義賊のギルス 2019-11-25 23:28:40 |
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( 彼の言葉は優しく心強い。此方の心に寄り添う言葉は己の心に安寧をもたらしてくれ自然と肩の力を抜かせてくれる。一人で全てをやろうとしなくてもいい。その言葉を胸中に留めつつ着替えを終えて、続く相手の言葉を聞き入れて。どうやら己の格好は合格。ホッと胸を撫で下ろし、剣の話に移れば持ち手の部分に軽く触れて「 そうだな…。私はあまり城外には出たことがないから顔はあまり知られていないと思う。剣は盗まれないよう充分気をつけるよ。…嗚呼…そのことなら問題ない。手入れさえすればすぐに錆びることはないだろうし、この剣の柄についている石は王族に伝わる魔石で不思議な力で剣や持ち主を守ってくれるのだと母上が教えてくれたことがある。このペンダントの石も然り。詳しくは分からないのだがな。…ちなみにこの話は口外禁止だ。 」剣やペンダントの魔石は一見するとただの宝石だが、実際は王族だけに伝わる魔石なのだという。その効力は未だ発揮されたことがないし、発動方法も分からないので己自身詳細は分かっておらずペンダントが仕舞われる胸元に手を当てながら肩を竦めて。そしてこの話は門外不出であるのだが、相手になら話していいと思えたので、声を潜めて語れば最後に人差し指を口元に添えて弧を描くよう微笑み。「 さて、支払いは城の資金からするとして…これからどちらに向かえばいいんだ? 」今手持ちは残念ながら無いが店主には城の金庫に請求して貰えば何とかなるだろう。それよりも己にはこの先の道のりが右も左も分からないため相手に視線を向けては軽く首を傾けて )
そうか、なら安心だな。へえ…珍しい魔石が使われてるんだな…ああ、そこは心配しなくていい。誰にも言わないよ。ただお前が俺が他人にペラペラ話すような男だって思ってるなら一筆書かなきゃだけど。
( 彼から剣に関する国宝機密的なことを聞いた気がするが元より他言するつもりはないため変に緊張したりすることもなく、寧ろ手入れすることが出来るのであれば錆びる心配もない。王族が所有する剣は実用的でないものもあり傷をつけてはいけないから手入れも出来ないものもあったりするので安心だと笑って。彼から剣についている宝石の話に興味ありげに剣についた石をしげしげ眺めつつ成分鑑定したいなぁと密かに思いながらも他言無用だと唇に指を押し当てる姿もどこか気品溢れる彼に目を細めてそこは問題ないと口にして。少し冗談めかしに自分を信用出来ないならとおどけて話してみるも当たり前に本気ではない。彼の着替えも終わったし準備は万端。これからどこに行くんだと問う彼にそういえばまだ説明していなかったなと思いつつ、彼から着替えて元々着ていた服を受け取り自分の荷物入れに仕舞ってあげては「これから行くのは街の外だ。北にあるヴェナル洞窟へ向かう。洞窟までそこまで遠くはないがモンスターも普通に出てくる。街付近から洞窟までの道中にいるのは比較的弱いモンスターだから手こずることはない。お前の良い実戦練習になるんじゃないか?ま、お前の能力的に言えばちょっと敵は弱いけどな。モンスターと戦うってのを覚えるにはうってつけだな。んじゃ出発するぞ」これから行く場所の説明から道中出てくるモンスターのことを彼に話して。良い実戦練習になるなと付け加えるとポンポン彼の頭を撫でては行くぞと声をかけて装備屋から出て二人街の外へと歩を進めて )
思ってないさ。貴方がお喋りな男だと思っていたらこんな話はもとよりしない。
( 冗談めかしておどける相手に口元に手を当てて小さく笑いを零しては信用しているから話したのだと暗に告げて微笑みを零して。己の服を持ってくれる相手に礼を告げつつ店の外に出てこれから行く場所を聞けば、そこは知識としてしか知らない場所で。「 …ヴェナル洞窟…本でしか読んだことがないが、貴方の足手まといにならないよう励むよ。 」道中出てくるモンスターは己より弱いと聞くがそれも油断は出来ない。彼の言うように手慣らしと実戦練習に収められればいいが…とまだ見ぬ未知の世界に不安を抱くも彼の手が頭を撫でれば不思議と不安が和らいだ気がして微笑みを零し )
( __ヴェナル洞窟付近、街を抜けて森の中へ入ればそこは別世界。昼間だと言うジメッと薄暗い森の中は足場も悪くて胸中の恐怖と不安を増幅させて。しかしモンスターの中にはそういった人の恐怖や不安を餌にする種もいるため、精神のゆらぎは命取りになる。というのは知識の内にあるが、だからと言って恐怖や不安をすぐに消しされるかと言ったら難しく、いつモンスターが飛び出てくるか分からない状況の中、神経を研ぎ澄ませて周囲に警戒を向けていて )
…アレック、ここの森もこの先の洞窟も新米冒険者の肩慣らしの場に使われている場所だ。今通ってきた道のモンスターよりは少し強くなっている。さっきみたいに落ち着いてやれば問題はないよ。俺もいるしな。
( ここに来るまでの道中、弱いモンスター相手に彼はその動きを注意深く観察して攻撃していた。動きは鍛練をしていることもあり機敏で隙がないようにも見えるがまだ荒削り。でもそれは実戦経験がないだけでモンスターに戦う事に慣れていけば解決することで。ヴェナル洞窟に続く森を彼と共に進む。ここのモンスターはここに来るまでのモンスターよりは若干強くなる。彼もそれを肌で感じているのだろう、より気を張り詰めているように見えて。敢えてそのことを今の彼に改めて伝えることはより緊張したり気を張らせてしまう可能性もあったがなにも知らないよりは知っていた方が対処しやすいこともありきちんと伝えることにして。しかし不安にさせないようにいざとなれば自分も隣にいるし落ち着いてやれば大丈夫だと穏やかに付け加えて )
嗚呼、有難う。…あなたが傍に居てくれるだけで心強い。だが先程から嫌な臭いが…
ッ
( 相手の的確な話は緊張した精神を程良く解きほぐしてくれると同時に相手の存在を強く感じさせてくれる。穏やかな声が心地よく耳に響き何かあっても彼が守ってくれる安心感を齎してくれる。でもだからと言って決してそれに頼って怠けないよう気を張って、周囲に目を配せながら上記を。暫くはモンスターにも遭遇せずにいたがそれが逆に不自然で、それに先程から鼻をつく悪臭が立ち込めており口元を手の甲で軽く抑えては眉を顰めて。その時、上からビシャリと何かがすぐ目の前に落ちてきて何かと思えば下級モンスターの肉塊を喰いつくされた残骸で。「 此れは……、 」嫌な感じがすると思った瞬間耳を劈くよう咆哮を上げて体調3メートルはある狼に似た上級モンスターが上方から飛び掛かってきて。下級モンスターが居なかったのはコイツのせいか。それにしてもこんな所に上級モンスターがいるのは城が襲われた混乱に肖ってかもしれないと思考を巡らせ。が、悠長に考えている暇もなく襲いかかってきたモンスターに剣を向けて断ち切ろうとするも鋭い爪で跳ね返されてそのまま地面に押し倒されてしまう。モンスターが吠える度に酷い臭いがして表情を歪めるも今はそれどころではないと咄嗟に地面に落ちた剣を持ち直して、押し倒された状態のまま上級モンスターの喉元狙って剣を振り上げて。果たして、剣はモンスター喉元を綺麗に貫く。が、なんとモンスターは息絶えることなく自ら剣の持ち手に向かって深く刺さってきて。剣があるため避けるに避けれず、モンスターの鋭い牙が目の前まで迫り、粘度を持った涎がボタリと頬を落ちて。喰われると恐怖に支配されながら「 ギル…ス、 」と引き攣った喉で声を搾り出し相手の名を呼んでいて )
ギガフレイム…!炎舞斬弓!
( 上級モンスターの気配は感じ取っていたため驚いた表情を見せずに炎の上級魔法を放った後に魔法弓を生成して技を続けざまに放って。上級モンスターの体は炎に包まれ断末魔の叫び声を上げてはそのまま燃え尽きて灰と化して。「…アレック、大丈夫か?…怪我は?」地面に倒れている彼に駆け寄り片膝をつくと背中に腕を回してゆっくりと彼の上体を起こしてその顔を覗き込んで。てっきり自分を狙ってくると思っていたが予想に反して彼を襲ってしまい結果怖がらせてしまった。「…怖がらせて悪かった…ごめんな…」ポンポンと彼の髪を撫でながら謝罪して )
( 相手居るから大丈夫…そう思っていたが、いざ自分の手では追えないモンスターを目の前にして危機に直面したとき身体は恐怖に支配される。震える声で彼の名を呼びながら死をも覚悟したとき、彼の声で魔法呪文が唱えられると瞬く間に上級モンスターは紅蓮の炎に焼かれて灰となって消えていって。暫く硬直した身体は言うことを聞かずに動けずにいたが、相手が上体を起こしてくれて頭を撫でられると緊張の糸がほぐれてハッと無意識に止めていた呼吸を吐き出して。「 大丈夫だ。怪我はない。…それにギルスが謝ることは何もない。俺が油断したのがいけなかった。助けてくれてありがとう 」視線を落としたまま言葉を紡ぎ、大丈夫と口にするが助かった安心感からかカタカタと小さく身体が震えだして。「 ッ…本当に大丈夫だから。すぐに止まる… 」情けない…こんなことでは城は救えないと震えを止めようと自分の肩を抱くも震えは止まること無く、己の弱さに唇を噛み締めて )
お前は何も悪くないよ、アレック。悪いのは俺だ…お前はちゃんと警戒してただろ?俺は上級モンスターがいるのに気づいていたのにお前が怖がるかと思って何も言わなかった。
ちょうど上級モンスターは俺を狙っていたから。俺を狙ってるなら狙わせておいて襲い掛かってきた所をお前と一緒に倒そうと思ってたんだ…お前の経験にもなるし…それが仇となった…本当にごめん…。これからはちゃんと話すようにする…お前が無事で…よかった…。
( 此方は悪くないと一切責めずに震える彼に手を伸ばして引き寄せ抱き締める。寧ろ彼は何も悪くない。やっぱり悪いのは自分だと強く思っては言い分けがましく聞こえてしまうかもしれないが自分は上級モンスターがいることを分かっていて彼に言わなかった理由を話して。一緒に彼と倒したかった。上級モンスターと戦う経験を彼に体感させたかった…でもそれも全て話せばよかったと自分の落ち度を間違った選択を許せずに悲痛な声で再度謝って。どれだけ自分は学ばないのだろう…無くしたものは決して少なくはないのに。彼まで失ってしまう可能性がある選択肢を何故選んだのか…モンスターが狙いを変えるのなんて珍しいことではないのに…。彼が無事でよかったと付け加えるように溢して )
( 彼に抱き寄せられると始め身体がこわばるもすぐその匂いと温もりに身体の力が抜けて震えも止まっていく。まるで魔法のようだと思っていれば頭上から彼の悲痛な声が聞こえてきて、その声に胸が痛むも同時に不思議と己の中の恐怖心を緩和させてくれて。「 ギルス…、」ポツリと彼の名を零しては抱き締められたまま少し顔を上げて彼の頬に手を伸ばして「 貴方は俺のことを考えてくれたのだろう?結果的にモンスターから俺を救ってくれたし何も問題はないよ。それに戦いにおいて恐怖心を忘れてはいけないと、誰かに教わったことがある。だからある意味これは良い経験になったのかもしれない。何より貴方の華麗な上級魔法ももこの目で見ることが出来た…。…俺を守ってくれてありがとう、ギルス。 」だからどうか貴方自身を責めないで欲しいと心の中で告げながら柔らかく微笑むと彼の頬をすりっと撫でる。こうも落ち着いていられるのはきっと相手の腕の中にいるから。相手に身を委ねていたがフとタラリと自分の頬に伝う粘着物に気付く。それは先程の上級モンスターのよだれ。冒険に置いて汚れなど気などしていられないのは分かっている。だが、少々潔癖症のきらいがあり実戦に慣れぬ己はウッとあからさまに眉を寄せてしまい、どこか拭いて欲しげに眉を下げて赤茶色の瞳を見詰めて )
アレック…ふ…相変わらず潔癖な奴だな…ちょっと待ってろ。
( 今しがたまで震えていた彼が今は自分を励ましてくれている。頬を撫でられ彼の穏やかな微笑みを見れば身を裂くような痛みは和らいでいく気がして代わりにじんわりと胸が温かくなっていき。そんな彼の表情があからさまに変わる。それは先程の上級モンスターの涎が原因で。此方を見やる彼に自然と口元に笑みが浮かべば道具袋から真新しい布切れをを取り出して彼の頬を脱ぐってやって。相変わらず潔癖なところがあるなと思いつつ実際に口に出してしまうもそれは責めているわけではない。彼らしいなと思えばふわりと穏やかな笑みを浮かべて「よし、先行くか」と声をかけては今度は自分が先頭を歩いて )
ありがとう…。ところで洞窟へは今日中に辿り着けるのか?夜になるとモンスターの動きが活発になるのだろう?
( 此方を責めない相手に頬の汚れを拭かれればその布切れの柔らかさに目を細めて礼を言い。そして相手に続いて立ち上がれば剣を腰に掛け直す。剣はさっきまでモンスターの血で汚れていたがいつの間にか綺麗になっており、これが魔石の力なのだろうかと思いつつ相手の少し後ろを歩いて。先程のような上級モンスターに出くわすことはなく相手の助けを借りながら下級モンスターを倒していけば随分森深くに来たように思い。行き先は聞いていたが、モンスターの活動時間や帰りの時間を考えると泊りがけになるのだろうかと疑問に思い、少し先を歩く相手を見て問いかけて。泊りがけになれば当然城内のような暖かくて上質なベッドも雨風から凌いでくれる部屋もない。野宿かな…と周囲の森に少し視線を遣るもすぐに相手へと視線を戻して )
ここは新米冒険者が修行がてら朝から中に入って肩慣らしして出てこられる場所。さっきみたいな上級モンスターが襲って来なければ…と言うのと深い階層まで進まなければ…てのが条件だけどな。俺たちが探すのは毒徐草と呼ばれる洞窟内に生えてる薬草の1種。レアなものじゃないからすぐに見つかるし、帰りは俺の転移魔法で街まで一気に戻れるから大丈夫だよ。
( 彼が気にしているのはきっと野宿をしなければいけないことなのだと彼の話から勘づけば今日は大丈夫だとの意味を込めて説明をして。これから探すのはすぐに見つかる薬草の1種なため洞窟ももうすぐそこに入り口が見えている。中に入って数分足らずで必要個数を手に入れられるし帰りは自分の転移魔法で街まで一瞬で辿り着けるから心配はいらないと彼に告げて。「─でも今日じゃない、いつか…お前には野宿を経験させちまう可能性もある…なるべく質素にはなるがベッドで寝かせてやりたいとは思ってるけどな…そうなったら悪い…」しかしこれから先場合によっては彼に野宿を経験させる可能性があることを前以て伝えておき。自分だって彼を野宿させたいなんて思ってはいないが何が起こるか分からないこともあり伏せ目がちに頭を掻きながら謝って )
転移魔法か…体力も使うし大変なんじゃないのか? それに野宿は経験しておきたいと思っていた。だからその時はその時…貴方に頼ることにはなるだろうが問題はないよ。
( 城内が襲われたことでモンスターの動きが活発化しているように見えたが彼の話を聞きここの階層では先程の例外を除いてはその心配もないようで安堵しつつ、少し先にある洞窟の入り口に目を遣って。野宿ではないと聞いて今日は精神的にもまだ参っていたこともあり少し安心するも帰りの方法を聞いて相手の体調が心配になる。相手は優秀で力があるのは知っているが転移魔法…しかも己も一緒にとなると相手への負担が大きいのではと眉を下げて視線を遣り。そして今後野宿をすることになるかもと謝られれば、彼は何も悪くなく頼りにしていること告げれば小さく微笑み足を進めて。暫く行くと見えていた洞窟の入り口にたどり着き中を覗く。薄暗い洞窟は湿っぽくて更に足場が悪くなっていたが、彼が居てくれる心強さから己から足を一歩踏み出して奥へと進み。毒除草は写真などを見たことがあるためどんな薬草かは知っているが、薬草は良く似ているもので毒草もあったりするので見間違いのないよう注意しながら毒除草を探して。「 ギルス、この薬草で合っているか? 」薄暗い洞窟の中、注意深く薬草を見極めて毒除草の生態などを思い出しながら探しては、洞窟の壁に生えていた薬草を見つけると相手に振り返ってこれで合っているか尋ねて )
(/すみませんご報告があります。私が今日インフルエンザにかかってしまいました。高熱が落ち着くまでは返信出来そうにありません。そのことをお伝えに参りました。落ち着き次第戻って参りますのでお待ちいただけると幸いです…)
(/こんばんは。この時期にインフルエンザは大変ですね…。
お辛い中ご報告ありがとうございます。此方のことはお気になさらずにゆっくりお休みになってくださいね。背後様が元気になられてからまたお話できること楽しみにしております。)
(/ありがとうございます…お待たせしました…。何とか病院で貰った薬で熱が微熱くらいにまで落ち着きましたのでお返事に参りました。しかしまだ病み上がりな身なので返信速度は少々スローペースになります…)
いや、体力は使わないよ。使うのはMP(マジックポイント)な。大丈夫だよ、俺MPは高い方だから。気にしてくれてサンキュ。そうか、それを聞いて安心した。ああ、もちろん何でも聞いてくれな?
(彼の心の疲弊さの全てを分かってはやれないだろうが野宿はやっぱりさせられない。彼も目当ての薬草が近くにあると聞けばホッとしたような表情を見せてくれつつも帰る手段は転移魔法だと知るや否や心配そうに此方を見やる様子に転移魔法はMPを使うこと自分はMPが高いことを伝えて。後々色々教えていかなきゃなと思いながら自分に教えて貰って野宿も経験したいと前向きな言葉をくれる彼にふとこいつは凄い奴だなと笑みを浮かべて。彼にとって必要なかとなら自分はそれを与えるのみ。彼と共に洞窟の中に足を進めては程なくして彼が目当ての毒徐草を発見したようで自分を呼び声に近づいて「アレックは勤勉だな。正解。ざっと30くらいあれば足りるか…あともう一頑張りだ。一緒に頑張ろうな」彼の目線の先を追い正解だとポンポン頭を撫でてやればもう一頑張りしようなと告げて )
(/返信有難う御座います。返信ペースはゆっくりで大丈夫ですよ。
まだまだ油断できないと思いますし背後さまのお身体をどうか優先してください!これからもよろしくお願いします)
MP…そうか体力は関係ないんだな。勉強になったよ。…その、俺にもMPを鍛えることは出来るんだろうか?
( 転移魔法の発動方法を知れば興味深げに頷き、野宿のときも助けてくれる様子にありがたく思って相槌を打ちつつ、己にも生まれ持ったMPはあるはずでそれが気になり。しかし何故か教育係たちは魔法の特性は教えてくれても発動方法や実技は教えてくれなくて魔法に関しては興味があってもできることはなくて。少しでも城の為に、国の為に、相手のために役に立ちたくて、その決意を秘めながらも己には素質がないか断られるかもしれないという不安が瞳や声色にやや滲みでて。「 ありがとう。嗚呼、あの子供に早く元気になって欲しいからな。…帰ったら一緒に解毒薬を作ってもいいか?少しでも覚えておきたいんだ。 」彼に褒められると胸の底がじわりと温かくなるのを感じて微笑みを溢し、今までやり甲斐を感じられなかった勉強が彼に褒められただけで漸く報われた気すらして、頑張ろうの言葉に頷いて少し声色に明るくして薬草を着々と集めながら尋ね )
(/ ありがとうございます。お優しい…体調が完全に落ち着くまでお言葉に甘えさせて頂きます…。あ…明けましておめでとうございます…今年もよろしくお願い致します…。去年はアレックくんに会えて幸せな年で…今年は少しでもアレックくんと仲良くなって二人切磋琢磨する年になればと思っております…)
そうだな…魔法剣士や聖騎士になればMPの成長の伸びが良い。それにお前もレベルが上がって属性技とか覚えたらMPも増えていく、大丈夫だ。それにモンスターが落とす種とかあるからそれを調合してアイテムを作ってステータスの底上げしたりな。
( 不安げな瞳は此方を見つめてくる。自分のMPは育つかが気になるのだろう。剣士と言う職業はどちらかと言えばHPが育ちやすい。しかしある程度ステータスを上げたり装備品を変えたりレベルアップの際の能力値の振り分け方等でいかようにも育っていける。その全てを一度には教えることはしないながらも大丈夫だと彼に声をかけて。彼はどこまでも真面目で勤勉だ。戻ったら調合をやってみたいと申し出てくる様子にニッと笑みを浮かべて「ああ、良いぞ。じゃあ帰ってからは少しだけ調合のお勉強だな。でも初日からそんなに飛ばさせないぞ。ゆっくりで良いって言ったろ?調合終わったら俺の家に行こう。風呂もあるし、ベッドもある」でも初日から飛ばしすぎな気もして心配になるのも事実で。調合も無理させない程度にさせてその後は自分の家に転移魔法で飛んでゆっくりして貰おうと思いつつ彼にも優しく告げて。二人で集めればすぐに毒徐草は規定数集まり「よし、お疲れ様。必要個数集まったな。アレック、孤児院へ戻るぞ。……略称…“転移”」労いの言葉を彼にかけては早速戻ろうと本来ならイメージ力を継続させたり魔力を安定させたりで長ったらしい詠唱が必要だが、自分にはそれは必要なく。それらをカットする略称を用いて転移魔法を唱えて。自分と彼の足元へ魔方陣が現れ光を放つ「アレック、そのまま目を閉じて…身を任せてろよ…決して陣から出ないこと…約束、な…」伸ばした手で彼の頬をするりと撫でればスウッと肉体は消えていき。次に瞳を開ければ孤児院の入り口に移動して来ていて。そろそろ来るかなと彼が転移されて来るのを待っていて )
(/明けましておめでとう御座います。そして嬉しいお言葉有難う御座います。
自分もギルスさんと背後さまと出会えたこと嬉しく思います。アレックと同じく自分もまだまだ未熟者で至らない点がありますが、今後も仲良くして頂けたら幸いです。こちらは蹴り可です。)
( 彼の分かりやすく適切な説明は頭にすんなり入ってくる。加えてこちらの早く知りたいという知識欲を受け入れながらも身体を気付けってくれる優しさに、やはり相手は素敵な人だと改めて尊敬し直して。そして彼の整った口元から魔法が詠唱されると彼の忠告に少し緊張の面持ちで頷き、魔法陣から出ないように彼に少し身を寄せて。頬を滑る彼の手にピクリと肩を揺らした時はもう彼は光の中…そして己もすぐに不思議な感覚に包まれては浮遊感に襲われ、次の瞬間には孤児院の地に足がついて。しかし初めての転移に足が浮ついており少しふらりと足がもつれれば相手の胸元に軽く倒れかかってしまい。「 ッ、すまない。…しかしすごいな。あっと言う間だった。きっとギルスの詠唱が優れているから此処まで安定して転移出来るのだろうな。…本当にすごい。 」彼の肩に片手をついて少し離れるとやや声を弾ませてたどり着いた地を見回す。転移魔法は下手な人がやると頭やお尻から落ちたり、酷い時は全く別の地へ飛ばされると聞く。だが彼の転移は不快感が一切なく安定していて流石だと目を輝かせ。「 と、こうはしていられないな。…この薬草を調合しないと…。」腰に下げる薬草が入った除毒草に視線を落としてはまずどうすればいいのか彼の言葉を待ち視線を向けて )
っとお疲れさん。褒めてくれてありがとうな。俺の場合は略称で詠唱を省いてるんだ。頭ガチガチの魔法使いからは魔法なのに詠唱しないなんてとか僻まれるんだけどな…発想力や想像力が欠落してるから略称出来ねえだけなのによ…。
( 魔法には詠唱が付いて回る。詠唱あっての魔法。と言うのが魔法に携わる者の大抵の考え方。が自分は敢えて面倒な詠唱を省略してしまい魔法を発動するという言わばイレギュラーなことをしているわけで。全ての魔法使い達が自分に協力的なわけではなく、一部の頭ガチガチの魔法使いからは良い風に思われてはおらず衝突することも時々あって。褒めてくれる彼にお礼を告げつつ少々愚痴ってみせて。しかし嫌な雰囲気を長引かせることなく早速調合をしようとしているがやり方がわからず此方に視線を向ける彼に「まずは……頭で天秤を念じる…すると…これが出てくる」目を閉じ天秤をイメージすると目の前に魔法の光が集まり煌めいては大きめの天秤が出現して。「んでこの片方に毒徐草を乗せてもう片方に…この天使の葉を乗せて…液体を想像して…“調合”」再び目を閉じて頭の中に液体をイメージしては天秤に乗せた二つの素材は光輝きその光は一つに合わさって─ポンッと音を立てて瓶に入った上級毒消し薬が三つ現れて「よし、品質も悪くない…こんなもんかな…。調合はイメージ…想像力が要だ。見てるだけじゃ難しいかもしれないが実際にやってみると簡単だから、アレックもやってみろ」とニッと屈託なく笑ってやってみろと彼に伝えて )
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