No title（〆）

フハ、自分で言ってちゃ世話ねぇなぁ。でーも、そーゆーのはお前の中にだけ留めといて。最近2人ん時に可愛いって言われんのは慣れたっつーか、諦めたけど人前じゃあ流石にガラじゃねぇわ。──俺が見境いなかったのなんかお前が1番知ってんでしょーよ。ガキンチョっつってたのも最初は弄りだったけど、最後の方は意地だったし。お前は年下でガキで学生で、俺が下手に手ぇ出して滅茶苦茶にして良い相手じゃないって自分に言い聞かせてたんだよ。…まぁ基本的に阿呆臭い嫉妬心露呈させそうな時は帰る様にしてたし。今は今で信頼してるから嫉妬する事もねぇしなぁ。──正直どっちも好きだけどなぁ。甘やかしたくなるのは素直な時だし、生意気だと虐めまくりたくなる程度の違いよ。いーじゃん、どっちも使い分けてくれりゃあ一粒で二度美味しい。──あーキャンプも捨てがたいけど、先に悠チャン家行きてぇな。お前がどんな所で生活してたのか知りたいわ。(腰に回った相手の腕に力が籠り、身体が密着するのを感じては強請られる儘にバイクのスピードを上げて、街頭が次から次へと後ろへ消えて行く様を視界の端に捉えながら嬉々として独走状態で走り抜けて)っしゃ、任せろ。夜の高速好きなんだよなぁ、めちゃくちゃ綺麗で。

了解っす。そりゃ勿論、浩二さんの格好良いイメージが崩れない様にはしますよ。大丈夫、全てを人様に晒す訳じゃないです。俺だけが独占しておきたい事も沢山あるんで。──浩二さんが見境ないって言っても…あれ、俺以外とキスとかってしてました？ふ、学生に手出さないあたりちゃんとしてるじゃないっすか。まあ今はさて置きですけど。──へえ、じゃあ甘やかして欲しい時と虐めて欲しい時で使い分ける様にしようっと。尤も、いっつもそんな頭が働かないくらい蕩けさせられてるんですけどね。…了解っす。じゃあ明日あたりにでも、少し掃除して来ますわ。ロクな暮しっぷりじゃないんすけど、何か恋人の家に初めて行くのってドキドキしません？（閑散とした夜の道路を高速で駆け抜ける心地に言い知れない快感を覚え、楽しげな笑い声を立てつつ相手の運転に身を委ね。途中から口を閉ざし大人しくなれば、交通量の多い筈の高速道路で滅多に経験できない体感を記憶に刻み込む様に通り過ぎて行く夜景を眺め）…そっすね、すげー綺麗っすわ。混んでないから尚更。ま、目の前のお兄さんの方が綺麗なんすけど。なんつって。

ハハ、あんがと。生憎俺も俺でカッコつけなんでなぁ。それに悠チャンだから色々見せてるっつーのもあるし。お前が知っててくれりゃあそれで良いのよ。──あー…向こうではねぇなぁ。手ぇ出そうかなって思った事は正直数え切れねぇけど、どれもお前に手ぇ出してあの顔見た後だったから。うっせ…遊びで済みそうなら学生だとか関係無かったけど、もうそんな事言ってらんなかったから理由こじ付けるしか無かったんだよ。──ハハ、そりゃタチ冥利に尽きるわなぁ。んな可愛い事言われたら問答無用で甘やかしたくなるから良くねぇわ。…ん、楽しみにしてるわ。他人の家ってそいつの事よく分かるしなぁ、趣味とか好みがよく見える気ぃするよな。…まぁ、悠チャンが言ってるのはもっとやらしードキドキなのかも知れねぇけど。…ふ、綺麗ってガラでもねぇわ。でもバイクってさ、車より風感じれるし景色に集中しやすいから余計良いだろ。お前載せてやれて良かったわ。(高速を抜けて一般道に降りれば程なくしてマンションへと着き、バイクを駐車場へと停めるとヘルメットを外し首だけで後ろを振り返り)…さぁて、着いた。いつもの事だけどすっかり遅くなっちまったなぁ。久々にベッドまで運んでやるから蹴って寝ちまって。デート楽しかったよ。

…それに最近は俺の中だけに仕舞っておきたい事が多過ぎて、あまり惚気てないかもしれないです。何を話しても自慢になっちゃいそうな事ばっかりが起きてるから、気軽には話し難いですしね。──やだ、あのキスが魔除けみたいになってたんすね。ウケる。やっぱあの時勇気出してやっといて良かったっすわ。──わー、俺の趣味がバレんのは若干恥ずかしいっす。そうそう、俺が言ってるのはヤラシー方です。…なんて、もうしこたま致してるんでその辺のドキドキ感はないっすわな。うち煙草吸って良いんで、行く時にコンビニ寄って行きましょ。──運転お疲れ様でした。また忘れられない思い出ができましたね…コウくん、愛してますよ。明日ちゃーんと禁煙の結果、褒めますね。（マンションへと到着するとバイクを降りヘルメットを外し、スマホで時刻を見て日付が超えているのを確認しては耳元で甘く囁き。相手の手を繋ぎ家に戻ると、手洗いうがい、着替えを済ませて寝具へと横たえ。スマホの待ち受け画面を眺めつつうつらうつらとしては、静かな声色で言葉を紡ぎ眠りへと吐き）んー、浩二さんもも蹴って寝ちゃってくださいね。遅くまですんません。愛してますよ、おやすみなさい。

まーた甘ったるい事言って…。まぁでも俺と悠チャンの思い出だからな、俺も他の奴に教えてやんのは本当に少しだけだわ。教えちまったら記憶が薄れちまいそうで、ずっと内緒にしててぇの。──そ、マジで魔除け。まーたお前にあんな顔させんのかなとか、そんな事ばっかり考えちまって、ワンチャンあるだろって思った時も手ぇ出せずに終わってたわ。──ハッ、彼氏の家行って明日浩二クンったらナニされちゃうのかしらぁ…ってか？…いや、でもそれはそれでいつもと違って楽しいかもなぁ。おっしゃ、遂にタバコ解禁じゃねぇの。──うっわ…。やっぱ破壊力やべぇな…ちと、そのコンボはまだ慣れねぇ。…俺も愛してマス。…でも悠チャンとたくさん思い出作れていってんのマジで嬉しいよ。これからも色んな所行こうな。(ヘルメットを外しながらバイクから降り、不意に鼓膜を揺らした甘い声に心臓が跳ねるのを自覚すれば片手で胸元を押さえ声を絞り出し。帰宅し、一通りの寝支度を済ませた頃に漸く喧しかった鼓動が収まれば深く息を吐いてからベッドへと潜り、横わる恋人を抱きしめつつ額に口付けを落としてから目を瞑り)俺は悠チャンが遅くまで付き合ってくれんの嬉しいよ、今日もありがとう。おやすみ、悠チャン。ゆっくり寝てくれなぁ。愛してるよ。

（自宅に戻り簡単な掃除を済ませると、足早に恋人宅へと。久々に感じる暖かな空気に身体は慣れず、熱が篭るのを感じながら帰宅を果たすと、手洗いとうがいを済ませリビングへと向かい床に大の字で横たえて）ただいまー、何か今日熱いっすね。もう夏か…辛え…。

(喫煙所から戻ると出掛けてた筈の恋人の靴が玄関にある事に気づけば手洗いうがいを済ませ、マスクを捨ててからリビングへと向かい。寝そべる姿を見つけては緩く笑みを浮かべて傍らに蹲み込み)悪ぃ、ちょい外出てたわ。おかーえり、んでただいま。掃除、思ったより早かったじゃねぇの。

（床材のひんやりとした心地に気持ちよさそうに目を伏せていれば、気が付けば微睡んでいて。頭上から耳障りの良い声が降り注げば浅い眠りから覚め、あたかもずっと起きていたかの様な確りとした口調で返答しては、微笑を刻みつつ片手を浮かせ相手の髪を透く様に撫でて）おかえりなさい。…おっと、ヤニの匂いがする。ウケる、解禁するなり喜んで吸って来たんですか？掃除は軽くしかやってないんで、期待しないでください。…ま、近々行きましょ。

ざぁんねん。吸ってねぇんだなぁ、これが。どーせなら解禁1発目は悠チャンとって思ってさ。まぁ買っては来ちまったけど。(未開封のアメスピの箱を取り出しては顔の横でこれ見よがしに翳して、髪から伝わる柔な感触に目を細めては徐に相手の隣に横になり、ゆっくり瞬きをしては囁く様な子供染みた声色で)ん、悠チャンの都合良い時に声掛けてくれりゃあいつでも喜んでお呼ばれすんよ。…なぁ、もうちょいこのまんま撫でてて。

…マジっすか。すげー偉いじゃないですか。じゃあ早めに俺の家行って吸いますか。折角なんで酒持って行って、ネ。ヤニ吸う準備もしっかりされてますけど、また前みたいに沢山吸ったら意味がないんで、今後は家にいる日は1日3本、会社に行く日は5本までですよ。（煙草を見せびらかす様な愛らしい仕草に笑みを深めては、強請る様な声遣いに小さく喉を鳴らしてから１つ頷き、相手を胸元へと引き寄せ柔な手付きで頭を撫でて。穏やかな口調で告げるは）…お、珍しい。コウくんが甘えてくれるなら喜んで、仰せの儘に。禁煙の件も褒めなきゃですしね。良く頑張りました、偉い偉い。

あー、それめっちゃ良いな。ヤニ吸いながら酒飲むとかマジで久々じゃねぇの、楽しみだわ。…うへー、マジかよ。雨月さんにも控えろって言われてせめて1日半箱って言われたけどそれよりキッツイじゃん…。まぁ悠チャンが言うんならしゃーないかぁ。(相手の言葉に不貞腐れた顔でタバコの箱を軽く放るも声色は至極穏やかなもので、されるが儘に胸板に頭を預け瞼を伏せながら未だ擽ったさの残る呼び名に小さく肩を揺らして)ん、昨日ちと寝付けなくてさぁ…珍しく弱ってんのよ。でもこうしてると大分マシ、落ち着くわ。…禁煙に関して言やぁ、正直お前が居てくれたから出来た部分もあるよ。支えてくれてあんがとな。

ですね。酒も進む事でしょうし、沢山持って行きましょ。──ウケる。流石みんなのお父さん、雨月さんっすわ。ちゃーんと健康考えてくれてるんすね。まあ、感染症が治ったら好きなだけ吸って良いんで、少しだけ我慢してくださいね。（相手の拗ねた様な反応に喉元で笑い声を溢しては、子供に言い聞かせる様に穏やかな声色をし。次ぐ言葉に心配そうに顔色を覗き込んでは、緩やかに頭を撫でた儘）え、まじっすか。全然気付かず爆睡しててすんません。…こうして撫でてるんで、お昼寝しちゃってください。お兄さんが寝たらベッドに運んでおくんで、起きたら遊びましょ。…あっは、そんな、礼に及ぶ事はしてないです。元は俺の我儘ですし。だから、俺の方こそありがとうございます。コウくんが健康じゃないと、俺、辛いんで。

──フハ、雨月さんはまだ父親って歳じゃねぇだろ。まぁでも有り難い存在だよなぁ。この歳になると注意される事なんざ滅多にねぇから、そーゆー事言ってくれる人は貴重。…ん、まぁ感染症終わっても1日1箱はやめるけど。(鼓膜を揺らした単語に思わず破顔しては相手の顔を見遣りながら楽し気に口角を歪め、次第にそれがはにかみへと変われば再び目を閉じて、寝心地の良い角度を探す様に頭を動かしつつ幾分間延びした口調で)謝る事じゃねぇよ、悠チャンが寝ててくれた方が寧ろ安心するし。最近は大分マシになってたけど元々寝付き悪い方だし慣れてるし。でも、この儘ならちと寝れそうな感じするから、もうちょいこの儘居て。…ふ、俺さぁ悠チャンに我儘言われんの嬉しいよ。お前聞き分け良いから我儘言ってるとなぁんでも聞いてやりたくなんの。しかもそれが俺の為ってんだから聞くしかねぇよなぁ。

ははっ、じゃあみんなのお兄さんって訂正しておきます。…ほぇー、コウくんの年齢でも叱られる事ってなくなるんすね。ガタイ良いから叱り難いんじゃないっすか？何にせよ、そら雨月さんに懐くのも頷けますわ。…ふ、そっすね。じゃあ煙草代浮いた金で毎月美味いもん食いましょ。ヤニ止めたら飯が美味くなりますし、…更に太り易くもなるんで。（腕の中でもぞもぞと動く仕草を愛しげに眺めては、寝かし付けるべく手を背中へと移し緩やかなリズムで摩り。長い睫毛に引き寄せられる様に顔を寄せては、額へ口付けを贈り）まあ寝付きの悪さに慣れたとて、確実に疲れは溜まりますわな。…勿論、俺は寝かし付ける気満々ですよ。…全く、コウくんは本当に俺に甘いですよね。割と我儘言ってるのに、もっとお願い聞いてくれるって言うんですもん。幸せだ。じゃあ次の我儘考えておきますね。

…ゆっくり寝てくださいね、コウくん。（眠った恋人を寝具へと運ぶと、起きた際に寂しくならない様にと隣に横たえ腕枕をし。愛しげに口付けを贈ってから暫し髪を撫で寝顔を堪能しては、徐にスマホを取り出して音量を小さくしながら動画の鑑賞を始め）

(自分が寝返りを打つ振動で目が覚め覚醒し切っていない頭を軽く擦りつつもそこに寝不足時の気怠さは無く、隣の恋人へと視線を向ければ緩く笑みを浮かべて頬に口付けて)…おはよ、悠チャン。よく寝れたわ、あんがと。…悠チャンと話してたらマジで安眠すんだもんな、すげぇわ。

（恋人が腕の中で動けば動画から視線を移し、頬へと送られた口付けに破顔して。スマホをヘッドボードへと載せると諸手で相手を抱き締め直し、頬を擦り寄らせつつ頭を撫でて）おはよーございます。良く寝れた様で何よりっすわ。…そりゃ、好きな人には安眠効果があるって言われてるんで。コウくんが俺を愛してくれてる証拠っすね。嬉しいっすわ。寝不足の時はいつでも添い寝するんで、遠慮なく言ってくださいね。

へぇ、そりゃ知らなかった。ここ数ヶ月寝付きが良かったのは悠チャンの安眠効果のお陰かなぁ。俺が寝付いたら全然遊びに行ってても良かったのに、ずっと傍に居てくれたんだな。あんがと。…にしてもこうなってくるとマジで俺の特効薬じゃん。体調悪い時は取り敢えずお前をキメとけば良いみてぇな感じ。(与えられた抱擁に応えるべく相手の腰に両手を回しつつ、依然として甘やかす様な所作を照れ臭そうに享受しては漸く思考も晴れ、緩慢に起き上がると大きく伸びをし態と子供染みた笑みを浮かべ)──…あー、すげぇスッキリした。さーて、今日はどーしよっか。何して遊ぶ？

マジっすか。俺効果絶大じゃないっすか。まあ毎日夜更かしさせちゃってるんで、果たして安眠って言って良いのかは不明っすけど。…やっぱ起きた時に1人で寝てたら何か寂しいじゃないっすか。どうせなら幸せ感じて欲しかったし、俺も俺で寝顔堪能出来たんでWin-Winっすわな。…そうそう、好きな奴には安眠だけじゃなくてストレス軽減から鎮痛、長生きまで色んな効果が揃っちゃってるんで。風邪引いたら俺に移せば治るし、万能薬っすわ。（暫し抱擁を楽しむも、相手が腕の中からするりと抜ければ視線を追い伸びをする仕草を微笑ましげに眺めて。次いで子供の様な笑みを送られれば堪らなくなり肩を揺らしながら上体を起こし、背中を抱き締め再び頭を撫でて）可愛いかよー。…そっすねー、じゃあご飯かお風呂か喫煙所か。或いは素敵な一時でも。

基本的に睡眠に関して言えば量より質タイプだから短時間でもぐっすり寝れりゃあ、めちゃくちゃ元気だし。1人でダラダラ寝るより悠チャンと夜更かしして数時間で起きてた方が体調良いのよ、俺。…本当、俺の恋人は気遣いが出来て堪んねぇなぁ。お陰様でめちゃくちゃ幸せ、愛してるよ。…フハ、んじゃ常備しとかねぇとだわぁ。なんなら俺の機嫌の悪さまで治しちまうし…こんな効果あると危ねぇ薬みてぇ。(自分の笑顔に想定以上の反応が返って来れば愉快気にくつくつと肩を揺らし、暫しその感触を楽しむも不意に頭を撫でる手を取り自分の指を絡ませ、目を細めて相手の顔を見つめながら小さく囁くとゆっくりと顔を近づけては唇を重ねて)ハハ、チョロ過ぎんだろ。…そうだなぁ。どれも魅力的だけど、やっぱ素敵な一時が1番唆られるかなぁ。