雄太郎 2020-01-21 03:40:27 |
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…仕事のアフターフォローの飲みな。店舗の若い子が高額違算出しやがってさぁ。しこたま叱ったから、せめてもの詫び。…サシ飲みだけど、何も無かったから。(言い訳がましく饒舌に説明すれば髪から伝わる感触に小さく息を吐きつつ『早く悠チャンに会いたかったわ。』と付け足しては首筋に軽く頬擦りをして。続く言葉に思わず顔を上げては痛ましげに眉根を寄せ抱き起こした背をベッドへと横たえて、整えられたリビングを見た後では図らずとも不満気な声色になり)…バカ。体調悪い時は家事なんてしなくて良いんだよ。俺は帰った時に悠チャンが居てくれりゃそれで良いんだからさぁ。
あーね。高額違算を理由に若手相手にドS発揮出来た上に、飲みのおまけまで付いてきた訳っすね。きらいー!(フォローの句に耳を貸す事無く嫉妬露わに膨れっ面をするも、首筋に寄せられる頬は受け入れ髪を撫でる手もその儘に。誘導される儘に再度背を寝具へと預けては、マスクの下で口唇を悪戯に歪め淡白な口調にて)生憎風邪を悪化させたトコでデメリットが皆無なんすわ。だって俺っち春休みですし。丸々のヒモも余計に具合悪くなりそうですし。
バァカ。……いや、でも俺が悪いわな。悠チャンが体調悪い時くらい真っ直ぐ帰って来るべきなのも分かってんだけどさ…悪い。マジで何もねぇからそんな事言わないでくれよ。(思わず口をついて出そうになった買い言葉を何とか飲み込めば、前髪を掻き上げ眉尻を下げてから恋人を抱きしめる腕に力を込め。相手の額に掛かる前髪を軽く梳かせば相手を見つめてため息混じりに言葉を紡ぎ)…お前が体調悪いと俺が仕事に集中出来ねぇのがデメリット。はー……マジで今日昼間心配で何度連絡しようと思ったか知らねぇだろ。
(真摯な謝罪を受ければばつが悪そうに眉間を寄せ、短く嘆息を溢し。雰囲気を一転させるべく自身を抱き締める相手の肩口に手を掛け緩慢に押した後に、上腿を起こそうとしつつ軽快な声色で)まあ正味怒ってるかっつったらそうでもないんすけど、虫の居所が悪いんすよ。熱のせいで。だから俺も風邪菌をアルコール消毒してきまーす!(続く言葉に肩を揺らし笑い声を立てては、相手の心配を無碍にする様な口調にて)あれだ、浩二さんのが病に魘されてますわ。恋の病だ。つか連絡くれりゃあ良いじゃないっすか。童貞じゃあるまい。
バカ!…お前は…っとに……。悠チャンの今日のこの後の予定は俺と一緒に寝んの。異論は認めませーん。(起き上がろうとする相手を無理矢理ベッドへと押しつければ額を軽く叩き苦々しげな声を上げてスーツを脱ぎつつ相手を見据え。揶揄する様な相手の言葉に呆れた風に首を振れば拗ねた声色になるのも気に留めず)…やぁだよ。ウッゼェだろーが。そもそもお前が寝てたら起こしちまうし。…過保護すぎんのも考えモンだろ。
ちぇー。だってアルコールの匂いがしたら俺も飲みたくなるのは当たり前じゃないっすかー。ケチ。(力で敵う筈もなく呆気なく布団へと戻されれば、不服げに口唇を立てるも視線は相手の着替えに釘付けで。続く言葉に鼻を鳴らせば、彼の拗ねた声を愉しむ様に目を細めつつ)そうやって悶々と複雑な事ばっかり考えてたら禿げますよ。女商売で禿げは頂けませんぜ、お兄さん。…さーて、トイレ行ってきまーす。(大きく伸びをし緩慢に寝具から降りると、極自然な所作で寝室を出て。その儘冷蔵庫の前へと赴くと口元に手を翳し忍び笑いをした後に、扉を開けてビールを取り出し音を立てない様に開栓して)
俺だって別に今日は飲みたくて飲んだ訳じゃねぇわ。なぁにが楽しくて罪悪感でメソメソしてる女と飲まなきゃなんねぇんだよ。(鼻を鳴らして脱いだスーツをハンガーに掛ければ目についたパーカーとジャガーパンツに着替えて。振り向いては声色はその儘に再びベッドへ腰掛けるも立ち上がる相手を目で追って)…うっせ。大人なんでな、色々考えて行動してんだわ。(静かになった寝室で目を瞑って頭を振るも依然酔いは覚めず、ベランダで一服しようとタバコを取り出し、口に咥えた儘リビングへと足を進めれば視界の端にビールを手にする恋人の姿が目に留まり)…おいコラ。いーい度胸してんじゃねぇか。
…えっ、泣いたんすか?泣かせたんすか?悪い男だなぁ。…何にせよ、男が女にギャンと叱ったらセクハラだのパワハラだの何ハラだのになりそうなんで、気ィ付けてくださいよ。__…えへっ、見つかっちった。一緒に飲みます?(マスクを外し缶の飲み口を唇へと寄せる最中、突如として背後から声が掛かれば大きく肩を揺らし驚いて。鼓動が波打つ中、最大限の笑顔を浮かべつつ振り返れば、甘い声で問い掛けて頭部を傾げて見せ)
別に俺だって言いたかねぇし叱りたかねぇけど、再発防止の為にゃしゃーないだろ、立場上。そんなつまんねぇミス繰り返して出来る部下が上から使えねぇ奴と思われる位なら俺が部下から嫌われた方がまだマシ。(思わず心情を吐露すれば、苦味を浮かべるその表情を隠す様に目元を覆い、八つ当たりも同然の言葉に深くため息を吐いて。笑顔の相手を一瞥すれば咥えたタバコのフィルターを強く噛みながら口の中で舌打ちを弾けさせ愛想なく言い放ってはベランダへ出て窓を閉め)…飲まねぇよ。もう知らねぇ、心配して阿保みてぇじゃねぇか。…それ飲んだら寝ろよ。
(想定外の反応に済まなそうに眉を落とし佇む事暫し。徐にビールを冷蔵庫の上に載せると、相手の後を追い窓を開け裸足でベランダへと降り立ち、背後からそっと抱き締めて。労る様に頸に頬を触れさせるも、拒まれれば解放する心算で腕の力は抜いていて)…大変だったんですね。軽率な事を言ってしまってすんません。それだけの想いがあるなら部下の方にも伝わってるでしょうし、叱って貰えるのはありがたい事ですよね。…でもやっぱり俺は貴方しか見えてないんで、自己犠牲で繊細な気持ちが疲れる方が怖いっすよ。叱るのって滅茶苦茶勇気がいりますし。…せめて気持ちが辛い時は言葉隠さず聞かせて下さい。何も解らない猫カフェの猫に話すつもりで。そうしたら余計な事は言わないで、只抱き締めて受け止めるんで。…酒は止めました。…多分。だから、一緒に寝てください。
(窓の開く音に微かに肩を揺らすも振り向かずジッポで火を灯そうとするが、弱々しく抱きしめられれば無言の儘その蓋を閉める音が厭に耳に響いて。ポツリ、ポツリと紡がれるその言葉に居心地の悪そうに後頭部を掻いては唸る様な低い声を喉奥から絞り出し)……あー…ったく、もー…。…仕事は別に良いんだよ。それで対価にそこそこの金もらってっし、評価もされてる。…自慢じゃねぇが割と部下にも信頼されてる自信あるしなぁ。だから、こんなんすぐに吹っ切ってやるし、なんなら開き直ってやらぁ。…ただ、お前に痛くない腹探られんのは話が別。俺が今までしてきた事の代償って分かっちゃいるけど、それで平気な顔してられる程出来た男じゃねぇんだわ。…ま、完全に八つ当たりだけどな。悪ぃ。(矢継ぎ早にそう言ってから振り返り、相手の肩を押しつつ部屋へと戻しては窓に手を掛けつつ口元のフィルターのひしゃげたタバコを手に取り翳して見せては苦笑を浮かべつつ反対の手で頭を撫で)…これ吸ったらすぐ戻るからさぁ。良い子で待ってたら一緒に寝てやるよ。悠チャンいい子だから出来んだろ?そんくらい。…ちょっとだけ俺に時間ちょーだい。
…すんません、俺の言葉の綾で傷付けちゃって。多分俺の言い回しが悪くて誤解があるのかなとは思うんですけど、弁解するのも心苦しいですし馬鹿の1つ覚えみたいに謝る事しか出来ないんすけど…本当に申し訳ないです。…浩二さんのお気持ちが解らない訳ではないです。力を抜くには寝るのが一番っすから、今日はもう休んで下さい。(素直にベランダを後にし背中に向かって頭を下げると、暫し思案した後にアウターを羽織り開封したビールを片手に相手の自宅を後にして。道の端でスマホを手に取り『今は休んで貰いたいんで、家に帰ります。念の為なんですけど、拗ねたとかじゃないです。返信はいらないんで、寝てくださいね。本当にすみませんでした。』と送信し、眉を下げつつ自宅へと向け歩みを進めて)
……あんのバカ!(大人しく相手が寝室に戻るだろうと思いタバコに火を灯せば微かに聞こえた扉の音に振り返り、灰皿へと長い儘のタバコを放ればその足で玄関へと。落ち着きなく寒空の下を走りながらポケットの中のスマホが着信を知らせてくれば、荒い息のまま片手間にそれを見て舌打ちを零し。漸く相手の背中を視界に留めればその肩を引いて肩を上下させながら半ば強引に抱き上げて)はぁ…っ…流石に、風邪の奴を…寒い中帰す程、甲斐性無しではねぇわ…。…これでも帰るっつーなら、俺マジで怒るからなぁ…。(相手の言葉を半ば無視する様に言葉を紡ぎ続けながら、自宅へと戻れば相手をベッドへと下ろして首元まで布団を掛けては愛猫を傍に連れてきて)今日はお互い寝る。んで、明日は出来るだけ早く帰ってくっから、めんどくせぇ話はそん時。俺はリビングで寝るから寂しいなら特別にココと添い寝させてやらぁ。お互いきっと冷静ではねぇだろ、ちっと頭冷やそうぜ。返信要らねぇからゆっくり寝てくれよなぁ。…頼むから。
…何かのドラマ?家出じゃないって言ったのに。…でも、ありがとうございます。帰りましょ、浩二さんの家に。(深夜の風は身を切る様に冷たく、呼吸が白く立ち昇るのを朧げな眼で眺め。失言を悔いる様に一歩一歩地を踏み締め閑散とした往来を進んでいれば、突如として浮遊感を覚え狼狽した様に息を呑み。抱え上げたのが恋人と気付けば思わず破顔するも、季節にそぐわない軽装と走ったと思しき乱れた呼吸に目を留めると静かに睫毛を伏せ、労る様に首元に腕を回し身を任せて。恋人のマンションに到着し、されるが儘に寝具へと横たえては、猫に視線を向け表情を緩ませるも立ち去ろうとする恋人を強く捕らえて、隣へ横たえる様に引き摺り込み。その背へと顔を埋めては、瞼を下ろして)嫌、浩二さんが隣じゃないと寝ません。…よし、無理矢理連れて来たから寝ます。明日は…そうですね、浩二さんからクレームがあれば聞きますね。さて、本当に寝ましょ。おやすみなさい、大好きですよ。…時間がやばいんで。蹴ってくださいね。
(街の喧騒を掻き消すようにイヤホンから大音量の音楽を流せば歩く足は大股で。手元の紙袋が酷く揺さぶられているのに気がつくと暫し視線を落としてから、努めてゆったりとした足取りで自宅の前へ進み、冷たい空気を肺に取り込んでは氷のようなドアノブに手をかけ)…ただいまぁ。
(体温が平熱まで下がり風邪が完治したと言える状態になるも、改悛を示す様に煙草を控え、スマホゲームをしたり猫と遊び1日を過ごして。暇を持て余しているところに恋人が帰宅すれば見る見る内に破顔し、猫と一緒に玄関まで迎えに行くとご機嫌な声遣いをし片手を緩く左右に振り)おかえりなさいですー。今日はすっげー早いですね。
言ったろ?早く帰るって。木曜は店舗周りするから基本的に直帰出来んだよ(笑顔の恋人と愛猫に出迎えられれば釣られて破顔しながら靴を脱ぎ、歩み寄っては確認する様に『体調は?』と付け足して頭を軽く撫で。鞄をぞんざいに寝室へと放り投げてから愛猫を抱え上げると紙袋に視線を落としてから顔を上げて)な、プリン買ってきたんだわ。悠チャンが食えそうなら一緒に食お。
体調はもう大丈夫ですよん。心配をお掛けしました。…んー、こんなに早く帰って来るならデートの準備でもしとけば良かったかしら。今日は色んなトコ回って来たんですねー。お疲れ様でした。(頭部を撫でる手に目を細め笑みを深めては、背後で手を組みつつ相手に続きリビングへと。土産を一瞥しソファーに腰を下ろしては、緩く手を挙げ喜ぶ仕草をし)やったー、プリン好きなんすよ。食いましょ。…あれ、でも浩二さん甘いの大丈夫でしたっけ?
ん、良かった。…病み上がりの奴がなぁに言ってんだ。別にそんなんいつでも出来んだろ?しかも今日めちゃくちゃさみぃしよぉ。家でダラダラっつーのも悪くねぇっしょ。おー、あんがと。(相手の言葉に安堵した様に目を細めてはネクタイを緩め紙袋をテーブルの上へと置いてから愛猫をキャットタワーに乗せてやり。キッチンへ進むとコーヒーメーカーのスイッチを入れながら投げられた問いに微かに逡巡しつつ)…あー。いや…別に食えねぇ訳ではねぇよ。あんま食わないだけ。コーヒーありゃ平気だし。…風邪でも食えて悠チャンが喜びそうなもん、そんくらいしか思いつかなかったんだわ。
えー、いつでも行けるなら毎日でも行きたいっすよー。まあ最終浩二さんが居ればどこでも良いんですけどー。…へぇ、今日も寒かったんすね。じゃああっちでココちゃんもふもふして暖まっててください。(相手がコーヒーを淹れ始めるのを認めると、緩慢に立ち上がり自身もそこへと向かい。マグカップを2つ取り出し、後は任せろとばかりに得意げに口角を上げて見せ)ほぇー、そうなんすね。多少なり食べれるなら食の枠が広がりますわ。…つかめっちゃ考えてくれてるじゃないっすか。ありがとうございます、何でそんなに優しいのかしら。…折角だし、美味しく頂きますね。
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