いっぽずつ。【〆】

仕方ないじゃん！
きーちゃん中々来なかったんだもん。
(ぷく、と頬を膨らまし)

「美鈴ちゃーん、遊び行こうよ！」

あ、梨々花！すぐ行く～！
…きーちゃん、くれぐれもまーくんに手ぇ出さないでよ！？まーくん、気づいてないんだから！
(小声で念を押し、友人のところへと)


…？腕、放してくれないか？動かしづらい。
(首を傾げつつ貴方の手を指差し)

ん……俺誠に手ぇ出したりしないから。安心してよ美鈴
(ちょっと拗ねた様な表情で、だがいつもの目付きに戻り)

動かしづらいなら仕方ないな。なあ誠、俺達も遊びに行かない？
(腕をスッと外し、貴方の正面に回り込んで)

…遊びに？構わないが…どこに。
(じっ、と貴方を見つめて)

んー、ゲーセン行かない？久しぶりにさ、プリ撮ろうぜ
(楽しそうに微笑みながら貴方を見つめ返して小首を傾げ)

…悪くない。行こう。
(ふ、と口許を緩めて)

あと俺さ、この前取れなかったあのデカイくまも欲しいんだよね。誠どっちが先に取れるか勝負しようぜ
(貴方の手を引いて歩きながら、口の端を上げて笑い)

…容赦はしないぞ？
(冗談めかして笑い)

此方こそ。誠に負ける気しないね
(にやっと笑いながらゲームセンターの前に立ち)

いざ、尋常に勝負だ！
(くまのいる台まで走っていき)

…ああ。
(ゆっくりと台まで歩き)

「あれ？美鈴、バカップルいるじゃん。」
ん？…あ。ホントだ～。偶然だね。
(友人が貴方達を指差し、ジュースを飲んでいた美鈴がしまったとでも言いたそうな表情をして)

くま、俺はあの赤のチェックのリボン付いてるの狙うから。
(お金を入れて宣言する様に誠を振り返り)

って……おい、誠。あれ美鈴じゃない？
(視界に見えた女子生徒をスッと指差し)

……俺は…黒色だ。
(地味なクマを指差し、お金を入れて)


………ああ、確かにみーちゃん…だな。
(じっ、と指差した方向を見て)

声掛ける？俺はどっちでもいいけど
(美鈴と貴方を交互に見て)

……みーちゃん、無視してくれてるな。
声は掛けない方がいいだろう。
(美鈴のジェスチャーに気付いたのか、ふるふると首を横に振り)

無視するとか、友達がいのないヤツー。
(少し唇を尖らせて冗談めかすが、此方もジェスチャーに気付き納得し)

……ん、そっか。じゃあ勝負再開だ、誠！俺が勝つからねっ
(別に話し掛けたくもなかったためか、すぐに台に向き直り)

………？ああ。
(自分も台に向き直り)

……あ、取れそう！もう、これ絶対取れるだろ！
(台に向かうと早速クレーンを操作し始め。くまがアームにかかると勝ち誇った表情を浮かべながら「俺の勝ちだな、誠」と嬉しそうに相手を見て)

………。
(黙って台に向き合っており、こくりとだけ頷いて)

誠はどう？取れそう？
(まだ取れたわけではないため、台の前を離れず、横に首を伸ばすようにして覗き込み)

…………分からん。
(首を傾げつつ、アームを操作し)

ん……っていうか待てよ！俺の落ちそう……！
(アームに引っ掛かっていたくまが頼りなげにふらふらと揺れ、落ちそうになると一人慌てて)