No title（〆）

まぁなぁ。落ち着いてくれねぇ事には身動き取れねぇわ。悠チャンもバイトん時ちゃんと気ぃ付けてな。──ふ、良いじゃん雄太郎、可愛いよ。…あー、俺のはちと捻じ曲がってるから親御さんのとは一緒に出来ねぇけど。でも可愛いな、旨そうだなぁって思うと噛みたくなるよなぁ。(眼前に差し出された腕に数度瞬きをしては、不意に口端を吊り上げゆっくりと相手袖を捲り、捕食する様に大きく口を開いて歯を突き立て、薄い皮膚と筋肉越しに骨の感触を感じながら歯を食い込ませれば一頻り満足した所で口を離しては赤黒く染まった箇所を軽くなぞり上げて。次いで聞こえてきた声に思わず渋い表情をしては)うーわ、思い出さなくて良いのに。どうせ碌なモンじゃねぇし。

そっすね。感染しちゃったら浩二さんにも超濃厚接触で移しちゃうんで、気を付けます。──捻じ曲がってるねぇ。噛む事自体よりも、反応を楽しんでるって事ですか？…イテテテテ…ッ、（軽く噛まれる事を想定していれば、突き刺さる様な痛みが走り自ずと指に力が。表情を歪め歯を食い縛り堪えては、くっきりと刻まれた痕を見て思わず吹き出し）…ふっ、ウケる。今日も容赦ないっすね。──えー、折角なんで観ましょうよ。どうしてもってなら、日を改めますけどー。

ハハ、俺ら罹ったらやべぇよなぁ。減ったとはいえ喫煙者だし、肺に不安しかねぇわ。──噛んだ時の歯応えとかも好きだけどなぁ。まぁ、耐えてる顔とか泣き顔もエロいし、噛んだ後に不安と期待で入り混じった顔で見られた時とかそりゃもう最高。…つーか手加減して欲しかった？悪ぃな、据え膳は食い尽くして良いって教わったもんで。(強請る相手の声に観念した様に立ち上がりテレビ台の上に放置していたDVDを手に取りケースを開け。盤面に書かれた文字が自分のものだと気づけば眉間にシワを刻み、低い声で呟くもプレイヤーにセットして踵を返してソファーに座り込むと恋人を呼ぶべく隣を叩きつつ億劫な表情を隠さずにリモコンを操作して)しゃーねぇなぁ。マジで一回中身確認しときゃ良かった…──うっわ…最悪。これホームビデオじゃねぇわ。…よりにもよってこれかよ。

うーわ、めちゃくちゃごめん。今気づいたけど名前間違えてるわ。心配させる様なことなんもねぇからそれだけ言わせて。こっちは蹴ってくれな。マジでごめん

そっすねぇ、喫煙者の男って割とコロちゃん的には環境整ってますからね。近頃じゃ若者も油断出来なくなってますし…万が一に備えて、思い残す事がない様に準備しておきますか。──ははっ、不安と期待が入り混じるって、急な入学式感っすね。据え膳はそうですね、食って貰えた方が俺としても光栄っすわ。只、どうせ召し上がって貰うんでしたら腕なんて硬いとこ差し出すべきじゃなかったです。これは俺の失態ですわ。──わーい、ありがとうございまーす。何のＤＶＤでしょ。1週間以内にダビングして回さなきゃいけない奴かしら。（ＤＶＤに表情を顰める相手を不思議そうに眺め目を瞬かせ眺めるも、ソファーへと招かれれば緩慢に立ち上がり指定の場所へと腰を下ろし己の膝の上で頬杖を突いて画面を眺め。一連の所作や言動から内容を察すれば、口唇ににまにまと悪戯な笑みを刻み）思春期の映像ですか？例えばバンドとか。

本当だよなぁ、数減る気配ねぇしニュース見てると気が滅入るしなぁ。…んな不吉な事言うんじゃねぇよ。でも少なくとも指輪渡すまでは無理だな。──フハ、確かに。でも良いモンだよ、あの目…めちゃくちゃアガる。いや？硬い所もそれはそれで俺好きだよ。じゃなきゃ首とか噛まねぇし。柔らかい所はズブズブ歯ぁ入ってくし、硬い所は弾力がイイ。──げ。ダビングとかぜってぇやめて…恥ずくて死ぬ。(リモコンのスイッチを押すと決して良いとはいえない画質で再生が始まり、薄暗い講堂でステージに爛々とスポットライトが当たる映像が流れ始め。学ランを身に纏いスタンドマイクの前で重低音アレンジした洋楽を披露するカバーバンドの姿に気恥ずかしさを覚えつつ目を細め)なぁんでお前は勘が良いかなぁ。…黒歴史一歩手前よ、こんなん。

まあ数減るとしたらこれからじゃないっすかね。…あっは、冗句っすよ。でもって指輪のチラ付かせも死亡フラグ立ってますわ。俺、４月に指輪貰うんだ…って言って叶わないパティーンっす。ウケる。──…ソムリエだなぁ。何にせよ腕は若干痛みに耐え易いんで、浩二さん好みの目が出来なかったのが残念っすわ。…あれだ、呪いのビデオを誰かに回す感覚で喫煙所にぽつんと置いておきます。…おー、上手じゃないっすか。高校生でアレンジ出来るって凄いっすね。あれ、これって噂の脱ぐ奴ですか？（楽しげに目を細めつつ映像を眺めているも、演奏が始まればその実力に思わず拍手し感嘆の声を揚げ。若かりし日の相手を愛しげに眺めるも、徐に問いと視線を投げ）

ハハ、ぜってぇ叶えるから大丈夫。つーか、俺が罹ったら悠チャンも確実に罹ってるからそれこそ病める時も健やかなる時もってな感じじゃん。──いや、今その顔見せられたら我慢出来る自信ねぇよ。俺そんな出来た人間じゃないわ。…ぜってぇダメ。これ見終わったらDVD割るわ。…あー、アレンジは基本ダチ。俺マジで歌うしか出来ねぇもん。多分最後の方脱ぐわ…。毎回学ランもシャツも脱いで観客に投げて学ランだけ後で回収してた。(メロウな曲を色気を振り撒き観客を煽る様な歌い方で歌う十代の自分は見るに耐えなく、ため息を漏らし視線を逸らす様に隣の首筋に顔を埋め。ライブも終盤になり、一際ノリの良い曲調へと音楽が変化したのを聴きながら相手の視線に苦笑で返して)

上手い事仰いましたけど、ここまで禁煙の流れにならねーのが俺等らしいっすね。長生きできる様に少し辛抱してみます？…えー、割るのは駄目っすよ。折角の思い出なんで、俺がまた見たくなった時のために大事に保管しましょ。ほぇー、才能ある友達が居たんすね。じゃあ脱ぐの楽しみにしてます。でも後から回収に行くのはウケますね。学ランゲットした子は残念っすわ。…つか色っぽい。こんなの会場で観ちゃったらそら惚れますわな。（うっとりと見惚れる様に画面へと視線を注ぐも、恥じらい気に首元へと寄せられた頭部に一笑しては緩やかに撫でて。曲調が変化すれば期待を孕んだ目線を映像へと戻し、集中して見据えて）

ん…悠チャンが控えて欲しいってんなら努力はするわ。どーせ家に篭ってる間はそこまで吸わないし良い機会かもな。…いやー…キッツイんだもん、コレ。俺の知らない所でこっそり見て。…ん、音楽好きな奴が周りに多かったしな。俺も音楽好きだからってのもあるんだろうけど。ライブしてる時に盛り上がってりゃなんでも良いのよ。別にみんな俺見に来てるって訳でもねぇし…左端のギターやってる奴が確か1番モテてた。(ギターソロに移れば被せる様に黄色い声が上がり思い出した様に視線を上げ、ハイライトの入った重ための前髪の友人を指差して。次いでまた自分の声が聞こえてくれば競う様に野太い声であだ名を呼ばれて破顔する姿が映り、歌いながら学ランを放り続け様にシャツの釦に手を掛け楽しげに歌う姿を横目で見つつ)

じゃあ喫煙所以外では、健康の為に控えて欲しいです。勿論俺も吸わないですしねん。口が寂しくなったらキスしてくれて良いですよ、なんて。…あー、類は友を呼ぶって奴ですかね。やっぱギターやってる奴ってモテがちっすよねー…お、確かにイケメンっすわ。（言葉とは裏腹に恋人以外のメンバーには殆ど目を向けず軽い口調で褒めては、次いで相手へと注がれる盛大な歓声に嫉妬した様に眉の位置を下げて。学ランを脱ぎ捨てる場面では口元に手を添え息を呑み、シャツへと手が掛けられれば胸を高鳴らせつつ次ぐ所作を見守り）…お…いよいよかしら…。

分かった、良いよ。ただ、今でも会社では1日1箱は空にしちまうからさ、その俺が禁煙出来たらそりゃもうとびきりのご褒美くれんだろーなぁ？…そうかも。でも今考えるとバンドやりてぇって言い出したのもただコピバンやるのダセェって言ったのも俺なのにアレンジは丸投げってなかなかクソ野郎だなぁ。だろ？まぁドラムもベースも目立つ見た目してたしフツーにモテてたけど、俺らみてぇに煽るタイプでは無かったから。(シャツの釦を全て外し終えれば会場の盛り上がりも一層激しくなりサビに入った所でそれを放り、歌いながら浮かべる笑顔はガラの悪いそれで。曲が終わると他のメンバーもそれぞれ私物を投げて、観客に手を振りながら捌ける所でプツリと映像が止まり、漸く顔を上げて)あー…マジでクソガキ。でもやっぱ楽しかったんだよなぁ。

１日１箱は流石に身体が心配っすわ。それだけストレスが多いんでしょうけど。ご褒美はそりゃ勿論、浩二さんが望むもの何でも差し上げますよ。…あんまり音楽の事は知らないっすけど、アーティスト気質の奴は案外自分のしたい様にしたいってタイプが多いんで不平はなかったんじゃないですかね。全員モテモテだったんすか。凄いなぁ。──…おわっ、脱いだ。良い身体や。…あー、終わっちゃった…浩二さんの青春を垣間見れて嬉しかったですよ。ありがとうございます。（相手がシャツを投げ捨てれば再度息を呑み、画面へと釘付けになり。瑞々しい肉体を食い入る様に見据えるも、映像が終わればはっと我に返りリモコンでＤＶＤを消して。満足気に相手の方を見ては、礼を告げつつ肩を抱き締め。徐に手を繋ぎ立ち上がると、寝室へと向かい足を進め）さーて、そろそろ寝ましょうか。気が付いたらもうこんな時間だ…蹴って寝ちゃってくださいね。

おー、おー。言ったな？何でもか…イイ響きじゃねぇの。ま、折角悠チャンからイカしたジッポ貰ったのに勿体ねぇ気はするけどなぁ。可愛い恋人からのお願いを断れる訳ねぇからしゃーない。──いやー…お粗末さんでした。マジで勘違いしてるクソガキの集まりだし、恥ずかしいったらありゃしねぇわ。でもまぁ、見せれて良かったわ、喜んでくれたみてぇだし。(気恥ずかしさを振り払う様に深いため息を吐いてはくしゃりと笑顔を浮かべ、相手の抱擁に応えるべく腕を腰元へと回し。引かれる儘に緩い足取りで寝室に着くとベッドへ寝転がり、両手を広げながら相手を待ち)今日も遅くまでごめんな、んであんがと。おやすみ、悠チャン。愛してるよ、大事にする。

ええ、文字通りなんでも。…とか言って、もう随分と差し上げてるつもりなんで、とっておきはなかなか見当たらないかもなんですけど。──お粗末だなんてとんでもない。少なからず俺にとっては掛け替えのない映像でした。（寝室へと辿り着くと寝巻きへと着替え、相手の腕を枕に横たえて。うつらうつらと瞼を揺らしつつ言葉を紡いでは、間もなくして眠りへと就き）いいえ、俺の方こそ毎日すんません。おやすみなさい、愛してますよ。

──おはよ、ココ。(目覚めたものの二度寝を決め込もうと再び目を瞑るも身動ぎしている内に段々と頭が覚醒してくれば名残惜し気に寝具を後にして、シャワーを浴びパーカーを着てリビングへと。愛猫を抱き上げ鼻先にキスを贈ってから餌の用意をして床へと下ろし、ふとアメスピの箱が視界に移れば否応無しに恋人との昨夜のやり取りが脳裏に浮かび、徐に箱を手に取り蓋を開けて中身を1本ずつフィルターの付け根から手折りゴミ箱に注いでは最後に箱を握り潰し捨てて)

（何度寝かを繰り返し目覚めると、既に日は沈んでいて。未だ覚醒し切らぬ儘上体を起こし寝巻きの儘リビングへと向かうと、ソファーの上で丸まり再びうつらうつらと）おはよーございます。…って、すっかり夜ですわな。しこたま寝た癖にまた寝ちゃうかもなんで、お出掛けとかしちゃってくださいね。…んー、何でこんなに眠いんだろ…。

おはよ、悠チャン。…あー、最近夜更かしさせ過ぎてたから疲れ溜まってんのかもな。気にせずゆっくり寝てていーよ。休みの日はダラダラするのが1番だし。(愛猫と戯れている最中、寝惚け眼の恋人の姿が視界に映れば緩んだ表情をそちらへと向けては緩慢に歩み寄り、ソファーの傍らに腰を下ろして。片手で相手の前髪を梳き撫でて穏やかな声色で告げてからスマホに視線を落とし、SNSを流し見て)

悠チャンごめん。多分、俺の勘違いじゃなきゃ悩ませちまってんじゃねぇかなって思うんだ。
全面的に俺が悪いし言い訳のしようがねぇから、あんまアレコレ説明してもなって思ったんだけど、俺がモヤモヤしちまうから話させて。もう全然無かったフリ出来なくて、自分でも情けねぇの。
すっげぇメタい話だし、この話に触れんのが正解なのか俺にも分かんねぇ。もし悠チャンが見たくねぇってんならそれはそれでしゃーないから、もうこっからは自由にしてくれな。俺に無理強いする権利なんかねぇわ。


まずは名前間違えたのはマジでごめんな。
本当に心配させる様な事はこれっぽっちも無くて。ただ単にお前待ってる間にロル練習しよって思って専用トピに打ち込んで確認してただけなんだよ、投稿すらしてねぇわ。
でも悠チャンから返信きたらついつい犬みてぇに飛びついちまうから、名前戻すの忘れててあんな事になっちまったけど…。
信じて欲しいっつーのは流石に狡過ぎるから…そうだなぁ、今後の行動で分かっていってくれりゃあ嬉しいなとは思う。
勿論、もう愛想尽きたって言われても不思議じゃねぇし、気持ちも理解出来る。俺からしちゃ身から出た錆だし悠チャンがどんな選択肢取ったとしても受け入れる心算でいるわ。てかマジでそんくらいでしか誠意の示し方が分かんねぇ。

あー、本当結構ずっと悩んでたけど何回書き直しても浮気野郎のクソ文章にしか見えないからこーゆー所だよなぁ。言わずもがな、蹴ってくれな。上のも辛かったら無理に返信しなくていーよ。本当ごめんな。

疲れが溜まるどころか寝っぱなしなんで、人間からナマケモノに変化したのかもしれないっすわ。…んー、毎日が休みなんだよなー…じゃあ、もうちょっとダラダラしたらちゃんと起きます。…膝枕ー。（眠気に打ち勝つべく瞼を揺らすも、髪を撫でられれば誘惑に勝てず目を閉じリラックスした様に鼻孔から深く息を溢し。暫しすると再び目を薄く開き、視界に相手を捉えつつ強請る様に甘い声を出して）




すんません、反応しちゃいますね。俺の方も誤解させてたみたいで申し訳ないっすわ。名前の件は全然問題ないんで、気にしないでください。物足りなくさせてたら申し訳ないなーって若干凹みつつ、やらかしたなーってニヤニヤしてたくらいなんで、こんなに気にさせてた事が申し訳ないっすわ。連日明け方まで付き合って貰って浮気野郎とか思う訳もないんで、これは俺の本心として受け取っておいて貰えると助かります。多分俺のレスペが遅くて心配掛けちゃったかと思うんすけど、浩二さんがミスる前から眠気に襲われてて頭回ってなかっただけなんすわ。そんな状態で喋っても失礼かなって自粛してたんすけど、ちょっとエナドリでも飲んで復活させておきます。…って事で、俺の方もすみませんでした。変わらず愛してるんで、こっちは蹴っちゃってくださいね。