No title（〆）

んー、俺のお酒ー…。（手中の酒を取り上げられれば年甲斐もなく拗ねた声で手を伸ばしかけるも、誘導される儘に相手の膝へと着座すれば急に控えめになり押し黙り。相手が纏う柔な雰囲気に絆されそうになるのを堪えるべく唇を結ぶも、甘い言葉と口付けを贈られれば結局は簡単に絆され、至福を味わう様に双眸を伏せ、空の手を相手の頬に添えつつ自らも角度を変え唇を啄み。徐に顔を離すと笑みを湛えながら手中の空き瓶をテーブルへと載せ、早急に飲み下したアルコールがふわりと脳に回るのを感じつつ恋人の肩口へと凭れ）…だって俺からしちゃ浩二さんのナンパ話なんて前の女の話を聞いてる様な心地っすよ。ご存知の通り独占欲が強いものでして。…でも、機嫌直っちゃいました。今日は長引かせて駄々捏ねようと思ったのに、失敗だなぁこりゃ。

(相手から呼応する様に唇を啄まれては僅かな驚きと共に伏せていた視線を向けるも、小さく安堵して。満足したように唇を離し漸く自分の腕の中で大人しくなった姿に微笑みを浮かべ、肩口に預けられた頭を髪を梳くように撫でてから氷の溶け始めた水を手に取っては相手に手渡し。自分が恋人に対しては些か甘い事を自覚しつつも向けられた嫉妬に悪い気はせず、眦を下げつつ耳元で囁き)俺としちゃお前に同じ土俵で争って欲しくねぇけどなぁ。マジで比べモンになんねぇんだから。…それこそ駄々っ子になってても可愛がるなんて、悠チャンだけ。お前だけが俺の特別だよ。

強欲な恋人を持つと大変ですね。直ぐに嫉妬しちゃうから。──あっつい、やっぱ酒飲んで感情昂っちゃうと良くないっすね。（暫し相手の腕の中で心地良さそうに身を委ねるも、水を手渡されれば喉を鳴らし嚥下し指先で唇を拭い。テーブルへとグラスを置くと、色めいた視線を注ぎつつジャケットを肩口から下ろし、インナーの裾に手を掛け勿体振る様に脱いで、薄い笑みを刻みつつソファーから降りキッチンへと。先刻購入したばかりのTシャツを纏うと、中央に鎮座するキャラクターと同じ顔をしながら戻り缶ビールのプルタブを上げ、乾杯を求めるべく掲げ）…っし、楽な服に変えたとこで乾杯し直しましょ。

大変？…ふ、生憎可愛くって仕方ねぇのよ。誰が見たってそんな必要ねぇのにそれでも懲りずに嫉妬しちまうなんて、俺の事大好きじゃん。──お。イーイ眺め。なぁ、そのまんま……(相手の唇の柔らかさを知らしめてくる指先に思わず目を奪われれば、次いで露わになる艶めかしい肌の色に生唾を飲み込む様に喉を鳴らし。伸ばしかけた手と言い掛けた言葉を離れていく体温に押し留め、背中を見送りながら不満気な顔で結露した自分のグラスを手に取り煽る様に空けて。酒の瓶を手に取り中身を注ぎながら戻ってきた相手に視線を上げては相手の纏う緩んだ空気感に自然と破顔し、応える様に己のグラスを軽くぶつけては口に含み)フハ、ゆるキャラじゃんか。可愛い。

（缶とグラスがぶつかり合えば口元へと運び、数口分を飲み下した後につまみを食して。膝を抱える様にしながら一笑すると、再び缶の飲み口を口唇へと触れさせ呷り）折角買って貰ったんで着ておこうかなって。後は浩二さんが酔わせてくれなったんで、今日はどうせなら緩くいこうかなって。浩二さんもウケるＴシャツとか持ってないんすか？それこそガチガチにストリートのやつとか、ドクロ付いた様なやつとか。

ハハ、めちゃくちゃ似合ってるけど色気はねぇなぁ。ま、今日は楽しく飲むっつー話だったからさぁ。悠チャンを拗ねさせて酔わせるより笑って酔わせて段々判断力鈍らせる方が楽しそうじゃん？…ウケるTシャツねぇ。俺基本的に部屋着らしい部屋着持ってねぇからなぁ──あ、でも一個あるわ。…ちょい待ってて。(酒を飲みつつ思い出した様に声を上げ徐に立ち上がると相手の頭をくしゃりと撫でてから寝室へ進み。目当ての物を箪笥から見つけ出し、ライダースとカットソーを脱いで黒地に楷書体で『来るもの拒まず、去る前に一発。』と白のプリントが成されたTシャツを着てはリビングへと戻り愉快気に笑い)見てこれ、ヤバくね？

これ似合うのは嬉しいやら悲しいやらっすよ。…あーね、久々に喫煙所に居た時みたいに軽く飲むのもアリっすね。昔を思い出して浩二さんを弄ろうかしら。──うーわ、チャラい。そんなＴシャツ売ってるんすね。つかそれどこに着たんすか？…ウケる、軟派な方向でしっかりブランディングしてて笑えますわ。（相手がリビングを後にするのを手を振り見送っては、徐に立ち上がりキッチンへと向かい、冷凍の枝豆をレンジで解凍しソファーへと戻り。相手が戻るとプリントされた文字に思わず声を立て笑い、にやにやとしながら枝豆を口に運び）

でも可愛いよ…アレだ、ギャップ萌えみてぇな感じ。…ふ、喫煙所で飲んでた時とかマジで悠チャンに玩具にされてたからなぁ。いつもすーぐキスしてきやがって。──大学ん時の追いコンで貰ったんだよ。こーゆー下らねぇ下ネタのTシャツみんなで貰って着てゲラゲラ笑ってたわ。ま、それっきりほぼ着てなかったけど…悠チャンが笑ってくれたから引っ張り出した甲斐あるわ。(相手の笑いが取れ満足気な笑みを浮かべれば再びソファーへと腰を下ろし、テーブルに置かれた枝豆を一瞥しては相手を軽く小突いてから自分の唇を指差し、食わせろと言わんばかりに口を開けて)

あれでもあっちで飲んだ時は大分キスすんの我慢してたんすよ。人目もある事ですし。…でーも、浩二さんも喜んでてくれたんじゃないですか？拒まれた事なかったんで。──へぇ、下ネタＴシャツで集うって相当チャラいっすね。何系の学科だったんすか？…うん、ブレなくてスゲーウケました。俺のＴシャツ同様、色気ゼロっすけど。（枝豆を咀嚼しているも、相手の所作で要求を察すれば3つ程手に取り、楽しげに笑いながら口元に全ての豆を押し出して遊び）はーい、いっぱい食べてくださいねー。

ハハ、マジで？意外だわ。もう我慢しなくて済むんだから良かったじゃねぇの。…ま、そりゃ可愛い子とキス出来んのに断る理由ねぇし。悠チャン相手にはどんな時だって拒否る気起きなかったわな。──ガッチガチの経済学部。ま、サークル自体は飲みサーだったし、ウチの大学でけぇから色んな奴居たけど。…偶にゃ悪くねぇだろ。まぁ色気あるのが御所望なら脱ぎますけどぉ？(次々に口内へと入れられる枝豆に次第に笑いが込み上げてくれば漸く手が止まった所で口元を押さえて咀嚼して飲み込み。グラスを手に取り中身を飲み干しては言葉とは裏腹に小さく笑いながら相手を見遣り)…ふ、入れすぎ。ガキンチョめ。

今は今でたまにお預けされるんでウケますよね。まあ、随分と満足してますけど。…うん、きっと一度でも拒否られてたら自信喪失してたと思います。受け入れて貰えたのはありがたいっすわ。…そう言や俺等キスもですけど、良くハグもしてましたね。懐かしいー。──へぇ、経済っすか。賢そうっすね。飲みサーはウケる。バイトで飲んでサークルでも飲めんのは凄いっすわ。──ええ、目新しくて良い感じっす。着ててくださいよ、せめて写真撮るまでは。（相手が枝豆を食す姿を声立て笑いつつ眺めては、空いたグラスにすかさず酒を注ぎ。徐にスマホを取り出すとインカメに設定し、密着しカメラを向け撮影ボタンを押し）出たガキンチョ。久々に聞きますわ。

ま、それは俺みたいな奴に捕まっちまった以上しゃーねぇわな。良いじゃん、ちゃんとその後にご褒美やるんだし。…お前は意外とそーゆー所自信ねぇよなぁ、自己評価低いっつーか。多分俺だって態度出てたぜ？雨月さんとか遊佐さんに言われたわ。…あー、ハグは俺が好きだからなぁ。それこそ仕事で疲れてる時とかお前捕まえに行ってた気ぃするわ。──響きだけはな。だぁって俺が真面目にサークル活動する奴に見える？バイトで飲み方だけは覚えてたから楽だったしな。──フハ、普通こんなダセェの写真撮るかぁ？(スマホに映る自分と恋人の姿に破顔しては不満染みた言葉を口にしつつも、諦めた様に抵抗せずカメラを見据え。相手が密着してきたのを良い事に腰に片手を回しながら酒を飲んでは楽し気に肩を揺らして)ハハ、懐かしいだろ？すっかり言わなくなったよなぁ。

うん、我慢すればするだけご褒美が甘く感じるんで嫌いじゃないですよ。いつか俺も浩二さんにお預けしてみたいなー…ま、涼しい顔で躱されそうですけど。えー…浩二さん態度に出てました？やっぱ張本人って解んないもんなんすかねー…。自己評価が低いっつか、感覚が解んないんすよ。今まで付き合った奴には大体告白されてきたんで、俺から追い掛けたのはほぼ初ってな具合で。へえ、浩二さんハグ好きなんすね。じゃあ沢山しなきゃ。──あー、スポーツサークルとかで爽やかに汗流してるイメージはないっすわな。元よりサークルに入んないでクラブとかで遊んでそうなイメージだったんで、意外っすわ。…ふっ、だって思い出した時に見たらウケません？浩二さんのダサいとことか貴重なんで、お宝写真っすわ。（撮影したばかりの写真を満足げに眺めては、相手に転送しスマホを仕舞い。腰に手を回されれば、酒を飲む相手の邪魔にならない様に配慮しつつ肩口を抱き締め髪を撫で）最近よく致してるんで、俺っちも大分垢抜けて来たでしょ？なーんて。

とびっきりのご褒美用意してくれんならお預けされてやっても良いけど、俺あんま堪え性ないからなぁ…つっても悠チャンだって俺に待てよくしてたじゃん。俺は出してねぇつもりだったけど、他から見たらそうでも無かったみてぇだわ。まぁ冷静に客観視なんか出来ねぇよなぁ。…告ったのは俺からじゃん。まぁあんな話した後だったしもう勝ち確みてぇなモンだったけどさぁ。──ま、交友関係は広い方が何かと便利だろ、代返とか頼みやすかったし。…まぁどーせ悠チャンぐらいにしかこんな所見せねぇし。俺のかわい子チャンがご満悦なら上々ってなもんで。(肩に手を回されると目元に口付けを贈ってから一度身体を離しグラスをテーブルへと戻して。空いた手で相手を呼ぶ様に自分の腿を軽く叩いては横目で見つめ)そりゃもう毎朝見る度にイイ男になってんよ。愛してるよ。

あーね、浩二さんが耐え性なけりゃ俺も直ぐにご褒美あげちゃう質なんで、成立するか怪しいっすね。…あっは、そうでした。だってお楽しみはじっくり味わいたかったんですもん。俺の欲張りのせいで待てしちゃってごめんなさいね。──まあ繰り返しになりますけど、あそこの皆さんは勘が良いですから。俺も他人のは良く気付けるんすけどねぇ。…告白は…俺がお強請りしたんで、先に告ったのはやっぱり俺。ぶっちゃけマジで告白して貰えるとは思ってなかったんで、吃驚しましたわ。──うん、俺アホなんでこう言う意味のない遊び好きなんすよ。でもってさっきは色気ゼロって言いましたけど、これはこれでヤンキーっぽくていけますわ。（目元へと送られる口付けを瞼を伏せ享受しては、誘われる儘に腿へと跨り唇に弧を描きつつ鼻先を触れ合わせ。目を細め甘く囁くは）毎朝ってのは大袈裟っすよ。でも嬉しいです。…あとちょっとお酒が欲しいな。飲ませてくれます？

我慢してるとガラ悪くなるしなぁ、猛犬にそりゃもう手酷く噛まれちまうかもだし。…ま、あれはあれでその後楽しかったし別にいーよ。今では誘ってくるぐらいに成長したし。──あー、悠チャンもよく気付くよなぁ。俺も身につけてるモンとかでなら流石に分かるけど雰囲気とかは分かんねぇわ。気ぃ抜くとついついお前ばっか見ちまうから。…そりゃ多少悩みはしたけど、でもあんな男前な事言われちまってなぁなぁに出来ねぇよ。流石に自分でお前の事好きだって気付いてたから尚更。言われたからっつーのはそりゃデカいけど、あん時の言動全部引っ括めて俺のお前への気持ちだわ。──俺が悠チャンに嘘ついた事あった？マジで見る度に好きになってんの。…ハハ、しゃーねぇなぁ。可愛かったからいーよ。……ん、(鼻先の戯れ合いにくつくつと喉を鳴らしてからテーブルのグラスを手に取り、残りを半分程飲んでから口に含み。相手の顎を掴むと唇を重ね暫しその柔らかな感触を楽しんでから舌と共にゆっくりと液体を流し込んで)

俺にそんなん言ったら興味持つに決まってるじゃないですか。大きな犬に押し倒されてがっつかれるなんて、願ってもない。──浩二さん清楚な奴が好きらしいんで誘うのどうかなって思ってたんすけど、安心しましたわ。お誘いなら大の得意です。…あー、まあ他人観察するのはバーにしろ服屋にしろバイトで鍛えられて得意なもんで。つか俺の事見ててくれたんすね。鈍感だから全然気付かなかったんすけど、だから俺が惚気てるのとか知ってるのか。ウケる。──嬉しいなぁ、そんなに考えててくれたんですね。浩二さんスゲー悩んでたんで、あの日は俺の事を好いててくれてるだなんて思ってませんでしたし、この儘だときっとこの人、情に流されて俺と付き合っちゃうなって思ったんです。だから冷静になった時になった時に振って貰って、あわよくば友達でいて貰おうと思って告白してくださいって言ったんすけど…幸せだなぁ。──ちゃんとお強請り出来てました？やった、俺も成長したもんだ。…ん…っ、（相手が酒を含んだのを認めては期待する様に喉を鳴らし、恍惚と瞼を伏せ触れ合う唇の感触に鼓動を喧しく高鳴らせ。口内へ液体を流し込まれれば喉仏を上下させ飲み下し、ふわりと脳が揺れる心地を感じながら悪戯な笑みを刻み耳元で囁き、ソファーを降りて寝室へと向かい）…ごちそーさまです。美味しかったですよ。じゃあ、後はお預けです。今日は良い子で寝ましょうね。…あ、蹴って休んじゃってくださいね。愛してますよ、お先にベッドに行ってます。

…っんとに、言うようになったなぁ。んじゃそん時はそりゃもう手加減ナシで骨の髄までしゃぶってやろ。──俺が清楚系好きなのは、俺の手の中で変わってくのが1番分かりやすいからなんだわ。俺の好みのヤり方覚えてくのが可愛いから、そーゆー意味じゃ悠チャンすーげぇ可愛いよ。…そ、ついつい目で追っちまうの。自然とお前の話しちまうし。多分付き合う前の方が俺ちゃんとあっちで他の人の事に気にしてた気ぃするわ。ダメだなぁ。──悩んでたのはそれこそ悠チャンが恋愛と情をごっちゃにしてんだと思ってたからだわ。…最初ん時に自分で言ってたし。だから付き合ってからそれに気付いた時にはちゃんと手ぇ離してやんなきゃなって腹決めてたんだよ。ま、要らねぇ心配だったし俺も今幸せだからもう終わった話だけど。──はぁ？…んだよ。……あークッソ。(再度口付けをしようとした所で甘く囁かれた言葉に声を上げては不満顔で背中を見送り。タバコを取ろうとするも無いことに気が付き低く唸り、後頭部を乱暴に掻きながら寝室に進み。ベッドに横たわる恋人の姿を視界に留まれば覆い被さり燻った衝動をその儘発散してしまいたい欲に駆られるも、寸前で押し留め代わりとばかりに首筋に吸い付いて痣を刻み、真新しいTシャツを捲り胸板と脇腹にも同様に濃い鬱血痕を残してから隣に横たわり、抱きしめながら目を閉じて)…この位で済ませんのは充分良い子だろ。おやすみ、悠チャン。愛してるよ。

骨の髄までって魅力的ですね。是非とも喜んで。じゃあ浩二さんが沢山フラストレーション溜める様に、俺も頑張って待てしますね。──あーね、まっさらなキャンバスを自分好みに汚していく感覚っすか。良い趣味してますね。浩二さん好みにカズマイズされたら、他の人と致しても物足りなくなりそうっすわ。…あー、俺も一緒っすわ。家で幾らでも見れるのに、浩二さんばっかり見てます。お兄さんが皆に気を回してるのは知ってますよ。寧ろ俺の方がその辺は鈍ってますわ。──あれ、浩二さん俺と別れようとしてたんですか？今度詳しく聞かなきゃ。（寝具に横たえ眠りに就くべく瞼を伏せているも、突如として覆い被さられると咄嗟に寝た振りをし。普段より些か荒々しい雰囲気に胸を高鳴らせつつ、キスマークを刻まれる度に体を跳ねさせ甘い吐息を溢しては、相手が眠りについたところで薄く目を開き腕の中で擦り寄り）…やば、やっぱお預けできないかも。…おやすみなさい、愛してますよ。

(代休申請を済ませていた事もあり、久方振りに惰眠を貪っていれば聞こえてきたインターホンの音で目を覚まし鈍い頭の儘昨日購入した配送品を受け取り。荷物をキッチンへと運ぶとキャットタワーで寛ぐ愛猫に朝の挨拶をしてからシャワーを浴び身形を整えて、再びリビングに戻りPCを開くと肩にかけたタオルで髪を拭きながら、ビーズクッション専門の店のHPを眺めて)…どーしよっかなぁ。