No title（〆）

俺が自慢してぇんだから良いんだよ。そもそも俺にゃあ勿体ないくらい一途なかわい子チャンだし。俺が迷わず選んだっつーだけで自信持ってくれりゃ良いのになぁ。…ま、更に磨きを掛けてくれるっつーなら願ったり叶ったりだわ、益々好きになる自信しかねぇ。フハ、そーね、悠チャンはそーゆーのはあんま似合わないわ。顔立ちが俺みてぇにキツくねぇしな。…軽そうってより優しく対応してくれそうだからだろ。実際そうだろーし…ま、相手にするとは思ってねぇけど。…好きだろ？虫刺され作られんの。でも気ぃ遣ってやったのにそんな事言うと…エグいのまで付けられんぞ。──…ほれ。お待ちどうさん。ジャケット貰うから脱ぎな。(レジで会計を済ませ、タグを取って貰えばそのままからの紙袋と共に受け取り。恋人へと歩み寄りスマホを覗く恋人の背中へと声を掛けパーカーを差し出して)悠チャンをオフホワイトにも連れて行きてぇんだけどなぁ…ぜってぇ似合うし。ま、時間はあるわな。…んじゃ、俺の服は悠チャンが選んで。

何かスゲー甘い事言われるんすけど。オラついてんのにこのギャップは反則っすわ、早く帰ってどうにかしたいー。…流石、褒めて伸ばすのが上手いっすね。図に乗って美意識上げれそうな気分なんすけど、まあ現実はぶくぶく幸せ太りしてますわ。──ええ、虫刺されは大好物ですよ。そりゃもうエグけりゃエグい程有難いっすわ。そこまでさせちゃうくらい愛されてんだって感じれるんで、最早なきゃ寂しいっすもん。わー、ありがとうございます。大切に着ますね。つか荷物持ってくれるんすか？優しいー。スゲー彼氏感なんで、甘えちゃいますね。（パーカーを差し出されればスマホをボトムへ仕舞い、嬉々として受け取りジャケットとシャツを脱ぎ軽く畳んでから相手の手元の紙袋の中へと入れて。次いで貰ったばかりの服を着ては、嬉々と表情を緩めながら再び相手の腕に身を寄せるも、告げられたブランド名には表情をその儘にぷるぷると震え）…ひ…ひぇー、めちゃくちゃ高いじゃないっすか。連れて行かないでください、お礼できないですよー。じゃあ、とりあえず俺がたまに行くセレクトショップ入ってたんで、そこ行きましょ。（目的の店まで赴き入店すると、さっと店内に目を通し相手から離れて素早くマスタード色のすっきりとしたシルエットのパーカーを手に取り戻り）じゃーん、これどうです？ここのパーカー、フード立つんでストリート好きからも人気なんすよ。今着てるライダースにも合いますしー、前着てたミリタリーのシャツにも合うんじゃないっすかね。

そりゃこーんな色男前にしたら口説かない方が失礼だろ。てか…帰ってどうにかされたいの間違いじゃねぇの？ハハ…ま、ムチムチも好きだわ。触り心地良いしなぁ…噛み心地も。──…虫刺されで済むかは俺の理性次第だけどなぁ、そのうちDV疑惑掛けられそう。ん、どーいたしまして。まぁ悠チャンは身軽で歩いてた方が似合うからさ。(中身を入れられた紙袋を相手が居るのとは反対側の肩に掛けて、自分の見立てた服を見に纏った相手を見つめては嬉しそうに笑みを浮かべながらも、続く否定の言葉には不満顔で返して)でもイカすだろ？俺の系統とは違うけど悠チャンにぜってぇ似合うし、長く着てくれりゃあ礼なんてそれで良いよ。…ん、オッケー。(相手に先導される儘店舗に入ると、相手の手にしたパーカーを見ては受け取り肩に軽く合わせ)──お、良いじゃん。ショップ店員に選んで貰えるなんて役得だなぁ。…どうよ、悠チャン好み？

いやー、色男って言われんの人生で初っすわ。やっぱ男が出来ると色っぽく変化してくんすかね？…ウケる、確かにどうにかされたくもありますわ。俺のやらしい考えを読み取らないでくださいー。…そっか、太ると噛みごたえが良くなるんすね。まさか、それでご飯作ってくれました…？！ははっ、ＤＶ疑惑よりも俺っち変態説の方が濃厚に流れそうなもんっすよ。まあ事実だからしょうもないっすけど。…まーたカッコイイ事言って。スゲー浩二さんを見てる女達に自慢してやりたいっす。（告げられた台詞に俯き加減で喜色を浮かべ。不服そうな表情を見ては一笑し、柔な声色で）普通金掛かんない奴の方が喜ぶでしょうに、俺の彼氏はやっぱ太っ腹っすわ。すげーイカしてますし、ぶっちゃけ欲しいです。じゃあ、誕生日とか特別な日に欲しいです。──…あははっ、俺店員っつーか在庫管理なんで素人っすけどね。うん、良きです。じゃあこれにしましょ。（肩に合わせた服を一歩離れて真剣な表情で眺めては、ぐっと親指を立てた後にハンガーを相手の手中から貰いレジへと持って行き。会計を済ませれば小ぶりな紙袋を手に相手の元へと戻り）戻りましたー。

元々割と色っぽいと思っては居たけどなぁ…でも俺しか知らねぇ顔見て倍増中。…ハッ、変態だわ。こんな人の多い所でそんな事考えてんの、やらしー。…まぁ、ゼロではねぇかなってだけ。こう…ちゃんと筋肉ある上に薄く肉が載ってるくらいがさぁ、1番良いんだよ。いやー…ぜってぇ喫煙所の人らとか目敏いし、心配性だからさぁ。痣作って泣かして楽しんでるなーんてバレたらお説教されかねねぇ。雨月さんとか悠晴さんとか、浅木さんとか…あの辺の年上に冷静に叱られたらって思うと浩二クン縮みあがっちゃう。…え、そんなときめきポイントだった？よくわっかんねぇなぁ、今のは狙ってねぇから思った事言っただーけ。(口にしながら自分の言葉で歯を立てる感触を想像しては乾いた唇にさり気なく舌を這わせ。俯いて表情の見辛くなった恋人に揶揄を交えた口調で笑って返しては続く言葉には尚も腑に落ちないながらも緩く頷き)好きな事に金掛けねぇと何の為に稼いでんのか分かんねぇだろ。つか、悠チャンが居りゃあそれだけで特別だけど…ま、そこまで言うんならな。楽しみにしてて。(止める暇も無く相手が会計を済ませてしまえば小さく唇を尖らせ、相手に聞こえない様に呟き。戻ってきた恋人に笑顔を向けて紙袋を受け取りながら昨夜の言葉を思い出して)なぁんで金払っちゃうかねぇ…。──ん、あんがと。お披露目は次ん時っつー事で。…んで？欲しいモン、リストアップしてんだろ？次は？

マジっすか。元気だねとしか言われた事ないっすわ。じゃあもしかして、俺っち無自覚で浩二さんにだけ色気振り撒いてたんすかね。…そうそう、こーんな清々しい顔して歩いてますけど、頭ん中はもう浩二さん一色っすよ。でもそれ言ったらお兄さんも女達から注目浴びていながら、頭ん中は俺でいっぱいですよね？やらしー。…噛みたくなりました？あははっ、挙げられた兄貴達は寧ろノリノリで詳細聞いてきてくれそうっすけどねー。まあいざとなったら、俺が変態自白するんで大丈夫っすよ。でも出来ればお互い性癖は隠しておきたいトコっすね。（横目で相手の仕草を捉えては、薄く笑み揶揄う様に自身の衣服の襟を下げ首筋を見せて。相変わらずの不服そうな表情に笑みを深めては、手を握って欲しいと言う意思表示をすべく相手の手の甲に自身のそれを掠めさせて店を後にし）お披露目楽しみにしてまーす。んとねー、欲しいものはー、浩二さんと入るための泡のバスボムとー、アロマオイルと、酒と、ボディーバッグと、ゲームのソフトと、おしゅしのグッズと、運動用のジャージと、ルンバっすかね。でも今一番欲しいのは、ダミーの指輪っすかね。…まだ本物の指輪を欲してる訳じゃないんすけど、やっぱ女相手だと指見られてんの感じる時あるんすよね。だから、すげー安いので良いんで欲しいんすわ。（スマホを取り出しメモの内容をつらつらと読み上げては、最後の品だけ確りとした口調で告げて）

ふとした表情とかな、いっつも笑顔の悠チャンが表情崩すのが…多分、結構好き。ハッ、俺がやらしーのなんかよーく知ってんだろ？いつだって悠チャンの事しか考えてねぇわ。……煽んな、バカ。まぁ…正直今すぐにでもエグい痣やりてぇ所だけど。それは帰ってからのお楽しみ。…ふ、違いねぇな。折角俺しか知らねぇんだし、バラすつもりもねぇよ。だから、勢い余って首に付けちゃった時はちゃあんと隠して。(襟元から覗く相手の白い肌に喉を鳴らしそうになるのを堪え、遮る様に反対へと視線を動かしては小さく呟き。恋人からの要望を察してはしっかりその手を握り、感触を確かめる様に軽く力を込めて)ハハハ！よくもまぁ次々出てくんなぁ…って。───…指輪やんのは別に良いんだけど…つか、俺だって渡してぇけど。でも、それやりてぇならペアじゃねぇと意味ないだろ？…前にも言ったけど、俺指には嵌めてやれねぇよ？(快活な笑い声を上げるのも束の間、最後に聞こえてきた言葉に顔を曇らせては言葉を選びつつ空の自分の手を見つめて、確認する様に問いかけ)

笑顔じゃなくて、表情好きなとこってのが流石っすわ。しかも結構どころじゃなくて、大好きでいて欲しいんですけど。…えへへっ、じゃあ家に帰ってからを楽しみにしています。デートの終わり掛けって何か寂しいですけど、それなら帰るのもへっちゃらっすわ。…じゃあ今日は首に付けてください。明日からまたちゃんとハイネックなり、コンシーラーなりで隠すんで。（手を握られれば嬉しげに目を細め、スマホを取り出し繋いだ手と恋人からの贈られた靴が画面に入るアングルを探し撮影して。次ぐ相手の表情を至極穏やかな表情の儘見ては、肩を揺らす様にして笑った後におねだりする様な甘い声色で）…じゃあ本物の方おねだりしちゃいます。勿論今日じゃなくて、近々で。もうすぐ4月なんで、浩二さんのとこも新入社員とか入りますよね？それまでに魔除けが欲しいです。昇格した若手のお兄さんがモテない筈ないですもん。…それ貰えるなら、全部の欲がなくなっちゃいますわ。

あー、うるっせぇな。照れ臭いんだっつの…大好きだよ、バカ。…ハハ、デートくらいいつでもしてやるって。なんなら一緒なら帰んだし、惜しむ間も無いだろ。…言っとくけど、多分めちゃくちゃ痛ぇし、めちゃくちゃ怖いよ。急所晒すんだぜ、いーの？(揶揄う様な声色で告げながらも写真を撮る相手の姿に愛おしさを感じれば胸の内が締め付けられるような感覚に襲われ。次ぐ提案には渋い顔の儘暫し相手の心情を慮る様に思案しするも情け無い笑みを浮かべて、自らに課した条件を吐露すれば自然と声に覇気は無くなり、縋る様に繋いだのとは反対の手でそっと相手の頬を撫ぜて)………悪ぃ、それは…それだけは『待て』使わせて。悠チャンが学生のうちは、お前を縛り付けすぎんの嫌なんだわ。可能性を邪魔したくねぇし、焦って判断鈍らせて欲しくねぇの。お前に対しては本気だから余計に…俺の勝手な義理立て。…ダメ？

うわー、ツンデレ頂きましたー。あざーっす。…なーんか、一緒に帰るにしても侘しい感じがするんですよねー。次の日から現実に戻る感があるからっすかねー。…最早痛いっつー感覚にそんな恐怖心はないっすよ。でもそうだな…一番痛そうな場所なら、とっておきのために取っておきます。──…えへへ、俺の新しいインスタのプロフィール画像が撮れましたー。折角お出掛けしてるんで、浩二さんのプロフィール写真も撮ります？俺的に狙ってるアングルがあるんすよねー。（嬉々として撮れたばかりの写真を相手に見せては問いを投げ。次ぐ言葉に確りと傾聴し頷いては、頬に添えられた手に自身の手を重ねて）…ん、解りました。俺が意識変わりする可能性なんて皆無に等しいっすけど、でもそこは時間掛けて見せなきゃっすよね。…さっきは濁したんすけど、今俺の出勤を調べ上げて毎回電話なり来店なりしてくれる人が居て。先輩に相談したら安物でもリング着けろって言われて、内緒で着けるのも嫌だなって思って言っちゃったんすけど、そこは後日なんとかしますわ。今日はそうだなー…タピオカ飲みながら帰ろうかしら。

分かってて言う辺り性格悪ぃわ。付き合う前の話とかどうして好きになったとか、そーゆーのは小っ恥ずかしいんだよ。…家で待たせてるからかねぇ。良いんだよ、別に俺の所に帰ってくりゃあ出掛けたってさ。…うーわ、変態発言。まぁでも俺好きなモンは最後に残しとくタイプなんで。その方が旨いだろ。──…ふ、言ってた匂わせ？悪かねぇわ。…ん、何。今のも結構気に入ってんだけど…どんなん撮りたいの？(クスクスと笑いながら写真を見れば満足した様に緩く頷き、続く問いには眉を上げて答え。相手が口にした言葉には顔色を変えて相手の顔を覗き込めば、心配の色を隠さず矢継ぎ早に告げてジュエリーショップへと引っ張る様に足を進めて)──は！？なんでそれ先に言わねぇの。ストーカー予備軍じゃねぇの。マジ勘弁してくれよ、そんなんのヤバさ俺が1番よく知ってるっつーの。俺が付けらんなくてもお前に付けさせるし、なんならバイトん時迎えに行く。

…何でかなぁ、浩二さんが小っ恥ずかしい話こそ俺にとっては嬉しい話題なんすよねー。ちなみにどうして好きになったんですかー？…んー、家に居るからとかじゃないんすよー。根本的に出不精なんで、あんま出掛けたくないですし。日中にゲームで大学の奴等と話したりはしてますし、そう言うんじゃないんですよー。──…そ、匂わせです。じゃあ浩二さんのも、俺の趣味で撮らせて貰いますね。ちょっとお体借りますよー。（相手の手を握り背後へ下がり、自身の手首と相手の後ろ姿だけを写す様に撮影して。まるで彼が恋人の手を引き、荷物を抱えデートしている様な匂わせの画が撮れれば、満足げに画面を掲げて見せ）見て見て、めっちゃ良い彼氏感出てません？すげー匂わせ。これ見て女共は羨めー。（呑気な表情でいるも、突如手を引かれれば見開きつつも従って歩き。辿り着いた先に思わず破顔しては、上機嫌に店内へと足を踏み入れて）だって余計な心配掛けたくないじゃないっすか。メンズには一定数着いちゃうんすよ、やっぱサービス業なんで優しく接するんで。…浩二さんの元カノ程はヤバくはないっすけど、先日洋服20着くらい買ってったんで怪しいですわな。お迎えに来られたら、今度は浩二さんが狙われそうなんで嫌です。…じゃあ、仕事用で一番安いの買ってやってください。嬉しいなー。

…内緒。そんな甘ったるい話はこんな所でするよりベッドん中の方が似合いだろ。…もっと頻繁にデートしてやりゃそんな気持ちになんねぇかな。つっても、もうちょいの間は確約できねぇけど。ごめんな。(大人しくされるが儘、背後からシャッター音が聞こえてから緩く振り返り相手の手中のスマホが収めた図を見ては破顔して。自分ですら感じるその図の不釣り合いさにくつくつと肩を揺らし)──…うーわ、すげぇ匂わせ。でも柄じゃねぇなぁ、ダチが驚きそうだわ。ま、ちゃあんとアイコンにするけど…照れ臭いな、これ。(飾り気のないぶっきら棒な声色で告げながら入店を果たせば、周囲を見渡し目の合った若めの店員に声をかけて)何が余計なんだよ、いざって時心配しても遅すぎんだよ。これだから人懐っこい恋人は気苦労が絶えねぇなぁ。俺ぁ慣れてっから適当に距離取るけど、悠チャンは優しすぎ。…あんなんお前にしたら俺が黙ってねぇわ。そもそも俺と悠チャン系統違うしお前が好きな奴は俺みたいなの狙わねえまよ。何より良い虫除けになるぜ。…牽制すんだ、高い奴付けさせて高嶺の花だって事理解させねぇと意味ないだろ。──あ、スンマセン。指のサイズ測って貰いたいんですけど。

くー、上手い事躱されたぜ。じゃあいずれ、眠れない夜のお話にでも聞こうかしら。もー、そんなんじゃないんすよー。テーマパークの帰りみたいな、あ…帰ったら現実だ…くらいの軽い感じっすわー。──…ね、この匂わせは良い感じっすよ。しかもフォロワーに同じ黄色い服の奴がいるんすよ、ヤラシー。是非ともお友達に弄られてくださいねん。（相手の反応につられて同様に肩を震わせくすくすと笑っては、メッセージアプリで画像を共有した後に自身のスマホの待受にも設定し）…んー、でも俺も結局は男なんで、女性相手なら負ける訳ないんで大丈夫っすよー。つかやっぱ浩二さんも慣れてるんすか。ま、これだけの男前ならそうっすわな。…ははっ、すげー男前。でも高いの買って貰うくらいなら、その分で浩二さんにネックレスで着けて欲しいっすわ。…あ、サイズお願いしまーす。多分12号でーす。（相手の思い遣りの詰まった言葉には終始笑顔が止まらず、一歩下がり再度惚れ込んだとばかりに僅かに頬を赤くし見据えて。店員に促される通り指を差し出し計測されては、以前より太くなった指にがっかりした表情をし）…13号ですって。

だって結局悠チャンからもしっかりとは聞いてねぇし。勿体ぶった方が楽しそうだしなぁ。…本当？なら良いんだけどさぁ。にしてもただのデートがテーマパークと並ぶっつーのは、嬉しいなぁ。…ふ、もう既に充分弄られてんのに。でもまぁ…お前のアカウントバレたらそれはそれで色々大変そう。(言葉とは裏腹にスマホを取り出し送られてきた画像をそのままSNSのプロフィールに設定しては満足気に見つめてから仕舞い)…生憎、それで安心できる程楽観的じゃねぇの、俺は。男前っつーか…元メンヘラメーカーとしてはさぁ、まぁ…色々見てきてんだわ。…あー、確かに。ネックレスなら隠せるし仕事中も付けられるわ。んじゃ、折衷案っつー事で高い奴買って俺はネックレスで付ける、決まり。──…いや、充分細いだろ。ビビるわ。(相手のふとした言葉に頷いては名案とばかりに笑顔を浮かべ。相手の測定を見届け同様に自分も測って貰えば『17号』と告げられ、サイズの差に苦笑しつつ、多様なデザインのリングが並ぶ店内を見回して)んで、どんなのが良い？悠チャンが好きなの選びな。

あー、確かに。薄ぼんやりとしか話してないですもんね。じゃあ、浩二さんが教えてくれる時に俺も語ろうーっと。…本当ですよ。つか、言うまでもなくテーマパーク越え。だって、幾らミッキーでもこんなに俺をドキドキはさせれねーっすもん。あははっ、俺のアカウントセルフィーだらけっすもんね。彼氏の知り合いに見られんのは恥ずかしいー。（相手に次ぎプロフィール画像を変更しては、さらっとおかしな画像がないかをチェックしスマホをしまって）気持ちはありがてーんすけど、これでも大体の男を組み敷けるくらいには体力も男気もあるんで大丈夫っすよ。…やべー、経験者は語るのパティーンっすね、こりゃきっと…。んー、じゃあ、調子に乗って高いのでお願いしちゃいまっす。…指が細長えからそれだけは褒められて生きてきたのに、段々ごつくなってますよ。こりゃその内顔もごつくなる予感っすわ。（苦笑する様子を見ては、苦々しさを取り除く様に脇の下を擽って戯れた後に店内を見渡し。ホワイトゴールド製のシンプルなリングを指差しては、丸み帯びたリングホルダーと華奢なチェーンもセレクトし、店員に見せて貰う様に依頼し）俺の好みかー…やっぱいかにもって奴っすかね。浩二さんはネックレスにするんで、ドシンプルな方が使い易いっすかね。これはどうでしょー…値段も２つ買ったら６桁超えますし…。

…やだなぁ、図らずも告白大会みてぇになんじゃん。うへー、居た堪れねぇしむず痒い。…フハ、悠チャンテーマパークめちゃくちゃ好きそうなのにそれより上って大層な評価もらっちまって。…こりゃデートん時気合い入れてやんねぇと。良いじゃん、こんなイケメン捕まえたって周りが知ったらこれ以上の牽制ねぇんだし。──…俺が心配してぇのよ、後悔しないために。んで、悠チャンは俺に心配掛けねぇ様にちゃんとそいつには気をつけて。ハハ、顔はダメ。俺は悠チャンのその顔が堪らなく好きなんだから。(戯れつく相手に吹き出しながら身を捩り、笑い声を交えながらもほぼ断言的に言い放ち。相手が示したアクセサリー一式を店員が出せばその金属の色が相手の白い肌に映えるだろう事は明らかで。どこか伺う様な口調の相手を安心させるべく微笑みを浮かべて)いかにもって奴の方が虫除けになるしなぁ。俺はどうせ隠してる事のが多いからお前の好みモン身につけたいし。…お、良いんじゃねぇ？悠チャンに似合いそうだわ。これにしよっか。


悪ぃ、悠チャン。ちと眠気が限界でさぁ、申し訳ねぇけどデート明日まで引き継がせてくれっと助かるわ。日中は起きレスになっちまうかもだけど夜はちゃんと返せるし、折角のデートだからじっくり楽しみたいんだよ。時間も時間だし、悠チャンも眠かったら蹴って寝ちゃって。大体このくらいの時間にはおねむなイメージだから、無理しないでなぁ。

すんません、俺も頭が鈍くなってるんで、じゃあお言葉に甘えて一旦蹴らせて貰いますね。明日にはビシッと喋らせて貰うんで、暫しお待ちくださーい、ぴえん。…折角の貴重な休みなのに、遅くまですんません。でもってありがとうございます。余裕のある時に反応して貰えればってとこなので、無理しない程度にお願いしますね。2日間もデートを楽しめるなんてお得で最高だー。…それじゃあ、おやすみなさい。ゆっくり休んでくださいね。（投げキッスを送り、後にぱたりと意識を失い）

…おわー、やっぱ高い指輪って輝きが違いますねー…。すげーすげー…。（リングを手に取る様に店員に促され、礼を告げた後に掌へと載せては、高級感漂う光沢に感嘆の息を溢し目を輝かせて。次いで恋人の分の一式を眺めては、暫し思案し）…んー、浩二さんのがちょっとパンチが足りなかった。やっぱ、リングホルダーが普通だとやっぱつまらないんで、こっちの厳ついのにしまーす。（チェーンとリングを繋ぐ金具を男性的な印象の唐草模様を彫刻したものへと変更しては、全てを取り付けたものを店員から受け取り相手に差し出して）こんなんでいかがでしょう。チェーン長めのにして貰ったんで、服の下にバッチリ隠れると思いますよん。──…つか、流石っすね。急な買い物なのに高額なお買い物をサラッとオッケーするなんて。本当に良いんですか…？




すんません、時間開いちゃったんで、話し易い様に大分割愛させて貰っちゃいました。こっちはスルーでお願いしまーす。

嫌味ったらしいデザインのも結構好きだけど、やっぱこーゆーシンプルなのだと質の良さが勝負所だもんなぁ。(隣で魅入る恋人の姿を見つめ穏やかな声色で告げて)──お。アラベスク好きだわ。いーねぇ、俺っぽい。気に入ったわ。(相手の選んだ留め具があまりにも自分好みで、思わず破顔すれば差し出されたリングネックレスを指に絡ませ掲げ見ながら、続く言葉が相手の気遣いだと理解し慮っては態とさして気に留めない様子で)言ったろ、本当ならオフホワイト連れて行きたかったんだって。大して変わんねぇよ。それに有り難い事にこの歳にしちゃあ貰ってる方だし…ま、いっつもこんなんポンポン買える訳じゃねぇけど、飲み控える良いきっかけになるわな。