高校 図書室にて、図書委員は在る。

とっくに知ってることを聞かれるのはあんま好かねえし。離さねえよ、お前が迷って面倒ごとに巻き込まれたりしたら面倒だしな…（相手にさらりと好意を伝え、キュッと握った手を絡めて恋人のようにつなぐとバツが悪そうに?を掻いて）

そうそう、相思相愛、それで合ってるよ…
（どこでそんな言葉覚えてきたんだ、と思いつつ口には出さず、苦笑いして見上げる詩歌の耳を指でくすぐる様に撫でて）
分かってきたじゃねーか、お前らしくなれ。

えへへ…三郎さん、ちょこのこと心配してくれてるんですねー。…あ、そうだ出かける前に詩歌を呼んで来ないとですよ！(すっかり相手とのやり取りにデレデレになって二人の世界に入り込んでいたが、ふと何か忘れているようなと考えを巡らせ、それから詩歌を忘れていたと思い出して声を上げて)
『最初から私はここにいます…』(反対側の相手の手を握ってぶらぶら揺らしていて)

未来の花嫁を心配しない婿が居るか？居ないだろ。
（自分でそう答えるものの、すぐに自己完結して笑い、気付けば真横にいる詩歌に対して）

…両手塞がっちまったなぁ…ま、行くか。
（揺らされるがままにし、苦笑いをして区切りをつけると外へ出て）

『パパ…両手に花ですね』(表情の変化には乏しいながらも無邪気にそう言い切って)
三郎さんはズルイですよー、そういうカッコいいことを平然と言っちゃうんですから…余計に惚れちゃいますよ…(頬を赤らめ、俯きがちに喜び噛みしめながら隣を歩き)

んー、まぁそんな感じだな、ただ一つデメリットがあるなら、周りからの視線が痛いぐらいか。
（ぐぬぬと周りからの痛い視線を受けて縮こまり、詩歌の手を少し強く握って）

当然のことを当然に言う、普通だが素晴らしい事だと俺は思う。（ふふん、と彼にしては珍しく誇らしげにいい）

『パパ、どこか痛いですか？…痛いの痛いの飛んでけ…どうですか？痛くなくなりましたか？』(視線が痛いという言葉を実際にどこか痛いと勘違いして手を軽くさすって、しかしパパという発言に周りの目線は更に険しさを増していきヒソヒソ何やら話す声も聞こえるが当人は気付いておらず)　

そうですね、私もそう思います！私もやっぱり想いは言葉として聞きたいですし自分でも言葉にしたいと思いますから…それにしても、私たちの関係って周りにはどんな風に映ってるんでしょうかね？(相手の意見に全面的に同意示し、周りの目線にふと感じた疑問を口にして、流石に親子というにはまだ見た目の歳的に無理があるし…と苦笑していて)

痛くないけど痛い！その呼び方一旦やめろ！
（ぁぁぁぁぁ！と頭を抱えて蹲り、詩歌にそう懇願して）

ただのヤベー奴だろ…
（死んだ魚のような目をしてぐったりとそう呟き）

『んー…でも、パパはパパですよ…？他になんと呼べばいいですか？』(困惑したように眉根を寄せて相手をじいっと見つめて問いかけ)

ヤベーやつって、わ、私たちも入っちゃってる感じですか！？(よくわかっていないが、深刻な事態なのだろうかと相手の反応から察すれば慌てて問いかけ)

お兄さんとか、俺とお前の間柄を親子以外で想像して呼び方を考えろ。（こそこそと耳元で囁くように告げて）

じゃあお前、同い歳に見える2人が親子とか言われてどう思う？

お兄さんとか、俺とお前の間柄を親子以外で想像して呼び方を考えろ。（こそこそと耳元で囁くように告げて）

じゃあお前、同い歳に見える2人が親子とか言われてどう思う？

『ん…おままごと？…じゃあ、お兄ちゃん？』(別の呼び方をするようにと言われれば、おままごとのようなものかと首を傾げれば、とりあえず言われた通り相手を兄として呼んでみて)

あー…はい…確かにそれはヤベー状態ですね…詩歌、いいですか！？私のことはお姉ちゃん、三郎さんはお兄ちゃんですよ！？いいですね！？(と、周りの目もはばからず大きな声で詩歌へと言い聞かせて)

よし、それでいいんだ。
（よしよしと子を褒めるように無意識のうちに撫で、ここまで来ると過保護に近いものの、ハッとしてすぐに手を離し）

お前声デカイんだよなぁ！？（ガクガクと相手の肩を掴んで揺さぶって）

『ん…お兄ちゃん、人たくさんいます…』(参道までの道は人通りが多く、少し身を強張らせて相手の手をギュッと握って後ろに半分ほど隠れるようにして前に進み)

あうあう、三郎さん、そんなに激しくされたら脳味噌がシェイクになっちゃいますよう…(まるで反省の色が見えない口調でされるがままになっていて、先程の呼び方を強要する発言のせいか周囲からは「もしかして誘拐？」などといった物騒な声がヒソヒソ聞こえ)

そりゃ居るだろうよ、ま、コイツらも暇なんだろ。
手、離すなよ？（ぽんぽんと頭を叩いた後普通に歩いて行き、その実詩歌に合わせるようにゆっくり歩いていて、手をひいていて）

知るか、大人しくしてろ。
…誘拐って何、俺そんな怖く見える？
（手をすぐに離して相手を大人しく立たせ，周りをキョロキョロ見渡してそう苦く呟き）

『はい…しっかりはぐれないように掴んでます』(ギュッと相手の手を強く握り直し、しっかり者らしい答えを返して)

むう、それは聞き捨てなりません！三郎さんのどこが誘拐犯ですか！どこからどうみても素敵なちょこの彼氏さんじゃないですか！(周りの人間の勝手な言い分にぷんぷん怒って声を上げれば思いっきり目立って、しかし口々に色々言っていた人たちはそそくさとその場を立ち去っていき)

お，おう，そうしてろ。（以外と素直に受け取られ，矢張り前のとは違うと改めて自覚すると歩みを進めて）

お前少し黙っててくれるかなぁ！？
（いちいち喧しく誤解を生みやすい彼女の口を手で強引に塞ぐと，蜘蛛の子を散らすように去った人々にではなく，迷惑をかけた周りの人に頭を下げて）

『…お兄ちゃん、あそこのおじさんからみかん貰いました』(相手の袖をくいくい引き、段ボール箱の中のみかんを参拝者に配っているおじさんの方を向き、もう片方の手には沢山のみかんを抱えていて)

むぐぐー！？もがもが…(口を封じられ、手足バタつかせながら相手の行動に対する不満を爆発させ必死に抗議していて)

いやそんな事報告されてもな……持って帰るならそれで良いし，俺はあんまり甘いの食べねえし。
（抱えているみかんの一つをひょいと持つと，皮ごとかじって微妙そうな顔をして，かじったものは食べたものの，尖った八重歯に色々引っかかって更に微妙そうな顔をしてそう言い）

子供かお前は！大人しくしろっつってんだろが！　
（手足をバタつかせる相手に駄々をこねる子供のような印象を抱き，黙らせる目的で人差し指を相手の口の中に突っ込んで）

『皮ごとじゃ美味しくないです…今度食べるときは剥いてあげます』(じいっと相手を物言いたげに見上げ、皮むきをしてあげる気満々で)

んんっ…ちゅ…(口に指先突っ込まれて驚いたような目をしたが、やられっぱなしでは終わらないとイヤらしい舌使いでその指を舐めて)

それぐらい自分で出来るぞ……
（と小声で呟き，相手の行為を無下にする訳にもいかないからか多少みかんを持ってやって）

馬鹿野郎！？何してんだお前！？
（ビクッと震えるとすぐに指を抜いて，少し距離をとって堪らずそう叫んで）