匿名さん 2019-10-09 22:32:00 |
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あ…うん…
(単純に考えて自殺未遂の次の日にまた学校に来るなどおかしな話であるが相手の気軽な言葉がむしろ強く背中を押し、流れで肯定的な返答を返す。今度はしっかりとした足取りで追いかけるように階段を下る。その足取りの軽さにはっとし、いつの間にか目の前の人物を信用してしまっていること気づく。明日また学校に来れば…思い出されてしまった消えない暗闇がまた心を蝕みだし、恩人相手に失礼なことだが少しだけ距離をおき足を進める。)
昇降口閉まるよー
(相手も後ろから着いてきているだろう、そうずっと思っていて。階段を降りきったところで振り返ると、少しだけ自分と距離の離れている相手。とにかく、もう急がないと昇降口がしまってしまうが、相手に焦らせないよういつもの口調で軽く伝え、)
は、はいっ!
(一人でまた悩みモードに入っていたが相手の声で引き戻され、不思議な安心感に暗い穴が埋まっていく。今まで何人に裏切られてきたかわかっているはずだが、この人なら信じても…っと駆け足で追い付く。)
はい、お疲れー
(駆け足で追いついてきた相手の背を、ぽすぽすと軽く叩き。靴を履き替え、軽快な足取りで昇降口から出れば、ふと空を見上げてああ、随分日が短くなったなあと)
お、お気をつけて…
(よかった、今日は靴が捨てられていないようだ。恐る恐る足を通し、何事もなければふっと立ち上がり相手と共にギリギリ門をくぐりため息と共に肩を落とす。相手の帰宅ルートは知らないが、これ以上自分と関わっている所が知られたら相手に迷惑だろう…と一言別れを告げ自分の帰路につく。)
え? 送るよ、ーーーあ、見られたらマズいか?
(お気をつけて、そう言って自分の帰路につく相手の隣に追いつけば、当たり前だと言わんばかりにそう言い放ち。この暗い中女の子1人で帰らせるのは不安だし、なにより自分が引き止めてしまったのだ、その謝罪にでもなればと言った思いが込められていて)
っだ、大丈夫です…!迷惑かけちゃいますから…
(こちらに追い付いた足音が振り替えるとどうやらついてきてくれるようであるが、心配いらないと告げる。一人の暗闇は慣れている、それに帰路にはいくつか『彼ら、彼女ら』のたまり場がある、恩人に迷惑をかけるわけにはいかないという一心で首を振る。)
…まあそういうなら大丈夫か、気をつけろよ、
(暫く相手の顔をじっと見て様子を伺っていたが、そこまで首を振る相手に強引について行くものではないか、と判断して。あまり引き留めて、これ以上帰りを遅くさせるのも悪いとひらひら手を振っては自分の帰路につき、)
今日はっ…!ありがとうございました…
(こちらも手を振り替えし浮かべ慣れないぎこちない笑顔を浮かべ、こちらもまた駅に向かう帰路につく。今日は不思議な日だった…だが不思議と穏やかで暖かな感覚が漂う。いつも目の前を通過する電車に感じていた死を促すような目眩もないまま無事家につくと、ベッドに倒れこむ。眠る前に傷と痣まみれの体を湯船に浮かべ、自分を助けた彼を思い浮かべながらため息のように一言呟く。)
明日……学校行こうかな…
(/このまま次の日ルートで大丈夫でしたか…?あともうちょっとこうしてほしいとかあれば何でもおっしゃってください!改善します!)
はー……いってぇ、
(此方も無事自宅に辿り着き、制服やカバンを放り出してまず風呂に直行して。リストバンドをはずし、今日は傷にしみませんように、と祈りながら湯船に浸かるもひりひり、ちわちわと手首に沁みて息を吐き、)
(/大丈夫ですよー!
いえ、全然大丈夫です!琴音ちゃん可愛くて…御相手出来て嬉しい限りです…!)
なんで…死んでないんだろ…
(一時の夢に踊らされるとは我ながら単純なものだ。何故死のうと思ったかなど自分が一番わかっているはずなのにこうして原因に足を運んでしまった。だからまたこんなめに会うのだと自責をしつつ首についた赤い縄の後を擦りながら教室に向かう。どこから漏れたのだろう、あの男だろうか?いつの間にか自殺未遂は少なくともクラスには知れわたったようで、朝から『自殺ごっこ』とやらに巻き込まれた。子供だな…そう思っているなら反抗すればいいものの結局はなされるがままの自分に吐き気を覚える。彼はまだ来ていないのだろうか…いつの間にかあの男について考えている事に気付きため息をつく、我ながら単純なものだ…)
暇なことしてる暇あれば俺と遊べよなー?
(いつも通り教室に入れば、席に着くまでにわらわらと人が集まってきて。昨日のこと、「自殺ごっこ」とやらを彼女にさせたことを興奮気味に話すクラスメイトを鼻で笑い、冗談っぽく煽ってみせる。普段からこのノリが許されているからか、反感を買うことはなく。へらへら笑っているがその目は笑っておらず。琴音をいじめている彼ら、彼女らをまとめて放課後にカラオケに誘えば皆乗り気で、これで放課後は彼女が平穏に帰れるだろうと、一瞬だけ琴音を見て優しく笑い)
(不思議と彼に目がいってしまう、奴らと笑い会う人気者の姿を見ているとやっぱり皆と一緒なんだ…そんな絶望に反してちらちらと目線をむけてしまう。一瞬目が会った、その瞬間抱いていた負の感情が一時的にでも晴れる気がし、相手の笑顔にこちらも微笑を返す。予備鈴が鳴り席についた彼に、周りに気づかれないよう、か細く自信なさげな挨拶をする。)
お、おは…よぅ…
…来てくれたの、すげー嬉しい
(周りに気づかれないよう、細心の注意を払って挨拶してくれた彼女に挨拶を返さねばと口を開くも、一瞬迷ってそっちを告げて。此方も小さな声でぼそりと呟いただけだが、その声色は弾んでいてどうやら本気で嬉しいようだ、)
…!
(正直返答には期待していなかったが小さく、しかし確実にこちらに投げられた言葉に一瞬怯みつつも笑顔を浮かべる。教室で笑うのは本当に久しぶりだ…一時とはいえさきほどまでの陰鬱が吹き飛ばされるようで心に不思議と余裕ができる。だがその片隅に、このクラスの中心の一人である彼が私なんかに…という不安を抱えてしまい笑顔に少々のぎこちなさが残る)
そんな緊張すんなよ
(ちらりと伺うように表情を確認すれば、笑ってはいるけれど、どこかぎこちなさの残る表情で。それを緊張していると解釈し、なるべく目立たないように、元気づける意味で彼女の足を自身の足でほんの少し小突いてみせ、)
…!?う、うん…
(相手の足が触れると露骨に驚きが顔に浮き上がり、そのまま相手の顔目を移す。どうやらもっと気を抜いていい、という配慮のようで彼がこのクラスで人気を得ている理由に気づいた気がした。むしろ先ほどより心のざわつきは大きくなっていたが表情は純粋な微笑に戻りアイコンタクトを交わす。)
おお、本鈴か
(顔こそ彼女に向けないが、その顔はどこか嬉しそうで頬が緩んでおり。それはわかりやすく驚いた彼女の反応を楽しんでいるようにも見え。あと二言、三言くらいは交わせるかと口を開いたと同時に本鈴が鳴り響き、)
(/返信遅れてすみません…!)
昨日…ありがとう…ございます…
(こちらも改めてお礼を言おうと口を開いた瞬間鈴に遮られ口を紡ぐ。しかし顔には微笑が残り、陰鬱な心持ちは無く穏やかにショートホームルーム終了の礼をする。そのまま彼に一言告げ顔を赤らめ逃げるようにその場を去る。)
(/大丈夫ですよ!)
はー……終わったぁ
(つまらない午前の授業を終え、昼休みの鈴が鳴る。授業中、知らぬうちに寝てしまっていたらしい。半分ほど白いノートを見なかったことにしようと静かに閉じ、気分を変えるかのようにぐぐっと体を大きく伸ばして、)
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