高校 図書室にて、図書委員は在る。

どーだか…男はみんな内側に獣を飼ってるって言いますからね(ジト目で相手を見やりながら相手への偏見たっぷりにそう口にして)

『ち、ちょこもいつか襲われちゃうんでしょうか…！でもでも、三郎さんにならー…えへへ』(更に妄想を加速させて既に自分の世界に入り込んでいて)

それは一部の男だ！俺は違う！そんな度胸そもそもねぇし！と言うかお前は帰ってこい！（必死にジト目で偏見を向けてくる相手に反論して、智代子が自分の世界に入っていることを見ると、ガクガクと揺らして）

要するにヘタレなんですね、それはそれで先が心配ですね。お姉ちゃんが気の毒でなりません(減らず口を叩きつつ、持ってきた炊飯器からご飯をよそってそれぞれの前に並べて)

『うぅー…三郎さん、そんな激しくしちゃダメですよう』(ガクガクとされるがままに首を揺らしながら知らない人が聞いたら誤解されるような発言をしていて)

やる時はやるから！ヘタレではねぇ……と、思う。
と言ってもなぁ、どちらにせよ、コイツもう俺以外に恋しないんじゃないか？どうなんだ智代子。（自分に自信がないように団体はせず、揺らすのをやめると智代子の?を突きつつ、そう聞いて）

『…！はいっ、それはもう…ちょこが三郎さん以外の人に恋するなんてあり得ないですよ！三郎さんもそうですよね！？』(すぐにトリップ状態から戻って来てそう断言すれば何度も頷き、相手へと期待の眼差しをむけて)

はぁ…本当、こんな人のどこがいいのか理解に苦しみます(思いっきり惚気てみせる姉に深いため息をついて)

お前による、まぁ、お前がその気持ちを忘れない限り、俺もそれに応えるさ、俺なりにな。
（トリップ状態から回復した相手の頭をぽんぽんと叩きながら、微笑んでそう答えて）

偉い人には私の良さがわからんのです。
（適当にそう答えて）

『なるほどそこでちょこの愛情が試される訳ですね…それじゃあ三郎さんにいつまでも大事にしてもらえるような可愛い女の子でい続けますね！』(いつまでも相手にとって魅力的な女性であり続けたい、そう言って健気に笑って)

そうですか、まあ、一生わからなくても私としては一向に構いませんけど…と、それはそれとしてご飯食べませんか？(そう適当にあしらって、食事を勧めて。テーブルの上には妙に赤い麻婆豆腐と餃子という中華の定番メニューが並んでいて)

可愛い、女の子、で居続けるなら無理だから、多少なり変わろうな、変わらないもの、というのは良いものだが、
変化が無さすぎると流石に飽きも来る。
（健気に笑う彼女にそう諭し、そう言葉を紡いで）

いずれ否が応でも分かるようになるさ。
あぁ、サンキュ、ほら智代子、一旦離れろ、メシだメシ。
（笑いながらそう答えると相手に感謝の意を伝え、その後に智代子を一旦離すと、そう説明して）

『むう…確かにそれも一理ありますねー…ううう…か、辛い…詩歌ぁ！この麻婆豆腐辛すぎですよー！』(相手の言うことも理解でき、いい落とし所を考えながら食事していたが麻婆豆腐を食べ進めるうちに涙目になりそう訴え、水をがぶ飲みして)

…そうですか？これでも私一人だった時より結構辛さは控えめにしたつもりでしたけど(言われた張本人は涼しい顔で真っ赤な激辛麻婆を食べ進めていて)

うるせえ、確かに辛いが食えないことも無いだろう。
コイツ一人だったから自分感覚で作ったんだろ、6年眠ってたお前には少しキツイだろうが、諦めて食え。
（黙々と食べすすめていたが、智代子がたまらずそういう叫んだのを見てそう麻婆を口にしながら言い、詩歌と同じく涼しい貌をしながら食事を進めていて）

『うぅ…わかってますよー、残したりしたら料理をしてくれた詩歌にも食べ物を作ってくれるお百姓さんたちに失礼ですから…ていうか、桐島さんも辛いの平気なんですね…』(どうにか水とご飯で誤魔化しながら食べ進めつつ、作った本人である詩歌はともかく相手も平気そうに食べてるのを見て目を丸くして)

ごめんなさい、次回はお姉ちゃんの分だけは甘口で作るようにしますから(辛いのを必死に我慢して食べる姉を心配して、眉を下げて申し訳なさそうにしていて)

いや、正直喉が焼けそうだ。
だけどな、モノを食う時に文句垂れる奴は嫌いだ、だから俺自身文句を垂れない、だから、俺はどんなものでも口にする。（智代子の水を少し飲み、間接キス云々は気にしないまま、いつも通りのクールフェイスでそう告げるものの、汗がだんだん出ていて）

『三郎さん…わかりました、ちょこも辛いですけどあとひと頑張り…って、あ、あの、そのコップ…！』(文句を言わず頑張ろうと意気込んだ矢先、自分がさっきまで水を飲んでいたコップの水を飲む相手に間接キスを意識してしまうと顔を真っ赤にして口をパクパクさせて)

立派な志ですね、その点だけは認めてあげないこともないです。それじゃあ次回以降はもうちょっと辛くしても大丈夫そうですね(作ってくれたものに文句は言わない、そんな相手を褒めたかと思えばドSな発言をして)

あん？何だお前、金魚のマネか？
（コップを置くと、口をパクパクさせる相手にそう突っ込むと同時に聞き、何をそんな驚いているか分からない様子で）

構わんぞ、適応力はある、その内美味くなるだろうさ。
（相手のSっぷりに屈する事は無く、そう爽やかな笑顔で言葉を返して）

『き、金魚って、そんな訳ないじゃないですか！食事中に金魚の物真似するって相当変な人ですよ！？…そ、そういうことではなくてですね…』(そんな訳ないと不満を零しながらも、自分の口でいうのは照れ臭いのか口籠って)

鈍い人ですね、お姉ちゃんは多分間接キスのことを言いたいんだと思いますよ…まあ、お姉ちゃんもこの程度のことで少し騒ぎ過ぎだとは思いますが…(察しの悪い相手に率直に説明をして)

あぁ間接キス、生き霊の時とはいえキスしたろ，何で今更間接キス程度でギャーギャー騒ぐんだ？（なるほどと納得したように頷くも、以前の屋上での出来事を思い出して相手にそう聞いて）

『そ、それは…確かにそうですけど…それはそれ、これはこれです！理屈じゃないのが乙女心なんですー！三郎さんのことは大好きですけどそういうデリカシーのないとこだけは嫌いです』(理屈で詰めてくる相手に対し唇を尖らせてむぅむぅと文句を垂れていて)

なんですか、痴話喧嘩に見せかけた惚気ですか？これ長くなりますか？せめて食事終わるまで待てませんか？(二人でのキスのことなどそういった話に及ぶとまたも濁った目でそう早口に捲し立て)

なっ……。
デリカシー……男には理解できないものだ……。
あとで何でもしてやるから、期限直してくれよ。
（嫌い、と言われるとあからさまにショックを受けたように下がると、考え込むように顎に手を置いたあと、相手の方は苦笑いを向け、そう言って）

待てません、コレが出来立てのカップルというものだ諦めろ。（先の麻婆事件のこともあってか、やめる気は無いようでそう告げて）

…本当ですか？それじゃあ後でたっぷり三郎さんに甘えちゃってもいいですか？キスもしてくれますか？(先程までの不機嫌そうな様子が嘘のようになんでもしてやるという言葉に瞳を輝かせ、無茶なお願いをするなどということもなくそんな要求だけをして)

そういうの言ってて恥ずかしくなりませんか？ていうか空気が…甘い、甘過ぎます…(死んだ魚のような目で残った麻婆豆腐に一心不乱に七味をドバドバかけていて)

______あっ、あぁ、当然だろ、何でもしてやるよ。
（かなり迷い、そして戸惑った末にそう自信満々に答え、頭をぽんぽんと叩いて）

空気が甘いのもあるだろうが、お前が辛いからだろ。
（七味を大量にかける相手を見ると、自分まで辛くなったような気がして苦い顔をして舌をべっ、と出して）