No title（〆）

そうそう、女子力アピールとかでなぁ。まぁ基本的に俺晩飯食わねぇからいーよ。休みの日は俺が作ってやりゃ良いんだし、問題ねぇだろ。(仄かに緊張しつつも返ってきた反応に思わず破顔しては安堵のため息と共に左手で相手の頭をわしゃわしゃと撫でて。スプーンで肉を掬って咀嚼し嚥下しながらまずまずと言えるその出来に1人頷き)おー、そりゃ良かったわ。はー…ハハ、柄にも無くちと緊張した。

まあでも料理出来る女は良いっすよねー。俺も多少なり練習しようかしら。…え、つか浩二さん晩飯食ってなかったんすか？てっきり外食して帰ってるんだと思ってましたわ。あははっ、食事の面倒までお願いしちゃったら完全にペットじゃないっすかー。ココちゃんと一緒だー。（感動を伝え終えたところで再度料理を口に運び感嘆し鼻腔から深く息を吐いては、徐に立ち上がりキッチンへと戻りフランスパンを幾つか切り分け皿に取り。緩慢にソファーへと戻り着座しては、てへっとおちゃらけて笑って見せ、テーブルに皿を置いて）あまりにも美味すぎたんで、ガッチリ飯にしますわ。太っても捨てないでくださいね。えへっ。

まぁ簡単なのくらいは作れて損はねぇだろ、俺も悠チャンの手料理食いたいし。…昼にガッツリ食うからあんまり晩飯食うっつー習慣がねぇんだよなぁ。飲み会とか接待でも飯より酒だし。ハッ、マジでネコが2匹になる訳だ。ま、でも悠チャン洗濯とか掃除とかやってくれるしなぁ、そんくらいは俺だってやんねぇと。(言葉を紡ぎながら合間合間に順番に具材を口に運び。立ち上がった相手を水を飲みながら見送ると、戻ってくる手にしたパンを見ては愉快気に口角を上げて)ハハ、好きなだけ食えよ。悠チャンはもう少し太った方がいいだろ。

えー、浩二さんが食いたいって言ってくれんなら作る価値ありますわ。ユーチューブで勉強しよーっと。…えっ、そうなんすね。俺も晩飯食う習慣ないんすけど、彼氏がそうだって聞くと心配っすわ。こりゃ早急に飯の練習しなきゃ。…んー、洗濯と掃除に比べたら圧倒的に金稼ぐ方が大変だからなぁ…決めた、やっぱ俺、家事が出来るヒモを目指しまっす。（相手の笑い声ににやにやとしつつ、シチューを口にしてからパンを齧り美味しそうに頬を緩め）うまっ。やっぱりビーフシチューとパンの組み合わせはジャスティスっすわ。あははー、太っても良いんすけど、スキニー履けなくなったらアパレルで働けないかもっすね。そうしたらヒモ確定だー、養ってください。

おー、楽しみにしてるわ。そん時は意地でも真っ直ぐ帰ってくる。…いや、んな心配する程じゃねぇよ。腹減った時はちゃんと食うし…マジで昼飯の量がエグいだけ。…んー、まぁ俺としては役得だし有り難いけどなぁ。んじゃ俺はヒモの為に仕事頑張んなきゃだわ。(隣で余りにも美味しそうに食べる相手を見ては暫し思案するも、耐え切れずテーブルの上のパンに手を伸ばしてはシチューに絡めて口へ放れば、小さく唸り)…ん、悪くねぇわ。一緒に食う奴が居ると美味い。ハハ、いくらでも養ってやらぁ。

じゃあ浩二さんが疲れて休んで欲しい時だったり、俺が寂しい日にはご飯作る様にしますねー。そうしたら直ぐに帰って来てくれるみたいなんで。…ほっ、エグいって言う程の量ってどんなもんでしょ。ステーキとかガッツリみたいな感じっすかね？（自身と同様にパンを食す相手を見ては微笑ましげに小さく笑い、再度シチューを口に運んで。些か早めのペースで食していき、皿を空にし4切れ目のパンを平らげたところで満腹とばかりに腹を摩っては）はぁ、美味かったっすわ。手作り料理最高。…正に同意で、やっぱ恋人と飯って良いっすね。また作ってくださーい。

そりゃ良いな。心配掛けてたり寂しがらせてるっつーのがすぐ分かる訳だろ？…ま、そーゆー時は飯なんか無くても言ってくれりゃ早く帰るけど、悠チャンなかなか言わねぇだろうしなぁ。…んー、外出てる時とかはステーキとかも食うけど、基本社食があるから…定食の白米大盛りにしてもらってサラダとバイキングで適当に揚げ物とか煮物とか取って…って感じだなぁ。(思い返す様に視線を動かしながら皿の中身をスプーンで掻き寄せ最後のひと掬いを口へと運び。満足気なため息を漏らしては隣の皿とスプーンを自分の物と重ねて立ち上がり、キッチンへと持って行きつつ)お粗末さまでしたー。ん、あんま手の込んだやつは作れねぇけど食いたいもんあったらリクエストしといて。…因みに俺は悠チャンのオムライスが食いたいわ。

えへへーっ、何かストレートに言うより良くないっすか？月が綺麗ですね、的な感じで今日飯ありますぜ、みたいな。…あーね。社食かぁ…つーかバイキングとかあるんすね。良いなぁ、学食の比じゃねーや。そう言うの聞くと働きたくなりますねー。んー、じゃあ次のリクエストは男の料理って感じのカレーとかで。オムライスっすね、上手く出来るかアレっすけど、頑張りますわ。（両頬に手を添え妄想を膨らませるも束の間、相手が後片付けの為に席を立つと寂しげに眉を落とし、両腕を広げて声を張り）浩二さーん、浩二さーん、片付けは後で俺がやるんで。こっちこっちー！

ま、確かにな。ダチとか会社の奴に『恋人が飯作って待ってるんで』っつー言い訳が出来るのも気分良いし。…あー、まぁ女性社員多いからなぁ、ウチは。バイキングある会社ってのは珍しいんじゃねぇかな、基本は学食と変わんねぇし…なんなら学食のが安かったわ。おー、了解。煮込むだけなら失敗のしようがねぇから任せろ。(くつくつ喉を鳴らしながら足を進めようとするも呼び止められれば振り返り、相手の様子を見て思わず笑い声を上げ。手に持つ食器をまたテーブルへと戻せばソファーへ座る恋人の前に立ち、片膝をソファーへと載せつつ背凭れに手をつきながらニヤリと笑みを浮かべ)ハッ…なんだよ、イイコトでもしてくれんの？

あっは、確かに幸せ感は出ますね。なら写真で自慢出来るくらいのクォリティ目指しますわ。これでも手先は器用な筈なんで。…ほぇ…やっぱ女が多い会社って気遣いが行き届いてるんすなー。学食は安いけど美味くないっすよー。給食の方が味が良いくらいっすもんー。（相手が直ぐに構ってくれた事に嬉々と目を細めては、男前な仕草に僅かに心臓を高鳴らせつつ首裏へと手を回し確りと眼を見据えながら礼の言葉を告げて。次いでゆっくりと目を下ろしては、口付けるべく相手を引き寄せながら首を傾け）良い事かは解んないですけどー。ごちそうさまでした。すっごく美味しかったです。お礼のちゅーでーす。

ハハ、そんなん作ってくれたら喫煙所でも自慢しまくりそう…やべぇな、めちゃくちゃ楽しみだわ。…まぁなぁ、自社ながらスゲェと思う、そーゆー所。まぁ学生の頃の飯なんか腹が膨れりゃなんでも良かったしなぁ…でも給食は俺も好きだったわ、懐かしー。(眼下の恋人と視線を絡めては感謝の言葉に満足気に頷きつつ、軽い言葉を口にするも愛おしさに目を細め。下りた相手の目蓋にそれでも尚表情を見逃さない様に注視しては促される儘に背を丸めて与えられる口付けの感触を楽しんでから、相手の唇を舌先で突つくように舐めて)ん、どーいたしまして。…お、ラッキー。

うへー、そりゃハードル上がりますなー。あそこはスペック高い人多いんで、料理なんてみんな朝飯前でやっちゃいそうですもん。あははっ、浩二さん給食好きそうっすねー。休んだ奴の分の唐揚げを賭けたじゃんけんとかに参加してそう。俺もしてました。（口唇が触れれば解放しようと薄く目を開くも、間近で視線が絡めば恥じらい気に息を飲み、直ぐに再度瞼を下ろして。次いで相手の舌先を招き入れる様に唇の隙間を薄く開いては、自身からも控え目に絡めにいき）……っ、

周りのスペックなんざ関係なく悠チャンが作ってくれたっつーのを自慢したいんだから良いんだよ。サラッと料理作れるより、出来ないのに俺の為に練習しようってのがいじらしくて良いだろ？よーく分かってんじゃん、めちゃくちゃしてたわ。給食当番の女子に大盛りにしてって頼んだりなぁ。(自分の視線から逃れるようなその反応にぞくりとした熱が背中を走れば指に髪を絡ませる様に相手の頭に手を這わせて。歯列をなぞりながら舌を押し進め、遠慮がちな相手の舌を擽るように弄んでは口角を歪めて)…ン、……。

…えへへっ、良くそんな男前な事を言ってくれますわ。益々浩二さんに恥かかせれなくなりますよ。俺もビーフシチュー自慢しますんで。バカップル寸前だー。…おーすげー、そんな若い時から女子を誑し込んでたんすか。俺のクラスなんて男女あんまり話さないシャイボーイシャイガールだらけでしたよ。（与えられる淡い刺激にじれったく背筋を震わせては、耐え切れず自ら角度を変え深く舌を絡めていき、時折緩急を付ける様に歯列をなぞり上顎を舌先で擽り。次第に夢中になり肌を僅かに上気させては、喉元で小さく掠れた声と吐息を溢し）…ンっ…、ん……、

…いや、ビーフシチュー自慢されんのはちと恥ずかしいわ。俺のキャラじゃねぇっしょ。BBQの時くらいしか料理しなさそうじゃね、俺。…ちーげぇよ。ガキの頃はお調子者…っつーか、学年に何人かは居るだろ？年中うるせぇ馬鹿騒ぎしてる奴ら…そんなんだったからさぁ。つか、悠チャンがシャイボーイっつーのはイマイチピンとこねぇな。(相手の下が口内へと滑り込んでくれば逃がさないとでも言いたげに甘噛みをしてから舌の裏側を舐めて音を立てて吸い付き。口内で小さく響く吐息に堪らず目を閉じては身体の内側の熱を吐き出す様に自分も息を溢して)…っ……ハァ、

確かにギャップはありますけど、そこが良いんじゃないっすか？オリーブオイル使いまくる奴とかも見た目だけで言ったら料理しなそうですし。…ああでもBBQは否めねーっすわ。喜んで火点けてそう、ウケる。…あーね。クラスのムードメーカータイプっすか。確かにそんな感じだ。俺はシャイではねーけど、女側があんま話してくんない感じでしたね。スカートめくりしてたからかなぁ。（舌を吸い上げられれば僅かに肩を震わせ、相手の呼気を耳にしたところでぞくりと疼く感覚を覚えては、理性が利く内にと早急に顔を離し逃れて。口端に伝う糸を手の甲で拭いつつ態とらしく音を立て唾液を嚥下しては、薄く笑み）どちらもごちそーさまでした。

へぇ、悠チャン的にはそこが良いの？なるほどなぁ。…いや、うん…BBQの火ぃ点けるの楽しいじゃん、テンション上がるっつーかさぁ。…ま、その分呼び出される回数も半端じゃなかったけどなぁ。あー…そりゃ照れてたんじゃね？まぁこんなイケメンにスカートめくりされりゃあなぁ、可哀想に。(相手の唇が離れて行くのを察すれば自分の唇を軽く舐めつつ上体を起こしては冷静さを取り戻す様に鼻から深く息を吐いて。色香の漂う相手の仕草に胸の内を掻き乱される感覚を生唾と一緒に飲み込んで、一言絞り出せばタバコを手に取って)ん…ちっとタバコ吸ってくるわ。先に寝てな。

やっぱギャップがある彼氏って良いっすよ。本当は浩二さんの一途なとことか、可愛い面とかのギャップも自慢したいっすけど、そこは俺が独占しとくんでせめてもね。…おー、俺は火点けるの他人任せで遊んでる派なんで、じゃあいつかBBQした時はヨロでーす。あはは、俺のガキの頃は残念ながらいかにも雄太郎って感じのジャリガキっすわ。まあ足速いからモテましたが。（相手の様子から自身と同じ心中である事を察すれば、嬉し気に目を細め首筋に指を滑らせた後にそっと煙草を持つ手を両手で握り、行かせまいとそっと囁く様な声遣いで）俺を一人で寝かせるんですか？煙草に行くなら一緒に行きますし。…今は一緒に居て欲しいです。

…いや、冗談のつもりだったんだけど…やめろよなぁ、照れ臭いだろーが。そんな良いもんじゃありません。…ハハ、俺は逆に後半の片付けとか面倒くさくなってずーっとタバコ蒸してるから、そっちは任せた。…ハッ、それはそれで見てぇわ、生意気そう。あー、なんっでガキの頃って足速い奴がモテんだろーなぁ。(煽る様なその指遣いに小さく舌打ちをしては必死に理性をかき集めつつ相手の手が重なった手に視線を落とすも束の間、鋭く相手を見つめては空の手でその頬を軽く撫ぜてその儘滑らせカットソーから覗く痣に触れ)一服したら一緒に寝てやるよ。それとも何？悠チャン『待て』も出来ねぇの？…そんな悪い子に躾覚えねぇんだけどなぁ。

俺が浩二さんにベタ惚れなのに、そんな冗談通じると思ったんすか？…あははっ、俺に至っては片付けすらしないっすわ。なんで面倒見の良さそうなお兄さん方と行きましょうよ。ダブルデートなどを兼ねまして。…つかウケる、生意気そうってコメントが真っ先に出てくんのが。多分狩猟時代から引き継ぐ本能的には、足速い奴がモテるのが理に適ってるんじゃないっすか？適当なアンサーですけどネ。（鋭く注がれる視線に喉を鳴らし、頬から歯型へと滑る指の感触に目を細めては頷く以外の選択肢はなく。素直に手を解放しては緩慢に立ち上がり、食器を持ってキッチンへと足を進めて）…はい。じゃあ俺、食器洗ってから寝ますね。行ってらっしゃい。