ふれんず 2019-12-13 15:47:39 |
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……
(背中越しに見てもどことなくソワソワして見える彼女の後ろ姿、その原因はやはり先程の自分の態度にあるのかもしれないと、そんな思考が頭をよぎり罪悪感を覚えるがすぐに頭からそんな考えを振り払い、午前の授業が終わりお昼休みになればそんな彼女から逃げるように我先にと席を立ち上がり教室を出ていこうとして)
(/委細承知しました!こちらの意見を聞き入れてご理解いただき感謝いたします!)
ま、待って、ミキ……きゃっ?!
(午前中の休み時間はミキがすぐにいなくなってしまったり、他のクラスメイトと話したりしていてこちらから声をかけることができず。
昼休みこそお昼ごはんを一緒にしながら話をしようと思っていて。
授業が終わりすぐに後ろを振り返ると彼女がすでに教室を出て行こうとするのが見えて。
慌てて立ち上がり彼女の後を追おうとすると気持ちに体の動きがついていかず、イスに足を引っかけて転んでしまい)
(/こちらこそ、ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします)
つむぎ…!大丈夫!?怪我はない?
(己の名前を呼ぶ声、聞こえなかったフリをして通り過ぎようとしたが、椅子に躓いたのだろうガタンと大きな物音をたてて倒れ伏してしまった彼女を見れば自身の中の変な意地はすっかり消え失せて、教室内の他のどの生徒よりも早く慌ててそばに駆け寄れば心配してそう呼びかけて)
……つっ
少し打っちゃったみたい。
(長めのスカートをたくしあげると、膝と白いソックスのちょうどまん中あたりが青く内出血していて)
こ、こんなの平気!
それよりミキ、話があるのっ
(スカートの裾を戻すと、また逃げられてはたいへんとばかりに彼女の手をとって懸命な様子で話したいことがあると訴えて。
周りのクラスメイトたちも心配そうにお昼ごはんの手を止めて二人の様子を見ていて)
そ、それよりって…えっとどうしたの?
(色白な肌が一部分だけ内出血している様は妙に痛々しく映って、そんな状況をそれよりの一言で片付けてしまった彼女に困惑しながらもそれを咎める資格は今の自分にはないと冷静に考え直し、出来るだけ感情を抑えながらそれでいて周りから見てあまり素っ気なく思われないようにとそんなことを考えてしまう自分自身に我ながらこの期に及んでみっともないなとそんなことを考えながらも、今更これまでの生き方を変えることなど出来ず相手の話を聞く態勢になって)
あ、あのね、ミキ
あたし……
(ヘンなことで騒いでゴメン。
自分がどうかしていた。
だからこれからも友だちでいてね。
口許まで出かかった言葉が音になるまえにぐっと飲みこんで。
彼女の顔をじっと見つめ、心を決めたようにもう一度口を開いて)
あのね……
あたし、ミキのことを友だちよりも大切な存在だって感じているの。
だから、さっきもあんなに動揺してドキドキしちゃったの……
もしかしたら気持ち悪いヤツって思われるかもしれない、嫌われちゃうかもしれない。
ミキに嫌われて見捨てられちゃうのは絶対にイヤ。
だけど……でも、自分のミキを大切に思う気持ちを誤魔化すのもイヤなの……
(心から溢れ出すミキへの思いを一息に口にして。
息継ぎを忘れてしまうほど強く思いを伝えたので息が切れてしまい、胸に手をあてて懸命に呼吸を整えて)
……こんなあたしでも今まで通り……
んーん、今まで以上に仲良くしてくれる?
(心配そうな、不安そうな色を湛えた目でじっと大切なひとを見つめて)
バカ…つむぎは本当に大バカだよ…場所考えてよね…こんな人の沢山いる場所でさ、そんな大胆な…すっごく困るし迷惑なはずなのに…なのに嬉しいんだよ…っ、ミキだって本当はこれからもつむぎと仲良くしたいよ!だってつむぎはもうミキの中で特別なんだから!
(開口一番、バカと漏らし周りのクラスメートが見ている中での大胆告白に勘弁してといったスタンスながらも彼女の想いが嬉しくて、自分一人で彼女に引かれた、嫌われたなんて考えていたのがバカバカしくなるような真っ直ぐな想いに自分も周りの視線など気にもせず、彼女が自分の中でどれだけ大きな存在となっているかを大きな声で告げて)
(息を飲んでミキの返事を待っていると、いきなり発せられた2回のバカ──しかも2回目は大が付いて──にびっくりしてきょとんと目を丸くして。
でも彼女の言葉を聞くうちにその想いが、渇いた砂に水が沁みこむように心に沁み渡り潤い満たされていくのを感じて)
……それは
こんなあたしでも受け入れてくれる……
これからもいっしょにいてくれる、って思っていいのよね?
(その言葉で彼女の想いは十分に受け取ったつもりだったけれど、あまりに自分に都合の良すぎる展開にこれは夢なのでは、などと思い。
また半ば無意識に、嬉しい言葉をリピートして聞きたいという願望が発露して。
微かに震える声でミキの意思をもう一度確認してしまい)
うん…一度はつむぎを遠ざけようとして傷つけたこんなミキでもいいのならずっと一緒にいて欲しいよ…つむぎはミキの大事な人だって胸を張って言いたいよ
(念を押すようなこちらの気持ちを確かめる言葉、それに対する己の中の溢れんばかりの気持ちを真っ直ぐに、そして一度は思い込みのせいで彼女を傷つけた自分の罪が許されるというのなら、今度こそは自分の気持ちに正直に二度と間違いのないように彼女のことを何より大事にしたいと自らの意思を力強い口調で告げて)
ありがとう!
……嬉しいわ
(ミキの口から聞きたかった言葉が出ると感極まってしまい、彼女の首根っこに両腕を絡ませるようにしがみつくと双眸から涙がこぼれ落ちて。
すると、それまでことの成り行きを固唾を飲んで見守っていたクラスメイトから、おぉーっと感嘆のどよめきが起き、続いて冷やかし半分の温かい拍手が鳴り響いて)
つむぎ……って、ちょ、ちょっと待って!みんな思いっきり見てるから!ね?
(気持ちが通じ合った嬉しさに愛おしそうに名前を呼んで彼女を抱き締め返そうとしたところで、周りのどよめくような声や拍手にハッとして、ここが教室の中であったことを思い出し、ここまでの告白のくだりを見られていたと言うだけでも恥ずかしいのにこれ以上の痴態を晒すわけにはいかないと相手から一旦距離を離そうとしたが、かといって力ずくで引き離すことも出来ず口でそう言うのみで)
ん、ん…
そうね、ずいぶんお騒がせしてしまったわね。
(ミキの言葉を聞くとさすがに恥ずかしそうに、でも未練を残した様子で彼女を解放して)
あたしたちもお昼にしよ?
ミキもお弁当?
(急に声のトーンを落として、彼女の耳許で囁き声でたずねて)
う、うん…とにかくこの状況じゃ落ち着いて食事出来ないから移動するよ…二人っきりになれる場所に、ね
(耳許囁かれる声にくすぐったそうにしながら彼女の問いかけに頷き、鞄から弁当の入った包みを取り出すとこんな場所で二人顔を突き合わせて食事を始めては余計に目立つ上に公開処刑待ったなしだと移動しようとこちらも小声で提案をしては、最後の方で僅かに頬赤らめながら二人きりになりたいという意思を示すようにそう言葉を付け加えて)
その意見に同意よ。
とにかく一旦教室を出ましょ。
(ふたりっきり、という言葉に胸を高鳴らせながら、こちらもいそいそとランチバッグと水筒を手にして。
教室を出るときに振り返ってクラスメイトたちにペコリと頭を下げて)
騒がせてゴメンなさい。
あたしたちは大丈夫だから。
(なにが大丈夫か分からないけれどとにかく心配の必要がないことを伝えようとして。
すると再び拍手と歓声が沸き起こり、その後はなにごともなかったようにいつもの昼休みの喧騒が教室に戻って)
行きましょ。
(ちょっと恥ずかしそうにはにかむとミキの手をとって教室をあとにして)
あぁ、恥ずかしかったー…あの調子じゃ暫く茶化されるだろうなぁ…その点つむぎは凄いね、こういう時堂々としてるっていうかさ
(教室を出てから廊下を歩きながら他のクラスメートの反応などを思い出して恥ずかしげにしていて、今後のクラス内での自分たちの扱いのことを思うと少しだけ憂鬱な気持ちになるような気がしたが、それほど深刻に捉えてはいなさそうな彼女の反応に大人しそうに見えて実はかなり大胆で肝が座っているんだなと素直に感心していて)
また遅れてごめん!ちょうど忙しい時期が重なっちゃって…またしばらくは早めの返事が出来ると思うから、見捨てないでくれると嬉しいかなーって
ぜんぜん!
あたしだって心臓ドキドキよ。
(ミキの言葉を聞くと自分の胸に手をあててちゃんと緊張と羞恥を感じていることを伝えて)
ただ…
クラスのみんなからイヤな感じは受けなかったし。
コソコソしたら余計に気にさせることになると思ったから。
(自分の感じたことを話しながら手を取り合って、昼休みの喧騒の中廊下を歩き足は自然に校舎の屋上へと向かっていて)
(気にしないで。
こちらこそ催促みたいになってゴメンなさい)
まあ、それはそうだね。実際祝福されてたのは確かだし
(みんな悪意がある訳ではないのは当然こちらもわかっていて、祝福されているのもわかるのだがそれだけに頭を悩ませる部分でもあったりもして、複雑な心境だったものの気にしないようにしようと自分にそう言い聞かせて、そんなことを考えているうちに屋上へと到着し「つむぎ、この上で食べよっか」他の生徒もまあまあ出入りする屋上、出来るだけ2人きりになれる場所として貯水タンクのある上へ登る梯子を指差してにっこり笑って)
大丈夫。
黙っていたらみんなきっと2、3日で飽きるわよ。
(クスッとイタズラっぽい笑顔を浮かべながら校舎の屋上に出て。
今日は天気がいいせいもあって数人の生徒の姿が見えていて。
ミキが貯水タンクの梯子を指差して上に登ろうというのを聞くとちょっとびっくりして)
……あ、あたし、そんな梯子登ったことないわ。
それに……高いところはあまり得意じゃないの……
(ふたりきりにはなりたいけど怖いのはちょっと……と及び腰で答えて)
えー、そっか、あそこからの景色綺麗だし気持ちいいから是非つむぎも一緒にって思ったんだけど苦手なら仕方ないよね、じゃああそこの裏側で食べよ
(教室での人間関係に疲れた時、一人になりたい時に時々お世話になっているあの場所を自分は結構気に入っていて、あの場所からの景色を一緒に見ながらお昼をと思ったのだが苦手なものを無理に強要することはないだろうと考えれば、比較的他から目につきにくい、貯水タンクの置かれた建物の影になっている場所を指差して提案をして)
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