雄太郎 2020-01-21 03:40:27 |
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(スマホを眺めるも時折視線を上げつつ恋人を待っていれば、一際整ったスタイルと男性な顔立ちの恋人は見つける事は容易く嬉々と表情を綻ばせ、スマホをポケットへと仕舞い。次ぐ相手の表情に愉快げに笑いを溢しては、普段バイト先の上長にしている新人らしい明るく謙虚な口調で)あははっ、染めてないですよ。スプレーなんで洗ったら直ぐに落ちます。…万が一、一緒に歩いてるとこを会社の人とかデベロッパーさんに見られたら困ると思ったんで、インターンのガキなり取引先なり誤魔化せる様にしてきましたよ。…似合ってます?
──あーね。正直、めちゃくちゃ似合ってる。すっげぇ可愛い。けど…別にんな気ぃ遣わなくても良いのに。今日はマジでプライベート扱いみてぇなモンだし。ま、誤魔化すんなら精々OB訪問のガキンチョって所かしら。(腑に落ちたといった面様で頭を掻く手を下ろしてはどこか余所余所しさの垣間見える恋人の口調に初々しさを、好みの見た目には愛おしさを感じ、揺さぶられる感情に照れ臭そうに笑みを溢し。つい相手へと伸ばしたくなる手を紙袋を握る事で抑えては気持ちを切り替える為に肺の中の空気を入れ替え、顎で入り口を示し言外に中に入る旨を伝えてから大股で自社ブランドのブースへと進み)
…ふっ、結構気楽な出勤だったんですね。でも今日はコウくんの部下気分で歩くって言う裏目標もあるんで、こうしたかったんです。…OB訪問かー…じゃあ、臣永せーんぱいって呼ばなきゃ。(相手の笑みにつられて穏やかに目を細めては、歩み出すとつい癖で伸ばし掛けた手にはっとして己の手を制し歩調を合わせ些か早足で館内を進み。恋人のブランドのブースが近くなれば足を止め、邪魔にならない位置で待機すべくにっこりと笑みを浮かべて手を振り)
そ、店舗冷やかして適当に菓子押し付けて頑張れよーって無責任に言うだけの仕事。じゃなけりゃ仕事に集中出来なくなるからお前連れて来たりしねぇよ。…うーわ、似合わねぇなぁ。こそばゆいわ。(視界の端から相手が消えると自ずと足を止め振り返り、手を振る姿に間近まで来る気はない事を理解すれば軽く手を振り返して再び歩き始め。こちらに気が付き僅か緊張の張る表情を見せる販売員らとは対称的に軽薄そうなと笑みを浮かべブースへと辿り着くと最初に目が合った女性スタッフに声を掛け、客の邪魔にならない様に売り場の端で話し始め)篠原さーん、お疲れ様。…や、悪ぃな急に来て。抜き打ちで毎日検温してるかチェックシート確認しなきゃなんなくてさぁ…って事で、見せて。
良いなぁ、こんな男前がお菓子持って来てくれるなんてクリスマスみたいなもんじゃないっすか。…じゃあお仕事の邪魔にならない様に、ちゃーんと良い子で待ってますね。でも本心はコウくんと片時も離れたくないんで、早く来てくださいね。(手を振り返して貰えば胸が僅かに高鳴るのを感じつつ見送り、遠巻きから恋人が仕事をする様子を眺め。いかにも遣り手と言った風貌の相手に誇らしさを覚え見惚れているも、会話の内容が聞こえないが故に見慣れた笑みも女性と楽しそうに話しているものと受け取っては僅かに嫉妬した様に眉を下げ、頬を膨らませて)
──お、偉い。ちゃあんとみんな付けてんじゃん、流石。これご褒美なぁ、みんなで仲良く分けて。(手渡されたチェックシートに視線を落としつつ、各々の出勤毎に沿って埋められた表に満足気に笑みを深めては傍らのスタッフの緊張が解れるのを肌で感じ、菓子の入った大きめの紙袋を手渡して。ついでに今日の売上を確認しようと顔を上げるも自然と恋人へと目が向き、その表情に吹き出してしまえば恋人へ見せまいと顔を逸らして肩を揺らし。視線の先を追うスタッフを適当に誤魔化しながら呼吸を整え手短に業務連絡を済ませ)フハッ──ちとツレが…や、なんでもない。大丈夫。…今日の売上は、まぁいいや。月曜日の内に4日間の纏めてくれりゃあ問題ねぇから。
──…やっべ、見付かる。(恋人が微かに肩を揺らし笑えば嫉妬の熱は更に増し唇を突き立てるも、女性スタッフと目が合いそうになれば慌てて近くの店の商品に触れて誤魔化し。己の存在がバレていないと判断しては安堵し胸を撫で下ろし、物陰から恋人へとウィンクをしながら指ハートを送り戯れて)
んじゃお疲れ。こんな状況だしあんま無理せずになぁ。…ハハ、どーもぉ。(話を切り上げ立ち去ろうとした折に『仕事忘れて楽しんで下さいね』という言葉と共に投げ掛けられたハッタリの様な笑みに曖昧な返事だけを残し、恋人の元へと戻り。緩く振り返れば先程まで話していたスタッフ以外にも何人かの視線に軽く手を振って、恋人へと向き直れば白々しく真面目な表情で)…どうよ、社会科見学。
お疲れ様でした。そうですね…兎に角臣永さんが格好良くて見惚れてました。気になる点があったとしたら綺麗なお姉さんと楽しそうに話していた事くらいで…そうだ、おやつ食べたいです。噂のフラペチーノなんていかがでしょうか。お荷物は俺が持ちますね。(恋人の業務が終わったと見受ければ指で象ったハートを崩し、スタッフ達の視線がこちらに向いている事を察して好印象な笑みを浮かべ、頭を下げて相手を迎えて。真面目な表情で感想を告げる仕草を見せるもその内容は至ってプライベートなもので、鞄持ちの様に相手の荷物を預かると店内から視線を向ける人物達に会釈をし、ブースから離れるべく足を進め)
ふ、話してたのなんか業務連絡だけだってのにどっかの誰かさんが可愛い顔してたから楽しくなっちゃった。…お、良いじゃん。暑いし冷たいモン飲みたい。…多分近くスタバあった気がする、荷物持ちのお礼に奢ってやんよ。(恭しく迎え入れられれば居心地の悪さに苦笑するもその言葉の内容の擽ったさに表情も徐々に軟化し。大人しく鞄を預けてはスタッフらに柔な表情を向ける恋人の姿に目を細めてから緩慢に歩き出し商業施設を抜け駅前のコーヒーショップに向かい)
…あー、さては意地悪しましたね?笑ってたから何楽しい話してるのかなーって思いましたよ。──…やった、奢りだ奢り。じゃあちょっとだけ休憩しましょ。因みに今日は他にも業務あるんですか?(興味津々と施設を見渡しつつ足を進めては、野外へと出るなり手を繋いでも良いかを尋ねるべく控え目に手を掠めさせて視線を送り。互いがスーツ姿で出歩くと言う珍しいシチュエーションに気分を弾ませながら目的地へと足を進めては、到着するなりメニューへと視線を滑らせ)んー…じゃあ俺はピーチフラペチーノにします。美味そう。コウくんは何にします?
ハハ、その分早めに切り上げて来たじゃん。かわい子チャンが拗ねちまうと困るなってさぁ。だから大目に見て。──あー、今日は…まぁ仕事忘れろって言われたからおしまい。(一瞬言い淀むも急ぎの仕事は無いと判断しては言葉と共に相手の手を取りこれ見よがしに肩の高さまで上げると漸く恋人へと触れられる事に嬉々として笑みを湛え。カウンターのメニューを眺めつつ以前同僚から教えてもらったカスタマイズを記憶から呼び起こす様に暫し唸り)出た、新しいモン好き。俺は…なんだっけ。コーヒーフラペチーノにエスプレッソショット追加…だっけかな。
やだ、もう拗ねちゃいました。…でもデートしてくれるなら許します。そうだ、アロハシャツ欲しいっすわ。──…つか仕事忘れてって、優しいっすね。嫉妬しちゃったのが申し訳ないっすわ。(相手の口調からやる事はまだある事を察して口を開き掛けるも、楽しげに手を握られれば断る事は出来る筈もなく釣られて破顔し。相手のオーダーを記憶すると店員に告げ、これからの出費も考慮し小さなカードを差し出し会計を済ませ)やっぱ季節物は飲んでおかなきゃ。…お、カスタマイズカッケー。じゃあやっぱり俺の奢りで。貰ったギフトカードあるの忘れてましたわ。
今日も遅くまですんません。眠気がきたんで、置きにして貰えると嬉しいっす。コウくんも休んでくださいね。おやすみなさい、愛してますよ。
そんな可愛いデートのお誘い断れる訳ねんだよなぁ。アロハもなんだかんだ買えて無かったし、クローゼット大分空いたし喜んで。──アレは多分鎌掛けられたんだと思うけど…でも店舗の子らはやっぱ、俺がよく顔出すの知ってるから気ぃ遣ってくれんだよ。申し訳ねぇ反面有り難いわ。(手の感触を確かめる様に幾度か柔く握り、出会った頃の様を彷彿とさせる恋人の風貌に懐かしさを感じながら満足気に目を細め。手際良く相手に注文から会計まで済まされてしまえば不満気に眉根を寄せるも束の間、恋人なりの気遣いと捉えては普段と色の異なる髪にさり気なく唇を寄せ)ついこの間までイチゴじゃなかった?雄太好きそうだからその間にって思ってたけど…変わるの早ぇんだよな、全然覚えてらんねぇ。あー…んじゃ、あんがと。折角だから甘えるわ。
毎度毎度夜遅くまで付き合わせてんのは俺なんだよなぁ。いっつも眠気ギリギリまで夜更かしさせてごめんな。んで、明日は休みだし置きも大歓迎。でも…願わくば、俺は可愛い恋人の「スンマセン」より「ありがとう」を毎晩聞きてぇかなって我儘だけ言っとくわ。おやすみ、雄太。愛してるよ。
クローゼットが空いたって、もしかしてナンパの時に使った服を整理してくれたんですか?──…鎌かけられたかー…もしかして俺の存在バレちゃいましたかね。それにしても気が利く方々なんですね。まあそれだけコウくんが頑張ってるって事ですわな。良き事っすわ。──…ねー、苺もありましたな。あれ意外と酸味が強いんでコウくんも飲めるかもっすわ。まあ甘党にとっての甘さ控え目なんでイマイチ参考にならないんすけどね。俺も今年は飲めなかったんで、来年一緒に飲みましょ。…あははっ、これマジで貰い物のカードなんで礼に及ばないっすわ。それに後でアロハ買って貰うんで、ネ。──…あっつい。急に暑くなって来たなー…どうしたんだろ。(横目で恋人の表情を窺えば、予想通りの不服げな表情をしており小さく吹き出し。髪へと口付けを贈られれば驚いて見開きつつ耳を朱に染め、慌てて顔の熱を冷ますべく手で顔を扇いだ後に出来上がったドリンク2つを手に取り対面で座る2人掛けのテーブルへと移動し。ストローを挿してから相手の分を差し出しては)はい、これがコウくんの。
ご名答。…まぁ、俺の記憶にある限りって感じだけどな。弟が喜んでたし丁度良かったわ。──バレたって困るモンじゃねぇから良いんだけどさ。ん、俺持ちの店舗の子らはみぃんな良い子よ。仕事も出来るしめちゃくちゃ助けられてる。──あ、マジ?ガチのフルーツっぽい奴なら結構平気だと思うし来年チャレンジしてみるか。…いやぁ、だってそれ渡した人は雄太にってプレゼントしてくれたんだろ。それに肖るんならやっぱ感謝しとかねぇと。でもってアロハは俺が着せたいんだから全然良いのよ。…ふ、もう蝉が鳴き始める季節だしなぁ。夏だから暑いのはしゃーないんじゃないっすかねぇ。(照れ隠しの所作に素知らぬ顔を決め込んでは相手の後へと続き、テーブルへと腰を落ち着かせ。恋人の手慣れたエスコートにくつくつ笑いを溢しながら差し出されたドリンクに口を付け、口の中に広がる苦味と身体の内側から冷えていく感覚に頬を緩め)あんがと。…ん、美味い。やっぱこれなら飲めるわ。
えー、コウくんも洋服好きなのにすんません。…とか言っておきながら、すげー嬉しいんすけど。やべー、尚更コウくんを大事にしなきゃ。──皆の憧れの臣永さんさんが男と付き合ってるってバレたらスタッフさん達が拗ねちゃうかもしれないんで、出来る限り隠しておきましょ。それこそコウくんのために一生懸命仕事してくれてるかもしれないですし。…んー、まあ見た目よりかは甘くねーってだけなんすけど、来年はもっともっと甘い物が食える様になってるかもしれないって期待して予約しておきます。…まあ貰い物だからこそ、デートに使った方が送り主も本望ですわな。次会ったら自慢しておきます。でもってこれからアロハを着る俺は、黒髪の方が似合うと思います?(恋人がフラペーノを飲む珍しい姿を嬉しそうに眺めるも、思い掛けない洋服の整理の件には口元を手で覆い隠し頬を赤らめ照れた様に視線を外し。再び手で顔を煽ぐとジャケットを脱ぎシャツの袖を捲り涼んだ格好で己の分のフラペチーノを吸い、口内に広がるさっぱとした甘さに表情を綻ばせ、調子を取り戻した様に己の髪色を指差しつつ悪戯な口調で問い掛け)
雄太が喜んでくれんならそれだけで釣りが出るわなぁ。服が好きつっても別にお前にだけ良く見えてりゃ今は充分な訳だし。…まぁでも折角だから一緒に服買いに行きまくってお前の好みもっと教えてデレデレしてて。──…あら、ちょい談笑してただけで拗ねてたお口がよく言うわ。実際俺が色恋営業なんかしたら嫌なクセに…恥ずかしいだけなんだろ?ん?素直に言ってみ。…ふ、確かに大分慣らされてはいるしな。でも今まで食ってこなかった分甘いモン食えるようになったら一気に太りそうで怖ぇ。…ん、俺の分もお礼言っといて。アロハは…そうだなぁ、悩ましい所だわ。黒髪マジで可愛いし…付き合う前の悠チャンとデートしてるみてぇで、すーぐ手ぇ出したくなるけど…。でもアロハ着てんなら髪は明るめでチャラそうな見た目のが好きかも。(半年前より心情を素直に表に出し、目まぐるしく表情を変える様子が何とも可愛らしくも、髪色が暗いせいか最初からそうだったかの様な錯覚すら感じ。含み笑いの伴った問い掛けに真剣に思案する間、口元のストローに軽く歯を立てながら、唸りと共に口から出た言葉を裏付けるかの如く手慰みとばかりに相手の掌を指の腹で撫でて)
嬉しい言葉っすわ。まあ俺の彼氏は何着てもサマになっちゃうんで、俺以外の誰が見ても目を奪われちゃうんですけどね。因みに俺の好みはコウくんの全部なんで、何着ててもデレッデレですよ。──…ふっ、確かに。仮にコウくんがスタッフさんから告られたなんて事が起きたら拗ねて激痩せしそうっすわ。俺だけが特別扱いじゃなきゃ嫌なの。…じゃあコウくんが太りそうになったら一緒にジム行きましょ。俺運動好きじゃねーけど、彼氏が味覚合わせて肥えてくれるなら喜んでお付き合いしますよ。──…あっは、意外な答えでしたわ。コウくんがいつも以上に見てくれるから思い切って黒にしちゃおうっかなーとも思ったんすけど、チャラい方がお兄さんの好みってならこの儘でいますわ。でも手は出して欲しいんで、沢山誘惑するからお願いしますね。(己の投げ掛けた問いに対する答えは意外なもので見開くも、真剣に思案する様子に表情を緩めては相手の手を取り己の口元へと運び甲に口付けを。軟派にウィンクをしては直ぐに解放し、再びドリンクを吸い上げ)
別に普通だって、寧ろ身持ち堅くしてからモテ無くなってんだから。その分目の前の子が愛情腹一杯くれるから良いんですけど。──ヤダ…いや、痩せてても可愛いんだけどさぁ。折角俺の為に肉付けてんだし、万が一んな事あっても墓場まで持ってくわ。つっても特別扱いは割とずっと前から雄太だけじゃね?俺恋人っての抜きにしてもかなり依怙贔屓してる自覚あるけど。…んー、まぁもうちょい筋肉付けんならどーせウェイト増やさなきゃだしな。でも俺、雄太が一緒ならめちゃくちゃお前の事追い込みそう…息上がってしんどそうにしてんのとかぜってぇエロいもん。──多分、片想いしてた時期を思い出すんだよな…お前の気ぃ惹きたくてしゃーなくなる。(図星を指されバツの悪さから重心を後ろへと移動させて視線を逸らしながらドリンクを飲むも、横目で手の甲への口付けを見ては小さく鼻で笑い。冷えた舌先を唇の隙間から覗かせてはニヤニヤと口角を歪めて再び視線を外し)…あー、でもそうだ。雄太は兎も角、悠チャンはこーゆーチャラい奴だった。前言撤回、気ぃ惹きたくなるってか遇らいたくなる。
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