雄太郎 2020-01-21 03:40:27 |
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──ん、じゃあ彼氏が良いって言ったらね。もう切るね、バイバイ。(母親からの電話で目を覚ませば、如何にも寝起きと言った声色で話し手短に通話を切り上げ。大きな欠伸をすると着替えのラフな洋服を手にして浴室へと向かい、シャワーを浴びた後に薄くメイクを施しリビングへと向かい)おはようございまーす。コウくんママの日のお花は直接届けに行くんですか?
(身支度を済ませシンプルなVネックのカットソーに身を包んだ状態でソファーに座り込み、ゾンビものの海外ドラマを流し見しつつスマホでニュースを確認していれば自分の予想より幾分早く目覚めた恋人に些か驚くも、嬉しい誤算に自然と頬を緩めて)おはよ、悠チャン。いや?花も配送にしてるし別に行く気ねぇわ。実家での接待は兄貴と弟の役目。…つか、今日すっぴんじゃねぇのなぁ。可愛い。
お、じゃあ今日はおうち時間なんすね。…えへ、早起きしたんでコウくんのために仕上げて来ました、なんて。…1個だけ俺の我儘聞いてくれませんか?(相手につられて表情を緩ませつつソファーまで歩むと、褒め言葉に機嫌を良くし嬉々としながら腰を下ろし。肩口に腕を回しつつ強請り声を出すと、スマホを取り出しちゃっかりとした笑顔で)ママがどうしてもコウくんを見てみたいらしくて。一緒に写真撮って送っても良いですか?
そ。まともな…っつーのも変な話だけど、ガッツリ引き籠りになんのは今日がラストみてぇなもんよ。明日からは出社する割合のが多くなるし。(柔な相手の声色と言葉の選び方にくつくつと喉を鳴らせば茶化す口調で答えるも欲のないその内容には暫し呆気に取られ。スマホに視線を向けるも不意に思い出した様に立ち上がり)…フハ、そんな殺し文句の後の我儘ならなぁんでも聞いちゃう。…お、全然良いけど…──あ!待った。お袋さんが見るんなら流石に髭はマズイ。
…そっか今日が最終日かー…ぴえん。じゃあ今の内に沢山充電しておかなきゃ。今までが天国だっただけに落差パネェっすわ。──やった、ありがとうございます。じゃあ遠慮なく撮らせて貰いますねー。…あははっ、髭なんて楽勝っすよ。何せ俺の親なんで。息子の髪色と化粧許してるくらいですから、心配せずこの儘でいてください。(相手が立ち上がると慌てて腕を掴み、真面目な台詞に声を立て笑いながら引き戻して。インカメラに設定したスマホを掲げると、恋人の男前さが引き立つ角度を探し、微笑を浮かべつつ幾度か撮影ボタンを押し)じゃあ撮りますねん。キメ顔でー。
ん…まぁ、暫くは残業も多くない筈だし飲みもねぇから前よりは早く帰ってくるよ。新卒の世話が始まるのが唯一面倒だけど…やりたくねぇなぁ。──マァジで?可愛い息子が悪い男に騙されてると思われねぇ?…真面目好青年ぶっときたかったんだけどなぁ。(渋々といった面持ちで座り直せば液晶に写る自分の顔のガラの悪さに眉根を寄せるも、諦めた様に長い息を鼻から吐いては軽く顎を引き、仕事時に浮かべる嫌味の少ない笑みを湛えて。シャッター音が収まった所で相手の肩口へと頭を預けては尚も不安感の拭えぬ言葉を紡ぎ)……いやふっつーに緊張するわ、コレ。就活ん時どーやって笑ってたっけなぁ。
それが何よりの救いっすわ。でも久々に復帰したら疲れるでしょうし、暫くはちゃんと良い子で居ますね。…あははっ、早々に臣永先生っすか。コウくん教えるの上手そうなんで楽勝なんじゃないっすかね。新卒の人達が羨ましいっすわー。──全然、うちのママもイケメン好きなんで大丈夫っすよ。柄悪いダチ家に連れて帰っても喜んでましたし。(撮り終えたばかりの写真を確認し、誰しもが好印象を抱く様な恋人の微笑みに胸を締め付けられれば感嘆の声を揚げた後に暫し見惚れて。その場で相手と母親に共有すると、珍しくも不安げな様子に笑いを溢しつつ頭を撫で、感謝を示すべく口付けを贈り)…うわー、すげーカッケー。こりゃママも見惚れちゃうだろうなー…。──ははっ、そんなに緊張しました?すげー良い感じににっこりしてますけど。ありがとうございます、コウくんの写真が更に増えて幸せですよ。
悠チャンがいい子にしてるよりいつも通り元気で騒いでてくれた方が俺の癒しになるから気にしなくていーよ。散々休みまくったし体力だけは有り余ってるわ。…挨拶だけで暫く間空いちまったし、女の子だから気ぃ遣うんだよなぁ。悠チャンみてぇなノリの良い男だったらそりゃもう気楽に面白可笑しく仕事出来んのに。(相手の反応に些か安堵を覚えては気を取り直して平素の如く冗談めかし、端末を軽く指で突つき。次いで機嫌を取る様な口付けにまんまと絆され軽薄そうな笑みへと戻れば手の甲で相手の頬を撫ぜて)…ま、悠チャンがそー言ってくれんなら平気かな。いい感じに俺の事脚色して親御さんからの株上げといて。──そりゃ、営業スマイルなんか久々だしなぁ。最近気ぃ抜けてたから恋人のお袋さんに見られるってなりゃ俺も人並みに緊張すんのよ。…ん、どーいたしまして。つか、母の日にちゃあんとお願い事聞いてやんの偉いな。
マジっすか。じゃあ疲れたお兄さんを癒すために平常運行でいきますわ。でも今日は早めに休みましょうね。でもって疲れた時は遠慮なく言ってくださいね。…げっ、女子っすか。業界的に可愛い人でしょうし、不安しかないんすけど。俺を後輩にしたらそっすね、お調子者なんで気楽さだけはお約束しますわ。ポンコツですけど。(相手が平生の笑顔に戻れば安堵し目を細め心地良さそうに頬を撫でる手を甘受するも、手元のスマホが振動すればタップし内容を確認し一笑。愉快げにハートが散りばめられた画面を翳して見せ)コウくんにして貰った事はちゃーんと親に言ってるんで、株はもう上がりっぱなしですよ。俺の面倒見させて申し訳ないとは言ってますけどね。久々とは言っても、相変わらずカッコイイ笑顔っすね。ママにプレゼント送ったら調子に乗って更に要求されましたわ。──あっは、ほら。案の定返信がカッコいいってハートまみれ。俺の親でしょ?
そーね、久々の出社で寝坊して遅刻とか洒落になんねぇし。まぁでも疲れた時に関してはご心配なく。そんなん今更隠さねぇよ。…あー、顔に関して言えばそりゃ映える顔立ちだとは思うけど…流石の俺でも社内で手ぇ出したりしませんー。そもそも今となっちゃ一途なもんで。つっても悠チャン客ウケも取引先ウケも良さそうだし、結構強かだし…良いよなぁ。本気で後輩育てんならお前みてぇなタイプが多分1番やり易い。(スマホを見つめ笑顔を溢す相手が微笑ましく、眦を下げていれば翳された画面を覗き込み。恋人とよく似た文面のメッセージを読み思わず吹き出すも、恋人の母親に褒められる慣れない感覚に照れ臭さを覚えては後頭部を掻いて)面倒見てもらってんのは俺の方なんだよなぁ。ここ数ヶ月で随分真っ当な生活する様になったし。…あー、プレゼントってウチの香水だっけ。お袋さんが気に入ってくれりゃあ俺も嬉しいわ。──フハ…確かに悠チャンのお袋さんっつー感じするわぁ。可愛い。…いやー、あざっす。引かれなくて安心した。
やっぱコウくんは朝から格好良く出勤して欲しいんで、寝坊はさせらんねーっすね。久々にスーツ姿見れるのも楽しみですし。──コウくんが一途なのは知ってますけど、きっと女の子の方が目がハートになるんだろうなーって思いますよ。コウくん曰くの面食いの宿命なんで、仕様がない事ですけど。…お、俺っち随分と褒められてるじゃないですか。嬉しいなぁー…まあ恋人の欲目でそう見えてるんでしょうけど、現実はお喋りオバケの異名を貰った愛嬌だけ男っすよ。(照れた様子の相手を微笑ましげに眺めては、スマホを仕舞い今度は膝元へと跨り相手の視線を欲しがる様に両手を頬へと添え。囁く様に甘い声を出しては、唇を触れさせて)とんでもないっすよ。俺なんて最早コウくんがいない生活なんて思い出せないんで、生きて行けないですし。──そ。コウくんの会社のだよって言ったらママ吃驚してました。…そっか、だからイケメン想像して写真欲しがったのか。さーて、ここからは俺の充電タイムです。沢山触れておかなきゃ、明日から耐えれないです。
ハハ、まぁ朝っぱらからバシッとキマッてた方がやっぱ男はカッコいいよな。久々にスーツ着るの怖ぇけどなぁ…キツくなってたらどーしよ。──なぁんねぇよ。仕事ん時とか俺ぁ社内と社外とで裏表激しすぎて大体後輩にゃ最初はマジで怖がられるし。…あらやだ。だってお喋りオバケが天使くんって呼ばれてんのは相当だろ。俺打たれ弱い奴育てんのが多分1番苦手なんだよ。悠チャンなら物怖じもしねぇだろーし、叱られて凹んでもちゃんと復活できる…つか、そもそも叱られる事が少なそうだけど。(視線を誘導されれば喉奥で笑声を響かせ、揶揄い染みた言葉とは裏腹に片側の口角を吊り上げながら膝の上の相手を見据えては支える様に腰に腕を回し。重ねられた唇を軽く啄んでから柔な力加減で下唇を甘噛みし)ふ、そりゃ俺だってそーだよ。それこそ家事なんかはほぼ任せてるし、マトモに寝れてるし…悠チャン居なくなったら反動で前よりやべぇ生活になってマジで早死にしそう。──期待に添えた様で何よりだわ。…べっつに明日から会えなくなるっつー訳でもあるまいし。毎日幾らでも充電させてやんのになぁ。
コウくんは催事会場で見た時の顔以外にもまた別の顔があるんすね。分かんないっすよ、後輩がドMならスゲー喜ぶかもしれねーですし、なんて。お喋りオバケは取り引き先のオッサンと初対面でくっだらねー話で盛り上がってたら付けられた渾名っすわ。でもそうか、俺怒られても反省はしても凹みはしないんで、繊細な人よか扱い易いっすわな。部下に連れて行きます?──ん、(下唇を甘噛みされれば些かオーバー気味に喉元で息を飲み、小さく音を立てつつ角度を変え唇を啄み。徐に解放すると肩口に顎を載せ密着しながら抱擁し、体温を記憶する様に瞼を伏せ)なーに言ってるんですか。…でも俺もコウくん居なけりゃ寂しさ埋めれなくて、フラフラしまくるのが目に見えてますわ。…勿論毎日会えるにしても、やる事が沢山あるんだろうなってのは学生の俺でも察しが付く事なんで。だから俺も今日で頑張るお兄さんを応援する心を入れ替えておきたいんです。愛してるからこそネ。
あー、いや…客の前とかお堅い取引先にゃ大体あんな感じだけど、社内じゃ同期とか後輩には大抵この口調だから多分落差がなぁ。後は喫煙室だともうちょい口悪くなるし。ハハ、初対面で盛り上がれる位物怖じしねぇのは強いわ。悠チャンの長所だよなぁ…マジでウチの会社連れて行きてぇ。(肩口に預けられた頭を緩く撫でながら宙に視線を遣り暫し思案して。嘆息と共にソファーに凭れては穏やかな口調で告げるも、最終的にへらりと笑みを浮かべれば相手の髪を指に絡めつつ戯けてみせて)…基本的に俺仕事家に持ち帰るのも、残業も嫌いなんだよ。どんなに量があったとしても与えられた時間で仕事終わらせて余裕で定時で帰るのが1番仕事出来る奴だと思うし。だからまぁ…早めに帰って来てる時は平気。なかなか帰って来ねぇ時はお察し下さいっつー感じだけど。…あーんま聞き分け良い事ばっか言ってると俺の遊び癖出るから良くねぇよ。
なんだ、今の感じなら全然優しいじゃないっすか。吃驚した、オイ貴様ー!って感じで怒るのかと思いましたよ。…ねー、俺もコウくんの下で働けりゃ本望なんすけど、いかんせん本業がヒモとココちゃんの執事なモンで。──うん、やっぱ定時上がりでオンオフ切り替えれる男はカッコイイっすよ。コウくんがそう言ってくれるなら我儘も言い易いですし。…でも遊び癖だけはダーメ。一応俺のモンだって印付けておかなきゃ。(冗談で告げられたと理解できる言葉も、思わず想像してしまえば目元が熱くなる感覚を覚え。カットソーの襟元の生地に指を掛けて首元を露出させれば、シャツの襟で辛うじて隠れる場所へと強く長く吸い付き赤黒いキスマークを刻み。それでも満たされずその上から僅かな力を加え噛み付きすぐに消える程度の歯形を残しては、縋る様に抱き締め直し)
…さて、そろそろ時間なんで休みましょうか。俺も珍しくうとうとして来たんで、蹴って休んじゃってくださいね。(相手を寝具へと運ぶと己も隣に横たえ、頬へと口付けを贈ってから瞼を伏せ)おやすみなさい、コウくん。愛してますよ。
ハハ、別に怖がられる程厳ついつもりもねぇけど優しいって言われる喋り方でもねぇだろ。つか、そんなテンションでキレる奴嫌だわ。…ま、確かに悠チャンをココから取り上げちまったらマジで怒られそうだしなぁ。パパまだ娘に嫌われたくねぇや。──…う、わ。待った待った。今のは良くねぇ冗談だったわ。ごめんなぁ。(自分が口にする軽薄な冗談等常の事だと思っていれば、相手の瞳が僅かに潤んだのを目敏く捉え狼狽した様に両手で相手の背を摩るも思考の端では自分の嗜虐心に仄かに火が灯るのも理解しつつ。浅はかな心情を悟られまいと首元の痛みと紙一重の甘く強い快感を誤魔化すべくゆっくりと息を吐きながら受け止めては可能な限り甘やかす様な声色で囁き)……ッ…。…綺麗に付いた?大丈夫だよ、俺はちゃんと悠チャンのモンだから。
あー、ごめん気ぃ遣わせちまったな。んじゃ今日は気遣いに甘えて早めに寝ようかなぁ。…最初は着けてんの慣れなかったのに、明日から指輪ねぇんだって思うとそっちのが慣れねぇなぁ。(寝具へと寝転べば苦笑を零しつつ相手の頬を撫ぜてからヘッドボードの上のネックレスチェーンを手に取れば恋人とのペアリングを指から外し、代わりにネックレスとして装着して。相手の背中しっかり両腕を回しては次第に微睡み) …ここ1ヶ月、思う存分一緒に過ごせてマジで幸せだったよ。お陰で明日から頑張れそう。あんがとな。おやすみ、悠。愛してる。
ココちゃん寂しいねぇ。(一通りの家事を終わらせると、猫を抱きつつソファーへと横たえテレビを漫然と眺めて。スマホを手に取ると『今日もお疲れ様でした。食べたいものはありますか?』とけたたましいモーションのキャラクターのスタンプと併せて送信し)
あー…やっぱ女のが目敏いな。新卒ん子にも言われたわ。…ま、ご想像にお任せしまぁす。(社内の喫煙所にて久方振りの業務の疲れを発散する様にタバコを噛み締めながら吸いつつ、同僚に薬指に薄く残った跡を指摘されては軽率な笑みで返して。会話が途切れた所でスマホを確認し恋人へ『お疲れさん、今から帰るよ。』『生姜焼き食べたいわ。』と送信してから帰路に就き)
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