No title（〆）

ま、虐めたくはなるよなぁ。…ほら、変態なもんで？(くつくつ笑いながら冷蔵庫を開けてクラフトビールを2本手に取れば蓋を開けてからリビングへと戻り相手の目の前のテーブルへ。)…そうかぁ？可愛いと思うけど。…つーか他の奴にはデレデレしてたじゃん。(隣に腰を下ろしながら相手を見遣れば些か拗ねたような口調を携えてその耳を柔く触り)おー、イケメンに撫でられてココもご機嫌だなぁ。(視線を下ろせば喉を鳴らして目を閉じる愛猫の顎を軽く掻いてから乾杯を求めるようにビールを手にして)

悪ぃ、上げてたわ。気ぃつけるなぁ。

真顔で変態っすよね。あれか、先日喧嘩云々いってましたけど、本当はイジメっ子だったんでしょー。（茶化す様な口調をするも、ビールが運ばれれば相手を真似て左手で猫の喉元を擽りつつ右手で瓶を手にし）まあ顔が可愛いんでアレっすけど。…へ？俺デレデレしてました？スケベ顔のデレデレならしましたけど、後は無自覚っすわ。（拗ねた表情の相手を煽る様ににやにやとして見せれば、掲げられたビールより位置を下げ瓶を触れ合わせその流れで口元に運び半分程を一息に呑んで）…んーっ、うまーっ。…ココちゃん、スゲー良い子っすね。持って帰る。

全然、楽勝っす。寧ろ確認無しに下げててすんません。やり易い様にやっちゃって下さいね。じゃあ、こちらは蹴りヨロです。

いやいや、俺の虐めは愛のある虐めだから？好意ある奴にしかしねぇし、虐めるっつても焦らして強請らせるくらいの軽いやつよ。(眉を上げて戯けるように口にすれば、続く揶揄する様な相手の声色には不機嫌そうに顔を顰め)…無自覚なら余計タチ悪ぃな。俺ですら確信犯でやってるっつーのに。…知らねぇ。(相手の視線から逃げる様に喉を鳴らして瓶の中身は殆ど一気に嚥下し)つか、悠チャンがウチに…あぁ、そっか。忘れてたわ。これ悠チャンのなぁ。(言い掛けた言葉の違和感に気づけばキーケースから真新しい鍵を1本取り出しテーブルに置いて)

いやいや、俺の虐めは愛のある虐めだから？好意ある奴にしかしねぇし、虐めるっつても焦らして強請らせるくらいの軽いやつよ。(眉を上げて戯けるように口にすれば、続く揶揄する様な相手の声色には不機嫌そうに顔を顰め)…無自覚なら余計タチ悪ぃな。俺ですら確信犯でやってるっつーのに。…知らねぇ。(相手の視線から逃げる様に喉を鳴らして瓶の中身は殆ど一気に嚥下し)つか、悠チャンがウチに…あぁ、そっか。忘れてたわ。これ悠チャンのなぁ。(言い掛けた言葉の違和感に気づけばキーケースから真新しい鍵を1本取り出しテーブルに置いて)

…あーまぁそれなら解らなくもないんすけど。正味浩二さんのはもっと濃い趣味の様な気がしますわ。今のは綺麗子ぶりましたよね？（顔を顰める相手に思わず片手で口許を覆いつつくすくすと笑いを溢すと、愉快げに目を細めた儘ずいと身を乗り出し顔を寄せ）意識的にデレたのは貴方だけって意味ですけど。不服です？…因みに確信犯って。詳しく聞きましょうか。（相手の言動と所作を不思議そうに眺めているも、鍵を差し出されると驚嘆し見開き、目の前の品と相手の顔を交互に見遣り）…えっ…、良いんすか？

…まぁ、それは悠チャンが今後身をもって知ってく訳だし？今ネタばらししちゃあつまんねぇよなぁ？(片眉上げながらなおも不満気な声色の儘横目で相手を見据えるも、詰め寄られればバツの悪さに些か視線を逸らし)悠チャンが俺にデレてたっけか？まぁでも響きは耳障り良いから良いけど。…あー、いや…。ワンチャンいけっかなぁって思って他の奴に戯れた事は…ある。…けど、手ぇ出すまでには至ってねぇよ。(相手が予想外にあどけない表情でこちらを見てくるものだから思わず吹き出せば愛おし気に目を細めて)ハハ…いや、そりゃ家に呼んだ奴なんて家族とダチ以外にはお前くらいだぜ？今日わざわざ合鍵作ってきたんだから貰ってくれねぇと困るわ。

ヤらしいなぁ。余りに変態なら尻尾巻いて逃げようと思ったのに。（釈然としない様子の相手につられて浅く口唇を立てると、上腿を元の位置へと戻し猫に縋る様な声を出しながらふわふわの毛を柔く抱き締め）ココちゃーん、あのおじさんが俺とぎゅーだのちゅーだのしておいてこの有り様だよー。…あーうん、それは心当たりがありますわ。正味それで心折れてフラフラ始めた気がしますわ。あんまり覚えてないけど。（喜びと申し訳なさが入り混じる表情で鍵を手に取ると、大切そうに握りながら頭を下げてじっと品を見据え）えー…ありがとうございます。そんな覚悟決めて来てくれたんすね…ヤバイ、デレそう。

ハッ、今更逃すかよ。俺に愛想尽かしてってんなら手ぇ離してやるけど、それ以外で離す気なんかもうねぇよ。(思わず突いて出た大きな声と相手のその口振りに言い訳の如く拗ねた様に言葉を紡ぎながら視線を落とし後頭部を掻いて。続く言葉には悲し気に目を細めれば相手の頭を抱き寄せて自分の肩に凭れ掛けさせて)だっ……て、お前…最初があんなん、売り言葉に買い言葉だったろーが…。そりゃ、意地になってんのかとか…思うんだよ…。あー……うん、それはごめん。正直お前の気持ち以前に自分自身の気持ちにすら気づいてなかったから。…ってのは言い訳にすらなんねぇけど。もうしねぇから、ごめんな。(相手の仕草と声色に堪らず微笑めばその膝元の愛猫の頭を目隠しする様に撫でながら相手の額に軽く口付け)…俺、これでもこの数日で結構覚悟決めたつもりだわ。ちゃんとするって言ったろ？

あはははっ、自分何言ってるか解ってます？すっげー俺を欲してたみたいな口振りっすよ。（盛大に声を立て笑う目は喜色を隠し切れず、僅かに耳を赤くしながらも感情を見せない様にと中途で瞼を伏せて。相手の肩口に額を預ける表情は至極柔和で、落ち着いたゆったりとした声色にて）すんません、そこは場の雰囲気を利用して俺から仕掛けました。え、いつ自分の気持ちに気付いたんです？興味本位で聞きたいっすわ。…何にせよ、謝らないで下さい。お互いフリーの身だったんで、咎める事なんてないっすわ。（双眸閉じ額への口付けを享受しては頬を緩め、そっと猫を膝から下ろせば相手との距離を詰め首裏へと腕を回しつつ、口付けをせがむ様に一度だけ啄み）本当に約束守ってくれましたね。ありがとうございます。イケメン、好き、ちゅーして。

そりゃ、別に俺のもんじゃねぇのに嫉妬してイライラするくらいには欲してたんで。しゃーないだろ。…な、ちゃんとこっち見て。俺、悠チャンのそーゆー顔好きなんだよ。ちゃんと見せて。(開き直ったかの様に眉を上げてさも当然かの如く口にするも、その表情に目を奪われれば緩く笑みを浮かべながら頬に手を添えて親指で軽く目元を擦り上げ。相手の頭に軽く自身の頭を乗せれば頬擦りをする様に僅かに動かしながら)最初はお前がフラフラし始めた時にすっげーイライラしてさ。…でもお前の顔は見てたくて。…その位かなぁ、悠チャンに会いたくてあそこに顔出すようになったのは。…だとしても俺が謝りてぇの。そーゆーの突っぱねるんじゃありません。(唇の感触に照れ臭そうに笑いを零せば目を細め相手の唇を一度甘噛みしてから音を立てて重ね、舌先でその輪郭をなぞる様に舐め上げ)ハッ…かわい。

へぇ、イライラしてたんすか。全く気付きませんでしたわ。早く言ってくれれば良かったのに。…あれ、俺の拗ねた顔が好きでしたよね？（軽口を叩くも促される儘に瞼を浅く開き数秒間だけ幸福に満ち足りた様な表情を見せては、勿体振る様に再度睫毛を伏せ、大人しく相手の所作を享受し）まさか俺が目当てだっただなんて、喫驚っすわ。同じく俺もとだけ。…謝りたいかぁ…出た、ドM浩二さん。……ン、（期待に沿う様柔な感触が走れば、短く息を呑み己も角度を変え控えめな吸引音を立てて相手の唇を吸い上げて。徐に顔を離すと、相手の肩口に額を寄せ瞼を下ろし）…御馳走様です。イチャイチャしたら眠くなったんで、浩二さんの腕ん中で寝ますわー。…あ、この儘蹴っちゃってくださいね。おやすみなさい…、

自分がフラフラしてたのに言えるかよ、ダセェだろ。…それに、お前が他の奴好きだと思ってたし。それならそっちのが幸せなのは明白だったからなぁ。…拗ねてる顔は子供染みてて可愛い。今のは色っぽくて唆られる。(思い返して苦笑すれば相手の顔を満足気に見つめながらその造形を確かめる様に鼻筋から頬、目蓋の上へと親指を緩く動かし)…ま、悠チャンのは後日じっくり聞くわ。そんな一言で見逃してやんねぇよ。…筋は通しておきてぇの。自分がした事ちゃんと受け止めておかねぇと不安なんだよ。(甘い感触に目を閉じて相手の腰元に手を回しながら嗜虐心を押さえ込む様にその手に力を込めて啄むだけに留め。肩口の重みに微笑めば髪を梳くように頭を撫でて)……ん。…俺も今日はいい夢見れそうだわ。おやすみ、悠チャン。

（大型のキャリーバッグに加え、複数のサブバッグを携えた家出さながらの身形で夜風切り往来を進んでは、目的地である相手の自宅前へと辿り着くなりインターホンを鳴らし返事を待たずして鍵を差し込み解錠して。扉を開き荷物を玄関内へと運び入れては、口元に手を翳し近所迷惑にならない程度の声量にて）浩二さーん、私物持って来ちゃいましたー。俺は収納なり何なりさせて貰うんで、浩二さんはお出掛けとかしちゃってＯＫですよん。

ただいまー…(仕事のせいで自分から匂う女物の香水の匂いに辟易しながら紙袋を携えて帰宅すれば、愛猫が居る時の癖でその口で帰宅を知らせるも、玄関先の人影と相手を取り巻く大荷物に思わず面をくらって)…めちゃくちゃ大荷物じゃん。まぁ良いけど。スペースだけはあるしなぁ。(肩を揺らしながら笑えば袋の中の酒類が軽快に音を立て、そちらを見遣り)あー…あそこ1周年らしいから一回着替えて酒でも持っていこうかと思ってたけど。悠チャン一緒に行かねぇ？

おお、おかえりなさいです。（突如として背後から声が掛かれば大きく背を跳ねさせ驚いて。心臓を抑えつつ背後を顧みては、嬉しげに目を細め指を閃かせて）鍵貰ったんで、折角だから居座ってやろうかと。…おっ、１周年なら行かなきゃっすね。雨月さんがワイン欲しいって言ってたんですけど、この袋に入ってるかしらー。（くすくすと笑いつつ袋を覗き込んでは、一足先に玄関の外へと身を滑らせ）一緒に行きましょ。待ってますね。

…ハッ、おかえりって言われんの悪くねぇなぁ。久々だわ。(愛猫からは決して返ってくる事のないその言葉に顔を綻ばせれば、くしゃりとその頭を撫でて)おー、悠チャンが居座ってくれんなら尚の事ちゃんと帰って来なきゃだなぁ。…だろ？世話になってるしなぁ。ハハ、任せろ。今日は百貨店で仕事だったから良い奴揃えてきたわ。…ん、すぐ着替えてくるわ。(くつくつと笑いながら紙袋を玄関口に置いて寝室へと。目についた黒のＶネックとジーンズに身を包み、脱いだスーツをハンガーに掛ければカーキのMA-1を手に取り羽織りながら玄関の外へと出て)お待たせ。行くかぁ…日付変わっちまったけど、まぁご愛嬌っつーことで。

んーっ、良く飲んだ。また浩二さんの金だ申し訳ねぇなー。（酔いが回り上機嫌でいるも、思考能力は比較的はっきりとしていて。扉の外で恋人に『先に帰りますね。続きも楽しんでさーい。』と簡素な連絡を送ると、些か千鳥足気味で元来た道を進み相手の自宅へと。真っ先に猫の元へと向かい優しく背を撫で慈しむと、次いで寝室へと足を踏み入れベッドの端に横たえ瞼を下ろし。至極ご機嫌ながらも恋人を感じれる品を欲する様枕を引き寄せては、胸元に抱えつつ混濁する意識の儘就寝し）

(外の空気の冷たさに一瞬肩を竦めて足取りが重くなるも、脳裏に浮かぶ人物が些か飲み過ぎだった様に思えば帰路を進む足は次第に早くなり。ふとスマホの振動を感じて取り出し、メッセージを確認すると小さく息を吐いて、肩の力が抜けるがもう自宅は目と鼻の先で。配慮するようにそっと玄関の扉を開け、耳が痛くなる程の静けさの中見つけた愛猫の鼻先に口付けを落とし、そのまま踵を返すように寝室を覗き込めば、穏やかな寝顔が目に入り)……んだよ、心配させんな。(不満気に小さく溢すもその顔には緩く笑顔を浮かべた儘、起こさないようにそっと、その額に唇を触れさせてから静かにベッドに潜り込み、恋人を抱きしめながら目を瞑って)