No title（〆）

そ、クソガキみてぇなメンタルしてんのよ。ただでさえデートん時は横顔見てる事が多い気がするから、こっち向かせたくなんだわ。…甘やかされてる時って反応に困んだよ。雄太みてぇに素直に甘えられる性格でもねぇし俺にとってはこっちのが普通。──フハ、お前俺の事寂しがり屋かなんかだと思ってる節あるよなぁ。まぁでも実際、お陰様で大分寝れるようになったから感謝してっけど。…そりゃあバッチリ見えなきゃ綺麗に痕が付いたか分かんねぇからさぁ。──いーえ。どういたしまして。(青い照明に照らされた水槽を見上げ、小さな魚群を目で追っていれば隣から聞こえてきた言葉に思わず吹き出し、揶揄を含んだ声色で囁くは)ふ、ムードねぇ事言うなぁ。…デケェ水槽の前でキスしたいとか言ってたロマンチストはどこ行ったのかしら。



悪ぃ、めちゃくちゃ寝落ちてたわ。んで、ちょっと急ぎの仕事が出来ちまったから夕方くらいまで反応鈍いかも。悠チャンも用事あるだろうから気にせずそっち優先してくれな。

歩くのに支障が出るギリギリまでコウくんの事見てるつもりなんだけどなぁ。何せどんなに綺麗な景色よりもコウくんの顔の方が好みなもんで。──俺も元来甘えるのは苦手でしたけど、もう気取らなくて良いやって思えてからはデレデレになるまでは早かったっすわ。まあ必要な時だけ甘えてくれりゃ問題ないんですけどね。…コウくんを寂しがり屋って思ってる訳じゃなくて、俺がたっぷり愛情表現して貰わないと不安になったり寂しくなったりするタイプなんでそうしてるだけなんすわ。…痕は目が悪い俺でもバッチリ見えてますよ。だって、毎回すっげーグロい色してるんすもん、見えない訳がない。──…あは、だって寿司になりそうな光物の魚とかいるんすもん。流石にここではキスしなくて良いかな。（相手の言葉で先刻己が放ったセリフを思い出し口元を手の甲で覆いつつ吹き出しては、うっとりと見上げつつ歩みを進め）でも癒されますね。やっぱ水族館は最高だ。クラゲいるかな…。

ふ、デートに似合いの殺し文句だ事。どこ連れてっても俺の顔ばっか見てんのはちと勿体なくね？お前のモンなんだし、好きな時に好きなだけ堪能出来るよ、こんなん。──俺とは真逆だなぁ。雄太の前では出来るだけ気張っておきてぇって気持ちがドンドン強くなる。他の誰になんて思われたって知った事じゃねぇけど、お前にだけは情けねぇって思われたくないから。でも…俺が前みたいに疲れたからハグしてって言ったらそん時はハグして。そんだけで良いからさ。…そんじゃ、不安にさせねぇようにもっと愛情示してやんなきゃ。多分俺はそーゆーの上手い方じゃねぇから、尚更。…フハ、だぁってグロくなる様に付けてんもん。その方が少しでも長く残るし、何よりエロいから。──…やーめて。寿司屋の水槽思い出すじゃん。イワシの寿司とか美味いんだよなぁ。…あ、クラゲ俺も見たい。(先程まで見つめていた魚へと視線を戻せば自ずと思考が引き摺られ、冗談めかして眉をあげては次ぐ言葉に微笑みへと戻し。足元の館内案内のマークを辿りつつ、色彩豊かなライティングが施された円形の水槽が集まるエリアへと進み)お、良いじゃん。映えそう。…つか、クラゲ可愛いなぁ。家にこの空間マジで欲しい。

全然勿体なくなんかないっすよ。風景みたいなもんはコウくん越しに記憶しておけば充分なんで。寧ろ男前のメインにしたらどこもかしこも2割増しくらいは綺麗に見えるってなもんですし。──それは俺を絶対に離したくないくらい惚れ込んでくださってるって解釈したいな。ハグならいつでも喜んで。疲れていようがいまいが、いつでも来てください。俺も男なんで、やっぱ抱き締めたい日もあるもので。…コウくんと付き合ってからは愛情不足を起こした事はないっすけど、寂しさが募ると下唇噛む癖があるんで痕が残るんすよ。俺っち相当分かり易い男なんで、安心しててください。──…あは、生簀っすか。ウケる。イワシの寿司は食った事ないっすわ。今度連れてってください。（魚へと向けていた興味は次第に空想の寿司の方へと向かい、湧き上がる唾液を嚥下しては恋人に続きクラゲのコーナーへと。幻想的な色合いで光り浮遊するクラゲに感嘆の息を溢しては、最寄りの水槽に歩み寄り暫し眺めた後に恋人の表情を横目で窺い）…わー、綺麗。可愛いっすねー…でもコイツらにコウくんの視線奪われるのは嫌なんで、飼うのはだーめ。

いやいや、冷静に考えてみろって。海とかならまだしも、花畑とか行ったら俺ぜってぇ笑う程似合わねぇから。でも雄太好きだろ、そーゆー場所。今度連れてってやりてぇから、そん時はちゃあんと景色見て。──そりゃ勿論そのつもりで言ってんよ。情けねぇ俺すら受け止めてくれるって頭ん中では分かってるけど、離したくないから安牌しか置きたくねぇの。だからとりあえずはハグだけ。その内絆されて腑抜けになるかもだけど。…リップクリームでちゃんと手入れしてる唇に痕残んのは忍びねぇわ。ぜってぇ嫌だから、もし不足したら言ってな。その前に挽回出来る様にはしてぇけど、いかんせん鈍いんだよ。──お、良いよ。寿司自体何だかんだ連れてってやれてねぇしなぁ。仕事で使う店だし味は保証するわ。(ゆらゆらと漂うクラゲの姿に魅入れば時間の流れすらゆっくりになる様な眠気に似た感覚の中、恋人の冗句が聞こえてくればその空間とも相まって毒気を抜かれ。小さく肩を揺らしながらさり気ない所作でこちらを見つめる瞳の下に唇を触れさせて)…ふ、ヤキモチ焼き。可愛いなぁ、こんな所でそんな甘ったるい事言われたら絆されるわ。

残念ながら花畑すらもコウくんがいれば一層映えるって思っちゃいました。青とか寒冷色系の花なら尚更。観光地好きは大正解っすわ、流石。今度バイクで連れて行ってくださいね。──…付き合ってそこそこ経ってるのに、格好付けちゃう程溺愛して貰えてるのは喜ばしいっすよ。あんまり抜かりなくされるとコウくんに益々嵌っちゃうんで、偶には肩の力を抜いてくださいね。…ん、じゃあ万が一愛が不足したら言います。まあコウくんと俺の関係だと、オレが自由に甘えに行ける環境が出来上がってるんでほぼほぼ起きようがないんすけどね。──やった、高級寿司だ。でも俺なんて貧乏舌なんで、回る寿司でも美味しく頂きますよ。（恋人がクラゲを眺める横顔に見惚れているも、不意に顔が近付いてくれば双眸を伏せ口付けを享受しはにかんだ笑いを浮かべ。照れ隠しに手を繋ぐと歩みを進め、アザラシのコーナーへと進み）…だって本当に嫉妬するんですもん。俺が担いたい癒しの部分を奪われるなんて。──…さ、次行きましょ。アザラシだ、やった。

…嘘だろ、俺に対して盲目すぎ。でも俺は雄太連れてくんなら暖色系の花が良いわ。一面の菜の花畑の中バイクで走れる所とかあんのよ、ぜってぇお前に似合う。──嵌ってくれんなら俺としては万々歳だけどなぁ。まぁでも、本当に大体は雄太と話してりゃあなんとかなるのよ。…ふ、そりゃあかわい子チャンが甘えに来たら俺が無碍にする訳ねぇからなぁ。寧ろ喜んで甘やかしたくなるし、楽しくてしゃーないからいつでもおいで。──別に値段が全てとは思ってねぇけど本命相手には少しでも良いモン食わせてやりてぇじゃん？回る寿司だとウニとか別モンだしさぁ。(照れた姿に愛おしさが込み上げるも手を引かれればそれ以上の手出しが出来ないもどかしさを感じつつ通路を進み。ガラスの向こう側に丸々としたアザラシを見つけると以前SNSで見かけた写真を思い出しながら思わずいつもの調子で恋人の名を呼び)ハハ、充分担ってんのに。でもそれなら俺癒す為になぁんでもしてくれる訳だ。──…フハ、アザラシも笑顔が悠チャンに似てんの思い出した。めーっちゃおしゅしっぽいんだよな。

嘘じゃないっすよ。ほら、コウくんに沢山お花貰ってるんで尚更違和感がないんすわ。わー、菜の花畑か。バイクの爽快な風を受けながら見れると思うと最高っすね。早く行きたいっすわ。──…やーだ、これ以上コウくんに嵌ったら心臓が辛くなるのは俺なんですから。同棲してるのに毎日恋煩い状態なんで、これでも結構苦労してるんですから。──…確かに、俺も逆の立場ならコウくんには上等な物を食べて貰いたいんでぐうの音も出ませんわ。ウニは完全に食わず嫌いなんすよ。じゃあ遠慮無くオススメに連れて行って貰って、美味しい物で初挑戦してみたいっす。（複数のアザラシが泳いだり陸地で休んでいる姿を目を輝かせ見据えているも、相手の言葉にくすくすと肩を揺らし笑っては目を糸の様に細めにっこりと笑んで寿司のキャラクターの顔真似をして。次いで悪戯にウィンクをしては、前触れもなく唇を奪い）ウケる、俺の顔面は動物的なんすね。──…よっしゃ、頂き。

花贈ってんのは…最初に渡した時に思って以上に喜んでて可愛かったからで基本的に俺の柄じゃねぇよ。まぁ今年は時期過ぎちまったから来年の春先とかだなぁ。…自分で言ってて気が早ぇけど。──…ふ、なぁんでだよ。惚れ込んでくれた分だけ倍にして返してやんのに。それに俺だって毎日お前に恋してんよ。そんなん自分で抑えられる次元とっくに超えてるわ。──だろ？だから雄太には俺が美味いと思ったモン食わせてやりてぇし、共有したい。つか、ウニ食わず嫌いなのかよ…俺は結構好きだから、雄太の口にも合うと良いけど。(子供の様な表情でアザラシを見つめる横顔を微笑みながら見ていれば視線がかち合った後に緩い笑顔に変わり、記憶の中のイメージと重なり堪らず破顔して。不意の口付けに虚を衝かれ僅かにたじろぎながら唇を横にひき結び、漸く罰ゲームだと理解すれば拗ねた様に視線を逸らしつつ言い訳を漏らし)ハハ、そうかも。俺はその可愛い笑顔だぁい好き。──…は？……あー…いや、今のは…ノーカン。もう染み付いちまってるもん、一回も呼ばないとか無理。




そろそろおねむの時間じゃねぇ？いつもいつも遅くまであんがとな。蹴って寝ちまってな、頼むから無理だけはすんなよ。悠チャンが元気で居てくれねぇと俺が辛いし。んで、ゆっくりデートに付き合って欲しいし、もう暫く置きにさせてくれな。おやすみ、悠チャン。愛してるよ。

だってそれこそ柄じゃないコウくんが花屋さんで俺のために花を選んでくれてるところを想像したら嬉しくなっちゃったんですもん。今や柄じゃないとは全く思わなくなっちゃったんですけどね。菜の花は来年の春かー…じゃあ指輪貰った後なんで、気分的には新婚旅行みたいなモンっすね。──コウくんはウニが好きなんですね。じゃあ尚更一緒に楽しめる様になりたいっすわ。（己の口付けに視線を逸らす恋人を見ては思わず笑いが込み上げ肩を揺らし、態とらしく思案する振りをした後に囁く様な口調をしては、キスを強請る様に双眸を伏せ）──…ふ、今のちょっと可愛かったんで、じゃあコウくんからキスしてくれたら絆されて忘れます。



昨日は寝ちゃってすんません。お陰様でそりゃもう熟睡でした。只やっぱりいつものお決まりの台詞が抜けていたので…コウくん愛してます。じゃあ、こっちは蹴ってくださいね。

似合わない事して笑い取れりゃあ良いか位の気持ちだったのになぁ。お陰で花言葉に詳しくなってきたわ、お前と付き合わなきゃ一生縁が無かったと思う。新婚旅行ならもっと良い所連れてってやりてぇけど。にしても本当、指輪楽しみにしてくれてるみてぇで…ふ、ハードル上がるなぁ。──ウニ盛りとか食いながら日本酒チビチビ飲むの最っ高なんだよ。でも蟹とかイクラも好きだし、甘いもんも前よりは食えるようになったし一緒に食えるもんなんか幾らでもあるよ。(苦しい言い訳を揶揄する様に笑われれば、口唇を尖らせながら整った恋人の顔を見つめ。観念して溜め息を溢し、相手の顎を軽く掬い上げ態とらしく音を立てて唇を啄むと周囲に見せつける様に顔を近づけた儘意地悪く瞳をしならせ)──…どうよ、ちゃあんと忘れた？

毎回わざわざ花言葉を調べてお花用意してくれてたんですか？てっきり元々詳しいんだと思ってたんすけど、コウくんがあれこれ調べて悩む姿を想像したら一層愛しくなっちゃいますわ。…ん、そりゃもう来年のビッグイベントなんで。なんでもお願いを叶えてくれるコウくんが唯一待てをしたんで、そりゃもう期待値は高いですよ。──あー、蟹もイクラも美味いっすよね。生の蟹の寿司とか美味くてヤバいっすわ。甘いものかー…そう言えばコウくんオススメのフラペチーノまだ行けてませんでしたね。行かなきゃ。──…ん、忘れちゃいました。ついでにコウくんしか見えなくなっちゃって…参ったなぁ。（仕様がないと言った様子で顎先を捕らえられ口付けを贈られれば、ムード溢れる薄暗い照明もあいまって心臓を高鳴らせつつ薄く眼を開き、照れ気味に小さく頷き。次いでデートらしく相手の腕を組むと緩慢に歩みを進め、トンネル状の水槽へと。頭上を過ぎるマンタや色とりどりの魚、サメ等に興奮気味な声色で）…わぁ、すげー…コウくんの好きなサメも居ますねぇ。

メジャーなのは知ってたけど、仕事で贈る祝花とかに避けた方が良いヤツ頭に入れてる程度だわ。後は親の受け売り位だから誕生日のヤツとかは…結構調べたし、店員さんにも相談した。すーげぇ恥ずかしかったけど。…フハ、んじゃ期待裏切らない様にとびっきりのモンにしてやんねぇとなぁ。指輪見る度に雄太が思い出してくれる位のプラン考えとくわ。──…やーべ、こんな話ばっかしてるから今蟹見たら美味そうって思う自信ある。あー、フラペチーノな。今苺のヤツ出てて人気なんだろ？ウチの女子社員が毎日飲んでるの見るわ。暑くなって来たし近々行くかぁ、仕事終わりに待ち合わせしても良いし。──ふ、俺しか見てねぇのは最初からじゃなかったっけ。そのまんま俺にデレデレしてりゃあ良いよ、何せ気分が良いから。(恥じらう表情はそれでも尚周囲の目より自分の一挙手一投足へと向けられる事に喜びを感じずには居られず、肩を揺らしながら腕を取られる儘に足を進め。頭上に広がる水槽に海底を歩いている様な感覚を覚えながら視線を巡らすも、ふと隣へと意識を向けると頬に落ちた青い光と睫毛が作る影に魅入られればスマホを取り出してシャッターを切り)…うーわ、すげぇ。こりゃテンション上がる。……ハハ、待った。こっちもめっちゃ綺麗だわ。

誕生日のお花はおまけだなんて言って、やっぱ滅茶苦茶考えててくれたんですね。恥ずかしそうに店員さんに相談するコウくんの顔が目に浮かびますよ。本当に最高の彼氏だ。…ふ、俺を映画のヒロインか何かにしてくれるおつもりですか？でも今更っすけど指に馬鹿高い指輪着けて生活すると思うと緊張しますね。今のですら急に無くしてないか不安になったりするのに。──蟹こそ生簀によく居ますもんね。最近季節限定のフラペチーノはあんまり見ない様にしてるんすよ、随分と腹回りがぽにょになって来てるんで。でも苺美味そうっすね。じゃあ今度バイト帰りに連絡しますわ。──すんません、アザラシに浮気してました。でも結局本命彼氏の元に直ぐ戻されちゃったんで、許してくださいね。（凶悪な面をしたサメに魅入る様に泳ぐ姿を眺めていれば、不意にカメラの音が鳴り見開きつつ隣を向き。悪戯な笑い声を立てる恋人を見ればつられて表情を緩め、水槽が背中に来る様に並ぶと相手の肩口に頭を傾け強請る様な声で）あざっす、一応ルックスでは魚には負けないつもりです。ねぇねぇ、折角ですから一緒に写真撮りましょ。今日はコウくんのスマホで。



今日も遅くまでありがとうございます。週始めですし、早めに休んで貰いたいんでお休みなさいを伝えておきますね。それじゃあ、お願いですから蹴ってください。愛してますよ。

まぁ…そりゃ流石に適当なモン選ぶ気にはなんねぇよ。なんたって可愛い恋人の年に一回の誕生日だから。でも照れ臭い思いしたって雄太が喜んでくれりゃあ、それでぜぇんぶチャラ。…だぁってベタなの好きじゃん。つか、指輪は慣れるまで違和感あるよなぁ。俺も自粛中は普段付けない指に付けてたからちゃんとあるかすげぇ確認しちまったし。まぁ、今付けてんの位なら失くしてもなんかの機会に買ってやるから良いけど。──言うほどかぁ？ヒョロっこいとあんま乱暴にしたら怪我させそうで怖ぇし、今のまんまかもうちょい体重付けた位でキープしといて欲しいわ。ん、仕事終わりに合流すんのも久々な気ぃするし楽しみにしとくわ。──ハハ、俺がクラゲに夢中になるのすら嫉妬してたクセに酷ぇ奴。んー…やっぱやだ、拗ねた。許してやんねぇ。(鼓膜を揺らす冗句に思わず吹き出すも、子供染みた悪戯心が芽生えては相手の普段の口調を態とらしく真似して顔を晒しつつ、口元の緩みは抑えきれずに。次いで甘ったれる様な所作を見れば破顔し、そういった行動にとことん弱い自分に呆れながらもインカメへと切り替えては背後の水槽と恋人の表情がよく写る様に腕を伸ばして撮影し)…フハ、しゃーねぇなぁ。セルフィー苦手なんだけど、俺。





気ぃ遣ってくれてあんがとな。んで、やっぱおやすみ言わないとちゃんと寝れる気しねぇから蹴れないのはご愛嬌っつーことで。愛してるよ、ゆっくり寝てくれな。

俺も来年こそはコウくんの誕生日をしっかりと祝わせてくださいね。誰よりも盛大に祝える様に気合い入れとくんで。──指輪は無くしませんよ。俺達が所有し合ってる証なんで、絶対に。…これでも暇さえあれば指眺めてコウくんの事を考えたりしてるんで、万が一無くなってもすぐに見付けられる筈ですし。…割と丸くなったねって言われますわ。毎日見てたら解んないんすかね。でも遠慮なく激しくして欲しいんで、じゃあご要望通りもう少し太りますね。その代わり、ちゃーんと美味しく召し上がってくださいね。──ははっ、アザラシにも嫉妬してくれます？浮気してごめんなさい。じゃあ帰ったらたっぷりお仕置きして欲しいんで、許さないでください。（己の真似をする恋人に愉快げに笑いを溢しては、相手の耳元へと顔を寄せ一際艶っぽい口調で冗句を告げ耳朶を甘噛みした後にウィンクを投げ。相手にセルフィーを撮って貰えば満足げに笑み、再び腕を組み通路を進み）やった、写真あざっす。苦手って言って良い感じに撮れてるじゃないですか。…さ、次行きましょ。

ごめん、クッソ酔っ払いだしまともな文書考えらんねぇから
本筋は明日返させて。久々に酒に逃げたわ、ごめんなぁ。数日空いたらもう大丈夫だと思うから心配しないでな。おやすみ、悠チャン。愛してるよ。

酔ってるところ態々ありがとうございます。言わずもがな、本筋なんていつでも大丈夫っすわ。心配しないってのも無理な話なんで、何日でも落ち着くまで、兎に角ゆっくり休んでくださいね。コウくんおやすみなさい、愛してますよ。

ハハ、お約束って事で有耶無耶でも良いんだけど…ちゃんと祝って貰っとかないと延々と根に持たれそうだわ。楽しみにしてんよ。── 俺は自分のあんま見る事ねぇけど、でも雄太が付けてんの見えたり手ぇ繋いだ時に指輪の感触すんの好きだからちゃんと付けててくれんのが1番嬉しいよ。俺だと思って大事にして。…あー、まぁ確かに見過ぎてて気付いてない可能性はあるなぁ。でも今日も俺の恋人は…そのやらしー煽りも含めて最高に可愛いって事は分かる。──…ふ、そんじゃあ帰ったら雄太が嫌がる事たっくさんしよ。悦ぶ事してもお仕置きになんねぇもんなぁ？(幼稚な出来心は甘く囁かれた言葉で嗜虐心へと変わり、咎める様な視線を向けながら態とらしく耳朶に残った余韻をなぞり上げて。好感触な反応を笑顔で見届けてから撮った写真を保存し、相手へも送信しつつ進むと次第に周囲の照明が弱まり、壁に嵌め込まれた複数の水槽へと視線を上げ)お気に召したんなら何よりだわ。折角だし適当に切り取ってアイコンにでもすっかなぁ。──…お、深海魚じゃね。変なのいっかな。




昨日はごめんな、書き込んだ記憶すら殆どねぇわ。まぁでも二日酔いにもなってねぇし、最近色々考えてた事も大分吹っ切れた気がするからもう心配しないで平気。あんがとな。悠チャンが居てくれて良かった、愛してるよ。

まあ恋人の誕生日は俺の1年で1番楽しみなイベントなもんで。いかんせんセンスが無いことだけがご愛嬌なんですけどね。…あー、ネックレスにしてたら見えませんわな。裸になった時とかエロくてすげー好きですけど、やっぱいつでも俺の事思い出して欲しいし、気軽に見れる指に着けて貰えるのがベストだな。益々来年が待ち遠しくなりましたわ。──…ふ、冗談。最近発情し過ぎてそろそろコウくんに体目当てって疑われそうなんで脱ぐのは自粛しておきますわ。でもって俺の嫌がる事ちゃんと思い付きました？ご存知の通り、俺っち何でも悦びますよ。──お、写真どうもっす。やっぱ俺の彼氏カッケーなぁ…アイコンにしましょ。後で切り抜いて送ります。（ボトムに入れていたスマホが振動すればポケットから取り出し、送られて来た写真の恋人の姿をじっくりと眺めては満足げに口角を上げ、すぐに仕舞い。より薄暗い空間へと辿り着くと水槽の中で泳ぐ地味な色合いをした魚達を流し見る様に通過し、ふと脚の長い巨大な蟹の前で足を止めると指をさし笑い声を立て）なんか地味な奴多いっすねー…光当たらない場所だからしゃーないんすけど。──…あっは、コウくんのごはんだ。美味しそう。



意識なく構って貰える程気に留めてて貰えたとは、幸いっすわ。二日酔いが回避出来た様で何よりっす。ご時世もありき、大変な時期みたいなんで諸々無理しないでくださいね。じゃあこっちは蹴ってください。でもって今日は早く休んで欲しいんで、先に伝えておきますね。おやすみなさい、愛してますよ。