No title（〆）

多分甘くない期間限定は出ないっすわ。でもカフェデート良いなぁ…こうなったら浩二さんも甘いの大丈夫にするしかないっすね。…それはご尤もですけどー。でもでも、あのお姉さんも満更じゃねー顔してたし、現に購入してた訳ですしー。俺もきゅんきゅんしながら買い物したいですよー。（もごもごと面倒な言葉を紡ぐも、頬を撫でられればたちまち満足げに唇に緩やかな弧を描き。相手に続きカップを捨てカフェを後にすると、車通りの多い道路へと移動し片手を挙げタクシーを止め先に乗り込み、運転手に行き先を告げ）…ほぇー、人気商品を買えたんだ。やったね。…あり、意外でした？まぁヤンキーって訳じゃねーっすけど、そこそこの田舎育ちなんで素行悪いのが割と普通なんすわ。浩二さんは悪そうだなー。喧嘩してたんですもんね。…ははっ、気強いママの元だからこそ逞しく育ったんじゃないっすか？

マジかよ…んじゃそん時はお前の飲んでるの一口貰えばいーや、それで充分。頭使った時とかは糖分欲しくなる時あるけど。流石に1人で完食出来る気がしねぇもん。…でもなんだかんだ言って悠チャンはあの胡散臭ぇ笑顔の俺よりプライベートの俺のが好きっしょ？(聞くまでもないと思えば自信あり気に断言しながら余裕の笑みを見せ。相手が捕まえてくれたタクシーに続いて乗り込み)え、てっきり都会生まれだと勝手に思ってたわ。新しいモン好好きだしさぁ。、……あー、俺のは殆どが言い掛かりとかだし、売られた喧嘩しか買ってねぇしノーカン。…確かにそうかもなぁ。

マジっすか。でもその内甘いの若干は大丈夫になると思いますよ。恋人の嗜好って移るじゃないっすか。俺も浩二さんの好きなもん移ると思いますしー。…とは言え、スタバ完飲がキツいのは認めますわ。俺も今若干胸がむかむかしてるんで。…あー、オンオフどっちの浩二さんが好きかって聞かれたら、どっちもとしか言えないっすよ。全部好きなんですもん。でも強いて言えば、俺しか知らない浩二さんの顔はやっぱ格別っすかね。（自信に満ちた表情を横目で窺い肩を揺らし笑っては、タクシーが発進したところで運転手の死角で相手の手の甲を擽り悪戯しつつ、涼しい顔で窓の外の夜景を眺め）ぜーんぜん。都会の人間より、若干ズレた位置の奴の方が流行に敏感なのはあるあるっすわ。…まず普通は喧嘩売られねーんだよなぁ…やっぱ見た目ヤンキーだったんすか？

でも実際前よりは甘いモン口にする機会は増えた気ぃするわ。前は一口すら食わなかったし。…うーわ、だから言ったじゃん。ぜってぇさっきのやつキツいもん。…お、意外。俺はてっきりあんないい子チャンしてる俺は悠チャンには刺さらねぇかと思ってたし。…ふ、そりゃどーも。(手の甲を襲う擽ったさを声色に滲ませれば、悪戯を仕掛けてくるその手を絡め取り。人目も無くなれば目立つスーツの自分を気にする事も無くなり、その儘捉えた相手の手指を口元へと持っていけば唇を触れさせて)あー、そーいやそーか。…因みにどの辺？…見た目は──まぁ、髪色とかは今よりは多少遊んでたけど割とフツー。どっちかっつーと恋愛関係の素行の悪さで喧嘩売られてたわ。見覚えのない女寝取った事になってたりさぁ。

ねー、自ら甘いモン買って来てくれますもんねー。プリンとかシュークリームとかマカロンとか。…あ、マカロン全部食べました。美味かったです。…うん、ちょっと胸焼けするんで肩借ります。因みに良い子ちゃんっつーか、デキる男っつー感じっすよ。爽やかな笑顔浮かべてるけど、どうせ金の事考えてんだろーなーって俺っちにはバレバレなんで、その狡猾さはかなり刺さって来ましたね。（不意に手を握られれば瞠目しそちらを見るも、その儘口付けられる様子を眼前で目にしては恥じらいげに目を逸らし。言い訳染みた言葉を溢しては、手を握り返し相手の肩へと頭部を預けて）北国っすわ。だから色白だし寒さに強いんですよー。…ああ、成る程。身近にそんなマセたガキ居なかったんでアレなんすけど、そっか…そう言う事もあるんすね。長年のチャラさをよくぞ克服しましたわ、偉い偉い。

まぁ、お前が喜ぶからっつーのもデカいけどな。悠チャンが旨そうに飯食ってる所見るの好きだし。…ん、どーぞ。──…フハ、まぁ違いねぇわ。そりゃ仕事中は大体頭ん中金の事ばっかりになっちまうのはしゃーない。んで、悠チャンそーゆー悪い奴好きだもんな。(相手の頭を支えるべく肩を出来るだけ動かない様な配慮しつつも掴んだ儘の手を暫し指で弄り、時折気まぐれに唇を触れさせていれば自宅へ着くのも早く。スマホを取り出し電子決済で支払いを済ませるとタクシーから降りて)あー、なるほどなぁ。なんかぽいわ。…ふ、それこそ本当に雪ん中駆け回ってそうだもんな。…荒れてたのは中学だけど、高校とか大学くらいがやっぱ1番派手に遊んでた。ハハ、別に偉くも何ともねぇわ。

ヤベー餌付けされてる。浩二さんの買って来るもの作る物全部美味くて参っちゃいますわ。お陰様で最近は動いてる筈なのにちっとも痩せねえ。ぴえん。──…そ。幸いにも俺はその悪ーい笑顔を拝む事が出来ないんで、傍から見てうっとりしてましたよん。…あっは、ご名答。中坊の時に雪が積もった日に校舎の2階からジャンプして、緊急集会のネタになった雪大好き猿です。すげー、流石に大学は遊んでる奴いますけど、高校はまだ居なかったっすわ。やっぱラテンの血が混ざるとスゲーんだ…。──あ、お支払いあざっす。（手に与えられる戯れを甘受しては、お返しとばかりに空の手で相手の腿に指先で『すき』と書いて悪戯に鼻から笑いを溢し。停車したところで上体を戻し相手に続きタクシーを降りると、手を繋ぎ恋人の自宅へと戻り真っ直ぐに寝室へと向かい。上着を脱ぎその儘寝巻きへと着替えつつ）明日浩二さんお仕事かもなんで、寝ておきましょ。運良くお休みでしたら、此処でお店を開けば良いですしね。お疲れでしょうから、蹴って寝ちゃってください。愛してますよ、おやすみなさーい。

(昨日同様ベージュのスーツを着て家を出れば日の光の眩しさに眉間に皺を刻みながら片手のスマホをフリックし『仕事行ってきまーす。早く好き勝手休めるくらい偉くなりてぇ。』『今日も愛してるよ。』と続け様に送信して。朝の不快感を払拭する様に首の骨を鳴らして諦めの色を載せた息を吐いては足早に百貨店へと向かい)

…ひぃ、大変だー…今日こそは早寝して貰わないと…。（起床すると既に隣に恋人は居ず、気の毒そうな表情でスマホを手にするとメッセージを確認し、『おはよーございます。振休を平日に取れるチャンスっすね！連勤には樹液シートがオススメなんで、ゆーくん買っておきますね。』、『俺も毎日愛してますよ。』と送信し、家事をするべく寝具を抜け出し）

あー…やっと終わった…。(百貨店の通用口の傍ら、従業員用に設けられた喫煙所で誰に言うでもなく漏れた言葉は紫煙とともに消え。香水の催事という事もありスーツに匂いが付くのを懸念した半日程の短い禁煙の後のニコチンはいつもよりよく身体に回り、軽い胸焼けの様な浮遊感を感じつつスマホを取り出して『今から帰るよ。樹液シートとか使った事ねぇや。』と送信しては大きく伸びを一つしてから立ち上がり自宅へと向かい)

ココちゃーん、お兄ちゃん仕事終わったって。昨日今日あんまり遊べなかったから、一緒にお迎えに行こうねー。（恋人宅で猫と戯れている最中、スマホがメッセージの受信を知らせれば直ぐに確認し嬉しげに目を細め、『了解でーす。じゃあ近くの駅まで迎えに行きます。』と返信し、緩慢に立ち上がり。マウンテンパーカーを羽織ってから真新しい猫用の透明なキャリーリュックに猫を招き入れると、胸元に抱え家を出発し。街路の光を物珍しそうに眺める微笑ましい姿に破顔しつつ最寄り駅へと向かえば、ベンチへと腰掛け恋人の到着を待ち）

…お。(大音量の音楽が短い通知音で途絶えればスマホを取り出し、液晶が写し出す文面に電車内で小さく声を上げ、車内表示を見ては最寄駅に着くまで然程時間が掛からないと判断し既読だけつけてその儘にイヤホンと共にポケットへと仕舞い。改札を出て、連休の中日でごった返す駅前を軽く見渡してはベンチに腰掛ける恋人を見つけ革靴特有の硬い足音を響かせ、相手の持つリュックを不思議に思えば片眉を上げるも近づけばその中身の正体と目が合い自然と締まりのない笑みを浮かべ)悠チャン。──ふ、ココも。お迎えあんがとなぁ。2人でデート、楽しかった？

あ、浩二さんだ。お疲れ様でーす。…ぷっ、ウケる。めっちゃ喜んでる。（混雑した人通りの中に恋人の姿を見付けると軽く片手を挙げ合図を送るも、愛猫を見るなり緩む表情の変化を見てはその手を口許へと運び吹き出して。飼い主を見るなり肉球で透明なリュックの壁を擦り出ようとする猫の愛らしい姿に目尻を下げては、ファスナーを開け抱え上げて相手へと差し出し）いーえ、礼には及びませんよ。デートはそりゃもう最高。──…あっは、でもやっぱ本命の彼には敵わなかった様だ。抱っこして欲しいみたいですねー。じゃあ俺が浩二さんの鞄持つんで、ココちゃん宜しくお願いします。

いや、そりゃあこんな可愛い迎えが来たら疲れも吹っ飛ぶって。はー…こうして外で見てもやっぱウチのココ別嬪過ぎねぇ？悠チャンと2人で美男美女だわ。(腰を屈めてリュック越しに暫し愛猫と見つめ合えば些か親馬鹿過ぎる言葉を本心から口にして。問いかけに甘い鳴き声が返って来れば前のめりでこちらへと来ようとする彼女に手を伸ばし、慣れた手つきで鞄を持った手で尻を、反対の手で前脚を支えてやれば軽く体制を整え、恋人へと視線を送り)ハハ、そりゃ良かった。ココもイケメンにエスコートしてもらって嬉しかったかぁ？──…ふ、へーき。俺悠チャンが身軽にしてる方が好きだよ、似合うから。

ヒモとペットのお迎えっすからね、緩いにも程がある。でも目論見通り、癒されてくれたなら何よりっすわ。──ねー、リュックに入れて歩いてたらめっちゃ見られましたし、かわいーって言われまくってましたよ。ははっ、俺達お似合いでした？じゃあ浮気しちゃおうっかな。（恋人の腕の中で嬉しげに甘い声で鳴く猫を見ては笑みを深め、小さな頭を撫でて。リュックのファスナーを閉じて背負うと、緩慢に立ち上がりゆったりとした歩調で帰路を進み）えー、今日くらい頼ってくれても良いのにー。でもコンパクトに歩くの好きなんで、お言葉に甘えちゃいます。──帰ったらビール冷えてますよん。疲れてたらお風呂も用意しますしー、マッサージもしますしー、今日は浩二さんを癒す日にします。

ん、これ以上ねぇってくらい癒された。あんがとな。──あ、やっぱ？そりゃ可愛いもんなぁ。遂にココの可愛さが世に知れ渡っちまう訳ね。…ま、お前らが浮気した所で結局両方とも俺のモンなんだけどなぁ。(腕の中で普段より落ち着きなく周囲に視線を送る愛猫を見れば今気付いた事実にしっかりと言い含める様に愛猫へ。次いで恋人の気遣いには破顔し、暫し相手に触れられない事に歯痒さを覚えながらも穏やかな声色にて告げながら緩い足取りで自宅に向かい)…待った。もしかしなくてもココ、キャリーケースに入らないで外って初めてじゃね？…いや、頼むから大人しくしててくれよなぁ、お前意外とお転婆なの知ってんぞ…。──…マージ？至れり尽くせりじゃん。これは俺の要望今日はなんでも通っちまう感じかなぁ。

とんでもないっす。今度からお迎えの時は2人で来ますわ。そうそう。俺もココちゃんが可愛すぎて、知らない人に触られるんじゃないかって心配で背中に背負えませんでしたもん。…ははっ、確かにそうだー。俺もココちゃんも、結局本命は浩二さんなんで。──そっかー、ココちゃん箱入り娘だったんすね。すげー好奇心旺盛になってる。かわいー。もうちょっとで着くから、良い子にしてようネー。…そ。今日は何でも聞きます。…って言いたかったけど、やっぱ明日にしましょうか。（珍しくも恋人の腕の中でもぞもぞと動く猫を微笑ましげに眺めては、猫撫で声で告げた後に、恋人の腕の隙間に自身のそれを絡めマンションへと戻り。鍵を開け扉を広く開き、先に入る様に促しては）今日はお疲れでしょうから、寝ましょうか。蹴って休んじゃってくださいね。おやすみなさーい、愛してますよん。

マジ？うーわ、めちゃくちゃ楽しみだわ。ハハ、俺の過保護が移ってんじゃん。でも悠チャンがココの事溺愛してくれんの本当嬉しいわ。…ふ、知ってる。いっつも両手に花なんだよなぁ、俺。──そ。大事に大事に育ててきた愛娘だから。あー…やべぇ。ココ抱っこしてんの、急に緊張してきた。…ちぇ、据え膳食い逃したわ。ま、別に逃げる様なモンじゃねぇしなぁ。(僅かに顔を強張らせ腕にしっかりと力を込めては助けを求める様に恋人へと苦笑して。自宅へと着けば促される儘室内へと入り、愛猫を下ろしてから安堵のため息を吐いて。次いで恋人へ振り返ればその頬に口付けを落としてから頭を撫でて一足先に寝室へ。寝支度を軽く済ませては相手の為に片腕は伸ばした儘ゆっくり目を瞑り)あー…悪ぃ、気ぃ遣わせてごめんな。…ほら、2ヶ月の記念日になんもしてやれてねぇから少しでもって思ったんだけど。明日は休みだからさ、その分埋め合わせするなぁ。悠チャンも蹴って今日は早めに寝ちゃって。おやすみ、愛してるよ。

マジですよ。括弧、天気が良くてココちゃんが快適に過ごせる日のみですけど。…んー、だってココちゃん可愛いんですもーん。溺愛不可避っすわ。目に入れてもちっとも痛くないですよ。──…ウケる、初めて娘を抱っこするパパみたいですね。ココちゃんもっと困らせてやれー。（相手のぎこちない手付きに笑い声を立てては、特に手助けはせず呑気に囃立て。相手に続き室内へと入ると、猫がキャットタワーへと駆け上る姿を見届けてから寝室へと入り、手早く寝支度を済ませて自身の為に用意されたスペースに横たえ。相手の頬に手を添え口付けを贈っては、微笑を湛えながら目蓋を伏せ眠りに就き）ええ、据え膳なくとも俺はいつでも受け入れ態勢バッチリなんで。気遣いっつーか、俺が勝手に心配してるだけっすわ。なんで謝らないでください。…お、記念日覚えててくれたんすね。気持ちだけで嬉しいですよ。何より明日休みになって良かったですね。とは言え1日休みじゃなかなか疲れ取れないでしょうし、埋め合わせなんて考えないでゆっくり休んでください。んじゃ、３ヶ月目も宜しくお願いしますね。今度こそ、おやすみなさーい。

──…ハッ、念願のっつー感じだなぁ。(常時より幾分か長い睡眠時間を経て目を覚まし、覚醒する迄の暫しの時間身じろぎをして動きの鈍い頭に血液を送り、漸く傍らで眠る恋人が視界に入れば腕に掛かる重みすら愛おしくて。休日出勤の間耐え続けた自堕落な時間を貪れるという事実を噛みしめながら相手の髪を撫でながら抱き寄せ、首元に顔を埋め暫し頬擦りをして。自然と熱の篭った欲求が高まればその儘耳元へと数度音を立てて口付けを送り)