ふれんず 2019-12-13 15:47:39 |
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あっ…うん、そうだね。なんだかなー、どうして楽しい時間ってあっという間に過ぎちゃうんだろうね
(永遠にも思える時間もやがて終わりが訪れ、無情にも鳴り響く予鈴の音に残念そうな声を漏らしながらもゆっくり立ち上がり、スカートを軽く手でパンパンと払って彼女の方を振り返れば名残惜しいがあまり寂しさを表に出して困らせないように眉尻を下げながらもヘラッと笑って小さく肩を竦めてみせてから下へ降りる梯子に足をかけて「つむぎ、降りる時も気をつけてね。とりあえず下は見ない方がいいかも」下手をすれば登る時よりも怖いかもしれないと考えれば一応そう忠告をしつつ自身は軽快に下まで降りていって)
また次が楽しみになるように、物足りなく感じるくらいがちょうどいいのよ。
(離れてしまった手に寂しさを感じながら、努めて明るくミキの言葉に答え。
お弁当箱を片づけ、彼女に続いて腰を上げると下りるときのアドバイスをうんうん、と頷きながら聞き。
ミキがおサルさんのような身軽さであっという間に下まで下りてしまうのを曲芸でも見るように目を丸くして見送って。
いよいよ自分も下りようと梯子に手と足をかけて一段ずつ下りていこうとするとそよ風が舞い、スカートの裾がはためくと急に怖くなって。
手足がすくんで動けなくなってしまい)
…ミキ、怖いっ!
つむぎ、頑張って!もうちょっと降りてきたら手が届くから…そしたらミキが受け止めてあげる!
(本気で怖がっている様子が声から伝わってくるが、この状況で自分が出来ることといえば彼女を励まして降りてくるのを待つことだけで、せめてもう少し下、手さえ届く位置まで来てくれれば後はどうにか受け止めてやれるのにと考えては必死でそう励ましながら両手を広げて)
(足を一段下ろしたら手を一つ下ろす、ただそれを繰り返すだけだと頭では分かっているのに体が動かない。
もうすぐ授業開始のチャイムが鳴ってしまうと思うと焦ってますます体が固まってしまう。
思わず下にいるミキに助けを求めると大きな声で励ましの言葉が返ってきて。
…そうだ、下にはミキがいてくれる。
そう思うとほんの少し勇気が湧いてきて。
梯子に張りついていた手が開くと一つ下の梯子を掴んで、足を一段下ろす。
そしてまた一段…
気がつくとあと少しで屋上の床に足が届くところまで下りてきて)
つむぎー!良かった…頑張ったね
(万が一の場合は自分が身を挺してでも彼女を受け止めなければと気が気ではない様子でハラハラしながら見上げていたが、どうにか最悪の事態は免れそうな高さまで降りてきて、地面に足がつけばようやく安心する事ができ、彼女の元へと両手広げて駆け寄ればたまらずハグをして労いの言葉をかけて)
(屋上に足が着くとホッとする間もなくミキに抱きしめられ、こちらからも彼女の背中に手を回して)
怖かったよぉ…
でもね、ミキが励ましてくれたから。
勇気が湧いてがんばれたの。
ありがとう、ミキ。
(半べそをかきながら笑顔を浮かべて、彼女のおかげで無事に下りられたと感謝の気持ちを伝えて)
そんなお礼なんて…頑張ったのはつむぎだよ。つむぎは偉い!
(自分が励ましてくれたからなんて、少し大袈裟にも思える感謝の言葉に少し照れ臭そうに笑いながら改めて彼女の頑張りを労えば少しだけ抱きしめる腕に力を込めて。そんな風に再び時間も忘れて戯れていたが、おっかなびっくりゆっくりと梯子を降りて時間をロスしていたこともあって、少しして授業の開始を告げる本鈴が鳴り響き、それが耳に届けば彼女と顔を見合わせ「えっと…もしかして午後の授業始まっちゃった感じ…?」さっき聞いたのが予鈴だったから…なんて冷静になって考えれば軽く冷や汗かきつつ、そもそも今の自分達のやり取りはどう見ても大袈裟だし側から見れば結構恥ずかしいものなのではないかと考えれば頭を抱えたくなって)
んーん。
今のことだけじゃなくミキにはいろんなことで感謝しているの。
(謙遜する彼女の言葉に対してやんわりとかぶりを振り、改めて感謝の気持ちを伝えて。
そうこうしていると授業開始のベルが鳴ってしまい、思わず二人で顔を見合わせて)
授業、始まっちゃったわね。
ミキ一人なら走れば先生が来るのに間に合うかもしれないわ。
あたしに構わず行って。
(少し焦っている様子の彼女の肩を押して、走って教室に戻るようにと伝えて)
いやいや、そんなこと出来るわけないじゃん
…つむぎ、授業サボっちゃおっか?
(確か次の授業は割と時間にルーズな教師が担当する授業だったはずで、確かに走れば間に合うかもと彼女の言葉も現実味を帯びるが仮に間に合うとしても一人見殺しにするようなことは出来るはずないと背中を押す手から逃れるようにして彼女の方へ向き直り、とはいえどうしたものかと暫し考えた後で悪戯っぽく微笑みながらそんな提案をして)
いい考えだと思ったのに、バカね、ミキは。
(授業に間に合うチャンスをみすみす放棄した彼女のことをバカだと言いながらも内心ではそういうところが好きなんだと嬉しく思い)
サボるのはいけないことだと思う…
(じとーっと彼女のことを見ながら)
…でも。
ミキと一緒なら、一度くらいはいいかしら。
(ペロッと小さく舌を見せて、ミキと共犯になることに仄かな喜びとドキドキを感じていて)
バカで結構、つむぎを見捨ててまで守るほどの体裁なんてないし
(人に良く見られたい、敵を作らない、これまでそんな風に生きてきた自分らしくない言葉だが、彼女を前にすると素直で純粋な気持ちで口にすることが出来て、悪戯っ子のような表情を見せる彼女へ向けにししと笑ってみせて「怒られるのも一緒なら怖くないしね。とりあえずこっそり学校抜けだそっか」なんて悪びれた様子もなく口にしては、校内をうろついて教師に見つかっても厄介だと考えては口元に人差し指立てつつ授業が終わるまで外で時間を潰すことを提案して)
ありがとう、ミキ。
(彼女の言葉を聞くと骨ばった白い手で相手の手をキュッと握って。
もう一度、思いのこもったお礼を告げて)
見つからずに学校を抜け出したりできるかしら?
あたし、足手まといだし…
(学校を抜け出すと聞くとワクワクした気持ちと同時に見つかったらダメだと思うドキドキも加わって少し不安そうな表情を浮かべ)
大丈夫、とにかく静かに慎重に行くよ
まあ、見つかったら見つかったでその時はその時ってことで
(どちらかといえばいかに慎重に物音を立てずに行動出来るかが重要で相手が足手纏いだとかそんなことは全く関係がなく、見つからないかどうかは正直運の要素も大きいと考えておりダメだったとしてもそれはそれだなんて楽観的に構えていて)
呆れた。
行き当たりばったりというヤツね。
(ミキの言葉を聞くと大げさに目を大きく見開いてびっくりした表情を見せて)
でもミキらしいわ。
分かった、静かにするのは得意よ。
(それからクスッと楽しそうな笑顔を浮かべ、コクリと頷いて)
ミキらしい、ね…それは褒め言葉として受け取っとこうかな
(なんとも受け取り方に困る相手の表現を自分に都合のいい方向に受け止めて解釈をすればニッコリ満面の笑みを浮かべてから小さく肩を竦めてみせ、それからこっちこっちと手と視線で合図しながらそろりそろりと出来るだけ教師などと鉢合わせしなさそうなルートを選んで下駄箱へと向かい)
らしいあなたの方がらしくないよりよほど魅力的だとあたしは思うわ。
(こちらの思いがちゃんと伝わっていないと感じると、少し分かりやすいように言い直し澄ました笑顔を返して。
それから彼女の後について、普段とはうって変わってしーんと静まり返った廊下をドキドキしながら歩いて。
誰もいないのを確認しながら階段を下り、無事下足室が見えるところまでやってくると少しホッとして気が弛んでしまい、何もないところで足がもつれて転びそうになって)
ん、ありがとつむぎ。つまりありのままのミキが一番ってことでしょ?
(今度こそ相手の言葉の意図をしっかりと理解すればその中でも最上級にポジティブな解釈をしてはお調子者っぽく親指グッと立ててサムズアップをして。そこからなんとか教師などと出くわすこともなく、無事に下駄箱へとやってきて喜びを分かち合おうと相手を振り返ろうとすれば足をもつれさせて体勢を崩した彼女の姿が見えて、転ぶよりもギリギリ早く正面から抱き止めるように受け止め「ふう…危なかった…大丈夫つむぎ?」と顔を見やり問いかけて)
(悲鳴をあげるのだけはなんとかガマンしつつも、地面がスローモーションのように近づいてくるのが見えて。
顔から転ぶのだけは防ごうと、頭が手を前に出すように命令するけれど体は言うことを聞かず。
倒れる!と思わず目を閉じると予想された衝撃はやって来ず、代わりに誰かに抱き止められた柔らかい感触がして。
もちろん、誰かとは目を開かなくても分かっていて)
…うん。
ミキのおかげで大丈夫、ありがとう…
(目を開けて彼女の心配そうな顔を見ると苦笑いを浮かべながらお礼を言って。
彼女の首に巻きつけた腕に非力な力をこめ、きゅっとしがみつき。
耳許でぽそっと囁いて)
…さっきの答え。
あたしにとってはどんなミキだっていちばんよ。
そっか、それなら良かった…つむぎってば本当危なっかしいんだから……って、もう、やめてよ、そんな風に言われたら照れるじゃん
(ホッと安堵して、あまり心配かけないでと少し恨み言でも言ってやろうと思ったが、耳元で囁かれた言葉にこれ以上何も言えなくなってしまい、顔を赤くしてそっぽ向けば「ほら、早く行こ」なんて少しだけ早口にそう捲し立てるように口にして靴を履き替え始めて)
ふふ、照れたミキ。
とても可愛いわよ。
(そっぽを向いた彼女のほっぺを、目を細め表情を緩ませながら指先でつんつんとつついて)
うん。
(照れ隠しなのか、早くと急かせる彼女に小さく頷いて返事をして。
下駄箱からローファーを取り出すと並んで靴を履き替えて)
ここまで来れば大丈夫かしら?
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