No title（〆）

まぁまぁまぁ、ネタバレはしない主義なの知ってんだろ？つってもそんなビビらせる様な事はしねぇけど。言っても俺ぁ生まれも育ちも日本だし、大して変わんねぇよ。フハ、善処しまぁす。ま、でも昔の俺からしちゃ考えらんねぇ位には甘やかしてるけど。──お前…発想がなかなかの下衆だよなぁ。ま、その辺はご想像にお任せしまぁす。別に無理矢理しようって気はねぇしなぁ。ちゃあんと“待て”ができる犬だよ、お前の飼い犬は。…こんなん見せんのはお前だけ。俺の柄じゃねぇし。(相手の句に気恥ずかしさを誤魔化す様に前髪を掻き上げては下を覗かせ。嬉しそうな恋人の様子に数度頷いて返せば自分の分のシューズボックスを開いて相手と同じデザインの赤いの差し色のスニーカーを見せて)お、良かったわ。ピンクも可愛くて悠チャンなら履きこなしそうだったんだけどさぁ…やっぱこっちで正解だなぁ。ちなみに浩二クンのは赤でーす。一緒に履いて出掛けような。…お、こりゃ海老で鯛を釣ったなぁ。そんじゃ遠慮なく。(くつくつと喉を鳴らし、歩み寄って腰に片手を回せば相手がネクタイで結んだ首元の蝶結びを解きながら唇に口づけして)

正味認めたくないんすけど、首絞められて思い出しましたわ。俺も首絞めてたって。だから考えが同じならきっとアレも好きなんじゃねーかって予想なんすけど…ま、答え合わせはその内っすね。…うんうん、浩二さんが俺以外にも甘かった事実とかあったら悲しくなるんで、今のコメントは大正解っすわ。はははっ、下衆ってか小学生みたいなもんっしょ。…浩二さんが俺の犬かー。たまんねーや。待てができる賢い犬なら、勿論生涯で1人にしか懐かないワンマンドッグでいてくれますよね？（気恥しげな所作をにやにやと横目で眺め。お揃いのシューズを見ては目を細めつつ手に取りデザインを確認して。箱に戻すと自身も靴を脱ぎ、空箱へと仕舞い相手の手中の箱も預かって紙袋へと戻し）そっすね、この色だと何の服でも合いそうだし、流石のセンスっすわ。…あははっ、確かに浩二さん赤っぽい。似合いそうだなー…じゃあ、この靴履いて行きたいとこ考えておきます。（腰に手が回されれば自らも身を寄せ、瞼を閉じつつ口付けを享受し。角度を変えて小さくリップ音を立てながら幾度か啄んでは、ネクタイを解く手に合わせて自らシャツとジャケットの釦を外し。挑発する様に肩口に痕が残る方の布を下ろしては、挑発する様に細く笑んで）

あらやだ、悠チャンったら意外とアブノーマルじゃねぇの。…ハッいいなぁ。女の首絞めてたクセに俺には絞められるとか…マジで最高。…ま、今までは代わりなんざいくらでも居たからなぁ。ただ、生憎悠チャンの代わりはいねぇし、甘やかして俺の隣に縛っておかねぇと。──ハッ、そりゃもう。ウチの飼い主が俺だけをずーっと見ててくれんなら喜んで…ただ、噛み癖だけは直す気ねぇのはご愛嬌。…俺の与えたもんで悠チャンが着飾るの想像すっと結構悪くねぇんだよなぁ。それでお前が目立てば目立つ程、俺ぁ優越感に浸れるわ。(解いたネクタイをソファーの背凭れへと掛け、その儘片手を背凭れへと預けて。相手が覗かせた白い肌と赤黒い痣に乾いた音の吐息とも笑声ともつかない音を零しては相手から離した自分の唇を軽く舐めて)ハ、…いーねぇ、色っぽいわ。…んで？俺いっつも言ってっけど、覚えてる？

自覚無かったんすけど、そっか俺はアブノーマルなのか。厳密にはやってくれって言われた事が発端なんで、元々の趣味ではねーとは言ってもネ。因みに、女じゃなくて男の方っすわ。…うん、既に離れらんねーですけど。でも優しく飴も貰えりゃ、尻尾振って懐きますよって。…ははっ、ありがてぇ趣味っすわ。俺は浩二さんが与えてくれたモンなら何でも身に付けますよ。イケてるアイテム身に付けてモテモテの悠くんは、実は飼い主が居たんです…的な演出は俺もしたいんすけど、いかんせんイマイチ目立てないんですよねー…。頑張ります。（相手の反応に満足げに笑みを深めては、さっと傷痕を隠す様に衣服を肩口へと戻し釦を早々に閉じて。相手の口唇を中指でなぞりつつ甘い声で囁いては、後に指を前歯の前へと差し出して）…ここで待てを使わして貰いますよ。待ってくれたら…そうだな、俺が次に噛んで欲しいところを暴露します。指は噛んでも良いですよ。──…つか、もう朝っすね。今から風呂入ったら身体に悪そう。一回寝てから入りません？

え、マジ？自覚無かったとか俺よりヤバくね？俺は俺が好きでやってっけど、アブノーマルな自覚はあるぞ。ハッ男で強請ってくんのはなかなかの真性だわなぁ。…まぁ、飴のやり方なんざイマイチわかんねぇんだけどなぁ。今んとこハズレてねぇみたいだからオッケーかな。…悠チャン俺にベタ惚れ過ぎてガード固くなってるからモテモテになんねぇんじゃね？そーゆー所良い子チャンだもんなぁ。オニーサンはそれはそれで大満足ですけど。(肌を隠す相手に不服気に眉を潜めるも、諦めた様な短い嘆息と共に差し出された指を甘噛みして直ぐに離しては眉を上げながら戯けた口調で呟き)……まぁ待てが出来るって豪語した手前、聞かねぇ訳にはいかねぇよなぁ。んじゃ、悠チャンの言う次を楽しみにしてるわ。…待てされた分加減しねぇからな。…あー、そうだな。どうせならゆっくり入りてぇし。悠チャンも眠かったらベッドまで運んでやるから蹴っちまって良いからなぁ。

ウケる、浩二さんよりヤベーとかメンタルに来ますわ。俺としては自覚がねえ方が追求しないだけ幾分かマシかと思うんすけどね。…何にせよ、今じゃ手縛って欲しいだの目隠しして欲しいだの思うくらいには狂ってきましたわ。…ははっ、ガードが硬いんじゃなくて食指が動かねーんですって。でも良い子は認めます。今はお兄さんの事しか見てないから。（指を甘噛みされれば満足げに笑み、引き抜くとお礼とばかりに口付けを贈って。緩慢に首の裏に両手を回すと、瞼を下ろしうつらうつらと）…えらいっす。じゃあご褒美に好きなだけ噛んで良いんで。手加減は端っからノーサンクスっすわ。んー…じゃあお言葉に甘えて寝ます。浩二さんもこのまま蹴って寝ちゃってください。おやすみなさーい、今日も幸せでした。愛してますよ。

ハッ生意気。自覚ねぇと悠チャンみたいに普通だって思って過ごすからなぁ…その認識のズレはなかなかなもんよ。おー、おー…可愛い事言うじゃねぇの。別にそんくらい喜んでしてやらぁ。…一緒だろ、そんなん。あんな愛想振りまいてた奴がコロっと掌返してんだ、周りも自ずと察するだろーよ。ま、こーんなイイ男捕まえて好き勝手されてんだ。他見る余裕なんてやらねぇよ。…フハ、そんなん言われたらマジで楽しみじゃねぇの。散々泣かせてやろーっと。(くつくつと肩を揺らして笑いながら口付けを甘受すれば寄せられた頭を緩く撫でながら抱き上げて、その儘ベッドへと恋人を運び。ふと気づいた様に独り言を呟き、悪戯な笑みを浮かべながら眠る相手の額に唇を触れさせてから相手を抱き寄せて微睡みながら呟き)──…そういや首にワンポイント貰うの忘れてたなぁ。ま、明日で良いか。…おやすみ、悠チャン。今日はめちゃくちゃ良い日だったわ、あんがと。愛してるよ…つか、日を追うごとに益々好きになってく…幸せすぎるわ。

…うっそだろ。めちゃくちゃ寝てんじゃん(漸く目を覚まし上体を起こせばスマホが示す時間に思わず呟き。尚も出て来る欠伸を噛み殺しながら幾つか返信の忘れていた連絡を返しつつ億劫に後頭部を掻いて)

（目を覚ますと見慣れない光景が視界に広がり、宿泊施設に来ていた事を改めて認識して。隣を見ると恋人の姿があり、愛しさを抱きつつ上腿を起こせば肩を抱き締め）浩二さんおはよーございまーす。えへへ、起きてすぐイケメンが居るのは幸せだ。運んでくれてありがとうございました。…起きて早々っすけど、お風呂入りませんか？早くイチャイチャ…じゃないや、癒したいですー。

(恋人が起きたのに気がつけば用無しとばかりにスマホの通知を切ってから傍らに置き。戯れて抱きついて来る相手に軽く頬擦りを送ってはその口から出た句に思わず吹き出して)ん…おはよ、悠チャン。俺も可愛い恋人の寝顔を見てられる休日は気分が良いわ。…フハ、本音漏れてんぞ。ま、そうだなぁ…折角の露天だ。入んなきゃ勿体ねぇわな。

流石、口が上手いなぁ。偶には先に起きて寝顔以外も見せたいとこなんすけどね。…ははっ、スマートに邪な考えは隠しとくつもりだったんすけど、いかんせん素直過ぎて。じゃあ行きましょ。湯上りには浴衣着て貰わなきゃ。（頬へ口付けを贈ると、ベッドから抜け出しタオルと浴衣を取りに収納へと向かい必要な分を手に取って。悪戯な視線を相手に向け問うは）水着着ます？

ハッ、まぁ寝過ぎるとマジで頭回んなくなる質なんでなぁ…まぁそんな日が来るのを楽しみに待ってるわ。…ふ、悪かねぇわ。悠チャンが邪な考え持ってる横で素知らぬ顔で居るっつーのも楽しそうなんだよなぁ？…そうだなぁ、浴衣はやっぱロマンだよなぁ…悠チャンの浴衣楽しみだわ。(頬への甘い感触に目を細めては、入浴の準備をしてくれる相手を横目に指輪を外して。早々にカットソーを脱げば投げ掛けられた問いにニヤリと笑みを浮かべ、これ見よがしに割れた腹筋に手を這わせデニムに手を掛け)…着て欲しいっつーなら着てやるけど？

やっぱショートスリーパーってスゲーっすね。俺12時間くらい寝ねーと頭回んないっすもん。気合い入れて貫徹でもしねー限り無理なんだろうなー。…ね、正味旅館にしたのは浩二さんの浴衣見たかったからってのもあって…って、また暴露しちまいましたわ。どうも今日は口が滑るなー。（トップスを脱ぐ男らしい仕草に見惚れているも、次ぐ所作と台詞に瞬く間に顔を高潮させ取り乱した表情をしては、慌てて鞄から水着を取り出し相手の分をベッドに置いて。部屋からガラス張りで見える広々とした檜製の露天風呂を指さしては、自身の着替えをすべく逃げる様に別室の洗面室へと走り）なっ……、着てください！でもって先に入っててください！ガラス開くと思うんで、こっち来ちゃメッすよ！

マジで体力限界だったりするとそんくらい寝る時もあるっちゃあるけどなぁ…。フハ、早寝するっつー選択肢はねぇ訳だ。悠チャンらしいけどなぁ。…お、やけに素直じゃん。そんな期待されてんなら応えてやんねぇと。(慌てた様に逃げていく相手の姿に盛大な笑い声を溢しては、一頻り落ち着いた所で笑いのせいで潤んだ目頭を軽く抑えつつ息を吐いて。ボヤく様にポツリと呟いてから相手の残した水着に着替え、ガラスの向こうに広がる露天風呂へと足を進め。鼻腔を擽る檜と温泉の匂いに頬を緩ませ掛け湯をしてから浸かり)ふ、…あはは！…はーあ、べっつに減るもんじゃねぇのに。──…おー、流石。やっぱめちゃくちゃ良いな…。極楽だわ。

じゃあ浩二さんの体力が限界な時は、俺がずっと添い寝してあげますね。何時間でも寝れるんで、良い抱き枕になりますよ。…ははっ、確かにそうだ。早寝の選択肢が元からなかったっすわ。でもやっぱ朝に寝る方が気持ち良いんで、無しっすね。（駆け込んだ洗面室で赤らんだ頬を掌で覆いへなりと屈み込んでは、高鳴る心臓を落ち着けるべく深く息を吐き）……ひー、かっこよすぎるだろー…今更ながらあんな人が彼氏ってエグい…、（緩慢に立ち上がりのろのろと水着へと着替えては、鏡に映る細身の肉体に無性に恥じらいを覚えて。急ぎ目に部屋を出ると、タオルと浴衣を抱えて露天風呂へと向かい休憩用の椅子にそれらを置き、湯の中で寛ぐ恋人に表情を緩ませつつ掛け湯をして浴槽へと。相手の隣へと腰を下ろしては、全身に感じる癒される心地にうっとりとしながら）…うわー…気持ち良いなぁー…温泉とか久々っすけど、あーコレ癖になりそう。

(顔に感じる冷たい夜風と身体を包む湯の温かい感覚に感嘆のため息を漏らしゆったりと足を伸ばし目を瞑って居れば恋人かの声と響く水音に目を開けて。水着姿の相手を揶揄うべく態とらしく不服気な顔をしてみせるも、直ぐに笑顔に戻れば隣の肩に自身の肩を触れさせて)…本当になぁ、元々温泉とか銭湯好きだからさぁ、悠チャンと来れたの最高だわ。マジでありがとうな…良い連休過ぎて月曜の催事行くの嫌になりそう。

（都心から僅か離れた立地とあり空気は澄んでおり、僅かながらに夜空には星が見えていて。触れ合った肩に頭部を傾けては、ゆったりと過ぎる穏やかな時間を噛み締める様に双眸を伏せ）…マジっすか。浩二さん温泉とかジジくさいって嫌がるかもって心配だったんですけど、安心しましたわ。またいつでも来ましょうよ。こんな楽しみのためなら頑張って働けそうじゃないっすか。…ねー、この儘一生の時が過ぎれば良いのに。でもそうもいかないから、じゃあ月曜日はごはん作って浩二さんの帰りを待ちますね。

(相手が凭れるのとは反対の手で湿り気を帯びた前髪を掻き上げては横目で恋人を見遣り、穏やかなその表情に口元を緩めては慈しむ様に頬を軽く撫ぜて)サウナとかも好きだし、俺結構古臭い文化も好きだよ。それこそ落語とかダチと見に行ってそのまんまクラブ行ったりするし。あー、いいねぇ…約束が増えてくなぁ。こーんないい思い出来んなら馬車馬の様に働いてやらぁな。…ふ、随分甘い事言ってくれんじゃねぇの。つか…マージ？んじゃ月曜は何がなんでも早めに帰らなきゃなぁ。

落語からのクラブは斬新っすね。何がスゲーって、その辺の趣味を共有できる友達がいる事っすよね。エモい。…ねー。こんなに予定作るの久々っすわ。スニーカー履いてお出掛けも確定済みですし。でも馬車馬では働かないでくださいね。心配だから。…えへへ、頑張って作ります。食べたいものとかありますか？（頬を撫でる手に薄く目を開いては、緩慢に両腕を水面から出し相手の首へと回して。滑らかな肌が触れ合えばこくりと喉を鳴らし、額を合わせて再度瞼を伏せて甘い声を出し）…んー、すきー。俺の彼氏がイケメン過ぎて辛いんすけど、どうしましょ。

周りも変な奴…つか、雑食ばっかだからさ、俺もダチの趣味で気に入ったもんは共有するし、ダチもそうしてくれんだよな。有り難え話だわ。…あとアレな、悠チャンをクラブに連れ出す。買い物もまた行きたいしなぁ。フハ、了解。まぁ、暫くは落ち着くハズだから、んな心配しないでなぁ。…んー、悠チャンの手料理ならなんでも嬉しいけどなぁ…あー、でもハンバーグ食いたい。目玉焼きのっかったやつ。(素肌に触れる相手の腕に自制する様に微かに眉を寄せるも、甘い声の前では意味もなく。水面の下でそっと相手の背中に手を回しては額を合わせてくる相手の唇を軽く啄んでから柔らかい声色で返して)…俺も好きだよ。ハッ、奇遇だなぁ。俺も俺の彼氏が色っぽくて男前で堪んねぇのよ。