No title（〆）

悠チャンが隣で気持ち良さそうに寝てるとつい釣られて眠くなっちまうんだよなぁ。多分もう刷り込まれてっから、お前に寝かしつけられりゃあすぐ寝付ける自信あるわ。…まぁ待てされた時は別だけど。──TシャツとかはH&Mとかのファストファッションばっかだけどな。それ以外はまぁ気に入りゃ値段あんま関係ねぇ…つっても年齢的に着なくなった服も多いし、丁度良かったのよ。なかなか捨てるのも忍びなくてさぁ。…今は社食もバイキングねぇから昼飯も碌なもん食ってねぇの。適当な丼ものとかパスタとかそんなんばっかだから、ちゃんとした飯に飢えてんだよなぁ。鯖の味噌煮とか肉じゃがとか食いてぇ。(自分のヘルメットを被りつつ素直な姿に鼻腔から笑いを漏らし、バイクへと跨がればエンジンを掛け。スマホでマップを一度確認し、肩越しに相手の顔を見つめ)ふ、かーわいい。…アウトバックで良い？他に悠チャンのオススメがありゃそっち行くけど。




思ってたよりかは早く帰って来れたわ。んで余計な心配掛けちゃってごめんな、気ぃ遣わせちまったよなぁ。ただ単に、帰る時間読めねぇ時にずっと悠チャンの事待たせちまうのもなぁって思っただけだから、体力的にゃ最近はマジで大丈夫。今日はもう暫く起きてるつもりだけど、一応…おやすみ、悠チャン。愛してるよ。今度こそ蹴っちまってくれな。

寝かし付けられたら寝るって可愛いっすね。じゃあ今晩辺りに本当に寝るか試してみましょうか。待ての件は俺が出来なそうなんで、また今度にするとして。──Ｔシャツは消耗品みたいなとこありますから、ファストファッションで充分ですわな。やった、じゃあまた今度一緒にコウくんの収納見ましょ。歳の差があるとこう言う楽しみもあって良いっすね。マジ兄弟感パネェけど。…あー、今あんまりバイキングないっすもんね。じゃあ丁度魚捌いてみたかったんで、味噌煮でも作ってみますわ。勿論肉じゃがも。──全然可愛くないっすわー、完全に茶化されてる。…お、アウトバック行った事ないんで行ってみたいっすわ。じゃあ決定で。お腹減ったー。（欲が満たされず悶々としているところに相手の笑い声が聞こえれば、恥じらいを隠す様に口唇を僅かに立てつんと相手の肩を指で突き。すぐに機嫌を直し嬉々として頷いて見せると、相手の腰元へと手を遣り掴まって）

ふ、なぁにして寝かしつけてくれんのよ、子守唄でも歌ってくれる訳？──…お、歳の差に前向きになってんじゃん。4歳上だってバラした時不満気だったのになぁ、良い事だわ。でもって兄弟感ってより彼シャツ感くらいの事言ってくれりゃあ良いのになぁ。俺と悠チャンが似た服着て並んだって兄弟には見えねぇっしょ。…マージで？めちゃくちゃ嬉しいわ。そんじゃ来週は頑張って早く帰って来る。…あ、でも学校あんだろ、最初疲れんだろーしあんま無理しないでな。──俺が悠チャンの事茶化すのなんか今に始まった事じゃねぇだろ、しゃーない。…アウトバック好きなんだよ。ガッツリ食えるし、雰囲気も良いし…前はタバコも吸えてマジで最高だったんだけどなぁ。(悪びれる素振りのない声で応えつつ突かれた肩を態とらしく揺らし。相手の腕が腰へと回ればヘルメットの下で口角を上げ、前を向き直り涼しい夜道の中、目当ての店へと向かうべくバイクを走らせ)

子守唄で寝る様になったらいよいよ赤ちゃんじゃないっすか、ウケる。普通に腕枕して、ホラー話でも聞かせて差し上げますね。──年齢差ってか、気が付いたらコウくんの年齢が上がってたのに吃驚したんすわ。でもって感覚的に学年差3と4の差ってやけにデカくないっすか？ほら、ギリギリ大学で絡まない学年なんで。…彼シャツかー、そんな可愛らしいワードが出て来ないくらいガチで漁る事を考えてたしたわ。いかんせんコウくんがノンケにしか見えないですし、恋人よりか友人か兄弟に見えるんじゃないっすかね。だからこそ手を繋いで歩かなきゃ。──コウくんが早く帰って来てくれるなら喜んで。俺っち4年なんで、幸いにも毎日学校ある訳じゃないんすわ。まあ学校始まったら早々課題提出があるんで、最初だけバタつきますけど。──コウくんオススメの店なら期待大っすわ。お洒落なイメージあるんで、マジでデートって感じですし。（バイクが発進すると夜景を眺めつつ、ふと幸福感を覚え運転の邪魔にならない様に配慮しながら体の距離を詰め密着させ。走行音で掻き消される事を期待しつつ独りごちる様に）…コウくん好き。毎日こうしてずっと居れたら幸せなのに。

ふは、子守唄は流石に冗談だけど…まぁでも人の声あった方が寝付きが良いのは本当。ただホラー話はテンション上がらるからなぁ。──あぁ、なるほどなぁ…流石現役学生はそーゆー観点なのか。確かにお前らの年代とこんな絡む事って私生活じゃなかなかねぇしな。…ハハ、悠チャンらしいっちゃらしいけど、俺はお前が俺の服着てくれるっつーだけでテンション上がるのになぁ。俺ら顔似てる訳じゃねぇからなぁ…ま、ダチだと思われてるって線は無くはねぇけど外でイチャつく口実になんならいっか。──最初はそりゃバタつくよなぁ、2ヶ月位ズレ込んでる訳だし。んじゃ悠チャンがバタついてる時は俺が飯作るなりなんなり、甲斐甲斐しくしてやりましょーかねぇ。──ん、多分悠チャンが好きな系統だと思うわ。フライデーズのもうちょい落ち着いた版っつー感じだし、めちゃくちゃ映える。(腰に回された手に力が篭り背中から伝わる体温がより近いものになれば、一瞬夜風の冷たさからかと思ったものの、断片的にエンジン音の合間から漏れ聞こえた言葉にそうではないと判断して。運転中故に手出しの出来ない状態で込み上げる愛おしさは酷くもどかしいもので、それを発散すべく自ずと声色は甘ったるいものへと変わり)…俺も好きだよ。毎日こうしてってのは中々難しいけど、その分長期的に見て…まぁトントンになる位には幸せに出来る様に頑張るからさぁ。

じゃあ愛でも囁きながら寝かし付けましょうか。その方がお互い良い夢が見れそうなんで。──はは、もう学生時代の気持ちは忘れちゃいました？勿論コウくん好みの男に仕上がってお兄さんに愛されてることが一番の喜びどころっすけど、だからこそガチでめかし込む事ばっかり考えてましたわ。──まだオンライン授業もありつつって感じなんで、楽勝も楽勝なんすわ。でもお互い忙しい時に支え合うって良いっすよねー。えへへ、こう言う瞬間に本当に同棲するんだって実感しちゃいます。…つかさっすが。俺のフライデーズ好きをよくぞ見抜きましたね。あの系統なら間違いなく好みっすわ。益々楽しみになりましたわ。（レスポンスは無いものと想定していた独り言に愛情が伝わる言葉が返って来れば、驚いて見開いた後にたちまち高鳴る心音を悟られない様にと密着させていた体をさり気無く元の位置へと戻し。相手が前方を向いている事を良い事に恥らう事なく照れ交じりの緩んだ笑みを刻んでは、己も甘い声色で）…あ、聞こえちゃいました？長期的に見てって事は、きっとすっごい幸せを用意してくれるんですね。楽しみにしてますよ。俺もコウくんを幸せにしますね。

大盤振る舞いじゃねぇの。まぁすやすや眠ってるおイタしないってんなら愛の言葉でもおやすみのキスでも喜んで。基本的にお前から貰えるモンはぜぇんぶ貰う。──流石に4年も経つとなぁ。享楽的な生き方してたのは変わってねぇけど、昔みてぇに年齢軽視はしなくなったわ。ハハ、上手い事言うじゃねぇの。これからの時期に着れるのやるならキャッチーなアロハとかかな、俺も夏めちゃくちゃアロハ着るから2人してうるっせぇ柄になるけど。──まぁ名実共に一緒に暮らしてく訳だしな、持ちつ持たれつ位が長続きすんじゃねぇの。つっても基本的に俺が支えられてばっかだからアレだけど。…ふ、そりゃお前、俺も悠チャンぐらいの頃はフライデーズのヘビーユーザーだったから。今も好きで偶に行くけどなぁ。──今だって充分俺は幸せにしてもらってるからこの儘行ったら平和＊＊しそうだけどな。でもまぁ、お前に後悔はさせたくねぇし俺もしたくねぇから、俺に出来る事ならなぁんでもしてやんよ。(相手の声音に胸の内の擽ったさを誤魔化す様に態とらしく茶化す口調で軽い冗句を織り混ぜ、迅る気持ちをその儘にバイクのスピードを上げて。目的地が近付いてくれば漸く速度を緩め、駐車場へとバイクを停車させると相手が降りるのを待ち)…ほい、お待たせ。

オイタは…えへ、します。だって好きな人が横に居て我慢出来る方がおかしいですよ。つか年齢軽視してたんすね、ウケる。寧ろ歳とった方が年齢差関係なくタメ口で喋るイメージでしたわ。──キャッチーなアロハかー。派手派手な感じですかね？2人して着てたらマジでスッゲー目立ちそうっすね。でもコウくんが沢山着るもの貰ったら申し訳ないんで、折角ですしこれはお揃いで買いましょ。──いや、寧ろ経済面とか世話になりっぱなしですし。何なら1番俺らを支えてくれてんのはやっぱココ様じゃないっすかね。…つか…うわ、フライデーズのヘビーユーザーって金持ちっすね。流石彰さん。今度俺と行きましょ。──俺だって充分過ぎるくらい幸せ貰ってるんで、後悔する可能性なんてゼロですよ。…コウくんはマジで惜しげ無く俺に全部を与えてくれるからなぁ…イケメンだよなぁ。（茶化す様な口調を意に留めず本心の儘に惚気ては、停車するなりヘルメットを外し待ちきれず相手のヘルメットも外して唇を奪い。にやにやと唇に弧を描きながらバイクから降りると、手を差し出し）運転ありがとうございます。──さ、行きましょうか。

…じゃあヤダ、寝かしつけられてやんねぇ。悪戯される機会増やすのなんか癪だし。学生ん頃は年下は勿論年上にだって舐めた口きいても若いからってんで大目に見てもらえたけどさぁ、流石にもう無理だしアラサーが年下にフランク過ぎてもイタいおっさんじゃん。ある程度はちゃんとしますよって。──そ、ミッキー柄とかパイナップル柄とか。やるにしたって俺がもう着ねぇ分だしあんま気にしなくて良いし。まぁでもお揃いで大人しめのなら買っても良いかな。──ハッ確かにココは最高の支えだわ。喧嘩したとしてもアイツに寂しそうな顔されちゃあお互い長引かねぇだろーしな。…お、いーねぇ。久々にフライデーズで飯食いながらアメフトとか観たい。──悠チャンと天秤に掛けたらそれ以外のもんなんて要らねぇもんばっかだもん。俺がそんだけの価値があるって判断したら対価払うのは当然だろ？そんだけの話だわなぁ。(外されたヘルメットに次の行動が予期できず、無意識に視線で追いかけていれば不意の口付けを理解した所で思わずはにかんだ笑みを浮かべゆっくりとバイクから降り。差し出された手に仰々しく唇を触れさせてから、自分の不毛な意趣返し鼻腔から笑声を漏らしつつアメリカのレストラン風の内装をした店内へと進み)あらやだ、運転のお礼にしちゃあ高過ぎない？こんくらいは返しとかねぇと後で請求されそー。

えー、でもちゃんと満たされた気持ちで布団に入った日は悪戯なんてしないですもん。…まー歳上は解らないとして、少なくとも歳下としちゃフランクに構って貰えた方が懐き易いっすけどね。もう俺と初めて会った日みたいな感じでは絡みに行かないんですか？それはそれで嬉しいかもですけど。──わー、ミッキー柄欲しいっすわ。それ着て夢の国に行きたいっす。つか随分と可愛いの着てたんすね。よし、じゃあお揃いのアロハも買いましょ。折角なんで海だのナイトプールとかの予定とセットで。──もう完全に父親の心境じゃないっすか、ウケる。…でも本当にココちゃんは悲しませたくないっすわ。これからも喧嘩はしない様にしましょうね。…やった、じゃあ次回はフライデーズで。あそこのハンバーガーは世界一美味いんで楽しみっすわ。じゃあ俺はアメフトを観るコウくんを眺めて楽しみますねん。──あらやだ、またそうやって俺を自惚れさせるんですから。でもそれは俺も一緒ですよ。コウくんが何より大事なんで、全てを差し上げる覚悟です。──ふっ、寧ろお代を頂き過ぎかもっすね。おつりいります？（手の甲へと口付けを贈られれば満更でもない様子で笑いを溢し、相手に続き店内へと。洒落た内装へと視線を巡らせつつ店員に従い席へと案内されれば、着座するなりメニューを相手の方へと向けちゃっかりとした笑顔を向け）俺O型なんで、初めての店で飯選ぶの苦手なんすよ。コウくんのオススメ教えて欲しいっす。

俺が後々美味しく食べる為に下拵えしてんのにそれを無碍にする様な馬鹿犬の話なんか聞いてあげませぇん。要求通す為にもっと賢い方法知ってんだろ？…あー、悠チャンは歳近そうっつってくれたし、そーゆーの気にしなさそうだったからなぁ。流石にぜってぇノリが合うって思わねぇともうちょい抑えるわ。──んじゃそれは今度引っ張り出した時にお前にやるわ。可愛い柄を俺みてぇなのが着てると露骨に軽そうで遊ぶには何かと楽だったんだけど、最近は厳つくて近寄り難い系のが多いから。お、めちゃくちゃ夏じゃん。そんでバイク乗ってタバコ蒸すんだろ？ハッ柄が悪ぃったらありゃしねーな。──ま、実際溺愛してる愛娘なもんで。そーね。感情的になったってなんの得もならねぇし、それなら冷静に話し合いでもした方が幾らか建設的。理想は火種すら無い事だけどなぁ。…肉食ってる感の強いハンバーガーはマジで美味いよな。中々綺麗に食えねぇけど、それでも齧り付いて食いたい。──んじゃ悠チャンの目一杯の愛情を俺が全部掻っさらうとしようかねぇ。(案内された席に腰掛けると頬杖を突きつつ相手に見せられたメニューのページをいくつか捲り、添えられた写真を順番に指差しては卓上へと落としていた視線を向けて微笑み)ステーキならフィレも美味いけど、俺はリブアイのが脂のってて好き。あとは大抵いつも人と来る時はブルーミンオニオン頼むかなぁ。酒も悠チャンが好きそうな甘ったるいカクテルとか一通りあるよ。

うーわエロい。そんなん言われたら我慢しますとしか言えないじゃないですか。お強請りはそうですねぇ…じゃあ、俺が食い頃になった時にでも。えへ、やった。俺だけが特別だったって訳だ。あの時は俺もバーでお客さんにタメ口ばっかりで話してたんで、チャラかったんすよ。仲間でしたね。──えー、コウくんがそれ着てナンパしたなら嫉妬しちゃうんでいらないっす。想像しただけで泣きそうですもん。本当、どんどん虫除けの様に厳つい服着ちゃってくださいよ。…っはー、暑い日の煙草好きなんで最高っすわ。じゃあ７月辺りにお揃いのアロハで海行きましょ。──ね、でも4ヶ月過ぎて大きい擦れ違いが無いのは俺にしては珍しいかもっすわ。大体素直に生きてるんでキレられたりするんすけどねー…コウくんの我慢強さのお陰っすよ。（嬉々としつつ相手の説明を聞き相槌を打っては、己好みの写真映えするメニューに感嘆の息を溢し、己へと向けられた笑みに視線を合わせて表情を綻ばせ。再びメニューへと視線を下ろしては）じゃあ俺はコウくんおすすめのリブアイにします。…わー…これが噂の映える奴ですか？美味そう、じゃあこれも食べたいでーす。でもって飲み放題がすげー好きなんで、コカコーラゼロにしますわ。コウくんはいかがいたします？

おー、よく言ったじゃねぇの。…男に二言はねぇからな？やっぱり我慢出来ませんでした、なぁんて生っちょろい事言うのはナシだぞ。…そりゃな、あそこまで気ぃ合ったのお前位だし、当然っちゃあ当然。しかも悠チャンがチャラそうだなってのは薄々感じてから手ぇ出しても平気そうって思っちまったんだよなぁ。──…うっわ、待て待て！泣くのは勘弁、どーしたら良いのか分かんなくなる。お前が嫌だってんならそんな服は全部弟かダチにやっちまうから。…分かる、炎天下の下でタバコ吸うの良いよなぁ。メンソとか吸って冷えたビール飲むの最っ高。んじゃ6月中にまた服買いに行かねぇとだな。出掛ける予定が目白押しだわ。──はぁ？キレる要素なくね？お前は自由にしてんのが似合うし、そーゆー悠チャンが俺は好きだし。単に需要と供給が一致してるってだけだよ。(和らいだ表情に浮かされ、徐に相手の手を取り手慰みに指の腹で撫で摩っては料理を決めたのを受け暫し思案し。メニューを閉じると頬杖を外し視線を巡らせ、目が合った店員に軽く会釈をして呼び注文を手短に告げて)…んー、んじゃ俺はスペアリブとアイスコーヒーにしよっかなぁ。折角なら色々食べてみてぇだろ？

有効期限本日中ならギリギリ守れるかもっすわ。ほら、俺っちあんまり我慢するの得意じゃないんで。──…あっは、とか言ってなかなか手出してくれなかったじゃないですか。コウくんになら喜んで落ちたのに。──ふっ、めっちゃ焦ってる。コウくんが困ると可愛くてしゃーないっすわ。じゃあ遠慮なくナンパした服はリサイクルに出して貰いましょうか。そうしたら俺との思い出が詰まった服をもっと仕舞える様になるんで。…うわー、夏のビールは最高っすからねぇ…こりゃ海行く時は泊まりか電車で行くしかないっすね。コウくんにも酒楽しんで欲しいんで。了解っす、じゃあそれまでにお小遣い貯めておきますね。──あー、そう言やあんまり自由な恋した事なかったなーって今気付きましたわ。ちょっとそっけなくしたら優しくない雄太は雄太じゃないとかキレられたり、大袈裟なので言ったら疲れて寝てて電話出なかったら明け方まで泣かれたり。まあ俺もガキだったのが悪いんすけど、のんびりで自分勝手な俺を愛してくれたのはコウくんだけっすわ。──オーダーあざっす。スペアリブも美味そうっすわ。流石コウくん、優しい。（相手に捕らえられた手を視線で追っては、カップルらしい仕草に思わず噴き出し両手で相手の包み込み。オーダーが終わると店員に軽く会釈をし、ドリンクが運ばれて来たところで漸く手を解放すると乾杯を求めるべくグラスを掲げて）んじゃ、買い物お疲れ様でした。かんぱーい。

そりゃ我慢って言わねぇだろ。…ま、今日は待てする気ねぇから良いんだけど、我慢苦手な悠チャンが俺を楽しませる為に2、3日耐えてんの見れたらいじらしくて可愛くってめーちゃくちゃ唆りそうだから今度ぜってぇやる。──だぁって最初の頃はあそこに顔出すのなんか遊んできた帰りのが多かったから流石にその帰りに手ぇ出すとかマナー違反っしょ。──…っんだよ、意外とケロッとしてんじゃねぇか。ま、俺の恋人は日に日にやきもち焼きになってっからしゃーねぇなぁ…我儘言って良いっつったの俺だし。近々服整理しとくわ。…んじゃ連休勝ち取ってくるから泊まりで行こ。昼間っからビーチで酒飲んで、近場のホテル取ってシャワー浴びんの、めっちゃ楽じゃん。──うーわ…言っちゃ悪ぃけど中々面倒くせぇなぁ。無償の愛情が欲しかったのか、悠チャンの優しさに胡座かいてたのか…どっちにしろアホくせぇ。恋人っつったって結局詰まる所他人なんだし、別に俺の思い通りに動くお人形が欲しい訳なんざ思ってねぇ。そもそも、んな尽くされたとしたら居心地悪くて敵わねぇわ。──ん、悠チャンも引越しお疲れさん。乾杯。(解放された手で自分のグラスを取ると掲げられた相手のそれに軽くぶつけ、中身を一口含み。程なくして注文の品々がワゴンで運ばれてくればテーブルを埋め尽くす様に所狭しと並んだ料理に破顔して)はー、めちゃくちゃ腹減った。ガッツリ肉食うのなんか久々だわ。

…上手いなぁ、そうやって言ったら俺が言う事聞くの知ってて。しゃーなし、目の前に欲望がチラついたら一気に鳥頭になるんで、ちゃんと待てされたら言う事聞きますよ。──あー、クラブ帰りとかもありましたもんね。ブラックデビル貰ったなー、そう言えば。…え、泣いた方が良いですか？俺がコウくんと話して楽しいーって思ってた時期に、コウくんは賢者タイムの暇潰しに俺と話してたのかーって思うと一瞬で泣けるんだけどなぁ。…えへ、何やかんや俺の我儘を聞いてくれるコウくんが好きですよ。──やった、海で遊んだ後直ぐに爆睡できる環境って最高っすわ。今年の夏はマジで楽しみな事が多いなぁ。バイトもっと増やそーっと。──…まあ過去にはちゃんと愛してた訳ですし、普段は思い出しもしない記憶なんで構わないんすけどね。只、なんかコウくんに大事にされてるんだなーって思ってボヤいちゃいました。…ウケる、じゃあコウくんと喧嘩する場面があったとしたら、俺が尽くし過ぎた時ですかね？気を付けなきゃ。（グラスがぶつかるとストローを口唇に挟み、些か渇いていた喉を潤す様に飲み下し親父臭い嘆息を吐き。料理が運ばれて来れば嬉々と表情を輝かせ、手早くスマホで撮影した後に手を合わせ）うわー、滅茶苦茶美味そうっすね。最高だ…んじゃ、ガッツリ食べましょ。いただきまーす。



今日も遅くまでありがとうございました。ふわふわして来たんで、おやすみなさいだけ。コウくん愛してますよ。でもって蹴って休んじゃってくださいね。

よっしゃ、決定だな。余裕のねぇ時の悠チャン可愛いからめちゃくちゃテンション上がるわ、すーげぇ楽しみ。──あー…懐かしい、俺の常套句教えてやったよなぁ。…そりゃ、最初ん頃とかは賢者タイムの日が無かったとは言わねぇけど…別に悠チャンと話すのは俺だって楽しかったし、その証拠にクラブとかも俺にしちゃあ減らしてたし。──バイト増やすのかよ、俺との時間減るじゃねぇの。ま、お前の進路の為にもなるし嫌だとは言わねぇけどさぁ。──つっても俺は恋愛に関しては大して理想とか抱いてねぇからこの感覚ってのもあるんだろうけど、それでも悠チャンの事は付き合うって決めた時から大事にしたいと思ってたよ。唯一本気になれた相手だから。…ふ、流石にそれで喧嘩したりしねぇわ。やめろって言うかもだけど…まぁでも今ん所別に悪かねぇ。(スマホのシャッター音が消えると相手に倣い手を合わせてからナプキンを腿に広げフォークとナイフを手に取り。湯気の立ち昇るスペアリブを骨に沿って切り分けて2、3本取皿へと載せては相手の前に置き、暫し自分の皿に残った肉を見つめては小さく苦笑を漏らし)ん、いただきます。──あー…行儀悪ぃけど手でいっていーい？なんせ躾がなってないもんで。

今俺とキスすると甘いぜ的な奴っすね。俺良い子ちゃんなんでそんな悪い手真似しませんでしたわ。…つか付き合う前の事まで嫉妬すんのは野暮ですわな。拗ねたらコウくんが構ってくれるんで楽しくて楽しくて。──俺もあんまり恋愛に理想とかないっすわ。それこそ手前の描いた理想型を押し付ける事になりますし、面倒な事考えずに目の前の人を大事にしとくべきかなって思うんで。…えへ、コウくんの唯一貰っちゃいました。そんな事言われたらコウくんに嫌だって言われても尽くしちゃうに決まってるじゃないですか。ま、今のとこは尽くして貰ってばっかりなんすけど。──わーい、ありがとうございます。すげー紳士的。じゃあ俺のもシェアしましょ。（フォークとナイフを手に取りステーキを一口サイズに切り分けていれば、皿へと載せられた気遣いの行き渡った肉に感嘆の息を溢し。己も既に切り終えた半分程の肉を相手の皿へと載せた後に手でスペアリブの骨を直に手に取ると、口元へと運び食して口内に広がるジューシーな味わいに嬉々として見開き、親指をぐっと上げ）え、スペアリブって素手で食うもんっすよ。いただきまーす。…んー、うまっ。流石コウくんのオススメの店っすわ、最高。

キスするかどうかの判断を相手に委ねてやってるだけお優しいだろーが。俺はただ純粋に事実を言ってるだぁけ。…野暮っつーか、過去は変え様がねぇからなぁ…その分これからは幾らでも変わってってやれるから、それで目ぇ瞑って。──お、イケメン。悠チャンのそーゆー人に対して真っ直ぐな所めちゃくちゃ好きだぜ。俺の恋人はやっぱイイ男だなって実感する。…あらやだ、悪ぃけど尽くした記憶なんか一個もねぇよ？俺は俺のやりたい事をしてるだけ。傍若無人な性格なんて、んな簡単に変わるもんじゃねぇのよ。──ハハ、あんな事言っといて分けてやんないって選択肢はないだろ。…ん、あんがと。(相手の言葉に思わず吹き出し相手の所作を見ていれば苦笑の影もすっかりと消え、開き直ったかの様にソースが付くのもお構い無しスペアリブを手に取ると大口を開けて豪快に頬張り。柔らかな肉の感触と濃いめの味付けに一層食欲を唆られながら、口端に付いたソースを舐めとり)ふ、違いねぇなぁ。…口に合ったんなら何より。ガッツリ食ってるっ感じするよな、悠チャン若いから好きだと思ったわ。

どうせ断られる様な事はないんだから狡いよなぁ。…ふっ、これ以上俺好みに変わられたらマジで嫉妬酷くなりそうなんで、コウくんはコウくんらしく自由にいてください。でもありがとうございます。愛を感じる言葉っすわ。──人に対して真っ直ぐなのは恋人にだけっすよ。コウくんにだけ特別。…とか言って、それこそ趣味のクラブ行く回数減らしたり俺の行きたいところ連れてってくれたり、物買ってくれたり飯奢ってくれたり。これを尽くして貰ってるって言わなきゃ…慈善活動？──うん、肉付きにはたまらねー味っすね。腹減らして来て大正解っすわ。あとこれも気になってたんすよ。間違いなく美味いパターンっすもん。玉ねぎデケー。（幸せを噛み締める様にゆっくりと咀嚼し嚥下しては、スペアリブを一本食べ終えたところでオニオンを摘むとソースに付けて口元へと運び、期待通りの美味しさに唸り次々と食していき）うまっ。これ好きっすわ。毎回頼まなきゃ。