柊翔 2020-01-17 19:24:49 |
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夕立は今、岐路に立っている。
暫くその場に立ち止まり、ふっと振り返って自分の歩んだ道を見てみて見た。
「ん...?なんだ...?」
自分の歩んだ道を見て
「ハッハハハ!」
突然、大声で笑いこける夕立。
そう、夕立の後ろには道なんて無かった。
「そうか、俺には歩んで来た道なんて無かったな」
友達、友情、恋、悲しかった事、楽しかった事、泣いて笑った日々...
「だな、何も無いのに歩んで来た道なんてあるわけないか」
ゆっくり身体を正面に戻し、前を見てみる。
前にも何も無い。
未来への道なんてあるはずがない。
「だよな...」
「どうするよ?」
道も何も無い前を凝視しながら夕立はその場に立ち尽くした。
何も無い前に一歩踏み出せば断崖絶壁か?底無し沼か?
「どうするよ?」
夕立は同じ言葉を呟き、今一度後ろを振り返って見た。
当然道など無い。
「へッ!だよな、考える事なんて何もねーだろ!」
夕立は前を見た。
もう何も考えない。
夕立は一歩足を前に。
そして、力強く走り出した!
「いっけぇぇ!走れ!」
「道が無いなら作ってやる!」
「歩んだ道が無いなら此処がスタートや!」
「歩んで来た道なんかくそくらえ!」
夕立はひたすら前だけを走り続け、決して後ろを振り返ることはしなかった。
つくし!沙音!
俺は今日卒業した。
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