No title（〆）

（寝具の端で丸まり頭部まですっぽりと布団を被りスマホでＳＮＳを確認していれば、頭上から聞こえる寝起き特有の気怠げな声で恋人の起床を察し、端末の画面を消して布団から顔を出して。相手に続き上体を起こしては、柔く微笑を刻みつつそっと相手の頭を撫でて）おはよーございます。今日は珍しく熟睡しましたね。頭、痛くはないですか？

あー、うん…おはよ。(布団の隙間から覗いた恋人の顔に僅かながら微笑みを向ける事に成功しては、布団の下で片膝を立ててその儘霞がかった様な頭を預け。相手の優し気な手の感触を暫し堪能する様に瞼を伏せ、投げられた問い掛けに心配させまいと否定の言葉を紡ぐために口を開きかけるも子供染みた悪戯心が芽生えれば整った上がり眉を態とらしく下げて相手を見つめ)いや……うん、ちと痛いかも。

えー、大丈夫ですか？可哀想に…痛いの痛いのー飛んでいけー。（相手の反応に心配げに眉尻を下げると、宛かも子供にする様に額を撫でておまじないのジェスチャーをし。次いで首を傾け触れるだけの口付けを贈れば、穏やかな顔付きで伸びをしてから寝具から抜け出すべく足を床へと下ろし）じゃあ薬飲んだら直ぐ治るはずなんで、ちょっと持って来ますね。いい子にして待っててくださいよん。

ふ…うん、大丈夫。(仮病を悟られない様に表情を保とうとするも、あやす様な相手の仕草の擽ったさに小さく肩を揺らし僅かに震えた声色で返し。口付けを予期すれば目を伏せ甘受した後、相手の身体が離れるのを感じ取り直ぐ様腕を掴むとこちらへと引き戻すべく些か強引に引き、先程までの弱々しさ等欠片程もない笑みを浮かべて)…嫌だ。つーか、別に薬なんて要らねぇし。フハ…ほら、なんせ俺の特効薬は悠チャンだし？

…お、さては嘘吐きましたね？顔が笑ってますよ。（腰を浮かせようした刹那、腕を引かれれば体勢を崩し相手へと身体を傾けるかたちとなり。先刻の震えた声を思い出し一方の眉を上げては、緩慢に振り返り相手の表情を見て仮病を確信し愉快げに肩を揺らし。徐に寝具へと足を戻し相手の腿へと跨がり腰を下ろしては、肩へと腕を載せつつ身を寄せて）特効薬は俺ねー…やんちゃな子に塗る薬はあるかは知りませんけど、お好きなだけどうぞ。俺も俺で、浩二さん不足でもう限界です。

ハッご明察。良いじゃん、俺の茶目っ気溢れる所嫌いじゃねぇだろ？(しおらしい振りをする必要が無くなれば悪びれもせずにくつくつと喉を鳴らしながら相手が時折するのを真似てウインクを飛ばし。自分に跨る恋人の肩と腰をそれぞれ片手で抱いては再びベッドへと寝転び、相手の腕の感触を確かめる様に頬擦りをしながら回した腕に力を込めて)…あー、最近マジでバタバタしてたから帰って直ぐ寝ちまうとかザラだったもんなぁ。それでなくてもこの間の件があったし。ごめんなぁ。

ええ、嫌いじゃないどころか大好きですよ。構い倒したくなります。──…大丈夫、忙しく働く男も好物なんです。それに俺が欲しい言葉はごめんじゃなくて、愛の言葉ですから。（細めた眼でウィンクを享受しては、口角を緩やかに上げお返しとばかりに一方の瞼を閉じ。背に腕を回されれば次ぐ所作は想像に難くなく、瞼を伏せ導かれる儘に上体を倒して自らも頬を擦り寄らせ。暫し抱擁を愉しんでから僅かに身を浮かせては、視線を絡めた後に再び目を閉じ、小さく音を立てて唇を啄み）

いつだって構い倒してくんじゃんか。すーぐ引っ付きに来て、こーゆー時は素直だよなぁ。──…ハハ、流石俺の恋人なだけあるわ。愛してるよ、悠チャン。お前が待っててくれるから俺は安心してバリバリ仕事出来るわ。…んで？愛の言葉だけでご満悦？(腕の中に収まり甘えた様子を見ては揶揄する様な口調で言うも口元が綻ぶのは抑え切れず。続く言葉には僅かに目を見張り直ぐに破顔すると軽い口付けを享受してから肩に回していた腕を相手の後頭部に滑らせて耳元へと唇を寄せ、リップ音と共に囁き指通りの良い毛先の感触を手慰みに弄びつつ口角を吊り上げて)

そりゃ犬なんで、飼い主に構われに行くのは当然ですよ。俺も俺ですけど、浩二さんもよく面倒がらずに構ってくれますよね。──…えへっ、愛してくれてます？俺も愛してますよ。やっぱデキる男の犬なら物分かりの良い犬の方が似合うんで、ちゃーんと良い子で待ってます。…え、言葉以上の物もくれるんですか？（紡がれた愛の句に僅かに肌の色を染め嬉しげにはにかんでは、抵抗せずに引き寄せられる儘距離を詰め耳元で囁かれた言葉にぞくりと背を震わせ。僅かな高揚感を覚えつつ甘い声で問うと、首筋から耳元へと微かな吸引音を立て口付けを贈り、お返しとばかりに囁くは）浩二さんがくれるものなら何でも喜んで。…こうして抱き締められてるだけでも、たまらなく幸せですけどね。

あー…でも悠チャンじゃなかったら多分面倒くさがってるよ、俺。基本的に落とすまでが楽しいタイプだったし。お前相手だから悪くねぇなって思えるだけ。──ん、まぁ色々我慢させちまってるだろーし、もうちょい仕事余裕出たらその分埋め合わせすっから楽しみにしてて。ちゃあんと良い子に出来る犬っころにはご褒美やんねぇと。(皮膚の薄い部分へと直に触れる唇の擽ったさに身を捩り、その箇所を撫で摩っては眼前へと寄せられた相手の首筋に鎮座する痣を盗み見て。跨った相手の太腿を揉みしだきつつも戯けた様に薄く笑んで)ハッ、マジで何でも喜んじまうもんなぁ。でもあんま餌やり過ぎると飢えを忘れそうだから今日は程々にしとこうかなぁ。

釣った魚に餌をやらないタイプっすか。そんなん聞いたら、俺もいつ餌を貰えなくなるか心配になっちゃうじゃないですか、なんて。…でも浩二さんに捨てられたらどうなんだろ、俺。…きっと野良犬そのものになっちゃうな。もう誰も好きになれないかもです。──あははっ、浩二さんが目一杯時間掛けてくれてるのは重々承知してるんで我慢はしてないですよ。でも旅行とか行きたいですね。ずっと思い出に残る様なトコ。（冗談めかす様に笑いを織り交ぜ言葉を紡いでは、ふと妄想に入り込み瞳を揺らすも直ぐに頭を振り払拭し。腿を揉みしだく手に擦り付ける様に腰を揺らし悪戯に笑むも、昂る寸前で相手の横へと横たえると熱を冷ます様に胸元へと顔を埋め）…ええ、何でも喜ぶ方がエロくて良いでしょ？…ぴえん、早速餌を取り上げられた。酷い。

アハハ！だぁって俺の事欲しくて欲しくて堪んねぇって顔させんのが1番良いじゃん。可愛くおねだりさせんのが好きなの知ってるだろ？…ハッそもそもお前を捨てるっつーのが想像出来ねぇよ。お前に泣いて頼まれたら手ぇ離す覚悟くらいは最初っからしてるけど、それ以外は悩む要素にすらなりゃしねぇ。──お前の為っつーか俺が楽しいから時間掛けてんの。でも…そうか、旅行ねぇ。時間さえありゃ海外行きてぇよなぁ。アメリカも好きだしヨーロッパも楽しいし。(傍若無人な物言いで憂いの帯びた頬を手の甲で撫ぜながら相手の仮定ごと鼻で笑い退けて。胸元へと相手の顔が収まれば太腿から手を離し、再度頭を撫でつつ揶揄しようと開いた口に思考が追いつけば僅かに苦笑し)そりゃエロいけど、嫌がるのを無理矢理ってのも唆るじゃん。…いや、でも悠チャンに嫌がられたら俺マジでやめそうだな。…最近お前の煽りに乗りすぎだからさぁ。そろそろちゃんと我慢させとかねぇとマジで強請り方忘れそうだもん。

うん、浩二さんの好みは知ってますよ。でもいかんせん俺には可愛げってもんが存在しないんで、お兄さん好みの腹の空かせ方が出来るかどうか。…今だってもっと可愛がって欲しくて堪らないのに。あっは、そりゃ頼もしいっすわ。でも一個訂正して貰うとしたら、俺が泣いて頼んだって逃さないでください。きっと俺が本当に逃げたい時は、涙は流さないんで。──ははっ、アメリカだのヨーロッパだの、流石スケールがデカいっすね。でも確かに一生忘れられない旅になりそうっすわ。じゃあハワイでのんびりしたいです。でももっと手軽に、海外風の夢の国でも嬉しいです。（頬を撫でる相手の手を取りそっと己の口元へと運ぶと、愛を乞うべく睫毛を伏せ掌の中央から指先へと幾度か唇を触れさせ、先端に辿り着いたところで薄く目を開き欲しがる様な視線を送り。続く言葉にくすくすと笑っては、その手に指を絡めて握り）うん、きっとそうなりますよね。何やかんや浩二さん俺に甘いですから。…そうだなぁ、お兄さんのためならお強請りもやぶさかではないんすけど、ゆーくん屈服させられたいからやっぱり勿体ぶっておきます。

ふは…今のは可愛かったわ。本当はもう一声ありゃ浩二クンは大満足なんだけど…ま、特別にご褒美やっとこ。…普段泣かねぇお前が俺の前で泣くっつーのが唯一の判断材料なのに。お前が泣いてくんねぇんじゃ本当に逃げたい時気づいてやれねぇよ。──海外好きなんだよな。あー…ハワイも良いな、日本語通じやすいし楽。夢の国行くんなら海の方が良いわ。昼間っから外で酒飲めるし。(口付けを落とされる自身の手を満足気な笑みで見つめ、視線が絡めば一層笑みを深くしては応える様に唇を寄せ相手の下唇を軽く食んで。可笑しそうに笑いを帯びた言葉を聞けば気恥ずかしそうに視線を逸らしては小さく唇を尖らせて)俺そんな甘い奴じゃねぇのに。悠チャンが嫌がらねぇのが悪ぃんだよ。…ハハ、ドMじゃん。素直に従う奴よりお仕置きされてぇからって反抗する奴のが生粋だよなぁ。

…ン……──あり、もう一声欲しくて焦らされました？しゃーなし…浩二さんすーき。メロメロなんで全然足りないです。もっとちゅーしてください。（端正な顔立ちが視界一杯に広がれば心臓を微かに鳴らし目を伏せるも、予想に反して控え目な口付けを贈られれば物足りなさそうに目を開き。握った手を解放しては首裏へと諸手を回し、焦ったい感情を声色に隠さず甘く強請り）だって後ろ髪引かれなきゃ別れ際は泣かないですよ。本当に別れたいなら、多分無表情です。浩二さんは海外が似合いますよね。自由な感じがぴったりだ。ハワイの綺麗な海で遊びたいですー。…あははっ、やっぱ酒っすか。斯く言う俺も断然海派っすわ。アトラクション乗らねーで酒飲んでフラフラするだけで充分ですもん。──うん、浩二さんにされて嫌な事ないですから。一応あるけど、まだされてないから内緒にしておきます。…そ。可愛いだけより一癖あって楽しいでしょ？（愉快げに問い掛けては、相手を笑わせる様に首元を軽く擽り）

…結局強請られりゃ際限なく与えちまうから良くねぇんだよなぁ。付き合う前ん時くらいまで我慢させりゃ楽しそうっつーのも頭では分かってんだけど。(期待通りの相手の反応をしたり顔で楽しむのも束の間、身を寄せられ甘えた声が聞こえてくればため息混じりに呟き、解放された手で相手の顎を掴み数度音を立てて唇を重ねては徐に唇を舌で舐め上げて)確かに違いねぇわ。あー…ダメ。お前の無表情想像すっと心臓痛ぇ。んじゃ、今度ハワイ行こうか。色々落ち着いてからになるだろーから暫く先だけど。…夏とか最高だよなぁ、酒飲んでショーで水浴びてってしてさ。アトラクションも好きだぜ…つかジェットコースターがめーちゃくちゃ好き。──え、何だよ。やめろよ、んな事言われたら新しい事する時慎重になっちまうじゃん。…ハハ、そーね。俺の前でだけドMっつーのが尚更楽しいわ。(首元を襲う擽ったさに小さく肩を竦めてはクスクスと笑みを零し、仕返しとばかりに相手の耳朶を甘噛みして)

やーだ。俺からしたら浩二さんが仕事してる昼間は待てをされてるんですから、夜くらいは存分に与えて欲しいですもん。それに俺っち強欲なんで、目の前に人参ぶら下げられた方が上手にお強請りしますよ。……ん、（再び口付けを与えられれば短く鼻孔から吐息を溢し、徐々に高揚し唇が触れ合う度に柔く噛みキスに酔い痴れて。舐め上げられた自身の唇を舌先でなぞり薄く笑んでは、満足げに首元を解放し）あははっ、まあ俺が無表情になるなんて滅多にないっすよ。だから想像なんてしないでください。やったー、ハワイだハワイ。わー、夢が広がりますわ。俺イルカと遊びたいですー。…あっは、浩二さんジェットコースターすっげー好きそうっすわ。言わずもがな、俺も大好きなんで行った暁には沢山乗りましょ。──ウケる、俺が嫌がる顔を見たい筈なのに。まあでも嫌って言い方が語弊あるのか。すっげー照れちゃう事はあります。首絞められて悦んでる時点でお察し、何されても喜びますよ。（耳朶に甘い刺激を感じれば小さく笑い、徐に相手の手を拝借し自身の首の下へと誘導しては、寝かし付ける様に緩やかなテンポで背中を摩り）さて、そろそろ寝ましょうか。蹴って寝てくださいね。今日は沢山愛情貰えて幸せでしたよ。ありがとうございます。…さーて、おやすみなさい。愛してますよ。

…ま、いっか。近々否応無しに数日は待てさせる事になるしなぁ。延期になんなけりゃ5月に新卒の研修合宿に付いて行かなきゃ行けねぇから。(唇の隙間から覗く相手の舌に腹の内にぞくりとした熱が篭るのを感じるも、仕事を思い出しては嘆息と共に相手の肩口へと額を触れさせて)ん、まぁ今が楽しけりゃそれで良いわな。先の事心配したって何にもなりゃしねぇし。イルカと遊ぶんならシュノーケリングかな。国内ならジェットバイクにも乗せてやれんだけど。…フハ、悠チャンも好きそう。なんならコーヒーカップとかも回しまくるタイプだろ、お前。──いや、こうさぁ…素直になれなくて嫌がってんのが楽しいわけで、マジで嫌がらせたい訳じゃねぇのよ。まぁ、でもそーゆー事なら心配なさそうだな。んじゃ、色々試そうか。(自分の腕を枕にして横たわる恋人を見ては抱き寄せる様に軽く腕を曲げて頭を撫でて。鼓動に似たテンポで背中を摩られては次第に眦を下げてゆっくりと目を瞑り)…ん。俺も久しぶりにしっかり構えて満足。今日もあんがとなぁ。おやすみ、悠チャン。愛してるよ。

ぴえん、俺置いて若いのと旅行に行くんですね…しゃーなし、埋め合わせの希望考えておきます。（言葉とは裏腹に肩に預けられた頭を両手で包んでは、心情を汲み取り髪を梳く様にして撫で）今だけじゃなくて、これからも楽しいですよ。大丈夫大丈夫。おー、シュノーケリング楽しそうっすねー。…もしかして、ジェットバイクも操縦できるパティーンすか？すげー、本当何でも出来ますね。…つか、よくもまあ俺の特性言い当てますね。大正解です。コーヒーカップは背負ったリュックが遠心力で垂直なるくらい回しますわ。──あーね。そりゃ照れる事自覚してるのもありますけど、じゃあ色々試して欲しいんでシークレットにしておきます。遅くまでありがとうございますね。今度こそおやすみなさい。ゆっくり休んでくださいね。（抱き寄せられれば幸福感が胸中に広がり、自ずと表情を緩ませ。相手が眠りに就くのを認めては、額、鼻先、唇へとキスを降らせ瞼を閉じ、間も無くして己も微睡み）

（猫を抱き寝具へと横たえては、『今日も1日お疲れ様でした。言わずもがな、お兄さんの賢い犬はきちんと待てをして良い子で過ごしてるんで、安心してお仕事に集中してくださいね。俺の自己満で、疲れた浩二さんのために愛のメッセージだけ送っておきます。愛してますよん。ゆーくんは頑張る浩二さんを応援してますね。じゃあ返信するくらいなら休んで欲しいんで、落ち着くまで既読無視厳守で。おやすみなさい。』と送信し、腕の中の毛並みに心地良さそうに顔を埋めつつ眠りへと就き）