No title（〆）

んー……、ま、ぼちぼちかなぁ。あーでも…口寂しい。(髪を撫でる手に低い唸り声を上げるも、暫くその感触を味わってから腕の中の柔な毛並みを解放して徐に恋人諸共身体を起こし。緩い笑みを作り恋人の顔を覗き込むと子供染みた声色で呟き相手の手を取り甲へと唇を触れさせ)

ぼちぼちっすか。まあ悪くないなら良いか。…ん、煙草吸わなかったんですか？（恋人の腕からするりと抜けぬ猫の毛並みを一撫でし見送っては、抗う事なく上体を起こし子供の様な目で覗き込む相手に愛しさを感じつつ視線を絡め、手の甲への口付けを享受し。次いで頭を傾けつつ唇を触れさせては、片手で相手の背を抱きつつ頬を撫で問い掛け）

まぁ明日さえ頑張りゃ夢の3連休だし、その分ボーナスポイント加味して悪かねぇって所よ。あー…いや吸った吸った、1日の限度目一杯までそりゃもうきっちり。ペース配分間違ったんだよなぁ。…うん、朝に吸い過ぎたわな。考え事してっとパカパカ火ぃ付けちまわねぇ？(強請れば難なく与えられる口付けに自ずと肩の力を抜き小さく息を吐いては相手の手が頬の上を動く度に次第に表情を緩め。思い返す様に指折り本数を数えては然程反省の素振りは無く、戯けた様に肩を竦めて)

今週1週間は長かったですね。ん、終わり良ければ全て良しなんで、明日は最高の1日になる様に祈っておきますよ。でもってボーナスタイムに行きたい場所とかあります？──あらら、随分と考え事してたんすね。まあヤニ吸って脳が活性化するなら、今時期はマックス10本吸っても良いですよ。勿論期間限定で。（幼子の様に指折り数える所作を微笑ましげに眺めては、咎める訳でもなく穏やかな口調をし髪を梳く様に撫で。徐に相手の手を握ると立ち上がり、寝室へと向かい歩き出し）さて、一先ずベッドに行きましょうか。コウくんのペースで寝て貰って大丈夫なんで。お疲れでしょうから、そろそろ休みます？

雄太が居りゃあそれだけで充分最高な日だけどなぁ。ボーナスタイムも然りって感じだけど。…あ、でもそしたらガーデンテーブル買いに行きてぇわ。ベランダに置いてさぁ、俺の地獄の連勤終わったら夜一緒にそこで酒飲んでタバコ吸ってってしよ。──ふ、どーやったら来週早く帰れっかなって私欲に塗れた考え事だけど。でーも、期間限定とかって俺の事甘やかすと気付いたらまぁた1日1箱生活に戻んぞ。やめとけ、やめとけ。(甘やかす様な言葉が耳に入り、自分の安易に流れる性格では期間限定とはいえ増やした本数を再び減らすのは難しいと判断すれば苦笑しながら緩く首を振り。手を引かれる儘寝室へと進むとスーツを脱いでから寝具へと腰掛け相手を呼ぶ様に両手を広げ)…どーせすぐには寝付けねぇからもうちょい起きてると思うし、まぁ雄太の無理無い程度に俺の夜更かしに付き合ってくれりゃあ嬉しい。…つっても病み上がりだからマジで気ぃ付けて欲しい気持ちもあんだけど。

ふ、また甘い事言って。俺も家でコウくんとイチャイチャしたりデートするために生きてるんで、毎日が幸せですよ。…わ、ガーデンテーブル最高っすね。コウくんが苦行を乗り越えた時には丁度すげー暑くなってるでしょうし、酒が美味いに違いないっすわ。是非ともやりましょ。──げ、連勤時なのに定時退勤じゃないんすか？じゃあコウくんの意思が固いみたいなんで、期間限定は無しって事で。偉いでちゅねー。（掠れた裏声で赤子をあやす様な口調をし、大袈裟に頭を撫で褒めて戯れるも本気で感心した事を示すべく途中で手を止め、無言で頬へと口付けを贈り。寝室へと辿り着くと寝巻きへと着替え対面する形で相手の膝元に跨り抱き付くと、小さく音を立てて唇を啄み、微笑を刻みつつ頷き応え）じゃあもう少しコウくんとイチャイチャします。丁度コウくん不足だったんで丁度良かった。俺の体調の方はもうバッチリなんで、安心しておいてくださいね。お気遣いありがとうございます。

あらやだ、こんなん序の口だろ？甘ったるい言葉定期的に吐き出しとかねぇと俺が胸焼けすんのよ、雄太への愛情で。…おっしゃ、んじゃ決まり。近所迷惑になんねぇ程度に音楽流して夜風に当たりながらキンキンのビールをお前と飲む為なら頑張れる。──あー、土日は店舗のフォローだから俺の通常業務は変わりなく振られんのよ。だから基本的に帰って来るのは大体今日と同じ位じゃねぇかなぁ…どっかで詰め込みゃ何日かはガン定時出来るかもだけど。フハ、むっかつくわぁ。クソ舐めやがって。(戯れの一環としての口調に破顔しては言葉こそ粗暴なもののくつくつと楽し気に肩を揺らしている最中、頬に柔な感触が広がると相手の頭を軽く撫でて頬擦りし。膝の上へと載った腰に両手を回しヘッドボードに背中を預け、目の前の恋人の表情と鼓膜を揺らす言葉に胸が締め付けられる様な感覚を覚えては締まりのない表情で頬へと口付け)ん、俺も最近雄太とあんまイチャイチャしてねぇなぁって思ってた。まぁ俺の余裕が足りなかったのが悪ぃんだけど…やっぱこーゆーのが俺の1番のストレス発散になんだわ。んで、体調に関しては過信し過ぎねぇ様にな。頑丈ってタイプじゃねぇだろ、雄太が体調崩してんの俺が嫌だから俺の為に気ぃつけて。

ウケる、そんなにも俺への愛情が大量に生産されてるんすね。何もしてねーのにこんなに愛されると、俺のどこが好き？とか詰まらない質問したくなっちゃいますわ。まあそれは時間たっぷりある時に聞こーっと。──うわー…ぐう畜っすね。デキる男のコウくんは会社の宝でしょうに…消耗してからじゃ遅いのに何て事だ。コロナもヤベーですし、マジで体を大事にしてくださいね。…ふ、久々に弄ったらやっぱ楽しいや。（にやにやと唇を歪めつつ悪戯な声で告げては、ヘッドボードへと両手を突き腕の中に閉じ込めた恋人を堪能するかの様に嬉しげに幾度か首筋へと口付けを贈り。徐に隣へと移動し寝具へと横たえては、伸ばした腕に恋人を収める様に誘導すると愛しげに抱き締め双眸を伏せ）多分イチャイチャはちゃんとしてるんすけど、コウくんと一緒に居れない時間は全部物足りなく感じるんすわ。コウくんのせいじゃなくて、俺が自粛期間で贅沢になったのが悪いんです。…体調はそっすね、コウくんのために整えます。さて、そろそろ寝ましょうか。遅くまですんません。朝早いでしょうから、お願いですから蹴って少しでも休んでくださいね。おやすみなさい、愛してますよ。

(出社して早々喫煙室へと足を運べば、首を鳴らしつつスマホを取り出し、自ずと脳裏に浮かぶ恋人の姿に頬を緩めつつ『おはよ、今日も1日頑張ってきまぁす。言い忘れてたんだけど冷蔵庫に斑鳩のおっさんから貰ったさくらんぼとキッチンに尚也さんから貰ったラスクがあるから食べてな。愛してるよ。』と送信してから気合を入れるべく表情を引き締めて)

（紙袋を携え学校から帰宅を果たすと、猫とソファーで戯れた後に恋人からの連絡を確認し表情を緩め。緩慢に冷蔵庫へと向かいラスクとさくらんぼを取り出すと、皿に載せた後に写真を撮影して送信し。次いでフィルターを入れつつインカメラを己に向け、取り外したさくらんぼの茎を口内に入れ舌先で結び、得意げにウィンクしながら見せびらかす動画を撮影し送り終えると、『わーい、さくらんぼとラスク食べますね。ありがとうございます。今度イカさんと尚さんにお礼言っておきますね。』、『コウくんもさくらんぼでコレできますか？残りの1日も頑張ってくださいね。愛してますよ。』とメッセージを送信した後に、嬉々としてラスクを口元に運び感嘆の声を揚げ）…うまっ、尚さんってお菓子屋さんとかなのかな。

…フハ、可愛い。(退勤後の一服の最中、恋人からのメッセージを確認しては添えられた動画に思わず吹き出し、眉間に刻んだ皺を緩め。何度か動画を繰り返し観てからスマホをスワイプし『今週も無事終了。今から帰るよ』、『つか器用すぎね？俺出来ねんだよなぁ、茎噛んじゃう。』と送信してから帰路に就き、緩い足取りで玄関先へと着けばうがい手洗いを済ませネクタイを緩めながらリビングへ)──ただいまぁ。

（ソファーに横たえポテトチップスを摘みテレビを眺めているも、スマホが鳴るなりメッセージを確認しては表情を綻ばせ、『お疲れ様です。やった、コウくんと俺の時間が始まった。』、『コウくんが出来ないのは意外っすわ。でもキス上手ですよ。』とハートを散りばめて送り、恋人が帰る前にと菓子の片付けを始め。玄関扉が開く音が聞こえれば表情を輝かせて紙袋を手に取り、相手の姿を認めるなり嬉々として抱き付き頬へと口付けを贈り）お帰りなさーい。…えへ、コウくんにプレゼントがあるんで1日中そわそわして待ってました。会いたかったですよ。

(息つく暇もなく近寄ってくる恋人を抱き留めては無意識のうちにつられる様に眦を下げ、頬へ与えられた口付けにお返しとばかりに額へと唇を落とし。次いで鼓膜が拾った単語に片眉を上げて視線を巡らせ考え込むも、然したる心当たりが無ければ思考を止め問い掛ける様に紙袋へと視線を投げて)…プレゼント？別になんか特別な日って訳じゃあ……ねぇ、よな。──ふ、なぁにくれんの？

（瞼を伏せ額への口付けを享受しては、薄く目を開き相手の表情を認めるなり小さく吹き出し。一旦距離を置くと紙袋から靴の入った箱を取り出し、黒の本革のビジネスシューズを取り出して相手へと差し出し）…あれ、忘れちゃいました？デートの日に悠チャンって呼ばないで居てくれたらご褒美差し上げるってお約束。…まあそれはこじつけで、バイト先の先輩がすげーイケてるレインシューズ持ってたんで、どうしてもコウくんにプレゼントしたかったんすわ。本革仕様なのに中に防水の何かが入ってるらしくて、長靴レベルで水がしみてこないらしいんすわ。憂鬱な梅雨だけどお仕事頑張ってくださいって言う、ゆーくんの愛情ですよん。

(逐一説明され漸く理解が及ぶと自分の捏ねた駄々を思い出して小さく笑いを溢し。差し出された靴を両手で受け取ると本革の艶やかな表面と自分好みのデザインにまじまじと魅入ってから次第に新しい玩具を手に入れた子供の様に声を弾ませ、落ち着きない問い掛けを投げるも相手の返答を待たずにソファーに腰掛け足を通し)あー、俺がセコい手ぇ使ったアレか。ま、今となっちゃ雄太って呼ぶのも慣れてきたし結果オーライって事で。…おー、カッケェ。良いな…革好きなんだよ、育てんの楽しいし靴磨くの益々楽しくなりそ。話聞く限り機能性も抜群だし…履いてみて良い？──…フハ、やっぱ良いわ。こーゆーのイカした奴あんま見つけらんなくて手ぇ出さないでたんだけど…これはめーちゃくちゃ好き。

しゃーないっすよ、俺コウくんにベタ惚れだから簡単に絆されちゃうんで。──…ね、まさかずっと雄太って呼んで貰えるとは思ってませんでしたわ。ぐっと旦那感が出るんで気に入ってますよ。…でもうちの旦那、人前だと未だに悠チャンって呼ぶんです。ぴえん。（相手の表情の変化を愛しげに眺めては、問い掛けに頷いて応えソファーの前に膝を着くと相手の足に合う様に紐を調整し満足げに口角を上げて。隣に腰を下ろすと肩口へと顎を載せ、横顔に見惚れつつも冗句で泣きそうな声を出し）リーガルなんで多分履き易いんじゃないっすかね。まあ履いた事ねーから解らないっすけど。…あくまでも長靴代わりなんで、晴れの日にはコウくんのお気に入りの靴を履いて、雨の日には俺を思い出してくださいね。

ふ、チョロいなぁ。ほーんと、俺に甘すぎんのが玉に瑕。──まぁ、良い機会だったしな。ずっと呼び方変えてやった方が良いんかなぁとは思ってたけど、完全にタイミング失ってたからさぁ。…だってお前向こうで本名教えてねぇじゃん。別に悠って呼んでやっても良いんだけど…折角俺だけの呼び方があるし。それに雄太だって未だに浩二さんだろ。(相手の声音が愛情表現の一環としての戯れだと判断しては鼻筋を軽く摘んでから口をへの字に曲げ応対とし。視線を自分の足元へと落とし、徐に立ち上がると見せびらかす様に笑みを向けつつ新品の革特有の硬さが今後変化していくのが楽しみになり)リーガルはマジでちゃんと手入れするとすげぇピッタリになんだよなぁ。あと保ちが良いからずっと履いてられるし、最高。あんがと、すげぇ嬉しいわ。──ふ、似合うだろ？こんな俺に似合いなんだから雨の日だけなんて勿体ねぇ、一軍入り決定でぇす。毎日だってお前の事考えながら履くよ。

まあコウくんも大概俺に甘いんでお相子っすわぁ。試しにお強請りしてみても良いです？──…んー、鼻が高くなるー。…確かに俺の本名を知ってるのは、あそこじゃコウくんと藍斗さんだけっすわ。じゃあせめてもの悠で。でもって俺はコウくんって呼びたいですけど、カッコイイお兄さんのイメージを崩したら申し訳ないんで浩二さんのまんまで呼んでますよ。それともいつもみたくコウくーんって呼んで甘ったれても良いですか？（鼻筋を摘まれれば眉尻を下げつつ口唇を立て戯れて。立ち上がる相手に愉快げにくすくすと笑っては、そっと腰に手を添え着座する様に促し再び足元へと腰を下ろし丁寧に脱がせて靴の箱へと戻しソファーの横へと置き、不意の言葉に照れた様に視線を逸らし）お、詳しいっすね。喜んで貰えて何よりっすわ。──ははっ、おうちで立っちゃうくらい気に入ってくれました？可愛いなぁもう。でもここは日本だからそろそろ脱ぎましょうねー。──…毎日俺の事考えるだなんて、殺し文句っすわ。俺がプレゼントした筈なのに、俺がときめかされるって何かおかしい。

でも甘やかされんの嫌いじゃないだろ？ま、俺は俺が甘やかしたい時にしか甘やかさねぇんだけど。お強請りだっていつでも聞くとは限らないし。それでもいいならどーぞぉ。──…なぁんだ、知ってんの俺だけじゃねぇのかよ。つっまんねぇの。つか藍斗さん懐かしいなぁ、最近全然見かけねぇわ。…悠はなぁ、他にもそこかしこで呼ばれてんじゃん。可愛い可愛い悠チャンは俺だけだから、呼ばねぇのちと勿体ない気がして。ハッ、別に浩二さんっつってても甘ったれてるし大して変わんねぇわ。そもそもが俺にカッコいいイメージ持ってる人居ねぇだろ、精々恋人にベタ惚れの腑抜け野郎くらいなもんで。(促される儘ソファーへと再び腰を下ろすも屁理屈染みた言葉を紡ぎながらくつくつと笑い、恋人の手によって脱がされる靴を頬杖を突きながら漫然と眺めていれば、恥ずかし気に視線を逃す姿に口角を吊り上げ。悪戯にソファーから降りて対面へと胡座をかけば視線を合わせるべく顎を掴むも堪らず口付けを贈り)身につけてるもんが人との話題のネタになったりするから。百貨店の偉いオッサンに化粧品の話するより靴とか時計のが取っ掛かり作り易いのよ。──だぁって新品だし、外歩いてねぇからノーカン。でも気に入ったのはマジ。来週ちと仕事行くの楽しみになった。──…ハハ、なぁに。こんな言葉もう慣れたもんだろ？俺が雄太の事ばっか考えてんのなんか分かり切ってるクセにウブな反応しちゃって…可愛い。

コウくんに甘やかされるのは言わずもがな、至福っすわ。あんまり甘やかされ捲ると俺の雄の本能が退化してペットに成り下がりそうなんで、気まぐれにされるくらいがベストですわな。でもって強請ってスルーされたら幾ら俺でも凹むんで、やっぱ辞めておきます。──ね、藍斗さん忙しい人なんで顔見ないと心配っすわ。でもって確かに悠チャン呼びはコウくんだけ。何なら雄太から悠チャンに戻します？…コウくんは誰から見ても格好良い男っすよ。でもコウくんが許してくれるなら、折角なんで馬鹿ップル極めましょ。暫くは浩二さん呼びとはおさらばって事で。（恥じらう顔は隠せている心算でいるも、相手がこちらへと来るのを見れば表情に気付かれた事を悟り頬を薄く朱に染め。顎を捕らえられれば逸らしていた視線を合わせてしまい、眼前に写る悪戯な笑顔に胸を高鳴らせて不意の口付けに息を呑み、応える様に両腕を背に回し控えめに角度を変え唇を啄み）コウくんの気持ちが少しでも晴れたなら俺っちグッジョブっすわ。──…まさか、全然慣れないっすよ。こちとら好き過ぎて毎日が初恋の気分なんすから。寧ろ付き合った当初よりずっと恥ずかし…ンっ……、