! 2019-11-01 16:11:42 |
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(街から人も消えた深夜。それなのに夏だからか身体に纏う空気はほんのり熱を帯びており、その感覚に微かに目を細め、咥えていた煙草を指で掴み下ろした。数十分前から自室のベランダで煙草を吸っては消し、酒を一口飲んでを繰り返しているのだが、気にする人は居ない。
まだ燻り続けている煙草を無理矢理灰皿に押し付けて消す。
もうそろそろ日付も変わる頃だろうか。別れが惜しくてこんなに遅れてしまった。送り盆にしちゃ大遅刻だ、と苦笑を浮かべて
「ごめんな」
話したいこと、訊きたいことは沢山あるのだが、声に出しても返事がこないのは流石に判り切っている。それでも、どうしても伝えたかったその言葉をぽつりと言葉にして。
こんなに待たせてごめんなさい。貴方の想いに気付かなくてごめんなさい。
十年前から何度も繰り返し続けた言葉だったが、どれも届かなかっただろう。それでも、と小さく口の動きだけで伝えた後、腕の中に顔を埋めて。
願わくば。 もう一度でいい、貴方に会いたい。
これもまた何度も考えたことだ。
緩慢な動作で顔を上げ、隣に置いた二つのビール缶を手に取った後、口を付けていない方の缶を置き。
空に向かって何かを話し掛け、困った様な微笑を浮かべた。)
〝―――――…〟
《完全なる駄文です。勧誘大歓迎》
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