図書委員長 2019-11-24 02:38:36 |
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…悪い、だからほら、コート、古い方売り飛ばして新しいの買ってきたから、許してくんねえかなぁ?
(怒っているような相手の態度に少し凹むもののあまり態度には出さず、強げな雰囲気で悪いと苦笑いしながら言い、相手の態度を治すために焦り、自分で持っていた新しいコート、新品らしい独特の匂いばかりで彼の香りはしないものの、触り心地や着心地、温かみも違く、しかしその為に自分が愛用していたコートを売ったらしく、冷風に常に当たっていたからか頬が真っ赤だが、相手のご機嫌とりのために必死で言い)
んー?あー、あー……物騒なこと、危ないこと、に使うって言ったら、怒るか?
(ベルトから一本、暗闇でも輝く矢尻を切れない程度に指でなぞり、聞かれると嘘をつくのも忍びなく、きっちり本当のことを言い、そして聞いて)
え?…さっきの桐島さんの慌てた感じ、お買い物に行くようには見えなかったんだけど…。
(予想外の相手の言葉にキョトンとし、元々怒っていなかった為あっさりと普段の調子に戻ると、不思議そうに瞬きを繰り返しながら相手を見つめ、部屋を出ていく時の相手の焦った様子や数時間戻らなかったことと、コートを買ってきたという行動がどうしても結びつかずに混乱し、戸惑っている様子でぽかんとしながら尋ねて)
怒るっていうか……悲しむ、かも。
(相手の言葉に眉を八の字にし、相手には相手の事情があるのだろうということは承知しており、相手を信じると決めた以上は相手の行動に反対する権利もなく、反対するつもりもないものの、やはり心配なものは心配で、危ないことはしてほしくないのが本音の為、困ったように笑いながら相手を見上げると、怒りはしないものの悲しむと正直に答えて)
いやまぁ、買い物は目に留まったからしただけだし、別に言う必要もねえし、聞いて良いモンもねえし……
……聞くか?聞きたいなら聞かせるぞ。
(ある用事の帰りに目に留まった洋服店、自分の黒コートと似ていたから購入し、私用としてではなく、相手にプレゼントする用に買ったコート、そして本題の用事はあまり心地いいものでは無いらしく、聞きたいなら言うが率先しては言わない、と苦い顔で相手に聞くか聞かないかを聞き、いっそ聞いてくれた方が楽だ、と内心思いつつ)
……そっか、うん、そうだよな。
これは危険なことだ、でもしなきゃいけないことだ、しなければ、誰かが傷付き、命を落とすかも知れない。
だから俺はこれをやめる事はできない。
…でも、できる限り危険な行動は避ける、遠回りになるとしても危険は侵さない。
怒るのはいい、悲しむのもいい、だけど。
俺の目の届かない所では泣かないでくれ、拭えないだろ?
(悲しむと言う相手の本音を聞き届けると、知っていた、が、かなり心にきたらしく、さらに笑っている所を見て決心し、相手に詳しくは言わないものの、危険なこと、だけど危険な部分に踏み込むのはできる限り避ける、と言う内容の言葉を放ち、最後にはキザっぽい事を言い、矢をベルトに挟むと言ったことに耐えられず、中庭に顔を真っ赤にして歩き出し)
ううん、聞かない──えと、もしかしてあたしの為に買ってきてくれたの…?
(気にはなるものの、相手が言う必要ないと判断したのであれば聞くつもりはないようで、首を左右に振りながら聞かないと即答し、それよりも恥ずかしい格好のまま相手と話し続けるのに耐えられなくなり、身体に巻いている布団の合わせ目が開かないように手で押さえ、頬を染めてもじもじしながら相手が持っているコートに視線を向けて、コートの話に戻して)
泣かないよ、桐島さんが無事で居てくれたら。そしたらあたし、ちゃんと待つし…だから、怪我とかしないで、絶対、帰って来て?
(命を落とすという言葉に余計に心配になり、自分の想像以上に相手は危険なことをしているのではないかと不安が過ぎるものの、相手が自分のことまで考えてくれているのが痛いほど伝わってくると胸の奥がじんわりと暖かくなり、相手の言葉を信じることにして、無事で居てくれるならば泣かずに何度でも待つことを告げながら、相手の後を追うようにこちらも歩き始めて)
…そうか、ならいい。
?、当たり前だろ、あんな小汚えコートいつまでも着せてる訳にはいかねえし。
……まぁさっきまで俺が着てたんだけど。
(即答されると聞く意思がないのが一瞬で分かり、納得するともじつく相手の理由がわからず、少し不思議そうな顔をすると図書室に入るまで一応着ていた、今は手にかけてあるコートを手で持ち直すと、僅かな間でも付いてしまう埃を手で払い、小声で何かを言いながら相手は差し出して)
……ンな事は分かってる、絶対帰る、無事かどうかは口を濁す事しかできねえが……まぁ、死にはしない、死んでも死にきれねえ、もし死んでも化けて出てやるさ。
(帰ってきて、なんて誰にも言われた事がなく、返す言葉に迷いが生まれるものの、最後にはきっちり、相手との約束のように分かっていると言い、死んでも死に切れない、と、未練を残し、死ぬ予定はないが、イレギュラーが発生しもし死んでも、相手のもとへ戻る、と誓いを当て、水道で顔を洗って)
さっきまでのも暖かくて良かったけど…でも、えへへ。嬉しい。ありがとう。
──え、えっと、あ、じ、じゃあ着替えて来るねっ?
(相手のコートを小汚いと思ったことなどなく、むしろ仄かに香る相手の匂いにドキッとしていたのだが、さすがにそんな恥ずかしいことは言えないため暖かくて良かったとだけ告げて、他に用事があったにも関わらずたまたま目に留まったコートを自分の為を思い買ってきてくれたのだと思うとその気持ちが嬉しくて、思わず顔が緩みニヤついてしまいながら嬉しそうにコートを受け取ると、大事そうに眺め、相手の目の前で着替える訳にも行かずに真っ赤な顔で動揺しながら着替えて来ると伝えると立ち上がり、布団が肌蹴ないように手で押えながらぎこちない足取りで部屋の外に向かって歩き始めて)
…絶対の絶対の絶対、だよ?
ひゃっ、冷た、…さむーい。
(絶対、という言葉を使うのは何だか相手に強制しているようで、少し返事を躊躇うものの、たとえ自分とはずっと一緒に居てくれなくても、相手には絶対に無事でいて欲しいと、そんな想いから切なげな表情であえて何度も絶対、と口にすると、不安な気持ちを誤魔化すように、後ろ向きな気持ちを洗い流すようにこちらも水に触れ、その冷たさに驚いて明るく感想を言いながら顔を洗い)
そうかぁ?まぁでも新品の方がいいだろ、見た目とか、結構値も張ったんだ、使えなかったら色々と困る。
…どういたしまして、俺が出てくよ、お前はそこで着てろ。
(相手の言葉に首を傾げ、相手にとって自分の小汚いコートが良かったとしても、新しく買ってしまった以上実用性を感じてもらわないと完全に損な為、色々と理由つけて言うものの、結局は困ると正直に告げ。
相手が布団を纏って立ち、少し歩くと相手の腕らしき部分を布団ごと掴み、どういたしましてと言ったすぐあと、自分が出ていくと言いそのまま有無を言わさず外に出て行き、扉に背を預けて待機し)
……あぁ、絶対だ。
(絶対、と言う約束に使われる言葉には嫌な思い出しかなく、言われても嫌な感じしかしなかったものの、相手に連呼されても悪い気はせず、一早く顔を洗い終え、手で顔を拭うと、水の感想を述べる相手の背を見据え、儚く微笑むと何か納得したように、絶対だ、と言い捨て)
どっちが良いとか、ないかな。どっちもすごく嬉しかったし、…なんか、桐島さんと一緒に居るみたいで安心?……したし!
わ、分かった、すぐ着替えるね───おまたせ!もう大丈夫!
(相手のコートに包まれていると、まるで相手に抱き締められているような感心感があり、ストレートに言葉で表現するのは照れくさいものの、ニコニコと微笑みながらどちらも嬉しかったと素直に答えて。自分より先に部屋を出てくれた相手の気遣いに感謝しつつ急いで着替え、布団を脱いでコートを羽織るだけのため宣言通りすぐに着替え終わると、扉の向こうの相手に向かってご機嫌な様子で元気よく声をかけて)
じゃああたしも、絶対。泣かないし、桐島さんのこと信じるね。
…冷たいけど、毛穴がキュッて引き締まった感じするー。お肌ピチピチになれるかなっ?
(顔を洗い終わり、ついでに喉を潤すと、顔についた水滴を拭いながらスッキリとした表情で振り返り、絶対と答えてくれた相手に自分も絶対に信じると言葉を返すと、冗談っぽく笑いながら自分の頬に触れてみて、反応を伺うように相手を見上げつつ美肌への憧れを口にして)
社交辞令に聞こえちまう……俺の耳と脳味噌腐りきってやがるぞ……ま、言われるだけマシだ、ありがとな。
……サイズ合ってたか?っていうかコートだけってのもバカやっちまった気がするな、どうせなら下も買っときゃよかった、コートの裾で隠れるラインのはずだけどなぁ……
今結構寒いしなあ……
(相手の言葉が社交辞令を受け取っているように感じてしまい、しかし相手の笑顔と声の質からそうでない事は明らかである為、その考えを振り払い、お礼をして。
相手から大丈夫と言われると扉を開けながら目を閉じて頭を掻きながら中に入り、相手の姿はどんな風に変化しているのだろうと考えつつ自分の失敗を口に出し、目を開けて)
泣きたい時は泣け、感情の制御は大事だが、溢れる時は溢れさせた方がいい。
シラネ、俺はそーいうのに興味ねえんだ。
(絶対に泣かない、と言うのはいい事に聞こえるものの彼自身良いとは思っていないらしく、あふれる時はしっかり溢れさせて、そしてまた溜め込む、適度な発散が大事、と要はそう言って。
美肌への憧れを口に出されても困ってしまい、ぶっきらぼうに答えを返して)
…桐島さんって、自分の魅力に疎いとこあるよね…?
──見て見て、ワンピースみたいで可愛くない?ちょっと大きいけど、その方がちゃんと隠れていい感じー!
ほんとに前のコートも好きだったけど、こっちもすごく着心地いいっ。
(心からの本心を社交辞令と受け取られてしまうと、少し困ったように眉を下げて、相手が謙遜で言っているのではないとしたら疎いというより過小評価し過ぎだと思い、独り言のように心の声をぽろりと漏らして。扉が開くと相手の前で両手を広げ、コートを見せるようにその場でくるりと一回転し、下を履いていないため生足は見えるもののサイズが大きめなお陰でワンピースのようにある程度は隠れていて、その着心地とデザインに満足した様子で微笑みながら感想を口にして)
…ん~、じゃあ、もし泣きたくなったら桐島さん、そばに居てくれる?
えー?興味ないっていっても、ガサガサに荒れてるよりはツルツルすべすべの方がいいでしょっ?…す、好きな女の子のお肌は綺麗な方がいいなー、とか、そういうのないの?
(相手の言葉にそっと微笑むと、先程相手の目の届かないところでは泣かないと約束したため、もし泣きたくなったら相手にそばにいて欲しいと伝えて。お肌のことに興味が無いと言われると不服そうに頬を膨らませ、乙女心としては好きな人の好みを知っておきたく、照れて顔を赤らめながらも相手の方へ身を乗り出し、めげずに畳み掛けて)
?……そうか?自分のことはよく分かんねえから、身内からの評価で測ってるんだが。
んー……俺には可愛い可愛くない図れねえし、あんま言いたくないから、似合ってる、とだけ言っとくわ。
(中から自分に向けて言ったのか独り言かわからない声が聞こえ、中に入ると真っ先に言葉を返し、相手から魅力と言われても、あまり自分に話しかけてくる者も、関わろうとさえしてこないヤツの方が多数の為、自分に厳しく接する身内の判断で己を測っているらしく、ピンとこず唸って悩んで。
そして相手の服装を見ると、男であるがゆえ、相手の生足の方に目がいってしまい、煩悩退散と相手から目を逸らし、似合ってるとだけ告げて)
当たり前だ、拭いされる分はやってやるさ。
…あんまり、キレイな女は好きじゃない。
釣り合わない気がするんだ、文字通り美女と野獣みたいで…な。
(自分から言った事を破る気はなく、当然相手から言われたからと言って破る気もさらさらなく、相手の涙を拭えるだけ殴ってやると言い。
相手が不服そうな感じになると、苦い顔をして淡々と語り出し、あまりにキレイな女は高嶺の花、釣り合う気もしなければ、振り向いてもらえる気もしないと言って)
えっ、桐島さんの身内の人ってそんなに厳しいの…?あ~でも、素敵な人が集まると基準が高くなっちゃうのかな…?
なにそれー、桐島さんが買ってきてくれたのに感想言いたくないってどーゆーことー?…でも似合ってるなら良かった。
(相手の身内の判定の厳しさに驚きつつ、脳内で勝手に相手の身内を想像し、相手にそっくりな人物が横一列にたくさん並んでいる映像を思い浮かべると、一人で納得したようにコクコクと頷きながら小声でブツブツ呟いて。コートを買ってきてくれたにも関わらずそれを着ている姿から目を凝らし、感想を言いたくないと言う相手を不思議に思い、おかしくて笑ってしまうものの、似合っていると告げられると満足したようで、ご機嫌な様子で鼻歌を歌いながら先程自分が纏っていた布団を手に取ると畳み始めて)
でも、桐島さんがそばに居てくれたら幸せだし、泣きたくなるような事なんて起きないと思うんだよねー。それはそれでいっか。
野獣!?誰が?──でも意外……ふふふっ。
(相手の答えに安心するものの、そもそも相手と一緒に居れば泣く事などないのではないかと思えてきて、幸せを感じつつクスリと笑って。野獣という言葉が聞こえてくると目を見開いて、話の流れ的に相手の事を言っているのだろうとは察しがつくものの、あまりの現実との差に衝撃を受けて呆然としてしまい、おそらく綺麗な女性から好意を向けられても相手が気付いていなかっただけではないかと予想しつつも、あまり考えすぎても悲しくなりそうなのであえて触れずに、綺麗な女性は好みではないという自分にとって都合の良い部分だけを拾って喜んでしまい、つい表情が緩んで)
基準がやべえんだよなぁ………俺は唯一ロクな結果出せてねえから、評価が低いのはしかたねえと思う、そもそも俺に人が寄り付かねえ時点でお察しだ。
スー…ハー………まぁ本音を言うならコートの裾めくりたいんだけど。
何してんだ?布団畳み始めて。
(勝手に自己完結した相手とはまた違った、真実を知っている故の想像でかなり陰鬱な顔をして基準どうこうの話をし、そして自分が何にも為せていない故に評価が低いと話すと、まぁ結局人望がないのだろうと言い。
そして相手が少し不服そうであった為、大きく深呼吸すると本音、セクハラじみた欲望を真っ直ぐぶつけて。
そして何事も無かったかのように相手の行動に疑問を抱き、聞いて)
幸せねえ………なーぁ、ずっと聞かずにほっといてたんだけどよぉ、お前さ、本当は人間じゃないんじゃないか?
(自分の野獣という発言に様々な予想と考えを立て、幸せそうな表情でゆるゆるする相手を冷ややかな目で見つめ、相手にずいっと急接近すると、胸の辺りを人差し指でツンツンと突き、核心を突いたような発言をして)
…?結果とか関係なくない?…えっと、うまく言えないんだけど、別に結果なんて出してなくても素敵な人は素敵だし…一緒に居ると落ち着いたり、安心したり、癒されたり──あたしは、魅力のある人って、誰かの心を動かせる人だと思うの。もちろん、何かの結果を出してる凄い人に心動かされる人もいると思うけど……あたしは桐島さんがいいし、一緒に居たいし…すき、だし……。
っ!?も、もうっ、からかわないでっ?
これ、あたしがずっと巻いてたし、山田さんの制服洗ってくるついでに一緒に洗おうと思って。
(相手の話に不思議そうにキョトンとし、何の結果の話をしているのかは分からないものの、自分の中では人の魅力に結果は関係ない、あったとしても誰かの心を動かす理由のひとつに過ぎないのではないかと、思ったことを正直に伝え、最後の方は恥ずかしそうに小声になりつつも、要は自分は相手の事を魅力的に思っていると言いたくて、もじもじと視線を逸らして。聞かされた感想に目を丸くして真っ赤になると、咄嗟に持っていた布団を離してコートの裾を両手で抑え、異議ありまくりの様子で相手を見つめ、相手が本気で自分の身体に興味があるとは思っておらず冗談だと解釈したようで、思いっきり動揺した様子で文句を述べ、家庭科室辺りに洗濯機くらいあるだろうと思い、洗濯をしに行くつもりだと答えて)
え、な、………ど、どうして…?
(相手の言葉に驚き目を見開くと、明らかに瞳が揺らぎ、無意識のうちに逃げるように軽く後退り、まともに相手の目を見ることが出来ずに顔を逸らしてしまい、何と答えようかと悩むあまり咄嗟に言葉が出て来ず、平然を装い引き攣った笑みを浮かべながら、何とか絞り出した声は震え、裏返り、質問に質問を返すような形となり)
…そりゃお前の尺度だ、まぁ、だけど。
…ありがとな、お前みたいな彼女を持って俺は幸せモンだよ。
揶揄ってないぞ、襲っていいなら獣らしく無作法に襲うし。
……白か。
山田の制服のことすっかり忘れたわ、じゃ、頼むわ。
……今は少し疲れててな。休みたい、何かあったら大声で呼べ、光の速さで駆けつけるからさ。
(正直に伝えられてもそれが己の常識、覆せない当然の物事、評価対象として染み付いているため相手の尺度として切り捨ててしまうものの、相手が自分のことを好きだと、そして自分がいいのだと、そう言うと、相手の頭を撫で撫でしてお礼をして。
文句を述べられると冗談だと思われたことに不服らしく、相手のコートの裾を摘んで本当めくり、いざとなれば襲うと言った後、下着の色を口に出して言うデリカシーの無さを発揮して)
お前が出てる小説を見たからだよ、桐島玲もお前の本名だ、
俺の実家にゃありとあらゆる書物が集められてる、禁忌目録さえも全部、んで、お前の出てた物語の内容はこうだ。
『本の中から現れた少女、桐島玲は記憶を失っており、自分が描かれている本を探している時、とある青年と出会い、そこから転機が訪れる』……だ。
…お前の知らない事実を俺は知ってる、だから、物語の最中で青年がやらなかったネタバラシを今した。
…当然だが、今すぐ選べ、レイ、俺の見つけた戻り方を実行して戻るか。
このままこの世界に留まり、俺と過ごすか。
(最後まで内緒にしておく手筈だったものの、彼の見たストーリーの枠組みにハマり、バッドエンドで終わってしまう為あえて今バラし、誰も知らないエンディングルートへ歩もうとしていて、全て看破してなお、相手を受け入れ、己と過ごさせるルートを用意しており、選択を迫って、彼もかなり焦り、急繕いのようで、断られたら、と心臓がバクバクと今にも破裂しそうで)
えへへ、でもそれで良くない?あたしにとっては桐島さんがいいって言ってるんだもん。
…ちょ、──っはぁ!?…こ、こういう事、他の女の子にもしてるの…!?
はーい。ささっと洗って、ぱぱっと帰って来るねー!────あ、あったー、洗濯機!やっと見つけた~。これが噂の…、えっと、このボタンかな?
(自分にとって相手が魅力的だと伝わればそれで良いようで、頭を撫でられて幸せそうに相手の手に擦り寄りながら、とろけきった笑顔を浮かべて。めくられた裾を慌てて押さえると、あたふたと動揺して中々言葉が出てこないものの、真っ赤な顔で相手を睨み、相手の言動を冗談だと誤解している経緯があるため、口をついて出たのは裾をめくられた事に対する抗議ではなく、他の女の子にもしているのかという少しズレた反論で。相手の言葉に元気よく返事し、布団と制服を手に図書室を出て、散々迷った挙句に家庭科室に辿り着き洗濯機を発見すると、珍しい物を眺めるようなキラキラとした眼差しではしゃいだ後、完全に勘を頼りに洗濯を始めて)
……っ!?…じ、じゃあ、全部知って──え、知ってて、それでも、戻らなくて良いって言ってるの…?
(告げられた内容に衝撃を受け、目を見開いたままあんぐりと固まってしまい、いつか相手に知られるような事があれば間違いなくもう相手の側には居られなくなるだろうと覚悟していたのに、自分がこの世界の人間ではないと既に相手は知っていたどころか、自分の知らない情報まで持っており、更に全て知っている上で今こうして、この世界に留まり側に居てくれる選択肢を提示されていることが信じられずに、自分の気持ちなんて1つしかないものの、混乱のあまりすぐに答えられずに、ただただ相手を見つめて)
ハイハイ、分かった分かった。
いやしねえし、お前にだけだよ、こんなことすんの。
じゃあなー。
(相手に何を言われようと、蕩けた相手の表情を見るとどうでも良くなってしまい、撫で撫でしながら適当な返事をして。
相手の焦って恥ずかしがる反応を見るとしばし笑っていたものの、相手が言うと即座に否定し、相手にだけしかしない、とこれまた少しズレた答えを出して。
ひらひらと手を振って椅子に腰掛け、背を預けてだらけ切って)
当たり前だ、俺はトゥルーでもバッドでもない、ハッピーエンドを望んでるんだ、後、物語に沿うとこのままお前は帰っちまう、それは、駄目だ…
(当然と言わんばかりにウム、と腕を組んで頷き、相手を見て微笑むと、片手を差し出して、物語のまま終わるのではなく、人生として始めたい、そんな願いを込めて言うものの、相手の反応を見てなお反応が怖く、差し出した手は震え、顔も逸らしていて)
な、なら良いけど──っいや、良くない!も、もうしないでよっ?
…あれ?何か変な音が……きゃあっ!?
(自分にだけだと言われて何処かホッとして、つい満更でもなさそうな返事をしてしまい、慌てて頬を染めてあたふたと撤回すると、コートの裾を押さえてもじもじしながらムッとした顔を相手に向けて、もうしないように釘を差して。初めての洗濯に気分が浮かれていたのも束の間、何を間違えたのか洗濯機から怪しげな音が鳴り始めたことに気がつくと、慌てた様子であらゆるボタンを押しまくり、その結果パン、という破裂音のような音と共に洗濯機が爆発し、その場で腰を抜かしてへたり込み)
……もしかしたら、あたしの考えは間違ってるのかもしれないし…、元の世界、本の中に戻れば、あたしは紛れもない〝人間〟で居られることも分かってるの。この世界に居ることは、人間であることを諦めなきゃいけないってことなのかもしれない、でも、でもあたし、……桐島さんのこと、好きになっちゃったから…。元の世界に戻ってもきっと、帰る場所も、やりたいことも、生きてる意味も何一つ分からなくて、生きてる心地がしなかったのに…この世界で桐島さんに逢えて、初めてずっと一緒に居たいって、そのために生きてたいって思えたの。初めて、あたしの存在が認められた気がしたから──、だから……、我儘なのは分かってるけど、これからも此処に居たい…此処に居て、いい……?
(相手の答えを聞くと瞳を潤ませ、震える声で言葉に詰まりながらも思っていることをそのまま打ち明け、本来であれば元いた本の世界に戻るのが好ましいのは承知の上で、それでもこの世界に留まりたいと告げると、逸らされているため横顔ではあるものの、相手の顔をしっかりと見据えて、こちらも相手の反応が怖くて、様子を伺うようにおそるおそる右手を伸ばし、躊躇いながらも差し出された手にそっと触れて)
善処致します。
_洗濯って、爆発するっけ……?
(釘を刺されて睨まれても、逆に微笑ましく善処しますと心にもない事を笑顔で言って。
爆発音がここまで聞こえることに顔をヒクつかせて今すぐ助けに向かいたい衝動に襲われるものの、自分の言った通り、何かあったら呼べ、つまり呼ばれなかったら知らぬ存ぜぬを貫くつもりらしく、結構スパルタで)
____重い!ぁぁ!思いがクソ重いな!
そう深く考えるな、我儘でもない、ただそれは人間として当然の答えだ、それで良いんだよ、当然の答えを出せたらオレはそれを拒む理由はない。
コレからも宜しく、レイ。
(思い詰めた顔でしばらく黙り込むと、強がりで大声、そして笑い、相手の繰り返した言葉に対し、人間として当然の願いであると真正面から否定し、触れられた手を思い切り強く握ると、緩め、掌に口付けをし、宜しくと言い)
善処致します。
_洗濯って、爆発するっけ……?
(釘を刺されて睨まれても、逆に微笑ましく善処しますと心にもない事を笑顔で言って。
爆発音がここまで聞こえることに顔をヒクつかせて今すぐ助けに向かいたい衝動に襲われるものの、自分の言った通り、何かあったら呼べ、つまり呼ばれなかったら知らぬ存ぜぬを貫くつもりらしく、結構スパルタで)
____重い!ぁぁ!思いがクソ重いな!
そう深く考えるな、我儘でもない、ただそれは人間として当然の答えだ、それで良いんだよ、当然の答えを出せたらオレはそれを拒む理由はない。
コレからも宜しく、レイ。
(思い詰めた顔でしばらく黙り込むと、強がりで大声、そして笑い、相手の繰り返した言葉に対し、人間として当然の願いであると真正面から否定し、触れられた手を思い切り強く握ると、緩め、掌に口付けをし、宜しくと言い)
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