No title（〆）

いや、そうでも無いけどなぁ…若干勝ち星のが多いくらいで。相手に委ねちまう程別にどーでも良かったんだよ、イイ思い出来りゃ儲けモン位の精神。…俺はいつだって悠チャンに惚れ直してて欲しいのに、んなツレない事言う訳？あーあ、浩二クン悲しー。──そうでも無いだろ、前からお前はそうだったよ。クソ生意気だったクセに、俺が疲れてる時とかはすーぐ気付いて配慮してくれてたし…つっても勘違いだったら小っ恥ずかしいけど。…クラブの回数が減ったのはもっと楽しい事見つけたから。んで、悠チャンの行きたい所っつーか俺らの行きたい所行ってるだけだし、お前に物与えんのはそれ使ってるお前が見たいから。飯も一緒。…お分かり？ぜぇんぶ俺が楽しいからしてるのよ。慈善の心なんか1ミリもねぇわ。──他の店だと食えねぇタイプのオニオンフライだよなぁ。1人じゃ流石に無理だけど野郎2人ならペロッと食えるし。(立て続けに恋人の姿を楽し気に見つめながらスペアリブの骨を置くと、フォークを手に取り皿に載ったステーキ肉を口へと運び。口内に広がる肉汁に頬を緩めて咀嚼し)あー…リブアイも久々に食うとやっぱ旨いわ。こーゆー肉！って感じのステーキが1番良い。

コウくんのお誘いを断る人も居るんすね。彼氏とか居りゃそりゃそうか。…あっは、かーわい。そりゃ惚れ直す様なイケメン台詞でしたけど、俺は今のコウくんでも既に溺愛してるんで、変わって欲しいなんざ願ってないんですもん。──まあコウくんの事が好きだったんで、片想いにしろそりゃ色々気付きますよ。…でもそっか、だからこそ俺の素を知らないっすよね。実は気乗りしなきゃダチの連絡とか既読無視するタイプなんすよ。待ち合わせに遅刻したりもザラで、アイツはあーだよなーって許されるレベルの期待値の低い人間なんすわ。真っ直ぐだなんてお世辞にも言えないんすよ。…ふっ、じゃあそう言う事にしておきます。コウくんだけの楽しみにしては随分と時間もお金も掛かってますけど、そう言う気取らないところがまた男前で好きですよ。──ね、こんなの初めて見ましたわ。野菜なんで食えば食う程健康的なんで、罪悪感なくサクサクいけるってなモンですよ。（オニオンフライを4分の1程消費したところで相手に倣いリブアイステーキを食すると、スペアリブとは異なる弾力感と風味にうっとりと鼻孔から息を溢し、手が進む儘に食べ進め）──うめー…やっぱ肉って最高っすわ。てっきりコウくんはコース料理とか出してる様なところの行儀良く食べるステーキが好みかと思ってたんで意外だったんすけど、こりゃハマりますね。



またここ最近反応遅くなってすんません。明日からこそ落ち着く筈なんで、とだけ伝えさせておいてください。それじゃあもう遅い時間なんで、蹴って休んでくださいね。お休みなさい、愛してますよ。

ハッ、可愛いだなんて世辞にも思ってねぇクセに。利己主義な俺がお前の為ならってまで言ってやってんのに欲がねぇなぁ…ま、でもイイ惚気聞けたから不問にしといてやろっと。──フハ、そりゃまた随分と俺に気ぃ遣ってくれてるみてぇで。でも別に良いんだぜ、友達にするみてぇな対応俺にしたってさぁ。今更そんな程度で愛想尽かしたりしねぇわ。甘やかして愛を囁くだけが大切にする手段って訳でもあるまいし。…だぁって俺、楽しい事大好きだから金も時間も痛くねぇのよ。だからそーゆー時に悠チャンがすーぐスンマセンとか言うの辞めて、可愛い笑顔でありがとうっつってくれた方が余計に俺は楽しいんだけどいかが？──…うーわ、それを野菜カウントすんのは若者過ぎてオニーサンちょっと引いてる。ポテチを野菜っつってる様なモンだろ。(喉を鳴らして嚥下し、冗句だと理解しながらも相手の言葉に苦笑を漏らしては口直しにコーヒーを飲んでから、言葉とは裏腹にジャンキーな味を欲する様にオニオンフライに手を伸ばし。慣れ親しんだ味を楽しんだ後に再びスペアリブを手に取りながら)あー…いや、和牛とかも旨いし好きだけど、ありゃ贅沢感を味わうモンっつーイメージだからなぁ。食い応えがあんのは断然オージービーフとかよ。つか悠チャンの俺のイメージ偏ってんだよなぁ。




全然気にしねぇで平気、寧ろバタついてんなら構わず体力回復させんのに時間使ってくれた方が安心するわ。んで、俺も最近仕事で気力削られて寝落ちたりザラだったしごめんな。大分目処が付いたし、今日こそはって決めてたから漸くこーやっておやすみを悠チャンに言えて良かった。…おやすみ、悠。愛してるよ。いつもありがとな。

いっつも惚れ直して欲しいなんざ言われたら可愛く思わない訳ないじゃないですか。でもって気を遣ってるって勘違いさせちゃったみたいですけど、俺もコウくんと一緒で俺がしたいからやってるだけっすよ。出先でもコウくんと話してたいからライン返信するし、早く会いたいから直帰する。本当にそれだけの理由なんすわ。──前にも言ったじゃないですか、奢られて罪悪感抱くのは本命だからだって。だから偶には俺にも出させてくれたら、そんな気持ち感じず喜べるかもしれないっす。…んー、ポテトはいも類だから野菜じゃないっすわ。でも玉ねぎは野菜ー。（笑いを織り交ぜ冗談めかしつつ告げては、付け合わせの野菜をドヤ顔で食した後にパンを半分に切り一方を手に取り、残りを相手の方へと。再びステーキを食べ進めつつ相手の言葉に相槌を打っては、小さ笑いを溢し）イメージが偏ってるっつか、コウくんの趣味の範囲が広いんでまだ掴み切れてないんすよ。クラブ好きかと思ったら落語も好きですし、回らない寿司食って美味いって言ってたからこりゃお高い繊細な肉派だろう…って思ったらガッツリな肉派でしたし。だから１つ１つ好みを知っていく度に嬉しくなるんです。

ふ、魂胆はお前が惚れ直し続けてくれりゃあ、それを盾に色々出来る…っつー可愛いとは程遠いもんでもそんな素敵な事言ってくれる？…あらやだ、俺と一緒って言われちまったらそれ以上なぁんも口出し出来ねぇや。ま、悠チャンがそうやって俺との時間を大事にしてくれてんなら純粋に嬉しいし、俺に対して真っ直ぐ向き合ってくれてんのも有り難ぇわ。──…んじゃ、今度悠チャンのお薦めの店に連れてって。そしたらそん時はそりゃもう借りて来た猫みてぇに大人しく奢られてやっから、それで良いだろ。…こりゃ放っとくと碌な食生活しなさそうだわ。まぁ別に、結果的に肉付き良くなってくれんなら俺としちゃ文句ありませんけどぉ？(態とらしく揶揄する様な声色と表情で笑みを作り、スペアリブに前歯を食い込ませると骨から肉を引き剥がし、ゆっくりと噛み締め。差し出されたパンを軽く千切り空になった口に放りながら相手に小さく苦笑しては程なくして喉仏を動かし、さして悔いる様な素振りもなく茶化し)…まぁ俺気になったモンにはどんどん手ぇ出しちまうタイプだから、趣味とか好みに大枠がねぇのよ。その分、俺がハマれればジャンル問わず一緒に楽しんでやれるっつー都合のいい男なの。

可愛いか可愛くないかは色々の内容によりますわな。…ま、今でも大抵の事はして貰って大丈夫なんですけどね。何でも受け止める自負があるくらいにはベタ惚れなもんで。──…ん、了解っす。じゃあ次回は俺のオススメの店で。て言ってもあんまり良い店知らないんで、小動物カフェとかで心を満腹にするのはいかがです？コウくんがハリネズミとかウサギとか触れるならですけど。──あっは、冗談っすよ。これでも減量してた時期とかあるんで栄養云々は人並みちょいはある筈。つかコウくんが痩せるって言ってたんで、俺も痩せるつもりでいましたわ。──何にでも興味向けれるのは偉いっすわ。俺っちそれが出来ない派なんで羨ましいっすよ。ほら、冷めた人間なモンで。（リブアイステーキを食べ終えるとパンを口元へと運び、次いで残りのスペアリブを手に取り前歯で噛り付きゆっくりと咀嚼し。己の皿の上の物を全て平らげると、幾つかオニオンを摘んだ後にドリンクをストローで吸い上げつつぽんと張った自身の腹を摩り）…はー、腹一杯。よく噛んだから満腹感が凄いっすわ。

まぁな、結局俺のしたい事は基本的に好き勝手してるし悠チャンが俺に甘いから大抵の事なら折れてくれんのも自覚してるわ。だからついつい楽しくて性格の悪い事したくなっちまうんだよなぁ。──お、楽しそうじゃん。ウサギの方が触らしてくれるかは別として、大抵の動物は触れるぜ。ハリネズミは触った事ねぇけど蛇とかふくろうとかも全然平気。──悠チャンが痩せる必要なくね？つーかヤダ、噛み心地も抱き心地も悪くなんじゃん。俺のは痩せるってより筋肉増やす為にちゃんとトレーニング再開してビールは控えめにするってだけだし。──つっても俺の好きな曲聞いてみるって言ってくれたり、クラブ行きたいって言ってくれんじゃん。一緒に楽しもうって気ぃ無きゃ、んな事言わねぇっしょ。(皿の上のスペアリブが骨だけになれば指先を拭い、オニオンフライに手を伸ばし小気味いい音を立てて咀嚼し。次いで付け合わせのコールスローとリブアイを食し切ると満足気に鼻腔から息を漏らして)ハハ、お気に召した様でなにより。…にしてもめちゃくちゃ食ったなぁ。やっぱ若い奴と飯食うと釣られてガッツリいっちまうわ。

折れるってか、基本何されても嬉しいだけなんですけどね。唯一折れたのは例の写真の件くらいなもんっすよ。──やった、コウくんと動物が絡むなんて俺得にも程がありますわ。じゃあ慣れた爬虫類かフクロウ系行きましょうか。俺は触れりゃ何でも嬉しいんで。──ほら、海行った時に鍛え上げた体の隣に普通体型が並んでたら格好が付かないじゃないっすか。でもヤダって言い切られたんで止めます。やっぱ愛してもらわなきゃ意味がないんで。…んー、EDMは元々結構好きだったんでその辺はネ。仮にコウくんがバラードとかクラシックとか、俺の完全な趣味の範囲外が好きだったらどうなってたかは解らないっす。──ウケる、コウくんも若いじゃないですか。人生あと60年くらいあるでしょうに、まだまだ沢山食わなきゃ。（残りのオニオンを食べ進め皿を空にすると、残りのドリンクも飲み干し満足げに深く息を吐き。次ぐ相手の言葉に笑いを溢しつつスマホを取り出すと、カメラアプリでネオンカラーの猫耳のフィルターを付けつつ相手を隠し撮りをし、加工の効果で愛らしく童顔な写りに撮れた写真を眺め口元をにやにやとさせ）

フハ、写真はめちゃくちゃ可愛かったからアレ消されなくて助かったわ。撮ってる時もイイ顔するし正直またやりたいんだよなぁ。──んじゃ、ふくろうにしよ。ふくろうが笑った顔ってちとおしゅしに似てるから悠チャンとも似てると思うんだよなぁ…ふ、並ばせてぇわ。──あ？んだよ、他の奴の視線気にして言ってんなら余計嫌に決まってんじゃん。俺が満足してんだから余計な事考えんじゃねぇよ。…悠チャンクラブ怖いっつってたからあんまEDM聞くイメージ無かったんだよなぁ。あー…クラシックは趣味じゃねぇけどブルースとかなら偶に聞く。つっても趣味なんか共感出来る奴が共感出来る範囲で一緒に楽しめばいーのよ、強制されるもんじゃねぇっしょ。──20代後半に入るとんな事言ってらんなくなんだよ。否が応でも年齢を実感させられる訳…はー、やだやだ自分がこんなジジ臭ぇ事言う様になるなんて想像してなかったわ。つか何笑ってんだよ、コラ。(テーブルへと頬杖を次いでボヤく様な渋い顔でため息を漏らせば、自分の表情と相反して楽し気に弧を描く相手の口元に片眉を上げて見つめ、空の手指で端末の背面を軽く弾き)

…可愛いとは程遠いんだけどなぁ…写真なんかに残さなくても幾らでもあんな姿見せるのに。ふくろうですね、オッケーっす。触るの久々なんで楽しみっすわ。つかアイツら笑うんすか？すげー気になる…あっは、可愛い。確かに目がおしゅしだ。俺らが行った時にこんな風に笑ってくれないかなー。（動物の話題となれば声を弾ませ、スマホでふくろうの笑顔を検索しあまりに愛らしい表情にほっこりと。己も真似て目を細めてにっこりと笑み）あら、そんな風に言われたらキュンとするじゃないっすか。俺は只、コウくんに恥を掻かせないためだったんですけど…じゃあ、海は気持ち的に2人切りの世界って事で。──…あー、まあバーテンやってると色んな噂入って来るんすわ。EDMとかK-POPとかアップテンポなのが好きなんよ。あとは古い洋楽とかメタルとかも。邦楽も多少聴くし、要は浅く広くってとこっすかね。ブルース、またお洒落な趣味っすね。コウくんの趣味の広さにはやっぱ敵わないっすわ。──えー、そうなんすか？じゃああと４年後にはヤバいっすね。俺はアラサー突入だし、コウくんは30目前だし。そうならない様に今から健康的に過ごしましょ。…んとねー、今はイケメン眺めてます。にやにやしちゃうくらい格好良いでしょ？（スマホの画面が微かに揺れれば視線を上げ、相手の表情を見て肩を揺らして笑い。液晶を相手の方へと向け先刻撮影したばかりの写真を相手へと見せると、再び己の方へと向けうっとりと眺め）

お前が嫌がってるってだけで可愛いんだよ。ま、どっかの誰かさんが言うにゃ俺は変態らしいから理解してくんなくていーけど。それに脳裏に焼き付けるっつったって限界があるからさぁ、お預けされた時に役に立つじゃん？…ハハハ！マジで似てんじゃん。ま、実際は笑ってんじゃなくて寝顔らしいからワンチャン見れんじゃねぇかな。ツーショット撮れたら楽しそうだよな。(線の様に細まった目が記憶の中のふくろうのものと合致すれば快活に笑い声を上げながら肩を揺らし、相手の頭へと手を伸ばしてはくしゃりと撫でて)なぁに言ってんだか。俺の恋人が恥掻かせる訳がねんだよなぁ、自信持って隣に置いてんだから。──ハッ、危ないお薬とかガサ入れとか？まぁ無くはねぇけど箱さえ選びゃあんま巻き込まれねぇよ。お、良いじゃん。音楽なんか浅く広く楽しむもんだし古い洋楽が候補に上がるっつーのがセンスあるわ。アップテンポなの好きならcreepyハマれんじゃね？ブルースは声の出し方とかフェイク入れんのが好きで影響受けたんだよ、カッケェなぁって思って。──ふ、アラサー目前の悠チャンとかどんな感じになってんだろなぁ。想像付かねぇわ、案外あんま変わって無さそうだし。…うーわ、目ぇでかくなっててキメェ。柄じゃねぇだろ…似合わねぇわ。(見せられた画面に映し出された見慣れぬ自分の姿に盛大に顔の片側を歪め氷の溶けたコーヒーのグラスを手繰り寄せてストローに歯を立てながら物言いたげな視線を向けて中身を飲むも、それを嬉し気に見つめる恋人の表情に胸の内を擽られては諦めた様に息を吐き)

ウケる、俺の感想を予言しましたね。大正解、変態っすわ。…ほら、画面の俺に夢中になられたら自分に嫉妬しなきゃいけなくなるじゃないっすか。それは勘弁。えへ、今度からＳＮＳのプロフ画像ふくろうにしようかしら。つか寝顔なんすね。尊いっすわぁ。──でもほら、海にはセクシーな姉さんとかいっぱい居る訳じゃないっすか。コウくん巨乳好きそうだし。痩せないならせめても顔面磨いておきますわ。──全然、センスあるって程でもないっすよ。70年代から90年代くらいの古いのが好きなんで、マイケルもエミネムも聴いてた訳っすよ。あとはド定番のUKロックとか。そんなこんなで弾けないギターの件に繋がる訳っすな。creepy…んー、初めて聞くっす。じゃあ帰ったら聴いてみますわ。──多分25くらいなら変わってないと思いますわ。唯一の懸念が太り過ぎてないかって事くらいっすかね。30歳のコウくんも良い意味で変わってなさそうっすわ。業界柄みんな若々しいイメージなもんで。…えー、俺の恋人馬鹿にしないでくださいよー。怒った、待ち受けにしちゃいます。──さーて、そろそろお会計しましょうか。コウくんは全部飲むまで来ちゃ駄目ですよ。ゆっくり飲んでくださいね。（告げられた感想に拗ねた様に口唇を立てては、スマホを操作し宣言通りの設定にした後に悪戯にウィンクを投げ。徐に伝票を持ち席を立つと、双眸を細め柔な声色をした後にレジへと向かい店員にデビットカードを差し出し）

ハッ、その変態が好きなんだからお前も同じ穴の狢なんだよなぁ。…あらやだ、モノホンの夢チャンに勝るもんがあると思ってんの？バカだなぁ、んな訳ねぇの考えるまでも無く分かってんだろ。今も似てるけど、寝起きのデレデレしてる時のお前とかマジでそっくり。良いじゃんプロフでの匂わせもそろそろ飽きてきただろ、1番似てる奴選ぼうぜ。──…まぁそりゃ女相手にすんならデカい方がテンション上がるけど、そんなん男なら大半がそうだろ。…お前がもっとイイ男になんならその対抗心も悪かねぇけど、そもそもよそ見したりしないわ。──UKロック好きならやっぱ良い趣味してんじゃねぇか、ストーンズとかzepは俺も好き。てっきり最近の邦ロックに憧れてギター始めたクチかと思ってたけど、予想が外れたわ。creepy nutsっつーHIPHOPアーティストが居るんだけど、基本アップテンポだし聞き取りやすい。ま、気が向いた時にでも聞きゃあ良いよ。──ま、見られる事も多い仕事だからなぁ…中身は別として年齢顔には出さねぇ様にはしてぇよな。…おいコラ、んなの待ち受けになんかすんじゃねぇよ！クッソ…しゃーねぇなぁ、誰かに見せんじゃねぇぞ。(決定事項の様な宣言に語気を荒げるも、続けて低い唸り声を出しては後頭部を乱暴に掻きながら不貞腐れた様に視線を逸らし。相手の言葉に思わず伝票へと伸び掛けた手は、先の会話が脳裏を過った事で止まり、へらりと笑みを浮かべては大人しくグラスの中身を飲み干してから席を立ち相手の後を追い)あー…んじゃ、今日はご馳走になるかぁ。あんがと、美味かったよ。




マージで毎回毎回デートになるとダラダラ長くなっちまって悪ぃな。俺はめちゃくちゃ楽しいけど、ついつい長文にしちまうから悠チャンの負担になってねぇか心配だわ。ま、来週は来週でお楽しみがある訳だし、週末には目処付けるから申し訳ねぇけどもう少しだけ付き合ってくれな。んで、もう遅いし疲れてるだろーから蹴って寝ちゃって。今日もあんがと、おやすみ悠チャン。愛してるよ。

そっすね、完全にお婿さんに行けない身体にされちゃったんで責任取って貰わなきゃ。でもって生身の俺が1番なら、やっぱ写真なんて取らないで真っ先に俺を愛してくださいよ。24時間いつでも待ってるんですから。…ウケる、寝起きの俺ってこんなに安らかな顔してます？にっこにこじゃないっすか。SNSってTwitterのゲームアカウントとか、微妙に顔出したくない奴っすよ。インスタは駄目、虫除けにこれからも匂わせておきます。──ストーンズとzep良いっすねー。70年代とか流行り出した後に見ると益々カッケーっすわ。ほぇー、日本のHIPHOPは完全にノータッチでしたわ。コウくんのオススメなら勿論聴きますよ。後でスマホに追加しておきます。…ふ、そんなにこの写真嫌でした？でも結局は許してくれるんですね。やっさしー。（相手の口調が些か強くなれば驚き僅かに見開くも、次ぐ言葉にくすくすと肩を揺らし笑ってはそっと待ち受け画面を元のバイクに乗った恋人の写真に戻し。会計を済ませると微笑を刻みつつ首を横に振り、相手の手を取ると店の外へと出てバイクの前へと）いいえー、俺の方こそ美味しいお店に連れて来てくださってありがとうございました。また来ましょうね。



昨日は寝落ちしてすんません。でもって負担だなんてとんでもないっす。ゆっくりデート出来て幸せ以外の何でもないっすよ。来週は…あは、覚えててくださったんですね。ド平日なんで、気にしないでおいてくださいねとだけ。それじゃあ、こっちは蹴ってくださいね。愛してますよ。

ハハ俺ちゃんと警告したもん、俺みたいな男はやめとけって。聞かなかったのは悠チャンだろ？自業自得だわな。うーわ、それはずりぃ。そんな煽られちゃあ頷くしか選択肢ねぇじゃん。…他ん時は知らねぇけど俺が隣にいる時ゃにっこにこしてて可愛いよ。その顔が見たくて隣に居る時あるし。フハ、なぁんだよ。んじゃ俺が新しい写真にしよっかなぁ、良い感じの匂わせ写真撮ってよ。──男臭い感じの曲めちゃくちゃカッコいいよな。俺も邦ラップよりかは基本USのが好きだけど、やっぱ日本語だと韻がキマってんの余計分かるから聞いてて気持ち良い。…だって俺そんな柄じゃねぇもん。悠チャンがやってんなら似合うだろーし可愛いんだろーけど。お前じゃなきゃ許さねぇよ、そんなん。(取られた手を緩く握り返し店員に会釈だけ残すと店を出てバイクへと進み。相手のヘルメットを取り出し被せてやりつつ、返された言葉に愛おし気に目を細めて)ん、一緒に行ける店増えてくの楽しいわ。デザートも悠チャン好きそうなの多いから今度はそれも食おうな。




昨日は顔出してやれなくてごめんなぁ。仕事はひと段落したんだけど、上司に連れ回されてたわ。まぁ今日はもう全然平気だし、あんま心配しないでなってだけ。んで、こっちは蹴ってな。愛してるよ。

俺の自業自得でも、コウくんは俺のダーリンなんでちゃーんと責任取ってくださいね。…ふ、寝顔可愛いって言われたの初めてっすわ。多分抱き締められながら寝てるからじゃないっすかね。寝付きも随分と良くなりましたし。コウくんまで匂わせ写真にしたらマジでやらしいカップルっすわ、ウケる。──ラップは言語的にどうしても日本語は不利な気がしますわ。その分マジで上手い人はスゲーってなりますし。あんま気に入ったアーティストが居ない分、聴くのが楽しみっすわ。──えー、デザートも美味いんすか。それは是非とも来なきゃっすね。…さーて、帰りましょうか。早くイチャイチャしなきゃ。（嬉しげに表情を綻ばせつつヘルメットを被せて貰えば、お返しとばかりに相手のヘルメットを手に取り丁寧に被せた後に己へと注がれる視線に微笑を浮かべて返し。バイクへと跨ると両腕を広げ）

あら、珍しく聞く耳持たねぇじゃねぇの。まぁそーゆー聞き分けの悪さは可愛いって思っちまうからしゃーなし、責任取ってやろうじゃん。…寝起き悪ぃつってたもんなぁ。今ん所ぶち当たってなくて幸いだわ。まぁ別に不機嫌でもそれはそれでレアだから楽しそうではあるけどな。めちゃくちゃ甘やかしてご機嫌取りしてやるし。フハ、俺らのやらしさなんかとっくの昔に言外にダダ漏れだろーが。今更SNS程度匂わせた所で変わんねぇよ。──そーね、日本語ラップで意味までしっかり落とし込んでるとマジでカッケェ。でも難しい分面白さもあんだろーなとも思うわ。ん、悠チャンがハマってくれりゃあ俺も嬉しいよ。──ふ、そんなイチャイチャしてぇのかよって揶揄いたい所だけど、生憎俺も早くお前に触りたくって仕方ねぇや。(相手にしたのと同様にヘルメットを被せられれば、一連の行為の擽ったさに落ち着きのない笑みを湛え。バイクに跨りエンジンを掛けると恋人の腕を己の腰元へと導き、袖から覗く素肌を軽く撫でてから自宅へと向け発進させて)

最近は随分と我儘言う様になって来たでしょ？付き合いが長くなるにつれてどんどん心が解されてるんすよ。甘えても良いんだって思わせてくれたのはコウくんだけです。…そ、本来の俺の寝起きの悪さはヤバいんすわ。ガキの様にゴネるんで、怠いの何のって。でもコウくんに甘やかして貰えんなら素を出す価値があるかもしれねーっすわ。…んー、なら折角なんで同じ画像にしましょ。匂わせどころか暴露。どんどん俺の自慢の彼氏を見せびらかしたいんで。──ほぇー、意味まで落とし込んでるのもあるんすね。俺邦楽にしろ洋楽にしろ歌詞聞かない派なんで、コウくんからオススメして貰ったやつはちゃんと聴いてみますね。──そりゃ、愛してるんで触りたいのは当然じゃないっすか。この満腹な感じで一緒に布団に入れればもう最高。（誘導される儘に腰元へと腕を回せば、些か冷たく感じる夜風に僅かに身を震わせ相手の背中へと体を寄せ。幾度目かの走行にも拘らず、相も変わらず楽しげに笑い声を立て）

マジで最初ん頃に比べりゃあ全然我儘言って来る様になったよなぁ。基本的に悠チャンの事甘ったれだと思ってっから俺以外に甘えて来なかったっつーのがちと意外だけど、でもその分いい彼氏やってたんだろ。偉いわな。…ハハなぁんだよ、駄々っ子にでもなる訳？可愛いじゃねぇの。まぁついつい甘やかし過ぎて一緒に二度寝しちまう可能性が無くはねぇけど。…あらやだ、暴露して悠チャンの昔のお客とか彼女とかに刺されねぇかしら…なんてなぁ。良いよ、一緒のにすっか。──ハハ、開き直ってやがる。俺の恋人ってばスケベで困っちゃうわぁ。(冗談めかした口調で笑いつつ背中越しに伝わる相手の体温に期待の様な想像は抑えられず、自分の猥雑さにヘルメットの下で苦笑混じりに眉間を寄せるも、マンションが見えて来るまでバイクのスピードを落とす事はなく)

まあ偶に甘えて弱み見せたり狡猾にはやってましたよ。けど俺が求められてる部分ってやっぱ男らしさとか包容力だったんで、良い彼氏かは別としてちゃんとはやって来たんじゃないっすかね。言うてコウくんには敵わないですけど。…ほら、寝起きって免罪符があれば幾ら甘えても許されそうなんで。一日中寝て過ごしましょ。──あっは、客に本物のアカウント教える様なトチ狂った真似してないんで大丈夫っすわ。元が付く奴も自分がコウくんに敵わないって解れば問題無いんじゃないっすかね。──えー、スケベな感情なく触りたいって言っただけなのになー。コウくんの方がエッチだ。（茶化す様に一笑するも満更ではなく、静かに嬉しげに表情を綻ばせて。流れる夜景へと目を遣り雑念を払っては、マンションが近づくにつれて残りの時間を惜しむ様に眉を下げ）