「主」 2019-11-24 22:36:01 |
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>20
ん、どうも。
──俺も逆に、おまえほど仕事熱心な奴と組める気がしねえよ。今だって同じ部署にいても、お互い持ち場が別ってことでやっていけてるわけだしな。
(彼女の好意にすんなり甘え、黒髪を?きあげながらその隣で何とはなしに様子を見守る。華奢な手は──折れそうな白い手首にどうにも目が引き寄せられる──要領よく二人分の皿を洗いあげていき、普段から万事をてきぱきとこなしているのであろう彼女のそつのなさをうかがわせた。
相棒、という言葉に、笑う彼女と自然と目が合い、その穏やかな表情を見つめる。今の彼女を見る限り、今朝の寝起きの時のように性根は生真面目であるものの、柔軟さも充分に感じ取れた。たとえ一課で幅を利かせている横暴な親父と組むことになっても、器量の良さもあってうまくやっていけるのだろう。こうして彼女と密に話すのも、今日が最後なのだろうな、などと思った、そのときだった。
ベッド脇に投げていた鞄のなかで仕事用のスマートフォンが震え、職業柄瞬時に部屋を横切って手に取る。電話口から少し音漏れするほどの声量で話しかけてきたのは、上司である鍋島だった。話を聞きながら、突然の出勤要請を受けたことをアイコンタクトで彼女に伝え──悪気もなく、プライベートで同僚とともにいることを上司にすんなりと話して。)
はい、佐田です。ええ、……今日……? ──各務なら、隣にいますけど。
>21
──…それは一理あるわね。
( 皿洗いをしている最中、前髪を掻き上げる彼の仕草に見惚れ、しかしすぐにふいっと手元の食器へ視線を戻す。まだまだ彼のことを詳しく知っているわけではない。先程のように鎌をかけるようなことをするため一概にいい人とは言い切れず、どことなく掴めない雰囲気を持っている印象である。正直なところ、もし彼と組むことになればどんな日々になるのかと想像ができない。相手とは仕事へのスタンスも異なるのだから、衝突もあるかもしれない。
それならば、今のように部署は同じでも役割が違うくらいの方が気楽だろう──などと考えて深く頷いている耳にスマートフォンが震える音が聞こえ、相手が電話に出る。しかも自分にまで聞こえる声の主は先程異動の件で話に出た上司。相手と視線が絡めば察しがつき表情を引き締めて緊張しながらも皿洗いを終えて蛇口を閉めたが、誤解を生むような言葉が彼の口から飛び出れば一瞬だけ動揺を孕んだか肩を揺らす。すぐ様冷静になり、つかつかと髪をたなびかせながら相手の元へ向かって耳にあてがわれたスマートフォンを奪う。そして良からぬ誤解を否定しようと首を振って上司に述べ、指示を仰いだ。
しかし、上司から告げられた言葉に呆気に取られ目を大きく見開きつつも相槌を軽く打っていれば、上司からの電話は切れてスマートフォンを耳から離したが、まさかこんなことになるとは、と表情が物語っていて。 )
──おはようございます。誤解です。昨日の飲み会で佐田が飲み過ぎて送っていっただけですから。それで出勤は──え?一課に異動ですか。私と佐田が。……はい、わかりました。今向かいます。
(/ 連投を申し訳ございません、読みにくかったため訂正、加筆いたしました。後ほど>22は削除依頼しようかと思います。 )
(大きな目を見開いた彼女の口から発せられた言葉に、大人気のかけらもなくあからさまに「げっ」という顔をしてしまった──先ほど観たニュースからもわかるとおり、一課は今一番忙殺的な部署で、ゆえに敬遠したかったポジションだ。非番の日の出勤要請は珍しくないが、いきなりの異動を伴うとなるとどうにもきな臭い。もっと仕事に手を抜いておけば声はかからなかっただろうかと後悔したが、後の祭りというもので。
さすがに彼女と組むことにはならないだろうが──なにせふたりとも他部署から参入する身だ、それぞれ偉そうにこき使ってくるベテランと組まされるはず──電話を切り、信じられないといった表情でこちらを見る彼女に対し、こちらも信じたくないと言いたげな表情をありありと浮かべた顔を向ける。なぜか刑事であるはずの自分がお縄になったような気分だ。苛立たしげにガシガシと頭を掻いて溜息をつくと、それでも動かねばならないと諦めて再び顔をあげ、これからのことを相談し。)
……各務はどうするよ。一旦家に帰るか? このまままっすぐ行くってんなら、シャワー貸すけど。
(/畏まりました、お気になさらず! ご丁寧にありがとうございます。)
>23
(大きな目を見開いた彼女の口から発せられた言葉に、大人気のかけらもなくあからさまに「げっ」という顔をしてしまった──先ほど観たニュースからもわかるとおり、一課は今一番忙殺的な部署で、ゆえに敬遠したかったポジションだ。非番の日の出勤要請は珍しくないが、いきなりの異動を伴うとなるとどうにもきな臭い。もっと仕事に手を抜いておけば声はかからなかっただろうかと後悔したが、後の祭りというもので。
さすがに彼女と組むことにはならないだろうが──なにせふたりとも他部署から参入する身だ、それぞれ偉そうにこき使ってくるベテランと組まされるはず──電話を切り、信じられないといった表情でこちらを見る彼女に対し、こちらも信じたくないと言いたげな表情をありありと浮かべた顔を向ける。なぜか刑事であるはずの自分がお縄になったような気分だ。苛立たしげにガシガシと頭を掻いて溜息をつくと、それでも動かねばならないと諦めて再び顔をあげ、これからのことを相談し。)
……各務はどうするよ。一旦家に帰るか? このまままっすぐ行くってんなら、シャワー貸すけど。
(/畏まりました、お気になさらず! ご丁寧にありがとうございます。
そして大変恥ずかしながら、安価を忘れてしまったのでこちらも再登校いたしました。申しわけありません…!)
>25
一旦帰るわ。ここからなら家が近いし。朝ご飯までご馳走様。お邪魔したわね。またあとで。
( まさかこんなに早く自分の希望が叶うとは思っていなかったため、信じられない気持ちのまま相手にスマートフォンを返す。チャンスの神様は前髪しかない。迷っていては機会を逃してしまう。きっと今は好機である──と期待と不安に胸を膨らませながらも気を引き締めている自分とは対称的に、頭をガシガシと掻く彼の姿が視界に止まる。先程"一課は物騒だ"と煩わしげに話していたことを思い出せば、相手にとっては非常に不満の残る配属だろうと苦笑を零さずにはいられない。投げ掛けられた問いに数拍間を置けばハンガーにかかったコートを羽織り、部屋の隅に置かれたバッグを手に取る。飲み会で酔い潰れた相手を送り届けただけではあるが、礼儀としてしっかり朝食までご馳走にはなったことにしっかり挨拶や感謝を告げると、手をひらひらと軽く振って部屋を出ていく。腕時計を見ればいつの間にかお昼を回っていた。帰宅したらシャワーを浴びて着替えて、すぐさま出勤しなくては──と分刻みでタイムスケジュールを組めば、あっという間に自宅に辿り着き予定通り準備を進めてまた仕事へと向かい。 )
(/ありがとうございます。
かしこまりました。こちらこそ丁寧にありがとうございます。
キリがいいところなので場面転換を主様にお願いできれば幸いです。お手数おかけします。また、レスしやすいロルを回してくださりありがとうございます。
自分で刑事もの、と提案しておきながらまだまだ描写が甘い部分が多々ありますので、ちょっと勉強してまいります…。 )
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