義賊のギルス 2019-11-25 23:28:40 |
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ふふ、その者たちはきっとギルスの魔法が美しく実力の差を感じているから妬んでいるのもあるのだろうな。…人には向き不向きがあるのだから誰かを僻む前に自分と向き合えばいいのに。
( 彼の口から珍しく漏れる愚痴をクスクスと笑いながら聞き、きっと彼の略称は基礎の基礎を完璧に固めているから成せるものなのだろうと思い。ただ彼を僻む魔法使いの気持ちも分からないではない。正式な詠唱は無くてはならないものだし伝統を重んじる魔法使いは略称を毛嫌いするだろう。まあ恐らく彼にいちゃもんをつけている魔法使いはただ単に彼の力に嫉妬しているだけだろうが。兎にも角にも一国の王子として小さな衝突でも平等に見極めねばいけないなと思いつつ、彼が調合の説明を始めるとその話に真剣に耳を傾けて。「 …すごい。…でも想像は得意だ。いつも城の中で貴方の話を聞いて外の世界を空想ばかりしていたからな…やってみるよ。 」彼の手の中に現れた3つの薬。まるで魔法…いや半分は生成魔法なのだが、それにしても一回で上級の解毒薬を3つも作るとはやはり彼だからこそ成せる技なのだろうと感嘆の声を漏らして。果たして己にも出来るのだろうか…という不安はあれど毎日城外の世界を夢見ては実戦のイメージトレーニングをしていたので想像力には自信があって。彼の笑顔に応えるように頷くと先ほど彼がしていたように目を閉じて集中し天秤をイメージする。すると彼ほどの大きさはないが小ぶりの天秤を出現させることが出来れば配分通りに薬草をそれぞれの皿に乗せて再び目を閉じて。子供たちに笑顔がまた戻りますように…と願いを込めたとき胸元のペンダントが共鳴して青白く光るも自分は目を瞑っていたため気付かずにその光もすぐに止んで。そして手元に小瓶の感触を覚えるとゆっくり瞼を開いて。「 出来た、のか? 」掌にコロンと転がる1つの小瓶。中にはちゃんと液体が入っているし手応えはあったが、子どもたちが使うもののためちゃんと相手の判断が欲しくて、不安な面持ちで今調合した解毒薬を掌の上に乗せて相手の前に差し出して )
皆、お前みたいな考え方だったら良いのに…。ああ、凄いじゃないかアレック。成功だ。初めてやって成功するのは結構珍しいからな。俺のと品質も変わらない。お前が作ってくれたのも入れて四つ…後三つ必要だ。しかし今回は時間が惜しい。…複製を作る。……以下略称…“複製"。
( 愚痴ってしまったのに嫌な顔する所かこちらを慰めてくれる彼の言葉に全くその通りだとうんうん頷きながら一部の魔法使い達も彼のように考えてくれればいいのにとぽつりと漏らして。そして彼の初めての調合は大成功。ペンダントが輝いていたこともきちんと見ていて品質も上がっていることから何かの作用が働いたのだというのが分かりつつ彼の作ってくれた小瓶をしげしげ見つめるも自分の作った毒消し薬と変わらない代物に凄いと笑みを浮かべて彼を褒めて。全部で七個毒消し薬は必要。今手元には四つあり後三つ足りない。今回は時間が惜しいためすぐさま足りない個数を複製して作ってしまって。「アレック、一緒に渡しに行くぞ。後でアクセサリーの作り方も教えてやるからな」一緒に作った毒消し薬を渡しに行こうと彼に伝えては今しがた作った物を彼に差し出しては扉を開けて彼と共に出来立てほやほやの毒消し薬を子供達の世話をしてくれている女性達に届けに行って。深々と頭を下げられ大変感謝されては彼と共に孤児院の外へと出てきて。「これで明日の朝には毒も体内から完全に抜けて良くなる。俺からもありがとうな、アレック」子供達が救われるのは彼が手伝ってくれたからで。自分からもお礼を伝えては頭を下げて )
( 彼に褒められると心が踊る。調合が上手く言ったのは勿論嬉しいが、己よりも遥かに優れた才を持つ彼に褒められるのは己の力が認められたようで自然と頬が緩んで。それから彼が鮮やかに薬の複製を作るのを見ればやはり彼の力は素晴らしいと改めて実感して。完成した解毒薬は無事に孤児院に渡りホッとして彼と共に外へ出れば、彼から言われた言葉に首をゆっくり横に振り、下がる頭を上げさせて。「 …いや俺はあなたに言われたことをしたまで…俺が此処まで出来たのもギルスの教え方が上手かったからだ。でも、役に立てたのなら嬉しい。これからも子供たちや国の為に役立ちたいから、アクセサリーの作り方を教わるのも楽しみにしているよ。…このあとは確かギルスの家に行くんだったな?…あなたの家に邪魔するは初めてだ。」きっと彼が居なければ己は此処までは出来なかった。彼の肩に片手を添えて優しい声色で話しては微笑みを向けて。外は夕暮れ時、彼の赤茶色の髪が輝くのを綺麗だなと思いながら見詰めては、彼の家はこの近くだろうかと首を傾けて )
お前は本当に向上心が高くて頭が下がる思いだよ。
( 今日は初めての冒険初めての調合と初めて続きで彼は疲れていても仕方ないことなのにアクセサリーの作り方を教えて貰えることを喜んだり謙遜したりする彼の真摯な姿勢を自分も見習わなくてはなと思うほどで。素直に彼を褒めては初めて自分の家に来るという彼の台詞でそういえば家に招くのは初めてだなと改めて思って。「そういえばそうだったな…お前の部屋と比べたら狭いだろうがお前が少しでもリラックスできれば良いんだが…」流石に王室内の彼の部屋の大きさや広さには叶わないだろうが少しでも彼がリラックスできれば良いなと言葉漏らして。「じゃあそろそろ行くか…転移魔法使うぞ」歩いてでも行けない距離ではないが正直転移魔法を使った方が早いため彼にそう伝えれば「……“転移”」再び転移魔法を使えば一瞬で自分の家へと到着して。到着してみてはなんてことはない一軒家で。「…そんなに広くはないからな?風呂やベッドはちゃんとあるけど…」あまり人を家に連れてくることはないため少し照れ臭くもあってはぽりぽり頬を掻きながら呟いて )
ふふ、ありがとう。貴方に褒められると何だか照れくさいな。それに今 国はこんな状態だ。雨風が凌げるだけでありがたいよ。
( 彼に褒められまた擽ったい気持ちになるが、きっとこんなにも向上心を持てるのは彼の前だから。彼と初めて出会ったその日から己は彼の美しく聡明で慈悲深いその心に魅了されて、彼に認められたいと強く願ってきた。だからこそ彼に褒められると何処までも頑張れる気がして。部屋のことを心配してくれる彼に贅沢は言わないと微笑みを向けては彼の転移魔法で彼の家へと。床に降り立つ感覚に今度は揺らめかずにしっかりと立ってはゆっくりと目を開いて家を見上げて。「…嗚呼、充分だ。それに広い部屋はどこか落ち着かないと思っていたから狭いくらいが丁度良い。…だがすまない…、中に入ったら何か飲み物を貰えないだろうか?少し喉が乾いた。」どこか照れ臭そうにする相手の表情は戦いのときの凛とした風貌とは別の魅力があり胸が高鳴る。彼と一緒に過ごせば己の知らない彼をもっと知ることができるのだろうかと思いながら部屋については全く問題ないと頷き。しかし緊張が緩んだのだろう。喉が乾きを訴えてはいきなり家にお邪魔するところに失礼を承知で飲み物を要求してはやや眉を下げて )
…そうか、ようこそ我が家へ。ああ、もちろん。水もジュースもコーヒーも色々あるぞ。
( 雨風凌げるだけで良いなんて王族らしからぬ言葉だが彼の謙虚さや国民や城のことを思えばなのだろうとも汲み取っては柔らかく微笑んで彼を歓迎して。遠慮がちに何か飲みたいと告げた彼にもちろんだと頷いては飲み物は種類があるため彼は何が飲みたいのだろうと家にある飲み物を彼に伝えて。「何か食事も取ろう。そろそろ夕食の時間だからな」そして気づけばもう夕暮れ時。夕食も取ろうと提案しては彼と共に家の中に入って。彼をリビングへ通してソファへ座って貰っては先に飲み物をとコップを用意して。「ほい、これ飲んで寛いでてな。夕食も作っちまうから…と言ってもあんまり期待すんなよ?」笑ってそう口にしてエプロンを付けては夕飯の準備も始めて。といっても自分が作れるのは朧気な家族で食べた料理を思い起こしての作業。温かい豆と野菜のスープ…鶏肉の香草焼き。大したものは本当に作れない。彼が普段食べているような豪華で美味しい食事はきっと自分には提供出来ないのも分かっている。せめて自分が出来る最高のものをと普段一人ならあまり台所に立つことはないが奮闘していて )
( 彼に案内されて室内へと入れば己が普段暮らす部屋とは全く異なる空間が広がっていて。しかし質素だとかお粗末なんて思わない。むしろどこか落ち着いていて城では窮屈で息が詰まる気持ちだったがそれも無くて。「 いいところだな…。…ありがとう。貴方が作ってくれるものなら何でも嬉しいよ。 」部屋を見回し思わずそう呟けば、彼がソファに導いてくれて。洞窟に行った格好のまま座ってソファを汚してしまわないだろうかという躊躇いはあったが彼は気にしていないようなので有難く座らせて貰い、持ってきてくれた飲み物を礼を言って受け取る。彼もずっと動きっぱなしで疲れているはず。それなのに此方を気遣ってくれるのに申し訳なく思いながらも夕食をお願いすれば暫く背筋を伸ばしてきっちり座っていたが、台所から聞こえてくる心地よい調理の音に段々瞼が重たくなってきて。どうやら思いの外、疲労がピークに達していたらしい。鼻腔を擽るいい匂いに食欲をそそられつつも睡眠欲がそれを上回り段々ソファの背に身体が傾いていき。折角相手が調理をしてくれているのだ。それに先に寝るなんて失礼すぎると睡魔に抗ってみるも相手の匂いに包まれた空間が安心感を与えて睡魔に拍車をかければポスリとソファの背凭れに身体を預けてそのまま重たくなる瞼を閉じて眠りに落ちて )
…アレック…出来たぞ…って寝てる…疲れてるよなそりゃ…このまま寝かせてやりたいが食事出来る時にしていた方が良いよな…。
(すべての調理が終えて彼に声をかけるもやはり疲れが出てきたのか眠っている彼の姿を見やればこのままゆっくりと眠らせてあげたい気持ちが沸き上がるも食事は取れるときに取っておいた方がいいという経験から健やかに眠る彼を起こそうと思って。「……アレック…食事が出来たぞ。食べられるか…?」眠る彼に近づけば優しく声をかけてその体を揺すって眠りからの緩やかな覚醒を促して。既に食べられるようにテーブルへは並べ済み。彼が起きたならすぐに食べられる状態にはしておいて。仮に彼が睡眠を欲するなら彼が起きてから食べて貰えば良いとも思っていることもあってか彼の気持ちを優先してあげたくて )
ん…ギ、ルス…?……ああ…すまない。眠ってしまっていたんだな。
( 微睡みの中、遠くで相手の温かな声がしてその心地よさに身を委ねていたが段々頭が回ってきて覚醒してくれば瞼を僅かに揺らしてぼんやりと目を開けて。暫くぼーっとしていたが視界に綺麗な彼の顔が映ると、そう言えば今自分は彼の家に来てたのかと思い出して。ソファに片手をついて少し傾いていた身体をまっすぐに正すと目を軽くこすりながら謝る。小さい頃からの教育でこんなところでうたた寝するなんて言語道断のため失敗したなと眉を下げるも鼻腔を良い匂いが擽れば自然と表情が和らいで。「 …夕餉が出来たんだな。この匂いを嗅いでいたら食欲が湧いてきた。 」そう言って自分のお腹を擦ると小さく微笑み既に準備されている食卓に目をやっては温かいうちに食べたほうがいいだろう思い立ち上がってテーブルへ近づいて。その素朴ながら温かな料理たちを見ては目を少し輝かせる。確かに王族の料理は高級食材をふんだんに使った豪華な料理ばかりで腕の立つ料理人が作る美味しいものばかりだった。文句なんて1つとしてない。でも心の奥底では今目の前にあるような何処か温かい優しい料理を望んでいて。「 …すごく美味しそうだ。…眠っていて不躾だが食べてもいいか? 」目を細めて微笑んでは早く食べたくてうずうずする気持ちを抑え、彼に振り返り伺いを立て )
いや、大丈夫だ。起こして悪いな…。
( 眠っていたことを謝る彼に首を振り寧ろ起こしたことを謝って。表情が和らいだ彼に此方の表情も緩めば自分が作った料理に食欲が沸いてきたと嬉しいことを言ってくれる彼に食べても良いかと問われれば頷いて。「ああ、もちろんだ。冷めないうちに食べてくれ。口に合えばいいが」彼のために作ったようなものなのでもちろんと言葉を返せば頷き自分が作った料理が彼の口に合うかがやはり気になって。自分も向かい側へ腰を下ろせば手を合わせていただきますと口にしては彼の反応を伺って )
…ありがとう、ではいただくよ。
( 食べてもいいと許可が出れば小さく微笑んで礼を言うと姿勢正しく席に座り。相手が手を合わせるのを見ては普段王室ではやらない作法だったため物珍しげに見て、どうしようか迷うもいつもやっているように両手を組んで神に祈りを捧げてから相手に習って手を合わせて頂きますをして。ひとまずスープからとスプーンを手に取っては湯気の立つスープを掬ってフーと息を静かに吹きかけ、ゆっくりと口の中に運び。口の中に広がる野菜の甘みと豆の香りが優しい気持ちにさせてはほぉと息を吐いて微笑みを零して。「 …ギルス、とても美味しいよ。なぜだか胸がとても温かな気持ちになる。まるで魔法にでも掛けられたようだ。 」少々誇張した言い方になるも本心からの言葉であり、美味しいと絶賛すると再びスープを口にして、そのあと鶏肉の香草焼きも丁寧にフォークとナイフを使って口にしては口の中で解ける鶏肉の柔らかさの頬を緩めて再びおいしいと讃して )
素朴な料理だけど…お前が気に入ってくれたなら良かった…。俺も一人の時はあんまり料理はしないんだ…お前の口に合ったならホッとしたよ。
( 彼が美味しいと言ってくれたことが嬉しくて安堵する。あまり普段台所に立たない自分の料理が彼に気に入って貰えるのかが不安だった。彼は優しいし気を使って美味しいと言ってくれているのかもしれないと思いつつも彼の笑顔が少なくとも美味しいと感じてくるているのだと思いたくて。良かったよと素直にあまり普段は台所に立たないことを告げつつも笑み浮かべて。本当に彼が自分の作る料理を気に入ってくれたのならそれは嬉しいことで。食べる手を止めずに食べてくれる彼を見やりながら自分も食事を続けて )
嗚呼、とても気に入った。…自慢じゃないが俺は一度も包丁を握ったことがないし台所にも入ったことがない。そんな俺からすれば充分すぎるくらいのご馳走だよ。城の料理人として雇いたいくらいだ。…これから先サバイバルで調理は必要になってくるだろうしその時はまた包丁の握り方から教えてくれ。
( 安堵の表情を浮かべる彼の言葉にこんなにも美味しい料理を作るので意外そうな顔をしては再度料理を絶賛して。少し冗談めかし微笑みながら言葉を続けつつ、この先冒険先でそれこそ野宿でもすれば食材調達から必要になってくるため、その時はご教授をと穏やかな笑みを向けて食事を再開して。「 ご馳走様。とても美味しかったよ。…その片付けだけでもさせてくれないだろうか…。恥ずかしいことだが此れまでお皿一枚として洗ったことがないんだ。この機会にというのは不謹慎かもしれないが普通の暮らしに少しでも触れておきたい 」綺麗に食事を終えるとお礼を言って、彼に任せ切りは申し訳ないのと民の暮らしを肌で感じたい思いからやや気恥ずかしそうに片付けを申し出ては彼に視線を向けて )
…お前の城の料理人が聞いたら卒倒するだろうよ…でも、ありがとな。ああ…もちろん、お前が学びたいことは俺が出来ることなら何だって教えてやるよ。
( 自分の料理の腕前なんて素人に毛が生えた程度。彼がいつも食べているような城の料理人の腕と比べられるのは正直気が引けて。でも彼に自分の作った料理を気に入って貰えたことは嬉しくて。料理まで学びたいと言ってきた彼に少し驚くものの彼が望むことで自分に出来ることなら叶えてやりたくて頷いて。彼が食べ終わる頃、自分も食事を終えてはなんと片付けがしたいとの申し出が。気恥ずかしそうに告げる彼に王族には必要のないことのような気もしたが彼が望んでいるならやらせてあげたいと思って。「分かった。じゃあ片付けは頼む…ああ、やり方とかも教えてやるよ、一緒にやろう」そこまで数はないが二人でやった方が早いだろうしやり方も教えてあげたいしでそれなら二人でやった方が良いなと結論が出て。空いた食器を持てるだけ持って流しに運べば彼が来るのを待っていて )
ふふ、そうかもしれない。
( 彼の言葉にクスクス笑いながら頷けば城の料理人たちを思い浮かべる。全員を把握しているわけではないが中にはプライドの高い料理人もいるから、きっと直接彼に言ったことを言えば次の日には豪華な食材を使って腕によりをかけるのが想像つき。料理も片付けも教えてくれるという彼にお礼を言いつつ、残った食器を持って彼のあとについていってはひとまず手に持ってる食器を彼に習い流しに置いて。「 …たしか泡をつけて汚れを落とすんだよな… 」やったことがないとはいえ何となくで言うも洗う手順だとかどういう汚れ物から先に洗えばいいかなど細かい知識はないため、いきなりスポンジを手に持って相手を見遣り )
腕を捲らないと袖口濡れるぞ。後油ものは少し浸けておいた方がよく取れるから先に食器類から洗った方が良いぞ。こうやってスポンジを濡らして洗剤もつけて…。
( 何かを洗うと言う事は理解しているがどれから洗うのか手順が分かっていなさそうな彼は即行でスポンジを手にしているのを見れば、先に袖を捲らないと濡れるぞと声をかけて手を伸ばし此方が彼の袖口を捲ってやって。そして洗い物のやり方を彼に教えてはスポンジを握る手に己の手を重ねてお湯を出してスポンジを濡らせば環境に優しいし手にも優しい洗剤を少量スポンジに垂らせばスポンジをもにゅもにゅして泡立てて。「ほい、これで洗っていけばいい。滑るから気をつけろよ」彼の手から手を離して泡のついた手をお湯で流せば一旦お湯は止めてから注意点を付け加え、洗っていいぞと声をかけて )
ありがとう。…洗い物は意外と奥が深いんだな。俺が洗い物をしたと父上が知ったらお怒りになりそうだが…
( 袖をまくってくれて丁寧に洗い物の仕方を教えてくれる彼に微笑みを向けてお礼を述べては、彼が準備してくれた泡立つスポンジを使って忠告通り滑らないように注意しながら食器を一つ一つ慎重に洗っていき。初めての経験に少し心を踊らせながら染々と述べては己の知る限りでは己よりも堅物な父のことを思い浮かべて小さく笑い。それからたっぷりと時間をかけて鍋や包丁などの調理器具も洗っていきしっかりと水洗いも済ますと達成感に満ちた顔でフーと息を吐き、袖口で額を拭って。「 ギルス、洗い物が出来たぞ。…ふふ、指が少しふやけてしまった 」どこか冒険を終えたときよりも嬉しそうな微笑みを溢しては、長いこと洗い物をしたせいでしわしわにふやけた両手を広げて楽しげに笑い彼に見せて )
ああ…だからこれも内緒な?俺の首が確実に飛ぶ。
( 彼に洗い物をしたとあっては父親…詰まるところ現在の王に怒られると漏らされればそれをさせた自分の首が危うくて内緒な?と人差し指を唇に添えて告げて。何だか彼との内緒事が増えていくなと思いつつもそれはそれで二人の間だけの秘密なこともあり嬉しくもあって。「お疲れさん。はは…ほんとにふやふやだな。助かったよ、ありがとなアレック」笑いながら洗い物の成果のふやけた手を取ってしげしげ見つめてクスクス笑ってお疲れさんと告げては礼を口にして。頑張ってくれた彼に少しはゆっくりして貰おうと思えば「アレック、ゆっくりしてから風呂入るか?疲れてるなら明日入っても…いや、入りたいなら俺が髪とか洗ってやろうか?」ゆっくりしようと告げ彼をソファへと背を軽く押しながら連れていき座らせて。この後、彼が風呂に入りたがるようなら疲れているなら自分が洗ってやっても良いなと思ってはそう伝えて )
それは困る。ギルスは一番信頼しているんだ。ずっと傍に居てほしいくらいなのに。
( 彼の首が飛ぶと聞けば即答で困ると答え。ずっとなんて絵空事が叶わないのは分かっている。彼には彼の人生がありいつかはこの関係に終わりがくることも。でもその中でも少しでも彼の傍にいたいと願えば、内緒と言う彼の言葉に頷いて微笑み。洗い物を終えて労ってくれる彼に背中を押されるままソファに腰掛けては続く言葉に耳にしてやや慌てて「 い、一緒にか?…いや湯浴みはさせてもらいたいが一緒には…その恥ずかしい。一人で洗えるよ。 」これまで誰かと共にお風呂に入ったことなどなく素直に恥ずかしいと告げれば首を横に振り。でも潔癖症ということもあり身体は綺麗に流したく、一人で出来ると頷いて )
…ずっと…ありがとな…俺もお前が将来を誓う大切な奴が現れるまでは見守りたいって思ってたら…そう言って貰えて嬉しいよ。
( 彼から漏れた本音だろうか気遣いだろうか…どちらにせよずっと側に居て欲しいと言われるのは…信頼していると言われるのは嬉しいもので。彼に将来を誓い合う相手が現れるまでは見守りたいと思っていたこともあり彼の言葉はにやけてしまうほどで。嬉しいと素直に伝えつつ一緒に入ると言われ照れている彼に「そうか…残念だが無理強いするつもりもない。ゆっくり入ってくれな」残念だと溢しつつも一番に優先すべきは彼の気持ちなため一人で入ると告げる彼を尊重して )
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