No title（〆）

ま、いつもって訳じゃねぇけど、木曜は割と早く帰れる事多いからさぁ。今度どっかで待ち合わせて飯でも行くか。…病み上がりはコレ持って座ってろって。全部引っくるめて昨日の埋め合わせなんだから悠チャンは大人しく待ってりゃいーの。(片眉を上げながらマグカップを取り上げる様に手に取れば、代わりとばかりにスプーンを２つその手に持たせて顎でソファーを指し、マグカップにコーヒーを注ぎ)…意外と見てんのなぁ。あんま人に言ってねぇのに。マジで食えないモン殆どねぇよ、俺。だから何でも付き合うし…あー、でもパクチーだけはダメ。

お、外食良いっすねぇ。やっぱ俺達なら居酒屋とかバルとか酒飲めるとかっすかね。…えー、埋め合わせって。そんなんしないで下さいよー、俺何にも用意してないですし。でもお言葉に甘えてダラけさせて貰いまーす。（手中のカップを奪われれば済まなそうに眉を下げるも、直ぐにちゃっかりとした声を出せばスプーンを握りつつ相手の背を抱き締め、ソファーへと戻り足を組み着座して）まあ恋人の嗜好は目敏く見てますよ。それ言ったら、浩二さんも俺が甘いの好きなの察してくれたじゃないっすか。…うわぁ、又もや一致だ。俺もパクチー駄目なんすよ。アレ食ったら１日腹壊すんで、それ食う羽目になる事は一生ないって安心してください。

あー、良いねぇ。普通の大衆居酒屋とかも好きだし、落ち着いたバーとかも結構好きなんだよなぁ…ま、結局酒が飲めりゃなんでも良いんだけど。…ハッ、俺は帰って来た時に悠チャンが居てくれりゃそれで満足なんで。(コーヒーを注いだマグカップを左右の手で持ちながら愉快気に肩を揺らしては笑い声を隠す事なくソファーへと足を進め。腰を下ろしてからはたと気づき『…ブラックで平気？』と声を掛けつつ再び立ち上がろうと腰を浮かして)そりゃ、甘いモンであんだけ喜んでんの横目で見てたりゃなぁ。…マージかよ。ハハ、すっげぇなぁ、本当に。どんだけ似たもん同士だよ。

へー、意外っすね。嫌がられるのを覚悟で居酒屋って言ってみたんすけど。…それこそ落ち着いたバーとかでしっぽりしてそうっすもん。ははっ、居ればそれで良いって期待値低すぎません？もうちょい何か期待してやってくださいよー。あ、ありがとーございまーす。プリンあるんでブラックで大丈夫っすわ。（コーヒーが運ばれて来れば紙袋からプリンを取り出し、相手と自身の前にスプーンと併せて置きつつ朗らかな声色で礼を告げて。自身の分を開封し掬い取れば、相手の口元へと差し出し）はい、あーん。…あはは、そりゃ恥ずかしいとこを見られちまいましたわ。人前ではあんま甘党見せない様にしてるんすよねー。…正味、苦手なものが被る分にはラッキーすよね。因みに好きな食べ物は何ですか？酒と煙草以外で。

ワイワイガヤガヤしてんの楽しいだろ。隣の席の人らと仲良くなったりなぁ。…あれだ、あそこの喫煙所に雰囲気似てねぇ？大衆居酒屋って。…そーだなぁ。んじゃおかえりのチューくらいありゃ、もう言う事なしかなぁ。ん、どーいたしまして。(緩く頷き再び腰を下ろせば、揶揄う様にくつくつと笑いながらコーヒーを一口飲みつつ相手が用意してくれるのを穏やかに見届け。差し出されたスプーンに口を付けて咀嚼しては微笑んで)ん…あーま。けど、うん。食いやすい方だわ。…そうなん？悠チャンが甘党っつーのは結構らしいけどなぁ。…肉、ラーメン………あー、あと…オムライス。

うへー、コミュ力高えっすねー。俺は隣の人なんて話もしませんわ。ナンパしたりされたりっつー事ですか？…きっと人見知りしない人にとっては喫煙所みたいなもんなんすねー…浩二さんと一緒に行ったら俺っちボッチ確定っすわ。あはは、変わらず期待値が低いっすよ。（相手が手元から食す様子を目元綻ばせ眺めては、感想に相槌を打ち再びプリンを掬い今度は自身の口元へと。口内に広がる上品な風味に双眸を閉じ表情を緩めては、僅か上擦った声で）…んーっ、うんまっ。何か高そうな味がしますね。紙袋に入ってるくらいだからそうか。…え、俺甘党っぽいです？イキッてジャンクフードと酒と煙草しか口にしない設定で攻めたかったんすけど。ははっ、オムライスー。急に可愛いのきましたね。肉は接待で食えそうですし、ラーメンは締めで行きそうなんで、じゃあ今度オムライス食いに行きましょ。

ナンパとかも、あー…まぁ……うん。…つってもダチが知らねぇ奴にガンガン絡みに行くタイプが多いだけで、俺だって1人で飲んでる時以外は相手に合わせるくらいの事はするわ。そもそもデートだろ？目の前の奴しか見ねぇなぁ。…しゃーない。マジでそれだけで良いんだわ、未だに悠チャンが俺のモンになったって信じられねぇ時あるし。(言葉を濁せば誤魔化す様にコーヒーを啜ってからマグカップを置き目の前のプリンへと手を伸ばしては封を開け。横目で堪能している相手の表情を見ながら満足気に笑みを浮かべ、自然と柔らかい声色になり)気に入ったんなら良かった。百貨店の子が旨いっつってたからさぁ…並んだ甲斐あったわ。…まぁ、ジャンクフードも好きそうだけど。SNS映えするスイーツとか食ってそうなイメージあるわ。…うっせ、旨いだろ、オムライス。ん、悠チャンはねぇの？甘いモンと酒、タバコ、ジャンクフード以外で。

あーね。ガンガン行くスタイルならその辺に出会いが転がってて楽しそうっすよねー。…あはは、そうでしたー。尤も俺、その辺の女よりも顔面偏差値高い自信あるんで。余所見させない様にキメ顔貫きますわ。（口調は冗談めかすも、表情は自負に溢れていて。薄く笑みを刻みじっと眼を見据えるも、次ぐ言葉には僅か見開き顔を傾け）…ほっ。俺なんてそんなお高い男じゃねーっすよ。信じられねぇって言葉が信じらんないっすわ。（一口目を充分に堪能すると、二口目以降は止まらなくなり早めのペースで口に運びあっと言う間に完食して。コーヒーを手に取り啜ると、染み渡るとばかりに深く嘆息を吐き感動に浸り）…うめっ…やっぱ甘いのには苦いコーヒーっすね。つか並んだんすか？すんません、仕事帰りの疲れてるトコに。…あはは、パンケーキだのチーズハットグだの、嫌いじゃねえっすわ。好きな食い物ねぇ…焼肉、寿司、ラーメン。本命は雄っぽい感じっすよ。概ね浩二さんと被ってますね。

良くも悪くも類友ばっかだかんなぁ。まぁ見てて飽きねぇけど、ロクなもんじゃねぇよ。…ハッ違いねぇなぁ。俺の可愛い恋人がキメ顔してんなら他見る余裕なんてねぇわ。(自信あり気なその表情に思わず吹き出せば口角を吊り上げて意地悪い笑みを浮かべながら頷き。後の相手の反応には頬を潰す様に顔に手を伸ばすと暫しその感触を楽しみつつも微かに唇を尖らせるも口調は戯けて)悠チャンの周りには人が集まるからなぁ。俺の隣に居て良いんかな、とは思うわなぁ。…ウブなもんで？(見る見るうちに消えていく相手のプリンに若干呆気に取られつつコーヒーと交互に自分のそれを口に運びつつ。告げられた句に態とらしく不満気に返せばニヤリと笑みを浮かべ)…俺が欲しい言葉は『すんません』じゃねぇんだよなぁ。もっと可愛いの、言えるっしょ？…あー、寿司は俺も好きだわ。良いな、食の好みが合うっつーのは大事だなぁ。

ははっ、類友ならやっぱ浩二さんもナンパ楽しんでたんじゃないっすか。別に良いじゃないっすか、男なんだし。俺は若干潔癖なんで見ず知らずには声掛けねえってだけですし。…ま、美人は３日で飽きるって言うんで、油断しない様に男磨きますわ。（相手の笑いを誘う事に成功すれば一笑し、キメ顔を崩して。頬に触れる指を暫しは受け入れるも、突如として捕らえれば噛む真似をしてすぐに解放し）ウケる。ウブかどうかは別として、俺だって浩二さんが俺なんかを相手にしてくれてて良いのかなって不安になります。…結論、俺達思考は大体一緒。…可愛い言葉かぁ…そうだなぁ、ありがとーございます。（指でハートを作りウィンクをしつつ礼を告げ。続く言葉には頷き同意を示し）ね。好きな飯我慢するのはやっぱ寂しいですし。…つーか好き嫌い完全一致ってやばいっすね。笑える。

…まぁ元々駄弁んのは好きだしなぁ。良い暇つぶしだったのは事実だし。…いや、待て待て。潔癖入ってる奴が対して知りもしねぇ男とキスすっかよ。…ハハ、余裕で3日以上経ってるけど残念、今んとこ飽きる気配はねぇな。(はたと笑顔を固まらせるのも束の間苦味を足して手を左右に振っては、恋人の顔をまじまじと見つめて喉を鳴らし。噛む真似をされ暫し驚いた様に目を見開くも厭らしい笑みを携えては同じ手で言葉を紡ぐ相手の唇をなぞりつつ)おー、おー。かわいい事言うじゃねぇの。…ま、不安にさせねぇ様に態度で示していくわ。…ん、上出来。俺は言われんならそっちのが嬉しいわ。(顔を緩ませ頷いては最後の一口のプリンを相手の口元へと差し出し。続けて口から出た言葉とは裏腹にその声色は心底楽し気で)いやマジでな。まぁ、好き嫌いに関しては定番っちゃ定番だけど今までの諸々があるからなぁ。似すぎてて怖いわぁ。

駄弁りたいが為にナンパするって初めて聞きましたわ、ウケる。…ま、フレンチなら誰とでも出来ますわ。でもディープなのは無理。もう察してますよね？割と最初から浩二さんに想いを寄せてましたよ。（口唇をなぞる指を笑み湛え享受しては、言葉なく双眸を伏せ強請る様に僅かに口唇を立てて）…正味、浩二さんにはもっと素敵な人がいただろうにとか思いますし、俺が勢いで想いを言っちゃったからって後悔したりもしましたわ。浩二さんが施してくれる以上に、俺が魅力を備えろって話なんすよ。…だって好きだし、離れたくないし。（本音を吐露する口調はぎこちなく、言葉放った後に気恥ずかしさから視線を逸らし耳を朱に染め、取り繕う様に差し出されたプリンを含んで）

（空腹が満たされると徐々に眠気が襲い掛かり、幾度か目蓋を下ろしそうになったところで恋人の脚を枕に横になり。まったりとした口調で言葉紡いでは、目を閉じ眠りに就いて）…すんません、急に眠気が…。浩二さんの膝枕で寝ちゃいますね。おやすみなさい。勿論蹴っちゃって大丈夫なんで、浩二さんも休んでくださいね。

今考えると遊び相手なんかほんっとに誰でも良かったんだなぁ、とは思うよなぁ。………マジかよ。そんなん、ちっとも出さなかったじゃねぇか、いつも生意気でさぁ。(予想外の言葉に驚きを隠せず引き戻した手で口元を覆い、視線は左右を彷徨い。それでも次第に相手の句を噛み締め胸の内へと落とせば口元は緩み、照れ臭そうに目を細めて)前にも言ったと思うけど、正直俺は最初あそこに行った時恋愛なんざする気無かったし、遊びも辞める気なんかサラサラ無かったんだよな。…お前への気持ち自覚してからも言う気無かったしな。そーゆーの全部引っくるめて俺を変えたのは紛れもなく悠チャンだよ。俺は自分が本命に対してこんなチキン野郎になるとは思って無かったし、クソヘタレだなぁって多々思うし、それがしんどくなる事もあるけどさぁ。悠チャンを隣に置いとく為ならなんだってするよ。こんな好きになんの初めてなんだわ。(膝元へ下りた頭を撫でつつ歯痒くなる言葉を紡いでは気恥ずかしさを誤魔化す様にその頬に口付けを落とし。次いで相手をそっと抱き上げ寝室へと連れて行き、自分も着替えてから相手を胸に抱きしめる様にベッドへと潜り込み、愛おし気に細めた目をゆっくり閉じては腕の中の頭に頬擦りをして)おやすみ、悠チャン。大好きだよ、ずっと俺の傍にいて。

（数時間に渡る半身浴を終え髪の毛が半乾きの状態でリビングへと赴けば、胡座を掻き脚の間に猫を載せ暫し愛でて。体勢はその儘に、テレビを点け漫然と眺めつつ美顔ローラーでごりごりと顔をマッサージし）…やっぱさー、美を保つ事がヒモの役目だと思うんよ。ココちゃんもそう思うだろ？

つっかれたぁ…。(緩い足取りで帰路に就けば玄関前で深くため息を吐いて。気を取り直した様に表情を正して解錠してドアノブを引いては、緩く笑顔を浮かべながら靴を脱ぎリビングへと)ただいま、悠チャン。ココ。

来たっ。ココちゃん行くよー。（髪の毛の水気はすっかりと乾き、バラエティ番組に笑い声を立てている最中。扉が開く音がすれば表情を綻ばせ、猫を抱えて恋人を出迎えるべく立ち上がりリビングの扉の前へと。満面の笑みで迎え入れては、頬に口付けるべく唇を寄せ）おかえりなさーい。やっと1週間が終わりっすね、お疲れでーす。…とか言って、明日仕事だったらすんません、えへへっ。

(出迎えてくれた恋人と愛猫を見れば1週間の疲れなど吹き飛び、つられて笑みを浮かべれば寄せられた口唇に応える様に頬を寄せ。甘い感触に表情を綻ばせては愛猫ごと抱きしめる様に恋人の腰に手を回し)ん。明日は休みだから1週間で合ってるよ。お出迎えあんがとなぁ。…癒されるわ。

（頬への口付けを果たせば些か疲れた様子の相手を慮る様に眉を下げるも、すぐに歯を見せる様にして笑みを深め自らも身体を寄せ抱擁を愉しみ）良かった、じゃあ明日は沢山寝れますね。…いーえ、これが俺の唯一の仕事ですし、楽しみですし。さーて、お風呂にします？お酒にします？ねんねにします？（僅か身体を離しては、主人に抱かれたそうに甘く鳴く猫に小さく吹き出し差し出して）

(体温を愉しむ様に目を瞑れば、掛けられた声に応えながら漸く瞳を開き。言葉少なに返答しては差し出された愛猫を片手で抱き上げ、空いた手で恋人の腰を抱いた儘にソファーへと腰を下ろし)風呂も酒も要らねぇから、お前らだけ居ればいーや。(微かに投げやりなその言葉とは裏腹な笑みを携えて愛猫を膝に下ろせばソファーの隣を軽く叩いて片手を伸ばして)