No title（〆）

クール…っつー事は。…はー、何となく検討付いたわ。なるほどねぇ、そこがかぁ。…何だよ、俺も可愛いからとか言っときゃ良い？いや、自分で言っててアレだけど…鳥肌もんだな。まぁまた近いうちにあっちに顔出そうなぁ。…ま、怨念掛けられてたとしてもこーして健康でしっかり幸せ掴んでんだから関係ねぇわな。ザマミロ。(促されるままに自宅に戻れば靴を脱ぎ愛猫の元へ向かうも冷えた手で触れるのは憚られ、起こさないように声を掛けるだけに留め。寝室へ向かうとダウンを脱いでベッドへと潜り込んでは恋人を呼ぶように空けたスペースを軽く叩きつつ)お、あんがと。…ただいまぁ、ココ。…さーて、寝るかぁ。俺は先に寝かせて貰うけど、悠チャンも蹴っていいからさっさと寝ろよなぁ。寝不足は美容に悪いぞー。んじゃ、おやすみ、悠チャン。

…ほっ、まさか気付いてなかったんすか…？やっべー、口滑らせちったかなー…。あはは、是非やってみてくださいよ。『俺可愛いからパパって呼ぶ事にしたんだよねー！』みたいな。恐喝にしか見えなそうっすけど。…このしこたま貢がせた女達に一切の反省や罪悪感がない態度よ。嫌いじゃねーっすわ。（相手に続き玄関を通りリビングへと入室を果たすと、愛らしい猫の寝顔に表情を緩め癒された様に嘆息を溢して。緩慢な足取りで寝室へ向かい着替えを済ませると、呼ばれる儘に相手の隣に横たえ無断で彼の腕を首の下に敷き腕枕を。眠気を含んだ甘ったるい声色をすれば、頬へと口付けを贈った後に瞼を下ろして）ははっ、俺の美は生憎生まれつきの顔立ちのポテンシャルなんで。…今日もありがとうございました。浩二さんが出掛けてる間にココちゃん遊ばせて、家事しとくんで。…さーて、寝ようっと。おやすみなさーい。大好きですよ。

たぁだいまー…さっみぃ…。(帰宅すればそそくさとエアコンの下へと進み、出てくる暖かい空気に小さく息を吐けば冷えた手を軽く擦りつつ)

お帰りなさーい。あはは、やっぱ手冷えちゃいました？お風呂でも入れて差し上げましょうか。（一通りの家事を終え猫と購入したばかりの玩具で遊んでいる最中、恋人の帰宅に気付けばそちらへと顔を向け目を細め。徐に立ち上がると、緩慢に歩み寄り覗き込む様にして表情を窺い）

めーちゃくちゃ冷えた。この時期に峠越えするっつーのは控えめに言ってバカなんだよなぁ。……や、良いわ。悠チャンで暖とるし。(ため息混じりにぼやけば、歩み寄ってくる恋人の提案に暫し思案するもニヤリと口角を上げてからその首と服の隙間に冷えた手を滑り込ませ)

ははっ、色んな意味で峠を越えて来た訳ですな。良いじゃないっすか、若い内しか出来なそうですし。──…うーわ冷めてっ！（突如として首元に冷たい感覚が走れば、背を跳ねさせ息を飲み色気の無い声を挙げて。咄嗟に猫に駆け寄り抱き締め暖を取り）…ったく下衆いっすわー。ねーココちゃん、お兄ちゃん嫌いだねー。

ハハハ！…いやぁ、楽しー。(悴んだ手に痺れるような温かさを感じたのも束の間、相手に逃げられればその反応に快活に笑い声を上げ、肩を揺らしながら思わず呟き。そのままソファーへと腰を下ろしてはされるが儘の愛猫に向けて話し掛ければ甘ったるい鳴き声が鼓膜を揺らし)ココは俺の事大好きだもんなぁ？…ん、俺も大好きだよ。

もー完全に玩具の認識っすもんねー。ヤンチャだなぁ。今日はしこたま遊んだのにココちゃんにも裏切られるしー。（頬を膨らませ拗ねた振りをしては、猫を丁寧に抱え上げソファーへと向かい相手の膝の上へと載せ。次いで隣に腰を下ろしては、首裏に手を回し薄く笑みつつ甘く問いを投げ）ちなみにこっちのネコは好きですかー？

俺がヤンチャしなくなったらただのつまんねぇイケメンになっちゃうだろ？ハハ、でも遊んでくれてあんがとな。嬉しかったもんなー、ココ。(戯けるような口調で言えば膝に載せられた愛猫を抱き上げ互いの鼻先を擦り合わせ。首裏に相手の手が回ってくると彼女をまた膝へと戻してからそちらに視線を送りつつ相手の顎下を軽く撫ぜて)ん、好きだよ。なんせ俺のもんだから。

ははっ、下衆も残るんで大丈夫っすわー。…いーえー、可愛いとこいっぱい見せてくれたんで。つかにゃんこと遊んで感謝されるとか、ヒモ生活最高過ぎますわ。（相手が猫と戯れる様子をほっこりと眺めると自ずと口元は緩み。冷えた手で喉元を擽られれば小さく息を飲むも享受し、瞼を下ろして鼻先を触れ合わせようと顔を寄せ）やったー。俺も好きですよー。…って、知ってますよね。

なぁに言ってんだよ、こんな爽やか好青年なのに。…後は家事もなぁ。いっつも思うんだけどなかなか言うタイミング無くてごめんな。感謝してるわ。(冗談も程々に、部屋を軽く見渡せば整えられた室内に、恐らくは洗濯物や洗い物なども片されているのだろうと検討がつき、苦笑に近い微笑みを浮かべ。目蓋を下ろした顔が近寄れば、そのまま相手の望むようにしてやりたいという優しさより己の嗜虐心が勝り、相手の鼻を軽く摘んでは口角を吊り上げ)……俺のネコはさぁ、ちゃーんとおねだり出来るハズなんだよなぁ。

あーうん、胸に手を宛てて過去の記憶を遡ってみましょうか。…あっは、それは俺がやりたくてやってるだけなんで。整えておいた方が、帰って来たご主人様に構って貰える時間が増えるでしょ？案外邪な魂胆っすよ。（思わぬ礼の句に暫し瞬くも、正直に心中を明かしては後頭部を掻き照れ笑いを浮かべて。鼻を摘む手に不服げに口唇を立てては身を引き逃れ、暫し表情その儘に思案。次いで細く笑むと服の襟ぐりに指を掛け首元の痣を晒し、囁く様な声で）おねだりねぇ…うちの飼い主は俺が泣かないと聞いてくれないみたいですしー…じゃあ、酷くして泣かせてみてくださいよ。

残念、爽やか好青年にはモテてた記憶しかねぇなぁ。…ハッ可愛い事言うなぁ。邪な魂胆だろうと俺が嬉しいからいーんだよ。(相手の仕草と紡いだ句に思わず笑みを零せばわしゃわしゃとその頭を撫でて。挑発するような相手に肩を揺らしつつ愛猫が膝から飛び降りたのを良い事に足を組んでソファーの背凭れへと身を預け、口角を上げた儘相手が晒した赤黒さの幾分弱まった痣を指先でなぞるものの自然と目からは笑みの色は消え)…煽るねぇ。でも勘違いすんなよ、主導権握ってんのは俺なんだわ。おねだりっつーのはさぁ、聞いてくれるからすんじゃなくて、聞いて貰うためにすんだよ。…出来んだろ？ほら。

そりゃ胸に手ェ宛ててねえっすよ。出直して頂きましょ。…うんうん、喜んで貰えるに越した事はねぇっすわ。これからも愛情込めてやらせて頂きまーす。（髪を撫でる手には感情露わに破顔して。続く相手の所作に思わず一笑を溢すも、直ぐに煽る様に小生意気な眼光を目に宿し、緩慢に相手の脚元に跨って片手をソファーの背凭れに突き迫る様な体勢に。声色低く囁くは）スッゲーS…いよいよ本性出して来た感じっすね。けど生憎アンタのペットは躾がなってないんすわ。おねだり何ソレ。くれないなら奪い取ってやろーって思考。気に食わないなら捻じ伏せてみてくださいよ、ねェ？

ハハ、生憎都合の悪い過去は振り返らない主義なんでなぁ。…ん、あんがとな。(軽口の応酬を楽しみつつ、相手の笑顔にはゆるく頷き。膝に跨がられ、逃げ場を奪う様に背凭れに手を突かれるも、逃げるなんて選択肢は元よりなく、片手で相手の顎を掴めば半ば無理矢理に外へと向けさせて空いた手で襟元を引っ張る様に服に手を掛ければその首筋に思い切り噛みつき。引き締まった若い肉に歯が沈み込んでいく感覚に遠慮はなく、唯々自分の欲望を発散させ)…本当に躾がなってねぇなぁ。クソ生意気だわ。…そんなら優しくしてやる義理はねぇよなぁ？

（不意に視界に映る景色が変われば、身構える間も無く首元に激痛が走り短く上擦った声を溢し。咄嗟に口唇を噛みソファーに爪を立て瞼を強く閉じ自尊心を庇う様に溢れそうになる声を堪えるも、徐々に痛みが甘美なものとして脳が認識するのを自覚して熱い呼気を溢し。眼に込み上がる涙を溜めつつ、呼吸を震わせながら空の手を相手の背へ回し布地を握りながら溢すは）──…あっ、………くっ……ッ………、…いいっ……、もっと…噛んでくださ……っ、

(相手が耐え、力を込める度に口の中で跳ねる筋肉の感触にも躊躇う事なく歯を突き立てていたものの、縋るような言葉が鼓膜を揺らせば不意に首筋から顔を離し、相手の顔を自分へと向けさせ。嘲笑う様にニヤつく口元を隠しもせず、唯視線は睨め付けるな鋭さで相手の機微を見逃さないとでも言うかの様に微かに顎を上げ冷ややかに言い放ち)ン……はァ……もっと、なんだって？…聞こえねぇんだよなぁ、ハッキリ言わねぇとさぁ。

（肌に食い込む歯がするりと抜ける感触に背筋を震わせるのも束の間、強制的に相手の方へと顔を向けさせられれば、注がれる鋭い眼光に僅か怯んだ様に眼に溜まった涙を揺らして。喉を持ち上げられれば僅か苦しそうに睫毛を伏せるも、直ぐに媚びる様に薄く瞼を開き流し目で視線を注いでは、しおらしくもはっきりとした声色で）…もっと噛んで…いっぱい痕を付けてください…、

(望み通りの返答に満足げに笑みを浮かべればくつりと喉を鳴らしながら相手の目元に溜まった涙を舐め取りながら柔らかい声色で告げて。間髪入れずにまた相手の顔を僅かに逸らさせれば先程付けた歯形の横、肩寄りに歯を突き立てて力を込め、口内の肉に優しく舌を這わせては小さく息を漏らし)…ハッ、上出来。最初から素直にそー言っときゃあ良いのになぁ。……ッ…、は…

…んっ…ちゃんと言えました…？じゃあ、ご褒美……んンッ……はっ、あ…、（突如として柔和になる態度に心臓を淡く鳴らし喉仏を上下させては、再び訪れる痛みに息を詰め熱い息を溢し、瞼を伏せて先程より幾分か大きく声を挙げて。肌を擽る様な舌の感触に益々息を乱しては、肌の色を朱に染めつつ両の腕を背に回して刺激を甘受して。無意識化に口付けを求める様に自身の下唇に舌先を這わせると、微かに鉄分の味を覚え薄く眼を開き）