No title（〆）

あらやだ、俺の最優先事項なんですけど。それに俺がキツくなった時は悠チャンが甘やかして貰うから心配なんかより、その準備でもしといて。──ん、楽しみにしてるわ。仕事始まってからなんだかんだでバタついてばっかだし、金曜日は目一杯楽しも。…ハハ、美人になったの間違いじゃね？ま、元々綺麗な顔しちゃいるけど、可愛いって言われ続けるとどんどん可愛くなってくらしいじゃん。…そりゃだって出会ってもうすぐ半年だぜ。流石に悠チャンの得意技くらいはお見通し。んで俺がそれに弱いって事も嫌になるくらい分かってんの。──そこで更に敬語やめて言うのが悠チャンの強かな所だよなぁ。最高に好きよ、そーゆー所。…お前じゃなくて俺が俺を試してんのよ。ちゃあんと筋通せるかって。今の所なんも不安はねぇけど。(直ぐに平常へと戻った口調に物足りなさを感じつつも自分の強欲さを押し留め、耳に馴染みのある口調で紡がれる愛情に満ちた言葉を噛み締める様に相手の肩口に額を預けて。次いで囁かれた言葉に顔を上げ緩く頷いてはその儘抱き上げ寝室へと。恋人を寝具へとゆっくり下ろし自分の纏う衣服を脱ぎ去ると、布団の必要性の低い気温だと判断してその上へと寝そべり、相手を招く様に片腕を伸ばしつつゆっくりと瞼を下ろし)お誕生日サマのおねだりとなりゃ聞かない訳にゃいかねぇや。──…おやすみ、雄太郎。思う存分誕生日祝えてマジで幸せだったから、来年もしっかり祝わせてな。愛してるよ。

…もう、コウくんを甘やかす為なんて言われたら喜んで待つしかないじゃないですか。じゃあ何時でもコウくんを癒せる様に、準備しておきますね。──…久々のショッピング以外のデートですね。楽しみっすわ。でもって美人になったは言い過ぎ。コウくんに愛されたくて努力してるのは事実ですけど。（浮遊感を覚えれば、首裏に腕を回し相手に体を委ね。寝具へと背中が付けば相手に倣い衣服を脱ぎ捨て、肌を触れさせつつ目蓋を伏せ。油断し切っているところに本名を呼ばれれば心臓を高鳴らせた後に微睡み）運んでくださってありがとうございます。…でもって不意打ちは狡いっすわ。俺も最高の誕生日でした。来年も再来年も、ずっとお願いしますね。おやすみなさい、コウくん。愛してますよ。

いッ──……や、なんでもねぇ。(僅かな残業を終え同僚と雑談を交えた一服をすべく喫煙室へと足を運び、壁に背中を預けた儘だらしなくその場に蹲み込もうとした瞬間走った鋭い痛みに反射的に背筋を正して。先日出来た引っ掻き傷を覆う瘡蓋が摩擦で捲れ上がったのだろうと容易に想像しつつ、訝しげな表情を向けてくる同僚を誤魔化し。長さの残るタバコを暫し見つめるも、なんとはなしに捨てればそそくさと帰路へと就き)

（恋人の好みの音楽を再生しつつ上機嫌にキッチンに立ち調理をし、鯖の味噌煮と肉じゃがと味噌汁を作り終えれば米が炊き上がるのを待ちつつ銀彩の茶碗を眺めて表情を緩め。光沢を放つそれをアングルに拘り撮影し恋人へと送信すると、『気をつけて帰ってきてくださいね。』と追加で送った後に猫と戯れるべくリビングへと向かい）

(足早に自宅へと進めば扉を目前に控えた所でスマホに着信が入り。確認しつつ玄関を開け、食欲の煽られる写真とキッチンから漂う香りに腹の虫が主張を始めながらも手洗いうがいを済ませ、リビングへと進み)──ただいまぁ。めっちゃいい匂いする。

（玄関扉が開く音がすれば表情を輝かせ手早く夕食を食器へと盛り付け、リビングのテーブルへと運び並べて。恋人が姿を見せるなり嬉々とし歩み寄れば、首裏へと両腕を回し口付けを贈りネクタイを外し）お帰りなさい。…えへ、時間出来たんで気合い入れてごはん作りました。鯖の味噌煮と肉じゃがと、豆腐とわかめの味噌汁ですよ。



反応遅くなっちゃってすんません。時間が随分と遅くなっちゃったんで、お願いですから蹴って休んじゃってくださいね。言わずもがな、こっちも蹴ってくださいね。いつもありがとうございます。コウくんおやすみなさい、愛してますよ。

(口付けをしてから甲斐甲斐しく世話を焼き始める恋人の姿を見つめ表情を緩めてはネクタイを外しやすい様に軽く顎を上げつつ相手の腰へと諸手を掛けて戯れ。挙げられた料理の数々が先日自分が食べたがっていたものだと気付くのに時間は要らず、声色にも喜色が滲み)お、めちゃくちゃ豪華じゃん。やっべぇ、マジで腹減った。…ふ、ちゃあんと魚捌けた？



悪ぃ、あんまりにも俺の恋人がよく気の回る出来た奴なもんで反応しない訳にはいかねぇや。俺こそ反応遅くなってごめんな、明日明後日はもうちょい余力残して帰れる筈だから安心してくれ。んで毎度の事ながら、俺だって悠チャンにおやすみ言いてぇからそろそろ諦めて。俺の安眠の為に欠かせねぇのよ。おやすみ悠チャン、愛してるよ。

豪華って程じゃないっすけど、愛情は込めました。──魚はやっぱ自信がないんで、切ってあるの買っちゃいました。次こそは頑張りますね。（ネクタイを襟元から引き抜きシャツのボタンを２つ程外しては、首筋へと唇を触れさせ悪戯に笑い。相手の嬉しげな様子につられて表情を緩めるも、問いには眉尻を下げ首を横に振り。ネクタイをハンガーに掛けた後にソファーへと腰を下ろすと手を合わせ）さーて、食べましょうか。いただきまーす。

ん…悠チャンの愛情たっぷりなら、やっぱり何よりのご馳走じゃねぇか。──ま、正直骨抜きとか面倒くせぇからなぁ。魚捌けなくても美味い料理は作れるし、基本的に俺自身料理すんの好きじゃねぇから手ぇ抜ける所は抜いた方が勝ちだと思うよ。(曝け出した首筋に予期せず甘い感覚が走れば小さく息を漏らし、抜け目ない行為に呆れた様に笑みを返し。相手の返答に軽い口調で言い退け、再び緩んだ表情を見たいが故にその頬を軽く揉んでから解放し。ソファーへと腰掛け、テーブルに並んだ料理の数々に感嘆の声を挙げつつ手を合わせては、ふっくらとした身の味噌煮に箸を伸ばして口へ運び)お、茶碗いい感じじゃん。やっぱ並んでると良いな、こーゆーの。…つーか、マジで美味そう。頂きます。──ん、美味いわ、飯に合う。…やべぇ、久々にちゃんとした和食食ってる気がする。

魚捌くのはYouTuberの真似してやってみたかっただけっすわ。映像で見る分にはやけに楽しそうなんすよ。旦那様の為に手間暇掛ける分には幾らでも。ただやっぱり今回はどうしても失敗したくなくて。初めてお揃いの茶碗を使う日ですから、ネ。（頬を摘まれれば穏やかに表情を緩め、次いで隣から聞こえる反応に嬉しげに肩を揺らして笑い。レシピに忠実に作った肉じゃがに箸を刺し、中まで味が染み込んでいる事を確認しては口元へと運び、茶碗を手に取ってはうっとりと眺めた後に米を食し）ね、マジでカップル感パネェっすわ。和食は俺も大分久々だなー…じゃあ調子に乗って、また作りますね。

へぇ、最近のYouTuberそんな事までしてんの？メイク動画とかは偶に情報収集で見るけど、それ以外は疎いんだよなぁ。ナイトルーティンとかが流行ってるって知ってる程度。…フハ、んな特別なもんでもねぇだろ。一緒に暮らすんだから今後幾らでもこんなん増えてくんだぜ。(あまりにも恋人が可愛らしい言葉を口にするのをくつくつと笑いながら味噌汁の入った碗を持ち上げて。中身を啜ればふわりと鼻腔を擽る出汁の香りに思わず息を吐き)やっぱ見た目で変わるの嬉しいよなぁ、食い出があるわ。ん…また作って。和食で落ち着くって感覚あんま馴染み無かったけど、結構良いなぁ。

コウくんがお勉強のためとは言え、綺麗な姉さん方の動画を観てるのは妬けますわ。最近は地雷系メイクみたいなのが急上昇してるっぽいっすね。ウケる、やべー奴が街に溢れる。…ん、今特別だと思ってる事が将来的には当たり前になると思うと素敵っすね。でも俺はまだ暫く慣れずに一々喜びそうっす。毎日毎日愛が増してるんですから、しゃーなしっすわ。（恥じらいも無く言葉を紡ぐと、次々と食事を進めていき横目で丁寧に食事をする恋人の姿を一瞥し穏やかに目を細め）コウくんがいっつも美味しく食べてくれるんで、作り甲斐がありますわ。落ち着くのはきっと和食じゃ無くてお隣さんの俺のお陰、なんて。

マジで商品しか見てねぇけどな、酷い時は声聞くだけだし。動画ちゃんと見るくらいなら悠チャン構いたいわ。でーた、地雷メイク。確かに最近よく見るけどあれ系あんまり好みじゃねんだよなぁ…そもそも平行眉より美人眉のが好きだし。……なんだよ、最近毎日可愛い事言うじゃん。んな事言われたら正直めちゃくちゃ気分良いけど、ちとむず痒いわ。(甘い言葉に暫し沈黙して漸く口を開くも照れ臭さから歯切れは悪く、唇の形を歪めてから面映さを払拭する様に肉じゃがへと箸をつけ。食事に夢中な振りをして誤魔化そうとするもしっかりと染みた味付けに白米を頬張りながら次々と消化して)だって実際美味いし。──いや、本気で美味い。…肉じゃがもしっかり染みててんのに煮崩れしてねぇし最高。勿論、悠チャンが隣に居りゃインスタントの味噌汁ですら落ち着くだろうけど。でもやっぱちゃんと丁寧に作ってくれたって分かる飯は満足度が違ぇんだよなぁ。

マジで研究熱心っすね。じゃあコウくんが動画観てる時は後ろから引っ付いて大人しく待つ事にしますね。…ふっ、やっぱお兄さんの好みじゃなかったっすか。地雷男はまだ登場してなかったんでやろうか迷ったんすけど、やっぱ止めとこーっと。──本音を言ってるだけなのに。拗ねた、もう甘い事は言わないです。（痴話喧嘩をふっかける様に甘ったるい声で不平を紡ぎ口唇を立てるも当然本心ではなく、直ぐに表情を戻すと鯖を箸で割り口元へと運びゆっくりと咀嚼し）…あー、レシピ動画見ながら作ったんで我ながら美味くできましたわ。沢山褒めてくれてありがとうございます。俺和食なら天ぷらが好きなんで、じゃあ次はコウくんにお願いしちゃいます。



すんません、眠気が来たんで連日で申し訳ないんすけど置きにして貰えると助かりますわ。懲りずに言いますけど、蹴って休んじゃってくださいね。おやすみなさい、コウくん。愛してますよ。

ふ、それ大人しくする気全くねぇだろ。んな事されたら俺が動画なんか見るのやめてすーぐ悠チャンとイチャイチャしちまうの分かってるクセに。…だぁってマジで地雷の可能性あって怖ぇもん。悠チャンはヘルシーメイクとかが似合うよ、俺的にピンクよりオレンジ系のイメージだし何より元が良いから。──…意地が悪ぃなぁ。本音だって分かってるからこそばゆいんだっつの。それとも照れてる俺は嫌い？(言葉での軽い戯れでくつくつと喉を鳴らせば次第に調子を取り戻し、態とらしく眉を下げるも口角は上がった儘で。箸休めに再び味噌汁を口にしてから鯖を口に運び、魚の旨味を味わう様に噛み締め)動画見ながら一生懸命作ってんの想像すると可愛いなぁ。完全に悠チャンに胃袋掴まれてるわ。…お、夏野菜が美味い時期になるから天ぷら丁度良いな。揚げ物怠くて作ってこなかったから上手く出来るかは微妙だけど。




フハ…悪ぃな、毎度の如くおやすみが言いてぇって我儘言うわ。んで仕事さえ頑張って終わらせりゃあ悠チャンとこうしてゆっくり飯が食えんだから、のんびり置きになんのは俺としても願ったり叶ったり。今日もあんがとな、ゆっくり寝てくれよ。おやすみ、悠チャン。愛してるよ。

ええ、本当に動画に集中されたら間違いなく拗ねます。でもってお察しの通り、無理矢理にでもイチャイチャに持ち込みますわ。…ね、只でさえメンヘラメーカーと付き合ってるんで地雷系メイクしたら冗談じゃ済まなくなりますわな。暫くはコウくんのお店で買ったアイシャドウで満足しておきます。──…勿論照れてるコウくんも好きですよ。でもあんまり俺が甘い事ばっかり言ってたら、お兄さんが胸焼けしないかなーってちょい心配ではあります。（嘗てから些か抱いていた不安を織り交ぜ紡ぐ口調はほんの僅かに低くなり。気を紛らわせる様に食事を進めては次々と器を空にしていき、最後に味噌汁を飲み満足げに息を吐き腹を摩り）──…ふー、食った食った。御馳走様でした。夏野菜の天ぷらとか絶対に美味いパティーンじゃないっすか。じゃあコウくんが暑くならない様に、作って貰う最中は隣で団扇を扇いで差し上げますね。楽しみだ。

ふ、必死になってる悠チャンを見たくもあるけど…──いや、マジで見てぇな。今度我慢比べでもしてみる？…お前をメンヘラ化させたって思われたらマジで各方面に叱られるじゃん、ぜってぇヤダ。んじゃそれに飽きたら次はちゃあんとプレゼントさせて。俺が選んだ、俺好みのアイシャドウ。──…胸焼けねぇ…そりゃ興味ねぇ奴から言われりゃするけど。悠チャンが俺にデレデレしてくれんのはさっきも言ったとおり、めちゃくちゃ気分良いよ。恋愛童貞だからマジで照れ臭いだけ。(微かに低い響きへと変わった声音にはたと箸を止め、一抹の不安を抱きながら隣に並ぶ顔を覗き込む様に視線を送り。食事を進める姿に気のせいだと判断しては魚を平らげ、僅かに残った肉じゃがと白米を食べ終えてから両手を合わせ)──はー、美味かった。ご馳走さん。ん、悠チャンが隣に居て天ぷら出来あがんの待ってんなら、流石の俺でもちゃんと作りそう。行儀悪ぃけど、ビール片手に揚げた端から食べんのとか楽しそうじゃね？

我慢比べなんてしたら即効俺の負けじゃないですか。手加減してくれるなら考えなくもないですけどー。…ウケる、俺の飼い主はコウくんなんで誰も怒らないと思いますよ。でもってあのアイシャドウに飽きる事はきっとないんで、じゃあAWになったらサンプルください。お兄さん好みのセクシーな感じでお願いしやす。──…ははっ、恋愛童貞って言っても彼女さん達は皆コウくんにメロメロで甘い言葉なんてしょっちゅう浴びせられてたんじゃないですか？それとも俺が1番甘い事言ってます？（相手の不安げな顔を見れば告げられた言葉は本心のものだと汲み取り、たちまち表情を緩めくすくすと笑いながら柔な口調で問い掛け。相手が食事を終えたのを認めると手早く食器類をシンクへと運び、待ち侘びたとばかりに対面する形で膝に乗り首裏に腕を回すと、口端へと唇を触れさせ悪戯な口調で）お粗末様でした。…おー、暑いキッチンでキンキンに冷えたビールっすか。最高だ、是非ともやりましょ。飯食う頃にはぐでぐでに酔ってるかもですけど。──…デザートいります？ベッタベタのベタですけど、俺。

ハハ、必死になってんのが見てぇのに手加減したら意味ねぇじゃん。俺からは手ぇ出さない程度ならしてやっても良いけど。…そりゃ俺のモンには違いねぇけど、それでも悠チャンは愛嬌の塊だから色んな人らに大事にされてるっしょ。サンプルはプレゼントじゃねんだよなぁ。俺が稼いだ金で粧し込んでるお前が一番唆るの。──んなの一々覚えてねぇよ、真面目に聞いちゃ居なかったし。少なくとも俺の記憶に残ってる甘い言葉は悠チャンのだけ。(食器を手にキッチンへと向かう背中を見送りながらソファーへと凭れるも、チクリとした背中の痛みに背筋を戻し。魅惑的な問いかけに笑みを湛えながら身体を密着させるべく膝に載る腰を抱き寄せ、もどかしさすら感じる口付けに首の角度を変えて確りと唇を重ね)お、あんがと。…ぐでぐでに酔うのも含めてオツだろ？最近外であんま酒飲んでねぇから、家でくらい酔っ払ってもバチ当たんねぇし。──…ふ、いる。寧ろメインディッシュじゃん。

じゃあコウくんが我慢できなくなって俺に触るか、俺が絆せなくて諦めるかの勝負にしましょ。そのくらいのハンデでトントンっすわ。…ふ、また買ってくれるんですか？嬉しいなぁ…コウくんの心も体も財布もぜーんぶ俺の物、なんて。──…記憶に残ってるのが俺だけって、また口が上手いなぁ。あんまり絆されると心で感じちゃうんで、勘弁してください。（相手の背中の傷に気付く事なく色声で冗句を紡ぎくすくすと笑っては、唇が重なるなり小さく体を跳ねさせ鼻孔から短く上擦った声を溢し。角度を変え音を立てつつ唇を啄んでは、情熱が昂り相手の背中全体を愛撫する様に掌を滑らせ）…バチは当たらないけど、酔ったコウくんが大好物な肉食動物ならいますよ。──…ん、……コウくん好き…、