斎藤 司 2019-10-30 11:40:32 |
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…はぁ…俺は何してるんだ…。まあ今日一日だけ…。あとは快気祝いをするだけ…( 今日の看病といつかする快気祝いが終わったら必要以上に相手の家へ訪れることはもうやめよう。これ以上の線は踏み越えてはいけない気がする。と理性が働くのに反して、胸の奥底は高鳴っていて。相手の匂い…正確には相手の使うシャンプーの匂いが充満する浴室、先程まで相手が使っていたことまで考えて首を横に振っては手早く髪や身体を洗ってしまい。浴室から出るとタオルや着替えが用意されていて感謝しつつ身体を拭いて服に袖を通して。髪はとりあえずタオルドライをして首にタオルをかけるとカーテンを開いて。「シャワーありがとな。すっきりしたよ。…ちゃんと大人しく待ってたか?」ベッドに腰を掛けボーっとする様子の相手が目に止まれば、おにぎりを作っていてくれたことは知らずにそちらに近づいていって )
あ…いえ…よかったです…えと…はい…一応は…。
( 浴室の扉が開く音に気づいておらず彼に声をかけられると嬉しそうに笑顔を向けて。しかし続けられた大人しくしていたかの問いかけに少し良い澱むも一応はと告げて。言わなきゃ態度に出さなきゃバレることはないのだが、どうにも彼相手には顔や態度に出てしまう。これ以上突っ込まれてはボロが出る。彼におにぎりを渡すまではそれはダメだと思えば先程自分が使っていたドライヤーを差し出し「先生…これ…使って下さい…飲み物…お茶で良いですか…?」使ってくれと伝えてはいそいそベッドから立ち上がり冷蔵庫に近づき中を開けながらそう問いかけて。ちらりと戸棚の中にあるおにぎりを見ては別々に渡すよりお茶と一緒に渡した方が良いかと考えていて )
…?…嗚呼、ありがとな。__斎藤、( 相手に近づきその返答を聞いては微妙な表情と声の違いに気付き微かに眉を顰めるもその場では言及はせずに、渡されたドライヤーを受け取り礼を述べ。そのまま髪を乾かそうかと思うが、気を遣ってなのか早速動き出す相手を見遣れば名前を呼んで。そして手元のドライヤーをとりあえずベッドの端に避けて置くと冷蔵庫を開けて中を覗く相手に背後から近づいていき「…大人しくって言っただろ?…まあ気遣ってくれてありがとな。飲み物はお茶でいいよ。…それで一応何をしてたんだ?」注意するように言うもその声色と表情は優しく穏やかなもので相手の頭をぽんとしては一度冷蔵庫をぱたんと閉じさせると相手の肩に触れてこちらにゆっくり向かせては視線を合わさせて。やはり先の相手の微妙な違和感には気付いており、怒る訳ではなく何処か楽しげに静かに目を細めては相手の顔を覗いて問いかけて )
…あ…はい…すみません…。…あの…えっと…、
( 頭にぽふっと感じた彼の掌。そして優しい声に促されるままに冷蔵庫は閉められ彼と向き合うような体勢になって。此方を真っ直ぐに見つめられれば思わず謝罪が口から零れるも怒っているようには見えない彼から何をしていたんだと聞かれると視線は泳いで言葉も詰まり、戸棚に向かっては照れ臭そうに指差し「…俺…おにぎり…作りました…先生に食べて貰おうと思って…ちょっとだけ…大人しくしていませんでした…すみません…」再び謝りながらもやっぱり怒られたり呆れられたりしてしまうかもと上目に彼の様子を伺って )
…おにぎり?…そうか。ちょうど小腹が減ってきたところなんだ。折角作ってくれたんだし貰うよ。髪乾かしてる間に準備頼めるか?( 相手の返答に小さく目を瞬かせてはまた色々気遣ってくれたのだろうと察して。大人しくしてなかったことに対してはもう何も言うことはなく柔和に目を細めてはお茶とおにぎりの準備を頼むとベッドへと戻り髪を乾かし始めて )
…はい…準備…します…。
( 怒ったり呆れたり彼はすることはなくその瞳や声はどこまでも優しい。準備を頼まれれば嬉しくてその表情はみるみる明るくなり笑み浮かべ頷いては髪を乾かし始める彼のためにコップを取り出し冷蔵庫のお茶を注いでは戸棚を開けておにぎりの乗った皿も手に持って。体の怠さも忘れつつお盆にコップと皿を乗せてテーブルへと運んで。これで彼が髪を乾かし終えればすぐに食べたり飲んだり出来ると満足げな表情を浮かべ、再びベッドへと腰を下ろして。喜んで貰えたら嬉しいなと近くにあった柔らかい大きなクッションを膝の上に置き胸に抱くようにし顎を乗せてリラックスしたようにぽへーと緩んだ顔を見せて )
( 髪を乾かしながら相手が準備してくれる様子を見守り、準備し終えて満足げな表情を浮かべるのを見ればまた胸がトクンと跳ねるのが分かって。鼓動を落ち着かせつつ髪を乾かし終えると軽く手櫛で髪を整えてドライヤーを元あった場所に片しては、軽く手を洗わせて貰ってからテーブルの席へと腰掛けて。おにぎりとお茶というシンプルなものだが、今の自分にはとても特別なものに見えればベッドへ座りリラックスする相手へと視線を向けて「ありがとな斎藤。…お前はベッドでそのまま休んでくれてていいから。おにぎり、頂くよ。」そういうと静かに手を合わせておにぎりを一つ手に取る。誰かが握ってくれるおにぎりなんていつ以来だろうか。どこか懐かしさを覚えながら一口、二口齧って咀嚼するうちに具材が見えてきて「ん、海苔の佃煮だ。…おいしい。斎藤はおにぎりの具、海苔の佃煮が好きなのか?」具材の味ももちろんだが程よい握り方も美味しくて小さく微笑みを浮かべ、まだもう一個のほうは何が入っているか分からないが相手はおにぎりの具は何が好きなのか気になりふと顔を相手に向けて問いかけて )
…はい…召し上がれ…俺の愛情もこめこめしました…。
( 手を洗ってから合わせて頂きますしてくれる姿を嬉しそうに見守りつつ召し上がれと口にする。続けざまに自分の愛情もこめこめしたと楽しげに付け加えて。一つを手に取りぱくぱくと食べ進めて出てきたのは海苔の佃煮。彼に好きなのかと聞かれ「好きです…それ母さん直伝の海苔の佃煮です…教えて貰って作りました…。先生の口に合ったなら嬉しいです…。後は…野沢菜とか…最近おかかチーズにハマってます…」実はこの海苔の佃煮は母親から教えて貰って自分で作ったもの。彼に美味しいと言って貰えては尚更嬉しくて。後、自分が好きなおにぎりの具は何かと考えつつよく食べるものと最近のお気に入りを答えて )
はは、ありがとな。…母親直伝なのか。ってことは斎藤も作れるんだよな?今度…、今度でいいからレシピだけでも教えてくれるか?( 愛情を込めたと言われてまた鼓動が高鳴るもその言葉に深い意味がないのは分かって目を伏せ。そもそもおにぎりを握るときの付きもののような台詞。そんな言葉にまで反応してしまう自分を恥じつつ笑って礼を述べては次ぐ言葉に関心の声を漏らし。純粋に興味が湧いて今度教えてくれと言いかけるもそれではまた会う口実になってしまう。少し間を空けてはレシピだけでもと言い換えて問いかけて。「野沢菜は俺も好きだな。…おかかチーズは食べたことないがうまそうだ。…と、こっちは梅か。この梅干しも自家製か?」相手のお気に入りを聞けばつい数秒前に距離を置かねばと考えていたのに高揚する自分がおり、しっかり相手のお気に入りを覚えつつもう1つのおにぎりにも手を伸ばし。その中には梅干しが入っていてこれも自家製なのだろうかと思えばおにぎりを食しつつ質問して )
説明が難しいので…良かったら…今度先生の予定が空いている日とかに…見て貰いながら作りますよ…?門外不悉ですが…先生は特別です…。
( 自分の作った海苔の佃煮は彼のお気に召したよう。レシピだけでもと告げられるも大雑把な母親から目分量を叩き込まれていることもあり大さじ小さじと表すのは難しいと口にしては今度彼の予定が空いている日にでも家で見て貰いながら作り方を教えますよと穏やかに笑って。門外不悉はもちろん冗談が彼になら教えたいと思っていて。特別だと付け加えつつ二つ目のおにぎりを食べながら梅も自家製と問われ「…あ…はい…自分で漬けてます…此方もお母さん直伝です」嬉しそうに微笑んでは梅干しも彼の口に合えば良いなと様子を伺って )
…そうか?じゃあ、今度快気祝いのときに時間があればお願いするよ。でも門外不出って…、それだけ大事なものなんだな。( レシピだけにするつもりだったが相手から誘われれば断ることも出来たが頷いていて。門外不出が冗談なのは理解しつつも相手にとっては家庭の味で母親との思い出なのだろうと思えば、小さく笑いつつ目を細め。「…梅干しも直伝なんだな。俺も梅干しやら糠漬けは好きで漬けてるよ。酒の肴にもなるしお茶にも合うし上手いよな。…って酒はまだ分からないか。」梅干しも自家製と聞けば感心しておにぎりの中の梅干しに視線を落とし。自分も漬物は好きで色々と漬けていたりするので、思わず相手が未成年であるのを忘れて酒の肴の話をしては苦笑を零し。「…ごちそうさま。どっちも美味しかったよ。」おにぎりを食べ終えてお茶を飲み干すと手を合わせて美味しかったと微笑み、それから手早くコップ等も洗ってしまえば、再びテーブルの席に戻って来て相手に身体を向ける形で座り。「……、」とここであることに気付く。相手の家に残ると決めたはいいが昨日相手が寝ているうちに洗濯やら掃除はしてしまったので特にすることもない。どうしようかと沈黙してしまうもとりあえず相手を横にならせたほうがいいかと思い立ち上がって「斎藤、あまり眠たくないかもしれないがまだ横になってたほうがいい。…何か話してれば眠くなるかもしれないしな。…そうだな…、斎藤は趣味はあるか?バイト以外で休日にしてることとか。」相手の膝の上のクッションを退けて横になることを勧めつつ、何か話題をと思えばありきたりの質問をして。どこの見合いカップルだと心の中で自ツッコミしつつ、相手の部屋の中を見回して )
……はい…任せて下さい。…大事ですが…本当はちょっと言ってみたかっただけです…。
( 快気祝いの時にでも教えてくれと言ってくれる彼にこくこく頷く。彼の言葉にすこし恥ずかしそうにしながらも実のところ門外不悉という言葉を使ってみたかっただけなのだと明かして。そんな彼は自分の作ったおにぎりをぺろりと完食。美味しかったと言って貰えては「…よかったです…」嬉しさからぎゅっとクッションを抱き締めて口元を緩めて。彼は手際がいい。再び洗い物をささっと済ませては此方に赴き、自分の体を気遣ってベッドへと横にさせてくれ布団をかけてくれて。正直に言えば眠りたくはない。せっかく彼がここにいてくれるのだからもっと話がしたい。それに自分が寝てしまえば彼は退屈になって帰ってしまうかもしれないしと色んな感情に心はざわついたが彼からの問いかけに「…散歩好きなので…よく出歩いています…この間は河川敷の橋の所で川の魚を見ていたら…『自殺しちゃいかーん!』って知らないおじいさんに羽交い締めにされました…怖かったです…」こう見えて外に出るのは好きなタイプ。この前あった出来事を彼に話していれば自分の感情に逆らうように少し眠くなってきて )
…それはボーっとしているのが物憂げに見えたのかもしれないな。冬の川は冷たいしおじいさんも心配してくれたんだろうが…いきなりはびっくりするよな( 門外不出と言う言葉を言ってみたかっただけと零す相手を可愛らしく思いつつ、続く趣味の散歩の話を聞けば小さく目を瞬かせて。何故だがその光景が容易に想像できて橋の上でほわほわする相手の姿が浮かべば微かに笑いを零して優しげに目を細めて同調して頷き「…この寒さだが川に魚はいたか?…子供のころはよく河川敷の川を覗いて鯉やら亀が泳いでるの飽きずに見てたけど今はそういうこともなくなったからな…」自分も幼い頃は寒い中鼻水を垂らしながら飽きずに橋の上から生き物観察をしていたので懐かしく思えば小さく微笑み、少し眠たくなってきた様子の相手の前髪をそっと撫でてやって )
……はい…でも…良いおじいさんでした…勘違いしたお詫びにって…みかんをくれました…。
( 話を聞いては優しげに微笑んでくれる彼に此方も柔らかく笑い、頷くもでも良いおじいさんだったと自分の中で食べ物をくれる人は良い人なのだとの認識なのかみかんを貰ったのだと嬉しげに告げて。とても甘くて美味しいみかんだったとまたあのおじいさんに会えたら伝えたいなと思いつつ「…ええ、鯉とか小さなお魚…いました…その日はいませんでしたけど…亀も見ました…寒いけど楽しくて…ずっと見ていられます…ふふ…たまに…時間がある時…覗いてみたら良いです…心がスーっとします…」子供の頃に好きだったのならきっと今でも好きなはず。時間がある時はまた覗いてみたら良いですとおすすめしてみる。心がスーっとしていき落ち着く気がして彼にもそれを味わって貰いたくて。前髪を撫でてくれる手は優しい。そんなことをされたら本当に眠ってしまう。「…んー…先生…俺…まだ…先生と話したい…のに…せっかく…先生…居て…くれてる…のに…俺…寝たく…な…い…うー…」うとうとと落ちる瞼を懸命に開けるも開いた側からまた落ちる。何度も繰り返しながらせっかく彼が居てくれているのに沢山話したいのにと溢し軽く唸っては限界が来たのか瞼は閉じて開かなくなって )
…おやすみ斎藤( 静かに寝息を立てる相手のあどけない寝顔を見てはホッと息を吐いて。この時間に眠るということはやはりまだ体が本調子ではないのだろう。やや眉を下げつつ起こさないようそっと目元を指の裏でなぞってはその寝顔を見詰め。真面目でしっかりもので礼儀正しいわりに変なところが抜けている。抜けているというより天然で純粋無垢といったほうがしっくりくるだろうか。幼い純真な子供がそのまま大きくなって見た目だけ高校生になったような…兎に角相手の年代では稀に見る絶滅危惧種。たまには散歩に出かけてみるのもいいかもしれない。そしたら相手に偶然出くわすこともあるかもしれないから…とこの時点で純真でない汚い下心を抱く自分はやはり相手とは釣り合わないと思い。それ以前、相手はただの生徒。他の生徒と比べれば特別な感情はあるがそれ以上先に進むことはない。…はずなのだ。「……考え過ぎは良くないな。」ぽつり呟いては一度その場を離れて、勝手に触っても良いと許可は出ていたので多少気は引けたが先程使わせて貰って風呂場や水回りの掃除を済ませて、服やタオルの洗濯もしておき、それでも時間が余ったので鍵を使わせてもらい一旦夕飯の買い出しにでて。
そして時刻は夕方、正直ここまで入り浸っていいのか迷ったが眠っている相手を置いて勝手に帰るのも気が引けて買ってきた食材で夕飯を作っていて )
ん……先生…あ…まだ…居てくれたんですね…。
( ゆっくり瞳は開いたものの開何時かは分からないが結構眠ってしまったのは分かり、さすがに彼は帰ってしまっただろうかと思ったが鼻に良い香りが漂ってきては彼の姿を台所で発見し、まだ居てくれたことがホッとして嬉しくて微笑んで声をかけて。「…良い香りです…何を作ってくれているんですか…?」ベッドから上半身を起こしては香りだけでは判別出来なかったため問いかけてみて。まさか彼がまだ居てくれるなんて…喜びはもちろん感じるが申し訳ない気持ちもある。でも彼が居なくなってしまっていたらきっと自分は寂しく感じていただろう。それを気にして彼は留まってくれているのではないかと思いつつもやっぱり彼が居てくれるのは嬉しい。帰るならきちんと見届けて帰ったことを自分が理解しないとその寂しさは計り知れないと思っていたため彼が自分が眠っているうちに帰ってしまわないと本当によかったと思ったがあまりにも自分勝手だろうかとも感じていて )
嗚呼、斎藤起きたんだな。台所、使わせて貰ってるよ。…きんぴらと煮魚と出汁巻きと豆腐の味噌汁だ。和食は消化に良いものが多いし斎藤は洋食よりもこっちのが好きなんじゃないかと思ってな。…もう出来るけど食べるか?食べられそうにないならパックに詰めて保存してくが。( 料理が出来上がるころ、相手の声が聞こえれば一度ガスを止めてそちらに顔を向けて。朝よりも幾分顔色が良くなったような気がして安堵しつつ、自分がまだ家に居ることを喜んでいるように見えてホッとして。作ったものは和食。相手の年代ではジャンキーな食べ物や洋食が好まれそうだと思ったが相手は何となく和食が好きそうだと思って。それに洋食よりも薄味の和食のほうが病み上がりの身体には優しい。食べるかと問いかけつつとりあえずコップにお茶を注いでは相手の元へ持っていき差し出して )
……!…食べます…!……嬉しいな…ありがとうございます…和食…大好きです…。
( これぞ手作り料理といった献立が彼の口から聞ければぱあぁと表情は輝いて。すぐに今度は噛まずに食べますと答えては和食も好きだし彼の手料理も嬉しいしでふにゃんと柔らかく微笑んでお礼を告げて。自分も何か手伝った方が良いのではとほぼ条件反射ですくっとベッドから立ち上がるもハッとしてすぐにベッドへ腰を下ろして。彼のおかげでかなり体調はよくなってはいるがその彼自身が万全でない自分が動くことを良しとしていない。彼が準備を終えるまで申し訳なく思いながらもベッドへ座っていて。その間にも彼お手製の料理全ての良い香りに涎が出てきつつもそれを拭い、大人しく待っていて )
…良かった。…斎藤のその喜ぶ顔を見るとホッとするし癒されるよ。…深い意味はないが。( 和食が好きだと喜んでくれる相手の表情はやはり純粋で綺麗で。少し立ち上がりそうになりながらも自分が言ったことを覚えていてくれたのか座り直す相手に胸がキュンとして。その胸の高鳴りがあったからなのかつい思っていたことが口から零れれば少し誤魔化すように味噌汁の入った鍋に視線を落とし声を小さくして。ちらりと相手を見ればちょこんとベッドに大人しく座る姿。ご飯を待つ子犬のようでまた可愛らしく思いつつ、着々と食卓の準備を進めていき完成した料理をテーブルの上に並べて。「よし、斎藤準備出来たぞ。ちゃんと待ててえらかったな。」箸とコップも準備し終えては、マテをしていた相手にヨシと言う感覚で視線を向けていて。ただ作った料理が相手の口に合うかどうか、相手に以前料理のことを聞いたとき、煮物や煮魚…特に和食が得意そうだったので凡人の自分が作った料理で大丈夫だろうかと思い。ただ生徒相手になぜこんなにも心配になるのかと一人考えながら相手の座る椅子を軽く引いてから、向かいの自分の座る席に座って )
…?先生が嬉しいなら…俺も嬉しいです…。
( 深い意味はないと付け加える様子に軽く首を傾げるも彼が嬉しいと感じてくれているのはその表情から伝わって来たため、だとしたら自分も嬉しいとニヨニヨと緩い笑み浮かべて告げて。彼が準備を終えて此方に視線を向けてくれてはピクンと反応してベッドから下りて彼が夕飯を並べてくれたテーブルに近づいては引いて貰った椅子に座って。偉かったと褒めて貰えては照れたように口元緩めて。そして美味しそうな香りが漂う食べ物達にキラキラ瞳は輝いて。どれから食べようと視線をキョロキョロとさせつつもいただきますと手を合わせて。「…お味噌汁…食べます…ふー…ふー…ん…あち…あ…豆腐…美味しいです…」まずは湯気の立つお味噌汁から。息を吹き掛けてから器に口をつけて味噌汁を飲んではまだ熱かったようで小さくあちと声をあげながらも豆腐を発見し目を細めては美味しいと伝えて。次は出汁巻き卵。ふっくらした綺麗な黄色を一口大の大きさに箸で切ってはじゅわりと出てくるお出汁がもう既に美味しそうで。箸で掴んでぱくりと口へ入れては味付けもバッチリでふわふわでやっぱりとても美味しい。至福の表情を浮かべてもぐもぐ咀嚼して )
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