No title（〆）

…お、ココちゃんパパが帰って来るって。良かったねー。（家事を終えソファーに横たえつつ猫を腹部に載せテレビを眺めていれば、スマホが振動するなり内容を確認し喜びを共有すべく嬉々と猫に頬擦りをし。『了解です。アイス買って来てくださいねん。』とハートを散りばめ送ると、再び液晶へと視線を戻し）

(コンビニでビールを選んでる最中ポケットのスマホが音を立てれば目を通し、缶を適当に掴んでからアイスコーナーで暫し思案し。会計を済ませ気温を懸念しては足早に自宅までの短い距離を歩き進め.玄関を潜り手洗いうがいを済ませるとリビングを覗き込んでは寛ぐ姿勢の恋人と愛猫の姿に締まりのない笑みを浮かべつつ歩み寄り手元の袋を掲げて)ただいま雄太、ココ。…ほら、御所望のアイスだぞー。ダッツなら間違いねぇかなって思って適当に選んじまったわ。

あ、コウくんだ。おかえりなさーい。…やったー、ダッツだ。流石、よくぞ俺の好みをご存知で。姪っ子ちゃん元気でした？（恋人が帰るなり表情を輝かせ上体を起こしては、緩んた笑顔の彼につられて穏やかな笑みを浮かべ言外に口付けを求めるべく双眸を伏せ両手を伸ばし）

こーゆーの選ぶの苦手だから当たり外れねぇのしか選べないんだよなぁ。チョコと抹茶と桃のやつだから好きなのどーぞ。(ビニール袋からアイスを取り出しテーブルの上に並べ、次いで缶のプルタブを引き開けるも恋人の所作に気付けば音を立てて唇を重ね、こちらを見遣る愛猫の額にも同様にしてからビールを口にして)…ん、元気すぎたわ。仕事で呼び出されて一緒に店舗行ったんだけど、めちゃくちゃはしゃいでてつっかれた。

定番貰えると安定感あって嬉しいっすわ。じゃあ抹茶頂きます。コウくんも食べますか？…んー、うま。（口付けを贈られれば満足げに目を開き、膝下の猫をそっと床へと下ろしキャットタワーへと駆けて行く背中を見送り。アイスのカップを手に取り蓋を開けスプーンで掬って口元へと運び、口内に広がる濃厚な甘みに表情を緩め。次ぐ相手の言葉に見開いては、慰める様に髪を緩やかに撫で）…げっ…休日に呼び出しはキツいっすね。姪っ子ちゃんが楽しめたなら何よりっすわ。小さくても女の子だから化粧品とか興味ありそうですし。

あー…雄太と一緒じゃなきゃ食う機会ねぇし一口だけ貰おっかな。(残ったアイスを冷蔵庫へと仕舞ってからソファーへと戻り、相手の隣に腰を下ろして食わせろと言わんばかりに口を開けながら凭れ掛かり。双眸を伏せつつ苦笑を漏らしては頭を撫でてくる手に為されるが儘、思い返す様に低く肩を揺らし)まぁ自業自得っつか…懸念材料残すの嫌だからなかなか折り合い付けらんねぇのよ。店舗に顔出しちまった方が解決早いし。…マジで化粧品売り場に女の子連れてっちゃダメだって理解した。口紅に興味持っちまって大変でさぁ…帰り道にガキでも使えるリップクリーム買ってやってなんとか有耶無耶に出来たけど。

お、珍しい。じゃああーんして差し上げますね。（口を開けて待つ相手に愛しげに笑いを溢しては、アイスを丁寧にスプーンで掬い取り口元へと。恋人が苦笑する姿を切なげに眉を下げ見据えては、アイスをテーブルへと載せ両手で相手を抱き締め緩やかなテンポで背中を撫で）そっか、お疲れ様でした。まあ大体の事は別に死ぬ程の問題じゃねーし、楽にいきましょ。明日はちゃーんとゆっくり休んでくださいね。…ふ、口紅はいい感じにクレヨンとの中間みたいなもんですもんね。可愛いなぁ、将来良い女になったら俺が頂きます。なんて。

…やっぱ甘ぇ。ガッツリ食うのはまだ無理だなぁ。(差し出されたアイスを口に含み、以前よりも甘味に慣れを感じるものの舌にこびり付く感覚は拭い切れず、最終的にビールで流し込み。不意の抱擁に見開くも束の間、相手の気遣いだと理解すれば込み上げる愛おしさに後押しされながら、けろりと笑み。姪への冗句に思わず破顔しては乗り掛かるように冗談めかして)ハハ、別に平気。今日のはマジで大した事じゃねぇのよ、姪っ子とのデートのついで。流石に明日はなんも無いと思うし。…あらやだ、俺は「コウちゃんのお嫁さんになる」って言われても毎回言い含めてんのにぃ？雄太に貰われる位ならやっぱ俺が貰ってこようかしら。

じゃあお口直しは俺…って、色気ないっすわぁ。（アイスに対する感想を聞くなり口唇に薄く笑みを刻み舌先を僅かに覗かせつつ唇を奪おうとするも、相手がビールで口直しをしてしまえば些か拗ねた様に唇を立て。恋人が大丈夫そうだと判断すれば緩慢に離れ、次ぐ言葉に愉快げに肩を揺らし。指先で首筋を撫で上げオネェ口調で冗談を告げると、再びアイスを手に取り食べ進め）それなら良いですけど、デートだなんて妬けちゃう。…へぇ、俺の方がジジイだけど色気じゃまだまだ若い娘には負けないわヨ、…なーんて。俺もコウくんのお嫁さんになるー。

フハ…雄太の好きなモンこんなに揃ってんのにちゅーしてくんねぇの？お膳立てしてやってんのに。(拗ねた様子を気にも留めず肩を揺らしては態とらしく飲み口に唇を当てニヤついた表情で相手を見つめ。身体が離れる感触に若干の名残惜しさを感じれば無意識に空の手を相手の肩へと回して凭れ掛かり、首元のむず痒い刺激に小さく笑声を溢しつつ手元の酒を煽り飲み)ふ、2歳児に妬くんじゃねぇわ。娘と出掛けるみてぇな心持ちよ、実際店舗の子らにはマジで俺の子だって勘違いされたし。…当たり前じゃん、俺のお嫁さんはもう決まってんのって諭して帰って来たんだから。俺偉いなぁ。

そっすね、コウくんもビールもだーい好き。今キスしたらサクッと酔えそう。俺も一口飲みたいなー。（相手の唇へと宛てがわれたビール缶の底へと指を触れさせ口内に液体を流し入れる様に傾けては、強請る様に甘い声を出し顔の距離を詰め。己を追う様に腕を回されれば思わず心臓は高鳴り、そっと相手の髪へと手を伸ばし柔な手付きで撫で）ウケる、コウくん絶妙に2歳くらいの子供居そうっすからね。顔もふんわり似てるし尚更だ。…ふ、本当に俺で良いんですか？20年後には色気その他諸々姪っ子ちゃんの方が圧勝してるでしょうに。

ん、……──これっぽっちで満足？(半ば強制的に口の中へ注がれるビールを反射的に嚥下しそうになるのを留めれば小さく声を零し、相手を見据えた儘顎を掴んで互いの口端から酒が溢れ出るのも構わず口付けを贈り舌を捻じ込んで残りを流し移してから緩慢に解放し、下卑た笑みで。再び撫でられる感触が髪から伝わると安心感に近いものを感じている事を自覚しつつ、微かな気恥ずかしさから目を背ける様に物理的に目を瞑り)おいコラ、顔似てるのは兎も角ガキが居そうってどういう意味だよ。んなヘマしねぇよ、自分の子供とかヤダもん。…そもそも別に若さに魅力感じねぇし。どんな冗談言っても雄太以外に本気じゃないのなんざ嫌って程知ってんだろ。

…ン……、…もっと…。（顎を捕らえられれば、期待で瞳を揺らした後に瞼を伏せ口付けを享受し。口腔に流れ込む液体を美味しそうに喉を鳴らし嚥下しては、顔が離れるなり短く言葉を発した後に相手の唇を追い触れさせ、舌を捻じ込み深く絡め。己の手に寛ぐ姿を見れば嬉しげに双眸を細めるも、次ぐ台詞に薄く頬を染めては照れ隠しにくすくすと笑い）あれ、コウくんがチャラいって会社にはバレてないんでしたっけ？…ふ、冗談で言ったのに随分と情熱的な言葉貰っちった。勿論コウくんが俺だけを見ていてくれてる事は知ってますよ。まあ頭では解ってても嫉妬はしますけどね。想像力が豊かなんでイメージ映像が頭で再生されちゃうんですわ。

ハ……っ、(熱に浮かされた様な呟きに喉元まで出掛かった嘲笑は追い縋る口付けに塞がれ吐息にしかならず、揶揄を込めて口内へと侵入してくる舌に歯を突き立ててから逃すまいと間髪入れずに自らも舌を絡め。穏やかな胸中で何気なく出た言葉に僅かに照れを見せる恋人を横目で見ながら甘い言葉に口角を緩め、仄かに赤みを差した頬を撫でて)恋人と長続きしないとかはバレてるけど、ヤリチンはバレてねぇわ。女多いからそーゆー下世話なのはちゃあんと隠してる。…いつまで経ってもそうだよなぁ。まぁいーや、今後そんな想像してたのも馬鹿らしくなるくらい愛し続けるし。

…ふ……ン、（舌へと走る痛みの様な快楽の様な刺激に口を塞いだ儘上擦った声を溢しては、呼気を奪う様に絡まる相手のそれに体温を上昇させつつ夢中で貪り。腰元が疼き始めたところで顔を離すと乱れた息を隠そうと飲み込みつつ口端から溢れた液体を手の甲で拭うと、熱を冷ますべくアイスに蓋をして冷凍庫へと仕舞いに。元の位置へと戻ると欠伸を噛み殺し、重たい目蓋を瞬かせてから相手の肩口に凭れて目蓋を伏せ）へえ、じゃあ職場では只々印象が良い兄さんって訳ですね。なら誤解も直ぐに解けましたわな。…ウケる、カッコイイ。多分おじさんになっても俺に一途で居てくれたら、やっと嫉妬心がなくなるかもです。──んー、急に眠くなっちゃいました。コウくんもこの儘寝ましょ。蹴っちゃってくださいね。おやすみなさい、愛してますよ。まだイチャ付き足りない分は夢の中で満たしてやるー。

…、……は、あんな強請ってたクセにもうお終い？──や、いーや。待たせた方が楽しいか。…まぁ、冗談とか軽口は言うから多分ある程度軽薄だとは思われてるし、姪っ子も隠し子っつって巫山戯はしたけど。最終的には本気にしてる奴は居なかったかなぁ。…(濃厚な口付けに獣染みた昂りを感じつつ顔の角度を変える度に吐息を漏らしていれば唐突に相手の唇が離れていく事に不満を露骨に表情へと表すも、その背中を見遣りながら思い直しては笑みを浮かべ。肩口へと載せられた頭を暫く撫でてから一頻り満足した所で抱き上げると寝具へと運び、恋人と自身の寝支度を整えると常時の様に抱きしめ。ふと悪戯心が芽生えれば白い首筋に2度吸い付き、連なる鬱血痕を残してから瞼を閉じて)おやすみ、雄太。今日も夜更かしさせてごめんな。愛してるよ。…たかが夢なんかで満足すんじゃねぇぞ。

（目覚めると寝具の中に居り、恋人に運ばれた事は明白で済まなそうに眉を下げ。シャワーを浴び身支度を整えていると、首筋に刻まれた跡に気付くなり表情を綻ばせ逸早く恋人の元へ行こうと手早く整えリビングへと向かい）おはようございます。いやー、夏ですね。蚊が出た様で。──昨日は運んでくれてありがとうございました。お陰様で爆睡しましたわ。

(休日を満喫すべく、シャワーだけ浴びたラフな格好の儘ソファーで愛猫と寝転びながら洋ドラを流し見していれば起床して来た恋人の姿に目を向け、自身の細やかな悪戯への冗句に笑いを溢しながら上腿を起こし緩く手招きし)おはよ、雄太。お前蚊に刺されやすくて可哀想だわぁ。──ふ、どーいたしまして。よく寝れたんなら何よりだわ。お代はおはようのちゅーで良いよ。

反応遅くなっちゃってすんません。急に熱出て頭回んないんで、改めて返させて貰えると助かります。言わずもがな、遊びに行ってくださいね。愛してますよ。

最近夜更かしさせすぎたからかなぁ。可哀想に、ごめんなぁ。返信だとか、んな余計事は何一つ考えなくて良いよ。心細くなったらいつでも顔出してやるから、先ずは自分の体調最優先にしてゆっくりおやすみ。愛してるよ。