せ。次いで手を引かれシャワールームへと進む中、相手の様子が幾分通常時に近づいたと判断しては表情を緩めつつ屋内へと入り、更衣室へ進むと壁面に並ぶ個室のシャワーの扉を開けながら恋人へと質の悪い冗談を)本当、酔っ払いの俺見るの好きだよなぁ…別にそんな面白いモンじゃねえってのに。つかホテル着いたら別に雄太もセーブしなくて良いわ、それこそさっきみてぇに誘惑してくれんなら大歓迎だし。──んじゃ、シャワー浴びたらロッカーの前で…あぁ、なんなら一緒に入っても良いけど?
尤も俺程甘やかして欲しがる奴なんて女でも滅多に居ないでしょうし、甘やかされて育った馬鹿野郎を恋人にしちゃったコウくんはつくづく大変そうだなぁって思いますよ。…ははっ、俺が居る時は大丈夫っすよ。腕枕して貰うから片手じゃ弄り難いでしょうし。万が一俺が居ない日もちゃんと良い子で寝てくださいね?──だって2人で酔った方が楽しいじゃないっすか。…あー、誰かさんに酔い覚されたせいで、俺今頭が完全に野郎になってるんすよ。ネコにさせたけりゃ飲ませてくれて良いっすけど、自分からは飲まねーかな。…ははっ、流石にここで一緒はダーメ。シャワーの音だけじゃ色々誤魔化せねーでしょうし。(シャワールームへと辿り着くと告げられた言葉に一笑し、耳元へと顔を寄せ便乗した台詞を囁き。個室へと入るとサーフパンツを脱ぎインナーパンツだけになり、備え付けのソープ類を用いて全身の塩素を落とすべく丹念に洗い。躊躇するもメイクも全て落としては、タオルで水気を拭った後にロッカーの前へと向かい)
生憎今まで甘やかして来なかった分、何が普通で何が普通じゃねぇかなんて弁えてねんだわ。俺の中じゃあ雄太が甘ったれてくるのが常識ってな訳で、大変さなんか微塵もねぇのよ。…フハ、お前が居ない時は大抵寝付けなくてココと仲良くソファーでおねんねが相場だわ。ほら、枕を濡らしちゃ忍びねぇじゃん?──いや、まぁ二人で酔った方がっつーのは同意だけど…俺の彼氏ったらすーぐスイッチ切り替えて難儀だ事。それこそ一緒に酔いてぇからガンガン飲ませっけど。…あらやだ、普通にシャワーのお誘いだっつーのに何を誤魔化す気なんだか。(耳元で囁かれた言葉に愉快気に喉を鳴らしつつ扉を閉め、シャワーと液体石鹸で大まかに身体を洗えば家で使っているものと異なる匂いに小さく鼻を鳴らし。タオルで水滴を拭っても尚湿った肌にアロハシャツを肩掛けにすると僅か張り付く感覚にを覚えつつ手首の鍵を外しつつロッカーへ。解鍵しながら恋人へと目を向ければ幾らか幼さの増した化粧っ気のない顔に片眉を上げて)…お、素っぴん。化粧落としちまったの?可愛かったのに。
ははっ、コウくんが判断基準を持ってなくて助かりましたわ。多分俺の場合、他の人と付き合ってりゃ怠いって言われて振られてるタイプっすよ。──…へぇ、俺居ないと寝付けないなんてすげー可愛いっすね。でもそれは俺も同意っすわ。ベッドが広いと快適な筈なのに、寂しくて寝付きが悪いんすよ。…んー、難儀っつー程でもないっすよ。ほら、コウくんからすりゃ便利じゃないっすか。酒の量で俺の事コントロール出来るんで。(タオルで髪を拭いつつロッカー前へと辿り着けば、開口一番に言われた台詞に小さく吹き出し扉を開け衣服の着替えを始め。手早く着替えを済ませると持参の櫛で髪を整え、相手の髪も梳かすべく手を伸ばし)…あー、そりゃまあプールの水付いたんで。これから沢山イチャイチャするのに清潔にしておかねーのは俺が気になりますわ。それにほら、俺すっぴんでもそこそこ偏差値高いでしょ?
他の奴の価値観なんか知った事じゃねぇわ、俺と雄太の事になぁんも感覚ねぇし、俺が正しいって思った事が俺ん中で正義なのなんか今更お前も分かり切ってんだろ。──前にも言ったろ、独り寝なんざ今更無理なんだっつーの。最初は雄太の体温が高いのも、急にベッドが狭くなったのも慣れなくてしゃーなかったのにお前の所為で完全に塗り替えられちまってんだわ。…べっつに、んな手軽さ求めてねんだけどなぁ。まぁ、いーや。俺に煽られて酒飲まされてぇってな意味で受け取っとこ。(肩に纏ったアロハシャツはその儘に、下肢の着替えを終えベルトを通している所で、すん、と音を鳴らして鼻を動かせばボストンバッグを探り小さなアトマイザーを取り出し、自らの手首に付けてから伸ばされた腕を取りマーキング宜しく手首と首元に擦り付けると満足したとばかりに小さく頷き、髪を梳かそうとする手に抗う事なく手頃な椅子へと腰掛け)まぁ、素っぴんでも可愛いし最高に好みだけど。んじゃ折角だしホテル着いたらめちゃくちゃキスして遊ぶかなぁ、楽しそうじゃねぇの。
男前だなぁ。毎回そうやって俺を甘やかすから、俺の甘えたが悪化するんすよ。責任取れとか言いたくないっすけど、もうコウくん以外とは付き合えないんで宜しくお願いしますね。──マジっすか。寧ろここ最近はある程度酒飲まなきゃ腑抜けてるでしょうし、偶には男らしい俺を見てみたいとか思いません?でもって俺長く飲むと酔うんじゃなくて吐くんで、美味しいソフトドリンクでも飲みますわ。抹茶ミルクとか飲みたいなぁ。(相手が鼻を鳴らせば風邪をひいたかと案じて見遣るも、香水を手首を通じて付けられては表情を緩め。相手が椅子へと座れば丁寧に髪に櫛を通し整えた後に肩へと掛けられたアロハシャツを子供に服を着せる様にして着せ、ボタンを全て閉めて満足げに一方の口端を上げ)ウケる、マーキングですか?…ふ、すっぴんが云々は嘘。けど水があんまり綺麗じゃねーっつーのはマジっすよ。滅多に全部交換する訳じゃねーんで、ブスになってでも彼氏の為に落としますわな。…さーて、イケメンに仕上がりましたよん。
ハハハ!それこそ知った事じゃねぇわ、俺にここまで捕まった時点で運の尽き。俺以外の奴になんか明け渡す気更々ねぇもんよ、ご立派な独占欲張ってんの。だから宜しくなんて言われなくてもそのつもりだわ。──まぁ、男前なお前も嫌いじゃねぇけどさぁ…さっきまでのかわい子チャンは何処行っちまったのかしら。つか、吐くとかグロッキーになるとかそーゆーのずっりぃわ、俺が好きな子に無理強い出来ねぇの分かってて言ってんだろ。──…そ、マーキング。俺のだから手ぇ出すなよっつー印。…おっと、俺の可愛い恋人をブス呼ばわりすんのはどの口だ、コラ。聞き捨てなんねぇなぁ、鏡見て出直して来いよ。(揶揄の言葉に悪怯れる事なく笑みを浮かべていたものの、懇切丁寧に髪を整えられ、不精した儘だったシャツを甲斐甲斐しく着せさせられれば次第に込み上げるこそばゆさに僅か眉を寄せ、落ち着きなく足を揺らしつつ冗談めかした口調で誤魔化し。漸く身支度が終わると直ぐ様立ち上がり、荷物の入ったボストンバッグを肩へと掛けてから相手の手を取ってロビーへと足を進めてはカウンターで精算を済ませるべくカードをスタッフへと手渡たついでに、客室の空きを尋ねてはニヤついた笑みを恋人へと向け)ん、サンキュ。──…お、広めの部屋なら空いてるらしいけどどーする?それとももうちょい気楽な所がいーい?
明け渡しってウケますね。原状回復出来ない程悪化してるんで、そりゃ無理な話っすわ。──あれ、可愛子ちゃんを御所望でした?つって、あれはあれで只の酔っ払いでしょうに。だーって事実なんですもん。最近酒飲む機会なんてほぼ無いし、しょっちゅう脱水症状間際になってるんで尚更っすわ。まあ口移しで飲ませて貰ったら流石に飲みますけど。──…あっは、今ならぜってー誰からも声掛けられないんで安心してください。下手したら未成年に見えるんじゃねーかな。偶にすっぴんでコンビニ行ったら年齢確認徹底される時ありますし。(己の世話焼きに落ち着かなそうにする恋人を見ては目を細め、相手に続きロビーへと向かい会計して貰えば確りと頭を下げ。次ぐ問いに視線を宙へと浮かせ思案しては、判断を相手に委ねるべく耳元へと顔を遣り、小声で囁くは)折角良いホテルに泊まれるならゆっくり夜景とか見て楽しみたいですし、運動するなら高いお金掛けちゃうのは勿体無いっすかね。コウくんに任せますわー。
──ふ、知ってるクセに…かわい子チャンだぁい好きに決まってんだろ。酔っ払ってデレデレしてくるなんか正直堪んねぇわ。…口移しで飲ませるのも好きだけどさぁ、流石に程々にしてやるわ。脱水症状なんか起こされちゃ心配でお楽しみ所じゃねぇもんで。──わっかんねぇじゃん、顔が良けりゃとりあえずワンチャンなんて見境いのねぇ奴も多いしさぁ。つか年齢確認されんの笑うわ、傍に居過ぎて忘れっけどそりゃまだ22だもんなぁ…当たり前か。(律儀に頭を下げる相手を横目に軽く手を振り気にしてない事を示し、次ぐ返答には己も暫し思案。こちらの様子を穏やかに窺い見るホテルマンに軽く会釈をすると返されたカードを受け取り、再び手を繋いでは依然として賑わうロビーから離れるべく出入り口へと足を向け)…んじゃ、お高いホテルは今度なんか特別な日に連れてきてやりゃいっか。歩いてるうちにもうちょい酔いも覚めるだろーし、途中でコンビニでもありゃ酒買お。
ははっ、いかんせんもう8割酔いが覚めちった。久々に飲むと直ぐ酔う癖にすーぐ頭冷えるんで嫌になりますよ。──ですからー、俺ナンパした事もなけりゃ、乗った事も1度たりともねーんすよ。仮に誰が寄ってきても相手にしねーっすわ。これでもそれくらいの気高さは持ってますよん。…ガチの身分証明出してみたいなのは年に数回っすけど、念押しで聞かれるくらいは偶にありますわ。──…ふ、コウくんったらエッチ。そう言やさっきコンビニ見ましたわ。寄って行きましょー。(手を繋がれれば相手の決定は聞くまでもなく、スタッフへと会釈し出入り口へと。ホテルの角にコンビニが設置されていた事を思い出しては1度外へと出てからその場所へと案内し入店。籠を手に取ると酒類コーナーへと向かった後に、己はソフトドリンクコーナーへと向かいスポーツドリンクとイチゴミルクを手に取り、次いでキャップ付きのパックに入ったアイスを選ぶとアルコールコーナーへと戻り)良いのありました?
まぁでも前に比べりゃ、そりゃ飲む機会減ったもんなぁ。俺は最近一回マジで酔っ払い始めると全然回復しなくなっちまったから、あんま外で飲めなくなったわ。──付いて行かないとしても俺のモンに手ぇ出そうっつー魂胆が気に食わねぇからダーメ。てか、今日だってナンパ紛いされてたじゃねぇの…別にアレはまぁ結果が結果だし良いんだけど。でも基本的に俺が許せるのは遠目で見てる所まで。──…お、流石目敏い。(恋人の先導に付いて行きながら一度屋外に出てコンビニへと入れば纏った熱気を払う様な室温に濡れた髪が冷やされる心地に目を細め、アルコールコーナーでショーケースを眺めつつ、赤いラベルのクラフトビールを2缶手に取っては恋人の声に振り返り籠へと入れると空いた手を腰へと回し)ん、安定のバドワイザー。雄太は?買い物もう良いの?
そりゃもう圧倒的に。一気に引き籠りになってストレス皆無になったら、ソフドリで十分になりましたわ。ははっ、回復しないのは大変っすね。コウくんも飲む量減らさなきゃ。──今日のはコウくんの方に行こうとしたのを俺が掻っ攫っただけっすわ。デキる番犬でしょ?…え、つか酒少なくないです?こんなんじゃぜってー酔わないっすよ。追加しておきますね。俺はー…ジーマで良いや。(恋人が手にした缶の本数の少なさに見開いては、無断で2本追加し。己の分の酒の瓶を1本手にしては、つまみに柿ピーを選びレジへと。カードで会計を済ませると店外へと出て、スポーツドリンクを飲み酔いを覚ましてから恋人へと手を差し出し、ペットボトルをもう一方の手に持った儘問い掛け)さーて、行きましょ。ポカリ飲みます?水分補給は大事っすよ。
そーいやバイト辞めたら酒断ちしそうみてぇな事言ってたもんなぁ。俺にとっての酒は現実逃避の鍵から楽しい時間のお供に早変わりしたから、マジで下手すると頭ふわふわしてやべぇわ。つっても外では前程飲んでねぇんだぜ。──二人組だったんだし少なくともどっちかはお前狙い。なんならどっちもイケる位の気持ちじゃねぇと大抵はしねぇわな。…ふ、でも番犬してきて胸張ってんのは可愛いから後で褒めてやるわ。…あ、バカ!マジであんまり酒入れて使いもんになんなかったらどうすんだよ。…あー、つかあんがと。(当然の様に追加される酒に些か渋い顔をするも、諦めて後頭部を掻けばレジで支払いを済ませる背中を見つめ、軽く頭を撫で。再び屋外の蒸し暑さに包まれればホテルの敷地外へと出て、繁華街方面へと進みつつ差し出されたペットボトルを受け取り口をつけ)サンキュ。…あー、うまっ。今日あっついし結構外居たのに酒しか飲んでねぇもんなぁ。
そうそう、酒飲んだら金貰えるって体が覚え込んでるから得しないなら飲みたくないんすよ。バイトの飲み会とか苦行でしかないっすもん。…ふわふわしてるコウくん見てみたいなぁ。確かに前はガッツリ飲んでるイメージでしたわ。健康志向になりました?──…げー、俺はどっちもパスっすわ。そもそも写真撮る事に命懸けてる女嫌いなんすよ。つかコウくんも追っ払うの慣れてるかと思ったら普通にしてたんで、あの儘奢るんじゃないかって冷や冷やしましたよ。──ええ、水足りてないのに酒飲んだらさっきの俺みたいになりますからな。沢山飲んでください。(頭を撫でて貰えば微笑を浮かべ、コンビニ袋がかさばる音を鳴らしつつ緩慢な足取りで夜道を歩きつつスマホを操作しホテルを検索し。最寄り位置のレビューが高い場所を表示させては、軽く読み上げた後に相手に液晶を向けつつ問い掛け)300m先に評判良いとこありますよん。マッサージ機とー、露天風呂とー、カラオケとゲームとコスプレの貸し出しあるんですって。うわー、部屋も広くて綺麗だ。どうです?
まぁ確かに一円にもなんねぇと酒好きじゃなきゃキッツイよなぁ。バイトの飲みとか楽しんで行ってんのかと思ってたっつーのに。…いや、大抵仕事の飲みとかだしそんなに変わってねぇ筈だけど…雄太の前だとどうなるか分かんねぇからなぁ…。お陰様で最近はプライベートの飲みは大分大人しめよ、仕事は相変わらずだけど。──フハ、あんなはしゃいで写真撮ってたクセに。まぁでも俺もそーゆータイプの女は嫌いだわ。つか、乗るなら兎も角、俺のナンパの追っ払い方なんか基本シカトかハッキリ言うかだし雄太みてぇに要領良くなんてのは無理なんだわ。──あ、やっぱ水分足りてなかった?水持ってきてやりゃ良かったなぁ…ごめんな。そんじゃ、残りは雄太の分。(中身の残ったペットボトルを相手の手へと戻す代わりにコンビニ袋を受け取ろうと持ち手に指を掛けつつ液晶に表示された内容に目を通し、手際の良さにくつくつと肩を揺らしながらそのままタップし外観を確認すると遠目に見える看板に目星をつけては緩慢に歩き出し)ハハ、良いじゃん。初めてっつー割にちゃっかりしてんなぁ。…あぁなんだマジで近いじゃん、行こっか。
酒は好きだったんすけどねぇ…つか俺なんて我ながら典型的な現代っ子なんで、バイト飲みとか怠くてしゃーないっすわ。そんなの行くくらいならコウくんと飲みたいっすもん。…あー、プライベート飲みはっつー事なんすね。でも嬉しいっすわ、その方が安心して家で待ってられますし。──俺クズなんで、俺自身は別枠なんすよ。しかも別に自己顕示欲で撮ってる訳じゃなくて、アルバムに入れるためですし。──ははっ、今の謝るとこ全くないじゃないっすか。じゃあ仕舞っておきますね。俺クーリッシュ食べる。(ペットボトルを受け取るも相手にコンビニの袋を渡すつもりはなくひょいと高い位置へ持ち上げ、ドリンクを中へと戻し。代わりにアイスを取り出すと開封し口唇に挟みつつ歩みを進め、次ぐ言葉に一笑しては緩やかに首を横に振り)…残念ながらあんまり行ったことが無いだけで、行った事はありますわ。じゃあここで決定。部屋空いてると良いなー。
ハハ、んじゃちょくちょく俺と酒飲んである程度の耐性は付けておかねぇとだわ。恋人が酒弱くなって飲み会の度にマーライオンなんて事になったら気が気じゃねぇから。…そ、クラブでビートに合わせて呷り飲みなんて遊びはもうおしまい。HUBにすら殆ど行ってねぇし本当、心配させる飲みなんか全然ねぇわ。──別に雄太なら自己顕示欲でもなんでも大歓迎。つか、SNSにガンガン載せてくれた方が虫が付かなくて良いわな。まぁ、勿論アルバムも早く埋めてぇし、そっちも大事だけど。──いや、だぁってさぁ…やっぱ心配になんじゃん。後でも良いからちゃんと飲んどけよ…ほら、汗かくんだし?(思惑が外れビニール袋を手に取る事が叶わなければ不満気に口唇を立てるも諦めた様に手を軽く振り、自分の元へと戻し、何気なくアイスを口にする恋人の姿を横目で見つめているも、唇で咥える所作と向かっている先に欲を煽られている事を自覚しては歪む口元を隠しつつ視線を逸らして。程なくして目的地へと付けば自動ドアを抜け、入り口付近に設置されたタッチパネルに映し出される案内を眺めつつ)アレ、初めてって勘違いしてたわ。なぁんだ。──…お、露天風呂付きあんじゃん。折角ならこっちのが良いよなぁ。
マジで最近はマーライオンになりがちなんで気を付けなきゃ。多分夏バテで身体が弱ってるからなんで、秋になったら戻るんでしょうけど。…まあクラブは時期も時期ですからなぁ…マスクしてない奴多いですし。落ち着いたら折角のコウくんの趣味なんですから、遠慮なく行って来てくださいね。──ははっ、流石にそこまでナルシストじゃないっすわぁ。けどお許しも出たし、SNSには載っけておきますね。俺が自慢したいから載せます。──…んー、だってアイスも食べたいし、イチゴミルクも飲みたいんですもん。つか俺甘い液体しか買ってなくて我ながら引きましたわ。病気になりそう。…飲みます?(程良く溶けたアイスはシェイクの様な舌触りで、己好みの風味に表情を微かに綻ばせているも、ふと相手の視線に気付けばアイスを差し出し僅かに首を傾げ。目的地へと着くと相手がタッチパネルを操作するのを傍で眺め、問いに頷いて応えては部屋を確保し、物珍しそうに周囲を見渡しつつ指定の部屋へとゆったりと向かい)やったー、じゃあそこにしまーす。…えへ、お風呂嬉しいなぁ。旅行気分っすね。
そーゆーの癖付いたりするからなぁ。夏バテ云々抜きにしてもマジで外で無理して飲むなよ。雄太が身体大事にしてねぇと俺が嫌だから、頼むよ。…まぁそーね、時間的に控えてるのも勿論あるけど。今後行くとしても知り合いが出るとか気になるイベント程度じゃねぇかな、暇つぶしで行ってた部分もあるし基本的にゃもう必要ねぇわ。──ナルシストっつか、俺が見てニヤニヤ出来るから大歓迎な訳よ。んでもって言わずもがな俺も載せるわ。俺の可愛い恋人とデートしてきたっつって。──ふ、本当甘いの好きなぁ…まぁでも程々なら別に良いと思うけど。…ふ、いや大丈夫。雄太とキスしたら十分甘そうだし。(己の心中等露知らず善意で差し出されたアイスに小さく吹き出しつつ手で制し、笑いを堪えようとするも低い声と共に肩を揺らし。フロントでルームキーを受け取りその儘の足でエレベーターへと向かうと目的階の釦を押し、他の施設より薄暗い籠の中到着を待つ時間に焦れては壁に凭れつつ恋人に視線を向け、緩く弧を描く己の唇を軽く指差し示し)露天風呂とかマジで2月のプチ旅行以来だしちょいテンション上がるよなぁ。──…な、雄太。ここでキスして。
げー、流石にマーライオン癖はキツいっすわ。涼しくなるまでは出先ではあんまり飲まない様にしますわぁ。今日は特別だけど。…お、コウくんがクラブに行かないと寂しがる人が居るんじゃないですか?でも必要ねーってカッケーっすね。俺とココちゃんのお陰です?──ははっ、俺がコウくん自慢してるの見てニヤニヤっつー事ですか。それなら気合い入れてアップしなきゃ。でもコウくんのSNSに恋人って書かれたら、俺っちファン達から恨み買わないかしら。──甘いだけじゃなくて全部ハイカロリーなんで、デブ真っしぐらっすわ。コウくんに喜んで貰えそう。…あっは、味分かる様なキスを御所望です?解りました、じゃあ後でネ。(相手につられて笑いを溢した後にウィンクし冗談めかしては、口付けを想起させる様にアイスで冷えた唇を頬へと触れさせ。相手に続きエレベーターへと乗り込むと、丁度アイスは空になり蓋を閉めコンビニ袋へと戻し。次ぐ想定外の言葉に間抜け面で見開くも、直ぐに双眸を細め肩を揺らしながら笑っては、相手の両肩に手を添え唇を重ねるとほぼ同時に舌を捻じ込み絡めて)ね、もう半年以上も経つとか信じられねーっすわ。…ふ、部屋まで待てませんでした?強請って貰えるなら喜んで。
つっても今日だってマーライオンになられたら困るからな。俺介抱出来なくはねぇけど基本的に他の奴に任せてたから慣れてねんだよ。…あ?ダチは別にクラブじゃなくても会えるし別に平気っしょ。下らない暇つぶしより雄太とココ構うのに大忙しなもんで、しゃーないわな。──そ、俺の可愛い番犬の独占欲にニヤニヤする下衆い趣味。それに俺に恋人が居るなんてもう今更周知の事実だから恨み買うんならとっくの昔に買ってるだろ。余裕、余裕。──ハハ、そりゃ喜ぶわ。冬になったら隠しやすい分めちゃくちゃ噛みてぇし、それまでに歯応え良くしといて貰わねぇとなんでな。…ふ、そんな濃厚なのしてくれんの?そりゃ楽しみだ事。(虚を衝かれた様な相手の一瞬の表情に満足気に口角を吊り上げ不遜な笑みを湛え、壁に預けた儘の背中と相まって気は僅かに大きくなり。軽く啄む様な口付けを予想しながら、恋人を煽るべく鼻にかけた小さな吐息を溢し寄せられた唇を迎え入れれば、間髪入れずに割り入ってくる冷えた舌先に反射的に肩を揺らし、甘ったるい味と触れられた箇所の熱が奪われ残された余韻のような冷たさに余裕が無くなる片鱗を感じ相手の額に手を宛てがいつつ顔を逸らし息を整え)ん、…ッふ…──ストップ、調子に乗んじゃねぇわ。盛るにはまだ早ぇだろーが。
大丈夫っすよ、俺他人に迷惑掛けた事は1度もないんで。酔って楽しくなっても完全に判断能力無くす事はないですし、ひっそりトイレと仲良くしますわ。…あー、確かに。けど俺のせいで大事な趣味無くしたんじゃないかって心配っすわ。──ウケる、コウくんに恋人居るってそんなに浸透してるんですか?どんな美人な女だと思って見たらガキンチョが隣に写ってるって、すげーシュールっすね。…冬に服で隠れる部分かー…腕とかっすかね。二の腕とかぜってー痛いっすもん。心しておきますわ。──…え、知らね。(幾度となく交わした口付けにも拘らず恋人が甘い吐息を溢せば、己を煽るべくしていると察する事は容易く、愛しさが溢れ重ねた唇の下で密かに微笑を浮かべ。額を押し抵抗されればクレームに対し短く返答し、別段意に留めず首裏を片手で捕らえ、角度を変えて再び舌を捻じ込み絡めて。間も無くしてエレベーターが目的階へと止まり、扉が開けばあっさりと顔を離して悪戯に笑み、相手の手を引きライトが点滅する部屋の前へと素知らぬ顔で進み)…っと、着きましたね。行きましょうか。
うっわ、それが一番不安な奴じゃねぇの…トイレに篭ってたらその前でウロウロしちまうからやめて。…いや?別にご存知の通りEDMもHIPHOPも今でも全然聞くしディグるのもやめてねぇし、趣味無くしてねぇわ。新しい趣味が出来たっつーだけの話よ。──だぁって別に隠す気ねぇし。まぁ最初の頃は、今までのツケで恋人居ても遊び回ると思われてたけど最近じゃそんなんも少なくなったしな。ふ、ガキンチョにゃ絶世の美女も叶わねんだから仕方ねぇわ。…あー、二の腕良いよなぁ。柔っこいし特に色白いからめちゃくちゃ綺麗に痕付きそうだわ。──はぁ?…ンっ(己の口にした恨み言に返された言葉へ自ずと眉間に皺を寄せるも、半ば強引に再び口付けを与えられれば逃げられないながらも僅かに頭を捩り、口内へと溜まる甘い唾液を小さく嚥下し。解放された拍子に視界を掠める笑みを睨め付けつつ、手を引かれる儘部屋へと進めば手元のルームキーで解鍵し、中へと入れば明るいトーンで揃えられつつも如何にもと言った内装に笑声を漏らし)…ハッ、マジでこんなん見るの久々だわ。
トイレ前でウロウロされんのとかぜってー嫌っすわ。泣きながらあっち行ってーって懇願するのが目に浮かびますもん。…んー、それなら良いか。俺としてはクラブに行かないで貰えるのは両腕挙げて喜ぶくらいすっげー嬉しいんすけど、段々コウくんがチャラくなくなるから妙に心配っつーか、落ち着かねーっすわ。その内昔はチャラかったねーって過去形で話す様になるんすかね。──ウケる、言葉だけその儘切り取ったらロリコンっすよ。腕ならまあまあ俺も見易いんで、色々都合良いっすね。──…うわー、デカいベッドだー。すげー、思いっ切りゴロゴロ出来る。(恋人が解錠するのを今か今かと眺めては、扉が開くなり嬉々として中へと入り、コンビニの袋を床へと置いて靴を脱いでからベッドへと駆け寄りダイブし。暫しごろごろと転がり広さを堪能しては、ゆっくりと上体を起こし興味津々と室内を見渡し)…何か面白いなぁ…慣れないから新鮮っすわ。
俺だって別にしたくねぇけど絶対心配になんの目に見えてるもんよ、ソファーで待ってるなんて出来っこねぇわ。…フハ、チャラい俺のがお好みってんなら許される範囲ギリギリまで外で遊んでくるのも吝かでもねぇけど?好きな子の気持ち掴んでおく為ならなんだってしてやりますよって。まぁでも、確かに過去形になる未来が見えてるわな。──ハッ、知ってるだろお前以外の年下になんざマジで興味ねぇわ。弟とか妹みてぇな感覚しか持てなかった範囲で雄太にだけ惚れたんだから、そりゃ今までのストライクゾーンなんか目じゃねぇの。──やっぱこのくらいのサイズのベッド良いよなぁ。キングサイズかな…ベッド買い替えてぇわ。(恋人がベッドではしゃぐ姿に眦を下げては床へと置かれたビニール袋を手に取り、缶と瓶の酒をそれぞれ一つずつ残して全て冷蔵庫へと仕舞うと窓から見えるジャグジータイプの浴槽に視線を向けながら寝具へと腰を下ろし。自分の酒を開栓し相手の分を差し出しつつ、軽く掲げ)…ふ、酒飲みながら探検でもする?
こりゃ絶対に吐かない様にしなきゃ。気遣って背中摩って貰いでもした日には、俺のちっぽけな自尊心すらも無くなりそうっすわ。…やだ。コウくんが女とイチャイチャしてるかもしれねーって思ったら辛くて寝れないんですもん。俺だけだって思わせてくれないとやだやだ。遊んでるの想像するだけで拗ねそうっすわ。──お、熱烈っすね。そこまで言ってくれるなら、今度から自称する好きなタイプはパッと見チャラいけど、一途でコウくんだけにスケベなガキンチョでお願いしますね。──デカいベッドは偶にだから嬉しいんすよ。寝る時にコウくんと離れ過ぎるのは嫌だから、今のが丁度良いっすわ。(恋人に購入物の片付けを任せる最中、スマホを手に取り再び寝具へと横たえ色気を意識したセルフィーを撮り自己満足に浸っているも、相手が腰を下ろせば再び上半身を上げ酒を受け取り。満面の笑みで蓋を開けては瓶をぶつけ乾杯した後に呷りつつ寝具を降り、視界に入った風呂場へと向け足を進め)わーい、お酒あざっす。…お、探検したいっす。行きましょ。その前に、かんぱーい。──…わー、すげー。マジで露天風呂だ。リッチっすねー。
そもそも俺、雄太がグロッキーになる程飲むの見るのなんか嫌な事位付き合う前からだし。お前が飲む限度弁えんなら背中摩る所か口ん中に指突っ込んでやらぁな。…ふ、知ってる。だぁからチャラさ控えめ硬派な年上彼氏気取ってやってんだろ、茶化すんじゃアリマセン。──お、良いぜ。雄太が好きなタイプはチャラかったけど雄太の為に全部落とし前付けて真面目になった口の達者な年上っつってくれんなら、恥も凌いで堂々と言ってやるわな。つっても別に好きなタイプ聞かれる事ももうねんだけど。──つっても今のセミダブルだぜ?そんな酷い寝相してねぇからなんとかなるけど、せめてダブル位は欲しくね?(瓶と缶がぶつかる音が鼓膜を揺らせばその儘の反動で口元まで運び、緩やかなペースで飲みながら腰を上げて。恋人の後に付きながら室内を進み、酒を含みつつ露天風呂へと続く窓の施錠を開けてはウッドデッキに足を踏み入れ、湯涼み用に備え付けられたであろうロッキングベンチを見つけると嬉し気に目を細め)ん、乾杯。──思ったよりガチで露天だよなぁ。もうちょいチャチなの想像してたけど…うーわ!やば、酒飲みながらシーソー気分じゃん。
あー、俺のテキーラ取り上げて一生懸命飲んでましたもんね。自分がグロッキーになるかもしれないのに…そう言うとこ大好きですよ。あとどうせ口に入れるなら別の物が良いっすわ。皆まで言わないけど。…うん、今度からはコウくんクラブには絶対行かないでねって正直に言います。でもって好きなタイプはそれで間違いないんすけど、いかんせん頭悪くて全部暗記出来ないんで、俺の旦那様しか勝たんって一言で纏めさせて貰いますわ。──…まあ良く考えてみりゃ、コウくんのお家は誰か招き入れる事想定してなかったでしょうから狭く感じるのもしゃーなしですわな。じゃあ俺がママから貰ってる家賃と生活費が既にベッドなんて楽勝で買えるだけ貯まってるんで、それ使ってくれるなら変えましょ。(嬉しげにロッキングベンチを眺める恋人を見ては穏やかに目を細め、そこへと腰を下ろし相手を招くべく手招きし。蒸し暑い外気にさらされると微かに喉の渇きを覚え、手元の瓶を口元へと宛てては一息に半分程を飲み)ね、普通に寛げそうっすよね。──あっは、この椅子そんなに嬉しいです?かーわい。じゃあちょっとだけここで飲みましょうか。
今あんな事やったら酒慣れしてねぇから二日酔い避けらんねぇからもう無理だけどなぁ。あの時は必死だったのよ、俺。ふ、グロッキーになってる時にそんな酷ぇ事出来る訳ねぇわ。…ん、もしどうしても行く用事ありゃ説明して連絡取れるようにしとくつもり。ハハ!でーた、勝たん。それアラサー手前からしたらマジで何に勝たせるつもりなんだっつー感じなんだけど…まぁ俺だって言ってくれんならそれでいーや。──うげ、そーゆー事言う?まぁ、別に急ぐもんでもねぇからなぁって思うけど……いや、ちょい暫く考えさせて。(肩を揺らしながら恋人の待つロッキングチェアに歩み寄り腰を下ろせば酔いの中での揺れが心地よく、勢いよく酒を呷る恋人に釣られて口元の缶を傾け嚥下し。足を地面から離し反動をつけて揺らし始め)え、普通にテンション上がらね?俺めちゃくちゃこれ好きなんだけど。公園とかで飲んでる時にシーソーとかブランコ乗りたくなる感覚っつーかさぁ。
必死なら寧ろテキーラ飲ませて潰した方が楽でしょうに。優しいなぁ。…ん、先に言ってくれるならコウくん信じて良い子で待ちますわ。でも俺の事はずっと考えてて欲しいから、写真送ったりして邪魔しますけどー。…あっは、何に勝たせるって、俺の場合バイだから世の中の人間全員の中でコウくんが優勝に決まってるじゃないですか。──…えー、なんか考えてる内にしれっと大きいベッドに変わってそうで怖いなぁ…寧ろ同棲する時に俺の方で何も用意してないんで、これくらいやらせて欲しいっすわ。──確かにテンション上がりますけど、これでコウくんが喜ぶのは意外だし、素直に可愛いっすわ。こんな趣味、他の人に見せちゃダメですよ?俺が独占しますわ。(相手がベンチを漕ぐと小さく揺れ始め、懐かしい感覚に双眸を伏せ寛ぎ。動きが弱まれば今度は己が地に足を付け漕ぎ、再び酒を口に含み)
だぁって、お前ん家知らなかったし…俺ん家無理矢理連れ込んだらそれこそ事案じゃねぇの。あんなんしたのは後にも先にも雄太にだけだわ。…まぁ、それでもイベントによっては女多いヤツとかもあるし、嫌だってんなら行かねぇし安心して。つか、写真なんか送ってきたら酔っ払って自慢しまくるけど?…フハ、マジでどーゆー基準で勝ってんだか。雄太に愛されてる選手権とかなら納得だけど。──…嫌だなぁ、俺がそんな強かな事する狡い男だと思う訳ぇ?ふ、間違ってねぇな。でも別に俺の住んでた家に連れ込んだだけで何も用意するモン無かったし、んな細けぇ事気にしないで良いわ。それに新婚旅行費用だろ、それは。──フハ、可愛いっつーか、マジでこれはガキ臭いのが抜けてねぇだけよ。ハンモックとかも好きだし、ツリーハウスとかもだぁい好き。爺ちゃん家思い出すわ。(ベンチの揺れか酔いの揺れか曖昧になる感覚に長い息を吐いてから喉仏を上下させつつ酒を飲めば、缶が空になった事を示す様にくしゃりと潰し立ち上がり。一度室内に戻って冷蔵庫の中から新しいビールと、テーブルに置かれた灰皿を手に取れば屋外で待つ恋人の元へと戻り手中の物を掲げへらりと笑みを浮かべ)…な、久しぶりに一服どーよ。雄太と一緒にタバコ吸いてぇ気分。
あははっ、俺の家の住所知ってたら送り届けてくれるつもりだったんですか?喫煙所に置きっぱなしにしても良いでしょうに、優しいなぁ。…流石察しが良いですね。女が多いイベントは嫌っすわぁ。行く時は俺も連れてってくださいね。人目を憚らず番犬するんで。あっは、いかにも彼氏に媚びてる様な写真送るんで、コウくんだけコッソリ見てくださいね。流石に他の人に見られるのは恥ずかしいっすわ。──ウケる、絶対にやると思ってましたわ。じゃあこの金はもうちょい貯めとくとして、お言葉に甘えて買って貰おうかな。良く良く考えたら俺1日の半分以上はベッドで過ごしてるんで、すげー助かりますわ。代わりに俺は寝室に娘ちゃんが来た時用の猫ベッドでも用意しようかな。──ハンモックとか寝た事ないっすけど、憧れっすわ。お爺ちゃんの家にツリーハウスあったんですか?すげー…。(相手がハイペースで酒を飲む様子を楽しげに眺めては、空になった缶を潰す所作に愉快げに声を立てて笑いつつ室内へと戻る背中を見送り。再び酔いそうな予感がすればペースを制御すべく地へと瓶を置きベンチを揺らし遊んでいるも、恋人が戻り灰皿を掲げ嬉しそうにしている姿を見ては悪戯心が芽生え真顔で冗句を1つ。暫し沈黙してからネタバラシすべく煙草を取り出しては着火し、火を分けるべく相手の方へと煙草の先端を向け)あれ、ヤんないんすか?──…なーんて、俺も丁度肺が寂しがってたトコっすわ。一服賛成。
優しいっつーか…めちゃくちゃ下心の塊じゃねぇの。それこそ興味ねぇ奴だったら俺は容赦なく放置して帰んだって。…ふ、まぁまだクラブに連れてく約束も守れてねぇもんな。んじゃそーゆー時は一緒に行こ。つーか、媚びる写真ってどんなだよ。めちゃくちゃ気になるから試しに今実演してくれていいんだぜ。──ま、俺の常套手段だわな。奥さんの生活潤わす為に稼いだ金使えるなんて最高だし、俺の楽しみ奪っちゃダメよ。そんじゃ、今度一緒に選びに行こっか。愛娘のベッドも一緒にさ。──アメリカのだだっ広い田舎なんてそんなモンよ。従兄弟達と連んで遊んで子供の楽園と化してたわぁ。キャンプ行ってハンモック張るのとかやりてぇな。(上機嫌で再びベンチへ腰掛け自らの膝に灰皿を置くも、不意打ちで掛けられた言葉を真に受けては目を見開き数度瞬きをしながら狼狽の色を隠せず。冗談だと理解すれば盛大に顔を顰めたのは照れ隠しの裏返しで、タバコを取り出し相手の口元に咥えられたそれで火を灯すと緩い笑みに戻り、紫煙を吐き出し)は!?…いや、そりゃ外でってのも…浪漫はあるけど──…っんだよ、クソガキ。大人を揶揄ってんと痛い目見るぞ、コラ。
コウくんに下心を持たれるのは嬉しいに決まってるじゃないですか。そもそも得意じゃないテキーラ飲もうとしたのもコウくんに構って欲しいからですし。…ふ、媚びる写真の内容を聞いちゃいます?そりゃ旦那さんが楽しい時間手放してでも帰りたいって思ってくれる物じゃなきゃいけないし、…今は内緒かなぁ。──えへへ、そう言って貰えるなら遠慮なく買って貰っちゃおーっと。つか俺の為に金使って喜んでくれるって男前過ぎますわ。じゃあ今度デートがてら買いに行きましょ。茶碗以来の夫婦っぽい買い物っすねぇ。──ひぇー、アメリカの田舎とか行ってみたいなー。そんなトコで遊べたら元気でヤンチャな子に育ちますわなぁ。コウくん今度ハンモック張ってください。俺も22歳児の内に楽しい事したいっす。(相手の反応に愉快げに声を立て笑うも、煙草の先端が触れ合えば強く吸引し火を分け満足げに口端から白い煙を吐き出し。宙で煙草を叩き灰を風に乗せ飛ばしては、相手の機嫌を取るべくベンチを揺らす一方で、悪戯な視線を注ぎつつ揶揄う様な口調をし)あははっ、外でやった事ないんすか?すげー意外。まあ俺もないっすけど。──…んー、大人を怒らせたらどうなるんですか?この流れだとガキじゃ出来ねー程セクシーな事して懲らしめてくれるんですかね。それなら是非ともお手並拝見したいんだけどなぁ。
ふ、そんな事言っていざ食おうとしたらゴネる気満々だったっつーから質が悪ぃったらねぇわ。俺のなけなしの理性に感謝してくれてもバチは当たらねんじゃね?…勿体ぶんじゃねぇのよ。自分でハードル上げてるって分かってんだろうなぁ…そんじゃ今は見逃してやるから、飛びっきりの奴で頼むわぁ。──だって楽しいじゃん、俺の用意したモンを俺の好きな子が使ってる光景って。マジで囲い込んでるって感じして、正直すーげぇ好きなんだわ。一緒に暮らし始めたのが結構なし崩しだったから、あんまり生活に関わる買い物してねぇもんなぁ。まぁ、ジワジワ一緒に選んでくの楽しいけど。──つってマジで畑と木と森とって感じでなんもねぇよ。行くんならベガスとかLAとかのがよくね?…んじゃ、ハンモック張れる所行くか。室内用の買いてぇ所だけど流石にスペースがねぇわなぁ。(タバコを吸う恋人の姿に懐かしさを覚えれば憎まれ口のような言葉も追想に拍車を掛け、タバコを運んだ手で弧を描く唇を隠し。肺いっぱいに吸い込んだ煙を相手へと向かって態とらしく吹きかけてはフィルターに食い込む歯を指の隙間から見せつけ)流石にねぇわ、そこまで切羽詰まった事ねぇもんよ。──…ハッ、そりゃもうベッドん中で教え込んでやるわ。摘み食いなんかしたらお前止まんなくなんだろ。
ゴネるって言っても手出さないでって言うんじゃなくて、付き合ってなきゃ嫌って半ばヤクザみたいな脅しなんで尚更タチが悪いっすよ。…ふっ、ハードル上げても大丈夫な自信ありますわ。コウくんの食指が動くかは別として相当なのになる筈なんで、楽しみにしておいてくださいね。──あっは、俺養って貰う趣味しかなかったからその発想は無かったんすけど、そう言う考えもあるんですね。じゃあ遠慮なく囲って貰おーっと。ベッド買って貰ったら毎日セクシーに帰りを待ってますねん。──あー、自然に溢れた良い場所なんすね。LAもラスベガスも行ってみたいっすけど、コウくんの遊んだ場所が何より見てみたいっすわ。やったー、じゃあハンモック張れそうな場所探しておきますね。キャンプ行きましょ。車借りて貰ってー、コウくんが運転するトコ隣で見るんすよ。素敵なプランじゃないっすか?(紫煙を吹き掛けられれば目を閉じ受け止めるも、手で煙を仰いで払った後に拗ねて唇を尖らせ、それでも気が済まず頬を膨らませじっと相手を見据え。煙草を灰皿に押し付け火を消すと、瓶を拾い上げ自棄酒の様に残りを喉を鳴らしつつ飲み干し、深く息を吐いては怒気のない口調で)…ぴえん、コウくんに意地悪された。拗ねてやる、ぎゅーしてくれるまで拗ねてやる。
嫌だわ、俺が今まで本気の付き合いなんざして来なかったって知ってるクセによぉ。ペロッと食われてお仕舞いになるって考えなかった訳?…おー、おー。言ったな?男に二言はねぇもんなぁ、言葉に違わず相当なの期待してんぜ。んじゃ来月にでもクラブ顔出してくるかなぁ。──俺も他人に金使って喜ぶ日が来るなんざ思ってもみなかったけどな。ある種の貢ぎ癖なんかって不安にゃなるけど…でもんな大層なオプション付くならめちゃくちゃデカいベッドでも買ってやろうかしら。──そ、時期が良けりゃ鹿狩りに連れてって貰える位ド田舎。それこそホラー映画にでも出てきそうな長閑さだけど…まぁでもダラダラ過ごすんなら最適だわな、今度写真なり連れてくなりしてやるわ。つか、マジでめちゃくちゃ良いプランじゃねぇの。春か夏にやりてぇなぁ、ちゃんと飯作って寝袋で寝て…そんなん社会人になってからご無沙汰過ぎるわ。(小さく肩を揺らしながらもどこ吹く風で不満気な表情を横目で見遣り、灰を落としては子供染みた悪戯心は大きくなるばかりで。緩慢な動作で再びタバコを強く吸うと、眉を上げつつ今度は上に向かって息を吐いてから舌を出し粘つく間延びした声で)…悪ぃなぁ、タバコ吸ってんもんよ。今ハグしたら危ねぇだろ?ぎゅーして下さいって言えたら話は別ですけどぉ。
うん、コウくんが手形付けて来るまであんなにチャラいとは思ってませんでしたもん。そりゃ冗談でチャラいチャラいとは言ってましたけどー。…やだ、コウくんがクラブ行かないって言うからいざと言う時のためにデカいの用意するのに、それ見たさに行かれたら本末転倒っすわ。──ね、元々はコウくんも俺以上に貢がれる側の御人だったでしょうに。俺は良いの、コウくんの嫁だから貢ぐじゃなくて養って貰ってるだけっすわ。──ひぇ、流石は銃社会。遊びがワイルドっすね。ゾンビに遭遇した事あります?じゃあとりあえず写真お願いします。でもって休み取れたら行きましょ。──うんうん、キャンプは元々行きたかったんで嬉しいっすわ。外でデケー肉を大胆に焼いて食いたいっす。まだ間に合うかなぁ…あー、やりたい事があり過ぎて夏が全然足りないっすよー。(甘やかされたい心中に反して挑発する様な台詞を放たれれば一層頬を膨らませるも、最終的に欲には敵わず暫し思案を巡らせ。相手が煙草を持つ手へと顔を寄せ口付けを贈っては、両手で手を包み込み灰皿で先端を潰す様に誘導した後にしたり顔で肩へと腕を回し抱き付き、上機嫌に頬擦りをし)…んー…ぎゅーしてくれないなら俺からぎゅーしますもん。──…あっは、俺ってば天才だ。奪っちゃった。
げっ…マジで?俺の遊び具合なんか全部察した上だと思ってたわ…。え、大丈夫?マジで俺自他共に認めるレベルでクッソ遊んでたけど、それ知って引いてねぇ…?…ちぇ、だぁって気になんだもん、しゃーねぇじゃん。でも嫌っつーなら行かねぇって言っちまったしなぁ…その分マジの時に手ぇ抜くなよ。──あー…まぁ、どっちかっつーとって位でそんな派手なモンじゃねぇよ。今は、そーね…嫁さん養うのに手一杯なしがないリーマンだわ。──んな物騒なモンにゃ動物好きの雄太は連れてかねぇけどな。つかゾンビなんかに出くわしたら射撃場でしか実弾撃った事ねぇ男は噛ませ犬になんだろが。オッケー、写真探しておくわ。──フハ、まぁ今年ダメでも来年、それがダメなら再来年って感じで俺らに来る夏なんて今まで過ごした夏より多くなんだからやりたい事幾らでも出来るだろ。オッサンになっても遊んでそうじゃん、俺ら。(ハムスターのように丸く膨らんだ頬に楽し気に笑声を漏らした後に、予想に反して火種を持つ手へと相手の顔が近寄れば反射的に動かしそうになるも火傷の文字が脳裏を過ぎり喉元で食い止め。自ずと強張る腕を委ね、タバコの火が消えたタイミングで指に挟んだ吸殻が力なく落ちれば漸く安堵の息を溢してから自分の気も知らずに頬擦りを与えてくる恋人へ不満気な視線を向けつつゆっくりと腰へと腕を回し)ハハ!すっげぇほっぺたじゃねぇの。それ何が詰まってんの?──っ、……お前、馬ッ鹿!危ねぇだろーが、熱くなかった!?ハァ…俺の大好きな顔に傷が付いたらどう責任取ってくれんだよ…。
過去形で言うとショックでしたわぁ。引いてはないけど、手形付けられる程深い関係の人が居たんだなーって。まあでもちゃんとケジメ付けて来てくれたんで、それは嬉しかったですよ。ははっ、そんなに気になります?ご要望があればいつでも撮りますけど。例えば残業で帰りが遅い日とか。──うん、俺を狩りに連れて行ったら動物を庇って死ぬ覚悟っすよ。つかウケる、そもそもゾンビって居ないっすから。つか射撃場行った事あるんすね。良いなぁ、羨ましい。──うんうん、そっすね。これからもずっと一緒に居るから大丈夫…とは言え、やっぱりキャンプは早く行きたいっすわぁ。何なら毎年行きたいですもん。──俺のほっぺには夢と希望とちょっとした不満が詰まってるんですー。…あっは、確かに。けどそう簡単に火傷しないし、傷物になっても引き取り手がいるんで楽勝っすわ。(告げられた言葉で漸く火傷の可能性に気付いては、過保護なまでに心配する恋人に嬉しさ交じりの笑いを溢し。腰へと手を添えられれば一層体を密着させ、先刻までの甘味から一変し煙草の苦味へと上書きされた唇を相手のそれへと触れさせ、甘い声で問い掛けるは)…ねぇ、そろいかがですか?良い感じに酔って来ましたし。
深い関係でもねぇよ。付き合ってたけど本気じゃ無けりゃ、あの時もセフレでしか無かったし…つっても言い訳だわな、ごめん。もっとちゃんと俺がダメな奴だってのは伝えておいてやりゃ良かったかも。ふ、すげぇ気になるけど…残業で遅い日にそんな事されたんじゃ仕事放ったらかして帰って来ちまうからいけねぇわ。──うっわ、笑えねぇわ。絶対狩りは無し…とか言いながら銃は撃ってみてぇの?普通にパスポートさえありゃ試し撃ち位させてくれる所なんか幾らでもって感じだけど、まずはエアガンとかのが良いんじゃねぇかな。──ハハ、欲張りだわぁ。プールに花火に海もっつってる時点でフルカウントなのにその上キャンプとか、マジで小学生顔負けじゃねぇの。──そりゃ、今更傷位で手放すつもりはねぇけど…でもダァメ、俺のもんだからそんな易々傷物になられちゃ困るわ。(自分の心配を余所に他人事の様に笑う恋人への非難の色を露わにして尖らせた口唇に柔らかな感触が伝われば、銘柄の異なるタバコの仄かに香る紫煙の残滓を味わい尽くすかの如く幾度か啄み。甘い声での誘惑を茶化しつつも頬へと口付けを贈り)…ふ、探検飽きたから部屋ん中戻りてぇって?いーよ。
ウケる、俺チャラいんだよねーって言い触らして歩いたら只のイキリじゃないっすか。そんなキャラだったらカッケーだの色男だの茶化して玩具にしてましたわ。…あっは、残業切り上げて直ぐに帰って来て欲しいからやるんですよ。でも次の日コウくんが怒られちゃうのは不本意だなぁ…どうしよう。──うん、ゲームのやり過ぎで銃は触ってみたいんすよ。エアガンで十分っすわ。試し打ち出来るシューティングバーとかすげー興味ありますもん。…ふっ、バレちった。俺の趣味は完全に小学生で止まってるんで、飲み歩きとかよりそう言うのとかの方が楽しいんすよ。コウくんまで付き合わせちゃってすんません。──…そう言や俺がタトゥー入れたいって言った時も嫌がってましたもんね。俺の体に残る傷全般が嫌なんですかね?──んーん、飽きた訳じゃないっすけど、そろそろ我慢も限界だなーって思って。お部屋戻りましょ。(拗ねつつも口付けに対して積極的な反応を貰えば嬉しげに口角を上げ、次いで首筋へと口付けを贈り。相手の手をそっと握ると緩慢にベンチから腰を上げ、室内へとゆったりとした歩調で進み/暗転)
(疲労の色濃く残る帰り道を進む足取りは重く、それでも自宅が近付くにつれて脳裏に浮かぶ恋人の面影が一層鮮明になれば鼻腔から深く息を吸い肺の内側を満たしてから、取り込んだ時よりも大きな音で吐き出したのを皮切りに背筋は伸び歩幅は大きくなり。程なくして玄関へと着けば解鍵したのとほぼ同時に扉を開け、通り過ぎる寝室の中へと粗雑に放った鞄を見届けもせずに真っ直ぐリビングへと進み、緩い笑みを浮かべながら冗談めかして諸手を広げ)たぁだいま雄太、ココ。つっかれたからハグしてくれよ。
パパ遅いねぇ、大丈夫かなぁ。心配だねぇココちゃん。(寝支度を済ませパジャマ姿で猫を膝へと載せ、ソファーに着座し恋人を待つ表情には微かに心配の色が滲み。玄関扉から解錠する音が響けば表情を輝かせ、猫を腕に抱き緩慢に扉前へと。恋人の姿を認めるなり嬉々と破顔し、猫諸共抱擁して貰うべく広げられた腕の中へと身を寄せ、頬へと口付けを贈り)おかえりなさーい。今日は遅かったですねぇ。よく頑張りました、ココちゃんも良い子で待ってましたよん。…あっは、ぎゅーしたいけど俺もココちゃんもコウくんに可愛がられたいんで、ここはフェアにパパに一緒にぎゅーして貰おうかなぁ。コウくんをぎゅーするのはベッドでのお楽しみ。その方が楽しく寝れるでしょ?
ん、もうちょい早く帰って来たかったんだけどなぁ…そしたら今日も雄太の服着替えさせられたのに。(視界に入るのと共に胸元へと飛び込む恋人と愛猫の姿にタレ目がちな眦を下げるも、既に着替えられた寝巻きに戯れの一環として態とらしく口唇を立てつつ頬への口付けを甘受し。首の向きを変えて鼻先を擦り合わせて広げた腕を相手の腰へと絡めれば体温を確かめる様に密着する身体の隙間から器用に顔を覗かせる愛猫の毛並みが首筋を擽る感触と鼓膜を揺らす冗句に肩を揺らし)フハ、俺の為のハッピーセットじゃねぇの。つってもベッドでのハグは独り占めしようとするママは強かだなぁ。…あー、めっちゃくちゃ癒される。最高だわ。
あっは、今日お着替えさせるのは残念ながら俺なんですよ。良い子で待てたんですから、ダーリンの色っぽいスーツ姿を脱がせるくらいのご褒美を頂いても良いですよね?(疲弊しているであろう恋人の胸元に身体を預けると、腕の中の猫が嬉しげに甘く鳴き声を上げ思わず表情を緩め。鼻先が重なれば穏やかに双眸を伏せ、腰へと回された腕に安堵感を覚えつつ暫し恋人の温もりを堪能し。ふと相手の笑い声で薄く目を開くと、器用な猫の姿勢が視界に入り小さく吹き出し、愛しげに背中を毛並みに沿って撫でた後に相手に猫の体を差し出し委ねて。ネクタイへと手を掛けると丁寧に外し、襟元のボタンをいくつか外しつつ)あっは、ハッピーセットってウケる。俺もココちゃんもスマイル0円だから、沢山オーダーしてくださいね。…えへ、だってダーリンも夜の俺等をココちゃんには見せたくないでしょ?今日はごはんもお風呂も俺も用意してますけど、どれにします?
…あら、その程度のご褒美で満足な訳ぇ?随分と欲がねぇじゃんか、ご褒美強請る時なんか幾ら貪欲になったってバチは当たらねんだぜ。──ハハ、俺の可愛い恋人と愛娘のスマイルが0円とか価格設定見誤り過ぎだろ。(差し出された猫の後ろ足を片手で支え、半身を己の肩に載せる様に誘導しては首元へ伸びる手の為に顎を軽く上げつつ愉快気に含み笑いを溢し。首筋から胸元に掛けて順番に訪れるのに伴い、相手の腕が次第に下りていくと頭部を柔らかな毛並みに委ねつつ細めた瞳で恋人の表情を盗み見ては抱擁していた腕を外し、胸元で蠢く手を取ると自らの口元へと引き寄せ)…んー、そうねぇ。風呂も捨てがたいんだけど、とりあえず雄太といちゃつきながら飯食って、その後俺の恋人は寝室に誘拐してきてぇかなぁ。
その程度だなんてとんでもない。コウくんの身体に触れるのは俺の特権なんですから、とっておきのご褒美じゃないですか。もっとお強請りするなら…ねぇ?俺が欲するなら、アレに決まってるじゃないですか。──あっは、スマイル0円は勿論コウくんにだけにですよ。バイトでならそうだなぁ…5万円以上買って貰わないとなかなか心からのスマイルはしないかな。(含みを持たせた口調をしウィンクを1つ投げては、両手をスーツのジャケットへと掛けボタンを外し。徐に片手に口付けを贈られればはにかんだ様に笑みを浮かべ、双眸を伏せてから顔を寄せ唇を啄みつつ厚手の布を相手の肩口から下ろし。唇を解放する頃には眼は微かに熱っぽくなっているも、何事もなかったかの様な口調で食事の準備をすべく離れ)…ん、じゃあごはんにしましょ。今日は唐揚げ。ネギ塩だれとタルタルソースも頑張って作ったんですよん。ココちゃんとイチャイチャして待っててくださいねん。
…ふ、アレってなんだろ、俺鈍いからわっかんねぇわぁ…新しい服?デパ地下スイーツ?あぁ…それとも美味い酒とかかな。どれにしてもすぐ用意出来るモンだと良いんだけどなぁ。──ハハハ!…いーい感じに高ぇ男で笑っちまうわ。俺にだけ5万円引きならちゃんと頼んでおかねぇと勿体ないけど…まぁ、頼まなくったっていつでも目の前にあんだよなぁ。(期待を煽る様な口調で茶目っ気を出す相手の姿に小さく肩を揺らしつつも、さも態とらしい間延びした声で答えてはニヤついた笑みで頬を歪め。ジャケットが流されるさだろう前兆に反応したのは愛猫の方が早く、己の肩を踏み台にして床へと身軽に着地したであろう事は軽くなった腕と片方と僅かに残った反動の余韻に目を伏せつつも唇を包む柔な感触を楽しみ。次いで相手の温もりが離れれば再び愛猫を腕の中へと招き入れてからリビングへと進み、その儘ソファーの前へと座り込み)うっわ、聞くだけでもめちゃくちゃ美味そうじゃん。ビール飲みたくなんじゃん、腹減ったわ。
酷いなぁ、貪欲になって良いって言われたから恥ずかしい事お強請りしようとしたのに、そうやって誤魔化すんですもん。拗ねたから、服もスイーツもお酒も、ぜーんぶ買って貰うー。──確かにコウくんの前ではいっつもデレデレ笑ってるからなぁ。安心し切ってるからこうなってるだけで、本当は他の人の前では案外作り笑顔が多いんですよ。コウくんだけ特別。(己の意図を知りつつ茶化す様な口調をする相手に口唇を尖らせ拗ねて見せては、つんとした表情で顔を逸らし頬を膨らませ。キッチンへと辿り着くと、キャベツの上に山盛りに唐揚げを盛りつけた大皿と取り皿、2種類のソースをトレーに載せて持ちリビングのテーブルへと運んで並べ、今度は揃いの茶碗に米をよそうべく戻ると、箸とビールを再びトレーに載せソファーへと。相手と己の前にそれぞれを並べると、ビールを手に取り開栓し、乾杯を求めるべく差し出し)つまみ食いしたけど美味しくできてましたわぁ。さ、飲んで食べましょ。いただぎーす。
フハ、あんまり可愛いモンでついな。俺が意地悪ぃのなんか今に始まった話じゃねぇし、口が減らねぇのも酷い男なのもぜぇんぶ今更。ま、全部買ってやるのも良いんだけど…ベッドでのお遊びが御所望なら俺好みの強請り方はとっくに知り尽くしてんだろ。──俺の目に映るのは圧倒的にはしゃいでニコニコしてる雄太のが多いからなぁ。つっても、お前は気遣い屋だし、愛想笑いしてるってのもまぁ納得だけど。俺もテンションだなんだはその場の雰囲気で選んである程度変えるし、やっぱお互い似てんのかしら。(ソファーに進む自らの進行方向から逸れ、キッチンへと向かう相手へと視線を向ければつれなく顔を逸らされるも、悪怯れた振りすらもせずに胸に抱いた背中を撫でながら揶揄い混じりの笑みで背中を見送り。暫し愛猫と戯れる中、鼻腔を擽る揚げ物特有の香ばしい匂いに誘発される様に腹の虫が鳴き声をあげるとタイミングを図ったようにテーブルへと置かれた唐揚げの大皿に自然と唾を飲み込み、恋人が忙しなく準備をするほんの数分の間でさえ待ちきれずに猫をキャットタワーへと連れて行ってはソファーへと座り直す姿勢は自然と前のめりに。白米とビールを連れ立って恋人が隣へと腰を下ろすと破顔しビールを開栓して相手の手中のものとぶつけて、鈍い音を鳴らしつつ喉を潤してから箸を手に取ると唐揚げを摘んで一口で頬張り)うーわ、最っ高じゃん。乾杯、頂きまぁす。──ん…うっま!…やべぇな、マジでコレビール止まんなくなりそうだわぁ。
でもだって俺だって一応お誘いするのは恥ずかしいんですもん。ドキドキしながら言ったのに…ぴえん、全部買って貰う。でもってあやして貰うまでお強請りしない。──まあ我ながら他所でもノリは良いし、良く笑いますよ。バイトで笑顔から笑い声の練習まで全部したんです。間違ってもコウくんに見せる腑抜けた笑顔はしないかな。…あー、確かにコウくんは上手い事変えてますよね。空気読めるし気遣い上手だからこそ出来る芸当っすわ。確かに似てますなぁ。(前のめり気味に食事を待つ恋人を目にしては愛しさと嬉しさが湧き上がり笑いを溢し、乾杯してからビールを口元へと運び喉を鳴らして飲み下し。相手の反応を見て満面の笑みを浮かべては、取り皿に唐揚げを2つ取り、それぞれタルタルソースと、ごま油と胡椒の風味がきいたネギ塩だれを掛けて相手の前に差し出し、己も唐揚げを1つ摘み食しては)あははっ、コウくん可愛いなぁ。かんぱーい、お疲れ様でしたー。…んー、我ながら2度揚げ様々っすわ。パリパリにできた。やったー。
俺のあやし方なんて、そっちのがお前は照れそうなモンだけど。ま、それはそれで俺だぁい好きだから仰せの儘に手連でも手管でも使ってやりますよってなぁ。…雄太。なぁ、俺ちゃんと聞きてぇな。お前がその可愛いお口で俺にどんなご褒美貰いてぇって思ってんのか上手に言えりゃあ、それ以上のモンくれてやるつもりよ。──笑顔の練習ってのはまぁよくある話だけど…笑い声までやらされんのすげぇなぁ。ぜってぇ無理だわ俺。でも、そうか…デレッデレの雄太の笑顔が向けられてんのは俺にだけって訳ね。最高に好きなんだよなぁ、そーゆーの。クラッときちまうじゃねぇの。…まぁ、その方円滑に進む時が多いしな。でも全部引っ括めて見せて良いって思ったのは雄太だけ。ガキ臭ぇ所もダセェ所も含めてお前だけが俺の全部を知ってりゃ良い。(咀嚼する度に口内へと広がる肉汁に舌鼓を打ちながらそれを流し込む様にビールを呷り、喉越しが与える爽快感に満足気に息を吐き。自分の世話を焼く恋人の姿に堪らなく愛おしさを覚えては眉を不均等に歪めて照れ隠しの様な言葉を紡ぐも、強く止める事はせずに用意された皿を受け取り。ネギ塩だれの掛けられた物を口元へと運び先程同様丸々口の中に放り込めばシャキシャキとしたネギの歯応えと鼻を抜けるごま油の香りに白米へと手を伸ばし)うん、めちゃくちゃ美味い…から、そんな俺の分ばっかやってると全部食っちまうぜ。雄太のぶつけてなくなっちまうかも。──…あー、このたれも美味い。てか、米にそのまんま掛けても美味そう…。
んーん、あやされたいんすわ。クールなコウくんが俺をちやほやしてくれる瞬間が嬉しくてしゃーないんですもん。…んー…恥ずかしいですよー。…でも背に腹は変えられないですし…。──…今日はね、沢山甘やかして抱いて欲しいです。コウくん不足だったから、隙間を埋めたくて。──笑い声はバーの時なんすわ。エグい下ネタとか、糞も笑えねー愚痴とか聞いたり、酔っ払いに暴言吐かれたりが日常茶飯事だから、場の空気悪くしないめに自主練しましたわ。うんうん、ビジネスのために表情管理したりテンション合わせたりする賢いコウくんはセクシーで大好きですよん。じゃあコウくんの素顔も俺だけが独占させて貰いますね。笑顔だけじゃなくて、悲しい時もゴネたい時も全部ぜーんぶ俺だけの物。(恋人が己の手料理をつまみに酒を呷る姿を暫し嬉しげに眺めては、次ぐ言葉に頷き新たな唐揚げを箸で摘み、タルタルソースを付けて食し。ゆっくりと咀嚼しながら茶碗を手に持ち、嚥下してから白米を食しては、再びビールを手に取り飲み下し)えへ、コウくんが喜んでくれたからそれだけでもお腹いっぱいになりそうっすわ。でももうちょっと食べるー、太んなきゃいけないですからねん。──このタレはねぇ、前に飲み行った時に気に入って、作り方を店の人に聞いたんすわ。コウくんのお酒のつまみに良いかなって。だから嬉しいですよ。米に掛けても美味いんで、ぜひぜひ。
──…ふ、可愛い。優しい甘やかして抱くなんざ一番手慣れてねぇジャンルだけど、雄太相手になら余裕なんだよなぁ。沢山キスしてずっと手ぇ繋ぎながら抱いてやろ。その代わりまぁねちっこくするけど、まぁご愛敬って事で。──マジかよ、偉すぎねぇ?雄太は周りの事よく見てるからなぁ、自分の事後回しにして他の奴ら楽しませるのに全振りするのはマジで長所だけど、若ぇんだからもっと我儘になって良いのよ。それこそ俺なんかはゴネたり弱味見せたりってタイプでは無かったしな。顔には出るけど深掘りされんのは嫌だってな傍若無人っぷりだったのに…お前ならなんでも受け止めてくれるって甘えてんだわ、きっと。(自分の言葉に従う様に箸を進める相手の姿に眦を下げ咀嚼していた唐揚げを胃の中へと収めれば手を伸ばしていた茶碗を持ち上げて恋人の勧め通りにたれを白米へ少量掛けてから口へと運べば、自ずと緩む頬を抑えきれない儘に顎を動かし)こんな美味いモン食わなきゃ損だぜ。マジで久々に揚げたての唐揚げなんか食ったわ、幸せ。──ふ、何?飲み会でも俺の事考えてくれてたの?俺の心臓鷲掴みにしてるクセに胃袋まで掴もうだなんて、狡ぃじゃねぇのよ。
…ん、俺甘ったれだから偶にコウくんの愛に包まれたくてしゃーなくなるんです。やった、手繋いでするの好き。早くごはん食べてベッドに行きましょ、ダーリン。──まあ稼げない商売なら俺だって我慢しませんわ。ロクでもねー奴ほど金使わせても良心が痛まねーから、俺としちゃ良いカモなんすよ。…ん、俺はどんなコウくんでも受け止めますよ。寧ろ色んな顔を見る度に嬉しくなるんで、いつでも素のコウくんで居てくださいね。──普段はあんまり唐揚げ食べないんですか?コウくんは意外とオムライスとか子供が好きそうなものが好物なイメージだったんで、好きそうかなーって勝手にイメージしてましたわ。──ん、飲みの時はいっつもコウくんの事を考えてますよん。レシピ教えて貰った時も、彼氏に作りたいから教えてって聞きましたし。今月は飲みの回数をザクッと減らす代わりに、ダーリンにご飯作る回数を増やそうかな。その方が幸せなんですもん。(食事もそこそこに箸を取り皿の上へと載せると、恋人と離れ飲み会に参加した日の心情を回想し、寂しげに眉尻を垂らしながら暫し肩へと凭れ掛かり。食事の邪魔をしない様にと上体を元に戻すと、一度失せた食欲を取り戻すべく恋人に食べさせて貰おうと双眸を伏せ、開いた口を向け)
俺も甘やかすの嫌いじゃねぇし、偶になんて言わずに幾らでも言っておいで。気遣い出来すぎて甘え下手な雄太が俺にだけ甘えてくるってのにもう病みつきなモンで。──フハ、笑うわ。でも相手に気持ち良く金払わせんだから偉いよ、ちゃんと割り切ってる奴しか出来ねぇじゃん、そんなの。…ハッ、今更雄太相手に素出すなって方が無理な話。いつだって男前貫きつつのらりくらり生きてたかったってのにお前の前じゃあすっかり腑抜けちまってんだから。──いや、めちゃくちゃ好きだけど糖質だのカロリーだの考えるお年頃なのよ。甘いモン食わねぇ分酒飲むし、程々にしとかねぇとその内まぁるくなっちまうだろ。でも今日は気にしねぇ、だって美味いんだもん。──ハハ、可愛いなぁ。偶に飲みに行く時位俺の事忘れて楽しみゃ良いのに…でもめちゃくちゃ嬉しいよ。雄太が食って美味かったって思うモン共有してくれんのも幸せだし、それでお前がどんどん料理上手くなってくのとか最高じゃん。今月は俺がチラホラ飲みに行く機会多くなりそうだから、その分早く帰ってこれる日は一緒に飯食おっか。(空いた時間を埋める様に寄り添ってくる恋人を横目で見遣りつつ緩やかな笑みを浮かべると、ビールを手に取り然程多くない残りを飲み干し。次いで言外に開いた口を向けられれば、僅かな音で笑いを溢し皿に唐揚げを一つ取ってはネギ塩だれを掛け、滴が落ちない様に相手の口元に運んでから皿の上に残ったタルタルソースが掛かったものを頬張り)…ん、こっちも美味いわ。つか、タルタルソースとかめちゃくちゃ好きなんだよな、よくご存知で。
あっは、最近はすげー甘えてますよん。そりゃもう引かれちゃうんじゃないかって心配になるくらいに。やっぱり甘えるのって勇気がいるじゃないっすか。コウくんに嫌われたらどうしようって心配でしたけど、どんなに弱みを見せても変わらず愛してくれますし、安心して感情を出せる様になったんすわ。──えー、コウくんの事腑抜けてるなんて思った事ないやー。甘えて貰ってる時でさえも俺には男前に見えてるんですから、イケメンってお得ですなぁ。──もー、コウくんが丸くなっても俺は大好きですから、我慢しないで美味しいものを沢山食べてくださいね。コウくんはねぇ、俺を抱っこできるくらいの筋肉があれば問題ないっすわぁ。──んーん、いつも言ってる様に、俺はコウくんと過ごす夜と、一緒に飲む酒が好きなんですよん。だから、片時も頭から離れないの。…ん、コウくんは今月飲みが多いんですね。…ぴえん、俺も着いてくー。(口内へと唐揚げを入れて貰えば嬉々と表情を緩めつつ咀嚼し、欲する儘に茶碗を手に取り残りの米を食して。ビールの缶を唇に宛てて傾け中身を空にすると、大きく伸びをしてソファーの背凭れへと身体を預け)えへ、タルタルも喜んで貰えて嬉しいっすわ。これも同じ店で食べて美味しかったんで、ネット見て作りましたよん。コウくんとごはんの趣味合って嬉しいっすわ。
だって興味ねぇ奴になら別だけど、好きな奴に弱味見せられて喜ばない男が居るかよ。それこそ、雄太もしんどい時は一人で耐えようとしちまう性質だから尚更嬉しい。お前が頼って甘えてくれる度に大事にしようって思い直すわ。──ハハハ!マジで変わったなってのが自己評価なんですけどぉ。俺が甘ったるい可愛いツラしてたらお前に愛想尽かされちまってたんじゃねぇかと思う位には俺の顔好きよなぁ。そう考えると最強の武器だわ。──やーだよ、太ると顔に肉が付くタイプなんだわ。それこそ雄太の好きな顔維持しておきてぇの。それに美味いモン食い過ぎたら有り難み薄れちまうじゃん、雄太と一緒に食う時にって位に抑えてた方が幸せ呆けし過ぎねぇから丁度良いの。──ふ、熱烈だわぁ。でも外で飲んできたってちゃあんと雄太との時間は無理矢理にでも作るから、んな必死にならなくても平気。いつも寝ねぇでお前の帰り待ってる良い子チャンだろ、俺。…フハ、大抵仕事の飲みだよ。繁忙期前の挨拶代わり、どうぞよろしくお願いしますってな感じのお堅いヤツだから基本そんなに遅くはならねぇし安心して。(咀嚼していた唐揚げを嚥下し、間を空けずに次のものをキャベツと一緒に口へと運び噛み締めれば胃の中が満たされていく心地に満足感を感じつつ鼻腔から息を漏らし。隣の相手が食事を終えたと受け取ると僅か思案するも再び大皿へと箸を伸ばし唐揚げを摘み上げ、残りの白米と合わせて食す頃には充分な程の満腹感に包まれ)めちゃくちゃ美味いよ、ガッツリ系で最高だわ。多分味の濃いモン好きなんだよなぁ…酒飲みの味覚だからかな。
…確かにそれもそうっすね。俺は断然甘えられると舞い上がるタイプなんすけど、コウくんも同じ気持ちでいてくれてるなら益々甘え易い気持ちになりましまわ。つか俺って愛されてるんだなぁー…ニヤニヤしちゃいますよん。──ははっ、コウくんの顔が好きだからこそどれだけ甘ったるい顔しててもバッチリ受け入れますわ。抱き締めてよしよーしするくらいの男気は、俺にもまだ残ってますよん。──…うー…確かにコウくんは飲み会帰りの俺をバッチリ待っててくれますけどー…、俺がアルコール一滴も飲まないで帰ってくるのも結構本気度高いと思いません?我ながら酒よりもコウくんといる時間の方が楽しいからこそ出来る事っすよ。…ん、お付き合いならしゃーないっすわな。じゃあコウくんが飲みの日はココちゃんと良い子で待ってますねん。──お、良く食べたー。残りは明日の俺の唐揚げ丼になりまーす。鶏さん、ご馳走さまでしたー。(食事を進める相手から満腹の様子を見受けると緩慢に立ち上がり、ラップを持ちソファーへと戻り残りの唐揚げの上へと掛けて。量の減った皿を嬉しげに持ち冷蔵庫へと仕舞うと、他の食器類も流し台へと運ぶべくトレーへと載せて。一通りの片付けを済ませるとソファーへと戻り、目一杯に甘えるべく相手の膝元へと跨り肩口に腕を回しながら頬擦りをし)…えへ、ここからはカップルの時間で良いですか?
そもそも、そう思って無けりゃ我儘言っても良いだなんて言わねぇしな。甘えるのも甘えられんのもどっちも悪かねぇし、なんなら好きになってきてんだから好きな奴の力ってすげぇわな。──ハハ、逆立ちしたって甘ったるい顔なんか出来ねんだよなぁ。でも雄太の男気が全然あるのはよーく知ってるわ、俺が疲れて帰ってきた日とかさぁ。──ふ、そーね…マジであんだけ酒好きだった雄太が素面で帰ってきてくれんの嬉しいよ。お陰で帰ってきてからめちゃくちゃイチャイチャ出来るしなぁ。──ご馳走さん、美味かったよ雄太。俺も明日弁当にして持ってこっかなぁ。…あー、つか片付けまでサンキュ。(背凭れに身を預け重たい腹を軽く撫でつつ再び深い息を吐き出し、手際よく片付けを始める相手の姿をぼんやりと眺めれば多幸感に包まれ、次第にソファーに埋もれる身体の範囲は広がり。漸く片付けを終えた恋人が膝へと乗ってくると自然と腰を抱き寄せる様に腕を回して、額と頬にそれぞれ音を立てて口付けを与えてから本命の唇にだけは態とらしく掠らせるに留め)…勿論。お互いお待ちかねだろ?…さっきからめちゃくちゃキスしたくて堪んなかったんだわ。いーい?好き勝手キスしまくって。
甘やかすのが元から好きな俺ですら我儘言って良いよなんて言った事ないんで、コウくんの愛情の深さを感じますよ。──まあ最近じゃなけなしの男気すら消滅しそうなんですけどね。そうだなぁ…じゃあコウくんが疲れて帰ってきた日は男前にお迎え出来る様に頑張りますね。──お粗末様でした。コウくんがお弁当に持って行ってくれるなら、張り切って作りますねん。でもって片付けも俺の仕事ー。旦那様には後でご褒美貰わなきゃいけないから、ゆっくり寛いでいてくださいね。(腰へと腕を回されれば自然と心拍は上がり、喉を小さく鳴らした後に穏やかに双眸を伏せて額と頬への口付けを享受し。唇にも贈られる事を予期して胸を高鳴らせるも、予想に反して掠めるに留まれば発散しようのない熱を眼に宿しながら拗ねた様に僅かに口唇を立て。ゴネようと口を開き掛けるも、次ぐ己好みの科白に頬を火照らせては途端にしおらしくなり、控えめに頷くと相手に身を委ねるべく再び双眸を伏せ)──…焦らしてからそんな事言うなんて狡い。俺はいつだってコウくんに滅茶苦茶にされたいと思ってるんですから。…だから、色々なところに沢山キスしてください。
俺だって雄太相手じゃなきゃこんな事言わねぇよ。俺が我儘言いまくるから、我慢しちまう雄太にも言わせておいて相殺にしようっつー浅はかな魂胆だしなぁ。──ハハ、最近はそりゃもうデレデレしてくれてっから。疲れて帰って来た日に出迎えてくれんのがイケメンな嫁さんだなんて最高じゃねぇの、形無しになっちまいそうで不味いわぁ…気ぃ付けねぇと。──弁当なんか残りモン詰める位で良いのよ、朝から気合入れたら疲れちまうだろ。偶に豪華なの作ってくれりゃあ充分すぎる位だわ。(揶揄に近い焦らしの後で逡巡した様に動く目の前の唇に細めた目と上がった眉が作り上げるのは明らかにニヤついた笑みで、素直な頷きに一層口角を吊り上げれば褒めるべ頭を梳き撫で。その儘手遊びに相手の耳を弄りつつ唇を寄せ、柔らかな口唇を音を立てながら数度啄んでから打診する様に下唇を甘噛みした後に舌先を覗かせれば酷く緩慢な動きで徐々に口内へと進ませ)──ふ、良い子じゃん。可愛い事言われるとちと虐めたくなんの、悪い癖だよなぁ…。ま、やめる気ねんだけど。ん…、
んー、コウくんに我儘言われた覚えはあんまりないかなぁ。寧ろ俺が我儘言ってばっかりだからなぁ。…だからね、偶にはコウくんにももっと沢山我儘言って欲しいですよ。俺元々は尽くすのが大好きなんですから。──んーん、コウくんのお弁当を作れる時は俺が幸せだから、ちゃんと作りたいんです。そもそも疲れたとてヒモですからなぁ…幾らでも寝れますし、寧ろここまで何もしない生活だと返って活き活きするんすよ。──本当に意地悪。ちゃんと焦らした分のご褒美はくださいね。……ん、…ふぁ…っ、(視界を閉ざす中、柔な手付きで髪を撫でられれば短く甘い声を溢し、期待故に喉を鳴らし。逸る気持ちの中、漸く口付けが与えられれば胸中に相手への愛しさが溢れ、鼻に掛かった吐息を溢し。瞬く間に恍惚とする中、下唇を甘噛みされればその意図を汲み取り唇を薄く開き相手の舌を招き入れ。焦らす様にゆっくりと舌を挿入されれば背筋を震わせ、肌を熱らせながら刺激を求めるべく自ら深く絡め、脳が甘く痺れる感覚に震えた吐息を溢し)
そうかぁ?俺は自分のしたい事とかに関してはすっげぇ我儘な自覚あるつもりだけど。雄太とここ行きたい、雄太とアレがしたいってのはガンガン言っちまうし諦める気も微塵もねぇから、俺が思った時点で実行に移すのはほぼ確定ってなクソ我儘。付き合ってくれるって自信があるから好き勝手言ってんのよ。──…そんじゃ、折角だし楽しみにしてよっかなぁ。恋人の愛情篭った手料理なんかいつだってめちゃくちゃ嬉しいし、最近社食の混雑避ける為にってんで昼の時間まちまちで目当てのモン食いっぱぐれたりすっから弁当助かるんだよ。あんがとな。──…ふ、…(ゆっくりと時間を掛けてかけて嬲るつもりだった思惑から逸れ、恋人が待ち兼ねた様にしたを絡ませてくればそのいじらしさに吐息に似た音で笑声を鼻腔から漏らしつつも応える為に舌を伸ばし、先程までの緩やかな口付けから一変し激しい行為へと変わるにつれ自ずと激しい水音を鳴らしながら己より幾分温度の高い口内の感触を楽しみ。腰元へと残した手に力が込もるのに自分自身では気が付かない儘耳朶に触れる手を肌伝に下ろし、パジャマと素肌の境を指先で辿った先に行き着いた釦を幾つか外し)
俺とあれしたいこれしたいを考えてくれて、でもって実行に移してくれるのは我儘じゃなくてリードして貰ってるって感覚ですわ。付いて行くのが大好きな犬気質としてはありがたいばかりですよ。──…うんうん、お弁当頑張って作りますねん。旦那様の為なら喜んで。…あー、社食の種類減ってるのは寂しいっすねぇ…じゃあ少しお弁当作る頻度増やしちゃおうかな。きっと就職したななかなか作れないんで。──…んン……は…っ、(漸く欲していた口付けが与えられれば悦びが湧き上がり、夢中で己からも舌を絡め。恋人と戯れる時間を欲してたが故に一際幸福感を感じ、胸を高鳴らせながら口付けに陶酔しては、腰へと与えられる圧に相手から求められている様な錯覚を起こし、胸を締め付けられる感覚を覚え。首筋を相手の指が通過すれば敏感に背を震わせ、その手が衣服のボタンへと掛けられれば心臓は更に早鐘を打ち。一層甘ったるい声を溢しつつ、言外に相手に己の高揚を伝えるべく腰を揺らし、相手の腿に臀部を擦り付け)
リードなんて崇高なモンじゃねえってのに、本当俺に甘すぎんだから。これ以上の我儘なんて何言えば良いんかなぁ…ふ、俺が寂しいっつったらぜぇんぶ放り出して傍に居ろ、とか?──お、マジ?頻度増やしてくれんなら弁当箱でも買おっかな、2個買や雄太もバイトん時とか俺とおんなじ昼飯食えるし良くね?そんで、お前が就職するまでには俺も弁当作り練習しよっと。…いや、我ながら名案じゃん。──ン…、(留め具を外す最中、手触りの良い布越しに相手の胸元を掠めた指から伝わる確かな心音に高揚を煽られるのは必然で、自ずと荒くなる息と身の内に宿る熱に耐えかねては名残惜しげに上顎に舌を這わせてから唇を解放し。指が離れたばかりの耳元に代わりとばかりに顔を寄せ音を聞かせる為に付け根へと吸い付いてから囁く声は否が応でも甘ったるい響きを孕み、露わになった相手の首筋を飾っているであろう痣の数々を視界に収めるべく頭を上げて。誘惑染みた動きをして脚の上で揺れる臀部に背筋を小さく震わせれば考えるより先に手は諫めるかの如く肉を鷲掴みにし、溢れ出る愛欲に抗う事は出来ず本能的に首元へと顔を埋めて短い口付けを繰り返し)──マァジでエロい…。…あーやっべぇ、堪んねぇわ…可愛い。好きだよ、雄太…、
コウくんが謙遜してるだけっすわ。人に惚気りゃ羨ましがられる完璧な御人ですよ、俺のダーリンは。──やば…正直今のはすげーツボでしたわぁ。傍に居ろなんて言われたら喜んで全てを擲って行きますし、心臓が壊れるんじゃないかってくらいドキドキしますよ。──ナイスアイディア。コウくん天才っすわぁ。離れてもダーリンと一緒にランチしてる気分になれるって最高だなぁ。でもってコウくんの作ってくれたお弁当を見たら1日がすげーハッピーになって頑張れそう。今度ライダース買いに行った時に見てみましょー。──…ふぁっ…、耳だめ…っ、…恥ずかしい…、(布越しに胸元へと触れられれば、直に触れられる感覚が脳裏に蘇えり刺激を求めて身体が疼くのを感じ。厭らしい己に恥じらいを覚え、激しい口付けの合間に眼に涙を溜め。唇が解放されるなり酸素を取り入れようと乱れた呼吸を繰り返し。間髪置かず耳を舌と水音で犯されれば、口元を手の甲で覆い隠しながら声を必死に堪えようと足掻くも、囁かれた甘い言葉にはいとも簡単に絆され、涙を含んだ目で相手を見ると首元で未だに深い茶で鎮座する痕を見せるべく襟を肩口まで下げて。臀部を掴まれれば切なく眉尻を下げて息を飲み控えめな反応を見せるも、弱点へと幾度も贈られる口付けには全身の力が抜ける程の快楽を感じ、震えた呼吸を繰り返しつつ身体を支えるべく相手の首裏に両腕を回し凭れ)──…コウくん、好き…っ。コウくんの事が大好きで大好きで、どんどん感じやすくなってるんです。キスだけでこうなっちゃうなんておかしいでしょ?──…はっ、あ…、首弱いの…んっ、知ってるのに……っ、
違ぇよ、雄太が話盛りすぎなだぁけ。本当、お前のお陰で俺のハードル高くってしゃーねぇわ。恋愛童貞がそんな器用にこなせる訳ねんだよなぁ。──…へぇ?こんなんで良いの?雄太が甘えて欲しいって言う度に、俺にゃあ可愛く甘ったれるなんて無理だからそりゃもう悩んでたモンだけど。…ハッ、こんなんなら楽勝。お前の心臓ぶっ壊してやる位のつもりで我儘三昧してやろっと。──だろ?俺も雄太とおんなじモン食えてるって考えると幸せだわ。忙しい時程ちゃあんと繋がり感じれた方が良い気がするしな、多分来年の春先は俺も今よりは多少余裕出るはずだから気合い入れてやんよ。──…っふ、随分煽ってくれんじゃねぇの。こんな可愛い顔された日にゃ外でキスなんか簡単に出来なくなっちまいそうだわ。(己の残した痛々しい痣を曝け出す様に見せつけられ熱を帯びた息を吐いてからその上に鎮座する表情に目を遣ると、一歩誤れば己の理性を見失いかねない程扇情的な表情に生唾を飲み込んでなんとか耐えるも浮かべた笑みに滲む欲は隠し切れず。素肌に唇を落とす合間合間に紡ぐ選択を委ねる様な言葉とは裏腹に、釦に引っ掛けた儘だった手で恋人の首裏を掴んだのは逃すまいと言外で示す行為で、高い音で吸引音を絶えず響かせながらももう一方の手は尻を揉みしだき、時折布越しに甘く引っ掛く様に爪先で撫でては、相手と触れ合う箇所のどれもに血が集まる火照りを感じ。戯れに没頭しつつある己を自覚すれば縋る様に体重を預ける腰に再び両腕を回しては抱き上げつつ立ち上がり)──…ん、弱いのダメ?嫌ならやめるけど…どーする?…は、俺こうするの、結構好きなんだけど……──まぁでもどっちにせよ、そろそろベッド行こっか。沢山ご褒美やんなきゃだし。
俺言葉が拙いからコウくんの魅力を完全に伝えきれてない可能性はあっても、盛ってる事はないかな。それにこれ程俺を夢中にさせておいて、恋愛童貞だなんてよく言いますわぁ。──…多分軽くキスするくらいなら大丈夫なんすけど、甘やかされながらちゅーしたり、ディープキスしたら危ないかな。いかにも好きですって目になっちゃう。…今までだったら時間が経てば愛情が落ち着いて来たんだけどなぁ…その逆って初めてですから、俺自身も吃驚してますよ。──…んっ…止めないでください…、ふっ…、…この儘コウくんに愛されたいです…、(幾度も首筋へと降り注がれる口付けに次第に身体は蕩けるかと錯覚する程の熱を孕み、息遣いは行為中を思わせる色気付いたものとなり。問い掛けに首を横に振り応えると、恥じらいつつも弱く縋る様な声で続きを強請り。首元と同時に臀部を愛撫されれば次第に素肌に触れられたい欲は募り、本能的に媚びを売る様に揺れる腰を抑える事が出来ず、己の情けなさに涙が溢れて。身体を抱え上げられれば自らも相手の首裏に腕を回し、滲む視界に映る相手の端正な横顔に見惚れつつ続く行為を予期して熱い吐息を深く溢し/暗転)
…やだなぁ、泣くなよ。雄太の事泣かせたくて反応した訳じゃねぇんだから。お前が泣いてるって知ったら俺が心配すんのなんか昔っから知ってんだろ?いーよ、何でも聞いてやるから、話せる事からで。
うん、コウくんに心配かけてばっかりだったなぁ。本当にごめんなさい。…ずっと顔を出さなかったのは不可抗力だったんです。俺の意思じゃない…だから、誤解させてたらすんません。ちゃんと話したかったし、忘れてなかったです。
…この前コウくんの背中見掛けて…懐かしくてまたコウくんと話せたらなって…。でも俺達はもう会わなくて長いし、それは俺の我儘だから…うん、上手く言えない…。ここでこうして2人で語らなくて良いんです。ただ、友達としてまた話せたらなって…。うう…っ、全部俺の我儘だから気にしないでください…!
別に謝る必要ねぇわな、俺が勝手に心配してただけだし。あの頃はそれが役得だった訳だしさ。…んで、先に顔出さなくなったのは俺の方だわなぁ。そんで今更どうすりゃ良いのか分かんなくて、なあなあにして楽な方に逃げた。ごめんな。
…ま、確かに会わなくなってからマジで長いからなぁ…多分、お前が思ってる俺とは大分違うと思うよ。お互い、あの頃はこうだってのにって感情を一切持たないで友達として話すのは…やってみなきゃ分かんねぇけどさ、しんどい思いする可能性もあるのは分かってる?
恋愛感情抜きにして、どこまでいってもお前の事は、俺大事だからさぁ。もし、後悔させる可能性があるなら、あんま良い顔してやれる自信ねぇかなぁ。
もうお互い謝るのは止めましょ。俺はコウくんと過ごした時間は良い思い出しかないから、感謝しかないんすわ。
…俺もコウくんの事は大事っす。ただ楽しく話せたら嬉しくて…だからコウくんがヤニ吸ってたら行くかも。あんまり深く考えないでくださいねん。
ハハ、ありがてぇ話だけど…あんま美化されっと、それこそ落差が酷ぇからほどほどにして欲しいところだわ。
…あー……どうだろ。どちらにせよ、ヤニはもう吸いに行かねぇつもりだったから…ごめん、それはあんまり期待しねぇでおいて。それ以外なら考えようもあるけど、あんま決めた事コロコロ覆えすのもダセェっしょ。
本当?俺は前よりも良い男になった自信あるんだけどなぁ…って、これじゃ俺とコウくんで性格逆になったみたいっすね。
うんうん、行くか行かないかはコウくんの自由だから、それで大丈夫っす。…とりあえず、コウくんの声が聞けて良かった。
眠い、眠気が限界なんで寝ます。顔見せてくれてありがとうございました。おやすみなさい。
ふ、だぁって雄太の頭ん中の俺って、お前にベタ惚れの甘ったるい俺だろ?それに比べたら俺は偽者みてぇなモンだわな。見た目だけそっくりってな感じだろ。
んじゃ、俺の意思表示はしたしな、約束を変える気はねぇや。…多分伝わってんでしょ。
俺も話せて良かったわ。おやすみ、ゆっくり寝ろよ。
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