No title（〆）

やっぱコウくんも眠り浅くなるタイプっすか。そりゃ寝れなくなったら悲惨なんで、じゃあもうちょい付き合って貰いますわ。…そ、ご存知の通りスケベです。でもまあそれは抜きにしても、人肌に直接触れるのが好きなんすよ。（スマホへと注いだ視線を相手の艶やかな肌へと移せば、徐に鎖骨下を軽く吸い上げる様にして口付けを落とし、再び画面へと目線を向け思案しつつ指を動かし）──ね、喫煙所見ててもあんまり俺等みたいなタイプの人見掛けないですし、運命きてますね。ウケる。…そうなんすよ、お手頃もお手頃。ま、室温管理とか餌代とか諸々の養育費で、毎月本人以上の金は楽勝で掛かるんですけどね。俺はそっすねー…大体ファンタジーとか画面が綺麗なのばっかり観てるんすけどー…あ、目の前にもっと綺麗なのがあった。（態とらしい口調で告げると端末をヘッドボードへと起き、諸手で相手を抱き寄せ髪を撫でつつ深い口付けを仕掛けるべく舌先で唇の隙間を突き）

流石にベロベロに酔っ払ったら泥みてぇに寝るけどなぁ。晩酌程度ならいつもより眠り浅くなるわな。ん、喜んで。…スキンシップ好きだもんなぁ、悠チャン。(雑談の合間に予期せず相手の唇が生肌へと触れればアルコールの熱を仄か帯びた状態では自然と小さく吐息を漏らすも、直ぐ様手元の端末へと意識を戻されては些か子供染みた不満気な視線で相手を見遣り口唇を尖らせて)──そーね、あそこ落ち着いた人多いしなぁ。それこそ最初ん時に悠チャンが居なけりゃノリが違うと思って頻繁には行かなかったかも知れねぇし。…あー、まぁ命の世話する以上はその辺はなぁ。でも猫然りハムスター然り、与えられる癒しに比べりゃ安いモンだわな。ファンタジーとか最近あんま観てねぇなぁ。つか、俺は綺麗とかそーゆんじゃねぇだろって何回言えば分かんのかねぇ。(相手の甘い言葉にはにかむもボヤく様な口調で返し、引き寄せられる儘に相手へと身を預け。催促する様な口付けに喉の奥で笑いを零しては望み通りに口を薄く開ける代わりとばかりに目前の舌先を軽く甘噛みして)

あー、玄関で爆睡らしいっすもんね。いつかちゃーんとベッドで爆睡させてあげたいっすわ。──あらま、じゃあ初見で会えたのも運命っつー事ですかね。俺もコウくんに会ってなかったら、毎日あんなに長居はしてませんでしたよ。相思相愛だ。因みにファンタジーは一例で、それこそアメコミ系とかもＣＧ綺麗なんで好みっすよ。面食いなんでビジュアルが良くないと唆られないんすわ。…まあ何と言われようとコウくんは綺麗っすよ。つか綺麗なんて滅多に言われる感想じゃないし、俺なら両手挙げて喜びますけどね。（微かに溢された吐息も、拗ねた様な表情も逃さず捉えているも気付かぬ振りを決め込むと、内心の昂りを隠し僅かに口角を吊り上げるに留め。己の誘いに便乗する様に舌先を甘噛みされれば一笑し、水音を響かせつつ相手の劣情を煽る様に激しく舌を絡めては、相対する柔な指遣いで上体から腰元を撫でつつちゃっかりと相手に覆い被さる体勢となり。徐に顔を離すと掛け布団を寝具から下ろし、己の寝巻きのボタンを外しながら笑いを織り交ぜつつ問うは）あれ、コウくん寒くないっすか？

──お前は最初っからダチとおんなじノリで話せたからなぁ。そりゃもう楽で、どうしたってお前と話す機会が増えちまう訳だよ。…お。マジ？まぁ全然お前が勧めてくれるファンタジーなら観るよ、俺。人の好み共有出来んの嬉しいしな。一緒に楽しめるモンは増えれば増えるだけ良いじゃん。…そりゃ悠チャンが綺麗って言われんならまだ分かるけど…まぁ、いーや。どーせ言ってくんのお前だけだし。悠チャンは本当に俺の顔大好きだなぁって思っとこ。(鼓膜に響く水音と舌を襲う刺激に痺れた頭がじわじわと熱を孕んでは縋る様に両腕を相手の首裏に絡ませるも、腰元の痺れる甘い快感には慣れずに片足を立てて逃げる様に身を捩り。笑みを浮かべながら見下ろす視線と共に相手の肌が露わになれば口付けの名残の唾液を嚥下するのと共に喉を鳴らし、寒さ等欠片も感じて居ないものの片手を伸ばして相手の顎を掠めつつ、立てた膝を相手の内腿に擦らせては不遜な笑みを浮かべ)ハッ寒ぃわ。悠チャンがハグしてあっためてくれる訳？…それとももっとイイ事してくれんの？

俺等どっちもトーク大好きっすもんね。そりゃ初めから仲良くなりますわ。睡眠っつー切れ目さえ無けりゃ、一生喋れるんじゃないかしら。…オススメっすか。Netflixにある中じゃファンタビくらいっすかね。言うて殆どバラエティーばっかり観てるんで、寧ろオススメあったら聞きたいっすわ。…まあ俺の言う綺麗って中性的って事じゃなくて、目鼻立ちが整ってるイケメンって事なんすけどね。前者のニュアンスで言ったら、コウくんは男前って表現の方が適切っすわな。（指先が腰を掠めた途端に反応を得れば嗜虐心を煽られ、腰を強制的に元の位置へと戻させて執拗にその箇所を愛撫し。扇状的に上下する喉仏を見れば笑みを湛える事を忘れ、眼光鋭く相手の眼を見据えつつ生唾を飲み脱ぎかけていた上衣を投げ捨て。羞恥を煽るべく内腿を摩る脚を己の肩へと掛ける様に導くと、片手を下着へと掛け、もう一方の手で相手の目元を覆い隠し、想像を掻き立てる様に耳元で低く囁くは）無論後者っすよ。シナリオを聞いておきます？たっぷり焦らした後に最初はこの儘で、次は後ろ。肩甲骨にキスマークを沢山付けて…後は、腰も虐めなきゃ。まあ任せておいてくださいよ。（/暗転）



すんません、朝になっちゃいましたね。飛ばしちゃったんで、遠慮なく休んじゃってください。それじゃ、こんな野暮なものは蹴ってくださいね。

(下腹部から広がる倦怠感に包まれながらうつ伏せの儘上体を肘で支えてはヘッドボードのタバコを手に取り、ジッポで火を灯せば、霞掛かった頭も晴れる感覚を覚え。肩越しに自分の背中を見遣るも当然全貌は見えず、咥えたタバコがシーツに触れない様に気をつけながら頭を下ろせば独り言の染みた声色で呟き)──翼授けられちゃったかしら。

お、日々のレッドブルのお陰で翼を授けられました？…やっぱ背中はなかなか痕残んなくて不発弾もあるんすけど、ガッツリ付いたのは３つくらいあるんで、多少なら飛べるんじゃないっすかね。（ペットボトルの水と灰皿を持ち戻ったところで恋人の独り言を耳にしては、愛しげに表情を緩めつつ吹き出し。そっと灰皿を差し出し隣に水を置くと、相手の横に腰を下ろし己が刻んだ跡を指でなぞった後に、腰を労わる様に柔な手付きで撫でて）俺は最高だったんですけど、腰大丈夫ですか？…あーやっぱコウくんがすげー好き。早く抱き締めたいなぁ。

ん、あんがと。──ありゃ残念。どーせ付けられんならそりゃもう立派な翼位のもん期待してたのに。背中自分じゃ見えねぇからわっかんねぇなぁ。(灰皿を受け取りタバコの灰を落としながら自分の吐いた紫煙の越しに恋人に視線を向けては、冗談めかして喉を鳴らし。自分を案じての所作と理解しつつも腰に触れる指先に先程までの行為を想起しては空の手を絡めて制し、柔く握りながら短くなったタバコをの火を揉み消し、水を一口含んでからヘッドボードに置くと横向きに寝そべり直して)平気、痛みも前みてぇに無いし。つーか、悦く無けりゃ俺が大人しくしてる訳ねぇだろ。…っし、お待たせ。コウくんがハグしてやるから寝ようぜ。このまんま蹴っちゃって、今日もゆっくり寝てくれな。

写真撮ります？…なーんてのは嘘ですけど。肩甲骨にタトゥー入ってるとセクシーじゃないっすか。そんな感じに仕上がってますよ。──何だお触り禁止っすか。残念。（徐に手を握られればその意図を察し大人しく諦め、手慰みに指で相手の手を撫で煙草を吸い終えるのを待ち。相手が横たえれば己も倣い、首裏へと腕を差し込むと胸元へと導き緩やかなテンポで背中を摩り）ははっ、正直者のコウくんにそう言って貰えりゃ嬉しいっすわ。何より痛くなかった様で安心しました。…ま、致すだけ致して寝ると俺の男が廃るんで、ここはコウくんに蹴って寝てもらいます。…おやすみなさい、愛してますよ。

(目が覚めると仄かな肌寒さに中々布団から出る気が起きず、二度寝出来ないか足掻くも頭は冴えるばかりで。暫く恋人の高めの体温に身を寄せると観念した様に起き上がり、シャワーを浴びて身形を整えてから必要最低限の家事だけ済ませて寝室へと戻り。ヘッドボードへと凭れる様に寝具に腰掛け、片手でスマホを操作しつつ空いた手で恋人の髪を軽く梳いては無意識に自分の気に入っている洋楽を小さな声で口ずさみ)

（重い瞼を上げ目覚めると髪を撫でられている感覚があり、次いで恋人が歌を口遊んでいる事を認識し口唇に緩やかな弧を描いて。未だ開き切らない目を相手の方へと向けると、ゆったりとした口調で）おはよーございます。今日も待っててくれたんすね。何か折角の休みなのにすんません。心地良い目覚ましソングで起きれて最高っすわ。

(耳馴染みのある声色が聞こえてくれば唇の動きを止め手元の端末から視線を移し、寝惚け眼でこちらを見る瞳を捉えては穏やかな笑みを浮かべながら囁く様な口調で)おはよ、悠チャン。…ふ、いいメロディだろ？まぁ内容はめちゃくちゃ失恋ソングなんですけど。俺も可愛い恋人の寝てる横で寛げて最高の休日だよ。

（視線が絡めば一層笑みを深めて甘える様に両手を伸ばし、口付けを求める様に僅かに唇を突き出しくすくすと笑い戯れて）へえ、何て曲ですか？失恋したくないからあんまりそう言う歌は聴いてないんすけど、コウくんの好きな歌なら知りたいです。はは、嬉しいなぁ。けど寝てる俺なんて置物と変わらんすよ。明日からお仕事ですか？

(髪を撫でていた手で相手の緩んだ頬を軽く擦り、スマホをヘッドボードへと追いやると伸ばされた腕に応える様に両手を背中へと回せば上腿を倒し。愛らしい動作に堪らず破顔しては触れるだけの口付けを贈り)マシュメロの「Happier」って曲。元々好きだったけど、お前と付き合う直前にめちゃくちゃ聴いてたわ。ダン・スミスがまた良い声してるから聴いてみ。…分かってねぇなぁ、悠チャンが俺の隣で安心して寝てるっつーのが可愛のよ。あー、明日明後日は元々有給出してたから休み。来週頭には一回会社に顔出して色々決める事になるよ。

（相手の体が寄せられれば嬉しげに背中へと腕を回し、瞼を伏せ口付けを享受し。満足げに破顔すると床へと投げ捨てた寝巻きを拾い上げ纏ってから相手同様にヘッドボードに背を預け、スマホを手に取り動画アプリで検索し既知感のある曲に見開いてから歌詞の字幕を目で追い）…あ、この曲っすか。へー、失恋ソングだったんすね。英語できねーからサッパリ知りませんでしたわ。俺と付き合う直前…離れなきゃって思ってたって事ですかね？…あはは、確かにコウくんは何処ぞの馬鹿犬と違って寝てる人には悪戯しないんで、安心して爆睡できますわ。…お、じゃあ連休引き続きって感じなんすね。俺は明日だけバイトなんすよ。ずっとコウくんと過ごせたんで、たったの１日すら離れんのが怠いっすわ。

(身体を起こし再びヘッドボードへと凭れながら衣服を纏う姿を横目に軽く伸びをし、隣へと並んだ肩に腕を回し引き寄せれば相手が視線を落とす動画を覗き込み。歯切れ悪く答えれば逃げる様に視線を逸らし)ん、これ。…あー、うん…まぁ。そんな所かなぁ…別に今はんな事思っちゃ居ないけど。…そりゃ悪戯すんなら起きてる方が楽しいっつーのが俺のモットーなもんで。その分起きてる時に思う存分やるけど。…マジか、んじゃ今日は早めに寝かし付けてやんねぇとだな。俺のかわい子チャンが隈とか付けてバイト行くなんて嫌だし。

（引き寄せられる儘に肩を相手の方へと傾けると、スマホを互いの中間に遣りじっと画面を眺め。徐に顔を上げると片手を相手の頬へと添え己のを向く様に導き、愛しげに微笑を刻みつつ唇を奪い）もっと俺に幸せになって欲しかったんですね。…可愛いなぁ、コウくん以上に俺を幸せに出来る人は居ないのに。まあ今はそんなの十分ご存知でしょうけど。…まあ１日なんで早寝する程ではないっすわ。寧ろ最近外出したら熱出るのがワンチャン花粉症説があるんで、明日の方がぐったりしてるでしょうから今日充電させておいておいて欲しいっすわ。

(伸びてきた手に抵抗する事なく相手に顔を向け、決まりの悪さが滲む表情を笑みで誤魔化すも与えられた言葉と口付けに頬が軟化すれば緩く頷き。続く言葉には些か心配そうな面持ちで相手の顔を見遣るとスマホを取り上げる様にして相手の手元から抜き取り自分のもの同様にヘッドボードへ置くと空になった相手の手に指を絡ませ)あん時は色々ややこしく考えすぎてたから。そりゃ今はよーく知ってるし、今よりもっと幸せにしてやる気概はあるよ。…お、花粉症デビュー？俺今年はもう大分マシになったけど、人によっちゃもうちょい続くもんな、可哀想に。…んじゃ、今日はこんな無粋なもんはもう置いちまって、目の前のコウくんに集中してもらおっかな。

（相手の表情が緩んだのを認めては、満足げに双眸を細めて手を下ろし。手中からスマホが抜き取られれば僅かに見開くも抵抗はせず、次ぐ言葉に嬉々と頷けば手を握り返し）まあややこしくした張本人は俺ですからなぁ。もっと手っ取り早く口説き落としてたら、あんな思いさせずに済んだんですかね。…ははっ、幸せの絶頂の今を上回るって多分すげー難易度っすよ。でも俺も末長くコウくんを幸せに出来る様に努力は惜しまないつもりなんで。…病院行ってないんで微妙っすけど、多分知らず知らずにデビューしてましたわ。でもお兄さんが治ったなら何より。明日も復活までに若干時間掛かるかもなんで、遠慮なく出掛けちゃってくださいね。──勿論喜んで。俺の視線をがっちり掴んでくれるんですよね？

…そうかぁ？俺が勘違いしてたからじゃねぇ？しかも勘違いしてなかったとしたら多分自覚もしなかったし、絆される事も無かったと思うからより重症。…あらやだ、こんな数ヶ月でもう幸せの絶頂だなんて欲がねぇなぁ。でもその上に幾らだって幸せ積み上げてやるから覚悟しといて。うん、俺も悠チャンが幸せにしてくれんの楽しみだよ。…ま、俺の場合は今年はちゃんとマスクしてたってのがデカいけど…あんま辛かったら鼻炎薬とか飲んでみるんだぞ。眠くなるし、喉は乾くけど頭のボーッとする感じは大分収まるから。(眉を下げて労わる様に相手の肩に回した手を持ち上げ頬を撫ぜては、次ぐ言葉にくつくつと喉を鳴らし愉快気に笑んでみせて。思案する様に緩く首を傾げ、揶揄染みた声色で紡ぐは)──フハ、そーねぇ…。色っぽい手法でも取らないと悠チャンは俺から目ぇ離しちゃうのかなぁ、寂しいわぁ。