斎藤 司 2019-10-30 11:40:32 |
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___斎藤ッ?! ( 相手がテスト期間に留まらずに勉学に手を抜かずに精を出していたのは知っていたが体育教師との会話を見られていたのは全く気が付かずに。突然の突風にふわりとシーツが舞い上がり薄く目を閉じていたため相手の接近に気が付かずに、視界の端に何か影を捉えたときにはぽふりと相手に抱きつかれていて。その柔らかな感触と『見つけました』と零された言葉にドクンと心臓が跳ね上がっては声を抑えながらも驚きの声を上げて。「…なんで、此処が……俺のこと探してたのか?」早まる鼓動を抑えつつとりあえずシーツを片手に丸めて抱えるようにしては無理に引き剥がそうとはせずに抱きつく相手に視線を落として戸惑いの声で尋ねて )
いえ、見つけた…は、言葉のあやです…すみません…。体育の先生と先生が話してたのが聞こえてたので、来ました…。
( 咄嗟に見つけたと口にしてしまったのは風に煽られるタオルのせいで彼の姿があまり見えなかったからか…。探してたのかと戸惑いの声で尋ねてきた彼に素直に見つけたは言葉のあやだと伝えてつつ体育の先生との話を聞いていたのだと告げて。やんわり体を離しながら「…シーツ…最後の一枚…ですか…?俺もお手伝いします…本当は最初からお手伝いしたかったですが…俺、こっち持ちます」彼の手に丸めるように持たれたシーツの端を持ち、手伝いしますと口にして )
……( 体育教師と話していたのを聞いて来たとは予想外で小さく目を見開いては少し視線を逸して。離れていく体に安堵と名残惜しさと同時に湧き上がる感情にシーツを持つ手の力を強めたところで相手が手伝いを申し出てくれて少し我に返って。「嗚呼…助かる。ありがとう。…でも話を聞いてきたってことは俺に用があって来たんじゃないのか?」シーツの端を持ってくれる相手に礼を述べつつ相手が取りやすいように物干し竿の真ん中に洗濯バサミを挟んでは自分もシーツの反対側の端を持って竿に掛けて。作業を進めつつやはりあの話題だろうかと考えながら洗濯バサミを手に取り問いかけて )
いえ、お気になさらず…。用…?俺… 先生に会いに来ました…一緒に居たいから…。…先生…俺と二人で長くいるの…嫌ですか…?俺は…急かすつもり…ないです…ただ貴方と…あの日…俺の家に居てくれた時にみたいに…話せたら…少しでも…長く…一緒に居られたらって… そんな気持ちです…。
( 彼と同様シーツ端を伸ばし彼が真ん中に挟んでくれていた選択ばさみを手に取りそれで端をしっかり挟んで固定すれば顔を上げて。真っ直ぐに彼を見つめて感じていたことを口にしつつ告白の返事を催促に来たわけではないとの意味合いでそう告げて。ただ自分は彼に会いに来たのだと。自分は眠っていたりしたからずっとと言うわけではないが彼と一番長く居られたあの日のように二人で彼と話したくて。少しでも長く彼と一緒に居たくて…。そして自分の恋人になって貰うためアプローチも出来たらしたい。でも一番の望みは彼の近くにいること。一緒に居られれば彼は自分を意識する時間が長くなる。そんな強かな思いもその胸に抱き。笑み浮かべながら彼の返答を待っていて )
…俺と、一緒に……( 改めてまっすぐに純粋な言葉を向けられるとトクンと鼓動が脈打ち相手の言葉を復唱しては少し目を伏せて。告白されたときもそうだが、こんなにも素直で曇りのない言葉を向けられて嬉しくないはずがなく「…いやじゃない。でも今までは避けるようなことをして悪かった。…あっちに吸われるところがあるから話そう。」シーツを手伝ってくれたことに礼を述べつつ嫌ではないと首を横に振り、視線を合わせると無視はしなかったが避けたに等しい行いをしたため謝って。シーツが入っていたカゴを抱えるとシーツに隠れて見えないが吸われるスペースがあるためそちらを指差して )
…いえ…先生は俺を無視しなかったです…居るのにいないもののようにされるのは寂しいから…ん…よかったです…はい…お喋りします…嬉しいです…。
(悪かったと謝る彼にふるふる首を横に振る。一番寂しいのはここに居るのにいないもののように扱われる“無視”…彼はそれを自分にすることはなかった。そんな彼から向こうで話そうと声が掛かればはにかむように嬉しげに照れ笑っては頷いて呟きつつ指差された方へ向かい。屋上はあまり来たことがなく彼の言った通りそこには座れそうな日の当たるスペースがあって。ぽかぽかした陽気にそよそよ吹く風が気持ちが良く目を細め「…先生、昨日の夕飯は何食べました…?…俺は…家で水炊きを作って食べてました…野菜もお肉も…美味しかったです…」昨日の夕飯は彼に何を食べたかと問いかけて。自分はと言えば、夜は少し冷えたこともあり野菜やお肉も取れる温かい水炊きを作って食べたことを話して )
…昨日か?…昨日は……、あー水炊きはうまいよな。手軽だし野菜も肉も程よく摂れて良い。タレは何にしたんだ?( 無視はしてないと言ってくれる相手にホッとしつつ場所を移動しては二人並んで座り。何を食べたかという他愛もない話が今の自分にはその方がありがたく相手となら楽しく感じて。だが思い出してみれば自分は昨夜は何も食べておらず。つまらない返答になることに内心辟易とすれば自分の返答は言葉を濁して相手の話を拾うことで誤魔化して。何気ない話を前を見て聞き返しつつふと隣の相手に視線をやれば何となく風にさわさわと揺れる髪に触れたくなり横髪に手を伸ばして )
ええ…手軽なのも良いところ…です…。タレは塩ダレです…。ん…先生…髪…なでなで…してくれるですか…?嬉しいです…。
( 彼の言葉にこくこく頷き手軽さも良いところだと返しつつタレについて問われれば“塩ダレ”だと笑み浮かべたまま告げて。何やら言葉を濁した彼にもしかしたら昨日は夕飯を食べなかったのだろうかなんて思いつつも深く掘り下げるようなことはせずに。伸びた手が横髪に触れては嬉しそうに照れ笑いながら自らもすりすりとその手に髪を擦りつけて。「…先生…あの…もしよかったら…夕飯…一緒に…食べませんか…蕎麦職人吾妻屋で…」このまま彼と談笑を楽しむのも良いがまた一緒に食事がしたいなと思えばこの間自分が勧めた蕎麦屋の名前を出せば一緒に食べに行かないか?と緩く首傾げながら問いかけてみて )
あーさっぱりしてていいよな。…斎藤は撫でられるの好きなのか?( 本当になんでもない会話。それでも心地よさを感じて相手は塩ダレが好きなのだろうかと考えながら頷き。何となく伸ばした手は受け入れられて触り心地の良さに目を細めれば相手からもすり寄ってきてまるで小動物がする仕草に鼓動が高鳴り。髪を撫で続けながら撫でられるのが好きなのか問いかければ相手から食事の誘いをされて。それは以前話に出てきたこの学校の近くの蕎麦屋。「…実はお前が紹介してくれてからまだ行けてないんだ。…丁度腹も減ってきたし行くか。」相手を避ける理由はない。それにこの誘いが嬉しくないなんてことがあるはずもなく、誘いに乗ると相手の髪から手を離して先に立ち上がって )
今度先生もやってみて下さい。美味しい塩ダレのレシピ教えます…あ…先生が良いなら俺の家でお鍋パーティーしますか…?……俺は…貴方に…撫でて貰えるのが…一番…好きです…。
( 美味しそうと言って貰えては何だか嬉しくてニコニコ笑み浮かべてレシピを教えると口にするも彼さえ良ければ今度自分の家で鍋パーティーをやっても良いとさえ伝えて。しかしもちろん彼が嫌だと乗り気でないと言うのなら彼の気持ちが大事で大切な自分は無理強いするつもりはない。撫でられるのが好きか?─そんな風に問いながら自分の髪を撫でてくれる彼の手も彼の手も…とても好きで愛しくて…。至極幸せというように表情を和らげて彼が撫でてくれるのが一番だと告げて。そんな自分のお誘いはまさかのオッケーで。手は離れてしまったが嬉しくて「嬉しいです…ええ…行きましょう…先生…鞄とか取りに行きますか…?俺、正門…裏門…?で待ってた方が良いですか…?」ぱあぁと表情を輝かせながら微笑んでは席を立った彼につられるようにゆっくり立ち上がってはこてんと首傾げつつ問いかけて )
塩ダレは手作りだったのか。…斎藤の家でか?( レシピを教えてくれると聞けばタレは手作りなのだと知ることが出来て。料理は簡単なものしか作れないと言っていたがタレまで手作りする人は料理好きな人が多いためやはり謙遜もあったのだろうなと思い節約も出来るし頑張っているのだなと感心して。続けて鍋パーティーをしないかと誘われれば小さく目を見開き。これは以前言っていたアプローチの1つだろうかと思考していれば自分に頭を撫でて貰えるのが一番好きだと幸せそうにはにかむ相手の笑顔があって。その笑顔の眩しさに鼓動を跳ねさせつつ「…そうか…」と短く照れたように目を伏せて。「…嗚呼、そうだな。鞄を取りに行くから裏門で待っててくれるか?……あと鍋パーティーもいつかしよう。」相手の表情の可愛いらしさに鼓動を早めながらまた髪を撫でたくなる衝動をひとまず堪らえて裏門で待つよう伝えては続けて先程していなかった返答をして。それから屋上から降りるためにシーツが入っていたカゴを手にすると立ち上がって相手に向かって手を差し出して )
…よく…分かりましたね…その通りです…。先生はエスパーですか…?
( 彼の言葉に少し驚いたように目を見開くも、すぐにふんわり笑ってクスクス声出してはエスパーですか?と問いかけて。そんな彼に裏門で待っているように言われては素直にこくりと頷いては鍋パーティーには答えて貰えなかったためダメなのかなと感じつつもその後に続いたいつかやろうの言葉にぱあぁと表情を輝かせて。「…はい…いつか…しましょう…。ちゃんと待ってます…あ…ありがとう…ございます…」彼の内情は分からないながらも口元を緩め差し出された手に僅かに頬を赤らめつつ己の手を重ねて立ち上がるとお礼を伝え。「…途中まで…一緒に行きましょう…ちょっとでも長く…先生と居たいです…」はにかんで途中まで一緒にと口にしては先陣切って歩く最中、彼に顔を近づけ頬へとちゅっと唇落として。にこやかに微笑みながら扉まで先に進み「先生…」そう呼び掛けて待っていて )
いやレシピを教えるって言ったからそうなのかなって思っただけだよ。( エスパーと言われてきょとんとしてしまうも小さく首を横に振って。でもその言い回しも可愛く思えば微かに笑って。「…嗚呼。……斎藤は意外と誑かしタイプだったんだな。」此方が差し出した手を初に頬を染めて照れたかと思えば先を歩く相手に頬に口付けられ小さく目を見開いて。口付けられた頬に片手で触れつつ一緒に少しでも居たいと言う相手に胸の鼓動を早めては思った事を照れ混じりにポツリと呟き、相手の居る扉へ足を向けて )
( それから一旦相手と分かれてカゴを返しに行き荷物を職員室に取りに行って昇降口で靴を履き替えると駐車場へ向かって車に乗り込み。裏門に向かうと一旦車を停めて窓を開けて相手の姿を探して )
……ああ…なるほど…俺がヒントを出してたんですね…無意識でした…。誑かし…それは褒めて貰えてるんでしょうか…。
( 彼の言葉を聞けば何故正解したのかが理解できると共に無意識に自分がヒントを出していたのかと言葉紡ぎ。そして照れているような彼から漏れ出た“誑かしタイプ”それは褒め言葉なのか…どうなのか…疑問に思っては呟いて一人首を傾げているも此方に歩み寄ってきてくれた彼より先に扉を開けて校舎内入る。そしてカゴを持つが故に通りにくいだろうと扉をそのまま手で押さえてはどうぞと目配せして彼も中に入れば手を離しては扉は独りでに閉まっていき── )
…先生…。
( カゴを置いたり鞄を取りに行かなければいけない彼と一旦分かれては靴を履き替えるために下駄箱へと向かう。上履きからスニーカーへと履き替えて上履きを仕舞うとパタンと扉を閉めて。そして裏門へと真っ直ぐに足を向けて彼が来てくれるのを何をするでもなくぼんやりと待っていて。程なくして一台の車が裏門へとやってきて停車。開いた窓から彼が顔を出すのが見えれば嬉しそうに笑み浮かべ声をかけパタパタとそちらに駆け寄っていき )
斎藤、待たせたな。乗ってくれ。( 相手の姿を探しながら先程相手が言っていた言葉を思いだしていて。誑かしは確かに褒め言葉ではないだろう。しかし相手は誰彼構わず誑かしとは思わない。もし自分だけにそうであるならと、既に告白して貰った身なので期待してしまっていて。扉を開けていてくれたり相手の気遣いは下手な大人よりしっかりしている。相手の可愛らしい表情やふとした時に見せる大人な表情が脳裏に溢れやはり自分は相手のことが、と実感して。そして車に駆け寄ってくる相手にまた鼓動を早めつつ運転席から腕を伸ばして助手席の扉を開くと相手に座らせて。相手が座ってシートベルをしたのを確認すると再び車を発進。目的地はすぐそこ。蕎麦職人吾妻屋の駐車場に車を停めると先に降りて相手側扉を開けてやって「…いいところだな。因みに斎藤はどれがお気に入りなんだ?」店の暖簾とちらりと見てから相手を見て、相手が降りたのを確認して扉を閉ざすと車のロックを掛けながら問い掛けて )
いえ…先生待つのも…俺は好きです…はい、お邪魔します…。
(普段の彼もかっこいいが車を運転する姿もやっぱりにかっこよくて素敵だと思いつつ助手席の扉を開いてくれる気配りに胸ときめかせ表情緩めたまま車へと乗車しシートベルトをきちんとつけて。すぐに車は発進し、あっという間に蕎麦職人吾妻屋に到着して駐車場に停車。これから久々に彼と食事が出来る…少しでも長く近くにいられる喜びにぽわぽわ花飛ばしながらシートベルトを外した所で開いた助手席のドア。何だか丁寧に扱って貰えては純粋に優しくして貰って嬉しいのとこんなことして貰えるなんて少しは彼の特別になれているのか…なんてドキドキした気持ちを胸に鞄を肩にかけ直しながら車外へと出て「…ありがとうございます…あ…ですよね…俺も趣があって…好きです…おすすめ…いっぱいあります…鴨蕎麦…天ぷら蕎麦…冷やし蕎麦…おぼろ月見そば…せいろ蕎麦も美味しいです…」ドキドキしっぱなしではアプローチもできない。少しでも居られるうちに…そう思いおすすめのメニューの数々を挙げてみて )
お気に入り…いっぱいあるんだな。どれも美味しそうだ。とりあえず中に入るか。( 隣に座る相手はふわふわとした雰囲気で本当に純粋だなと擽ったい気持ちになれば自然と此方も優しい気持ちになって微笑みを浮かべ。相手からのおすすめを聞けばその数は多く、きっとどれも美味しいのだろうと思い店に入る前から期待が高鳴り。店の暖簾を潜ると食券スタイルではなく店の従業員がテーブル席まで案内してくれてお互い向かい合うように着席。メニューを広げてくれる店員に礼を述べてはテーブルの真ん中に互いが見えるように置いて早速どれにしようか迷い。「サイドも豊富だな。夜に飲みにも来られそうだ。…俺はとりあえず初めてだしせいろ蕎麦にするよ。斎藤は決まったか?」そのメニューの豊富さんに簡単の声を漏らしつつ相手が成人したら飲みにもいきたいなと密かに思い、自分は無難なせいろ蕎麦を選び相手は何にするか横にしていたメニューを相手側に向けて問い掛けて )
( 自分のおすすめを美味しそうだと笑ってくれる彼に中へ入るように促されては頷いて。店内入れば従業員に席へと案内して貰い、彼と共に向かい合うように席について。広げて貰ったメニューを二人見ていたが彼は注文を決めたようで自分も決まったか?と聞いてくれて。こくりと頷き「はい、月見うどんにします…。すみません…注文を…」彼が成人した自分を飲みに誘いたいなんて思ってくれていることは露知らず、各々決まっているなら注文をと店員を自ら呼んで。すぐに来てくれた店員に自分との彼の分も注文をすれば復唱し厨房へど移動した店員を見送り。「…水…入れてきます…」この店はドリンクバーの機械があり飲み物は自分で入れるセルフ制。水以外は料金が発生するためとりあえず水をと彼に声をかけてから席を立ってはその機械へ迷わず近づき。コップを手に取り適当に氷を入れてから水を入れる。もう一つのコップにも同様にして水まで入れては席へと戻り「はい、水です…」彼の近くにコップを置いてはもう一つの水を持ち直しこくこく喉を潤して )
注文と水ありがとな。( 相手がメニューを選ぶ様子を見守っていれば注文してくれた上にセルフの水も用意してくれてお礼を告げると自分もコップを手に取り水を飲んで。何気なく店内に視線を向ければ和やかで落ち着いた雰囲気でまだ食事はしていないがまだ来たいと思わせるものがあり。「斎藤…テスト週間が終わったら話がしたい。」話す話題を考えるうちにそんな言葉が唐突に口から出れば相手に視線を向けて。丁度その時注文した月見そばとせいろ蕎麦が運ばれてきてひとまず話を中断して。店員に軽く礼を言って離れていくのを見送り蕎麦に視線を落として「…とりあえず食べるか。…いただきます。」先程の返事は食べながらでもいいかと思えば手を合わせて箸を取って )
いえ…。…話…?それって…この間の…?あ…はい…食べましょう…いただきます…。
( 彼が様々なことに礼を言ってくれふるふる首を振るも何だかただ水を飲んでいるだけなのにコップの縁に触れる彼の唇を思わず目が追ってしまう。マジマジ見るのもなと思って水を飲むことに集中していると彼の口は開く。釣られて視界を上げて彼を見るもテスト期間が終わったら…そう告げられては直感で自分が彼に伝えたあの日の告白の返事なのかと問おうとするもタイミングが良いのか悪いのか遮るように注文の料理が店員から運ばれてくる。目の前のテーブルへと各々置かれては彼に食べようと声をかけられれば口を噤んで頷き、手を合わせて箸を取ってふーふー息を吹きかけ食べ始めて )
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