No title（〆）

仕事が早いっつーかそもそも仕事がそんなにねぇのよ、悲しい事に。…基本いっつもさせてやってんだろーが。そーゆー甘やかされ方得意じゃねぇんだって。(隣から聞こえてくる言葉が冗句だと判断しつつボヤく様に視線を逸らしながら相手の手料理を味わい、次ぐ言葉には嬉し気に頬を緩め。手中の品を相手の口元に差し出し甘ったるい声で囁いてからテレビへと視線を向けて)卵料理好きだし、悠チャンどんどん料理上手くなってるから飯作ってくれんの嬉しいよ。…いーよ。ほら、あーん。──あー、アクションならアメコミ系が1番好き。ミリタリー映画も好きだしあとはホラーとかSFとか…邦画はあんま観ねぇかな。

でももう月末なんで、悲しむ間も無く来月には忙しくなっちゃうかもですね。休んでおくに越した事はないですわな。…うんうん、浩二さんの嫌な事はしないですよ。ごめんなさい。（目線を外す相手に先刻の軽口を悔いては、至極穏やかな口調で謝罪を告げ眉尻を下げて。差し出されたサンドを一口齧り微笑を刻んでは、咀嚼しつつリモコンを操作し洋画のタイトルへと目線を滑らせ）元来物作り人間なんで、意外と料理との相性良いなって俺も感じてますわ。卵料理かー…じゃあ、何か美味そうなの研究しておきますね。──なるほど…ミリタリーは俺の涙腺が崩壊しちゃうんで、じゃあカップルらしくホラーでも観ましょうか。（不純な動機を口にしつつ脅かす演出の多そうな洋画をセレクトしては、ソファーの上で胡座を掻きテレビを見据えて）

あと1週間だもんなぁ…こうなってくるとあっという間だわ。…本当ならGWどっか旅行でも連れてってやりたかったんだけど、それはまた今度な。…あー、ちげぇよ。嫌っつーか、慣れてねぇからってだけ。大体は開き直れるけど、偶に小っ恥ずかしくなんの。あとは今日は俺が甘やかしてぇの。(根負けした様に後頭部を掻いては照れ隠しに無愛想な口調になるも視線を相手へと戻し、手を伸ばしては頬を軽く撫ぜて。大口で残りを全て頬張ると、サラダに手を伸ばしあっという間に平らげてしまえば、一度立ち上がり空になった皿をシンクへと片すと再びソファーに戻り)やっぱ手先器用な奴は凝ったモン作るの上手いよなぁ。あと舌が肥えてる奴の飯は旨い。…ご馳走さん。普通の卵サンドも好きだけどこっちのが好みだわ、また作って。──あれ、悠チャンホラー平気だっけ…前に俺の事オバケと勘違いしてビビってなかった？(ソファーに凭れ掛かりながらカフェラテを飲んでは相手の肩口に手を回し、予想外の選択に片眉を上げて)

本当にあっと言う間でしたね。家にいると1日の時間経過が速すぎて敵いませんわ。…えへ、ＧＷ考えててくれただけで嬉しいですよ。いちご狩り行けるだけで大満足ですし。──あー、甘やかす方に慣れてたら小っ恥ずかしいですよね。俺はもうプライドとかかなぐり捨てたんで、甘やかして貰えるなら本望ってな具合でお願いしちゃいますけど。（相手の心中を察し幾度か頷いては、頬を撫でる手に心地良さそうに目を細め。次ぐ褒め言葉には口元に手を添えつつ、照れ交じりに一笑。下げ善し戻った相手の肩に身を傾けつつ、取分け意味のない映画の序幕を漫然と眺めて）お褒め頂けて光栄です。でも一人暮らしの時はコンビニ飯を美味いって掻き込んでた安舌なんで、これから美味いもの食って磨きますわ。──ウケる、良く覚えてますね。画面の世界のホラーなら楽勝っすよ。尤も、作り物だって解っててもグロは直視できないっすけど。…俺も、浩二さんのチョイスにホラーが入ってたのは意外でしたわ。

まぁ悠チャンとこんなゆっくり過ごせる事なかなかねぇから余計に体感早ぇのかも。…やっぱちゃんと休み取れる時位は遠出してぇじゃん。普段あんま連れ出してやれてなかったし。──気分屋だからさぁ、俺は。悠チャンが合わせてくれんの有り難ぇよ。お陰でこうやって俺の好きな時に好きなように出来るし。(肩に凭れる相手を一瞥してはカップをテーブルへと戻し、徐に抱き上げつつ深く座り直して背面になるように自分の足の間に座らせてはまるで抱き枕の如く後ろから抱きしめ。冒頭の退屈な映像を見る間の手慰みとばかりに相手の太腿な手を這わせては揉みしだいて)んな事言ってどーせ客とかに美味いモン食わせて貰ってたクセに。──あー、グロは俺もモノによってはダメだわ。まぁでもB級ホラーとかめちゃくちゃ笑えるじゃん？エンタメとしてスリル満点だからホラーは退屈しねぇし。

確かに、朝から夜まで浩二さんと過ごせたってのはデカいっすわ。俺にとっては何より楽しい時間なんで、そりゃ一瞬で過ぎ去るのも当然。…ま、いずれは遠出してみたいですよね。浩二さん都会っ子なんで、地方とかに連れ出してみたら楽しそうっすわ。──全然、俺も気分屋なんで返って気が楽っすよ。…ははっ、カップルで映画見てるぜって感じの体勢っすね。おっと、俺の腿を浩二さん好みの固さにしてくれるんですか？（誘導される儘に背後から相手に抱き締められる態勢になれば、己好みのベタなシチュエーションに思わず破顔し。上体を捻り相手の頬に触れるだけの口付けを贈っては、次いで己の腿に触れる手に視線を移し愉快げに肩を揺らし）あー、客層的にアフターしても金になんねーんであんまりしないっすよ。早番でサクッと帰るか、朝まで働いて朝飯食いに行くか。一人で食う飯の方がよっぽど美味いっすわ。──ウケる、グロ痕作れるのに案外苦手なんすね。Ｂ級ホラーは観た事ないっすわ。浩二さん結構映画好きなんすね。

俺も楽しいよ、思う存分悠チャンの事構ってられんの最高。仕事嫌いになりそうだわ。…ま、これからだっていくらでも出掛けられるもんなぁ。地方いいな、田舎とかに泊まった事ねぇからそーゆーのはしてみてぇかも。──ん、あんがと。…そーりゃ、これからカップルで映画観る訳だし。映画館なら我慢するけど家で映画観る時ってクッション欲しくなんじゃん？ジッとしてんの苦手なんだよ、なんか触ってた方が落ち着く。(リラックスした状態になれば横目で相手を見遣り、つられたように笑みを浮かべて。映画の陰鬱な雰囲気とは相対するような自分達のやり取りに肩を揺らしながらも、自分の過去を思い出しては自ずと眉根を寄せて)…悠チャン誘えばホイホイ付いてきそうな感じすんのに。1人が良い時もあるけど、俺の場合1人だと飯面倒になんだよなぁ。──普通のスプラッタは全然平気、血が怖ぇとかないし。…ただハンニバルみてぇな食人系がちとなぁ。嫌なモン思い出して吐き気する。B級はマジでただのギャグだし面白ぇぞ。…ま、娯楽は大体好きだなぁ。色々齧ってた方が他人との話のネタになるし。

まぁでも仕事に行ったら行ったで楽しいんでしょうな。何やかんや外に出て人間に触れ合った時の解放感って最高っすよ。…先を見据えて貰えてるのが嬉しいなぁ。田舎に行った事がないなら是非。偶に一軒家レベルの広さとか、デカいプール付いてたりするすげー豪華なホテルとかあるんで、セレブ気分で癒されに行きましょ。──随分デカい抱き枕っすけど、使って貰えるなら喜んで。そう言えば今日は沢山玩具にしてくれるんでしたっけ？…あ、死んだ。早っ。（密着していれば自ずと甘い気分になり誘惑する様に相手の手を取り甲に口付けを贈るも、テレビから聞こえる殴打する効果音と残虐な映像を視界に入れてはふと素に戻った声を出し、呆然と画面を眺め。次いで顧みて相手の表情を窺うと、慰める様に頬を撫でて）俺女相手には身持ちが固いんで。…確かに浩二さんあんまりご飯食べないイメージありますわ。やっぱ高い飯奢られてたんすか？──ひぃ、結構耐性ありますね。…ハンニバル的なのは、やっぱり元カノさん思い出しちゃいます？可哀想に、心の傷は深い様だ。…成る程、お兄さん話題の領域広いっすもんね。勉強熱心だなぁ。

まぁそうかも知れねぇけど…少なくとも今はめーちゃくちゃ仕事ヤダ。働きたくねぇ。宝くじ当てて一生遊んで暮らしてぇ。…お、楽しそう。でもんなホテル泊まったらまーた外出ないでホテルでゴロゴロする気もすんなぁ。──そ。好き勝手お前で遊ぶからいーよ、そのまんま映画観てて。…つっても明日バイトだろ？見終わったらすぐおねんねさせっけど。(誘う様な仕草から一変して画面に釘付けになっている相手に愉快気な笑い声を立てながら取られた手でその儘相手の顎を掴み正面に固定しては戯れる様に首筋に幾度と音を立てて口付けつつも、視界の端で時計が指し示す時刻を捉えて)飯は華があった方が美味く感じねぇ？…あー、俺の気分が良けりゃアフターしてたわ。誰でもじゃねぇけど、可愛かったりすりゃあな。──…まぁ、そーね。血の味彷彿とさせる系が嫌だわ。自分の口ん中切れるだけでも割と無理だし、喧嘩で顔殴られた日にゃマジギレしてた。

あらまあ、随分と休み前と変わりましたね。ナマケモノと一緒に居たら移っちゃいました？しゃーなし、宝くじは確率が低いんで俺が悪いバイトでもして養いますわ。…確かに引き篭り確定ですな。あ、でも浩二さんとミリタリー意識したキャンプとかはしてみたいっすわ。意味なく銃を担いで歩いたり、戦闘糧食を食ったり。──やだなー、それってまた盛るだけ盛って放置プレイのパターンじゃないっすか。もー…映画はいいや。…ぎゅーだけしてください。（顎を固定され善がる事が出来ない状況下で弱点へと口付けを与えられれば、唇が触れる度に喉元で息を詰めて。熱が燻り映像の内容を認識出来ず、潔くテレビを消すと時計を見遣り、不服げに口唇を立てるも甘んじて抱擁を強請り）確かに人と食うご飯は美味しいですよね。今度から浩二さん一人で飯食わせる訳にはいかなくなったなぁ。…あ、可愛い子限定っすか。流石、ブレないっすね。──あー、トラウマって大変なんすね。ベロ噛む事なんて日常茶飯事でしょうに。…でも喧嘩で顔殴られたらキレるってちょっと可愛いっすね。まずもって最初に狙うでしょうに。

そりゃこんな何週間も休み取るのなんかマジで学生ん頃以来だからなぁ。久々に学生気分っつー感じよ。…でも悠チャンに養われんのは働くより嫌だわ。はーあ、頑張って稼がねぇと。…フハ、ミリタリー意識したキャンプとか映え写真目当てじゃねぇの。まぁでもキャンプとかも随分してねぇからなぁ、久々にやんのもアリ。──だあって玩具にするとは言ったけど抱いてやるとは一言も言ってねぇし。あとはバイトの前ん日夜更かしするとしんどいだろ？ま、今日もちゃんと待て出来たら明日、な。…ベッド行っても良い子に出来んだろ？(くつくつと愉快気に喉を鳴らし相手の肌の感触を楽しんでいる最中、諦めた様な声とが聞こえテレビの音が止めば顔を上げ、強請られる儘に空の手で強く相手を抱き寄せながら顎を掴んだ手で横を向かせ口付けては耳元で囁いて)つっても会社とかではちゃんと食ってるよ。最近は動いてねぇから食わなくなってんのもあるし、元々朝プロテイン飲んで昼ガッツリ食って夜は食わないんだよ。──昔よりは大分マシになったけどな。一時期チョコ食えなかったし。…んなの狙われても別に殴られなきゃ良いんだよ。複数とかだと流石に無理だけどタイマンならどーとでもなるし。

この流れで在宅が増えたら、もっと学生気分が続けれますね。──ウケる、俺まるで頼りなしっすね。でもまあ、浩二さんがヒモになってる姿なんて想像できないっすわな。頑張り過ぎない程度に稼いでくださいね。…ああ、確かに映えそうですわ。でも純粋にミリタリーに興味あるんで、あんまり写真の事は考えてなかったんですよ。じゃあお出掛けの計画に入れておきましょうか。それまでにサバイバル勉強しておきます。──ぴえん、21歳の男を玩具にしてお預けってマジで虐めっすよ。しゃーなし、ベッドでは良い子にしますよ。夜中に俺がベッドに居なくても探さないで下さい。（続く相手の言葉に拗ねた様に頬を膨らませるも、望み通りに強く抱き締められ口付けまでをも与えられればまんまと絆され、しおらしく腕に頬を擦り寄らせて。満足げに立ち上がると相手の手を握り、寝室へと向かって歩き始め）ほえー、1日1食しか食べてなかったんすね。健康的って噂もありますけど、今は会社でがっつり食う機会がないと思うと心配っすわ。──まじっすか、じゃあバレンタインは地獄でしたね。モテるだけに尚更。…あ、そっか。戦闘に使う武術やってたら躱すのなんて造作ないですわな。カッケー。…さーて、寝ましょうか。蹴って休んじゃってくださいね。

──お前が悪いバイトしてる間、家で大人しく待ってる自信ねぇもん、ヒモとかぜってぇ無理。ま、嫁さんに楽させてやれるくらいには稼いでくるわ。…マジかよ、結構不便だし悠チャンみてぇな若い子が楽しめんのか分かんねぇけど…ま、一回やってみねぇとだわな。イマイチだったら次からグランピングとかにすりゃ良いし。俺もキャンプ用品引っ張り出してチェックしとくわ。──そりゃまぁ虐めっ子なもんで。悠チャンは俺の抱き枕になるんだから抜け出しちゃダメダーメ。…んな心配する程じゃねぇよ、腹減ったら普通に食うし。20代前半みてぇな食欲もうねぇってだけ。──ま、そん頃は弟に全部やってたから、寧ろバレンタインは実家出てからのがキツかった。…誰でも覚えりゃ出来るよ、あんなん。カッケェって程じゃねぇ。(寝室へと着けば、暫し迷ったものの恋人のが大人しくしてるだろうと判断しては下着姿で寝具に横たわり、相手を呼ぶ様に両手を広げながら微睡み)…あー、結局いつも通りの時間になっちまった。早く寝かせてやるつもりだったのにごめんなぁ。頼むから蹴って寝ちゃってな。おやすみ、悠チャン。明日バイト頑張ってな。愛してるよ。

俺がネコタチどっちもいけますってな具合で稼いでる間に、浩二さんはお外でオイタってヤベーっすね。やっぱ浩二さんにバリバリ稼いで貰って、俺はココちゃんとお留守番って構図が一番平和な様だ。…キャンプ、ド素人っすけど同行させて貰えるなら是非ともやってみたいっすわ。つか浩二さんめっちゃ詳しそうじゃないっすか。活き活きしたお兄さんを見たいんで、やりましょ。山の中だと幸いにもウィルスとか無関係ですし。──そんなん言われたら本当に抜け出せなくなるんで参っちゃいますよ。バイトは楽勝っすわ、どうせ動かないんで何なら寝なくても行けるくらいっす。でも、お気遣いありがとうございます。浩二さんも仕事あるのに遅くまですんません。お兄さんも頑張ってくださいね。おやすみなさい、愛してますよ。（寝室にてサテンの寝巻きを纏うと、呼ばれる儘に相手の腕を頸に敷き横たえ身を寄せて。艶やかな肌と引き締まった筋肉に沸々と欲が沸き上がるのを生唾を飲み下し堪えては、目蓋を伏せ己と格闘しながら眠りへと就き）

(喫煙所でスマホを取り出しマスクの下で口元を緩ませて『バイト頑張ってる？ちっとだけ受動喫煙してくるけど適当に帰って飯作って帰り待ってるなぁ。』と送信しては口寂しさを埋める様に紫煙の匂いを深く吸い込み)

（和気藹々とした雰囲気の中で雑用業務を行っているも、スマホが振動すれば作業の手を止め内容を確認し頬を緩め。私用の連絡を許容する空気感の中、手早く『今日のバイト楽過ぎてヤバいっすわ。煙草吸っちゃっても良いんですよ？ご飯は後回しで、ゆっくりして来てくださいねん。』と送信しては、再び作業に手を戻し）

(喫煙所を出ては翳りを浴びてきた空模様の中スーパーへの道すがら相手からの連絡に目を通し『お、そりゃ何より。帰って来たら飯食いながら話聞かせて。因みにタバコは吸ってませーん、どうせあと2日でご褒美だろ？』と綴り、ふと空を見上げては献立を考えつつ足早に進み)

（アルバイトを終え帰宅する道すがら、恋人からの連絡を確認しては『ヤニ我慢できたんすか。すげー。ワンチャンこのまま止めれそうっすね。』、『バイト終わりました。パパおなかへったよう。』と絵文字を交えて送信し、恋人の手料理に期待を膨らませつつ足早に駅へと向かい）

(買い物を終えて帰宅し、料理も一頻り落ち着いた所でスマホを確認すれば思わず破顔して『早く帰っておいで、今日のメニューは豚の角煮でーす。』と送信しては恋人の帰りを待つ間愛猫と戯れる為にリビングへと戻りキャットタワーで寛ぐ彼女を抱き上げて)

（帰宅を果たすと洗面所へと直行し、逸る気持ちを抑えて手洗いうがいをしリビングへと。室内に漂う料理の香りに一層食欲を唆られながら恋人の元へと歩むと、背中からそっと抱き付き甘える様な声で）ただいまです。遅くなっちってすんません。ココちゃんもただいま。──んー、めっちゃ良い匂いがします。おなかペコペコだー。