No title（〆）

もちろんすっぴんも可愛いけど、俺の為に頑張ってくれたんなら俺以外に見せたくないって思うのはしゃーないだろ？…俺も髭面見慣れちまったからなぁ、剃ったら案外幼く感じるかも。まぁでも悠チャンが一緒に写真撮ってくれんならいくらでもいーよ。(恋人が背後に跨り、安定したのを感じてはクラッチを握りアクセルを回してバイクを発進させ、数m進むとクラッチを外してスピードを上げれば僅かに冷たさの残る風を切る爽快感に懐かし気に頬を緩めて)バルカンっつーモデルなんだけど、これに風除け付けるくらいなら死ぬほど厚着する。あー、夏は走ってりゃ風は涼しいし気持ち良いけど、日差しがキッツイから日焼け気ぃつけてな。

またデート前に甘い事言って。益々惚れちゃうじゃないですか。まあ浩二さんに見せるためだけに気合い入れたんで、独占して貰えるなら本望なんすけど。…あー、確かに一気に垂れ目が引き立って見えそうっすね。しこたま見た筈のお顔なのに、またときめいちゃうんだろうなー。じゃあ、一緒に沢山写真撮りましょうね。それとは別に待ち受け用のお兄さんだけの写真も撮りますけど。（バイクが発進すると久方振りの感覚に初めは恐々腕を緊張させるも、徐々に慣れてくれば頬を擽る風に心地良さそうに目を細め、流れる風景を楽しげに眺めつつ走行音に負けない様に些か声を張り）やっぱバイク乗るなら格好付けてナンボですからなぁ。今は前乗った時よりも随分と暖かくなって、良い感じっすね。…あっは、日焼けは喜んで。海以外にも夏に行きたいとこ、考えておきますわ。

…いや、悠チャンのが断然甘い事言ってんじゃん。俺を葛藤させんのヤメテ。今直ぐにでも引き返したくなんだから。…髭ある方がやっぱ厳ついもんなぁ。寝起きの自分の顔見るとガラ悪ぃなぁ、って思うわ。まーた待ち受け用撮るのかよ、好きだなぁ。因みに今待ち受け何にしてんの？(大通りに出て高速に乗ればこの時期にしては車通りも疎らな車道を駆け抜けては楽し気に幾つかの軽自動車を追い越し、眼前に車の影が無くなれば一瞬スピードを緩め、自分の腰元に回った手に光る指輪を左手で撫でてはまた直ぐにハンドルを握り)やっぱ前に乗った時寒かったろ？来年の冬にゃライダースプレゼントしてやんよ、風通さないってだけで大分違うから。…でも半袖焼けとかダッセェじゃん？まぁそうか、どーせ海行くんなら海で綺麗に焼けばいっか…指輪焼けはちと唆るし。どこでも連れてってやるから沢山考えといて。予定なんかあればある程いいわな。

家大好きな俺と一緒に居たら、浩二さんもちょっとインドアが好きになってきました？気に入って貰えたなら何より。浩二さんが仕事してる間に化粧して待ってて、終わるなり可愛がって貰おうかしら。…そ。寝起きの浩二さんの色気ヤベーんすよ。つか今時期なら会社でもマスクしてるんで、髭ってバレますかね。──ええ、そろそろ夏版の待ち受けにしようかなって。今はモールで撮った匂わせの浩二さんの後ろ姿なんで、次は爽やかな感じに仕上げたいトコっすね。──わー、速い速いー！（相手が楽しげに加速し車を追い越す姿を愛しげに眺めては、便乗し己もアトラクション感覚で愉快げに声を揚げ盛り上がり。ふと左手に触れられれば胸が仄かに高鳴るのを感じ、ヘルメットの下で唇を結び）やった、どんどん貢がれるぞ。じゃあそれまでにライダースが似合う男に仕上げておきますね。海で焼くと大惨事になるのが色白の悩ましいとこなんで、淑女の如く日焼け対策して挑むつもりなんすけど、焼けた浩二さんはすげー唆りますわ。それでアロハシャツ着られた日にはもう最高。…じゃあ、水族館行きたいです。夏と言えばやっぱ水ですわな。

ハハ…まぁでも時期的なモン抜きにしても外出る機会減ったよ。昔の俺が見たらビビる位には。良いじゃん、俺の横で化粧してりゃ良いよ。仕事で手ぇ空いたタイミングとかで悠チャンで遊べるし楽しそう。…あー、確かに顎髭だけだし、タバコ吸うとしてもマスクズラしておけばバレねぇか。つか、何。そんなに髭気に入ったのかよ。──ふ、髭面と爽やかは真逆のポジションじゃねぇ？んじゃ俺も悠チャン待ち受けにしよ。ずーっとココにしてたんだよなぁ。──高速乗ると飛ばせるから良いよな、楽しい。(高速から降りれば周囲の景色は住宅街と呼ぶには些か緑が多い風景へと変わり、細くなった道路を走る車体は時折大きく揺れて。その儘暫く走り、目的地であるビニールハウスが見えてきては傍らにバイクを停めて)あー、確かに悠チャン焼けると赤くなりそうだもんなぁ。薄ら焼けてる位が1番似合いそうだし。俺も小麦色っつー程は焼かないけど、ある程度は毎年焼くわ。…水族館良いな。どーせなら色々ショーとか見てぇ。

浩二さんに構って欲しいのが2人も家で待ってるんで、しゃーないっすわな。…えへ、俺としちゃ仕事してる格好良い浩二さんを拝めるし遊んで貰えるしで最高っすわ。──うん、男らしくて好きですよ。でもって髭撫でるのハマっちゃったんです。キスした時に少しザラっとした感覚とかも。つか浩二さん、4ヶ月ですげー変わりましたよね。急速に垢抜けましたわ。…いやいや、浩二さんの待ち受けはココちゃんにしましょ。仕事に影響が出たら困るんでネ。──焼く時期まで髭残ってたら、すげーセクシーになりそうっすね。…あー、海獣のショー大好きっすわ。トドとか。何年も観てないんで、めっちゃ行きたいっす。（高速を出ると広がる緑に都会の喧騒とのギャップを感じ、初めての地にも拘らず何処か懐かしげに嘆息を溢して流れる風景に視線を向け。目的地へと辿り着けばバイクから降りてヘルメットを外して収納し、スマホを片手ににっこりと笑んで見せ）さて、バイクの前で１枚頂きましょうか。格好良いポーズしてくださーい。

まぁな、俺としても両手に花で嬉しい限りよ。そりゃ外に目ぇ向かなくなっても頷けるわな。──フハ、最初はあんま乗り気じゃなかったのになぁ…キスするのに邪魔そうっつってさぁ。つか、変わったとは周りにも言われるし自覚もあるけど。垢抜けたって…会った時の俺そんなダサかった？…あ？別に平気だよ、仕事用とプライベートのスマホ完全分けてるし。ぜってぇ待ち受けにしたるわ。──いや、多分そこまでには剃る…てか店舗行く時にゃ確実に髭ダメだし。また盆休みにでも伸ばすか。…あれテンション上がるよなぁ。んじゃ調べておくなぁ。(スタンドを立てて相手に続いてバイクから降りてヘルメットを外し乱雑に髪を整え、向けられたスマホに破顔しては否定する様に軽く手を左右に振っては自分の端末を取り出し友人へと連絡しながらカメラに向かって中指を立てて。連絡が返ってくればヘルメットをハンドルに引っ掛けて相手の手を取り歩き出し)ハッ、カッコいいポーズってなんだよ。んなの出来ねぇよ、精々ガラの悪ぃポーズ位なもんで。──…っし、ロックキーの番号聞いたから行くぞ。

そ。キスの妨げになったら幾ら格好良くてもキス魔としては悲しいんで。──…あー、やらかした！洗練されて大人っぽくなったって言いたかったんすけど完全な誤用っすわ。申し訳ないですし恥ずかしいー…一目惚れ云々は話してるんで、その辺りの弁解は不要ですよね？ちょっとチャラい雰囲気だった浩二さんも好きだったんで、戻って貰っても俺的には大歓迎っす。…えー、プライベート用ならパリピなお友達さん達に見られちゃうんで恥ずかしいです。──あー、店舗は確かに。お盆なんて精々1週間くらいでしょうし…ぴえん。じゃあやっぱりもう少しマスクで粘って貰います。（相手の視線がカメラへと向けられれば撮影ボタンを押すも、宛ら芸能人が隠し撮りされ中指を立てている様な画に小さく吹き出しては、保存するも待ち受けには設定せず。相手の手を握りつつ導かれる儘に足を進め）ウケる、セレブとかパパラッチに中指立てるじゃないっすか。あれみたい。後でポーズ指定して撮り直します。…やった、間も無く苺に会えるのか。楽しみっすわ。

まぁ口髭は一気にオッサン臭くなりそうだったし丁度良かったかも。つっても悠チャンニッチな所あるからそれはそれでハマりそうだけど。──フハ、ごめんて。意地の悪ぃ冗談。悠チャンがどんな俺も好きで居てくれんの分かってるよ。…まぁ、チャラい見た目に戻しても良いんだけどさぁ、最近同僚とかに近寄り難くなったって言われるし。でも一種のケジメみてぇなもんだから。…ヤダ。俺だって悠チャン待ち受けにしたい。させてくんねぇならもう撮らせてやんねぇ。──あとは出来るとすれば年末年始とかかなぁ。つっても毎年ギリッギリまでクソ忙しいけど。(相手の言葉にくつくつと喉を鳴らしながらビニールハウスの入り口へと進み、開錠して足を踏み入れるとふわりと苺の甘い香りが広がり。入り口横に友人が用意していてくれたであろうプラスチックカップを手に取ると相手へと渡して)悠チャンはどっちかっつーとパパラッチされたら駆け寄ってくタイプだよなぁ。…やべ、面白い。後でそれ系の写真撮ろ。──…お、意外と成ってるな。有り難ぇわ。

俺的には口髭も全然アリっすね。バイト先のスゲー格好良い兄さんが口と顎生やしてますけど、只々お洒落っすわ。浩二さんもそうなるんじゃないかしら。──ぴえん。俺っち勉強出来ないんで許して下さいよぅ。…そうそう、見た目だけで好きになったんじゃないんで、どう変化しても愛しますよ。でも俺の為にこうしてケジメ付けてくれるのはありがたいっすわ。今の方が浩二さん好みの年上からモテそうなんで、そこだけが心配ですけど。…くっ、それなら致し方ない。イケメンに撮ってくださいね。年末年始はそっすよねー、大変そうだ。俺に至ってはバイトになりそうなんで、折角のお髭を堪能する時間もないでしょうし。…つか、パパラッチされて駆け寄る人いるんすね。ウケる。確かに俺ならピースしますわ。後でやりましょ。（わくわくとした面持ちでビニールハウス内に足を踏み入れると、ずらりと並ぶ苺に感嘆し拍手をしてから差し出されたカップを受け取り。赤く熟れた果実へと歩み寄ると手早く写真に収め、感動しながら相手へと視線を移し）すげー…マジで苺だー。美味そー…連れて来てくれてありがとうございます。これって摘んじゃって良いんですか？

おー、おー。俺の前で他の男カッケェって褒めるなんざいい度胸してんじゃねぇの…ま、半分冗談だけど。将来的にはなぁ、イイ感じの渋さが出てくりゃ口髭も生やしてぇけど…営業やってる内は無理だわな。──んな事言われると一回めっちゃくちゃにイメチェンして反応見たくなるよなぁ…。何の因果か年上好きなのに年下からのがモテるんだよなぁ、俺。まぁそもそも最近じゃあモテるっつー実感湧く様な所に顔出してねぇけど。…任せろって。そりゃもうイケメンに可愛く撮ってやるから。うわ、悠チャン年末年始バイトかよ。…あー、そうか初売りとかか。んじゃ意味ねぇなぁ…ま、レアっぽい方が価値上がるしいっか。…アメコミ俳優とかがパパラッチに撮られた写真とか茶目っ気あって面白いんだよ。真似しよ。(微笑まし気に相手の様子を眺めていれば確認する様にこちらに向けられた視線に思わず吹き出し、歩み寄っては手近な赤い実を一つ取って相手の口元に差し出し)フハ…平気だよ、許可取ってるし。今残ってんのは形がデカすぎて出荷出来ねぇんだってさぁ。

ウケる、半分しか冗談じゃないんすね。まあ浩二さんの方が格好良いし、唆るんですけどー。… へぇ、営業の仕事って制限が多いんすね。華やかな業界だから、割と自由が利くんだと思ってましたわ。──…悩ましい…イメチェンした浩二さんを見たい反面、今の感じも好きだしどうせ雰囲気が変わっても気に入るだろうし…くぅ、なる様に任せます！…まあ、年末年始は多分ってレベルですけどね。じゃあ俺が休みになったら髭伸ばして貰いますわ。そうしたら休みになりそうな気がするんで。…アメコミ俳優っすね、了解っす。後で細かく研究して撮りましょ。やっぱこう言うのは全力でやった方がウケるんで。（口元へと差し出された苺をヘタを残し一口で含んでは、口内に広がる甘みと芳潤な香りに表情を蕩けさせ、味わって咀嚼してから嚥下し。お返しとばかりに程良く熟れた苺を摘んでは、そっと相手の口元に差し出し）んー、すげー美味いっす。やっぱ採れたては違いますなぁ。…マジっすか、お友達さんに感謝っすわ。はい、お礼にドーゾ。1番美味しそうなのを選びましたよん。

ま、普段ならあんま気にしねぇけどなぁ。ほら、デート中は目の前の俺にだけ集中してて欲しいじゃん？…つっても、その一言で絆される位俺はチョロいんだけど。…大体は融通効くけど、髭は女ウケ悪いからなぁ。営業はやっぱ前に出る仕事だし、女の世界だから男は特に女ウケ良くしとかねぇと。…ハハ、んな悩む？まぁその辺は俺の今後の気分次第だわな。つっても今は髪も短ぇし、あんま一気に出来ることねぇけど。──おっしゃ、んじゃそれ撮ったらインスタ載っけよ。(相手の蕩けた表情を見れば自然と口角は上がり、多幸感に近い感情が沸々と湧き上がるの感じながらヘタをカップへと捨て、次いで差し出された苺と向けられた視線を見遣れば緩んだ表情の儘スマホを取り出しシャッターを切り。収めた写真を満足気に見てから差し出された手に自分の手を重ね大きく口を開いて食せば、瑞々しい果肉の食感と程よい甘酸っぱさは忌避する物ではなく)うーわ、待って。……いや、めちゃくちゃ可愛い。待ち受け候補。──ん、美味い。これなら意外と食えるかも。

成る程、それは完全に俺の配慮不足っすわ。すんません。言わずもがな、今日に限らずいっつも浩二さんに夢中なんですけどね。…あー、そっか…まあ女ウケ良くしておいた方が皆気持ち良く仕事してくれますわな。それならしゃーなし、俺も似た様なモンだから理解するしかないっす。──そりゃ悩みますよ。イメチェン云々に関しては、高級寿司と高級焼肉どっち食いたいか聞かれてる様なもんですから。どっちも食いたい。（柔な表情で苺を差し出しているも、想定外にシャッター音が響けば驚いて見開き、次ぐ言葉を聞いて愉快げに肩を揺らして笑い。相手が手元の果実を食すればヘタをカップへと入れ、珍しくも甘いものを美味しそうに食する姿を穏やかに眺めては堪らなくなり頬へと口付けを。徐に手近な場所の苺を取ると、己の口元へと運んで頬張り）ウケる、『彼氏とイチゴ狩りに行った、に使っていいよ。』的な写真っすね。パパラッチ写真と後で比べてみてください。…ねー、すげー美味いっすわ。浩二さんと一緒に甘いもの楽しめるって嬉しいなー。

ふ、ごめんごめん。んなマジで気にする様な事じゃねぇよ、半分冗談なんだって。別にんな配慮して欲しい訳でもねぇの。…そ、女ウケと客ウケが直結するしなぁ。まぁ客前立たなくて良いくらい偉くなって、尚且つ俺に渋さが出てくりゃワンチャンって位。──まぁ分からないでもねぇけど。…でも別にどっちか食ったらもう片方は永遠に食えねぇって訳でもねぇだろ？俺ならどっちも味見しといてどっちが好みか判断するわ。イメチェンも然り、一回やらせてみて好みの方選ぶ。(不意の口付けに僅かに照れが生じれば気恥ずかし気に唇の触れた側の口角を緩ませ、くつくつと喉を鳴らし。真っ赤に熟れ切ったものより、赤いもののまだ酸味が残っていそうな物を手に取っては口に放り)ハハ、マジでそんな感じだわ。『悠チャンとデートなう』っつってな。…結構フルーツ系なら割と食えるよ。つか酸っぱめのアップルパイとか割と好きな方かも。



あー、悠チャンごめん。ちと今日は眠気で頭回んなくなっちまってるわ。申し訳ねぇんだけど置きにしてくれっと助かるわ。悠チャンもこのまんま蹴って偶にゃ少しでも早く寝てくれなぁ。んでこっちも蹴っちゃって、よろしく。

やっぱり冗談なのは半分っつーのが可愛くてしゃーないっすわ。俺、恋人に嫉妬とか独占されんのは嬉しいんすよ。浩二さんがあんまりそう言うタイプに見えない分尚更。…そっかー…勝手なイメージっすけど、客ウケなら若く見えた方が有利そうなんでやっぱり髭は無い方が良いか。…くぅ、上手いこと説得されちったなー…でも確かにそっすわ。じゃあ浩二さんの好きなタイミングでイメチェンお願いしますわ。俺もそろそろと思ってたんで、また同タイミングでやりましょ。──へえ、浩二さん酸っぱいの好きなんすね。良い事聞いた、じゃあいつかアップルパイも作れる様にしよっと。（表情を綻ばせつつ苺を幾つか食べ、些か食欲が満たされたところで徐に形が綺麗なものをセレクトし丁寧に摘んでは、スマホをインカメラに設定し相手の隣へと。腕を組み肩を触れ合わせながら苺を己の口唇の間に挟むと、ウィンクしキメ顔をしながら恋人の魅力が引き立つ角度を探し撮影ボタンを押して）



今日も遅くまですんません。2日間もデートを楽しめるなんて俺としちゃ最高ですし、遠慮なく言って貰えるのは嬉しいんで寧ろ感謝っすわ。明日日中レスぺがノロノロしそうなんですんませんとだけ、先に伝えておかせてください。それじゃあ、ゆっくり休んでくださいね。おやすみなさい。愛してますよ。

まぁ、基本的にはお前がどこで何してこようと俺の元に戻って来りゃなんでも良いと思ってるからあんま嫉妬しねぇんだけど。そりゃ危機感は常に持ってんよ、お前はイイ男だから本気になったら誰でも落とせちまいそうだし。…そ、若くてイケイケの男に褒められたら嬉しいっしょ？だからそれで居なきゃいけねぇんだよなぁ。ハハ…口八丁手八丁てなもんで。んじゃ夏前に一回イメチェンすっか、俺も悠チャンの雰囲気がコロコロ変わるの見てて楽しいし。──ん、酸っぱいもんなら甘くても口ん中に残らないし、柑橘系とかも結構好き。(摘み取る苺を選んでいる最中、触れた肩に気付けば癖の如く液晶へと睨め付ける視線を向けるもカメラ目線の恋人と画面越しに目が合った様な錯覚に陥れば目付きは緩み、口元には柔和な笑みが浮かび。小さく鼻で笑いを溢しては相手を真似て気障ったらしいウィンクをしてシャッター音を聞き届けては隣の頭をくしゃりと撫でて)

仮に俺がどこで何をしても、戻って来る自信があるって事ですね。ま、現状に満足してるんでどこかに行く気分にはならなきゃ、何にもしないんで危機感すら持って貰う必要はないんすけど。それにご覧の通り、俺はイイ男なんかじゃないですよ。今の台詞、そっくりその儘目の前のイイ男に返しておきます。…そっすねぇ、浩二さんに化粧品塗って貰って褒められたら、そらお客さん的には買いまァす！って感じでしょうなぁ。ん、イメチェン楽しみにしてますわ。上手い事浩二さん好みに仕上げられると良いんですけど。──お、まじっすか。じゃあ今度柑橘系のお菓子とか酒とか探してみますわ。一緒に食えるものが増えるとやっぱ楽しいんで。（画面に映る相手が笑んでいるのに気付けば、口元の苺を取り立て続けに撮影し。嬉々として撮影したばかりの写真を確認しては、仲睦まじい雰囲気の仕上がりに満足げに笑み相手に見せた後にメッセージアプリで共有し、手元の苺を食し）やった、良い感じに撮れましたね。浩二さんが珍しく中指立ててないっすよ。それどころかニッコリ。

自信っつか…戻ってくるって信じてるし、お前に頼まれでもしねぇ限りは手ぇ離さないって決めたしなぁ。だからそれまでは悠チャンは俺のモン。…んじゃ俺はその返された言葉に、俺が誰を落としたとしても俺を落とせたのは悠チャンだけだよって答えとこうかなぁ。──俺好みねぇ…。結局俺の傍で俺の影響受けて変わってくのが楽しいからなぁ。今のもすげぇ可愛いと思うし。…別に甘くっても悠チャンと一緒なら大抵なモンは食うのに。まぁでもなんか良さそうなの見つけたら教えて。(画面に収めずともいつも見せている筈の表情にそれでも予想以上の反応を見せる相手の姿に愛おしさを感じながら目を細め、掲げられた液晶に顔を向けるも視線は目の前の相手を捉えて。送付された画像を保存してながらくつくつと肩を揺らしては堪らず苺の甘さの残る唇に軽く口付けを贈り)ふ、悠チャンが可愛かったから、ついなぁ。俺基本的にガキの頃から写真撮られるとオラついちまうし、こんなんレアだぜ。

興味本位で深掘りすると、俺が浮気しても最終的に浩二さんの元に戻れば良いって事ですかね。俺の一方的な意思で別れるっつーのも、その心を聞きましょうか。──浩二さん好みなら清楚系が模範解答なんでしょうが、やっぱその儘やっちゃうのも面白味がないんすよね。時間掛けて考えますわ。…ウケる。残念ながら俺の言う食べるって、口に入れて飲み込むって事じゃなくて浩二さんも美味しく楽しむって事ですよ。──ああ、アルバムでもしっかり中指立ててましたもんね。シャイなんですかね、可愛い。（苺を嚥下して直ぐに不意打ちのキスを贈られれば、恥じらいが込み上げ瞬く間に肌の色を朱へと染め上げつつ緩く結んだ手で口元を隠し。居た堪れず視線を横へと逸らしては、声を絞り出す様にして）…ちょ…ここ透けて見えますよ。お友達さんに見られたら大変じゃないですか。