No title（〆）

男前っつー割にはすげー笑われてるんすけどー。…つかコウくん、ジャケットの肩掛け似合いますね。セクシーで俺好みっすわ。（後頭部を掻いていた手を下ろし相手の腕をつんと突くも、羽織りを靡かせ歩みを進める横顔に仄かに心臓を高鳴らせては思わず見惚れて。頬を擽る手を目を細め享受しつつエントランスとエレベーターを通過し恋人宅の前へと赴くと、解錠し扉を開き）やっぱ夜型あるあるなんすかね。…まあ俺の言う早起きは3時のおやつまでを指すんで、体調は楽勝っすわ。寧ろコウくんの手が空いた時に構って貰えればって感じなんで、今ほざいた事は気にしないでおいてください。…さーて、ただいまでーす。

いや…恋人には癖移ったりするよなぁって思ってさぁ。ちとときめいたのよ。…マジ？んじゃ偶にしようかなぁ…俺のかわい子チャン絆す為に。(態とらしく色仕掛けをする様に肩を竦め贈られる視線に応えては薄く開いた目で軽くウィンクをし。マスクを外しながら自宅の前に着くと自分が玄関を潜るのを待つ相手の頬に口付けてから中に入り、マスクを捨て手洗いうがいを済ませると借りていたジャケットを丁寧にハンガーへと掛け、リビングを覗くと既に眠っている愛猫に笑みを溢し)──俺が悠チャンの頼み事断らないの知ってんだろ？つっても明日オンライン飲みしようって言われてるから夜少し構ってやれねぇ時間あるかもだけど、それ以外はなんもないから大丈夫。俺も悠チャンの事たくさん構いたいからさぁ…俺に時間頂戴？…あんがと、ただいまぁ。…ふ、我が家ではココが1番健康的な生活リズムしてるよな。

癖ねぇ…あっは、頭掻くのか。嫌だわぁ、無意識に移ってましたわ。そろそろ馬鹿ップルも重症化してきてますね。──やった。俺の見立てだとライダース肩掛けしたらスゲーカッケーと思うんで、リクエストに入れときます。（頬へと口付けを贈られればお返しとばかりに背へ向けて投げキッスを飛ばし、己も玄関へと。入念に手洗いとうがいをするとリビングへと向かい、猫の寝顔を柔な顔付きで見据えてから恋人へ片手を差し出し）優しいなぁ…じゃあお言葉に甘えておきますわ。お、飲み会良いっすね。でしたらその時間帯はカメラに映んない様にテメーの家に帰っておこうと思うんで、余裕があったらコウくんをご招待して俺んちで飲み直しましょ。…ふ、そんな頼み方されたらご褒美かって感じっすよ。俺の時間は勿論、喜んで。──ははっ、そっすね。やっぱココちゃんは女子だからちゃんとしてんだなー。…さーて、そろそろ寝室行きましょうか。

こんだけ毎日一緒に暮らしてんだからしゃーないよなぁ。そりゃ似てくるモンよ。──最近は結構気温上がってきたしなぁ。暑いのにも寒いのにも俺弱いから、丁度いいわ。デートん時にでもビシッとキメてやんよ。──おっけ。まだ飲み始める時間も決めてねぇから何時に終わるかも曖昧だけど、そんなに遅くにはなんねぇ筈。とりあえず終わったら連絡するな。悠チャンがウチに居ないの寂しくなりそうだから明日は夜までイチャついとこ。…ん、寝よっか。なんか今日久々にすげぇ眠くてそろそろ限界だわ。(恋人の手を握り寝室へと進めば重くなった瞼を指の腹で軽く擦り、下着姿になるとベッドに寝そべり相手を求める様に腕を伸ばしつつ、うつらうつらして)蹴って寝ちゃって良いからな。今日も遅くまであんがと。愛してるよ、悠。おやすみ、ゆっくり寝てくれな。

カップルは顔面も似て来る説があるんで、その内そっちの方も似てくるかもしれないっすね。この薄っぺらい顔面がコウくんみたいに濃くなりゃ万々歳っすわ。──ぜーんぜん、時間なんて有り余ってるんで気にしないでください。じゃあ飲み会が始まる前に家に帰って準備しておきますわ。…つかすんません、眠たくなるまで付き合わせちゃって。せめてもゆっくり休んでくださいね。（寝室へと辿り着くと寝巻きへと着替え、伸ばされた腕に思わず破顔し隣へと横たえ相手を抱き寄せ。瞼と唇へと口付けを贈ると、己も瞼を伏せ微睡み）おやすみなさい、コウくん。愛してますよ。

(起き抜けに愛猫に朝の挨拶と餌やりをしてから30分程度のランニングを終え、シャワーを浴びて猫を連れ再び寝室へと戻ればベッドに寝転がりながら退屈凌ぎに動画を見つつ友人らと連絡を取って)…ココー。今日は一緒にダラダラしようなぁ。

（目を覚ますと動画の音が聞こえるのに気付き驚いて上体を起こし。視界に恋人と猫の姿が入れば見開き、覚醒し切らぬ眼でじっと見据えた後に甘い声を出しながら相手に抱き付き）コウくんおはようございます。えへ、待っててくれたんですね。嬉しいっすわ。…しかもスペシャルゲストもいる。おはよう、ココちゃん。

(穏やか過ぎる昼下がりの過ごし方に思わず欠伸を溢した所で恋人が起き上がるのを横目で捉え、目を大きくして視線を投げ掛けてくるその姿につられて暫し見つめるも、ふと気付いては慌てて端末で見ていた映画を止めると苦笑して。次ぐ抱擁に相手の表情の原因が煩さではないと理解すれば眉間を緩め、受け止める様に腰に手を回し)あー…悪い、煩かった？…ん、おはよ。寝室は基本的にゃお姫様立ち入り禁止なんだけどなぁ。今日は特別。

んー、全然煩くないですよー。只、目覚め一番にコウくんとココちゃんが目に入ったんで、幸せ過ぎて夢かと疑っただけです。えへっ。…あれ、アメコミ映画観てたんですか？続き観て良いですよん。（寝起きの鈍った頭では些か欲に忠実で、瞼を伏せつつ頬を擦り寄らせて甘え。ふわふわと夢見心地な口調で言葉を紡ぐも、徐々に覚醒すれば相手を解放し、今度は猫を抱き寄せ同じ様に濃厚な頬擦りをし）ココちゃーん、もふもふだねー。かわいーなぁ。

ま、今日は俺が悠チャンの事構いたかったからさ。…あー、そうそう。デップー観てた。でも別にもう何回か観たしただの暇潰しだから別に良いよ。(頬を寄せて間延びした甘ったるい声を出す姿に愛猫を彷彿とさせながら宥める様に背中を優しく摩り。ヘッドボードにスマホを置くと愛猫へとターゲットが移ったのを何とは無しに穏やかに眺めるも、思い出した様に声を上げると気を引くべく相手の顔の横の髪を一束指に絡めて)──あ。そだ、8時から飲み。もしかしたら多少前後するかもだし、俺がバタバタしてたら好きな時に出掛けて。悠チャンがウチに居たかったら居ても別に良いし、出掛けんなら終わったら連絡するし。

デップーかー…繰り返して観るくらい好きなんすね。コウくんのアメコミ好きがどれくらいかちょっと分かった気がします。じゃあ遠慮なく構って貰いますねん。（髪へと触れられると、穏やかな笑みを刻み視線を相手へと。告げられた言葉に頷き応えると、猫を相手の腹部へと載せ残りの時間を堪能すべく身を寄せ）了解です。じゃあやっぱりコウくんの酔い具合とか飲み会終了時間で俺の家に行くか決めたいんで、ここでココちゃんと寝て待ってますわ。あ、お友達から連絡来たら無言で行って貰って大丈夫っすから。戻ったら起こしてやってくださいねー。

ハイハイ、お疲れ。…またなぁ。(ビールを3本程空けた所で漸く友人らとのビデオ通話が終わり、仄かに酔いの気配を感じつつ寝室に戻れば恋人へと声を掛けて)悪い、悠チャン。前倒しになったから早めに切り上げると思ったんだけど…結構遅くなっちまったなぁ。

あ、お帰りなさーい。コウくんが楽しめたなら何よりっす。俺ぼーっとしてる分には何時間でも楽しく過ごせるタイプなんで、楽勝っすわ。（猫を抱きつつ寝具へと横たえ映画を視聴する最中、扉が開けばそちらへと視線を移しにっこりと笑んで手をひらひらと振り。スマホを消しボトムのポケットに仕舞うと、大きな伸びをし）んーっ、やっぱ外出るの怠いっすねー。これだから出不精は駄目だ。引き籠もってイチャイチャするのはいかがですか？それか、例の彰さんごっこなんて。

今日はもうちょい悠チャンの事ベタベタに甘やかすつもりだったんだけどなぁ…。ま、明日に持ち越しだわ。(恋人の笑顔に眦を下げ緩慢に歩み寄ると額に口付け、次いで愛猫の額にも同様にしてから抱き上げてリビングへと連れて行き。再び寝室に戻ると寝具に腰掛けながら緩く首を傾げ、相手の顔を覗き込みながら酔いを建前に甘い口調で囁き)OK…っとその前に、ココは良い子でおねんねの時間でぇす。ほら、悠チャンにおやすみーって。──んじゃまぁ、悠チャン家はまた後日って事で…俺はイチャイチャしたいんだけど、どうでしょう？

まずもって俺が起きれなかったんで、自業自得っすわ。──ははっ、マジでパパじゃないっすか。おやすみー、ココちゃーん。明日また遊ぼうねん。（瞼を伏せ額への口付けを享受しては、猫の鼻先にキスした後に緩く手を振って見送り。相手が部屋を出たところで寝具から降り寝巻きへと着替えると、再び元の位置へと横たわったり部屋に戻った彼に視線を送り迎え入れて。酔い交じりの甘い口調に思わず吹き出しては、手を伸ばし頬を撫でて）あれ、結構酔いました？やけに甘い話し方してー。じゃあイチャイチャしましょ。いつでも寝れる様にしておいたんで、眠くなったら寝ちゃってくださいね。

──…んー？どうかな、酔っ払いかも。(頬を撫でる手に頬擦りを贈りクスクスと目を細めて笑声を零せば、ボトムだけ脱ぎ恋人の横に寝転がり、腰に腕を回しては唇を何度か啄んでから解放すると自身の甘ったれた言動への照れ臭さを思考の端に追い遣りながら目を伏せて)っし、これで俺もいつでも寝れるわ。悠チャンも眠くなったら無理しないでなぁ。…そーいや、何観てたん？一緒になんか映画でも観る？

酔っ払ってるなら酔いが覚める前に寝た方が気持ち良く寝れそうなんで、寝かし付けちゃおうかしら。…あれ、今日は上は脱がないんですか？（相手が着替えを始めればスマホを手に取り実家からの連絡を確認しているも、寝具へと上がろうとする際の服装を一瞥してはくすくすと笑い、両手を広げ迎え入れてから口付けを甘受し。その儘腕枕をすると相手の肩口を摩りつつ、受信したばかりの原っぱでタンポポの葉を食べるジャンガリアンハムスターの写真を見せ）映画はチャーリーのチョコレートなんちゃらっすわ。あれ観てると腹減ってしゃーないっす。映画は勿論喜んで。その前に見てください、うちの実家のハム。名前はなんと、ココちゃんです。御歳2歳のジジイっすけど。

やぁだね、イチャイチャすんの。いつからそんな意地の悪ぃ事言う子になっちまったのかしら。…ん、今日はちと肌寒い。悠チャンが居りゃ平気だけど。それともなぁに…脱いで欲しい訳？(相手の言葉に酔いを口実にした言動が露呈しているのだろうと思いながらも態とらしいため息を漏らしてから暖を取る様に相手に身を寄せ。掲げられた画面を見遣れば、表示されたハムスターの姿に思わず頬を緩め次いで聞こえてきた名前に吹き出し、笑みを堪えたというには些か締まりのない表情で肩を揺らし)あー、アレ結構ぶっ飛んでて俺も好き。なんか子供心擽られるよなぁ。──フハ、やーば…んな事あんのかよ。しかも猫とハムって組み合わせなのがよりやべぇ。つか、かわいいなぁ…目ぇクリクリじゃん。

意地悪だなんてとんでもない、愛情っすよ。酒飲んだ直後に寝るの気持ち良くないっすか？…あー、確かに若干寒いっすね。でもまあ俺が居れば大丈夫っつーなら良いか。脱がせます。まだ寒けりゃ運動すれば良いし。（煽る様な問いに不敵に笑んで見せれば、腕枕をした儘上体を浮かせて服の袖に手を掛け、些か強引に脱がせて寝具の下へと衣服を落とし悪戯に笑って見せ。次いでペットに対する相手の反応に釣られて己も肩を揺らし笑っては、片手で操作し動画アプリを開き）そうなんすよ、まあNetflixにあったんで観ただけなんすけどね。──そ。初めてココちゃんの名前聞いた時に偶然もここまで来るとヤベーって思って黙ってたんすけど、丁度写真来たんで暴露っすわ。可愛いでしょ？なんと1000円。…さーて、映画でも観ます？何の作品でも購入しますよ。

まぁ分かんなくはねぇけど、今浩二クン寝たら明け方起きちゃって可哀想じゃねぇ？…ふ、エッチ。まぁどーせ寝てたら体温上がって脱いだりしてっから良いけど。(珍しく乱暴な手つきで服を剥ぎ取られては扇状的にこちらを見下ろす相手を寝そべった儘薄い笑みで見据え、乱れた髪を片手で掻き上げ。端末を操作する姿に暫し思案しては緩く首を傾げつつ問い掛けて)──はー…マジで俺ら共通点多いなぁ。今まで他の奴とこんなに偶然重なる事なかったもんな…運命かしら。…へ、ハムスターってんな飼いやすいお値段なの？やべぇ…ココ居なけりゃ軽率に飼ってたかも。…んー、悠チャンはどんなんが好き？折角ならお前の好きな奴にしよーぜ。