No title（〆）

あれ、サンタさんみたいに伸ばさなくて良いんですか？なーんて、似合いそうで良いじゃないですか。ははっ、やっぱココちゃんも女子、ツルツル男子が好みなんすかねぇ。俺は男らしくて好きですけど。──…あっは、既にちょっと痛いっすわ。キスに支障が無ければ俺としては構わないんすけど…うん、大丈夫そうっすわ。（手に絡められた指を握り返しつつ、僅かに頬に感じる痛みに笑い声を立てては触れるだけの口付けを贈り満足げに笑みを湛え。続く会話には曖昧に目を細め、相手の首元へと顔を埋めて）…そっすねぇ。このご時世で俺を雇い続けたいと思ってくれての措置だって自覚はあるんで、弱音吐かずやりますよ。でもって俺っち滅茶苦茶太り易いんで、きっと心配しないでも瞬く間に噛み心地良くなりまっせ。レアな浩二さんかー…どんなんでしょ。オネェ系浩二さんとか？

流石に顎だけにしとかねぇと厳ついんだもんよ。──まぁザラザラなんは最初だけだからさ。もうちょい伸びりゃマシになるよ。…ふ、そりゃ良かったわ。(唇に口付けられればくつくつと肩を揺らしては髭の感触を確かめる様に顎に触れて。首元に相手の体温を感じれば手を止めて相手の頭を優しく撫で遣れば髪の毛越しに口付けて)ん、そんだけ期待されてるって事だもんなぁ。まぁ、辛かったら別に俺の前で位弱音吐いたって良いんじゃねぇの。お、マジで？でもお前が旨そうに食ってるの好きだからさ、今月は出来るだけ飯作るよ。…フハ、オネェ系ねぇ。できっかな、見たい？

マジっすか。ご存知の通り、俺としては厳つけりゃ厳つい程好みなんすけど。浩二さんお顔立ちが濃いんで、きっと口髭生やしても似合いますよん。──…うん、期待値パネェの知ってます。最終的に商品作る部署に配属になったんで、そりゃもうひしひしと。ご心配ありがとうございます。深刻な様に見せ掛けて、実は週に2回とか3回しか出勤しないんだよなぁ。（己を労る様な相手の所作に思わず表情を緩めては、膝元で猫を撫でつつ至極明るい声色をし。次ぐ言葉には表情を輝かせ、目線を天井へと遣りつつメニューを思案し）やったー、浩二さんの手作りごはんだー。じゃあー…んー…焼き鳥が食べたいです。あと酒。──ウケる、ノリ良いっすね。じゃあ上手にオネェになれたら、一緒に二丁目に店出しましょ。…と思ったけどやっぱ駄目だ。浩二さんアッチの人からスゲーモテそうだ。

そりゃ似合っちまうんだけどさぁ…でも口髭が1番キスん時ウザがられそうだし。──マァジで？ゆくゆくは悠チャンが作った服が店頭並ぶ訳だ。そりゃ…ちゃあんと見に行ってやんねぇとだわ。ま、疲れはは出勤数と必ずしも比例する訳じゃねぇから、心配くらいはさせて。俺の特権だろ？(明るく振る舞う様に相手らしさを感じつつも小さく苦笑を漏らせば煙に巻く様に小賢しい言い回しで。思案する恋人を穏やかに見つめながら次ぐ言葉に破顔をしては思い当たる節に緩く頷き)あー、焼き鳥良いなぁ。せせり買ってきて甘辛く焼いて…ブルウォッカ飲みてぇな。最近ご無沙汰だし。──ハハ、そーね。オネェにはめちゃくちゃモテる自覚あるわ。二丁目にあるダチの店行くとスゲェ触られるし。

流石、そこちゃんと考えててくれたんすね。俺が常日頃キスを強請って煩いからかしら。──あっは、ベージュのスーツの日のお返しですか？でもあんな面白いもの披露できないんで、その時間あったら俺の着る服を買いに別の店行きましょ。…ん、そうっすね。じゃあ辛くなったら遠慮なく心配掛けます。でもご存知の通り能天気なんで、既に明日浩二さんと何して過ごすかで頭がいっぱいです。…うわー、タレのせせりはウメーなぁ。飯テロだぁ。俺はビールでくいっと流したいっすねー、こりゃ近々作らなきゃっすわ。──ウケる。俺も半分オネェみたいなもんだし、寄せ付ける何かがあるんすね。でも気軽に俺以外に身体触らせちゃ駄目ですよー。（苦笑する口端を指でくいっと持ち上げ、安心させる様に穏やかにに笑んで見せ。猫を抱き直し緩慢に立ち上がってはキャットタワーへと運び、相手の元へと戻ると方手を差し出し）…さて、そろそろ寝ましょうか。お腹減った時は寝て紛らわすのが一番ですわ。

(常時より長い睡眠から目が覚めれば眉間に皺を刻み億劫そうにベッドを抜け出し、シャワーを浴びてから身軽な服装へと着替え。スマホでニュースを確認しつつキッチンに赴きコーヒーを淹れている最中、マグを持つのとは反対の手で足元に擦り寄る愛猫を抱き上げ、癖で頬擦りをしそうになるのを何とか鼻先への口付けに留めて、その儘ソファーに腰を下ろしつつ腕の中からの険しい視線に苦笑して)…いや、そんな顔しねぇでも良いじゃん。別嬪が台無しだぞー、ココ。

（目を醒まし隣を見るともぬけの殻で。僅かな侘しさを抱きつつ寝具から抜け出しては、襟ぐりの広いカットソーと黒のチノパンを纏い洗面台へと。身形を整えリビングへと向かえば、ソファーの背もたれ越しに背後から恋人を抱き締め、頬を擦り寄らせて）おはよーございます。順調にお髭が伸びてますね。家に籠るしかねーし、映画でも観ておきます？…つか、ココちゃんご機嫌斜めっすね。つんとしてても気高くて可愛いー。

(コーヒーを啜りながら機嫌を伺う様に愛猫と見つめ合い、不意に背後から手が回れば先程とは打って変わって甘ったるい声を上げる彼女と恋人の温もりに破顔して。自分の肩越しに背凭れへと前脚をかける猫の体重を支えながら首だけで振り返ってはマグカップを持つ手を遠ざけつつ頬に口付けを贈り)おはよ、よく寝れた？お、映画いいな…あー、でも晩飯用に買い物行きてぇわ。…そーなんだよなぁ。昨日ココが嫌がってるの可愛すぎて昼間頬擦りしまくったからかも。

わー、ココちゃんこっちに来るのー。可愛いねぇ。ゆーくんほっぺつるつるだもんねー。（目を細め頬への口付けを享受しては、身を乗り出す猫に表情を緩めつつ緩慢に上体を正し小さな体を抱き上げて。猫撫で声で話し掛けながらふわふわの毛並みに頬を擦り寄せ幸福を噛み締めては、相手の隣へと移動し腰を下ろして唇を啄み）ええ、お陰様で爆睡でした。お、ショッピング良いですねー。じゃあ一緒に行きましょ。…つかウケる、嫌がるのが可愛くてしゃーないって、愛で方が本当にパパみたいっすわ。

ハハ、妬けるわぁ。俺の目の前でイチャイチャしやがって。(言葉とは裏腹に嬉々とした声と緩んだ表情で愛猫と恋人の戯れを見つめては手の中のマグをテーブルへと置き。隣へと着座する肩に腕を回し手の甲で軽く頬を撫ぜつつ唇への甘い感触に応えるべく下唇に軽く舐めて)そりゃ何より。鶏肉と酒と…タバコも買っておきてぇわ、そろそろ切れるし。…だあって可愛いんだもん。今更だろ、マジで娘みてぇな感じ…嫁に出したりしたくねぇわ。…ん、

今ココちゃんと心で会話したんですけど、パパ髭剃ってーって言ってますよ。でもゆーくんは伸ばしてーって言ってます。究極の選択ですね。（これ見よがしに猫の鼻先へと口付けをしては、冗談めかす様にウィンクをし。肩へと腕を回されれば身を寄せ、瞼を伏せつつ頬を撫でる手の感触を楽しんで。下唇をなぞる舌先に短く息を呑んでは、甘く吸い上げてから解放し、次いで相手の手の甲をそっと握り）お、早速焼き鳥パーティーっすね。やった、じゃあお買い物行きましょ。…うんうん、何処ぞの雄猫に盗られちゃうのを想像したら泣けますね。でもココちゃんの産んだ子猫とかスッゲー可愛いんだろうなー。

フハ…パパのお髭期間限定だから我慢して欲しいなぁ。パパは娘ももちろん可愛いけど嫁さんも溺愛してんの。(恋人の冗句に思わず吹き出し、嬉し気に相手の腕に収まる愛猫と視線が絡めばくしゃりと笑顔を作り甘ったるい声で呼びかけながら喉元を掻くように撫でて。握られた手の甲を返し色の白い手を握り返し暫し悩む様に視線を動かし、不意に相手の頭上に腕を通しながら立ち上がっては軽く引いて)──あー、ココの子供とかそりゃぜってぇ可愛い。間違いねぇわ…いや、でも…やっぱやだ。…んじゃ、買い物行くか。スーパー混んでそうで嫌だけど。

あっは、犬から嫁に昇格させちゃって良いんですか？不意打ちで吃驚しちゃいました。じゃあ、ココちゃんが慣れるまでもう少し辛抱して貰わなきゃですね。──ん、行きましょ。多分結構混んでますよねー。やべーな、待つ事が出来ないで有名な俺がレジ列にちゃんと並べるかしら。（不意を突く呼び名に照れを隠す様に俯き加減で一笑しては、喉元を撫でられ心地良さそうにする猫の頭を撫でて気持ちを落ち着け。手を引かれる儘相手に続き立ち上がれば、上着を取りに行くべく一旦手を離し相手の迷彩柄のシャツジャケットと自身のマウンテンパーカーを手にして戻り、空の手でマスクを持つと相手の口許へと着けて）アウターこれで大丈夫でした？…よし、マスクの厳つい男前の完成。出発だー。

良いんだよ、俺の可愛い犬っころで愛しの嫁さんっつーのは両立しねぇ訳じゃねぇし。恋人の事をBaeとかCutieとか… Wifeyとかって言うのと一緒。ふ、早く慣れてくんねぇとパパ悲しーなぁ。──大丈夫だろ、ちゃあんとリード握っててやるし。(先程までとは僅かに異なる甘い声で返答をして愛猫から手を離しては恋人の髪を軽く撫で梳いて。緩慢に廊下へと向かいながら戻ってきた恋人が持つシャツジャケットを受け取ると、次いで手にしたマスクにその後の行動を予測すれば委ねる様に軽く首を伸ばしされるが儘に。シャツジャケットに袖を通せば再び恋人の手を取り玄関を潜り)おー、サンキュ。…ん。厳ついは余計なんだよなぁ。

ほえー…やっぱ浩二さん英語詳しいんっすね。俺は精々solt baeさんくらいしか知らねーっすけど、きっと甘い言葉なんでしょうな。どうやらハワイ旅行は安泰だ。──リードって、手の事ですか？それなら何時間でも待てるかもです。ははっ、厳ついは褒め言葉なんだけどなー。マスクしたら普段以上に魅力的に見えちゃうんで、逆ナンされねー様に俺から離れないでおいてくださいね。（聴き慣れない英単語に目を瞬かせるも、尊敬の眼差しを注いだ後に屈託のない笑顔で拍手をして。相手にマスクを着けた後に自身も着けると、マウンテンパーカーを羽織り手を握り返して相手に続き玄関を潜り。外に出ると、繋いだ手を楽しげに大きく振りつつ往来を進み）なーんか自粛ムードのせいでデートが久々な感じがしますねー。楽しいや。

ハハハッ！solt bae懐かしいわ。一時期流行ったよなぁ…ふ、ダメだ。歯が浮くくれぇ甘い事言ってやろーと思ったけどもー無理。…ま、英語は日常会話くらいなら何とかなるよ。──そ。腕組むのも好きだけど、こっちのがバカップル感すんだろ？いや、そりゃこっちの台詞…ま、流石にスーパーで逆ナンするトチ狂った奴ぁ居ねぇだろ。どちらにせよ離れたりはしねぇよ。(相手の口から飛び出した予想外の単語の場違いさに快活な笑い声を上げて盛大に肩を揺らし、一頻り笑った所で落ち着ける様に息を吐いては軽く手を左右に振って。心地よい涼しさの外気に包まれながら隣を歩く恋人の機嫌の良さそうな表情に眦を下げては振られる手に戯れて勢いを付けつつ人気の少ない住宅街を進みスーパーへと向かい)確かになぁ。ま、こーゆー近場デートで良いんならいくらでも。…どっちかっつーとデートってより、それこそ新婚みてぇだけど。

タイムリーに今日は肉を扱うんで、好きなだけ肉叩いて刻んで塩振っちゃって良いっすよ。…えー、歯が浮く様な甘い事言ってくださいよー。聞いても多分意味は理解出来ないですけどー。ほえー、賢いっすね。俺は英語はからっきし駄目なんで、羨ましいっすわ。──ははっ、馬鹿ップルで良いんですね。今日の浩二さんはやけに甘いっすね。砂糖でも舐めました？新婚かー、良い響きだ。好きな人とこうして買い物して、ご飯作ってーって言うの憧れだったんで、一気に２つ夢が叶っちゃった気分です。（想定外に相手の笑いの壺を擽る事に成功すれば、悪い笑みを浮かべ追撃で冗句を。手を振り歩く所作に便乗して貰えば嬉しげに目を細めるも、徐々に腕に疲労が溜まり振り幅は小さくなり。告げられた台詞に一笑しては、宙へと視線を遣りつつ感慨に浸る様にぽつりぽつりと言葉を紡ぎ。目的地へと辿り着くと相手の手を解放し、カートに籠を載せて店内を見渡し）よーし、着いた。やっぱ最初は酒っすかね。

ッふ…やめろって。そもそもお前が俺のBaeなんだからその役目は悠チャンだろ。…久々だから文法合ってるか微妙だけど…Hmm…I'll do whatever it takes to keep us together…とか？英語出来んのは賢いとかってより家系的になぁ。爺ちゃん日本語出来ねぇから。──ふ、はは…そんなん聞かれたらさぁ。この流れだと、お前が俺のsweetieだから…みてぇな事を言いたくなっちまうわ。…あー、確かに一緒に料理すんのは何気に初めてか。仕事から帰って飯作る気力ねぇしなぁ。(悩まし気に声を漏らし言葉を思い浮かべるように視線を上へと。暫し思案して絞り出した言葉に僅かに照れ笑いをしてから、続け様に紡がれる相手の軽口に喉を鳴らし、動きの緩やかになった繋いだ手を口元へと近づけて口付けを落とし。相手の視線を追う様に宙を見遣り緩く頷けば、視界に飛び込んできたスーパーの明かりに目を細め、自動ドアを抜けて店内奥の酒類コーナーへ向かい)ん、そーね。…あ、折角だしコカレロとイェーガーも買っとく？

冗談ですよ。浩二さんがやったら筋肉があるだけにサマになっちゃうんで。──…えっへ、何か外国語で言われるといつも以上に照れちゃいますね。あーね、でもやっぱ勉強する気ないとなかなか覚えれるもんじゃないっすよ。凄いっすわ。…ふっ、マジで今日は甘いっすね。早く家に帰って如何にかしちゃいたいです。（告げられた言葉の大筋を理解し俯き加減ではにかんでは、ふと漂う初々しい雰囲気に小さく吹き出して。相手に続き酒類コーナーへと足を運べば、ウォッカの瓶を籠へと入れた後に悪戯な視線と共に問いを投げ）ははん、さては俺を酔わせる気ですな？…なんてのは冗句ですけど、最近めっきり飲まなくなったんで多分すぐ酔っちゃうんで、一先ずビールだけにしとこうかな。浩二さんが酔わせたいなら別ですけど。

──…ふ、そーね。英語で言うとさぁ、どうしても日本語より考えながら物言うから恥ずい。お、褒められてる。んじゃ素直に喜んどくかなぁ。ガキの頃なんか日本語と英語ぐっちゃぐちゃだったけど。…たまにゃあな。甘やかしたい時だってあんだよ、気分屋だからさぁ。(空の手で口元を隠しながらクスクスと笑いを零して。買い物カゴに入れられたウォッカの瓶を一瞥してから棚へと視線を戻せばビールを幾つか手に取りカゴへと入れ、諦めた様に笑みを零し近くの清涼飲料水のコーナーに進み)…いつだって悠チャンの事酔わせてぇけど？ま、ウォッカあるし酔わせようと思えばいくらでも酔わせられっか。んじゃ次レッドブルかな。