No title（〆）

やだ、やっぱ彼氏の前では完璧な顔でいたいんで。──ほら、コウくんに選んで貰ったアイシャドウを塗ったんです。ここまで気合い入れたのに寝かし付けられたんじゃ堪ったもんじゃないですよ。──…コウくんが忙しくなるなら丁度良かったかしら。でもって代休自分で選べなかったんですね。そりゃ大変だ。因みに俺も明後日は夕方くらいには学校が終わる予定です、とかアピってみます。（誘導される儘ソファーへと腰を下ろせば、そこで漸く相手の気遣いに気付き柔に目を細めてから甘ったるい口調で言い訳を紡ぎ。次いで告げられた祝いの言葉に時計を見遣っては、丁度0時を指す時針に胸をときめかせ嬉しさと照れが入り混じった笑みを刻み。隠し伏し目がちにお強請りの言葉を告げては、口付けを待つ様に目蓋を伏せ）──えー、不意打ちっすわ。まさか22歳になる瞬間をコウくんと居れるなんて。…俺こそ出逢ってくれてありがとうございます。お兄さんがこうして側に居てくれる事が何よりのプレゼントですし、マジで1年幸せに過ごせる気しかしないっす。…じゃあ今日の主役なんでもう１つだけ我儘言っちゃいます。キスして欲しいです。

でーた、我儘。俺が良いっつってんのに何よ、今日はいつに無く駄々っ子じゃねぇの。──……可愛い煽り方してもダメなモンはダァメ。ちゃんと良い子でおねんね出来る様に側に居てやるから、今日は聞き分けて。──ん、寧ろ折角の誕生日に待ち惚けさせないで済んで安心したよ。俺の事なんか気にしないで用事済ませておいで。まぁ俺が代休ちゃんと消化しねぇのが悪ぃんだけど…でも棚ぼたじゃん。そんじゃ明後日は家で大人しくしといてやろーな。(聞こえてくる言葉の耳触りの良さに暫し葛藤するも絞り出す様に声を漏らしては相手の前髪を軽く掬い、ラメの光る目蓋へと唇を落とし。時間を見計らった浅はかな策が功を奏したのを表情から汲み取りくつくつと喉を鳴らしながら愛猫を床へと下ろし、相手の唇へと柔な口付けを贈ってから徐に抱き上げて寝室へと向かい)──ふ、まぁ今日はこんなんしかあげられねぇけど他のモンは追々な。…隣で悠チャンが幸せな22歳を過ごしてくれりゃあ俺も嬉しいよ。愛してる。──さぁて、我儘も聞いてやったしマジで今日は寝かしつけまぁす。寝ねぇにしてもベッド行きゃあ眠くなんだろ。蹴ってゆっくり休んでくれんのが一番だけど。

今日は無性に我儘言いたい気分なんです。コウくんに構って貰いたくて、でもって気を引きたくて。…でもお願いされたんじゃ仕様がないですね。大人しく寝ておきますわ。──コウくんの事を考えない日はないんですから、気にしないなんて到底無理な話っすわ。明後日は俺も何時に学校出れるか言い切れないんで、用事あったら全然やっちゃってくださいね。（目蓋へと口付けられれば得意げに唇に弧を描き、キャットタワーへと向かう猫の背中を一撫でし。次いで唇へと口付けを贈られれば骨抜きになったかの様に相手の首に腕を回し凭れ掛かり、身体に感じる浮遊感に抗う事はせず頬へとキスを贈った後に目蓋を伏せ）これだけでも大満足のバースデーですよ。あんまり貰い過ぎたら心臓が保たないですし。…んー、コウくん好き。愛してますよ。俺が23歳になっても、アラサーになっても、おじさんになっても愛してくださいね。おやすみなさい。コウくんも蹴ってくださいね。

やっぱ体力落ちて気弱になってんのかねぇ…んな事しなくても俺の関心なんかお前にしかねぇのに。まぁ、その我儘は利子付けて良いから体調が万全な時に温存しといて。倍にして甘やかしてやるからさ。──ハッ、明日の主役が何言ってんのよ。悠チャンの帰りが遅くなったとしてもちゃんとデケェ犬と可愛い猫が待ってるから大丈夫だって。明後日も適当に時間潰してるから平気。真面目に授業受けて来いよ。──やだなぁ、俺悠チャンにあげたいモンなんか腐る程あんのよ。誕生日も記念日も全然足りねぇ位なんだから貰ってくんねぇと困る。…ふ、そりゃもう。良い歳の重ね方して益々俺好みになってってくれよ。(口付けられた頬を緩ませながら相手の横顔へと頬擦りをし、穏やかな寝息が鼓膜を揺らすと安堵の息を吐き。そっと恋人を寝具へと横たえ、スーツを脱ぎ自らも寝具へと潜り込めば額に口付け、相手の首元まで覆う様に被せた掛け布団の下で確りと抱きしめて)おやすみ、悠。お前の人生がたくさんの幸せと愛情で溢れます様に。

（出先から帰宅を果たすと、手洗いとうがいをし部屋着へと着替えた後にリビングへと。満面の笑みで扉前に佇み、室内を見渡し）ただいまでーす。コウくん会いたさに急いで帰ってきましたよん。

…うーわ、日付超えてんじゃん。(残業を終えて紙袋を携えて玄関前まで着けば時間を確認し苦渋を滲ませた表情でドアノブを握り、恋人が寝ている可能性を理解しつつも手洗いうがいを済ませてリビングへと足を向け)

（湯上りの湿り気を帯びた髪の儘、テーブルにポテトチップスを載せ油断し切った姿で瓶ビールを呷っているも、恋人が帰宅を果たせば瓶の飲み口に唇を触れさせた儘所作を止め、次いで恥じらいげにへらへらと笑いつつ酒を置き。些か酒気帯びつつ恋人の元へと歩み寄ると緩慢に肩口を抱き締め、労る様に髪を撫でて）おかえりなさーい。今日はお仕事大変だったみたいですね。お疲れ様でした。

(リビングの扉を開けた途端視界に入る恋人の緩んだ姿に思わず吹き出すも、早く帰って来れなかったやるせなさに苦笑すれば紙袋を持つ手をその儘に片手だけで抱擁に応えて。次いで額に唇を触れさせては相手の手を握り媚びる様に腰を屈めながら緩く首を傾げて)フハ、晩酌中？…ただいま、遅くなってごめんなぁ。お誕生日サマに1人で酒飲ますなんざ申し訳ねぇや。──ちっと遅くなっちまったけど、まだ俺に祝わせてくれる気ある？

晩酌っつーか、コウくんが居なきゃ寝れないんでお薬代わりの飲酒っすわ。でもって誕生日は別日でお願いしますってお願いしたのは俺自身なんで、申し訳なく感じて貰う必要はゼロっす。──祝って貰えるのであれば喜んで。昨日も祝って貰えたのに、マジで幸せ過ぎます。（目蓋を伏せつつ額への口付けを享受しては、首を傾げる所作に愛しさを覚え破顔しつつ頷き、髪を撫でていた手を首筋を通過させ下ろし。嬉しげに目を細めては、大人しく相手の動きを待ち）

あらやだ、そんなん聞いたらマジでもっと早く帰ってくる努力しときゃ良かったわ。それに、悠チャンの都合で別日になんのは全然良いんだけど、俺都合で当日じゃ無くなるのはやっぱ申し訳ねぇのよ。1年に1回のお前が生まれた特別な日なのに。…まぁでも、ずれ込んだとしても祝いたい気持ちは変わらねぇからそれに免じて今年は大目に見て。来年はちゃあんとリベンジするわ。(宣言染みた言葉の後に身体を離しては微笑みながら握った２つの紙袋の一方から向日葵と白い千日草の小ぶりなブーケを取り出し、相手へと差し出して)──改めて、22歳の誕生日おめでとう。悠チャンの生まれた日をこうやって祝える俺は幸せモンだなって思うよ。

日付跨いでの帰宅なのにこうしてちゃーんと構って貰える辺りすげー大事にされてるなって思うんで、これ以上の事は望まないっすよ。…でもって1年に１回、目一杯コウくんの愛を感じられれば俺としては大満足なんで、誕生日自体は別にいつでも良いんです。寧ろ強欲なんで、沢山の時間を貰って愛して貰えれば本望なんすわ。…ふ、早速来年の事まで考えてくれるんですね。そうだなぁ…じゃあ指輪も貰ってる事でしょうし、盛大にお願いします。（日頃センスの良い恋人からのサプライズとなれば心臓が高鳴るのは必至で、差し出された鮮やかな色彩のブーケに息を呑んでは満面の笑みを浮かべつつ両手で受け取り、頬に僅かな赤みが差すのを自覚しつつ真っ直ぐに視線を注ぎ礼の言葉を告げて）──わぁ、ありがとうございます。また素敵な花束だ…今回も意味はあるんですか？


すんません、折角祝って貰ってるのにふわっと眠気が来ちゃって。じっくり堪能したいんで、置きにして貰っても良いですか？毎度毎度すんません。コウくんもお疲れでしょうから、お願いですから蹴って休んじゃってくださいね。おやすみなさい、愛してますよ。

悪ぃ、俺もあんまり頭回って無いから今日は甘えさせてもらって、明日ちゃんとシャキッとしてる時に返信させて貰うなぁ。折角の誕生日だから悔いのねぇ様にしてぇっていう俺の我儘。んで、昨日の今日でまだ本調子じゃないだろうし、明日もあんま無理せず悠チャンの体調第一に考えてくれよな。じっくり祝えるのなんか俺にとっても本望だからレスペとかも気にしなくて良いからなってだけ言っとくわ。おやすみ悠、愛してるよ。

急にこーゆー時は聞き分け良くなるんだから。良いのよ、寂しかったっつって、たくさん構えよって強請ってくりゃあさ。…ふ、んじゃ今年は目一杯の俺の時間もセットにしてあげちゃう。んで、来年はそりゃもう悠チャン好みのロマンチックで擽ったくなる様なプランを練っておくからお楽しみにって事で。(嬉し気な笑みを見せる恋人の表情がブーケで飾られれば、その花々が相手に似合うだろうという自分の予想は確信へと変わり。お約束の様に密かに込めた意味合いに言及されると照れ臭さに小さくはにかみ、はぐらかすべく染まった頬に口付けを贈った後に手元に残った白い紙袋を相手の眼前で揺らして)…あー、まぁ…あるにゃあるけど。良いのよ、花なんか添え物なんだから。──本命はこっち。オフホワイト。…ずっとお前に渡したかったんだわ。

やった、じゃあ残りの今日1日は字の通りコウくんを独占させて貰います。俺だけを見詰めて、沢山ちやほやしてくださいね。お兄さんにときめいてる瞬間が、俺にとっては何よりも至福な時間ですから。──えー、お花の意味を隠すって事はそりゃもう小っ恥ずかしいくらいに甘いものだって言ってるも同然じゃないですか。後でしっかりと調べておきますね。…つか…こんな高級品貰って良いんですか？──わー、ありがとうございます。これ着たらコウくん好みの男になれるでしょうし、早速着てみて良いですか？（はにかむ恋人を茶化す様に悪戯に口角を吊り上げるも、頬へと口付けを贈られれば更に朱へと染まり緩む頬を誤魔化す様に双眸を伏せ鼻先を花束へと寄せ香りを楽しみ。次ぐ贈り物には片手を口元に添えつつ再び息を呑むと、己の願望を熟知したセレクトに気恥ずかしさを覚えつつ受け取り、喜びを噛み締めながら首を横に傾げて問い掛け）

フハ、やだなぁ。そこで「俺だけを見詰めて」だなんて…俺の考えなんかお前にはバレちまってんのかしら。…いつだって悠チャンしか見てねぇよ。──それこそ向日葵が太陽ばっか見てんのと一緒で俺の習性みてぇなモンな訳。悠チャンが俺の太陽でお前が居なくっちゃ生きてらんねぇの。──あー、待った。折角なら俺が着せたい。(花束に込めた意味を含んだ言葉が恋人の唇から飛び出せば気恥ずかしさから込み上げる笑みを手の甲で隠しながらポツリと呟き。口元の手を外し意を決した様に小さく息を吐いてから相手の髪を軽く撫ぜて甘ったるい声で囁き掛けて。不意に相手の手元から花束を抜き取るとテーブルの上にそっと置き、紙袋の中からカートゥーン調のウサギのスプレーアートが施されたオレンジのTシャツを広げて取り出し)

…ふ、願望の筈だったのにまさかもう願いが叶っていただなんて。──早速すっげー甘い言葉を貰っちゃった。俺なしじゃ生きられないなんて言われたら、ときめくしかないですもん。…じゃあ俺は、コウくんが元気で輝いてる居られる様にいつも光で照らせる様に努めますね。ちなみにこっちの丸い可愛いお花の意味は何ですか？──わー、すげー可愛い。言わずもがな、俺好みっすわ。しかもなかなか試さない色。一目で気に入っちゃいました。流石コウくん、ありがとうございます。（恥じらいつつ告げられたロマンチックな台詞に心が蕩けそうになり、思わず視線を逸らしつつ俯き加減で唇を結んでは、大人しく相手に花束を任せ。次いで広げられた愛らしいイラストのＴシャツは己の好みを捉えたもので嬉々と声を弾ませては、躊躇なくオープンカラーシャツの寝巻きのボタンへと相手の片手を誘導し、頸へと両手を回しながら甘える様な口調で強請った後に唇を掠める程度に触れさせて）…是非着せてください。コウくんの手で飾って貰えるなんてドキドキします。

はー、まんまとお前の口車に乗せられちまってこんなむず痒い事惜し気も無く言うハメになるなんてさぁ。でも悠チャンは向日葵似合うと思ったんだよ。…それに、んな努力しなくたってお前が笑ってくれてりゃあそれだけで俺は勝手に元気貰えんだぜ。その代わりお前の表情が曇ってる時は俺が元気分けてやれる様にするから、なんでも言っておいで。…あー、ちっこいのは……まぁ、内緒。一々解説すんのなんてダセェだろ。──な、これ可愛いだろ。後ろにちゃんとクロスアロー入ってるし、夏に着やすいかなって思って即決だったんよ。(相手の弾む声に釣られて、自然と子供が見せびらかす様に手元のTシャツをひらりと裏返しブランドの象徴とも言えるロゴを見せると、打って変わって回された腕と色香を振り撒く甘い声に心臓を小さく跳ねさせて。誘惑染みたもどかしい口付けに口角を吊り上げては一つ一つゆっくりとボタンを外す度に首筋に唇を落とし)…ふ、そんなセクシーな誘われ方したら着せる前に手ぇ出しそうになるわ。

えへ、今日はちやほやして貰う約束なんで恥ずかしい言葉も沢山聞かせて貰いますよ。向日葵みたいかー…素敵な彼氏のお陰で明るく過ごせているからですかね、嬉しいや。でもって元気がない時の俺まで受け止めてくれるコウくんの男気。頼れる彼氏がいてくれて心強いですよ。──動物好きなんでドンピシャ好みっすわ。…わ、バックスタイルもカッケー。高級服を自慢して歩ける、やったー。この夏はありがたく着まくりますね。（背中部分にインパクト大にプリントされたロゴに感嘆の息を吐きつつ拍手をしては、子供の様に得意げに振る舞う恋人の姿に胸を擽られ柔に双眸を細めて。胸元の肌を暴かれる度に落とされる敏感な箇所への口付けに喉元で甘い声を溢しつつ僅かに身動いでは、身体は素直に熱を孕むも己の事は棚に上げ茶化す様にくすくすと笑い）──ん…、……ふ、コウくんったらスケベ。どうせならお兄さん好みの男に仕上がったところで、もっと愛されながら悪戯されたいなぁ。

俺が言いてぇ時に言うのは幾らでもっつー感じだけど強請られて言うのはやっぱちと照れんだよなぁ。そーゆー風に甘やかす事なんざ無かったし。…悠チャンは元々俺ん中では天真爛漫って感じのイメージ強いから明るい花贈りたくなるわ。んで、楽しい事の共有なんざダチでも出来るけどしんどい時に寄り添ってやれんのは恋人の特権だから。悠チャンは尚更そんな所人に見せなさそうだしな。──ふ、お高い男だぞって暗に主張して街中歩けよ。やらしくって最高じゃん。(開き直った口調で全てのボタンを外すと艶かしく覗く白い肌に小さく生唾を飲み込み。堪らず肩口へと歯を宛てがい柔く甘噛みしてから寝巻きを脱がすと眉間に皺を刻みつつ僅かな理性を手繰り寄せ、手元のTシャツを相手に着せて。出来栄えを見るのと同時に自分の興奮を冷ます為に一歩下がって恋人の姿を見詰めては、さも自分好みの目を惹く出で立ちに満足気に双眸を細め)…ハッ、俺がスケベなのなんざ今に始まった事じゃねぇや。…ハァ、可愛い煽り方しちゃって。でーも、恋人のこんな格好見て何にもしねぇってのは無理な話だよなぁ。──…いーねぇ、やっぱ似合うわ。可愛い、めちゃくちゃ好きだ。

コウくんが照れるなら尚更上手にお強請りしなきゃ。こんなに格好良くて完璧なお兄さんが、俺の前で照れてくれるって言うのが最高に唆るんですよ。──ん、俺が弱みを見せるのはコウくんだけですよ。沈んだ時とか落ち込んだ時とか風邪引いた時とか、コウくんに甘えると一気に幸せな気分になるんすわ。正に俺にとっての万能薬。…やった、早くこのお高くなった格好で自慢の彼氏と並んで街を闊歩したいっすわ。──は、……もう、そんな期待させる様な台詞言われたら感じちゃうじゃないですか。（相手が己に欲情する様な仕草を見せれば悦に入り満足げに唇を弧にしならせるも、快楽を呼び起こす様な焦ったい刺激を与えられれば呼吸を震わせ瞳を揺らして。仕返しとばかりに敢えて露骨な言葉を選び甘く紡ぐも、一度服を纏ってしまえば憧れのブランドに袖を通した喜びが湧き上がり表情を輝かせ、モデル宛らに前後ろとポージングを取った後にテンション高く抱き付き）…わー、カッケー。着心地もすげー良いし、流石ハイブランドって感じっすわ。…えへ、滅茶苦茶好きですって。俺もすげー気に入りました。コウくん大好き。