恋の歌 / 創作ＮＬ

(注文すると鞄から財布を出して)

支払いは二人分まとめてで(相手が財布を取り出したのを横目にいち早く店員へとそう告げて支払いを済ませて)

春樹先輩、私自分の分くらい自分で...(さっさと支払いを済ませてしまった彼の服を軽く引き)

いいんだ、せっかく恋人になって初めてのデートなんだから、先輩らしく男らしいとこ見せたいんだよ(恋人として奢ってあげたかったのだと微笑み)

...じゃあ、お言葉に甘えて。(そこまで言うなら仕方ない、と折れ)

さてと、それじゃあクレープも無事に買えたしどこか座ってゆっくり食べるとしようか？(そう言って手近なベンチを探し、少しして見つければ、あそこに座ろうと促し)

(/わぁぁ遅れてごめんなさいっ！)

はい、そうですね。(ベンチにハンカチを敷きその上に座って)

よし、それじゃあ食べてみようか(ベンチへと腰を下ろした相手へと先程注文して受け取ったクレープを差し出して)

(/お気になさらず！)

はい。(差し出されたクレープを受け取り)

ふむ、評判通り、確かに美味いな。優衣ちゃんの方はどうだい？(クレープに舌鼓を打ちながら相手にも感想を尋ねて)

美味しいですよ。やっぱり当たりですね、あのお店。(幸せそうに顔を綻ばせ)

ああ、本当だな。そうだ、優衣のも一口もらってもいいかな？(コクリと頷き同意を示し、それから相手の手元のイチゴとクリームのクレープを指差し)

もちろんですよ。(はい、と自分のクレープを差し出し)

ありがとう…ふむ、なるほど。美味しいな、優衣が食べさせてくれたから尚更そう感じるのかもね(クレープを差し出す相手の手首を軽く掴んでクレープを一口食べて満足げに頷きそんなことを言ってのけて)

春樹先輩ってば...そうだ、春樹先輩のクレープも一口下さい。私だけなんて不公平ですよね？(少し頬を紅潮させて)

はは、そうだったな。勿論構わないよ(照れ臭そうにしている相手に、フッと笑いながらクレープを差し出してやり)

いただきます。...うん、こっちも美味しいですね。(春樹のクレープを一口食べて)

お気に召したようで何よりだよ、俺も結構この店のクレープ気に入ったしまた学校帰りにでも一緒に来よう(クレープを美味しそうに食べる相手の髪を優しく撫でてやり、放課後また一緒に来ようと約束をして)

はい、私もまた来たいです！(撫でられて嬉しそうにして)

…よし、それじゃあそろそろ帰るとしようか？家まで送るよ(相手の笑顔に満足げに頷き、ベンチから立ち上がり)

ありがとうございます。(立ち上がりハンカチの埃を払って)

流石にこれぐらいの時間になると冷えるな(すっかり日の落ちた夕暮れの街を手を繋いで歩いていき)

そうですね。でも私この夕暮れ時の茜色の空が好きなんです。(空を仰ぐようにして呟き)

物悲しくも美しい夕焼け、か…優衣の気持ち、俺もよくわかるよ(空を見上げポツリと呟いては相手へと微笑みかけ)

夕焼けって今日の終わり、じゃなくて明日の予告編だって思うんです。(ふふっと笑って相手に目を向けて)

ほう、なるほど…確かにそういう捉え方も出来るね、これは目から鱗だ。それにしても、明日への希望か…そういうのいいな、すごく優衣らしいって思うよ(目を丸くして、感心したように何度か頷いて)

でもその代わり、逢魔が時って言葉の通り魔物達が通る時間なんだって.......もう着いちゃいましたね。(そんな話をしているといつの間にか優衣のアパートの前に着いていて)

ほう、難しい言葉を知ってるんだな……さて、今日はここまでかな？また明日…(話しに夢中になっていて気づかないうちに相手のアパートの前に着いてしまい、別れを告げるものの繋いだ手をお互い離すのが惜しくてしばらくの間そうしていて)

...このまま離れるの、ちょっと寂しいですね。(「またすぐ会えるのに、変なの...」と独り言のように呟き)

そうだね…だけどさ、また明日って約束出来ることってとても幸せなことだと思わない？(寂しい気持ちは二人同じ、それでも他人ではない特別な関係だからこそ次に繋がる約束を交わせることは幸せなことだと自らにも言い聞かせるように告げて微笑み)

(/遅くなってしまって申し訳ありませんでした！もしもまだいらっしゃればお相手をお願いしたいです)

...そうですね！私も明日をも知れない身な訳ですし...(そこまで言うと「それでは春樹先輩、今日はありがとうございました。また明日。」と言いアパートへと入り)

「家の前まで来てるから良かったら学校へ一緒に行こう」(また明日とは約束したもののどこでどのように落ち合うかなどは決めずに解散したため、次の日の朝早めに家を出て彼女のアパートの前へとやってくればそうメールを送って)

...！(部屋で準備をしているとメールが届き、確認すると慌てて用意を済ませ、家に鍵をかけるとエレベーターより早いと思い階段を駆け下りて)

(メールを送ってからしばらく、アパートの前でぼんやりとなにかをするでもなく待っていて)

(相手の姿を見つけると駆け寄り)春樹先輩、おはようございます。(そう言いつつも若干息が切れていて)

おはよう優衣…って、もしかして走って来たのかい？(やってきた相手の姿を見て朗らかに微笑み挨拶を返したのも束の間、息を切らしているのを見れば両肩に手を置いて心配そうに問いかけて)

春樹先輩をお待たせするわけには...(肩で息をしつつ深呼吸すると少しずつ落ち着き)

そんなこと気にしなくていい、それよりも無理をさせて優衣が体調を崩したりしたらそっちの方が俺は嫌だよ(アパートの一室からここへ降りてくるまでの距離を走っただけで息切れを起こしてしまうぐらい身体の弱い彼女のことが心配で、なによりも無理はして欲しくないと真っ直ぐに伝えて抱きしめて)

はい、ごめんなさい...(抱きしめられて素直に謝り、ここがアパートの前だと思い出し「は、春樹先輩！早く学校行きましょう！」と春樹の手を引いて)

あ、ああ、そうだな…まだ時間はあるからゆっくり行こう(我ながらなんとも大胆なことをしてしまったと僅かに照れ臭くなり手を引かれるまま歩き出して、それでも急ぎすぎないように歩調を緩めて)

春樹先輩、その、ああいう事する時は出来るだけ人目のないところで...(抱きしめられた事は嬉しかったもののやはり気恥ずかしさが勝ち、頬を染めながら小声で

そうだな、俺も迂闊だったと思う。ごめん次は気をつけるよ(流石にさっきのは勢い任せに行動をし過ぎてしまったという自覚はあって、素直に反省の弁を述べれば繋いだままになっている手を見て、これはこのままでいいのだろうかと少し考え込んで)

...手を繋ぐくらいは良いでしょう？(考え込んだような彼の視線を追うと繋がれている手に視線が向き、「でも春樹先輩が嫌なら良いですけど...」と言い手を離そうとして)

嫌だなんて言うと思う？でもどうせ繋ぐなら…こっちの方がいいと思わない？(当然嫌だなんて言うはずがないと微笑み、指を絡めるようにしていわゆる恋人繋ぎで繋ぎ直してこっちの方がいいと言ってのけて)

...そうですね。断然こっちが良いです。(手を恋人繋ぎにされるとちょっと照れたように微笑み、そのまま学校へと歩き出し)

(/私の地元で初雪が降りました！)

そういえば今日のお昼休みはどうする？特に何も決めてないなら一緒に食べようか(クラスも学年も違うため必然的に次にゆっくり顔を合わせて話せるのはお昼休みか放課後ということになって、まずはお昼休みの予定を尋ねて)

(/それは早いですね！地元は山の辺りだったりするのですか？)

はい、是非！(彼からお昼のお誘いを受ければ嬉しそうに)

(/私、北海道在住なんですよ。)

それじゃあどこかで待ち合わせしようか？俺が迎えに行ってもいいんだけど、先輩があんまり後輩の教室に行って萎縮させちゃいけないし(一緒に食事するならどこかで待ち合わせをした方がいいだろうと考えて提案をして)

(/なるほど、北海道なら確かに初雪も早そうですね！)

そうですね...じゃあ渡り廊下にしましょうか。(丁度お互いの教室から程近い渡り廊下ならいいんじゃないかと思い)

そうだな、じゃあ決まりだね。ちなみに優衣は今日もお弁当かい？(この前もお弁当を持参していた彼女へと尋ねて)

(/遅れて申し訳ないです...)

はい、今日もお弁当です。(春樹先輩は？と尋ね)